JP2007304580A - スペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット装置を用いて、基板上の非画素領域に対応する特定の位置に、精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができるスペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】スペーサ粒子と溶剤とを含有し、インクジェット装置を用いて基板の表面に前記スペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、前記基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、前記液滴が完全に乾燥する前に液滴内部で前記スペーサ同士が凝集する液晶表示装置の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット装置を用いて、インクジェット装置を用いて、基板上の非画素領域に対応する特定の位置に、精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができるスペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置に関する。
現在、液晶表示装置はパソコン、携帯電子機器等に広く用いられている。一般的な液晶表示装置では、図5に示されているように、2枚の透明基板201、202が対向し合うように重ね合わせられた構造を有する。
透明基板201の内表面には、カラーフィルタ203及びカラーフィルタ203を画するブラックマトリックス204が形成されている。カラーフィルタ203及びブラックマトリックス204上には、オーバーコート層205が形成されている。オーバーコート層205上には、透明電極206が形成されている。更に、透明電極206を覆うように、配向膜207が形成されている。他方、透明基板202の内表面には、カラーフィルタ203と対向する位置において、透明電極208が形成されている。更に、透明基板202の内表面と透明電極208とを覆うように、配向膜209が形成されている。一方、透明基板201、202の外表面には、それぞれ偏光板210、211が配置されている。透明電極206、208は、画素領域に配置された画素電極と、画素領域以外に配置された電極とを有する。
透明基板201と透明基板202とは、それぞれの外周縁近傍において、シール剤212を介して接合されている。配向膜207と配向膜209との空隙には、スペーサ粒子213が配置されており、更に液晶214が封入されている。このような構造の液晶表示装置において、スペーサ粒子213は、2枚の透明基板201、202の間隔を規制し、適正な液晶層の厚み(セルギャップ)を維持するように機能している。
従来の液晶表示装置の製造方法では、スペーサは、透明基板の基板上に均一にランダムに散布されるため、図5に示されるように、画素電極上、すなわち液晶表示装置の表示部(画素領域)にもスペーサが配置されやすかった。スペーサは、一般的に合成樹脂やガラス等から形成されており、画素電極上にスペーサが配置されると、消偏作用によりスペーサ部分が光り漏れを起こす。また、スペーサ表面での液晶の配向が乱れると光抜けが起こり、コントラストや色調が低下し、表示品質が悪化する。他方、TFT液晶表示装置においては、基板上にTFT素子が配置されている。スペーサがこのTFT素子上に配置されると、基板に圧力が加わったときにTFT素子が破損することがあった。
このようなスペーサのランダム散布に伴う問題点を解決するために、スペーサを遮光層(画素領域を画する部分、以下非画素領域ともいう)下に配置する種々の試みがなされている。
スペーサを特定の位置にのみ配置する方法として、例えば、特許文献1には、開口部を有するマスクを配置させたい位置と合致させた後に、マスクを通してスペーサを散布する方法が開示されている。また、特許文献2には、感光体に静電的にスペーサを吸着させた後、透明基板にスペーサを転写する方法が開示されている。更に、特許文献3には、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサを散布することで、静電的斥力によって特定の位置にスペーサを配置させる液晶表示装置の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載の方法では、基板上にマスクや感光体が直接接触するために、基板上の配向膜が損傷を受け、製造した液晶表示装置の液晶表示の画質が低下するという問題があった。また、特許文献3に記載の方法では、配置させるパターンに従った電極を必要とするため、任意の位置にスペーサを配置することが不可能であった。
このような問題に対し、例えば、特許文献4には、インクジェット装置を用いてスペーサを配置する方法が開示されている。この方法では、基板そのものにマスクや感光体が直接接触することがなく、任意の位置に任意のパターンでスペーサを配置できる。
しかしながら、吐出するスペーサ粒子分散液中には、粒径が1〜10μm程度のスペーサ粒子が含まれているため、直線的に吐出するためには、インクジェットヘッドのノズル径を大きくせざるを得なかった。その結果、基板上に吐出された液滴が大きくなって、画素領域ではない遮光領域を狙って吐出しても、液滴が非画素領域から画素領域にはみ出し、スペーサが画素領域に配置されることがあった。
画素領域にはみ出した液滴は、着弾中心を中心として乾燥縮小すると、図6(a)に示すように、液滴40中のスペーサ粒子41は、液滴40の外周部が縮小する力により移動し、非画素領域に凝集配置させることができるが、図6(b)に示すように、液滴40’が着弾径のまま乾燥して液滴40’が着弾中心に向かって縮小せず、スペーサ粒子41’が非画素領域に凝集配置されないことも多かった。このため、インクジェット装置で吐出したスペーサ粒子分散液の液滴は、着弾中心に縮小するとともに、スペーサ粒子が非画素領域に集まるような工夫をしなければならなかった。このような工夫をしない場合には、スペーサが画素領域に配置されてしまい、コントラストや色調が低下し、表示品質が悪化することがあった。なお、図6(a)、(b)は、従来の基板表面に着弾させたスペーサ粒子分散液の液滴を乾燥させる様子を模式的に示す説明図である。
例えば、特許文献5、6等には、スペーサを分散する媒体を、適切な沸点と表面張力とを有する溶媒の組み合わせすることや、基板とこれらの溶媒の相互作用の結果による後退接触角を適宜調整することにより、図6(a)に示すように、液滴を着弾した際の液滴径より乾燥時に縮めることによりスペーサ粒子を特定領域に凝集配置させる方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法であっても、基板、とりわけ配向膜(特に、高表面張力を有し、後退接触角が5度以下であるような配向膜)の種類によっては、具体的には、液晶を水平配向させるTN基板やIPS基板等では、スペーサ粒子分散液の液滴の乾燥過程でも液滴径が縮小せず、図6(b)に示すように、スペーサ粒子が集合しないという問題があった。
特開平4−198919号公報 特開平6−258647号公報 特開平10−339878号公報 特開昭57−58124号公報 特開2003−279999号公報 特開2005−189651号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、インクジェット装置を用いて、基板上の非画素領域に対応する特定の位置に、精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができるスペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置を提供することにある。なかでも、吐出された液滴が乾燥過程で殆ど収縮することのなかった基板上においても好適にスペーサ粒子を配置するものである。
本発明は、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、インクジェット装置を用いて基板の表面に前記スペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、前記基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、前記液滴が完全に乾燥する前に液滴内部で前記スペーサ同士が凝集するスペーサ粒子分散液である。
また、本発明は、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、第1の基板又は第2の基板の表面に、インクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液を吐出することにより、前記非画素領域に対応する特定の位置にスペーサ粒子分散液の液滴を配置する工程1、前記スペーサ粒子分散液の液滴中でスペーサ粒子を凝集させる工程2、及び、前記第1の基板と前記第2の基板とを、液晶及び凝集させた前記スペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程3を有する液晶表示装置の製造方法である。
また、本発明は、本発明のスペーサ粒子分散液又は本発明の液晶表示装置の製造方法を用いてなる液晶表示装置である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、インクジェット装置を用いて基板の表面にスペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液が、基板の表面に吐出し形成した液滴の状態がその乾燥過程において変化する、すなわち、液滴の乾燥過程でスペーサ粒子の溶剤に対する分散性が変化するものであると、スペーサ粒子を目的とする領域に確実に配置させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、インクジェット装置を用いて基板の表面に上記スペーサ粒子を配置する際に用いられるものである。
本発明のスペーサ粒子分散液は、上記基板の表面に吐出した液滴を乾燥する工程において、該液滴が完全に乾燥する前に液滴内部で上記スペーサ粒子同士が凝集する。すなわち、上記液滴内部でスペーサ粒子同士が凝集するとは、基板表面に吐出し形成された液滴を乾燥させると、図6(a)を用いて説明した従来のスペーサ粒子分散液とは異なり、液滴中のスペーサ粒子が液滴の外周部が縮小する力によらず、スペーサ粒子同士が凝集するものである。なお、場合によっては、スペーサ粒子同士の凝集に引き続いて液滴外周が収縮する場合もある。
図1は、基板表面に吐出した本発明のスペーサ粒子分散液からなる液滴の乾燥工程を示す断面図であり、(a)は、基板表面に形成した液滴の着弾径が液滴の乾燥に伴って縮小する場合を示し、(b)は、基板表面に形成した液滴の着弾径が液滴の乾燥に伴って変化しない場合を示す。なお、図1(a)、(b)において、波線は、液滴の着弾径を示し、「着弾径」とは、本発明のスペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて基板表面に吐出し形成した液滴を上方から見たときに外周の描く円の直径を意味する。また、図1(a)中、矢印は、液滴5が縮小する方向を示す。
図1(a)に示すように、本発明のスペーサ粒子分散液からなる液滴の着弾径が乾燥に伴って縮小する場合、着弾直後の液滴5中のスペーサ粒子1は、液滴5中で凝集していないが、液滴5を乾燥させると、液滴5は縮小する一方、該液滴5中のスペーサ粒子1は、液滴5の外周部が縮小する力によらず、着弾中心付近に凝集した状態となる。その後、液滴5は、乾燥の進行に伴って縮小し続け、乾燥完了後においては、基板表面にスペーサ粒子1のみが凝集した状態で配置される。
一方、図1(b)に示すように、本発明のスペーサ粒子分散液からなる液滴の着弾径が乾燥に伴って変化しない場合、着弾直後の液滴5’中のスペーサ粒子1’は、液滴5’中で凝集していないが、液滴5’を乾燥させると、液滴5’の着弾径は変化せずその高さが低くなる一方、該液滴5’中のスペーサ粒子1’は、液滴5’の外周部が縮小する力によらず、着弾中心付近に凝集した状態となる。その後、液滴5’は、乾燥の進行に伴って高さが低くなり続け、乾燥完了後においては、基板表面にスペーサ粒子1’のみが凝集した状態で配置される。
なお、本発明のスペーサ粒子分散液において、乾燥を行う前の液滴中のスペーサ粒子は、図1に示したように、液滴中に分散した状態であってもよいが、例えば、液滴の底面部分に広がって沈降した状態であってもよい。
本発明のスペーサ粒子分散液は、図1(a)及び(b)に示したように、基板表面に形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたとき(以下、この状態を乾燥後期ともいう)に、液滴中のスペーサ粒子が凝集することが好ましい。すなわち、本発明のスペーサ粒子分散液は、基板表面に形成した液滴を乾燥させ、その重量を5重量%以上減少させたときに、液滴の組成が変化するものであることが好ましい。
ここで、本発明のスペーサ粒子分散液を構成する溶剤は、後述するように、沸点の異なる複数の溶剤からなる溶剤混合物であり、このような溶剤混合物を含有する液滴は、乾燥の進行に伴いより沸点の低い溶剤が早く気化する。そのため、上記液滴の組成の変化は、上記液滴を乾燥させることで、該液滴に含まれる溶剤混合物中のより沸点の低い溶剤が気化して除去されて生じるものである。よって、上記液滴の組成を変化させるために減少させる該液滴の重量は、上記溶剤混合物におけるより沸点の低い溶剤の配合量により適宜決定され、液滴の重量の5重量%よりも大きくなる場合もあり得る。
なお、上記液滴の重量を5重量%未満減少させたときに上記スペーサ粒子が凝集するものであると、本発明のスペーサ粒子分散液の取り扱い性に劣り、インクジェット装置を用いて基板表面に吐出する前にスペーサ粒子が凝集し、ノズルの詰まりや液滴の配置精度が低下することがある。
このような本発明のスペーサ粒子分散液は、基板の表面に形成した直後(乾燥前)の液滴に含まれる溶剤を、スペーサ粒子の分散性が高いものとする一方、基板の表面に形成した液滴の乾燥後期に残存する溶剤を、スペーサ粒子の分散性が悪いものとすることにより、液滴の乾燥後期にスペーサ粒子の凝集を実現することができる。これに対して、例えば、スペーサ粒子分散液に用いられる溶剤のうち、液滴の乾燥後期に残存する溶剤に対してスペーサ粒子の分散性が変化しない場合、又は、分散性がよくなるような場合、液滴の乾燥の進行に伴ってスペーサ粒子分散液が凝集することがない。
上記液滴の組成が該液滴の乾燥の進行に伴って変化する本発明のスペーサ粒子分散液において、上記溶剤は、沸点の異なる複数の溶剤を混合した溶剤混合物であり、液滴の形成直後(乾燥前)ではスペーサ粒子の分散性に優れる一方、上記液滴の乾燥後期では上記スペーサ粒子の分散性が低下するような組成の溶剤混合物が好適に用いられる。
なお、上記沸点とは1気圧下での沸点を意味する。
すなわち、上記溶剤混合物を構成する沸点の異なる複数の溶剤は、本発明のスペーサ粒子分散液に用いられるスペーサ粒子の分散性を考慮しつつ適宜決定される。上記スペーサ粒子の分散性は、スペーサ粒子表面と溶剤との親和性に依存するものであり、スペーサ粒子表面と溶剤との親和性が高いとスペーサ粒子の分散性も高くなり、スペーサ粒子表面と溶剤との親和性が低いとスペーサ粒子の分散性が低くなる。従って、本発明のスペーサ粒子分散液では、上記溶剤混合物を構成する沸点の異なる複数の溶剤は、沸点の低い溶剤として、スペーサ粒子の表面と親和性が高いもの(スペーサ粒子の分散性の高いもの)を選択し、沸点の高い溶剤として、スペーサ粒子の表面との親和性が、上記沸点の低い溶剤のスペーサ粒子の表面との親和性よりも低いもの(スペーサ粒子の分散性の低いもの)を選択することが好ましい。
本発明のスペーサ粒子分散液において、上記混合溶剤としては、例えば、沸点が160℃未満の溶剤(以下、低沸点溶剤ともいう)と、沸点が160℃以上の溶剤(以下、高沸点溶剤ともいう)とを選択することが好ましい。また、これら低沸点溶剤と高沸点溶剤とは、沸点の差が10℃以上のものを選択することが好ましい。沸点の差が10℃未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液からなる液滴を基板の表面に形成した後、該液滴が完全に乾燥するまで、スペーサ粒子分散液の溶剤組成が変化しにくく、スペーサ粒子の分散性が変わらないため、上記スペーサ粒子が凝集するといった本発明の効果が得られないことがある。
上記低沸点溶剤としては特に限定されず、例えば、低級アルコールやエーテル等が挙げられる。
上記低級アルコールやエーテルとしては、具体的には、例えば、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールや4−メチル−2−ペンタノール(メチルイソブチルカルビノール)、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等の低級モノアルコール類やグリコール(エチレングリコールやプロピレングリコールを指す)類のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類、グリコール類のジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル等の低級ジアルキルエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。この中では、2−プロパノール、tert−ブタノール等が最も好ましい。
このような沸点が160℃未満の溶剤は、本発明のスペーサ分散液を基板上に吐出した後、乾燥させる際に比較的低い温度で気化する。特に、本発明のスペーサ分散液においては、配向膜に溶剤が高温で接触すると配向膜を汚染して液晶表示装置の表示品質を損なうため、乾燥温度をあまり高くすることができない。従って、上記沸点が160℃未満の溶剤を用いることが好ましい。
ただし、溶剤が室温で揮散しやすいと、本発明のスペーサ分散液の製造時や貯蔵時に凝集粒子が発生しやすくなったり、インクジェット装置のノズル付近のスペーサ分散液が乾燥しやすくなって、インクジェット吐出性が損なわれたりするので、沸点があまり低すぎる溶媒は好ましくない。すなわち、上記低沸点溶剤は、沸点が70℃以上であることがより好ましい。
上記低沸点溶剤は、沸点が100℃未満の溶剤であることが好ましい。
上記沸点が100℃未満の溶剤としては、上述した低沸点溶剤の中で、沸点が100℃未満のものが適宜選択される。例えば、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール等の低級モノアルコール類やアセトン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。この中では、2−プロパノール、tert−ブタノール等が最も好ましい。
更に、上記低沸点溶剤として、水を用いてもよく、また、上記低沸点溶剤と高沸点溶剤に更に水が含まれていてもよい。
水を用いることで、例えば、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が高い場合に、インクジェット装置のヘッドで吐出できやすいように下げることができる。また、水は、一般的な溶剤の中では72.6mN/mと最も表面張力が高い溶剤であるため、該水を含有することで、本発明のスペーサ分散液の液滴を基板上に吐出した後、該液滴を乾燥させることで、上述した低沸点溶剤が気化して液滴の組成を変化し、スペーサ粒子を凝集させる(寄り集まらせる)効果をより高めることが可能となる。
上記高沸点溶剤としては、例えば、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び、3−ヘキセン−2,5−ジオール等のジオール類等、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール等のエチレングリコールの多量体;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のプロピレングリコールの多量体等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。この中では、エチレングリコール、プロピレングリコールが最も好ましい。
上記高沸点溶剤の沸点の上限としては特に限定されないが、好ましい上限は210℃、より好ましい上限は190℃である。このような沸点が160℃以上、190℃以下の溶剤としては、例えば、プロピレングリコール等が挙げられる。
上記低沸点溶剤と高沸点溶剤との好ましい配合比としては特に限定されないが、例えば、上記低沸点溶剤の好ましい下限が2重量%、好ましい上限が50重量%(より好ましい下限は2重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい下限は3重量%、更に好ましい上限は16重量%)、上記高沸点溶剤の好ましい下限が50重量%、好ましい上限が98重量%(より好ましい下限は80重量%、より好ましい上限は98重量%、更に好ましい下限は84重量%、より好ましい上限は97重量%)である。
上記低沸点溶剤が2重量%未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液中でスペーサ粒子が分散しにくくなったり、低沸点溶剤が気化し、溶剤組成が変化することでスペーサ粒子が凝集する効果が損なわれる確率が高くなる。また、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が高すぎ、インクジェットヘッドより吐出しづらくなる(駆動電圧が高くなりすぎる)問題が発生することもある。上記低沸点溶剤が50重量%を超えると、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が低くなりすぎ、吐出安定性、特に高周波数駆動状態の安定性が低くなる問題が発生したり、インクジェット装置のノズルの先端でスペーサ粒子分散液が乾燥し易くなり、更に、本発明のスペーサ粒子分散液を製造する際や本発明のスペーサ粒子分散液を保管している際に乾燥し、スペーサ粒子が凝集したりすることがある。
また、上記溶剤混合物が、例えば、上記沸点が100℃未満の溶剤と水と上記高沸点溶剤との組み合わせの場合、これらの好ましい配合比としては、上記沸点が100℃未満の溶剤の好ましい下限が2重量%、好ましい上限が40重量%(より好ましい下限は2重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい下限は3重量%、更に好ましい上限は16重量%)、上記水の好ましい下限が1重量%、好ましい上限が60重量%(より好ましい下限は1重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい下限は3重量%、更に好ましい上限は15重量%)、上記高沸点溶剤の好ましい下限が30重量%、好ましい上限が97重量%(より好ましい下限は60重量%、より好ましい上限は97重量%、更に好ましい下限は69重量%、更に好ましい上限は97重量%)である。
なお、上記溶剤混合物がこのような組み合わせである場合、上記沸点が100℃未満の溶剤と水とを足した割合は、上記高沸点溶剤を除いた量、すなわち、好ましい下限を3重量%、好ましい上限を70重量%(より好ましい下限を3重量%、より好ましい上限を40重量%、更に好ましい下限を3重量%、更に好ましい上限を31重量%)とする。
上記沸点が100℃未満の溶剤が2重量%未満であると、該沸点が100℃未満の溶剤が気化し、上述した液滴の乾燥過程で溶剤組成が変化することでスペーサ粒子が凝集する効果が損なわれることがある。40重量%を超えると、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が低くなりすぎ、吐出安定性、特に高周波数駆動状態の安定性が低くなる問題が発生したり、インクジェット装置のノズルの先端でスペーサ粒子分散液が乾燥し易くなり、本発明のスペーサ粒子分散液を製造する際や本発明のスペーサ粒子分散液を保管している際に乾燥し、スペーサ粒子が凝集したりすることがある。
また、水と沸点が100℃未満の溶剤とを加えた量が4重量%未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が高すぎ、インクジェットヘッドより吐出しづらくなる(駆動電圧が高くなりすぎる)問題が発生することがあり、70重量%を超えると、本発明のスペーサ粒子分散液の粘度が低くなりすぎ、吐出安定性、特に高周波数駆動状態の安定性が低くなる問題が発生したり、インクジェット装置のノズルの先端でスペーサ粒子分散液が乾燥し易くなり、更に、スペーサ粒子分散液を製造する際や、スペーサ粒子分散液を保管している際にスペーサ粒子分散液が乾燥し、スペーサ粒子が凝集したりすることがある。
また、このような溶剤混合物としては、例えば、(1)上記液滴の乾燥後期までの間(以下乾燥前期ともいう)における溶解度パラメータ(SP値)とスペーサ粒子表面の溶解度パラメータ(SP値)との差(A)が5以内であり、上記液滴の乾燥後期の溶剤混合物の溶解度パラメータ(SP値)とスペーサ粒子表面の溶解度パラメータ(SP値)との差が、A+0.2以上である溶剤混合物、(2)上記液滴の乾燥前期におけるスペーサ粒子と溶剤混合物との接触角(θs1)と、上記液滴の乾燥後期におけるスペーサ粒子との接触角(θs2)との差(θs2−θs1)が、1度以上である溶剤混合物、(3)溶剤混合物におけるスペーサ粒子のゼータ電位が、上記液滴の乾燥後期におけるスペーサ粒子のゼータ電位よりも高い溶剤混合物等が好適に用いられる。
上記(1)の溶剤混合物において、溶剤混合物のSP値とスペーサ粒子表面のSP値との差(A)が5を超えると、スペーサ粒子が保存中に凝集する等、初期の分散性が悪化するため好ましくなく、このようなスペーサ粒子分散液を無理に使おうとすると、常に超音波照射が必要になる等装置が大がかりになるといった問題も発生する。また、上記低沸点溶剤の含有量が減少した(液滴の乾燥後期の)溶剤混合物のSP値とスペーサ粒子表面のSP値との差が、A+0.2より小さくなる場合、スペーサ粒子が、液滴が乾燥するにつれ液滴中で凝集しにくくなる。
なお、上記溶剤混合物のSP値、並びに、スペーサ粒子表面のSP値は、接着40巻8号(1996)p342−350[高分子刊行会]の沖津らによるパラメータ(当該文献、表3−3)を用い、溶剤混合物の場合は、当該文献の式(2・8)、スペーサ粒子表面の場合は、式(3・4)(3・5)を用いて計算により算出した値である。
ここで、溶剤混合物のSP値は、溶剤混合物の配合比から求める。スペーサ粒子表面のSP値はTOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析法)によりスペーサ粒子表面の分析を行い、スペーサ粒子表面がどのようなモノマーの共重合体になっているかを測定し(ポリマー構成成分としてのモノマー種とそのモノマー単位(例えば、アクリルモノマーであると「−CH−CHCOOR−」)のモル比を測定により算出し)、測定値より計算で算出する。すなわち、スペーサ粒子表面のSP値は、スペーサ粒子を作ったり、スペーサ粒子の表面修飾をしたりする際のモノマーの仕込み配合量で計算してはいない。これは、モノマーの配合比や量が同じであっても、開始剤や重合方法の違いで、スペーサ粒子表面の化学的物理的状態が異なるためである。
上記(2)の溶剤混合物において、該溶剤混合物のスペーサ粒子に対する接触角は、本発明のスペーサ粒子分散液を基板上に塗布し、乾燥させる等して通常の接触角測定装置で測定できるような面積以上の領域にスペーサ粒子を均一に敷き詰めて、そこに、上記溶剤混合物や、上記低沸点溶剤の含有量が減少した(液滴の乾燥後期の)溶剤混合物を滴下し、一定時間経過した後に測定される、これら溶剤混合物液滴のスペーサ粒子群表面に対する接触角である。この接触角は、表面の濡れ性を測定する一般の接触角測定装置で測定でき、スペーサ粒子表面の溶剤混合物に対する親和性を示している。すなわち、接触角が低ければ、より溶剤混合物に対して親和性を示すと言える。なお、例えば、上記溶剤混合物を構成する溶剤のいずれもスペーサ粒子表面との親和性が比較的高い場合、その差を見るときに長時間放置しておくと接触角がいずれも0度となり差を見ることができないので、液滴がスペーサ粒子群の上に接触してから比較的短時間の後での接触角の差を見る必要がある。この場合、高速度ビデオカメラを有する接触角測定装置を使用することが好ましい。
なお、この接触角測定装置で撮影された液滴の接触角が時間とともに変化する(液滴がスペーサ粒子群表面上に濡れ広がっていく様子を撮影した)ビデオ画像から、この接触角の時間変化率を測定し、スペーサ粒子表面の濡れ性の尺度とすることもできる。接触角の時間変化率が大きいとスペーサ粒子表面がその溶剤混合物により濡れやすく(スペーサ粒子が分散しやすく)なっているということができる。接触角の時間変化率が小さかったり、接触角そのものの値が大きかったりする場合は、それらの溶剤混合物に対してスペーサ粒子が分散しがたくなっているということができる。
上記差(θs2−θs1)が1度未満(負の値も含む)である溶剤混合物を使用した場合、スペーサ粒子が、スペーサ粒子分散液液滴が乾燥するにつれ液滴中で凝集するということが起こりにくくなる。
上記差(θs2−θs1)が1度以上となる溶剤混合物としては、例えば、上述した中から、高沸点溶剤には濡れ性が低い溶剤、すなわち、溶剤自身の凝集力が高い(表面張力が高い)溶剤と、それより沸点も表面張力も低い溶剤の組み合わせを選択することが好ましい。具体的には、例えば、上記高沸点溶剤として、例えば、グリコール等のジオール類や水等を選択した場合、上記低沸点溶剤として、例えば、モノアルコール(1級アルコール)や、グリコール等のジオールのモノエーテル又はジエーテル等のジオールのエーテル等を選択すればよい。
なお、3種以上の溶剤を混合する場合(これは、(1)の溶剤混合物及び後述する(3)の溶剤混合物においても同様に)、沸点が中間の溶剤の表面張力が最も高い場合があるが、このような場合は、最初の溶剤混合物の表面張力より、乾燥過程での表面張力やSP値や接触角θs2が大きくなれば、本発明の目的にかなう。
上記(3)の溶剤混合物としては、基板表面に吐出する前(乾燥前期)において、上記スペーサ粒子のゼータ電位が大きくなるような溶剤の組み合わせが用いられる。すなわち、同じスペーサ粒子でもゼータ電位は、溶剤の分極率や誘電率が高い場合、大きくなるので、溶剤混合物としては、低沸点溶剤として、例えば、水やグリコール等の分極率や誘電率が高い溶剤を混合し、これに、これより沸点が高く、分極率や誘電率が低い高沸点溶剤を加えればよい。
ここで、ゼータ電位が高いとは、電位の絶対値が大きいということであり、溶剤混合物を0Vとしてそれに対し、正負いずれか高い電位をもつということである。
また、上記基板の表面に形成した液滴中のスペーサ粒子表面のゼータ電位を、液滴を基板の表面に吐出し形成した直後と該液滴の乾燥後期とで差を設ける方法としては、上述した低沸点溶剤、高沸点溶剤を適宜組み合わせる方法のほか、後述するスペーサ粒子に帯電可能な処理を施す方法が挙げられる。このような基板の表面に形成した液滴中のスペーサ粒子表面のゼータ電位が、液滴を基板の表面に吐出し形成した直後と該液滴の乾燥後期とで差を有する本発明のスペーサ粒子分散液は、とりわけ、図1(b)に示したように、本発明のスペーサ粒子分散液の基板に対する後退接触角が高くなく、基板の表面に形成した液滴の着弾径自体は縮小しないような場合に好適である。
上記液滴を基板の表面に吐出し形成した直後におけるスペーサ粒子のゼータ電位が上記液滴の乾燥後期におけるスペーサ粒子のゼータ電位よりも低い場合、スペーサ粒子が、液滴が乾燥するにつれ液滴中で凝集しにくくなる。
また、本発明のスペーサ粒子分散液において、上記溶剤混合物を構成する低沸点溶剤は、20℃における表面張力が28mN/m未満であることが好ましく、25mN/m以下であることがより好ましい。低沸点溶剤の表面張力が28mN/m以上であると、本発明のスペーサ粒子分散液の表面張力が高くなり、インクジェット装置のノズルの接液部分の表面張力によっては、吐出性が悪くなることがある。
本発明のスペーサ粒子分散液が、上記低沸点溶剤として表面張力が28mN/m未満の溶剤を含むと、後述するインクジェット装置に本発明のスペーサ粒子分散液を導入しやすくなり、吐出する際には吐出性が向上する。
また、本発明のスペーサ粒子分散液において、上記溶剤混合物を構成する高沸点溶剤は、20℃における表面張力が30mN/m以上であることが好ましい。上記高沸点溶剤として表面張力が30mN/m以上の溶剤を含むと、本発明のスペーサ粒子分散液の後退接触角(θr)を大きくすることができ、基板に本発明のスペーサ粒子分散液を吐出し着弾させたときの液滴径が小さくなるため、液滴の拡がりが生じ難く、基板にスペーサ粒子を高精度に配置することができる。
また、本発明のスペーサ粒子分散液において、上記溶剤混合物は、インクジェット装置を用いて本発明のスペーサ粒子分散液を吐出する基板に対する初期接触角が5度以上となるものが好ましい。上記基板に対する初期接触角が5度未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液を基板の表面に着弾させた初期段階において本発明のスペーサ粒子分散液が基板上で濡れ広がってしまい、スペーサ粒子上部が液滴から露出しまう等して液滴中でスペーサ粒子が移動しにくくなり、スペーサ粒子が凝集しないことがある。
本発明のスペーサ粒子分散液に含有される上記スペーサ粒子の材料としては、液晶表示装置においてギャップ制御特性を有し、更に、後述するように、インクジェット装置を用いて基板の表面に着弾させた液滴を乾燥させたときに、該液滴に含有されるスペーサ粒子同士が凝集するようなものであれば特に限定されず、例えば、シリカ粒子等の無機系粒子であっても、有機高分子等の有機系粒子であってもよい。なかでも、有機系粒子は、液晶表示装置の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすく、更に、セル内部でのスペーサ粒子の移動が比較的少ないという長所を持つため好適である。
上記有機系粒子としては特に限定されないが、通常は、強度等が適切な範囲にあるので、単官能単量体と多官能単量体との共重合体が好ましく用いられる。この際、単官能単量体と多官能単量体との比率は特に限定されず、得られる有機系粒子に要求される強度や硬度により適宜調整される。
上記単官能単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単官能単量体は単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを意味する。
上記多官能単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら多官能単量体は単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記単官能又は多官能単量体として、後述する溶剤への分散性を上げるために親水性基を有する単量体が用いられてもよい。親水性基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホフォニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基が挙げられる。
このような親水性基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及び、それらのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基とをともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等が挙げられる。
上記単量体を重合して粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等の各種重合法が挙げられる。
上記の方法により得られたスペーサ粒子は、本発明のスペーサ粒子分散液を用いて製造する液晶表示装置のコントラスト向上のために着色されて用いられてもよい。着色されたスペーサ粒子としては、例えば、カーボンブラック、分散染料、酸性染料、塩基性染料、金属酸化物等により処理されたスペーサ粒子、また、スペーサ粒子の表面に有機物の膜が形成され高温で分解又は炭化されて着色されたスペーサ粒子等が挙げられる。なお、スペーサ粒子を形成する材質自体が色を有している場合には着色せずにそのまま用いられてもよい。
本発明に使用されるスペーサ粒子の粒径は、製造する液晶表示素子の種類により適宜選択可能なため特に限定されないが、上記スペーサ粒子の粒径の好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。
本発明で使用されるスペーサ粒子は、適正な液晶層の厚みを維持するためのギャップ材として用いられるため、一定の強度が必要とされる。粒子の圧縮強度を示す指標として、粒子の直径が10%変位した時の圧縮弾性率(10%K値)で表した場合、本発明のスペーサ粒子分散液を用いて製造した液晶表示装置の適正な液晶層の厚みを維持するためには、好ましい下限が2000MPa、好ましい上限が15000MPaである。
上記スペーサ粒子の圧縮弾性率(10%K値)は、特表平6−503180号公報記載の方法に準拠して求められた値である。例えば、微小圧縮試験器(PCT−200、島津製作所社製)を用い、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で、スペーサ粒子を10%歪ませるための加重から求められる。
本発明のスペーサ粒子分散液において、上記スペーサ粒子は、表面処理が施されていることが好ましい。スペーサ粒子に施す表面処理に合わせて上述した溶剤混合物の組成等を適宜選択することにより、本発明のスペーサ粒子分散液をインクジェット装置で基板の表面に吐出し形成した液滴中で上記スペーサ粒子同士を好適に凝集させることができる。
例えば、上記スペーサ粒子の表面修飾により、上記溶剤混合物のSP値とスペーサ粒子表面のSP値との差が5以内であることが好ましい。
なお、上記スペーサ粒子表面を得るにあたっては、上記のように有機微粒子を製造し、その後その表面に修飾を行っても、有機微粒子を作る際にそのような表面ができるように配合、合成方法を工夫してもよい。
上記スペーサ粒子の表面処理としては、例えば、上記スペーサ粒子の表面を修飾する方法が挙げられ、具体的には、特開平1−247154号公報に開示されているようにスペーサ粒子表面に樹脂を析出させて修飾する方法、特開平9−113915号公報や特開平7−300587号公報に開示されているようにスペーサ粒子表面の官能基と反応する化合物を作用させて修飾する方法、特開平11−223821号公報、特開2003−295198号公報に記載のようにスペーサ粒子表面でグラフト重合を行って表面修飾を行う方法、特願2005−354832号、特願2005−354831号、特願2005−239162号に記載のようにスペーサ粒子にモノマーを膨潤や吸着させ重合を行うことで表面修飾を行う方法、特願2005−354832号に記載のようにコアシェル粒子のシェル部にモノマーを吸収させ重合する方法、特願2005−239162号に記載のように超臨界法により粒子表面にモノマーを吸収させ重合する方法、特願2005−354831号に記載のように粒子表面に吸着させた化合物にモノマーを吸収させ重合する方法、その他特願2005−216065号、特願2005−180312号等に記載の方法等が挙げられる。
上記スペーサ粒子の表面修飾方法としては、スペーサ粒子表面に化学的に結合した表面層を形成する方法が、液晶表示装置のセル中で表面層の剥離や液晶への溶出という問題が少ないので好ましい。なかでも、特開平11−223821号公報に記載の表面に還元性基を有する粒子に酸化剤を反応させ、粒子表面にラジカルを発生させて表面にグラフト重合を行う方法が、表面層の密度が高くでき、充分な厚みの表面層を形成できるために好ましい。
また、このように表面処理を施すことにより、スペーサ粒子の基板に対する接着性が高まったり、使用する単量体を適宜選択すれば、液晶表示体での液晶の配向が乱されなくなるという効果もある。
上記スペーサ粒子は、グラフト処理により表面修飾されていることが好ましい。具体的には、上記スペーサ粒子の表面に親水性官能基及び/又は炭素数1〜22のアルキル基を有するビニル系単量体をラジカル重合してなるビニル系熱可塑性樹脂がグラフト重合により結合されていることが好ましい。
上記親水性官能基としては特に限定されず、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基等が挙げられるが、なかでも、液晶との相互作用が少ないことから、水酸基、カルボキシル基及びエーテル基が好適に用いられる。これらの親水性官能基は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。特に、上記スペーサ粒子は、カルボキシル基が表面に存在するように表面修飾されていることが好ましい。この場合、カルボキシル基を含有するモノマーの表面の存在比の好ましい下限は10モル%である。10モル%未満であると、スペーサ粒子分散液中での分散性が低くなったり、液滴が乾燥するにつれ液滴内部で凝集しにくくなったりする。
上記親水性官能基を有するビニル系単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸及びそれらのα−アルキル誘導体又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;上記不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有するビニル系単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスホニル基を有するビニル系単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基を有するビニル系単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有するビニル系単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基及びエーテル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有するビニル系単量体等が挙げられる。これらの親水性官能基を有するビニル系単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ここで、上記スペーサ粒子は、表面にカルボキシル基、水酸基及び/又はエーテル基、その他の官能基を有することが好ましい。このような表面にカルボキシル基等を有するスペーサ粒子は、カルボキシル基を有する単量体、水酸基及び/又はエーテル基を有する単量体、その他の官能基を有する単量体を用いて上記スペーサ粒子の表面を修飾することで得ることができる。
上記カルボキシル基を有する単量体としては、上記カルボキシル基を有するビニル系単量体が挙げられる。
このようなカルボキシル基を有する単量体のスペーサ粒子表面における組成比としては、好ましい下限が4重量%、好ましい上限が80重量%である。4重量%未満であると、乾燥する途中の液滴中でスペーサ粒子が凝集する効果に乏しくなることがあり、80重量%を超えると、インクジェット装置の本発明のスペーサ分散液が接する部材、特に金属製の部材に対する付着が発生したりその度合いがひどくなったりする問題が発生することがある。このように付着が起これば、それが本発明のスペーサ粒子分散液の循環経路のフィルタに対する付着であったりする場合、流量の低下などの問題が発生する。より好ましい下限は12重量%、より好ましい上限は40重量%である。
水酸基及び/又はエーテル基を有する単量体としては、上記水酸基を有するビニル系単量体、エーテル基を有するビニル系単量体及び水酸基及びエーテル基を有するビニル系単量体が挙げられる。
このような水酸基及び/又はエーテル基を有する単量体のスペーサ粒子の表面における組成比としては、好ましい下限が20重量%、好ましい上限が96重量%である。20重量%未満であると、インクジェット装置の本発明のスペーサ分散液が接する部材、特に金属製の部材に対する付着が発生したりその度合いがひどくなったりする問題が発生することがある。このように付着が起これば、それが本発明のスペーサ粒子分散液の循環経路のフィルタに対する付着であったりする場合、流量の低下等の問題が発生する。96重量%を超えると、乾燥する途中の液滴中でスペーサ粒子が凝集する効果に乏しくなることがある。より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は88重量%である。
また、上記カルボキシル基を有する単量体と、水酸基及び/又はエーテル基を有する単量体との組成比の合計の好ましい下限は60重量%、好ましい上限は100重量%である。60重量%未満であると、たとえ、カルボキシル基を有する単量体が4重量%以上であったとしても、スペーサ粒子の溶剤混合物に対する溶解性、特に、低級アルコール等の低沸点溶剤が気化した段階での溶剤混合物に対する溶解性が高くなくなり、乾燥する途中の液滴中でスペーサ粒子が凝集する効果に乏しくなる。
その他の官能基を有する単量体としては、上述したカルボキシル基を有する単量体、水酸基及び/又はエーテル基を有する単量体と共重合し得る単量体であれば特に限定されない。
このようなその他の官能基を有する単量体のスペーサ粒子の表面における組成比としては、好ましい下限が0重量%、好ましい上限が40重量%である。40重量%を超えると、例えば、その他の官能基を有する単量体がアルキル基を有するアクリレート等の疎水性の単量体である場合、スペーサ粒子の溶剤混合物に対する溶解性、特に、低級アルコール等の低沸点溶剤が気化した段階での分散媒に対する溶解性が高くなくなり、乾燥する途中の液滴中でスペーサ粒子が凝集する効果に乏しくなる。より好ましい上限は30重量%である。
上記炭素数1〜22のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ノナデシル基、エイコデシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、イソボルニル基等が挙げられる。これらの炭素数3〜22のアルキル基は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スペーサ粒子が表面にカルボキシル基を有し、かつ、基板の表面に吐出し形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたときの溶剤が、水と沸点が160℃以上の溶剤とを含有していることが好ましい。このような組成の溶剤混合物と、上記範囲で表面修飾されたスペーサ粒子とを含有することで、スペーサ粒子を凝集させる(寄り集まらせる)効果をより高めることが可能となる。
これは、水が、一般的な溶剤の中では72.6mN/mと最も表面張力が高い溶剤であるため、該水が含有されていると、本発明のスペーサ分散液の液滴を基板上に吐出した後、該液滴を乾燥させ、低沸点の溶剤が揮発し水と沸点が160℃以上の溶剤とが残った段階で、その混合物の表面張力がかなり高くなるので、スペーサ粒子が、その混合物に分散しがたくなり、より凝集しやすくなるためである。
このような表面修飾されたスペーサ粒子と上述した溶剤混合物との特に好ましい組み合わせとしては、例えば、上記スペーサ粒子の溶剤混合物への分散性を考慮しつつ適宜決定されるが、具体的には、上記溶剤は、2−プロパノール、メタノール、エタノール、1−プロパノール及びtert−ブタノールからなる群より選択される少なくとも1種を下限が2重量%、上限が20重量%(より好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は16重量%)、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを下限が60重量%、上限が98重量%(より好ましい下限は69重量%、より好ましい上限は97重量%)、水を下限が0重量%、上限が20重量%(より好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は15重量%)となる範囲で含有する溶剤混合物であり、スペーサ粒子は、表面に水酸基及び/又はエーテル基と、カルボキシル基とを有し、かつ、上記水酸基及び/又はエーテル基を有する重合性単量体の含有量の下限が20重量%、上限が96重量%(より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は88重量%)、上記カルボキシル基を有する重合性単量体の含有量の下限が4重量%、上限が80重量%(より好ましい下限は12重量%、より好ましい上限は40重量%)であることが好ましい。
また、水酸基及び/又はエーテル基と、カルボキシル基との合計量の好ましい下限は60重量%、好ましい上限は100重量%(より好ましい下限は70重量%、より好ましい上限は100重量%)である。
上記水酸基、エーテル基、カルボキシル基は、それぞれ2−ヒドロキシエチルメタクリレートに起因する水酸基、メトキシポリエチレングリコールに起因するエーテル基、(メタ)アクリル酸に起因するカルボキシル基であると特に好ましい。
このような組成の溶剤混合物と、上記範囲で表面修飾されたスペーサ粒子とを含有することで、本発明のスペーサ粒子分散液は、インクジェット装置で基板の表面に吐出し形成した液滴中でスペーサ粒子同士を好適に凝集させるという効果を好適に得ることが可能となる。
なお、上記スペーサ粒子表面の単量体組成比(官能基の重量%比)は、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析法)によりスペーサ表面の分析を行い、マススペクトルによるフラグメント分析でスペーサ表面がどのようなモノマーの共重合体になっているかを測定し(ポリマー構成成分としてのモノマー種とそのモノマー単位(例えば、アクリルモノマーであると「 −CH−CHCOOR−」)のモル比を測定により算出し)、測定値より算出したものである。
本発明のスペーサ粒子分散液は、保存時(20℃)における粘度が、3mPa・sより大きく、20mPa・s未満であることが好ましい。3mPa・s以下であると、本発明のスペーサ粒子分散液中に分散されているスペーサ粒子が経時に沈降しやすくなるし、低粘度で吐出しにくいヘッドでは、冷却機構をつけて粘度を上げようとしても吐出可能な粘度にならない等の問題が発生する。20mPa・s以上であると、インクジェット装置を用いて吐出する際に、ヘッドを加温し、粘度を下げることのできない種類のヘッドでは吐出できなくなったり、吐出量を制御し難くなったりすることが起こるし、更に吐出性を改善するためにスペーサ粒子分散液を過剰に加温しなければならないことがある。
なお、加温できるヘッドを使用する場合、上記粘度の好ましい上限は100mPa・sである。これは加温できるにせよ、粘度を下げようとあまりに高温にしすぎると、スペーサ粒子分散液やヘッドが劣化するため、60℃程度までしか加温できないためである。なお、より好ましくは、60℃程度の加温で20mPa・s未満である。
また、本発明のスペーサ粒子分散液の吐出時の粘度の好ましい下限が0.5mPa・s、好ましい上限が20mPa・sである。0.5mPa・s未満であると、吐出できても吐出量をコントロールすることが困難になる等安定的に吐出できなくなることがあり、20mPa・sを超えると、インクジェット装置で吐出できないことがある。より好ましい下限は5mPa・s、より好ましい上限は15mPa・sである。
なお、ここで吐出時の粘度とは、本発明のスペーサ粒子分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、スペーサ粒子分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整した粘度のことである。もちろん、冷却、加温機構のないヘッドでは周囲温度のことである。
すなわちスペーサ粒子分散液の保管時の粘度は、加温冷却等による吐出時の粘度制御をするしないのいずれの場合もヘッドで吐出できる粘度の範囲で、できるだけ高い方が、沈降防止の観点から好ましい。
なお、これらの粘度はE型粘度計やB型粘度計のような通常の粘度計で、それぞれの温度(測定温度、使用温度)で測定されたものである。
本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子分散液を構成する溶剤混合物の20℃における比重が、1.00g/cm以上であることが好ましい。1.00g/cm未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液中に分散されているスペーサ粒子が経時に沈降しやすくなる。
本発明のスペーサ粒子分散液中のスペーサ粒子の固形分濃度の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10重量%である。0.01重量%未満であると、吐出された液滴中にスペーサ粒子を含まない確率が高くなり、10重量%を超えると、インクジェット装置のノズルが閉塞しやすくなることがあり、また、着弾した分散液滴中に含まれるスペーサ粒子の数が多くなりすぎて、乾燥過程でスペーサ粒子の移動が起こりにくくなる。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3重量%である。
また、スペーサ粒子分散液中のスペーサは、基板のギャップ安定性のために必要な場合は、粒子径が異なる2種以上の粒子を混合して用いてもよい。
また、本発明のスペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子が単粒子状に分散されていることが好ましい。本発明のスペーサ粒子分散液中にスペーサ粒子の凝集物が存在すると、吐出精度が低下するばかりでなく、著しい場合はインクジェット装置のノズルに閉塞を起こす場合がある。
本発明のスペーサ粒子分散液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、接着性を付与するための接着成分、スペーサ粒子の分散を改良したり、表面張力や粘度等の物理特性を制御して吐出精度を改良したり、スペーサ粒子の移動性を改良する目的で各種の界面活性剤、粘性調整剤などが添加されていてもよい。
本発明のスペーサ粒子分散液を基板の表面に吐出するインクジェット装置としては特に限定されず、例えば、ピエゾ素子の振動によって液体を吐出するピエゾ方式、急激な加熱による液体の膨張を利用して液体を吐出させるサーマル方式等の通常の吐出方法によるインクジェット装置が用いられる。なかでも、本発明のスペーサ粒子分散液に対して熱的な影響の少ないピエゾ方式が好適に用いられる。
上記インクジェット装置を用いて本発明のスペーサ粒子分散液を吐出する基板としては特に限定されず、例えば、ガラスや樹脂板等通常液晶表示装置のパネル基板として使用されている基板基板を用いることができる。なお、本発明のスペーサ粒子分散液は、従来、基板表面に塗布した液滴の液滴径を乾燥過程で収縮させることができたVA基板のみならず、このような液滴径を乾燥過程で収縮させることができなかったTN基板、IPS基板等の液晶を水平配向させるために用いられていた基板に対しても好適に用いることができる。
また、本発明のスペーサ粒子分散液を用いて液晶表示装置を製造する場合、2枚の基板を用いるが、一方の基板としては、画素領域にカラーフィルタが設けられた基板を用いることができる。この場合、画素領域は、実質的にほとんど光を通さないクロム等の金属やカーボンブラック等が分散された樹脂等のブラックマトリックスで画されている。このブラックマトリックスが、非画素領域を構成することになる。
本発明のスペーサ粒子分散液は、基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、上記液滴が完全に乾燥する前に、好ましくは、上記液滴中の低沸点で低表面張力の溶剤の含有量を5重量%以上減少させたときに、上記液滴中のスペーサ粒子が凝集するものであるため、インクジェット装置を用いて、基板上の目的とする位置に精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができる。
このような本発明のスペーサ粒子分散液は、本発明の液晶表示装置の製造方法に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、第1の基板又は第2の基板の表面に、インクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液を吐出することにより、上記非画素領域に対応する特定の位置に上記スペーサ粒子分散液の液滴を配置する工程1、上記スペーサ粒子分散液の液滴中でスペーサ粒子を凝集させる工程2、及び、上記第1の基板と上記第2の基板とを、液晶及び凝集させた上記スペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程3を有する。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置を製造するものである。
上記画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置としては、図5を用いて説明した構造の液晶表示装置が挙げられ、上記画素領域としては、例えば、カラーフィルタが形成された領域が挙げられ、上記非画素領域としては、例えば、ブラックマトリクスが形成された領域が挙げられる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1の基板又は第2の基板の表面に、インクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液を吐出することにより、上記非画素領域に対応する特定の位置に上記スペーサ粒子分散液の液滴を配置する工程1を有する。
上記第1の基板又は第2の基板としては特に限定されず、液晶表示装置を構成する従来公知の、カラーフィルタ基板やTFTアレイ基板、VA基板、TN基板、IPS基板等が挙げられる。
本工程1では、上記第1の基板又は第2の基板の表面にインクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液を吐出する。この際、基板上、特に、スペーサ粒子分散液の液滴が吐出され着弾する箇所は、スペーサ粒子分散液の初期接触角が5度以上となるように調整されるとより好ましい。
上記基板上の初期接触角を高める方法としては、基板の表面を低エネルギー表面とする方法が挙げられる。
上記基板の表面を低エネルギー表面とする方法としては、フッ素膜やシリコーン膜等の低エネルギー表面を有する樹脂を塗設する方法であってもよいが、上記基板の表面には液晶分子の配向を規制する必要があるため配向膜と呼ばれる樹脂薄膜(通常は0.1μm以下)を設ける方法が一般に行われる。
上記配向膜には、通常、ポリイミド樹脂膜が用いられ、該ポリイミド樹脂膜は、溶剤に可溶なポリアミック酸を塗設後熱重合させたり、可溶性ポリイミド樹脂を塗設後乾燥させることにより得られる。
これらのポリイミド樹脂としては、長鎖の側鎖、主鎖を有するものが、低エネルギー表面を得るのにより好ましい。
また、上記配向膜は、液晶の配向を制御するため、塗設後、表面がラビング処理される場合がある。なお、上述のスペーサ粒子分散液の媒体は、この配向膜中に浸透したり溶解したりして配向膜汚染性が無いものを選ぶ必要がある。
吐出されて基板上に配置される上記スペーサ粒子の配置個数(散布密度)としては、特に限定されないが、50〜1000個/mmであることが好ましい。
本工程1においては、スペーサ粒子分散液を基板上に着弾させた時の基板表面温度は、スペーサ粒子分散液に含まれる最も低沸点の溶剤の沸点より20℃以上低い温度であることが好ましい。最も低沸点の溶媒の沸点より20℃低い温度より高くなると、最も低沸点の溶媒が急激に揮散し、スペーサ粒子が移動できないばかりでなく、著しい場合は溶剤の急激な沸騰で液滴ごと基板上を動き回り、スペーサ粒子の配置精度が著しく低下することがある。より好ましくは、室温付近(15〜35℃)である。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記スペーサ粒子分散液の液滴中でスペーサ粒子を凝集させる工程2を有する。
本工程2は、工程1で基板上の非画素領域に対応する特定の位置に配置したスペーサ粒子分散液の液滴中でスペーサ粒子を凝集させる。具体的には、上記液滴中の溶剤を乾燥させる。スペーサ粒子分散液として、上述した本発明のスペーサ粒子分散液を用いることにより、このような液滴の乾燥によりスペーサ粒子を凝集させることができる。
上記液滴を乾燥させる方法としては特に限定されず、例えば、上記基板を加熱したり、熱風や冷風を吹き付けたり減圧乾燥する方法が挙げられる。しかしながら、スペーサ粒子を本工程2で液滴の着弾中心付近に寄せ集めるためには、溶剤の沸点、乾燥温度、乾燥時間、溶剤の表面張力、溶剤の配向膜に対する接触角、スペーサ粒子の濃度等を適当な条件に設定することが好ましい。
上記スペーサ粒子を本工程2で液滴の中で凝集させるためには、スペーサ粒子が基板上を移動する間に溶剤がなくならないように、ある程度の時間幅をもって乾燥する。このため、溶剤が急激に乾燥する条件は好ましくない。また、溶剤は、高温で配向膜と接触すると、配向膜を汚染して液晶表示装置としての表示画質を損なうことがあるため好ましくない。従って、乾燥が完了するまでの間の基板表面温度は90℃以下とすることが好ましく、更に好ましくは60℃以下である。乾燥が完了するまでの間の基板温度が90℃を超えると、配向膜を損傷して液晶表示装置の表示画質を損なうことがある。
なお、本発明でいう乾燥完了とは、基板上の液滴の溶剤が消失した時点をいう。
また、上記基板温度が比較的低い条件であっても、乾燥時間が著しく長くなると液晶表示装置の生産効率が低下するだけでなく、スペーサ粒子分散液の溶剤が長時間、配向膜と接触することによる配向膜の汚染や損傷が発生するので好ましくない。
また、本工程2で、基板温度を徐々に上昇させながら液滴を乾燥させる際には、乾燥が完了するまでの間の基板表面温度は90℃以下が好ましく、更に好ましくは60℃以下である。乾燥が完了するまでの間の基板温度が90℃を超えると、配向膜を損傷して液晶表示装置の表示画質を損なうので好ましくない。
本工程2では、上記液滴の乾燥完了後、スペーサ粒子の基板に対する固着性を高めたり、残留溶剤を除去したりするため、より高い温度(120〜230℃程度)に基板を加熱してもよい。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記第1の基板と上記第2の基板とを、液晶及び凝集させた上記スペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程3を有する。
本工程3は、具体的には、上記工程2でスペーサ粒子を配置した基板を、スペーサ粒子が配置されていない基板と周辺シール剤とを用いて加熱圧着し、形成された基板間の空隙に液晶を充填し、液晶表示装置を製造する(真空注入法)。あるいは、片方の基板に周辺シール剤を塗布し、それに囲まれた範囲内に液晶を滴下し、もう一方の基板と貼り合わせて、シール剤を硬化させ、液晶表示装置を製造する(液晶滴下工法)。この場合、いずれの基板にスペーサ粒子が配置されてもよい。
本発明の液晶表示装置の製造方法によると、スペーサ粒子分散液を基板の表面に吐出し形成した液滴中のスペーサ粒子を凝集させる工程2により、スペーサ粒子を目的とする液晶表示装置の非画素領域に好適に配置することができる。特に上記スペーサ粒子分散液として、本発明のスペーサ粒子分散液を用いることで、製造する液晶表示装置は、画素領域にスペーサ粒子が配置されることがなく、表示品質に優れたものとなる。
このような本発明のスペーサ粒子分散液又は本発明の液晶表示装置の製造方法を用いてなる液晶装置も、本発明の1つである。
本発明のスペーサ粒子分散液は、基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、上記液滴が完全に乾燥する前、好ましくは液滴の重量を5重量%以上減少させたときに、上記液滴中の上記スペーサ粒子が凝集するものであるため、インクジェット装置を用いて、基板上の目的とする位置に精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができる。
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の表面にスペーサ粒子分散液を吐出し、非画素領域に対応する位置に配置した液滴を乾燥させ、該液滴中のスペーサ粒子を凝集させる工程を有するため、スペーサ粒子を基板上の非画素領域に配置することができる。特に、スペーサ粒子分散液として本発明のスペーサ粒子分散液を用いることで、スペーサ粒子を基板上の非画素領域に好適に配置することができ、製造する液晶表示装置は、画素領域にスペーサ粒子が配置されることがなく、表示品質に優れたものとなる。
本発明によると、インクジェット装置を用いて、基板上の非画素領域に対応する特定の位置に、精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができるスペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(スペーサ粒子の調製)
セパラブルフラスコにて、ジビニルベンゼン15重量部と、イソオクチルアクリレート5重量部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部とを均一に混合した。次に、ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールGL−03」、クラレ社製)の3%水溶液20重量部と、ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部とを投入しよく攪拌した。しかる後、イオン交換水140重量部を添加した。この溶液を攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間反応を行った。得られた粒子を熱水及びアセトンにて洗浄後、分級操作を行い、平均粒子径が4.0μm、CV値が3.0%のスペーサ粒子を得た。
(スペーサ粒子の表面修飾)
得られた平均粒子径が4.0μm、CV値が3.0%のスペーサ粒子25重量部を、下記表1に示した配合比からなるモノマー合計200重量部とジメチルスルホキシド(DMSO)50重量部とからなる混合物中に投入し、ソニケータによって均一に分散させた。しかる後、反応系に窒素ガスを導入し40℃にて2時間撹拌を続けた。
次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液100重量部を添加し、5時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、表面修飾されたスペーサ粒子S1〜S7及びRS1〜RS3を得た。
また、得られた平均粒子径が4.0μm、CV値が3.0%のスペーサ粒子5重量部を、下記表1に示した配合比からなるモノマー合計20重量部中とジメチルスルホキシド(DMSO)20重量部からなる混合物中に投入し、ソニケータによって均一に分散させた。しかる後、反応系に窒素ガスを導入し30℃にて2時間撹拌を続けた。
次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液10重量部を添加し、5時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、表面修飾されたスペーサ粒子RS4を得た。
Figure 2007304580
このようにして得られたスペーサ粒子のスペーサ粒子分散液に使用されている溶剤混合物と、乾燥後期に残存する混合溶剤との分散性、及び、スペーサ粒子に対するスペーサ粒子分散液に使用されている混合溶剤と、乾燥後期に残存する混合溶剤との接触角を下記のようにして評価した。結果を表2に示した。
(乾燥後期の溶剤混合物の準備)
下記表3に記載した組成の溶剤混合物25gを、真空乾燥機でスペーサ粒子分散液をインクジェット装置で吐出し乾燥させる温度(45℃)で、その溶剤混合物中の最も低沸点の溶剤が先にすべて揮発したとして想定される重量になるまで乾燥させることで、乾燥後期の溶剤混合物相当の溶剤混合物を得た(例:イソプロパノール/水/エチレングリコール=15/5/80wt%からなる溶剤混合物25gである場合、21.25g(=25×(100%−15%))になるまで乾燥させる)。
なお、本実施例、比較例及び参考例(その表、評価も含む)での「乾燥後期」とは、溶剤混合物中の最も低沸点の溶剤が先に全て揮発した状態とする。
(分散性の評価)
0.1wt%になるようにスペーサ粒子を、スペーサ粒子分散液に使用されている溶剤混合物や、乾燥後期に残存する溶剤混合物に添加し、超音波を照射しながら、5分以上攪拌する。その後、顕微鏡にて400倍でスペーサ粒子の分散度合いを目視で観察し、下記の基準に従い分類した。結果を表2に示した。
◎:1視野中に2ヶ玉以上の凝集が1個以内
○:1視野中に2ヶ玉以上の凝集が2〜5個
△:1視野中でほとんどが1ヶ玉だが、3ヶ玉以上の凝集が5個以上
×:1視野中でほとんどが2ヶ玉以上
(接触角の評価)
得られたスペーサ粒子を5wt%になるようにメチルエチルケトンに超音波を照射しながら、5分以上攪拌し分散させ、得られたスペーサ粒子のメチルエチルケトン分散液を、アルミカップに乾燥後の坪量が100(g/m)程度になるような量を入れ乾燥させた。乾燥後、アルミカップの周辺部を取り除き、スペーサ粒子が一面に敷き詰められた表面上に、スペーサ粒子分散液に使用されている溶剤混合物や、乾燥後期に残存する溶剤混合物を滴下し、接触角計で接触角を測定した。接触角測定には、FTA社の動的接触角測定装置FTA125を用い、滴下0.2秒後の接触角を測定した。結果を表2に示した。
(ゼータ電位の評価)
後述する方法で得られたスペーサ粒子分散液中のスペーサ粒子のゼータ電位と、スペーサ粒子分散液を乾燥させる過程における乾燥後期でのゼータ電位とを下記のように測定し、その測定結果を下記表2に示した。
ゼータ電位計は、日本ルフト社製のゼータ電位計を用い、0.1wt%程度に希釈し測定した。なお、スペーサ粒子分散液を乾燥させる過程における乾燥後期でのゼータ電位に関しては、濃度のみを0.05wt%程度にしたスペーサ粒子分散液5gを真空乾燥機で、スペーサ粒子分散液をインクジェット装置で吐出し乾燥させる温度(45℃)で、その溶剤混合物中の最も低沸点の溶剤が先に全て揮発したとして想定される重量になるまで乾燥させてから測定した。測定結果に関しては、ゼータ電位として得られた電位値を記載するが、凝集が多数ある場合は測定できなかったので、表2中「−」の記号で記載した。
なお、得られたスペーサ粒子のスペーサ分散液中ではなく、10mmol%NaCl水溶液中でのゼータ電位の値も、スペーサ粒子分散液中で得られた値と区別するため 表1に記載した。
(スペーサ粒子分散液の調製)
上述した方法で得られたスペーサ粒子を所定の粒子濃度になるように必要量をとり、下記表3に記載した組成の溶剤にゆっくり添加し、超音波を照射しながら充分撹拌することによって分散させた。しかる後、10μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去し、実施例1〜25、比較例1〜3及び参考例1、2に係るスペーサ粒子分散液を得た。
(表面張力)
得られたスペーサ粒子分散液の20℃における表面張力を、白金板を使用するウイルヘルミー法で測定した。本実施例、比較例及び参考例に係るスペーサ粒子分散液の粘度及び比重と併せて下記表2に示した。
(金属メッシュ付着性)
また、得られたスペーサ粒子分散液10gを、SUS316糸による綾畳織のフィルタ(1450メッシュ(0.04mm)/165メッシュ(0.07mm))にて濾過し、濾過後、イソプロパノール/水=90/10(重量%)混合溶液で洗浄した。洗浄後、メッシュを顕微鏡観察し、SUS糸にスペーサ粒子が付着してるかどうかで下記の基準に従い評価した。結果を表2に示した。
◎:全く付着がない
○:1本(1メッシュ間の糸の上)に2個以下の付着がある
△:1本(1メッシュ間の糸の上)に2個以上の付着がある
×:びっしりと付着している
(インクジェットヘッド吐出安定性)
下記の条件でスペーサ粒子分散液をインクジェット装置から吐出し、下記の液滴飛翔状態観察を行い、下記の判断基準で判断した。結果を表2に示した。
吐出安定性(室温):室温1KHzで吐出テスト
吐出安定性(加温):粘度が15mPa・s程度になるような温度にヘッドを加温して1KHzで吐出テスト
吐出安定性(10KHz):室温で、又は、粘度が高いものに関しては、粘度が15mPa・s程度になるような温度に加温して高周波数(10KHz)で吐出テスト(ヘッドのノズルのメニスカスの振動が収まらない間に次のパルスがくると、異常振動になり、吐出が不安定になる。すなわち、高周波数になると異常振動が起こりやすく吐出が不安定になりやすい。一般に低粘度のインクの方が、高粘度のものよりメニスカス振動が収まりにくく、高周波数では安定に吐出できない傾向がある。)。
(液滴飛翔状態観察)
スペーサ粒子分散液をインクジェットヘッドから基板に吐出する前に、別途、ヘッドからスペーサ粒子分散液の液滴が吐出されている状態を観察し、飛行軌跡の直進性や、未吐出ノズルの有無等を調べることで吐出の安定性の評価を行った。
飛翔状態の観察は、ヘッドの駆動周波数に同期した周波数で(あるいは、分周された周波数(駆動周波数/整数)で)、若干の遅延時間(例60μ秒)を付加した時間に同期させ、発光し、閃光時間の短いストロボを光源として、スペーサ粒子分散液がヘッドから吐出されている状態を、焦点距離の長い拡大カメラ(テレセントリックレンズをつけたCCDカメラ)で撮影することによって行った。吐出の安定性は下記の基準で判定した。
○:連続で吐出して、20分以上飛行曲がり、未吐出ノズルの発生が無い
△:連続で吐出して、5分以内は飛行曲がり、未吐出ノズルの発生が無い
×:吐出開始時より飛行曲がり、未吐出ノズルの発生がある
−:分散不良等でIJヘッド吐出安定性性試験ができなかった
(SP値測定)
実施例等で調製した溶剤混合物、及び、スペーサ粒子表面のSP値は、接着40巻8号(1996)p342−350[高分子刊行会]の沖津らによるパラメータ(当該文献、表3−3)を用い、溶剤混合物の場合は、当該文献の式(2・8)、スペーサ粒子表面の場合は、式(3・4)(3・5)を用いて計算により算出した。
なお、溶剤混合物のSP値は、溶剤混合物の配合比から求め、スペーサ粒子表面のSP値は、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析法)によりスペーサ粒子表面の分析を行い、マススペクトルによるフラグメント分析でスペーサ粒子表面がどのようなモノマーの共重合体になっているかを測定し(ポリマー構成成分としてのモノマー種とそのモノマー単位(例えば、アクリルモノマーであると「 −CH−CHCOOR−」)のモル比を測定により算出し)、測定値より算出した。
(基板の作製)
液晶テストパネル用の第1の基板としてカラーフィルタ基板、及び、第2の基板としてTFTアレイ基板にある段差を模したTFTアレイモデル基板を用いた。
(カラーフィルタ基板)
図2(a)に、カラーフィルタ基板に用いるガラス基板に、ブラックマトリックスが設けられた状態の一部を拡大して示す部分切欠平面図で示す。図2(b)に、カラーフィルタ基板の一部を拡大して示す部分切欠正面断面図で示す。
実施例及び比較例に用いた表面が平滑なカラーフィルタ基板21は、以下のように作製した。
図2(a)、(b)に示されているように、300mm×360mmのガラス基板22の上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス23(幅25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス23上及びその間に、赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ24画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。その上にほぼ一定の厚みのオーバーコート層25及びITO透明電極26設けた。
更にその上に、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液を塗布した。塗布後、150℃で乾燥した後に230℃で1時間焼成し、硬化させてほぼ一定の厚みの配向膜27を形成した。このとき、PI1、PI2、PI3の配向膜のいずれかを形成するために、以下に示す3種類の異なるポリイミド樹脂溶液のいずれかを用いた。なお、PI1は、IPS(水平配向)配向膜のモデル配向膜、PI2は、TN配向膜のモデル配向膜、PI3は、VA(垂直)配向膜のモデル配向膜である。なお、形成された配向膜の表面張力(γ)は、以下の通りであった。
PI1:商品名「サンエバーSE130」、日産化学社製、表面張力(γ):46mN/m)
PI2:商品名「サンエバーSE150」、日産化学社製、表面張力(γ):39mN/m)
PI3:商品名「サンエバーSE1211」、日産化学社製、表面張力(γ):26mN/m)
(TFTアレイモデル基板)
図3(a)に、TFTアレイモデル基板に用いるガラス基板に、段差が設けられた状態の一部を拡大して示す部分切欠平面図で示す。図3(b)に、TFTアレイモデル基板の一部を拡大して示す部分切欠正面図で示す。
段差が設けられたTFTアレイモデル基板31は、以下のように作製した。
図3(a)、(b)に示されているように、TFTアレイモデル基板31は、上記カラーフィルタ基板21のブラックマトリックス23に相対する位置において、300mm×360mmのガラス基板32上に、従来公知の方法により銅からなるよる段差33(幅8μm、高低差5nm)を設けた。その上に、ほぼ一定の厚みのITO透明電極34を設け、更に上述した方法でほぼ一定の厚みの配向膜35を形成した。なお、TFTアレイモデル基板31では、対向基板と同様のポリイミド樹脂溶液を用いて、配向膜35を形成した。
(インクジェット装置)
ピエゾ方式の口径50μmのヘッド(最適吐出粘度範囲10〜20mPa・s 加温可能)を搭載したインクジェット装置を用意した。このヘッドのインク室の接液部は、ガラスセラミック材料により構成し、ノズル面は、フッ素系撥水加工が施されたものを用いた。
(インクジェット法によるスペーサ粒子の配置)
本実施例、比較例及び参考例では、表3に示したスペーサ粒子分散液、及び、カラーフィルタ基板21、TFTアレイモデル基板31を用いて下記の方法でスペーサ粒子を配置した。なお、スペーサ粒子を配置する際には、インクジェット装置のノズルから吐出される初期のスペーサ粒子分散液0.5mLを捨てた後に配置を開始し、表2中、カラーフィルタ基板を用いた場合「21」と表記し、TFTアレイモデル基板を用いた場合「31」と表記した。
先ず、ステージ上に、図2に示した段差を有するカラーフィルタ基板21を載せた。このカラーフィルタ基板21上に、上述したインクジェット装置を用いて、ブラックマトリックス23部分を狙って、縦のライン1列おきに、縦のラインの上に、300μm間隔で、表3に示したスペーサ粒子分散液の液滴を縦300μm×横150μmピッチで吐出し、配置し、その後、45℃に加熱されたホットプレート上にて乾燥させた。吐出の際のノズル(ヘッド面)と基板の間隔は0.5mmとし、ダブルパルス方式を用いた。
ステージ上のカラーフィルタ基板21上に吐出されたスペーサ粒子分散液が、目視で完全に乾燥したのを確認した後、更に残留した溶媒を除去し、150℃に加熱されたホットプレート上に移して加熱し15分間放置して、スペーサ粒子を基板に固着させた。なお、そのまま吐出すると、粘度15mPa・sを超えるスペーサ粒子分散液については、粘度が3〜15mPa・sの範囲となるように加熱しながら吐出した。
また、ステージ上に、図3に示した段差33を有するTFTアレイモデル基板31を載せた。この基板上に、上述したインクジェット装置を用いて、ブラックマトリックス23に対応する段差33を狙って、縦のライン1列おきに、縦のラインの上に、300μm間隔で、表3に示したスペーサ粒子分散液の液滴を縦300μm×横150μmピッチで吐出し、配置し、その後、45℃に加熱されたホットプレート上にて乾燥させた。吐出の際のノズル(ヘッド面)と基板の間隔は0.5mmとし、ダブルパルス方式を用いた。
吐出後、スペーサ粒子分散液の液滴の基板に対する初期接触角(θ)及び後退接触角(θr)を接触角計により測定した。結果を表2に示した。
吐出後のスペーサ粒子分散液の液滴の基板に対する初期接触角(θ)並びに後退接触角(θr)を調べるために、別途同一の基板を用いた。液滴を滴下した後、側面から拡大カメラで観察することにより、接触角を求める方式の一般的な接触角計により、それらの接触角を測定した(図7に拡大カメラでの観察結果を示す)。なお、ここでの後退接触角は、基板上に置かれたスペーサ粒子分散液の液滴が、基板上に置かれてから乾燥するまでの過程で、置かれた際の最初の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)の接触角を測定したものである。なお、表2中、後退接触角が「<5」であるとは、液滴が縮まらない(液滴径が縮小しないで高さのみ減る)現象を示す。
また、インクジェット装置により基板上に吐出したスペーサ粒子分散液の液滴径を、インクジェット装置に付属したマイクロスコープで、着弾直後に、ステージ上で測定した。
(評価用液晶表示装置の作製)
上述のようにしていずれか一方にスペーサ粒子を配置したカラーフィルタ基板21と対向基板となるTFTアレイモデル基板31とを、周辺シール剤を用いて貼り合わせた。貼り合わせた後、シール剤を150℃で1時間加熱して硬化させてセルギャップがスペーサ粒子の粒子径となるような空セルを作製し、次に真空法で液晶を充填し、封口剤で注入口封止して液晶表示装置を作製した。
(評価)
下記の項目について評価を行った。結果を表2に示す。
(液滴乾燥時のスペーサ粒子の状態)
表2に示した被吐出基板表面にスペーサ粒子分散液を吐出し形成した液滴を乾燥させ、その重量減少に伴うスペーサ粒子の状態を観測し、下記の基準で判定した。
◎:殆ど全て配置位置でスペーサ粒子が凝集していた(98%以上)。
○:殆ど全て配置位置でのスペーサ粒子が凝集していた(90〜98%)。
△:一部配置位置でスペーサ粒子が凝集していなかった(70〜90%)。
×:多く配置位置でスペーサ粒子が分散されていた(70%未満)。
なお、上記基準の( )内の数値は着弾した液滴の50配置位置を観察し、スペーサ粒子が寄り集まっている(凝集している)配置位置の比率である。
図8に実施例4の観察結果を示し、図9に比較例3の観察結果を示す。
(スペーサ粒子散布密度)
基板にスペーサ粒子を固着させた後に、1mmあたりに散布されているスペーサ粒子の個数を観測し、散布密度とした。
(平均スペーサ粒子数)
1配置位置あたりに凝集しているスペーサ粒子の個数の平均値を上記1mmの範囲内で計測した。
(スペーサ粒子配置精度)
液滴が乾燥した後のスペーサ粒子の配置状態を下記の基準で判定した。
○:殆どすべてのスペーサ粒子が非画素領域に対応する特定の位置(遮光領域)にあった。
△:一部のスペーサ粒子が非画素領域に対応する特定の位置(遮光領域)からはみだした位置にあった。
×:多くのスペーサ粒子が非画素領域に対応する特定の位置(遮光領域)からはみだした位置にあった。
(スペーサ粒子存在範囲)
図4に示されているように、ブラックマトリックス、又は、これに対応する部分の中心から両側に等間隔で平行線を引き、この2本の平行線間に個数で95%以上のスペーサ粒子が存在する平行線間の距離をスペーサ粒子存在範囲とした。
(表示画質)
液晶表示装置の表示画質を観察し、下記の基準で判定した。
○:表示領域中にスペーサ粒子が殆ど認められず、スペーサ粒子起因の光抜けがなかった。
△:表示領域中に若干のスペーサ粒子が認められスペーサ粒子起因の光抜けがあった。
×:スペーサ粒子が認められスペーサ粒子起因の光抜けがあった。
Figure 2007304580
Figure 2007304580
表2に示されたように、実施例の液晶表示装置では、未吐出のノズルが発止することもなく、散布密度の経時変化もなく、スペーサ粒子は精度良くほとんど非表示領域に配置され、表示画質に優れていた。
実施例に係るスペーサ粒子分散液は、乾燥するにつれ溶剤に対するスペーサ粒子の分散性が悪くなっていた。すなわち、実施例1〜11、13〜25では、SP値差、対スペーサ粒子接触角が乾燥するにつれ大きくなっており(接触角差が1度以上になっている)、スペーサ粒子は1箇所に寄り集まった。ただし、実施例9、10では、エチレングリコールより沸点の高い1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールを使用しているため、乾燥時間がかかった。逆に実施例19では、ジオール成分としてプロピレングリコールを使用したため、短時間で乾燥できた。実施例12では、対スペーサ粒子接触角が小さくなっている(接触角差が−1度となっている)が、SP値差が大きくなっており(初期のSP値差=0.3、乾燥後期とのSP値差=0.6)、また、乾燥後期におけるスペーサ粒子の分散性も良くなくなることにより、スペーサ粒子は略1箇所に寄り集まった。
一方、表2に示されているように、比較例1、3では、乾燥後期でもスペーサ粒子の分散性がよく、スペーサ粒子は、1箇所に寄り集まらなかった。また、比較例2は、スペーサ粒子の分散性が悪く初めから凝集が発生していた。
また、参考例では、スペーサ粒子は、1箇所に寄り集まっていたが、基板表面の配向膜がスペーサ粒子分散液の溶剤をはじきやすいものであり、スペーサ粒子は、液滴内でスペーサ粒子が寄り集まるだけでなく、液滴の収縮も起こっていた。
本発明によれば、インクジェット装置を用いて、基板上の非画素領域に対応する特定の位置に、精度よく選択的にスペーサ粒子を配置することができるスペーサ粒子分散液、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置を提供することができる。
(a)及び(b)は、本発明のスペーサ粒子分散液の液滴を乾燥させる様子を示す断面図。 (a)は、実施例及び比較例で使用するカラーフィルタ基板に用いるガラス基板に、ブラックマトリックスが設けられた状態の一部を拡大して示す部分切欠平面図。(b)は、実施例及び比較例で使用するカラーフィルタ基板の一部を拡大して示す部分切欠正面断面図。 (a)は、実施例及び比較例で使用するTFTアレイモデル基板に用いるガラス基板に、段差が設けられた状態の一部を拡大して示す部分切欠平面図。(b)は、実施例及び比較例で使用するTFTアレイモデル基板の一部を拡大して示す部分切欠正面図。 スペーサ粒子の存在範囲の評価方法を示す模式図。 従来の液晶表示装置を模式的に示す正面断面図。 (a)、(b)は、従来の基板表面に着弾させたスペーサ粒子分散液の液滴を乾燥させる様子を模式的に示す説明図。 初期接触角測定における拡大カメラでの観察結果の一例を示す図である。 実施例4に係る液滴乾燥時のスペーサ粒子の状態を示す顕微鏡写真である。 比較例3に係る液滴乾燥時のスペーサ粒子の状態を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1、1’…スペーサ粒子
5、5’…液滴
21…カラーフィルタ基板
22…カラス基板
23…ブラックマトリックス
24…カラーフィルタ
25…オーバーコート層
26…透明電極
27…配向膜
31…TFTアレイモデル基板
32…ガラス基板
33…段差
34…透明電極
35…透明電極
40、40’…液滴
41、41’…スペーサ粒子

Claims (9)

  1. スペーサ粒子と溶剤とを含有し、インクジェット装置を用いて基板の表面に前記スペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、
    前記基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、前記液滴が完全に乾燥する前に液滴内部で前記スペーサ粒子同士が凝集する
    ことを特徴とするスペーサ粒子分散液。
  2. 基板の表面に吐出し形成した液滴を乾燥する工程において、前記液滴の重量を5重量%以上減少させたときに、前記液滴内部のスペーサ粒子が凝集することを特徴とする請求項1記載のスペーサ粒子分散液。
  3. 溶剤の溶解度パラメータ(SP値)とスペーサ粒子表面の溶解度パラメータ(SP値)との差(A)が5以内であり、基板の表面に吐出し形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたときの溶剤の溶解度パラメータ(SP値)とスペーサ粒子表面の溶解度パラメータ(SP値)との差が、A+0.2以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のスペーサ粒子分散液。
  4. スペーサ粒子と溶剤との接触角(θs1)と、基板の表面に吐出し形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたときの溶剤とスペーサ粒子との接触角(θs2)との差(θs2−θs1)が1度以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のスペーサ粒子分散液。
  5. スペーサ粒子の溶剤中でのゼータ電位が、基板の表面に吐出し形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたときの溶剤中でのゼータ電位よりも高いことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスペーサ粒子分散液。
  6. スペーサ粒子が表面にカルボキシル基を有し、かつ、基板の表面に吐出し形成した液滴の重量を5重量%以上減少させたときの溶剤が、水と沸点が160℃以上の溶剤とを含有していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスペーサ粒子分散液。
  7. 溶剤は、2−プロパノール、メタノール、エタノール、1−プロパノール及びtert−ブタノールからなる群より選択される少なくとも1種を2〜20重量%、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを70〜98重量%、水を0〜20重量%含有し、
    スペーサ粒子は、水酸基及び/又はエーテル基とカルボキシル基とを有し、かつ、前記水酸基及び/又はエーテル基を有する重合性単量体の含有量が20〜96重量%、前記カルボキシル基を有する重合性単量体の含有量が4〜80重量%であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のスペーサ粒子分散液。
  8. 画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
    第1の基板又は第2の基板の表面に、インクジェット装置を用いてスペーサ粒子分散液を吐出することにより、前記非画素領域に対応する特定の位置に前記スペーサ粒子分散液の液滴を配置する工程1、
    前記スペーサ粒子分散液の液滴中でスペーサ粒子を凝集させる工程2、及び、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを、液晶及び凝集させた前記スペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程3を有する
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6若しくは7記載のスペーサ粒子分散液、又は、請求項8記載の液晶表示装置の製造方法を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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