JP4533489B2 - 画像表示媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基材の間隔を均一に保つスペーサが、基材上に精度良くかつ簡便な工程で形成された画像表示媒体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶パネルやプラズマディスプレイ等の画像表示媒体は、例えばカラーフィルタを構成する着色層やブラックマトリックス、その他電極やスイッチング素子等の種々の画像表示手段を具備した2枚の基材からなり、この2枚の基材間に液晶等の画像表示機能材を充填して通常構成されるものである。このような2枚の基材は、スペーサによりその間隔を均一に保たれているが、現在、このスペーサとしては、プラスチックビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ等の真球状粒子が用いられている場合が多い。このようなスペーサ用ビーズは、2枚の基材間に適当に分散され配置される。
【0003】
しかしながら、この方法では上記スペーサ用ビーズを均一に分散させることが難しく、また、カラー液晶パネルの場合は、画素部分(ブラックマトリックスの開口部)にもスペーサ用ビーズが存在することになるため、液晶パネルのバックライトを透過させたり反射させたりするいわゆる「光漏れ」の現象を引き起す。これがカラー表示ではホワイトスポットとして画面に表われ、表示コントラストを大幅に下げる原因となっている。
【0004】
また、基材にPET等の可撓性を有する材料を用いた場合は、画像表示媒体自体も可撓性を有するものとなることから、画像表示媒体を曲げて使用する等のケースが多くなる。この場合、上述したようなビーズを用いた場合は、基材間でビーズが移動して集合してしまい、結果的に基材間のギャップを一定に保つことができない等の問題が生じる場合がある。
【0005】
これらの問題点を解決するために、いずれかの基材上に柱状のスペーサを形成する試みも行われている。しかしながら、その形成に際してはフォトレジストを用いる方法が一般的であるため、露光、現像、洗浄等の工程を経なければならず、工程上煩雑であるといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡便な工程で精度良く形成され、かつ基材が可撓性を有するものであっても問題が生じないスペーサを有する画像表示媒体を提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は(1)少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材の内、少なくとも一方に露光部分の濡れ性が液体の接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程と、(2)上記光触媒含有層上のスペーサが形成される部位であるスペーサ形成部を露光して、スペーサ用露光部を形成する工程と、(3)このスペーサ用露光部にスペーサを形成する工程と、(4)上記2枚の基材を組み合わせる工程とを含むことを特徴とする画像表示媒体の製造方法を提供する。
【0008】
このように、本発明の製造方法では、露光により濡れ性が液体の接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を基材上に形成し、その上にスペーサを形成する。したがって、単に光触媒含有層上のスペーサ形成部を露光してスペーサ用露光部とし、このスペーサ用露光部にスペーサ形成用塗料を塗布するのみで、スペーサを形成することができるので、スペーサを簡便な工程で精度良く形成することができる。また、スペーサとしてビーズを用いた場合に生じる問題点を回避することができる。
【0014】
発明においては、上記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、露光されていない部分において10度以上であり、露光された部分において10度未満であることが好ましい。露光されていない部分は、撥インク性が要求される部分であることから、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満である場合は、撥インク性が十分でなく、スペーサ形成用塗料が残存する可能性が生じるため好ましくない。また、露光された部分の表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上である場合は、この部分でのスペーサ形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、精度良くスペーサを形成できない可能性があるからである。
【0018】
発明において、上記スペーサ用露光部にスペーサを形成する工程として種々の方法により行うことが可能であるが、中でもスペーサ用露光部に対しスペーサ形成用塗料をインクジェット方式もしくはディップコーティング法により付着させる工程であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像表示媒体およびその製造方法について詳細に説明する。
【0020】
A.画像表示媒体について
本発明の画像表示媒体は、少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材と、上記2枚の基材の間隙を一定に保つスペーサとからなり、上記スペーサが上記2枚の基材の内、少なくとも1枚の基材上に形成された濡れ性可変層上に形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
このように、本発明は、スペーサが濡れ性可変層上に形成されているため、濡れ性可変層の濡れ性の変化を利用してスペーサを精度良く形成することができる。したがって、スペーサとしてビーズ等を用いた場合に生じる問題点を回避することができ、かつ少ない手間で位置精度の高いスペーサを基材上に形成することができる。
【0022】
図1は、本発明の画像表示媒体の一例であって、画像表示媒体がカラー液晶パネル1である場合を示すものである。このカラー液晶パネル1は、カラーフィルタ側基板2上に形成された赤、青、および緑の三色で構成される画素部3とこの画素部3の境界部分に形成された遮光部(ブラックマトリックス)4、およびこの画素部3および遮光部4上に形成されたITO電極層5とから構成されるカラーフィルタと、アレイ側基板6上にスイッチング素子部7が形成されたアレイとから概略構成されるものである。上記カラーフィルタのITO電極層5上には、光触媒含有層8が設けられ、この光触媒含有層8上には、所定の間隔をおいてスペーサ9が形成されている。このスペーサ9により所定の間隔に隔てられたカラーフィルタとアレイとの間には液晶10が充填されている。
【0023】
以下、このような画像表示媒体(図1に示す例ではカラー液晶パネル)を構成する各部分についてそれぞれ説明する。
【0024】
(スペーサ)
本発明の特徴は、2枚の基材の間隔を一定に保つスペーサが、濡れ性可変層上に形成されている点にある。ここでスペーサとは、画像表示手段の二つの基材間の空隙(セルギャップ)を均一に保つことを目的として形成されるもので、図1に示す例では、二つの基材(この場合はカラーフィルタとアレイ)の間に充填された液晶10の厚みを均一にする目的で形成されるものである。
【0025】
本発明において、このスペーサが形成される位置は、上述したように濡れ性可変層上であり、かつ二つの基材間の間隔を均一に保つことができる程度の間隔で配置されていれば特に限定されるものではない。例えば、ストライプ状であっても、千鳥状であってもよい。また、画像表示手段がカラー液晶パネルである場合は、図1に示すように遮光部4上にスペーサ9を形成するように構成してもよい。このように構成することにより、スペーサ9によりバックライトが屈折する等して生じる不具合を防止することができるからである。
【0026】
このようなスペーサの一般的な高さは、画像表示媒体の種類によって大きく異なるものであるが、通常は0.5〜50μmの範囲内とされている。また、形成されたスペーサは通常透明であるが、これに限定されることはなく、必要に応じて黒色等に着色されたものであってもよい。具体的には、例えば画像表示手段がカラー液晶パネルである場合は、黒色に着色して遮光部と共用するようにしてもよい。
【0027】
上述したようなスペーサを形成する材料としては、通常、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、PVA、EB硬化性樹脂、ガラスペースト等を用いることができるが、硬化が迅速である等の理由からUV硬化性樹脂が好ましい。
【0028】
本発明で用いられるUV硬化性樹脂としては、少なくとも1個以上の官能基を有し、光重合開始剤に硬化エネルギー線を照射することにより発生するイオンまたはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い分子量の増加や架橋構造の形成を行うモノマーやオリゴマーなどからなるものが用いられる。ここでいう官能基とは、ビニル基、カルボキシル基、水酸基などの反応の原因となる原子団または結合様式である。
【0029】
このようなモノマー、オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレートなどのアクリル型、および不飽和ポリエステル/スチレン系、ポリエン/スチレン系などの非アクリル系が挙げられるが、中でも、硬化速度、物性選択の幅の広さからアクリル型が好ましい。このようなアクリル型の代表例を以下に示す。
【0030】
まず、単官能基のものとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルEO付加物アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン付加物、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物にカプロラクトン付加したアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フルフリルアルコールのカプロラクトン付加物アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート等を挙げることができる。
【0031】
また、多官能基のものとしては、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]メタン、水添ビスフェノールエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートペンタアクリレート混合物、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物アクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、2−アクリロイロキシエチルフォスフェート等を挙げることができる。
【0032】
本発明に用いられるUV硬化性樹脂に含有される光重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものから選択して用いることができる。具体的には、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゾエート系、α−アシロキシムエステル等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等のイオウ化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィノキシド等のリン化合物等を挙げることができる。
【0033】
本発明においては、このようなUV硬化性樹脂の他、上述したように熱硬化性樹脂を用いても良い。本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物としては、熱エネルギーが付加されることにより硬化し、硬化後の強度がスペーサとしての機能を有するものを挙げることができる。代表例としては、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、メチルフタレート単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、アクリロニトリル/スチレン共重合体、ポリ(−4−メチルペンテン−1)等を挙げることができる。
【0034】
このようなスペーサの形成方法としては、後述するように濡れ性の変化を用いて形成する場合は、インクジェット方式でスペーサ形成用塗料を付着させる方法や、ディッピング法やスピナー法等を挙げることができる。
【0035】
本発明において、スペーサはいずれか一方の基材に形成されたものであっても、両方の基材に形成されたものであってもよく、その機能、コスト等を考慮して、その態様が決定される。
【0036】
(濡れ性可変層)
上記スペーサがその上に形成される濡れ性可変層は、その表面の濡れ性を、外からの刺激、例えば物理的刺激、化学的刺激等により変化させることができる層であれば特に限定されるものではない。例えば、酸またはアルカリ等により表面の粗さの状態が変化し、濡れ性が変化する層等であってもよいし、また紫外線や可視光、さらには熱等のエネルギーの照射により濡れ性可変層内の物質が変化して濡れ性が変化する層等であってもよい。
【0037】
また濡れ性の変化に関しては、刺激が加えられる前が液体との接触角が大きく、刺激が加えられた後に液体との接触角が小さくなるように変化するような濡れ性可変層であってもよいし、また逆に刺激が加えられる前が液体との接触角が小さく、刺激が加えられた後に液体との接触角が大きく変化するような濡れ性可変層であってもよい。
【0038】
具体的には、後述する光触媒含有層が好ましい例ではあるが、他にも酸やアルカリ等により表面粗さが変化するプラスチックや金属等を挙げることができる。
【0039】
また、本発明において、この濡れ性可変層は、基材上に直に設けられている必要はなく、基材とこの濡れ性可変層の間に必要な層、例えば後述する画像表示手段等が形成され、この上に濡れ性可変層が形成されていてもよい。図1に示す例では、濡れ性可変層(図1では光触媒含有層8)が、カラーフィルタ側基板2上に形成されたITO電極層5上に形成されている。
【0040】
さらに、本発明において、両基材にスペーサを形成する場合は、両基材上に濡れ性可変層が形成されていてもよいし、一方にのみ濡れ性可変層が形成されており、他方の基材上のスペーサは他の方法、例えばフォトリソグラフィ法等により形成されたものであってもよい。
【0041】
(光触媒含有層)
本発明においては、この濡れ性可変層が、露光により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層であることが好ましい。このように、露光により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を設けた場合は、パターン露光等を行うことにより容易に濡れ性を変化させ、液体との接触角の小さい親インク性領域のパターンを形成することができ、例えばスペーサが形成される部分のみ容易に親インク性領域とすることが可能となる。したがって、効率的に画像表示媒体が製造でき、コスト的に有利となるからである。なお、この場合の光としては、通常紫外光を含む光が用いられる。
【0042】
ここで、親インク性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、スペーサ形成用塗料等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥インク性領域とは、液体との接触角が大きい領域領域であり、スペーサ形成用塗料に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0043】
上記光触媒含有層は、露光していない部分においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10度以上であることが好ましい。これは、露光していない部分は、本発明においては撥インク性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥インク性が十分でなく、スペーサ形成用塗料が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0044】
また、上記光触媒含有層は、露光すると液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10度以下となるような層であることが好ましい。露光した部分の液体との接触角が高いと、この部分でのスペーサ形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、スペーサがうまく形成できない場合があるからである。
【0045】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いることができる。
【0046】
本発明に用いられる光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとから構成されていることが好ましい。このような層とすることにより、露光に際しての光触媒の作用により臨界表面張力を高くすることが可能となり、液体との接触角を低くすることができるからである。
【0047】
このような光触媒含有層における、後述するような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、露光によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0048】
本発明において濡れ性可変層として光触媒含有層を用いた場合、光触媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親インク性とし、未露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、スペーサ形成用塗料との受容性(親インク性)および反撥性(撥インク性)を高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利なスペーサを具備する画像表示媒体を得ることができる。
【0049】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)等を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
本発明においては、特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0051】
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0052】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用することが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の未露光部の撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が不十分となるため好ましくない。
【0053】
本発明において、光触媒含有層に使用するバインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0054】
上記の(1)の場合、一般式:
nSiX(4-n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYとして示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xとして示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0055】
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
【0056】
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記に示すフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0057】
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33
CF3(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF28CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF25(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OCH33
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、光触媒含有層の未露光部の撥インク性が大きく向上し、スペーサ形成用塗料の付着を妨げる機能を発現すると共に、露光された部分との濡れ性の差を大きく取ることが可能となり、スペーサをより高く形成することが可能となる。
【0058】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0059】
【化1】
Figure 0004533489
【0060】
ただし、nは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものを用いると表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0061】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
【0062】
本発明において光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0063】
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0064】
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0065】
上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
【0066】
(基材)
本発明の画像表示媒体には、少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材が用いられる。
【0067】
図1に示す例では、画像表示媒体がカラー液晶パネルであるので、2枚の基材、すなわちカラーフィルタ側基板2およびアレイ側基板6のいずれもが透明なガラス製の基材であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示媒体の種類や用途に応じて、目視等が可能なように少なくとも一方の基材が透明であればよい。また、材質も図1に示す例のようにガラス等の材質に限定されるものではなく、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)、PES(ポリエーテルサルホン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ノルボルネン系樹脂、PEN(ポリエーテルニトリル)、アクリル系樹脂、フマレート系樹脂等のプラスチックであってもよい。また、透明でない方の基材には、金属等を用いてもよい。
【0068】
また、本発明においては、例えば石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板といった可撓性を有さない基材あっても、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な基材であっても用いいることが可能であり、画像表示媒体の種類、用途等に応じて適宜選択されて用いられる。
【0069】
なお、コーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶パネル用の基材として特に適しているとされている。
【0070】
また、本発明の基材には、上述したように、少なくとも一方に画像表示手段が設けられている。この画像表示手段とは、例えば図1に示すカラー液晶パネルでは、カラーフィルタ側の画素部3や遮光部4、ITO電極層5等、アレイ側のスイッチング素子部7等がを挙げることができる。これらの画像表示手段は、画像表示媒体の種類により、もしくはその用途により、種々のものが適宜選択されて基材上に設けられる。
【0071】
この画像表示手段は、図1に示す例では、両基材に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一方の基材に画像表示手段が形成されていればよい。
【0072】
(画像表示機能材)
本発明は、上述した2枚の基材間に画像表示機能材が充填されている画像表示媒体に適用されることが好ましい。これは、例えば平面型電子線表示パネルのように基材間を真空とする画像表示媒体に関しては、基材間に画像表示機能材が充填されていないが、液晶パネルやプラズマディスプレイ等のような一般的で且つ汎用されている画像表示媒体においては、2枚の基材間に画像表示機能材が充填され、この画像表示機能材と基材に設けられた画像表示手段との作用により画像が表示されるように構成されている。また、このような画像表示機能材が基材間に充填されたものほど、2枚の基材間のギャップの均一性が求められる場合が多い。したがって、これらの画像表示媒体、すなわち2枚の基材間に画像表示機能材が充填された画像表示媒体に本発明を適用することが、本発明の特徴をより有効に発揮することができる点で好ましいのである。
【0073】
このような画像表示機能材としては、例えば画像表示媒体がカラー液晶パネルである場合は、液晶であり、より具体的にはネマチック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶などを挙げることができる。また、画像表示手段がプラズマディスプレイである場合は、Ne+Ar、Ne+Xe、He+Xeなどのペニング混合ガスが挙げられる。さらに、電気泳動ディスプレイの場合の画像表示機能材は、着色された分散媒中に電気泳動粒子が分散されてなるものであり、用いられる分散媒としては、キシレン、パークロルエチレン、塩素化フッ素化炭化水素などを挙げることができ、着色剤としては、マクロレスブルー、オイルレッド、ファットイエロー、電気泳動粒子としては、TiO2などの高屈折率無機顔料、ベンジンエローなどの有機顔料、カプセル粒子等を挙げることができる。
【0074】
(画像表示媒体)
本発明でいう画像表示媒体とは、視覚で捉えることができる情報を表示することができる媒体であれば特に限定されるものではなく、所定の駆動装置に連結されて、随時画像を変化させることができるようなものであってもよく、また静止画像を示すことができるようなものであってもよい。
【0075】
このような画像表示媒体として、具体的には、液晶パネル、プラズマディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、電子線表示パネル等を挙げることができる。
【0076】
本発明においては、中でも汎用されている等の観点から、画像表示媒体が液晶パネルであることが好ましい。
【0077】
B.画像表示媒体の製造方法について
次に、本発明の画像表示媒体の製造方法について説明する。
【0078】
本発明の画像表示媒体の製造方法は、
(1)少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材の内、少なくとも一方に露光部分の濡れ性が液体の接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程と、
(2)上記光触媒含有層上のスペーサが形成される部位であるスペーサ形成部を露光して、スペーサ用露光部を形成する工程と、
(3)このスペーサ用露光部にスペーサを形成する工程と、
(4)上記2枚の基材を組み合わせる工程と
を有するものである。
【0079】
本発明の画像表示媒体の製造方法は、画像表示媒体の種類によって、それぞれ基材に形成される画像表示手段や、基材間に充填される画像表示機能材の種類等が変化するため、その製造方法も大きく変化するものである。ここでは、基材上にスペーサを形成する部分に焦点を当てて説明するが、それ以外の部分の製造方法、すなわち例えば画像表示媒体がカラー液晶パネルである場合は、カラーフィルタの画素部や遮光部、スイッチング素子等の製造方法に関しては、それぞれの画像表示媒体を製造するに際して、通常用いられている方法により製造することができるものとする。
【0080】
以下、上記各工程について説明する。
【0081】
本発明における第1の工程は、少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材の内、少なくとも一方に露光部分の濡れ性が液体の接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程である。
【0082】
この光触媒含有層の形成は、上述したような光触媒とバインダとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行させてバインダ中に光触媒を強固に固定することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロルパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましく、塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことかできる。
【0083】
なお、例えば図1に示すように種々の画像表示手段、すなわち画素部や遮光部等が基材上に形成されており、光触媒含有層のみでは表面の平坦性が確保できない場合は、保護層等の平坦性層を形成して平坦性を確保し、その上に光触媒含有層を形成することが好ましい。
【0084】
ここで用いられる基材の種類、画像表示手段に関しては、上述したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0085】
次に、第2の工程として、上記光触媒含有層上のスペーサが形成される部位であるスペーサ形成部を露光して、スペーサ用露光部を形成する工程を行う。
【0086】
この光触媒含有層に対する露光には、紫外光を含む光を用いることができる。このような紫外光を含む光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。この露光に用いる光の波長は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定することができ、また、露光に際しての光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により親インク性を発現するのに必要な照射量とすることができる。
【0087】
露光に際してパターン露光が必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行うことができるが、他の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0088】
本発明におけるスペーサ形成部は、スペーサをその位置に形成することにより、2枚の基材間のギャップを均一に保つことができる間隔、位置で形成されていればよく、特に限定されるものではない。このパターン形成部の位置等は、得られる画像表示媒体の種類、用途により適宜選択され、設計される。
【0089】
このようにパターン露光を行うことにより、露光されたスペーサ形成部は光触媒含有層の作用により親インク性領域となる。
【0090】
そして、第3の工程として、このスペーサ用露光部にスペーサを形成する工程を行う。この際のスペーサ用露光部へのスペーサ形成用塗料の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ディップコーティング、ロールコーティング、ビードコーティング、スピンコーティング、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、ロッドコーティング、グラビアコーティング、ロータリースクリーンコーティング、キスコーティング、スロットオリフィスコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、押出コーティングなどの方法を用いることができ、中でもディップコーテイングが得られるスペーサの高さの点で好ましい。
【0091】
さらに、本発明においては、ディップコーティングを繰り返して行うことが好ましい。繰り返しディップコーティングを行うことにより、スペーサの高さを高くすることが可能となるからである。具体的な繰り返しの回数としては、2回以上5回以下程度が好ましい。5回以下としたのは、5回を越えてディップコーティングを行ってもスペーサの高さを高くする効果がそれほど大きくなく、また5回を越えてディップコーティングを行うことは、線幅が太くなったり、工程が煩雑になりコスト面で問題が生じる場合がある等の種々の不具合が生じる可能性があるからである。
【0092】
また、ディップコーティングによりスペーサを形成する場合の引き上げ速度を速くさせることにより、スペーサの高さを高くさせることが可能である。具体的な引き上げ速度は、基材の材質や線幅等により大きく異なるものであるが、好ましい引き上げ速度としては、1.0mm/秒〜2.0mm/秒の範囲内とすることができる。引き上げ速度が速いほど高さは高くなるのであるが、引き上げ速度をあまり高くすると、基材に衝撃が加わる等の種々の不具合が生じるため好ましくないことから、上記範囲内とした。
【0093】
なお、スペーサの高さを高くする他の方法としては、スペーサ形成部にスペーサ形成用塗料を塗布した後、塗布面を下方に向け、その後硬化させる方法も効果的である。
【0094】
また、本発明においては、上記スペーサ形成用塗料をスペーサ用露光部に塗布する際して、ノズル吐出による方法を用いてもよい。このようなノズル吐出方法としては、例えばマイクロシリンジ、ディスペンサー、インクジェット、針先よりスペーサ形成用塗料を電界などの外部刺激により飛ばす方法、外部刺激により振動するピエゾ素子などの振動素子を用いて素子よりスペーサ形成用塗料を飛ばす方法、針先に付着させたスペーサ形成用塗料を基材表面に付着させる方法等を用いることができる。このようなノズル吐出による方法を用いた場合は、特に高さの高いスペーサを形成できる点で好ましい。
【0095】
本発明では、塗布の正確性および迅速性等の観点、さらには得られるスペーサの高さの観点から、インクジェット方式でスペーサ形成用塗料を付着させることが好ましい。この場合用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を挙げることができる。
【0096】
このようにしてスペーサ用露光部内に塗布されたスペーサ形成用塗料を硬化させることによりスペーサが基材上に形成される。本発明において、スペーサ形成用塗料の硬化は用いる原料の種類により種々の方法により行われる。例えば、溶剤に溶解した塗料であれば加熱等することにより溶剤を除去して固化が行われる。
【0097】
このスペーサ形成用塗料の硬化工程を考慮すると、本発明に用いられるスペーサの材料の種類としては、光硬化性樹脂、中でもUV硬化性樹脂であることが好ましい。これは、UV硬化性樹脂を用いたスペーサ形成用塗料でであれば光を照射することにより、素早くスペーサ形成用塗料を硬化することができるので、画像表示媒体の製造時間を短縮することができるからである。
【0098】
本発明に用いられるスペーサ形成用塗料は、上述したスペーサの組成を塗料にしたものであり、具体的には上述したようなUV硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。この際、塗布に際して粘度面で問題が生じる場合は、上述した樹脂等を溶媒に溶解して用いることも可能である。
【0099】
このような溶媒としては、N−メチル−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、β−メトキシイソブチル酸メチルエステル、エチル3−エトキシプロピオネート、2−ブトキシエタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチルラクテート、合成イソパラフィン系炭化水素、メチル−n−ヘキシルケトン、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタジオール、イソホロン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、N,Nジメチルホルムアマイド、酢酸Nプロピル、エチレングリコール、グリセリン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、ノルマルヘキサン、キシレン、トルエン、i−プロパノール、i−ブタノール、n−ブタノール、メタノール、エタノール、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0100】
このようにして得られるスペーサは、塗布するスペーサ形成用塗料の塗布量により高さを調整することが可能である。したがって、塗布量の誤差を少なくすることにより、高さの誤差を抑えることが可能であり、基材間の間隔を精度良く均一に保つことができるスペーサとすることができる。
【0101】
そして、最後に第4の工程として、上記2枚の基材を組み合わせることにより、画像表示媒体が製造される。この際、2枚の基材間に画像表示機能材を充填する場合は、上記2枚の基材が組合された後、その空隙を気密にして充填される。
【0102】
このようにして得られた画像表示媒体は、2枚の基材間の距離を均一に保つスペーサが、精度良く、かつ簡便に形成することができることから、安価であり、かつスペーサが固定していることから、例えば基材に可撓性があり、湾曲して使用されたような場合でも、スペーサの移動が起こらず、2枚の基材間の間隙を均一に保持することが可能となる。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0104】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳しく説明する。
【0105】
(実施例1)
1.光触媒含有層の形成
2−プロパノール(IPA)(純正化学社製)3g、フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ社製)0.014g、光触媒無機コーティング剤ST−K01(商品名:石原産業(株)製)2gを30ccスクリュー瓶で合成した。なお、予めスクリュー瓶の中に攪拌子を入れておき、エアーで噴いておいた。合成に際しての攪拌時間は20分であり、攪拌温度は95〜100℃とした。その後室温に戻るまで放置し、新しい30cc瓶に移し替え、これにIPA2.4g添加し、A液とした。
【0106】
一方、シリカゾル(商品名:グラスカHPC7002、日本合成ゴム社製)3gとメチルトリメトキシシラン(商品名:グラスカHPC702H、日本合成ゴム社製)1gとを20ccスクリュー瓶で合成した。なお、予めスクリュー瓶の中に攪拌子を入れておき、エアーで噴いておいた。合成に際しての攪拌時間は20分であり、攪拌温度は95〜100℃とした。室温に戻るまで放置してB液とした。
【0107】
上記A液とB液とを重量比で5:1の割合で混合し、室温(20℃)で攪拌して合成した。合成後、1.2μmのフィルタにて濾過を行い、光触媒含有層形成用塗料とした。
【0108】
上記光触媒含有層形成用塗料を、ガラス基板上にスピンコータを用いて塗布した。回転数は1500rpm、時間は2秒であった。その後、27℃で1分間程度乾燥させてから150℃で10分間熱処理を行い、ガラス基板上に光触媒含有層を形成した。
【0109】
2.パターン露光
パターン露光を行う前に、光触媒含有層の感度を向上させ、かつ感度を均一化させるために、ガラスを5〜10分間純水に浸漬した。そして、さらに光触媒含有層の感度を向上させるために、下記に示す露光は、100℃で加熱しながら行った。
【0110】
露光はUV露光機を用いて行われ、照度30mW/cm2(263nm)にてUV照射した。露光時間は15分間であった。本実施例においては、露光部が20μmの幅のライン、未露光部が300μmの幅のラインとなるようなマスクパターンのマスクを用いてパターン露光を行った。
【0111】
露光部と未露光部との水に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後)した結果、未露光部における水の接触角は74度であるのに対し、露光部における水の接触角は10度以下であり、露光部が親インク性領域となり、露光部と未露光部との濡れ性の相違によるパターン形成が可能なことが確認された。
【0112】
3.スペーサの形成
紫外線硬化型モノマーPEG−400DA(2官能アクリレートモノマー、日本化薬社製、商品名:KAYARADPEG−400DA)を用い、これに光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:ダロキュア1173)を5wt%加え、これをスペーサ形成用塗料として用いた。
【0113】
ディップコーティングは、図2に示すように、樹脂(スペーサ形成用塗料)の入った容器11に上記パターン露光で得られた光触媒含有層が形成された基板12を浸漬し、これを1.25mm/秒の速度で引き上げることにより行われた。浸漬回数によるスペーサの高さの相違を求めるため、浸漬回数は1回から3回までそれぞれ行った。
【0114】
このようにして、光触媒含有層上のスペーサ用露光部(スペーサ形成部)にスペーサ形成用塗料が付着した基板に対し、UV露光機を用い、窒素置換を行いながらUVを照射して硬化させた。手順としては、窒素注入90秒後にUVを30秒照射した。
【0115】
4.結果
浸漬回数(コーティング回数)と高さの関係を図3に示す。図3から明らかなように、浸漬回数が1回では高さが1μm程度しか形成されていないが、2回、3回と繰り返すことにより、高さが高くなり、3回浸漬した場合は、ライン幅20μmに対して、2μm以上のスペーサ高さが得られることが分かった。
【0116】
なお、スペーサの高さは触針型形状測定装置(Sloan TECHNOLOGY CORPORATION製、商品名;Dektak 3030)を用い、針を測定物表面に接触させて走査し測定した。
【0117】
(実施例2)
パターン露光の幅を、露光部幅40μm、未露光部幅560μmとし、露光時間を25分とした以外は、実施例1と同様にしてスペーサを形成した。
【0118】
スペーサの高さを実施例1と同様にして測定したところ、3.5μmであった。この結果からライン幅を増加させるとスペーサ高さを高くすることができることが分かった。
【0119】
(実施例3)
樹脂を硬化させる前に樹脂面を下方に向けた点、および樹脂硬化のためのUV照射時間を12分にした以外は、実施例2と同様にしてスペーサを形成した。
【0120】
スペーサの高さを実施例1と同様にして測定したところ、約4.5μmであった。この結果から、硬化前に樹脂面を下方に向けることによりスペーサの高さを高くすることができることが分かった。
【0121】
(実施例4)
次に、ITO電極層上へのスペーサの形成を試みた。基板上にITO電極層が形成された基板を用いた点、光触媒含有層の形成に際してのスピンコータの回転数を1000rpmとした点、および光触媒含有層のパターン露光の露光時間を45分にした点を除いて、実施例2と同様にしてスペーサを形成した。
【0122】
実施例1と同様にしてスペーサの高さを測定したところ、約4.0μmであった。この結果から、ITO電極上でも光触媒含有層の露光時間等を最適化することによりアスペクト比(ライン幅と高さの比率)の高いスペーサを形成することができることが分かった。
【0123】
(実施例5)
実施例4で得たITO電極層上にスペーサが形成された基板と、別途形成したITO電極層が形成された基板とをITO電極層が向かい合うようにして組合せ、周囲をエポキシ系の接着剤を用いて封止した。これにより、2枚の基板がスペーサにより隔てられた状態で組み合わせ、セルを形成する状態とした。液晶E−7(商品名、メルクジャパン製)を用い、これに色素のS−428(商品名、三井東圧化学(株))を上記液晶に対して3wt%添加して、100℃で加熱しながら上記セル内部に注入した。
【0124】
注入後、液晶セル全体を観察すると、色素の色むらが観察されなかったことから、上下基材のギャップが均一に保たれていることが確認された。
【0125】
さらに、上下基材間に5V(交流)の電圧を印加して動作確認を行った。その結果、表示のON−OFFが可能であることが確認された。
【0126】
(実施例6)
次にスペーサの面内における均一性について測定した。UV洗浄を5分間行った点、および引き上げ速度が1.25mm/秒である点を除いて、実施例1と同様にしてガラス基板上にスペーサを形成した。中央部と四隅の計5点について測定した結果、スペーサの高さの誤差はわずか4%であり、スペーサとして用いるのに十分な高さの精度を有していることが分かった。
【0127】
なお、スペーサ高さの測定は、実施例1と同様にして行われ、また基板の大きさは、4.5×7.5cmであった。
【0128】
(実施例7)
この実施例においては、基材としてPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いた場合について検討した。
【0129】
基材をPETとした点、露光部の線幅を100μmとした点、光触媒含有層のスピンコーティングの条件を1000rpmとした点、光触媒含有層の加熱処理条件を80℃、15分間とした点、光触媒含有層のパターン露光を125秒間行った点、ディップコーティングの引き上げ速度を0.17mm/秒とした点を除いて、実施例6と同様にしてPET基板上にスペーサを形成した。
【0130】
実施例1と同様にしてスペーサの高さを測定したところ、4.0μmであり、PETを基材として用いた場合でも、スペーサが形成できることが確認された。
【0131】
(実施例8)
露光部の線幅を20、40、100μmと変化させてそれぞれの露光部にスペーサを形成し、露光部の線幅とスペーサ高さの関係を検討した。
【0132】
露光部の線幅、およびそれに伴う光触媒含有層に対するパターン露光時間を変更した以外は、実施例1と同様にしてスペーサを形成した。結果を表1に示す。
【0133】
【表1】
Figure 0004533489
【0134】
表1から明らかなように、露光部の線幅を変更しても、アスペクト比が約1:10の高さを有するスペーサが形成できることが確認された。
【0135】
【発明の効果】
本発明の画像表示媒体は、少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材と、上記2枚の基材の間隙を一定に保つスペーサとからなり、上記スペーサが上記2枚の基材の内、少なくとも1枚の基材上に形成された濡れ性可変層上に形成されていることを特徴とする。したがって、スペーサが濡れ性可変層上に形成されているため、濡れ性可変層の濡れ性の変化を利用してスペーサを精度良くかつ簡便な工程で形成することができる。よって、スペーサとしてビーズを用いた場合に生じる問題点を回避することができ、かつ少ない手間で精度の高いスペーサを基材上に形成することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示媒体の一例であるカラー液晶パネルを示す概略断面図である。
【図2】ディップコーティングの方法を説明するための、概略斜視図である。
【図3】ディップコーティングにおける浸漬回数と、高さとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…カラー液晶パネル
2…カラーフィルタ側基板
6…アレイ側基板
8…光触媒含有層
9…スペーサ
10…液晶

Claims (3)

  1. (1)少なくとも一方が透明であり、かつ少なくとも一方に画像表示手段が設けられた2枚の基材の内、少なくとも一方に露光部分の濡れ性が液体の接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を設ける工程と、(2)前記光触媒含有層上のスペーサが形成される部位であるスペーサ形成部を露光して、スペーサ用露光部を形成する工程と、(3)このスペーサ用露光部にスペーサを形成する工程と、(4)前記2枚の基材を組み合わせる工程とを含むことを特徴とする画像表示媒体の製造方法。
  2. 前記スペーサ用露光部にスペーサを形成する工程が、スペーサ用露光部に対しスペーサ形成用塗料をインクジェット方式またはディップコーティング法により付着させる工程であることを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体の製造方法。
  3. 前記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、露光されていない部分において10度以上であり、露光された部分において10度未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示媒体の製造方法。
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