JP4154995B2 - 電子光学パネルの製造方法及び電子光学パネル、並びにこの電子光学パネルを備えた電子光学装置及び電子機器 - Google Patents

電子光学パネルの製造方法及び電子光学パネル、並びにこの電子光学パネルを備えた電子光学装置及び電子機器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板上の所定位置にスペーサーを配置する電子光学パネルに関し、さらに詳しくは、基板上の所定位置に精度よくスペーサーを配置できる電子光学パネルの製造方法及び電子光学パネル、並びにこの電子光学パネルを備えた電子光学装置及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置を構成する電子光学パネルは、基板同士の間隔を一定に保つため、基板間に球状や繊維状のスペーサーを配置している。そして、電子光学パネルの表示品質を向上させるためには、セルギャップを精度よく制御することが必要であり、このためにはスペーサーを基板上の所定位置に精度よく配置することが必要である。この目的のために、特許文献1には、基板表面のスペーサーを配置する部分にスペーサーを収容する凹部を設ける構造が開示されている。この構造によれば、凹部にスペーサーが収容されるので、基板上の所定位置にスペーサーを配置することができる。
【0003】
また、従来はスペーサーを溶媒に分散させて霧吹きのようなスペーサー散布装置によって基板上に散布する方法や、スペーサーに静電気を帯びさせてスペーサーの凝集を防止しながら基板上に散布する方法によってスペーサーを基板上に配置していた。これらの方法では、スペーサーの凝集や散布ムラを生じやすく、表示ムラを招きやすいという問題があった。また、基板上の所定位置にスペーサーを配置することは困難であった。これらの問題を解決するために、スクリーン印刷やフレキソ印刷のような印刷手段によって、スペーサーを基板上に配置する方法も提案されている。
【0004】
しかし、このような印刷手段では、配向処理をした基板に直接スクリーン等が触れるため、配向不良を生じやすいという問題があった。そこで、近年はこれらの方法に代えて、インクジェット(液滴吐出)法によって、スペーサーを分散させた溶剤を非接触で基板上にスペーサーを配置する方法が提案されている。この方法によれば、非接触で基板上にスペーサーを配置でき、また、基板上の所定の位置にスペーサーを配置することも容易である。
【0005】
このようなインクジェット(液滴吐出)法を用いたスペーサー配置方法は、例えば特許文献2には、常温における表面張力が35〜50dyn/cmのインクを使用するインクジェット(液滴吐出)法を用いたスペーサー配置方向が開示されている。これは、インクジェット(液滴吐出)ノズル周辺での乾燥を少なくし、また、ノズル周辺にスペーサーが付着することを防止し、さらには吐出方向のズレを低減させるためである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−191332号公報
【特許文献2】
特開平11−281985号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記インクジェット(液滴吐出)法を用いるスペーサー配置方法では、ノズルの乾燥を抑制し、吐出精度を向上させるためにインクの表面張力を規定しても、基板に接した後の液滴を安定して配置させなければ、スペーサーを所定の位置に配置させることはできない。また、基板にスペーサーを収容する凹部を設ける構造では、凹部に収容されたスペーサーはその部分で固定され、その場所から出ることはない。しかし、凹部に収納されないスペーサーがあると、このスペーサーによってセルギャップが大きくなり、電子光学パネルの不良を引き起こしてしまう。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、インクジェット(液滴吐出)ヘッドのノズルから吐出されたスペーサーを含む溶剤が基板に接した後、精度よく基板上の所定位置にスペーサーを配置することのできる電子光学パネルの製造方法及び電子光学パネル、並びにこの電子光学パネルを備えた電子光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る電子光学パネルの製造方法は、一対の対向する基板間に液晶が挟持された電子光学パネルの製造方法であって、スペーサー分散用溶剤にスペーサーを分散させたスペーサー分散液を前記一対の基板のうち一方の基板上の所定位置に付着させて、該スペーサーを前記一方の基板上に配置するにあたり、前記一方の基板の前記所定位置と重ならないように前記一方の基板に配向膜を液滴吐出法によって形成した後、前記所定位置に前記スペーサー分散液を付着させる工程を有し、前記配向膜を形成していない領域における前記一方の基板と前記スペーサー分散用溶剤との接触角は、前記配向膜と前記スペーサー分散用溶剤との接触角よりも小さいことを特徴とする。
【0010】
この電子光学パネルの製造方法においては、基板上におけるスペーサー配置部の表面を改質することにより、スペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、その周辺部よりも小さくしてある。したがって、スペーサー分散液は濡れ性の高いスペーサー配置部に引き寄せられて、スペーサー配置部へ確実に配置される。これによって、スペーサー分散用溶剤の乾燥工程においては、乾燥が完了するまでスペーサー分散液はスペーサー配置部からその周辺部へはみ出すことはない。その結果、基板上の所定位置に安定してスペーサーを配置でき、電子光学パネルのセルギャップ不良を低減できる。なお、スペーサーは基板上における任意の所定位置に配置されるものであり、上記スペーサー配置部は、基板上の特定位置を意味するものではない(以下同様)。
【0011】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記所定位置におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角と、上記所定位置以外のスペーサー分散用溶剤に対する接触角との差は8度以上であることを特徴とする。スペーサー配置部におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角と、スペーサー配置部以外のスペーサー分散用溶剤に対する接触角との差が小さいと、スペーサー分散用溶剤が画素間へ引き寄せられる力が小さくなるため、画素内にスペーサーが配置されることがある。しかし、このように、前記接触角の差が8度以上であれば、確実に画素間へスペーサーを配置することができるので、電子光学パネルのセルギャップ不良を低減できる。
【0012】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記表面改質工程は、上記所定位置に紫外線を照射することによって、上記所定位置におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、上記所定位置の周辺部よりも低くすることを特徴とする。紫外線照射によれば、紫外線の照射量を制御することによってスペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角の大きさを制御できるので、接触角の大きさに対する制御が容易である。また、配向膜に対するラビング処理は、紫外線の照射前でも後でも構わない。したがって、電子光学パネルの製造における工程の自由度を高くできる。
【0013】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記表面改質工程は、上記所定位置に表面改質剤を付着させることによって、上記所定位置におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、上記所定位置の周辺部よりも低くすることを特徴とする。この製造方法では表面改質剤を使用するので、表面改質剤の選択によってスペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を大きく変化させることができる。これにより、一回の処理で十分な大きさの接触角を得ることができるので、電子光学パネルの製造時間を短縮できる。ここで、表面改質剤とは、スペーサー分散用溶剤に対する接触角を小さくする作用を持つものである。
【0014】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記表面改質剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤又はアルミニウム系カップリング剤であることを特徴とする。このような表面改質剤を使用すれば、スペーサー配置部に対するスペーサー分散用溶剤の接触角を下げることができるので、スペーサー配置部にスペーサー分散液を集中させることができる。その結果、基板上の所定位置に、安定して精度よくスペーサーを配置できる。
【0015】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記表面改質剤は液滴吐出法を用いて上記基板上に吐出されることを特徴とする。このように、表面改質剤の付着に際して液滴吐出法を使用すれば、スペーサー配置部が細かくなっても精度よく容易に表面改質剤を基板表面上の所定位置に付着できる。これによって、電子光学パネルが高密度化しても、基板上の所定位置にスペーサーを配置することができる。また、液滴吐出法によれば、付着パターンの自由度が比較的高いので、付着パターンに変更があっても新たなマスク等を製造する必要がない。これにより、異なる製品を製造する場合であっても容易に対応でき、製造時間を短縮できる。
【0016】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記所定位置における配向膜を除去して露出させた上記基板表面に上記スペーサー分散液を付着させることによって、上記所定位置のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、上記所定位置の周辺部よりも低くすることを特徴とする。表面改質剤を付着させる方法では、配向膜に対するラビング処理の後に表面改質剤を付着させる必要があるが、本発明に係る製造方法では、ラビング処理は配向膜の除去前でも後でも構わない。したがって、電子光学パネルの製造における工程の自由度を高くできる。
【0017】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記表面改質工程においては、上記基板上の上記所定位置を点状に改質することを特徴とする。このように、スペーサー配置部を点状に改質するため、画素間の交点も改質することができる。この場合、円形に表面を改質すれば、画素の間にスペーサーを配置する場合よりも表面改質部の面積を大きくすることができるので、より安定してスペーサーを配置することができる。さらに、スペーサーを配置する部分の表面だけを改質するので、表面改質剤を使用する場合にはその使用量を少なくできる。なお、点状に表面を改質する部分の形状はスペーサー分散液がスペーサー配置部に接触する部分を含んでいればよく、この条件を満たせば、円形、四角形や楕円形でもよい。
【0018】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記スペーサー分散液の液滴は、表面が改質された上記所定位置からはみ出るように付着されることを特徴とする。このように、スペーサー分散液がスペーサー配置部をはみ出るように付着されれば、スペーサー分散用溶剤が蒸発する過程において、濡れ性の高いスペーサー配置部へスペーサーが引き寄せられる。これによって、基板上の所定位置へ精度よくスペーサーを配置できる。また、スペーサー分散液はスペーサー配置部からはみ出していてもよいので、液滴吐出法によってスペーサー分散液を付着させる場合には、吐出精度が多少低くてもスペーサーを基板上の所定位置に配置できる。
【0019】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記所定位置は画素間であることを特徴とする。このように、画素間にスペーサーを配置するので、スペーサーが画素上に位置して表示不良を起こすことはない。また、本発明によれば画素間にスペーサーを精度よく配置できるので、スペーサーが画素上に位置することもない。
【0020】
また、次の発明に係る電子光学パネルの製造方法は、上記電子光学パネルの製造方法において、上記スペーサー分散液は、液滴吐出法を用いて上記基板上の上記所定位置に吐出されて付着していることを特徴とする。このように液滴吐出法を使用すれば、スペーサー配置部が細かくなっても精度よく容易に表面改質剤を基板表面上の所定位置に付着できる。これによって、電子光学パネルが高密度化しても、基板上の所定位置にスペーサーを配置することができる。
【0021】
また、次の発明に係る電子光学パネルは、対向配置される配向処理された一対の基板と、スペーサー分散用溶剤に分散されて前記基板上に付着されることにより、前記基板上の所定位置に配置されるスペーサーと、対向配置される前記基板の間に保持される液晶と、を有し、前記所定位置のスペーサー分散用溶剤に対する接触角は、前記所定位置の周辺部よりも低いことを特徴とする。
【0022】
この電子光学パネルにおいては、基板上におけるスペーサー配置部の表面を改質することにより、スペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、その周辺部よりも小さくしてある。したがって、液滴吐出法によって基板上に付着させるスペーサー分散液は、濡れ性の高いスペーサー配置部に引き寄せられる。そして、スペーサー分散用溶剤の蒸発過程においては、スペーサーがスペーサー配置部に引き寄せられながらスペーサー配置部へ確実に配置されるので、スペーサー配置部の周辺部へはみ出すことはない。その結果、基板上の所定位置に安定してスペーサーを配置でき、電子光学パネルのセルギャップ不良を低減できる。
【0023】
なお、スペーサー分散液を基板上の所定位置に付着させるためには液滴吐出法を使用することが好ましい。液滴吐出法を使用すれば、スペーサー配置部が細かくなっても精度よく容易に表面改質剤を基板表面上の所定位置に付着できる。これによって、電子光学パネルが高密度化しても、基板上の所定位置にスペーサーを配置することができる。
【0024】
また、基板上におけるスペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角と、スペーサー配置部以外のスペーサー分散用溶剤に対する接触角との差は8度以上であることが好ましい。このようにすれば、スペーサー分散用溶剤が画素間へ引き寄せられる力を十分に大きくできるので、確実に画素間へスペーサーを配置することができ、電子光学パネルのセルギャップ不良を低減できる。
【0025】
また、スペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角をスペーサー配置部の周辺部よりも低くする表面改質処理には、スペーサー配置部に紫外線を照射する、表面改質剤を付着させる、あるいはスペーサー配置部における配向膜を除去する手段がある。いずれの表面改質処理手段でもよいが、紫外線照射、配向膜除去手段によれば、配向膜に対するラビング処理は表面改質処理の前後を問わないので、電子光学パネルの製造における工程の自由度を高くできる。また、表面改質剤の付着によれば、表面改質剤の選択によってスペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を大きく変化させることができるので、一回の処理で十分な接触角を得ることができる。これにより、電子光学パネルの製造時間を短縮できる。ここで、表面改質剤にはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤又はアルミニウム系カップリング剤を使用することができる。
【0026】
また、次の発明に係る電子光学装置は、上記電子光学パネルを備えたことを特徴とする。このため、電子光学パネル基板上の所定位置に安定してスペーサーを配置してセルギャップ不良を低減した電子光学パネルを備えるので、表示不良を低減した高品質な電子光学装置を得ることができる。
【0027】
また、次の発明に係る電子機器は、上記電子光学パネルを備えたことを特徴とする。このため、電子光学パネル基板上の所定位置に安定してスペーサーを配置してセルギャップ不良を低減した電子光学パネルを備えるので、表示不良を低減した高品質な電子機器を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、本発明に係る電子光学パネルとしては、例えば液晶表示パネルが挙げられる。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電子光学パネルの構造を示す説明図である。この電子光学パネル100は、インクジェット(液滴吐出)法によって基板10a上にスペーサーを配置するにあたり、スペーサーを配置する場所における基板10aの表面とスペーサー分散用溶剤との接触角を、スペーサーを配置する場所の周辺部における基板10aの表面とスペーサー分散用溶剤との接触角よりも小さくした点に特徴がある。
【0030】
図1に示すように、この電子光学パネル100は、配向膜12aを表面に形成した基板10aと、配向膜12bを表面に形成した基板10bとの間にスペーサー20を配置して構成してある。また、この電子光学パネル100は画素30の間にスペーサー20を配置するものであり、この部分がスペーサー配置部15となる。そして、スペーサー配置部15における基板10aの表面とスペーサー分散用溶剤との接触角を、その周辺部よりも小さくするために、スペーサー配置部15には紫外線が照射される。
【0031】
図2は、実施の形態1に係る電子光学パネルの製造方法を示す説明図である。図3は、実施の形態1に係る製造方法を示すフローチャートである。次に、図2、3を用いて、この発明の実施の形態1に係る電子光学パネルの製造方法について説明する。なお、実施の形態1では、カラーフィルタがないモノクロの電子光学パネルを製造する場合を説明するが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、カラーフィルタを用いたカラー電子光学パネルに対しても適用できる。
【0032】
この電子光学パネル100は、電極ピッチP1は200μmで、画素間ピッチP2は15μmである。配向膜は日産化学製のSE3140を使用し、配向膜の厚さは500Åとする。まず、配向膜12aを基板10a上に形成する(ステップS101)。次に、紫外線ランプ62及びマスク60を用いてスペーサー配置部15に紫外線UVを照射して(ステップS102)、スペーサー配置部15における基板10aの表面とスペーサー分散用溶剤との接触角を小さくする表面改質処理を施す。
【0033】
ここで、図2(b)に示すように、マスク60の開口幅は10μmであり、ピッチは電極ピッチP1と同じ200μmである。配向膜12aとマスク60との間隔は10μmである。紫外線は波長が294nmで出力は10mW/cm2である。照射する紫外線の量を変化させることによって、スペーサー配置部15における基板10aの表面とスペーサー分散用溶剤との接触角の大きさを調整する。なお、紫外線の照射は、配向膜12aにラビング処理をする前でも後でもよい。図4は、基板上の所定位置に表面改質処理を施した状態を示す説明図である。図4に示すように、基板10a上のスペーサー配置部15上、すなわち画素30間の表面が線状に改質される。
【0034】
図4は、スペーサー配置用の液滴吐出装置を示す説明図である。上記表面改質処理後、スペーサー配置部15へ液滴吐出装置50を用いてスペーサーを配置する(ステップS103)。基板10aは、ベッド53に固定されている。液滴吐出装置50は、ピエゾ素子を利用した表面改質剤付着用のスペーサー用液滴吐出ヘッド52を備えている。図2(b)に示すように、スペーサー用液滴吐出ヘッド52は、スペーサー配置部15の間隔で直線状に並んだノズル52nを備えている。また、スペーサー用液滴吐出ヘッド52は、ノズル52nの配列方向と垂直方向に対して移動できるようになっている。そして、ノズル52nから表面改質剤を吐出させながらスペーサー用液滴吐出ヘッド52を移動させることにより、基板10a上のスペーサー配置部15、すなわち画素30間へ線状に表面改質剤を付着させることができる。
【0035】
スペーサー用液滴吐出ヘッド52のノズル径は25μmであり、また吐出量は20plである。スペーサー20には直径3.75μmの積水化学製SP−20375を使用する。スペーサー分散用溶剤として2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル溶液を用い、これに上記スペーサー20を分散させて、スペーサー分散液を作製する。このスペーサー分散液は、上記液滴吐出装置50に備えられたスペーサー用液滴吐出ヘッド52から吐出される。
【0036】
基板10a上のスペーサー配置部15にスペーサー分散液を付着させたら、ベッド53上に取り付けられたヒータ53hによって基板10aを130℃で5分間加熱してスペーサー分散用溶剤を蒸発させて(ステップS104)、スペーサー20の配置が完了する。なお、基板10aは、基板10aの裏面に配置したヒータ53hによって加熱されるが、基板10aをオーブン(図示せず)に入れて加熱してもよい。
【0037】
スペーサー分散用溶剤としては、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテルの他、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1,2−エタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、フェノール、2−ピロリドン、2−フェノキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等を使用することができる。スペーサー分散用溶剤としてこれらの溶剤を使用すれば、インクジェット(液滴吐出)法を用いた場合にスペーサー分散液の吐出性が安定するので好ましい。
【0038】
図5は、スペーサー分散液の付着状態を示す説明図である。ここで、スペーサー分散液をスペーサー配置部15に付着させた状態を説明する。図5は、スペーサー配置部15上に吐出されたスペーサー分散液の液滴を上から見た状態を示している。そして、図5(b)は、スペーサー配置部15のスペーサー分散用溶剤に対する接触角と、スペーサー配置部15の周囲におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角との差が小さい場合を示している。この場合には、スペーサー分散液は次第に広がってスペーサー配置部15上からはみ出してしまうので、スペーサー配置部15上へ安定してスペーサー20を配置できない。
【0039】
一方、本発明においては、スペーサー配置部15のスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、スペーサー配置部15の周囲におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角よりも所定値以上小さくしてある。したがって、スペーサー分散液は濡れ性の高いスペーサー配置部15に引き寄せられるので、スペーサー20はスペーサー配置部15へ確実に位置する(図5(a))。これによって、スペーサー分散用溶剤の乾燥工程においては、乾燥が完了するまでスペーサー分散液はスペーサー配置部15からその周辺部へはみ出すことはない。その結果、スペーサー配置部15に安定してスペーサー20を配置でき、電子光学パネル100のセルギャップ不良を低減できる。
【0040】
また、表面改質処理をした濡れ性の高いスペーサー配置部15にスペーサー分散液が吐出されていれば、スペーサー分散用溶剤の蒸発過程において濡れ性の高いスペーサー配置部15にスペーサー20が配置される。したがって、スペーサー配置部15からスペーサー分散液がはみ出ていても精度よく所定位置にスペーサー20を配置できるので、液滴吐出ヘッド52の吐出精度が多少悪くとも安定して所定位置にスペーサーを配置できる。
【0041】
次に、スペーサー配置部15とスペーサー分散用溶剤との接触角の大きさについて説明する。表1には、スペーサー配置部15とスペーサー分散用溶剤との接触角の大きさを変化させた場合におけるスペーサーの配置状態を評価した結果を示してある。スペーサー20の配置状態は、スペーサー配置部15の外側に配置されたスペーサー20が存在する場合には×とした。表1からわかるように、スペーサー配置部15におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角βと、スペーサー配置部15の周辺部におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角αとの差δ=α−βが8度以上であれば、確実に画素間へスペーサー20を配置することができる。一方、δが8度未満である場合には、スペーサー分散用溶剤が画素間へ引き寄せられる力が小さくなるため、スペーサー配置部15外へスペーサー20が配置されることがある。したがって、前記接触角の差δは8度以上が好ましい。なお、接触角の差δが大きくなりすぎると、スペーサー分散液が画素間に流れ込み、隣接する液滴とつながってしまい、その結果、スペーサー密度のばらつきやそれに伴うセルギャップの不良等が発生するおそれがある。このような不良を抑制するため、接触角の差δは最大50度程度が好ましい。また、後述するように、点状に基板表面を改質する場合には、δは最大70度〜80度が好ましい。
【0042】
【表1】
Figure 0004154995
【0043】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る電子光学パネルの構造を示す説明図である。この電子光学パネル101は、実施の形態1に係る電子光学パネル100と略同様の構成である。しかし、スペーサー配置部に表面改質剤を付着させることによって、スペーサー配置部におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角を、スペーサー配置部周辺におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角よりも小さくする点が異なる。
【0044】
図6に示すように、この電子光学パネル101においては、画素30の間にスペーサー20を配置する。この電子光学パネル101では、画素30の間にブラックマトリックス14が形成されているので、ここがスペーサー配置部となる。ブラックマトリックス14には、スペーサー分散用溶剤とブラックマトリックス14との接触角をブラックマトリックス14の周辺部よりも小さくするために、予め表面改質剤をブラックマトリックス14上に付着させる。
【0045】
表面改質剤としてはシランカップリング剤を使用することができる。この例においては、シランカップリング剤として信越化学工業(株)製のKBM−603(N−2(アミノエチル3)−アミノプロピルトリメトキシシラン)を用いる。実際にブラックマトリックス14上へシランカップリング剤を付着させる場合には、KBM−603をエタノールによって濃度0.1%に希釈したものを使用する。なお、シランカップリング剤の他に、表面改質剤としてチタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤を使用することができる。
【0046】
シランカップリング剤としては、本実施の形態で使用しているKBM−603:N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランの他に、KBM−602:N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、KBE−603:N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、KBM−903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、KBE−903:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、KBE−9103:3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、KBM−703:3−クロロプロピルトリメトキシシラン、KBM−802:3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、KBM−803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、KBE−846:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。なお、これらのシランカップリング剤は、いずれも信越化学工業株式会社製である。
【0047】
また、チタネート系カップリング剤としては、KR TTS、KR 46B、KR 55、KR 41B、KR 38S、KR 138S、KR 238S、338X、KR−44、KR 9SA等が挙げられる。これらのチタネート系カップリング剤は、いずれも味の素株式会社製である。また、アルミニウム系カップリング剤としては、AL−M:アセトアルコキシアルミニウムジイゾプロピレート(味の素株式会社製)が挙げられる。
【0048】
図7は、実施の形態2に係る液滴吐出装置を示す説明図である。また、図8は、実施の形態2に係る製造方法を示すフローチャートである。図7、8を用いて、この発明の実施の形態2に係る電子光学パネルの製造方法について説明する。なお、ここでは、カラーフィルタを備えた電子光学パネルを製造する場合を説明するが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。
【0049】
この電子光学パネル101は、電極ピッチP1は80μmで、画素間ピッチP2は15μmである。配向膜は日産化学製のSE3140を使用し、配向膜の厚さは500Åとする。また、基板10a'上には、カラーフィルタ13が形成されており、その上に配向膜12aが形成されている(なお、ITOについては図示省略)。
【0050】
次に、スペーサー20の配置手順について説明する。まず、基板10a'のブラックマトリックス14上(画素30の間)に液滴吐出装置50を用いて上記表面改質剤を付着させる(ステップS201)。ここで、基板10a'は、ヒータ53hを介してベッド53に固定されている。液滴吐出装置50は、ピエゾ素子を利用した表面改質剤付着用液滴吐出ヘッド51を備えている。
【0051】
図7(b)に示すように、表面改質剤付着用液滴吐出ヘッド51は、ブラックマトリックス14が形成されている間隔で配列される複数のノズル51nを備えている。また、表面改質剤付着用液滴吐出ヘッド51は、ノズル51nの配列方向に対して垂直な方向に移動できるようになっている。そして、ノズル51nから表面改質剤を吐出させながら表面改質剤付着用液滴吐出ヘッド51を移動させることにより、基板10a'のブラックマトリックス14上に表面改質剤を付着させることができる。図9は、基板上に表面改質剤を付着させた状態を示す説明図である。図9に示すように、表面改質剤は基板10a'上のブラックマトリックス14上、すなわち画素30の間へ線状に付着する。なお、インクジェット(液滴吐出)法以外にも、フレキソ印刷法等の印刷手段によっても、上記表面改質剤をブラックマトリックス14上に付着させることができる。
【0052】
ブラックマトリックス14上に表面改質剤を付着させたら、基板10a'を60℃で3分間加熱して、表面改質剤の溶剤であるアルコールを蒸発させる(ステップS202)。基板10a'の加熱には、ベッド53上に取り付けられたヒータ53hにより、直接基板10a'を加熱する。基板10a'の温度は赤外線温度センサ54によって測定される。
【0053】
次に、基板10a'のブラックマトリックス14上に、スペーサー用液滴吐出ヘッド52を用いてスペーサーを配置する(ステップS203)。スペーサー用液滴吐出ヘッド52のノズル径は25μmであり、また吐出量は20plである。スペーサー20には直径3.75μmの積水化学製SP−20375を使用する。スペーサー分散用溶剤として2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル溶液を用い、これに上記スペーサー20を分散させて、スペーサー分散液を作製する。このスペーサー分散液は、上記液滴吐出装置50に備えられたスペーサー用液滴吐出ヘッド52から吐出される。ブラックマトリックス14上にスペーサー20を配置したら、基板10a'を130℃で5分間加熱する。そしてスペーサー分散用溶剤を蒸発させて(ステップS204)、スペーサー20の配置が完了する。
【0054】
スペーサー分散用溶剤としては、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテルの他、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1,2−エタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、フェノール、2−ピロリドン、2−フェノキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等を使用することができる。
【0055】
上記手順によって表面改質剤をブラックマトリックス14上に付着させたところ、ブラックマトリックス14上における基板10a'とスペーサー分散用溶剤(2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル溶液)との接触角は、ブラックマトリックス14外よりも14度小さくなっていた。実施の形態1で説明したように、スペーサー配置部のスペーサー分散用溶剤に対する接触角と、スペーサー配置部周辺部におけるスペーサー分散用溶剤に対する接触角との差δが8度以上であれば、スペーサー20はブラックマトリックス14の外にはみ出すことなく、安定して精度よくブラックマトリックス14上に配置される。その結果、電子光学パネルのセルギャップ不良を低減できる。
【0056】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る表面改質剤の付着状態を示す説明図である。この電子光学パネルの基板は、画素間40におけるスペーサーを配置する所定位置に、当該所定位置を中心として表面改質剤を点状に付着させる点に特徴がある。この例においては、カラーフィルタを使用せず、電極ピッチP1は200μm、画素間ピッチP2は15μmとした。その他は実施の形態2と同様の条件でスペーサー20を配置した。なお、カラーフィルタを用いる電子光学パネルに対しても同様に適用できる。
【0057】
実施の形態3においては、点の形状を円形とする。表面改質剤42は実施の形態2で使用したものと同じものを用いる。表面改質剤42はインクジェット(液滴吐出)法によって径が15μmの円状に付着させた後、ヒータやオーブン等の加熱手段によって溶剤であるアルコールを蒸発させる。すると、図10(a)に示すように点状に表面改質剤42が付着される。なお、表面改質剤42はフレキソ印刷によって付着させてもよい。この場合には、点状の凸部を有するマスクを使用すればよい。また、実施の形態1で説明した紫外線照射によって、点状に表面改質処理をしてもよい。
【0058】
次にインクジェット(液滴吐出)法によってスペーサー分散液を表面改質剤42上に吐出してから、スペーサー分散液の溶剤成分を蒸発させて、スペーサー20をスペーサー配置部15に配置する。ここで用いる液滴吐出ヘッドは、ノズル径が25μmで、吐出量は20plである。スペーサー分散液も、実施の形態1及び2で説明したものと同様のものを使用する。
【0059】
表面改質剤42が付着した部分は、当該部分とスペーサー分散液との接触角は、表面改質剤42が付着した部分の周辺部よりも小さいので、スペーサー分散液は表面改質剤42が付着した部分に引き寄せられる。これによってスペーサー分散液の溶媒成分が蒸発する過程においてスペーサー分散液の液滴の中心位置がずれても、最終的にスペーサー20は表面改質剤42が付着した部分に集まり、所定の位置にスペーサー20を配置することができた。
【0060】
実施の形態3に係る電子光学パネルでは、表面改質剤42を点状に付着するため、画素30間の交点に表面改質剤42を付着させることができる。このとき、円形で表面改質剤42を付着すれば、線状に表面改質剤42を付着させる場合よりも径を大きくすることができる。これによって、より安定してスペーサーを配置することができる。さらに、スペーサー20を配置する部分だけに表面改質剤42を付着するので、表面改質剤42の使用量を少なくできる。なお、実施の形態3においては表面改質剤42を円状に付着させたが、表面改質剤42の形状はこれに限られるものではない。すなわち、スペーサー分散溶剤の液滴がスペーサー配置部15に接触する部分を含んでいればよく、この条件を満たせば、四角形や楕円形でもよい。
【0061】
(実施の形態4)
実施の形態4においては、表面改質剤をフレキソ印刷によって基板上に付着させる。実施の形態4では、電極ピッチP1が255μmで、画素間ピッチP2は30μmとする。配向膜は日産化学製のSE3140を使用し、配向膜の厚さは500Åとする。なお、スペーサー配置部15、電極ピッチP1、画素間ピッチP2等については、図1を参照されたい。表面改質剤は、実施の形態2で説明したものと同じシランカップリング剤を用いる。表面改質剤はフレキソ印刷によって、基板10aの画素間に付着させる。その後、60℃で3分間加熱して、表面改質剤の溶剤成分を蒸発させる。
【0062】
次に、基板10aのスペーサー配置部15に、インクジェット(液滴吐出)法を用いてスペーサーを配置する。液滴吐出装置に備えられた液滴吐出ヘッドのノズル径は35μmであり、また吐出量は40plである。スペーサー20には直径6μmの積水化学製SP−206を使用する。スペーサー分散用溶剤は2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル溶液を用い、これに上記スペーサー20を分散させて、スペーサー分散液を作製する。このスペーサー分散液は、液滴吐出装置に備えられたスペーサー分散液付着用の液滴吐出ヘッドから吐出される。スペーサー配置部15にスペーサー20を配置したら、基板10aを130℃で5分間加熱して溶剤を蒸発させて、スペーサー20の配置が完了する。このスペーサー配置方法によっても、スペーサー配置部15にスペーサーを安定して配置することができた。
【0063】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係る電子光学パネルの製造方法を示す説明図である。図12は、実施の形態5に係る製造方法を示すフローチャートである。実施の形態5に係る電子光学パネルの製造方法は、実施の形態1に係る電子光学パネルの製造方法と略同様であるが次の点で異なる。すなわち、基板10a上のスペーサー配置部だけ、基板10a上に形成された配向膜を除去することによりガラス表面を露出させて、その部分にスペーサー分散液を付着させる点である。なお、次の説明ではモノクロの電子光学パネルを製造する場合について説明するが、実施の形態5に係る製造方法は、カラーフィルタを有する電子光学パネルの製造にも適用できることはいうまでもない。
【0064】
この電子光学パネルの基板10aは、電極ピッチP1が120μmで、画素間ピッチP2は10μmである。配向膜は日産化学製のSE3140を使用し、配向膜の厚さは500Åとする。まず、基板10a上に配向膜12aを形成した後、この配向膜12a前面にレジスト17を付着させる(ステップS301)。次に、画素30の間、すなわちスペーサー配置部のみを開口させたマスク60によって露光し、現像する(ステップS302)。これにより、画素30の間における配向膜12aを露出させる(ステップS303)。そして、プラズマ処理によって画素30間の配向膜12aを除去し(ステップS304)、画素30上のレジスト17も除去する(ステップS305)。なお、配向膜12aはKOH等の薬剤によって除去してもよい。また、実施の形態3で説明したように、画素30の間におけるスペーサー20を配置する所定位置に、当該所定位置を中心として配向膜12aを点状に除去してもよい。
【0065】
この処理によって、スペーサー20が配置される画素30の間に基板10aの表面が露出したら、インクジェット(液滴吐出)法によって画素30の間にスペーサー分散液を付着させる(ステップS306)。ここで、液滴吐出ヘッドのノズル径は20μmであり吐出量は4plである。また、スペーサー20を分散させるスペーサー分散用溶剤は、実施の形態1で説明したものが使用できる。スペーサー分散液を画素30間に付着させた後は、実施の形態1、2で説明したと同様な溶剤蒸発工程(ステップS307)を経て、スペーサー20が画素30の間へ配置される。
【0066】
スペーサー20が配置される基板10aはガラスであるので、スペーサー分散用溶剤に対する接触角はポリイミド等の樹脂である配向膜12aよりも小さい。このため、画素30の間に吐出されるスペーサー分散液は、スペーサー分散用溶剤が蒸発する過程で画素30間に集まって、周囲の画素30へ流れ出すことはない。これによって、安定してスペーサー20を基板10a上の画素30間に配置することができる。
【0067】
なお、配向膜12aに対してはラビング処理が必要であるが、ラビング処理はレジスト付着前でもよく、また、スペーサー20を配置する場所の配向膜12aを除去した後でもよい。また、スペーサー配置分部(ここでは画素30の間)を除いた基板10a上に、インクジェット(液滴吐出)法によって配向膜12aを形成してから、スペーサー配置部にスペーサー分散液を付着させてもよい。このようにしても、スペーサー20を配置する場所における基板10aとスペーサー分散用溶剤との接触角を、スペーサー20を配置する場所の外側における前記接触角よりも小さくすることができる。また、配向膜12aの除去が不要なので、その分工程を少なくできる。
【0068】
(本発明の適用対象)
本発明に係る電子光学パネルが適用できる電子機器としては、携帯電話機の他に、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器や携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等、電気光学装置である電子光学パネルを用いる機器が挙げられる。したがって、これらの電子機器における電気的接続構造であっても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
【0069】
また、この電子光学パネルは、透過型又は反射型の電子光学パネルであり、図示しない照明装置をバックライトとして用いる。なお、アクティブマトリックス型のカラー電子光学パネルであっても同様である。例えば、以上説明した各実施形態においては、いずれもパッシブマトリクス型の電子光学パネルを例示してきたが、本発明の電子光学装置としては、アクティブマトリクス型の電子光学パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた電子光学パネル)にも同様に適用することができる。また、電子光学パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電界放出表示装置、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置などのように、複数の画素毎に表示状態を制御可能な各種の電子光学装置においても本発明を同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る電子光学パネルの構造を示す説明図。
【図2】 実施の形態1に係る電子光学パネルの製造方法を示す説明図。
【図3】 実施の形態1に係る製造方法を示すフローチャート。
【図4】 スペーサー配置用の液滴吐出装置を示す説明図。
【図5】 スペーサー分散液の付着状態を示す説明図。
【図6】 実施の形態2に係る電子光学パネルの構造を示す説明図。
【図7】 実施の形態2に係る液滴吐出装置を示す説明図。
【図8】 実施の形態2に係る製造方法を示すフローチャート。
【図9】 基板上に表面改質剤を付着させた状態を示す説明図。
【図10】 実施の形態3に係る表面改質剤の付着状態を示す説明図。
【図11】 実施の形態5に係る電子光学パネルの製造方法を示す説明図。
【図12】 実施の形態5に係る製造方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
10a 基板
12a 配向膜
14 ブラックマトリックス
15 スペーサー配置部
17 レジスト
20 スペーサー
30 画素
60 マスク
100、101 電子光学パネル

Claims (9)

  1. 一対の対向する基板間に液晶が挟持された電子光学パネルの製造方法であって、
    スペーサー分散用溶剤にスペーサーを分散させたスペーサー分散液を前記一対の基板のうち一方の基板上の所定位置に付着させて、スペーサーを前記一方の基板上に配置するにあたり、
    前記一方の基板の前記所定位置と重ならないように前記一方の基板に配向膜を液滴吐出法によって形成した後、前記所定位置に前記スペーサー分散液を付着させる工程を有し、
    前記配向膜を形成していない領域における前記一方の基板と前記スペーサー分散用溶剤との接触角、前記配向膜と前記スペーサー分散用溶剤との接触角よりも小さいことを特徴とする電子光学パネルの製造方法。
  2. 前記配向膜を形成していない領域における前記一方の基板と前記スペーサー分散用溶剤との接触角と、前記配向膜と前記スペーサー分散用溶剤との接触角との差は8度以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子光学パネルの製造方法。
  3. 前記配向膜を形成していない領域は点状であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子光学パネルの製造方法。
  4. 上記スペーサー分散液の液滴は、前記配向膜を形成していない領域からはみ出るように付着されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子光学パネルの製造方法。
  5. 前記電子光学パネルは複数の画素を有し、上記所定位置は画素間であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子光学パネルの製造方法。
  6. 上記スペーサー分散液は、液滴吐出法を用いて上記一方の基板上の上記所定位置に吐出して付着させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子光学パネルの製造方法。
  7. 請求項1乃至9に記載の電子光学パネルの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする電子光学パネル。
  8. 請求項に記載の電子光学パネルを備えた電子光学装置。
  9. 請求項に記載の電子光学パネルを備えた電子機器。
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