JP2004220036A - カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物、及びカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物、及びカラーフィルターの製造方法 Download PDF

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全克 中村
Tomonori Nishida
知則 西田
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Abstract

【課題】 インクジェットヘッドからの吐出安定性に優れるカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を提供する。また、基板の表面に濡れ性可変層を形成し、その表面の親水性を部分的に大きくした時に、当該親水性領域に正確且つ均一に付着させることができるカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を提供する。
【解決手段】 2乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを用いることによって、ヘッド先端でのインクの粘度増加を起こし難くなる。また、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定して求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示す溶剤を用いることによって、熱硬化性インキ組成物を、濡れ性可変層の親水性を領域に、正確且つ均一に付着させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カラーフィルターの基板上に、画素部(着色層)のような所定パターンの硬化層を形成するのに用いられる熱硬化性インキ組成物、及び、当該熱硬化性インキ組成物を用いてカラーフィルターを製造する方法に関する。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
特開昭59−75205号公報 特開平9−203803号公報 特開平8−230314号公報 特開平8−227012号公報 特開平9−21910号公報
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、インクジェット方式で着色インクを吹き付けして着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(特許文献1)。ここでは、ガラス基板に対し濡れ性の良いインクを用いる場合には、インクに対して濡れ性の悪い物質で予め境界となる凸部を印刷しておく方法や、ガラスに対して濡れ性の悪いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料で予めパターンを形成しておき、インクが定着するのを助ける方法が開示されている。しかしながら、具体的にどのようにして濡れ性の良い材料および濡れ性の悪い材料を塗り分けるかに関しては一切記載されていない。
また、インクジェット方式で着色インクを吹き付けて着色層(画素部)を形成し、カラーフィルタを製造する別の方法としては、特許文献2に凹部を親インク処理剤で処理する方法が開示されている。この方法では、予め基板上に凸部を形成し、この凸部を撥インク性とした後に、基板全体を親インク処理剤により表面処理するものである。しかしながら、この方法では、親インク処理を行うに際して予め凸部を撥インク性とする必要があることから、撥インク処理および親インク処理の2回の処理を行う必要があるという問題点がある。
また、同じくインクジェット方式で着色層を形成し、カラーフィルタを製造する方法としては、特許文献3および特許文献4に、基板上にインクの吸収層を設け、この吸収層のインク吸収性を露光部と非露光部とで変化させることにより、着色層(画素部)を形成する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、吸収層を形成しインクをこの吸収層に吸収させて着色層を形成するものであるため、インクのドットの中心部と周囲部とで着色に差があり、色むらや色抜けが生じてしまうという問題がある。また、この吸収層はインクを吸収するというその機能上、必ず所定の厚みが必要であるという問題点もある。
また、特許文献5には、熱硬化性樹脂を含有する着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付け、加熱することにより着色層(画素部)を形成することが記載されている。しかしながら、従来の熱硬化性着色インクを、そのままインクジェット方式に用いると、着色インクを吹き付けている最中にインクジェットのヘッド先端でインクの乾燥が進行して徐々に粘度が上がり、吐出性が悪くなる。その結果、着色インクの吐出量や吐出方向が不安定になったり、インクジェットのヘッドに目詰まりが生じるなどのおそれがある。
本発明は、上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、下記のうち少なくとも一の目的を達成する。
その第一の目的は、カラーフィルター基板上にインキをインクジェット方式により吹き付ける際に、インクジェットヘッド先端でのインクの粘度増加を起こし難く、良好な吐出性を維持し、或いは、ヘッドの目詰まりを起こし難い熱硬化性インキ組成物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、従来光照射によって硬化させていた工程を省くことができ、工程数、工程時間を短縮することができる熱硬化性インキ組成物を提供することにある。
また、本発明の第四の目的は、上記第一又は第二の目的を達成し得る熱硬化性インキ組成物を用いるインクジェット方式によって、画素部(着色層)のような所定パターンの硬化層を正確且つ均一に形成することのできる、カラーフィルターの製造方法を提供することにある。
本発明において、カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有することを特徴とする。
上記カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、熱硬化性成分として2官能乃至3官能の官能基数が比較的少ないエポキシ基含有モノマーを用いるので、インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難く、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインキの吐出性が安定する。そのため、インキの吐出量や吐出方向が一定に保たれ、インキを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができる。
上記のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いて、カラーフィルター上にさまざまなパターンや保護膜を形成することができるが、特に、このインキ組成物に着色剤を配合し、画素部を形成するのに好適に用いられる。
2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルの中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
本発明においては、さらに、(1)基板上の所定領域に、上記カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させて、インキ層を形成する工程と、(2)当該インキ層を加熱することにより硬化させて、所定パターンの硬化層を形成する工程、を含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法を提供する。
そして、このカラーフィルター用光硬化性インキ組成物に着色剤を配合して用い、前記硬化層としての画素部を形成することができる。
以下において、インクジェットヘッドの良好な吐出性を維持し得る第一の発明に係る熱硬化性インキ組成物及び当該インキ組成物を用いるカラーフィルターの製造方法と、カラーフィルター基板上に、濡れ性の変化を利用して、所定のパターン状に正確且つ均一に付着させることのできる第二の発明に係る熱硬化性インキ組成物及び当該インキ組成物を用いるカラーフィルターの製造方法について、順次説明する。
(1)第一の発明に係る熱硬化性インキ組成物及びカラーフィルターの製造方法
第一の発明に係る熱硬化性インキ組成物(第一の熱硬化性インキ組成物)は、必須成分として、バインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを少なくとも含有することを特徴とする。第一の熱硬化性インキ組成物には、必要に応じて、着色剤、分散剤、硬化促進剤、或いは、その他の添加剤を配合してもよい。また、熱硬化性インキ組成物に、インクジェット方式に適用するための適切な流動性、吐出性を付与するために、上記の各成分を溶剤(希釈剤)に溶解又は分散させてもよい。また、第一の熱硬化性インキ組成物には、上記2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、4官能以上のエポキシ基含有樹脂を組み合わせて用いてもよい。
(バインダー)
バインダーとしては、それ自体は重合反応性のない樹脂、及び、それ自体が重合反応性を有する樹脂のいずれを用いてもよく、また、2種以上のバインダーを組み合わせて用いても良い。
重合反応性のない樹脂をバインダーとして用いる場合には、熱硬化性インキ組成物中の必須成分である2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマー、及び、所望成分であるその他の熱硬化性成分が、加熱により重合して、硬化する。
そのような非重合性バインダーとしては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
より具体的には、アクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等のアクリル酸共重合体類を用いることができる。
具体例をさらに続けると、メタクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等のメタクリル酸共重合体類等を挙げることができる。
上記例示の非重合性バインダーのうち、特に、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などが好ましい。
一方、それ自体が重合性を有するバインダーとしては、非重合性バインダーの分子に、エポキシ基のような熱重合性の官能基を導入してなるオリゴマー又はオリゴマーよりも大分子量のポリマーを用いることができる。重合性バインダーの分子は、バインダー同士で重合すると共に、2官能乃至3官能の多官能モノマー、及び、所望成分であるその他の重合性モノマーとも重合して熱硬化する。
熱重合性のバインダーとしては、例えば、次に示すようなエチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーの1種または2種以上を重合させた単独重合体または共重合体を用いることができる:アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチルなどの(メタ)アクリレート類;o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのビニルグリシジルエーテル類;2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル。
また、上記のようなエチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーの1種または2種以上と、下記のようなエポキシ基を含有しないモノマーを重合させた共重合体も、熱重合性のバインダーとして用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
バインダーは、熱硬化性インキ組成物の固形分全量に対して、通常、1〜50重量%の割合で配合する。ここで、配合割合を特定するための熱硬化性インキ組成物の固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマーも固形分に含まれる。
(着色剤)
カラーフィルターの基板上に、本発明の熱硬化性インキ組成物を用いて画素部のような着色パターンを形成する場合には、熱硬化性インキ組成物中に着色剤を配合する。画素部のR、G、B等の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発明において、着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
カラーフィルターの基板上に、本発明の熱硬化性インキ組成物を用いて遮光層のパターンを形成する場合には、熱硬化性インキ組成物中に遮光性の高い黒色着色剤を配合する。遮光性の高い黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、或いは、シアニンブラックなどの有機系着色剤を使用できる。
また、第一の熱硬化性インキ組成物を用いて、無色透明の、或いは、色を調節する必要のない硬化層を所定のパターン状に形成する場合には、特に着色剤を用いる必要はない。
画素部を形成する場合には、熱硬化性インキ組成物の固形分全量に対して、通常、着色剤を通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合する。着色剤が少なすぎると、熱硬化性インキ組成物を所定の膜厚(通常は0.1〜2.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがある。また、着色剤が多すぎると、熱硬化性インキ組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがある。
(熱硬化性成分)
第一の発明においては、インキの熱硬化性成分として、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを、1種又は2種以上組み合わせて用いる。2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーは、熱硬化性樹脂のなかでも比較的粘度が低いうえに、乾燥による粘度上昇が少ないので、このような2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを熱硬化性成分として用いるインキは、インクジェット方式による吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇を起こし難く、ヘッドの目詰まりを発生させず、作業中におけるインキの吐出性が安定する。そのため、インキの吐出量や吐出方向が一定に保たれ、インキを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができる。
2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルなどを例示することができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーの配合割合は、熱硬化性インキ組成物の固形分全量に対して、通常、20〜70重量%の割合で配合する。
ここで、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーの配合割合が全固形分(溶剤以外の全成分)の20重量%に満たない場合には、インキ組成物がモノマーによって十分に希釈されず、インキの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドの穴詰まりを起こすおそれがある。また、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがある。
また、第一発明の熱硬化性インキ組成物には、上記の2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、必要に応じて、単官能のエポキシ基含有モノマー、及び/又は、4官能以上のエポキシ基含有樹脂、及び/又は、エポキシ基含有モノマー以外の熱硬化性成分を配合してもよい。
単官能のエポキシ基含有モノマーとしては、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテルが例示される。
また、エポキシ基含有モノマー以外の熱硬化性成分としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、シクロペンタジエン樹脂等を例示することができる。
第一の発明においては、特に、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、4官能以上のエポキシ基含有樹脂を配合するのが好ましい。熱硬化性インキ組成物中に配合されるエポキシ基含有成分が全て2官能乃至3官能である場合には、インキの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、インクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、インキ層を硬化して得られた硬化層の膜強度や基板に対する密着性が不十分となる場合がある。そこで、上記の2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、4官能以上のエポキシ基含有樹脂を適量配合することにより、硬化層のパターンに十分な膜強度と密着性を付与することができる。
4官能以上のエポキシ基含有樹脂としては、例えば、フェノールノボラックエポキシ、クレゾールノボラックエポキシ等のノボラック樹脂類、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシレンジアミンなどのグリシジルアミン樹脂類、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルメタン等のグリシジルエーテル樹脂類などを用いることができる。
4官能以上のエポキシ基含有樹脂は、熱硬化性インキ組成物の固形分全量に対して、通常、1〜30重量%の割合で配合する。また、2乃至3官能のエポキシ基含有による吐出性安定化と、4官能以上のエポキシ基含有樹脂による強度及び密着性向上のバランスをとるために、2乃至3官能性モノマー100重量部に対して、4官能以上のエポキシ基含有樹脂の配合割合を、通常は1〜50重量部とし、好ましくは当該配合割合の下限を2重量部以上とし、且つ/又は、当該配合割合の上限を35重量部以下とする。
ここで、4官能以上のエポキシ基含有樹脂の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インキを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上のエポキシ基含有樹脂の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インキの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがある。
(硬化剤)
本発明のカラーフィルター用熱硬化性インク組成物には、通常、硬化剤が配合される。硬化剤として、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不十分となり、強靭な塗膜を形成することができない。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るうえに、均一で平滑な塗膜を形成することができない。
(分散剤)
分散剤は、着色剤を良好に分散させるために、熱硬化性インキ組成物中に必要に応じて配合される。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
(その他の成分)
本発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物には、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)硬化促進剤(連鎖移動剤):例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど、
b)分散助剤:例えば、銅フタロシアニン誘導体等の青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体等など。
c)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
d)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
e)酸化防止剤:例えば、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなど。
f)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
g)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、或いは各種の界面活性剤など。
(溶剤)
本発明においては、カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物にインクジェット方式で用いるための適度な流動性を付与するために、通常は、当該熱硬化性インキ組成物を溶剤で希釈する。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等の高沸点溶剤類を用いることができる。
このような溶剤を、当該溶剤を含む熱硬化性インキ組成物の全量に対して、40〜95重量%の割合で用いてインキ組成物の塗工液を調製する。溶剤が少なすぎると、インキの粘度が高く、インクジェットヘッドからの吐出が困難になる。また、溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位(インキ層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆積量)が十分でないうちに、当該濡れ性変化部位に堆積させたインキの膜が決壊し、周囲の未露光部へはみ出し、さらには、隣の濡れ性変化部位(インキ層形成部位)にまで濡れ広がってしまう。言い換えれば、インキを付着させるべき濡れ性変化部位(インキ層形成部位)からはみ出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不十分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い十分な透過濃度を得ることができなくなる。
(第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物の調製)
バインダー、2乃至3官能のエポキシ基含有モノマー、及び、必要に応じてその他の各成分を任意の順序で混合するか、或いは、それらの成分を任意の順序で上記の溶剤に投入し、ディゾルバーなどにより十分に攪拌して、均一に溶解、分散することによって、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を調製することができる。
(第一発明におけるカラーフィルターの製造)
上述した第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物にR、G又はB等の所望の着色剤を配合してなる画素部形成用インキを、カラーフィルターの基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させた後、加熱して硬化させることによって、画素部を形成することができる。
このような工程を含むカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に説明する。先ず、図1(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板1を準備する。この透明基板としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
次に、図1(B)に示すように、透明基板1の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光部2を形成する。遮光部2は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成することができる。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、遮光部2としては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部のパターニングの方法としては、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
次に、図1(C)に示すように、遮光部のパターンの幅方向中央に、遮光部よりも幅の狭い撥インキ性凸部を必要に応じて形成する。このような撥インク性凸部の組成は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定されるものではない。また、特に透明である必要はなく、着色されたものであってもよい。例えば、遮光部に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。本発明においては、取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性凸部は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理したものでもよい。
撥インキ性凸部のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。撥インク性凸部の高さは、上述したようにインクジェット法により着色する際に、インクが混色することを防止するために設けられるものであることからある程度高いことが好ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性を考慮すると、画素部の厚さに近い厚さであることが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によっても異なるが、通常は0.1〜2μmの範囲内であることが好ましい。
次に、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物であって、1又は2以上の着色剤を配合してなる、各色の画素部形成用インキを用意する。そして、図1(D)に示すように、透明基板1の表面に、遮光層2のパターンにより画成された各色の画素部形成領域4R、4G、4Bに、対応する色の画素部形成用インキをインクジェット方式により吹き付けてインキ層を形成する。このインキの吹き付け工程において、第一発明に属する画素部形成用インキは、ヘッド5の先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続けることができる。従って、所定の画素部形成領域内に、対応する色のインキを正確に、且つ、均一に付着させることができ、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素部形成用インキを、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
次に、図1(E)に示すように、各色のインキ層6R、6G、6Bを必要に応じて乾燥させ、その後、加熱して硬化させて画素部を形成する。インキ層は、通常、真空乾燥機、オーブン、ホットプレート、或いはその他の熱を与えられる装置を用いて50〜200℃の温度範囲で乾燥し、通常、真空乾燥機、オーブン、ホットプレート、或いはその他の熱を与えられる装置を用いて120〜250℃の温度範囲で加熱硬化させる。画素部の厚さは、光学特性等を考慮して通常は0.1〜2.0μm程度とする。
次に、図1(F)に示すように、透明基板の画素部8R、8G、8Bを形成した側に、保護層9を形成する。保護層は、カラーフィルタを平坦化するとともに、画素部等に含有される成分が、液晶表示装置の液晶層へ溶出するのを防止するために設けられる。保護層の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルタの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定することができる。保護層は、例えば、公知の透明感光性樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護層として要求される光透過率等を有するものを用いて形成することができる。
このようにして、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いてカラーフィルター101Aが製造される。この例においては、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物である画素部形成用インキを用いて画素部を形成するが、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いるインクジェット方式によれば、画素部以外の硬化層、例えば、遮光層2や撥インキ性凸部3などを、所望のパターン状に形成することもできる。
遮光層2を形成したい場合には、第一発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物であって黒色顔料などの遮光性着色剤を配合してなる遮光層形成用インキを調製し、この遮光層形成用インキを、透明基板1の表面の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させてインキ層を所定のパターン状に形成し、当該インキ層を加熱して硬化させることによって遮光層を形成できる。
また、撥インキ性凸部3を形成したい場合には、第一発明のカラーフィルター用光硬化性インキ組成物であって、撥インキ性のバインダーを配合してなる撥インキ性凸部形成用インキを調製し、この撥インキ性凸部形成用インキを、インクジェット方式により、遮光層2の上面の中央に、当該遮光層2の長手方向に沿って当該遮光層2よりも幅狭のパターン状に付着させてインキ層を形成し、当該インキ層を加熱して硬化させることによって撥インキ性凸部3を形成できる。
(第一発明のまとめ)
以上に説明した第一発明をまとめると、次の通りである。
本発明の第一の形態において、カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有することを特徴とする。
第一形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、熱硬化性成分として2官能乃至3官能の官能基数が比較的少ないエポキシ基含有モノマーを用いるので、インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難く、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインキの吐出性が安定する。そのため、インキの吐出量や吐出方向が一定に保たれ、インキを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができる。
上記のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いて、カラーフィルター上にさまざまなパターンや保護膜を形成することができるが、特に、このインキ組成物に着色剤を配合し、画素部を形成するのに好適に用いられる。
2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルの中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
第一形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、前記2官能及至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、さらに4官能以上のエポキシ基含有樹脂を、前記2官能及至3官能のエポキシ基含有モノマー100重量部に対して1〜50重量部の割合で含有することが好ましい。
熱硬化性インキ組成物中に配合される熱硬化性成分が全て2乃至3官能性モノマーである場合には、インキの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、インクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、インキ層を硬化して得られた硬化層の膜強度や基板に対する密着性が不十分となる場合がある。そこで、上記の2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、4官能以上のエポキシ基含有樹脂を適量配合することにより、硬化層のパターンに十分な膜強度と密着性を付与することができる。
本発明の第一形態においては、さらに、(1)基板上の所定領域に、前記請求項1乃至4いずれかに記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させて、インキ層を形成する工程と、(2)当該インキ層を加熱することにより硬化させて、所定パターンの硬化層を形成する工程、を含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法を提供する。
そして、第一形態のカラーフィルター用光硬化性インキ組成物に着色剤を配合して用い、前記硬化層としての画素部を形成することができる。
(2)第二の発明に係る熱硬化性インキ組成物及びカラーフィルターの製造方法
第二の発明に係る熱硬化性インキ組成物(第二の熱硬化性インキ組成物)は、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示す溶剤に、少なくともバインダー及び熱硬化性成分を溶解又は分散させてなることを特徴とする。第二の熱硬化性インキ組成物には、必要に応じて、着色剤、分散剤、硬化促進剤、或いは、その他の添加剤を配合してもよい。
第二発明は、濡れ性に関して特定の性質を有する溶剤を用いて熱硬化性インキ組成物を調製することを特徴としているので、以下において、先ず、溶剤について説明し、それ以降は、第一発明と同じ順序で各成分を説明する。
(第二発明の溶剤)
第二発明においては、熱硬化性インキ組成物を希釈するための溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示す溶剤を必須成分として使用する。
濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤を用いて熱硬化性インキ組成物を調製すると、熱硬化性インキ組成物は、後述する濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな反発性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性を大きくした後は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな親和性を示す。従って、濡れ性可変層の表面の一部の濡れ性を親水性が大きくなる方向に変化させて所定のパターン状に形成したインキ層形成領域に対する熱硬化性インキ組成物の濡れ性と、その周囲の領域に対する熱硬化性インキ組成物の濡れ性の差を大きくとることができるようになる。
ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支えない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片としては、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。また、臨界表面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナイロンや親水化処理したガラス表面等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。
濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤としては、次のようなものを例示することができる。
a)グリコールエーテル類:例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等;
b)グリコールエーテルエステル類:例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;
c)グリコールオリゴマーエーテル類:例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等;
d)グリコールオリゴマーエーテルエステル類:例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;
e)脂肪族カルボン酸類又はその酸無水物:例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、無水酢酸等;
f)脂肪族又は芳香族エステル類:例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル等;
g)ジカルボン酸ジエステル類:例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジブチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、こはく酸ジメチル、こはく酸ジエチル、こはく酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル等;
h)アルコキシカルボン酸エステル類:例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル等;
i)ケトカルボン酸エステル類:例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等;
j)ハロゲン化カルボン酸類:例えば、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸等;
k)アルコール類又はフェノール類:例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、フェノール等;
l)脂肪族又は芳香族エーテル類:例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール等;
m)アルコキシアルコール類:例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシメチルエタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等;
n)グリコールオリゴマー類:例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等;
o)アミノアルコール類:例えば、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等;
p)アルコキシアルコールエステル類:例えば、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート等;
q)ケトン類:例えば、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン等;
r)モルホリン類:例えば、モルホリン、N−エチルモルホリン、フェニルモルホリン等;
s)脂肪族又は芳香族アミン類:例えば、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン等;
これらの中でも、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、又は、それらの混合物は好ましく用いられる。
第二発明の熱硬化性インキ組成物も、通常は、第一発明におけるのと同様の固形分濃度となるように溶剤で希釈され、塗工液が調製される。
(熱硬化性成分)
第二発明においては、第一発明に用いられるものとして説明され、或いは、具体的に例示された2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマー、単官能のエポキシ基含有モノマー、及び、4官能以上のエポキシ基含有樹脂のほか、その他の熱硬化性モノマーも熱硬化性成分として用いてもよい。
第二発明においても第一発明と同様に、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを用いることにより、インクジェットヘッド先端での熱硬化性インキ組成物の粘度上昇及び目詰まりを防止し、インクジェット方式による吹き付け作業中におけるインキの吐出性を安定させることができるので、好ましい。
また、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、4官能以上のエポキシ基含有樹脂を組み合わせて用いることにより、熱硬化性インキ組成物を用いて形成した硬化層のパターンに十分な膜強度と基板密着性を付与できることも、第一発明と同様である。さらに、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと4官能以上のエポキシ基含有樹脂の好ましい配合割合も、第一発明と同様である。
第二の発明においては、濡れ性に関して上述した溶剤と同様の挙動を示す熱硬化性成分を用いるのが好ましい。すなわち第二発明においては、熱硬化させる前の熱硬化性成分として、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを用いるのが好ましい。
濡れ性に関して上述した溶剤と同じ条件を満たす熱硬化性成分を用いて熱硬化性インキ組成物を調製すると、熱硬化性インキ組成物は、後述する濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して、より一層のこと大きな反発性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性を大きくした後は当該濡れ性可変層の表面に対して、より一層のこと大きな親和性を示すので、好ましい。
2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーであって、且つ、濡れ性に関し上記挙動を示すものとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル等を例示することができる。
(バインダー、着色剤、分散剤)
第二発明においても、第一の発明で用いられるのと同じバインダー、着色剤及び分散剤を、同じ配合割合で用いることができる。
すなわち、第二の熱硬化性インキ組成物には、それ自体は重合反応性のない樹脂、及び、それ自体が熱重合性を有する樹脂のいずれを用いてもよい。また、第二の熱硬化性インキ組成物を用いて画素部や遮光層のような着色パターンを形成する場合には、第二の熱硬化性インキ組成物中に、所定の色を付与すべく、1種又は2種以上の着色剤を配合する。また、第二の熱硬化性インキ組成物を用いて、無色透明の、或いは、色を調節する必要のない硬化層を所定のパターン状に形成する場合には、特に着色剤を用いる必要はない。
(その他の成分)
第二発明においても、必要に応じて硬化剤やその他の成分を熱硬化性インキ組成物に配合することができる。上述の第一発明に用いられるものとして説明され、或いは、具体的に例示された各添加剤は、第二発明においても用いることができる。
(第二発明のカラーフィルター用光硬化性インキ組成物の調製)
上記の熱硬化性樹脂、及び、必要に応じてその他の各成分を任意の順序で上記の溶剤に投入し、ディゾルバーなどにより十分に攪拌して、均一に溶解、分散することによって、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を調製することができる。
(第二発明におけるカラーフィルターの製造)
カラーフィルターの基板上に、親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層を形成し、当該濡れ性可変層の表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親水性の大きいインキ層形成領域を形成し、当該インキ層形成領域に、上述した第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物にR、G又はB等の所望の着色剤を配合してなる画素部形成用インキを選択的に付着させてインキ層を形成し、当該インキ層を加熱して硬化させることによって、画素部を形成することができる。
このような工程を含むカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に説明する。先ず、図2(A)に示すように、カラーフィルターの透明基板1の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光層2を形成する。この遮光層のパターンによって、各色の画素部形成領域4R、4G、4Bが画成される。透明基板1としては、上述の第一発明で用いられるのと同じものを用いることができ、遮光部2も、第一発明におけるのと同様のものを設けることができる。
次に、図2(B)に示すように、透明基板1の表面の少なくとも一部領域、特に、この例では、画素部形成領域を含む領域に、濡れ性可変層としての光触媒含有層10をベタ塗りのパターン(ソリッドパターン状)に形成する。
次に、図2(C)に示すように、光触媒含有層10にフォトマスク11を介して光線7を照射して露光を行い、画素部形成領域4R、4G、4Bの親水性を増大させる。
上記光触媒含有層10のような濡れ性可変層の画素部形成領域の濡れ性を選択的に変化させて親水性を大きくすると、第二発明の熱硬化性インキ組成物は、画素部形成領域に容易に付着して均一に広がり、一方、画素部形成領域の周囲領域では強く反撥して排除されるので、画素部形成領域に選択的に且つ均一に付着し、その結果、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。
第二発明において用いる濡れ性可変層は、濡れ性を変化させる前においてはJIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が、10〜50mN/mの範囲、好ましくは20〜45の範囲を示し、且つ、濡れ性を変化させて親水性を増大させた後においては同じ方法で求めた臨界表面張力が、40〜80mN/mの範囲、好ましくは50〜80の範囲を示すものであることが好ましい。
臨界表面張力をこのように変化させることのできる濡れ性可変層を用いると、第二発明の熱硬化性インキ組成物は、濡れ性を変化させて親水性を大きくした画素部形成領域等のパターン形成領域において、非常に小さな接触角を示し、一方、パターン形成領域の周囲においては、非常に大きな接触角を示し、濡れ性の差を非常に大きくとることができる。
フォトマスク11を用いて露光を行う場合は、隣接し合う画素部形成領域間の境界部に未露光部を確保しつつ、露光部12の幅を画素部形成領域4の幅よりも広くとるようにすることが好ましい。このようにすることにより、画素部形成領域4の隅々まで十分に露光され、親水性が増大するので、画素部の色抜け等の不都合が生じなくなる。光触媒含有層10は、フォトマスクを用いずとも、レーザー光線の走査によるフォトリソグラフィーなどの他の方法で所定のパターン状に露光してもよい。また、透明基板の裏面側(光触媒含有層10が設けられているのとは反対側)から露光を行うと、遮光層2がフォトマスクとして機能するので、フォトマスクが不要である。
光触媒含有層10に照射される光は、光触媒を活性化できるものであれば可視光線であっても不可視光線であっても差し支えないが、通常は、紫外光を含む光を用いる。このような紫外光を含む光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。この露光に用いる光の波長は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定することができ、また、露光に際しての光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により親水性を増大させるのに必要な照射量とすることができる。
親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層としては、例えば、a)図示した濡れ性可変層10のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもののほか、b)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するもの、c)光触媒及び当該光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層であって、当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば透明基板等が露出するもの、或いは、d)光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば光触媒含有層等が露出するものなどを例示することができる。
本発明における「親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層」は、基板に濡れ性可変層を設けてなる積層体において、濡れ性可変層形成面の濡れ性を親水性が大きくなる方向に変化させるものであればよく、上記例示a)、b)のように、濡れ性可変層自体の親水性が増大するものだけでなく、上記例示c)、d)のように、濡れ性可変層が分解して親水性の下地が露出するものも、これに含まれる。
以下において、上記a)及びb)のタイプについて、詳しく説明する。
a)それ自体の親水性が増大する光触媒含有層
図示した光触媒含有層10のように、それ自体が濡れ性可変層として機能する光触媒含有層は、光触媒とバインダとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行させてバインダ中に光触媒を強固に固定することにより形成される。
光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
光触媒含有層における光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼし、例えば、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等によって親水性を増大させると考えられる。
本発明においては、特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が不十分となるため好ましくない。
このタイプの光触媒含有層に使用するバインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
YnSiX(4-n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;
フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33
CF3(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF28CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF25(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OCH33
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、光触媒含有層の濡れ性を変化させる前の撥インク性が大きくなるので、濡れ性を変化させる前後で濡れ性の差を大きくとることができる。
また、上記(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2004220036
ただし、nは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
上記各成分を溶解、分散する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
b)濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を備え、濡れ性可変層の親水性が増大するもの
このタイプの濡れ性可変層を形成するには、先ず、バインダー及び光触媒を溶解、分散した塗工液を、カラーフィルターの透明基板上に塗布した後、加水分解あるいは重縮合反応進行させて光触媒含有層を形成するか、又は、光触媒単体の光触媒含有層を形成する。次いで、光触媒含有層の上に、疎水性の有機物からなる薄膜の濡れ性可変層を形成する。光触媒、バインダー、或いは溶剤等は、上記a)のタイプで用いるのと同じものを用いてよい。
有機物の薄膜の形成には、溶液の塗布、表面グラフト処理、界面活性剤処理、PVD、CVD等の気相による成膜法を用いることができる。有機物としては、低分子化合物、高分子化合物、界面活性剤等で、光触媒によって濡れ性が変化するものを用いることができる。具体的には、光触媒の作用により有機基が水酸基に変化する、シラン化合物で、シランカップリング剤、クロロシラン、アルコキシシラン、あるいはこれらの2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物を挙げることができる。
なお、上記例示の濡れ性可変層は、当該濡れ性可変層自体が光触媒を含有する光触媒含有層であるか、又は、当該濡れ性可変層の透明基板側に設けられた光触媒含有層を備えており、当該光触媒含有層に光線を照射することによって光触媒を活性化し、活性化された当該光触媒の作用により、親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させるものである。すなわち、例示の濡れ性可変層は、いずれも、光線を照射されることによって親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させるものである。
しかしながら、本発明において濡れ性可変層は、その表面の濡れ性を、外からの刺激、例えば物理的刺激、化学的刺激等により変化させることができる層であれば特に限定されるものではない。例えば、酸またはアルカリ等により表面の粗さの状態が変化し、濡れ性が変化する層等であってもよいし、また紫外線や可視光、さらには熱等のエネルギーの照射により濡れ性可変層内の物質が変化して濡れ性が変化する層等であってもよい。
また、例示の方法で用いられている光触媒含有層は、画素部形成領域に光線を照射して親水性が増大させ、第二発明の熱硬化性インキ組成物を選択的に付着させるが、何らかの刺激によって親水性が減少するような濡れ性可変層をカラーフィルターの透明基板上に設け、画素部形成領域のネガパターン状に濡れ性を変化させる刺激を与えることによっても、第二発明の熱硬化性インキ組成物を所望の領域だけに選択的に付着させることが可能である。
次に、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物であって、1又は2以上の着色剤を配合してなる、各色の画素部形成用インキを用意する。そして、上述した図2(C)の工程において親水性を増大させた画素部形成領域4R、4G、4Bに、対応する色の画素部形成用インキを選択的に付着させて、図2(D)に示すようなインキ層6R、6G、6Bを形成する。
画素部形成用インキは、印刷等の任意の方法で画素部形成領域に付着させることができるが、図2(D)に示すように、インクジェット方式により画素部形成領域に吹き付けるのが好ましい。第二発明の熱硬化性インキ組成物は、画素部形成用インキに限らず、インクジェット方式に対する適性に優れている。従って、第二発明の熱硬化性インキ組成物を、濡れ性を変化させて親水性を増大させた所定のパターン形成領域にインクジェット方式により吹き付けることによって、正確に且つ均一に付着させることができ、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素部形成用インキを、複数のヘッド5を使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
次に、図2(E)に示すように、各色のインキ層6R、6G、6Bを必要に応じて乾燥させ、その後、加熱して硬化させて画素部を形成する。次に、図2(F)に示すように、透明基板の画素部8R、8G、8Bを形成した側に、保護層9を形成する。図2(E)及び図2(F)に示すような第二発明における熱硬化工程及び保護層形成工程は、第一発明の場合と同様に行うことができる。
このようにして、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いてカラーフィルター101Bが製造される。この例においては、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物である画素部形成用インキを用いて画素部を形成するが、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を、基板表面の濡れ性の差を利用して親インキ性領域だけに選択的に付着させることによって、画素部以外の硬化層、例えば、遮光層2や撥インキ性凸部3などを、所望のパターン状に形成することもできる。
遮光層2を形成したい場合には、先ず、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物であって黒色顔料などの遮光性着色剤を配合してなる遮光層形成用インキを調製する。次に、透明基板1の上に濡れ性変化層10を形成し、遮光層を形成すべき領域の濡れ性を変化させて親水性を増大させ、予め用意しておいた遮光層形成用インキを、親水性(親インキ性)が増大した遮光層形成領域にインクジェット等の方法により選択的に付着させてインキ層を所定のパターン状に形成し、当該インキ層を加熱して硬化させることによって遮光層を形成できる。
また、撥インキ性凸部3を形成したい場合には、先ず、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物であって、撥インキ性のバインダーを配合してなる撥インキ性凸部形成用インキを調製する。次に、透明基板1の上に、遮光層1及び濡れ性変化層10を順次形成する。次に、遮光層2の上面の中央に、当該遮光層2の長手方向に沿って当該遮光層2よりも幅狭のパターン状に、濡れ性を変化させた撥インキ性凸部形成領域を形成する。次に、親水性(親インキ性)が増大した撥インキ性凸部形成領域にインクジェット等の方法により選択的に付着させてインキ層を所定のパターン状に形成し、当該インキ層を加熱して硬化させることによって撥インキ性凸部3を形成できる。
(実施例1)
(1)光触媒含有層用塗工液の調製
下記の成分を混合し、100℃で20分間攪拌して、光触媒含有層用塗工液を調製した。
〈光触媒含有層用塗工液の組成〉
・イソプロピルアルコール:3g
・フルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N−エチル−パーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液):0.07g
・酸化チタンゾル(石原産業製STK−01):3g
・シリカゾル(日本合成ゴム製グラスカHPC7002):0.6g
・アルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム製HPC402C):0.2g
(2)光触媒含有層の形成
開口部76μm×259μmで線幅23μmのクロム薄膜パターンからなるブラックマトリックスを有するソーダガラス製の透明基板上に、上記の光触媒含有層用塗工液をスピンコーターにより塗布し、150℃、10分間の乾燥処理後、加水分解、重縮合反応を進行させて、光触媒がオルガノポリシロキサン中に強固に固定された厚み0.5μmの透明な光触媒含有層を形成した。
この光触媒含有層に、マスクを介して水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で3分間、光線を照射し、非照射部位と照射部位の水に対する接触角を測定した。接触角の測定は、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用い、非照射部位又は照射部位にマイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後に行った。その結果、非照射部位における水の接触角は70°であるのに対して、照射部位における水の接触角は10°以下であり、照射部位が高親水性となって、照射部位と非照射部位との濡れ性の差を利用してパターン形成が可能なことが確認された。
さらに、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、光触媒含有層の表面の非照射部位に液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロット(横軸:標準液の表面張力、縦軸:cosθ)を作成し、グラフを外挿したところ、cosθ=0となる点が示す表面張力、すなわち、非照射部位の臨界表面張力は30mN/mだった。同じ方法で、照射部位における臨界表面張力を測定したところ、70mN/mだった。
(3)光触媒含有層の露光
パターンピッチが76μm×259μmで、且つ、上記ブラックマトリックスの線幅(23μm)よりも狭い幅(10μm)の遮光パターンを有するマスクを、上記透明基板の光触媒含有層上に配置し、ブラックマトリックスと重なるように位置合わせした後、このマスクを介して水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で50秒間、光触媒含有層を露光して、照射部位を高親水性とした。各照射部位は、ブラックマトリックス上に存在する幅10μmの非照射部により区画され、ブラックマトリックスに囲まれた76μm×259μmの大きさの画素部形成領域と、その周囲のブラックマトリックスと重なる領域を有していた。
(4)画素部用着色インキの調製
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色画素部用着色インキを調製した。
〈赤色画素部用着色インキの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254):5重量部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000):1重量部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体):3重量部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154):2重量部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル):5重量部
・硬化剤(トリメリット酸):4重量部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル:80重量部
上記成分のうち、溶剤である3−エトキシプロピオン酸エチルは、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が18°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が0°であった。
また、第二エポキシ樹脂であるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルは、同様の試験において、臨界表面張力が30mN/mの試験片表面に対する接触角が37°であり、且つ、臨界表面張力が70mN/mの試験片表面に対する接触角が0℃であった。
さらに、下記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかは赤色画素部用着色インキの場合と同様にして緑色赤色画素部用着色インキを調製した。さらに、下記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素部用着色インキの場合と同様にして青色画素部用着色インキを調製した。
(5)カラーフィルターの製造
上記の赤色画素部用着色インキを、ヘッドから赤色用の各画素部形成領域の中心部に、ドット径30μmで滴下した。同様に、緑色画素部用着色インキを、ヘッドから緑色用の各画素部形成領域の中心部に、ドット径30μmで滴下した。さらに、青色画素部用着色インキを、ヘッドから青色用の各画素部形成領域の中心部に、ドット径30μmで滴下した。滴下した各色の画素部用着色インキは、ブラックマトリックス上の非照射部ではじかれ、各色の画素部形成領域においては均一に拡散して選択的に付着された。
その後、各色の着色インキ層を80℃、3分間、真空乾燥させてから、オーブンにより200℃で60分間加熱して硬化させ、画素部を形成した。
次いで、二液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム(株)製SS7265)をスピンコーターにて画素部上に塗布し、200℃、30分間の硬化処理を施して保護層を形成し、カラーフィルターを得た。
(実施例2)
(1)画素部用着色インキの調製
下記組成の赤色画素部用着色インキ(赤色インキ2−1及び2−2)を調製した。どちらの着色インキの場合も、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を調製し、その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色画素部用着色インキを調製した。
〈赤色画素部用着色インキ2−1の組成〉
赤色インキ2−1としては、実施例1で調製したのと同じ赤色画素部用着色インキを、そのまま用いた。
〈赤色画素部用着色インキ2−2の組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254):5重量部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000):1重量部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体):7重量部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154):3重量部
・硬化剤(トリメリット酸):4重量部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル:80重量部
(2)粘度の測定
各赤色インキの粘度を、粘度測定器VIBROVISCOMETER CJV5000(A&D社製)を用い、温度20℃で測定した。
(2)吐出性の試験
インクジェットヘッドに各赤色インキを充填し当該ヘッドから吐出して、実施例1の場合と同様にして光触媒含有層を設けて所定のパターン状に露光したガラス製透明基板の赤色用画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。さらに、初期吐出を停止してヘッドを1分間静止させた後、同じヘッドから別の赤色用画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。このような間歇吐出において、最初に吐出動作を行った時の吐出性(初期吐出性)と、その後に再吐出を行った時の吐出性(間歇吐出安定性)を観察し、下記基準に従って評価した。
<初期吐出性の評価基準>
○:ヘッドの全部の穴からインキを吐出することが可能である。
△:ヘッドにインキの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインキが出ない。
<間歇吐出安定性の評価基準>
○:初期に吐出できたヘッドの穴の全部からインキを再吐出することが可能である。
△:ヘッドにインキの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインキが出ない。
(3)実施例2の結果
第1表に示すように、2乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと4官能以上のエポキシ基含有樹脂を組み合わせた赤色インキ2−1は、初期粘度が低く、初期吐出性及び間歇吐出安定性が共に良好だった。これに対して、4官能以上のエポキシ基含有樹脂しか用いない赤色インキ2−2は、初期粘度が比較的高く、初期吐出性及び間歇吐出安定性はいずれも赤色インキ2−1と比べて劣っていた。ただし、赤色インキ2−2は赤色インキ2−1と同じ溶剤を用いており、赤色用画素部形成領域からはみ出すことなく均一に拡散した。
Figure 2004220036
(実施例3)
(1)画素部用着色インキの調製
下記組成の赤色画素部用着色インキ(赤色インキ3−1及び3−2)を調製した。どちらの着色インキの場合も、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を調製し、その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色画素部用着色インキを調製した。
また、赤色インキ3−1について実施例1で測定したのと同様に、赤色インキ3−2について臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面、及び、臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角を測定した。
〈赤色画素部用着色インキ3−1の組成〉
赤色インキ3−1としては、実施例1で調製したのと同じ赤色画素部用着色インキを、そのまま用いた。
〈赤色画素部用着色インキ3−2の組成〉
溶剤を、78重量部の3−エトキシプロピオン酸エチルに代えて、同量のオクタンを用いたほかは赤色インキ3−1と同じ組成である。
(2)パターン形成試験
実施例1と同様にしてソーダガラス製の透明基板に光触媒含有層を形成した。この光触媒含有層を、未露光部の幅10μm、露光部の幅89μmのストライプ状に露光し、照射部位にインクジェットヘッドから各赤色インキを、次の吐出条件で吐出した。
<吐出条件>
・ドロップ径:30μm
・ヘッド周波数:2000Hz
・基板の送りスピード:50mm/sec.
このような吐出を行った時の赤色インキの広がり具合を観察し、下記基準に従って評価した。
<パターン形成の評価基準>
○:赤色インキが照射部位に十分広がり、非照射部位へのインキのはみ出しが少ない。
×:非照射部位、又は、隣の照射部位までインクが塗れ広がっていく。
(3)実施例3の結果
実施例3の結果を第2表に示す。赤色インキ3−1は実施例1において述べたように、臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角と臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角の差を大きくとることができ、良好なパターン形成を示した。これに対して、溶剤としてオクタンを用いた赤色インキ3−2は、上記各試験片に対する接触角の差が全くなく、今回用いた濡れ性可変層の照射部位に選択的に付着させることはできなかった。ただし、赤色インキ3−2は、赤色インキ3−1と同様に2乃至3官能モノマーと4官能以上のエポキシ基含有樹脂を組み合わせて用いており、インクジェットヘッドからの初期吐出性及び間歇吐出安定性は共に良好だった。
Figure 2004220036
(第二発明のまとめ)
以上に説明した第二発明をまとめると、次の通りである。
本発明の第二形態の形態において、カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示す溶剤に、少なくともバインダー及び熱硬化性成分を溶解又は分散させてなることを特徴とする。
第二形態の形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物は、溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを用いるので、濡れ性可変層の表面の一部の濡れ性を親水性が大きくなる方向に変化させて形成した所定パターンのインキ層形成領域に対する熱硬化性インキ組成物の濡れ性と、その周囲の領域に対する熱硬化性インキ組成物の濡れ性の差を大きくとることができる。そのため、第二発明のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を、インキ層形成領域に正確に、且つ、均一に付着させることができる。
上記のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いて、カラーフィルター上にさまざまなパターンや保護膜を形成することができるが、特に、このインキ組成物に着色剤を配合し、画素部を形成するのに好適に用いられる。
第二形態においては、溶剤として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3―エトキシプロピオン酸エチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、又は、それらの混合物を用いるのが好ましい。
第二形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物に熱硬化性成分を配合する場合には、第一形態において用いられるような2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを配合するのが好ましい。また、第二形態においても、前記2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーと共に、さらに4官能以上のエポキシ基含有樹脂を、前記2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマー100重量部に対して1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。
第二形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物に熱硬化性成分を用いる場合、濡れ性に関して上述した溶剤と同様の挙動を示す熱硬化性成分を用いるのが好ましい。すなわち第二形態の発明においては、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示す熱硬化性成分を用いるのが好ましい。
濡れ性に関して上述した溶剤と同じ条件を満たす熱硬化性成分を熱硬化性インキ組成物に配合すると、熱硬化性インキ組成物は、濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して、より一層のこと大きな反撥性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性を大きくした後は当該濡れ性可変層の表面に対して、より一層のこと大きな親和性を示すので、好ましい。
本発明の第二の形態においては、さらに、(1)基板上に、親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層を形成する工程と、(2)当該濡れ性可変層の表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親水性の大きいインキ層形成領域を形成する工程と、(3)当該インキ層形成領域に、前記請求項5乃至10いずれかに記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を選択的に付着させて、インキ層を形成する工程と、(4)当該インキ層を加熱することにより硬化させて、所定パターンの硬化層を形成する工程、を含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法を提供する。
そして、第二の形態のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物に着色剤を配合して用い、前記硬化層としての画素部を形成することができる。
前記のインキ層形成領域に、前記のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させることが好ましい。
前記の濡れ性可変層は、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が、濡れ性を変化させる前においては10〜50mN/mを示し、且つ、濡れ性を変化させた後においては40〜80mN/mを示すことが好ましい。
臨界表面張力をこのように変化させることのできる濡れ性可変層を用いると、第二発明の熱硬化性インキ組成物は、濡れ性を変化させて親水性を大きくした画素部形成領域等のパターン形成領域において、非常に小さな接触角を示し、一方、パターン形成領域の周囲においては、非常に大きな接触角を示し、濡れ性の差を非常に大きくとることができる。
前記の濡れ性可変層としては、光線を照射されることによって親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させるものを用いることができる。
そのような濡れ性可変層としては、例えば、光触媒の作用を利用するものがある。具体的には、濡れ性可変層自体が光触媒を含有する光触媒含有層であるか、又は、濡れ性可変層の基板側に設けられた光触媒含有層を備えており、当該光触媒含有層に光線を照射することによって光触媒を活性化し、活性化された当該光触媒の作用により、親水性が大きくなる方向に濡れ性を変化させるものを用いることが可能である。
第一発明のインク組成物を用いてカラーフィルターを製造する方法の説明図である。 第二発明のインク組成物を用いてカラーフィルターを製造する方法の説明図である。
符号の説明
1…透明基板
2…遮光部
3…撥インキ性凸部
4…画素部形成領域
5…インクジェットヘッド
6…インキ層
7…光線
8…画素部
9…保護膜
10…光触媒含有層
11…フォトマスク
12…露光部

Claims (5)

  1. 少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有することを特徴とする、カラーフィルター用熱硬化性インキ組成物。
  2. さらに着色剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物。
  3. 前記2官能及至3官能のエポキシ基含有モノマーは、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルの中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物。
  4. (1)基板上の所定領域に、前記請求項1乃至3いずれかに記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させて、インキ層を形成する工程と、
    (2)当該インキ層を加熱することにより硬化させて、所定パターンの硬化層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
  5. 前記請求項2に記載のカラーフィルター用熱硬化性インキ組成物を用いて、前記硬化層としての画素部を形成することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
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