JP2009175547A - スペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に配置するためのスペーサ粒子分散液であって、スペーサ粒子と溶剤とを含有し、前記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子分散液。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このような方法では、画素電極が形成された基板上にスペーサ粒子がランダムかつ均一に散布するため、画素電極上、すなわち、液晶表示装置の表示部(画素領域)にスペーサ粒子が配置されやすかった。
一般的なスペーサ粒子は、合成樹脂やガラス等からなるため、スペーサ粒子が画素電極上に配置されると、偏光が乱されて偏光性を失うという現象、いわゆる消偏現象が生じて、スペーサ粒子部分が光漏れを起こすという問題が発生することがあった。また、スペーサ粒子表面において液晶の配向が乱れることにより、光抜けが起こりコントラストや色調が低下して表示品質が悪化するという問題が発生することがあった。
更に、TFT液晶表示装置においては、基板上にTFT素子が配置されているが、このTFT素子上にスペーサ粒子が配置されたときに、基板に圧力が加わると、素子が破損することがあった。
スペーサ粒子を非画素領域、すなわち特定の位置のみに配置する方法として、例えば、特許文献1には、スペーサ粒子を配置させる部分にマスクの開口部を合致させた後、マスクを通してスペーサ粒子を散布する方法が示されている。また、例えば、特許文献2には、感光体に静電的にスペーサ粒子を吸着させた後、透明基板にスペーサ粒子を転写する方法が示されている。更に、特許文献3には、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサ粒子を散布することで、静電的斥力によってスペーサ粒子を特定の位置に配置する液晶表示装置の製造方法が示されている。
しかしながら、このような自己分散処理が施されたスペーサ粒子を含むスペーサ粒子分散液をインクジェット装置により吐出しようとすると、しばしば吐出中に吐出安定性が低下してしまったり、吐出した液滴中にスペーサ粒子が含まれない場合があったりするという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を基材微粒子の表面に有するスペーサ粒子を用いることにより、図2に示すように溶剤組成の変化によってグラフト鎖のコンフォメーションが変化するため、インクジェット装置から吐出されてからスペーサ粒子が基板に配置されるまでスペーサ粒子の分散性に優れたスペーサ粒子分散液となるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記単官能単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単官能単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記親水基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及び、それらのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基とをともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等が挙げられる。
上記懸濁重合法は、得られる粒子の粒子径分布が比較的広く多分散の粒子が得られるため、スペーサ粒子として利用する場合には分級操作を行って、所望の粒子径や粒子径分布を有する多品種の粒子を得る際に好適に用いられる。一方、シード重合、分散重合は、分級工程を経ることなく単分散粒子が得られるので、特定の粒子径の粒子を大量に製造する際に好適である。
なかでも、基材微粒子の表面側(内層)に親水性官能基ブロックを有し、その外側(外層)に疎水性官能基ブロックを配したAB型のブロック共重合体であることが好ましい。
ここで、AB型のブロック共重合体とは、下記(1)のようにAで示される重合性単量体の重合鎖とBで示される重合鎖とがそれぞれブロックとして連鎖されている共重合体であり、ABA型のブロック共重合体とは、下記(2)のような共重合体である。なお、本発明においては、親水性官能基ブロック、疎水性官能基ブロックのいずれがA、Bに対応してもよい。
AAA・・・・AAABBB・・・・BBB (1)
AA・・・・AABB・・・・BBAA・・・・AA (2)
また、上記ブロック共重合体は、AnBm型(n、m=50〜2000)、AnBmAo型(n,m,o=100〜2000)のように、ABブロックで重合度が異なっていてもよいし、前後のAブロックで重合度が異なっていてもよい。
例えば、スペーサ粒子について、図2のようにブロック共重合体がAB型であり、基材微粒子に対して親水性官能基ブロックが結合している場合、溶剤組成が図1(1)の場合には、上記スペーサ粒子はイソプロパノールになじみやすい疎水性官能基ブロックが表面に存在したコンフォメーションを形成する(図2(1))。溶剤組成が図1(2)になると、親水性官能基ブロックが内側になるようにコンフォメーション変化を行う(図2(2))。さらに溶剤組成が図1(3)になると、親水性官能基ブロックが完全に内側に取り込まれ、エチレングリコールとなじみやすい疎水性官能基ブロックが表面に存在するようにコンフォメーション変化を行う(図2(3))。
このようにスペーサ粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体が存在すると、溶剤組成に追従して表面に相溶するようにブロック共重合体のコンフォメーション状態が変わるのでスペーサ粒子の分散を良好な状態で継続させることができる。
また、上記疎水性官能基ブロックは、SP値が10未満であることが好ましい。より好ましくは10未満、7以上である。7未満であるとスペーサ粒子の分散性が落ちることがある。
また、上記親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとのSP値の差は1以上であることが好ましい。1未満であると、溶剤組成の変化に対してスペーサ粒子がコンフォメーション変化を部分的に起こすことが難しい。
基材微粒子を溶剤(無水溶剤)に分散させ、これにハロゲン化された無水物(例えば、無水クロロ酢酸)を加え、窒素雰囲気下12時間撹拌し、溶剤にて洗浄することにより、微粒子の表面にハロゲン基が導入された(好ましくは化学結合にて導入された)基材微粒子分散液を得る。
これに、イニファーター化合物であるジチオ化合物(例えば、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム(SDC))を加え、遮光下にて12時間撹拌する。得られたイニファーター固定化基材微粒子分散液に疎水性官能基ブロックを形成するモノマー(例えば、イソブチルメタクリレート)を加え、紫外線を照射しながら撹拌する。
ついで、親水性官能基ブロックを形成するモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を加え、30分紫外線を照射する。
これを溶剤にて超音波洗浄を行うことにより、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子を得ることができる。
上記溶剤としては特に限定されないが、インクジェット装置のノズルから吐出される温度において液体である各種溶剤であることが好ましい。なかでも、水溶性又は親水性の溶剤が好ましい。本発明のスペーサ粒子分散液の溶剤として疎水性の強い溶剤を用いると、ノズルを構成する部材を溶剤が侵したり、部材を接着している接着剤の一部が溶剤に溶解したりすることがある。
また、沸点が150℃以上、かつ、表面張力が30mN/m以上である溶剤を含むと、基板にスペーサ粒子分散液を吐出し着弾させたときの液滴径が小さくなるため、液滴の拡がりが生じ難い。更に、液滴の着弾中心に向かってスペーサ粒子が移動し易くなる。よって、基板にスペーサ粒子を高精度に配置することができる。
具体的には、上記溶剤は、水と、沸点が150℃未満の溶剤と、沸点が150℃以上の溶剤とを含有し、上記水の含有量が0〜60重量%、上記沸点が150℃未満の溶剤の含有量が2〜50重量%、上記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%であることが好ましい。
上記不揮発成分には、例えば、大気中のゴミ、スペーサ粒子を分散させるのに用いた溶剤中に含まれていた不純物、スペーサ粒子の粉砕物、金属イオン等のイオン性化合物等が含まれ、スペーサ粒子分散液中における保形性を有さない固形分や非球形の微粒子を含むものとする。
また上記スペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が−2〜40mN/mであることが好ましい。−2mN/m未満であると、本発明のスペーサ粒子分散液が基板上に着弾した際の着弾径が非常に大きくなってしまうことがあり、40mN/mを超えると、着弾したスペーサ粒子分散液が容易に移動してしまい、正確にスペーサ粒子を配置できないことがある。
なお、本明細書において、上記表面張力は、白金板を使用するウイルヘルミー法にて測定された値である。
本明細書において後退接触角とは、基板上に置かれた本発明のスペーサ粒子分散液の液滴が、基板上に置かれてから乾燥するまでの過程で、基板上に最初に置かれた際の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)に示す接触角、又は、液滴の揮発成分の内80〜95重量%が揮発した際に示す接触角をいう。
なお、本発明のスペーサ粒子分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、スペーサ粒子分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整してもよい。
上記配向膜溶剤溶解度は、例えば、以下の方法により測定することができる。すなわち、固形分で100mg相当の本発明のスペーサ粒子分散液を90℃で5時間、150℃で5時間真空で乾燥させることで、乾固させたあと、220℃で1時間ベークする。硬化物の重量(Wa)を測定した後、10gのN−メチル2−ピロリドンに入れ振とうさせながら5時間放置し、固形分を濾別し、150℃で5時間真空で乾燥させ乾固させた重量(Wb)を測定する。配向膜溶剤溶解度は、下記式により求めることができる。
配向膜溶剤溶解度=(Wa−Wb)/Wa
すなわち、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、本発明のスペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の非画素領域に対応する特定の位置に配置する工程、前記スペーサ粒子分散液を乾燥させる工程、及び、前記第1の基板と第2の基板とを、液晶及びスペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有する液晶表示装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示装置の製造方法により製造されてなる液晶表示装置もまた、本発明の1つである。
(スペーサ粒子の作製)
基材微粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)10重量部を無水ジメチルホルムアミド(DMF)100重量部に分散させ、無水クロロ酢酸2重量部を加え、窒素雰囲気下12時間撹拌した。DMFにて洗浄した後、クロロメチル化された基材微粒子DMF分散液を得た。
これに、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム(SDC)2重量部を加え、遮光下にて12時間撹拌した。得られたN,N−ジエチルジチオカルバメート系光iniferter固定化基材微粒子DMF分散液に2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部を加え、30分紫外線を照射しながら撹拌した。ついで、イソブチルメタクリレート5重量部を加え、さらに30分紫外線を照射した。
ついで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部を加え、30分紫外線を照射した。
これをDMFにて超音波洗浄を行うことにより、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを含有するブロック共重合体を有するスペーサ粒子を得た。
なお、得られたスペーサ粒子は、親水性官能基ブロックの重合度が600、疎水性官能基ブロックの重合度が400、親水性官能基ブロックの重合度が750のABA型ブロック共重合体であった。
なお、各重合度は、測定された分子量をもとに換算した。基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体の分子量は銀蒸着/飛行時間型二次イオン質量(TOF−SIMS)法を用いて行った。
上記反応中において、10分ごとに抜き取り行った。上記スペーサ粒子をDMFにて洗浄した。ついで、アセトンで洗浄し、真空乾燥した乾燥スペーサ粒子を得た。上記乾燥スペーサ粒子を金属プレートに付着させ、表面に銀を蒸着し蒸着面をTOF−SIMS分析した。得られた分子量の積算によりブロックの分子量を得た。
得られたスペーサ粒子から所定の粒子濃度(1.5重量%)となる必要量を、エチレングリコールが75重量%、イソプロピルアルコールが15重量%、水が10重量%の混合溶剤にゆっくり添加し、ソニケータを使用しながら充分撹拌することによって分散させた。その後、20μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去することにより、スペーサ粒子分散液を得た。
セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン1000重量部、メタクリロイルイソシアナート150重量部、及び、基材粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)50重量部を秤量し、均一に攪拌混合して室温で30分間反応させることにより、表面に重合性ビニル基を有するスペーサ粒子を得た。
メチルエチルケトンにより洗浄した後、メチルエチルケトン1000重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート10重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部、及び、過酸化ベンゾイル2.5重量部を添加し、窒素気流下70℃で4時間グラフト重合反応を行った後、メチルエチルケトンで洗浄することにより親水性モノマー及び疎水性モノマーからなるランダム共重合体を有する液晶スペーサ(2)を得た。
その後、実施例1と同様にしてスペーサ粒子分散液(2)を調製した。
比較例1と同様にして、表面に重合性ビニル基を有するスペーサ粒子を得た。
ついで、ヒドロキシエチルメタクリレートを用いて、比較例1と同様の表面処理をおこない、重合度700である親水性ブロックを有するスペーサ粒子分散液(3)を得た。
(1)カラーフィルタモデル基板の準備
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。その上にほぼ一定の厚みのオーバーコート層及びITO透明電極を設けた。更に、積水化学社製の「常圧プラズマ表面処理装置」により、CF4/N2混合ガスで撥水処理を行い、カラーフィルタモデル基板を準備した。
なお、得られたカラーフィルタモデル基板の表面張力は27.4mN/mであった。
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔600μm、横間隔200μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。次いで、ブラックマトリックスに相対する位置において、ガラス基板上に、従来公知の方法により銅からなるよる段差(幅8μm、高低差5nm)を設けた。その上に、ほぼ一定の厚みのITO透明電極を設けた。
次いで、更にその上に、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211)を均一に塗布した。塗布後、80℃で乾燥した後、210℃で1時間焼成して硬化させ、ほぼ一定の厚さを有する配向膜を形成して、TFTアレイモデル基板を準備した。
なお、形成された配向膜の表面張力は30.2mN/mであった。
ピエゾ方式の口径50μmのヘッドを搭載したインクジェット装置を用意した。このヘッドのインク室の接液部は、ガラスセラミック材料により構成した。ノズル面には、フッ素系撥水加工を施した。
得られた液晶スペーサ粒子分散液を用いて、インクジエット装置によりカラーフィルタモデル基板上に、以下の方法でスペーサ粒子を配置した。なお、スペーサ粒子を配置する際には、インクジェット装置のノズルから吐出される初期の液晶スペーサ粒子分散液0.5mLを捨てた後に、配置を開始した。
まず、ヒーターで45℃に加熱されたステージ上に、基板を載せた。この基板上に、上述したインクジェット装置を用いて、ブラックマトリックスに対応する位置を狙って、縦のライン1列おきに、縦のラインの上に、110μm間隔で、液晶スペーサ粒子分散液の液滴を縦110μm×横150μmピッチで吐出し、配置し、乾燥させた。吐出の際のノズル先端と基板の間隔は0.5mmとし、ダブルパルス方式で吐出した。
吐出後、90℃で液滴を乾燥し溶剤を蒸発させ、その後、220℃で1時間ベークし接着成分を硬化させた。
スペーサ粒子が配置されたカラーフィルタモデル基板と対向基板となるTFTアレイモデル基板とを、周辺シール剤を用いて貼り合わせた。貼り合わせた後、シール剤を150℃で1時間加熱して硬化させてセルギャップがスペーサ粒子の粒子径と等しくされている空セルを作製し、次いで真空法で液晶を充填し、封口剤で注入口封止して液晶表示装置を作製した。
実施例1、及び、比較例1〜2で得られたスペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
液晶スペーサ粒子分散液を、それを構成する同じ組成の混合溶剤にて0.1wt%になるように希釈する。これをスライドガラス上に滴下し直ちにカバーグラスをかけ、透過型顕微鏡にて400倍の倍率でスペーサ粒子の分散状態を5視野に付き観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。
また、同様にして0.05wt%に希釈した液晶スペーサ粒子分散液1g程度を、45℃にて真空乾燥機を利用し減圧乾燥することで約50%の重量にまで濃縮する。濃縮した液晶スペーサ粒子分散液に超音波を1分程度照射し、照射後1分程度放置した後の、スペーサ粒子の分散状態を同様にして観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。なお、この濃縮したスペーサ粒子分散液の分散性にて、乾燥過程で最後まで残存する溶剤に対する分散性とした。
○:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個以内、かつ、4個以上の凝集塊がない
△:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個〜10個、かつ、4個以上の凝集塊がない
×:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で10個を超える、あるいは4個以上の凝集塊がある
スペーサ粒子分散液1kgを密閉できる容器に取り、直径10mmのSUSフィルター(270/2000メッシュ、目開き10μm)を途中に設置したチューブによりポンプを用いて毎時150mLの流速により循環させた。そのまま3時間循環を行いフィルターの詰まり度合いを確認した。フィルターの詰まりの程度は下記の基準で判定した。
◎:3時間後フィルター上に固形物が全く無く、スペーサ粒子分散液の循環も停止しない。
○:3時間後フィルター上に目視で分かる程度の固形物が存在するが、スペーサ粒子分散液の循環は停止しない。
△:1時間以上、3時間未満の間でスペーサ粒子分散液の循環が停止する。
×:1時間未満でスペーサ粒子分散液の循環が停止する。
上述したカラーフィルタモデル基板表面にスペーサ粒子分散液を吐出し形成した液滴を乾燥させ、その重量減少に伴うスペーサ粒子の状態を観測し、下記の基準で判定した。
○:殆どすべてのスペーサ粒子が所定の位置に寄り集まった。
△:一部のスペーサ粒子が所定の位置に寄り集まっていなかった。
×:多くのスペーサ粒子が分散されていた。
液滴が乾燥した後のスペーサ粒子の配置状態を下記の基準で判定した。
○:スペーサ粒子の大部分が非画素領域に対応する領域にあった。
△:スペーサ粒子の一部が非画素領域に対応する領域からはみだしていた。
×:スペーサ粒子の多くが非画素領域に対応する領域からはみだしていた。
液晶表示装置の表示画質を観察し、下記の基準で判定した。
○:表示領域中にスペーサ粒子が殆ど認められず、スペーサ粒子に起因する光抜けがなかった。また、スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)がなかった。
△:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)はないものの、表示領域中にスペーサ粒子がわずかに認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがわずかにあった。
×:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)があり、また表示領域中にスペーサ粒子が認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがあった。
2 基板
3 スペーサ粒子
4 親水性官能基ブロック
5 疎水性官能基ブロック
Claims (6)
- インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を基板上の任意の位置に配置するためのスペーサ粒子分散液であって、
スペーサ粒子と溶剤とを含有し、前記スペーサ粒子は、基材微粒子の表面に親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとを有するブロック共重合体を有する
ことを特徴とするスペーサ粒子分散液。 - 溶剤は、水と、沸点が150℃未満の溶剤と、沸点が150℃以上の溶剤とを含有し、前記水の含有量が0〜60重量%、前記沸点が150℃未満の溶剤の含有量が2〜50重量%、前記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%であることを特徴とする請求項1記載のスペーサ粒子分散液。
- 沸点が150℃未満の溶剤は、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、及び、アセトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のスペーサ粒子分散液。
- 沸点が150℃以上の溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び、ネオペンチルグリコールからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のスペーサ粒子分散液。
- 親水性官能基ブロックと疎水性官能基ブロックとは、重合度がそれぞれ10〜2000であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスペーサ粒子分散液。
- 請求項1、2、3、4又は5記載のスペーサ粒子分散液を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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