JP2008224849A - 液晶スペーサ粒子分散液及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接着剤、スペーサ粒子及び溶剤を含有する液晶スペーサ粒子分散液であって、前記接着剤は、自己架橋型ポリマー及び/又は分子間架橋型ポリマー混合物を含有し、前記自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、重量平均分子量が1000〜30万である液晶スペーサ粒子分散液。
【選択図】なし
Description
スペーサ粒子は一般的に合成樹脂やガラス等から形成されており、画素電極上にスペーサ粒子が配置されると消偏作用によりスペーサ粒子部分が光漏れの原因となる。また、スペーサ粒子表面での液晶の配向が乱れると光抜けが起こり、コントラストや色調が低下し、表示品質が悪化するという問題も生じる。更に、TFT液晶表示装置においては、基板のTFT素子上にスペーサ粒子が配置されると、基板に圧力が加わったときに素子を破損してしまうこともあった。
スペーサ粒子を特定の位置にのみ配置する方法として、例えば、特許文献1には、開口部を有するマスクを配置させたい位置と合致させた後に、マスクを通してスペーサ粒子を散布する方法が開示されている。特許文献2には、感光体に静電的にスペーサ粒子を吸着させた後、透明基板にスペーサ粒子を転写する方法が開示されている。特許文献3には、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサ粒子を散布することで、静電的斥力によって特定の位置にスペーサ粒子を配置させる液晶表示装置の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された方法では、基板上にマスクや感光体が直接接触するために、基板上の配向膜が損傷を受けることがあり、液晶表示の画質が低下することがあるという問題があった。また、特許文献3に記載された方法では、配置させるパターンに従った電極を必要とするため、任意の位置にスペーサ粒子を配置することが不可能であるという問題があった。
更に、特許文献5及び6には、スペーサ粒子分散液中に接着剤を配合することにより、スペーサ粒子の基板への固着力を向上させる方法が開示されている。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶スペーサ粒子分散液において、上記接着剤は、自己架橋型ポリマー及び/又は分子間架橋型ポリマー混合物を含有するものである。
ここで、上記自己架橋型ポリマーとは、分子内に架橋反応を起こす2種以上の架橋性官能基を含有するポリマーを意味し、上記分子間架橋型ポリマー混合物とは、分子内に相互に架橋反応を起こす2種以上の架橋性官能基のうち、一方の架橋性官能基を分子内に有するポリマーと、他方の架橋性官能基を分子内に有するポリマーとの混合物を意味する。すなわち、上記自己架橋型ポリマーは、本発明の液晶スペーサ粒子分散液を硬化させたときに、分子内で架橋構造を形成するものであり、上記分子間架橋型ポリマーは、本発明の液晶スペーサ粒子分散液を硬化させたときに、隣接する分子間で架橋構造を形成するものである。
上記架橋性官能基としては、相互に架橋反応を起こすものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、メチロールアミド基、アミノ基、イソシアナト基、及び、イミノ基からなる群より、相互に架橋反応可能な官能基の組み合わせが好適に用いられる。
なお、本明細書において、上記重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量であり、また、GPCによりポリスチレン換算重量平均分子量を測定する際のカラムとしてはSHOKO社製カラムLF−804等が挙げられる。
また、上記分子間架橋型ポリマーを合成する方法としては特に限定されず、例えば、上述した架橋性官能基を有する架橋性モノマーを従来公知の方法で重合させた重合体、又は、上述した架橋性官能基を有する2種以上の架橋性モノマーを従来公知の方法で共重合させた共重合体を混合する方法が挙げられる。なお、上記架橋性官能基を有する架橋性モノマーを重合又は共重合する際には、異なる重合体又は共重合体の分子中の架橋性官能基が上述した相互に架橋反応を起こす組み合わせとなるように適宜選択する。
なお、上記自己架橋型ポリマー及び/又は分子間架橋型ポリマーが分子内に親水性官能基を有する場合、上記架橋性モノマーを共重合させる際に、親水性官能基を有する親水性モノマーを共重合させる必要はない。
上記その他のモノマー成分としては特に限定されず、例えば、炭素数3〜22のアルキル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。上記炭素数3〜22のアルキル基としては特に限定されず、例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ノナデシル基、エイコデシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、イソボルニル基等が挙げられる。これらの炭素数3〜22のアルキル基は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数3〜22のアルキル基を有するビニル系単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸と上記炭素数3〜22のアルキル基とからなるエステル化合物;ビニルアルコールと上記炭素数3〜22のアルキル基とからなるエステル化合物;ビニル基と上記炭素数3〜22のアルキル基とからなるビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの炭素数3〜22のアルキル基を有するビニル系単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい
上記スペーサ粒子としては特に限定されず、シリカ粒子等の無機系粒子であっても、有機高分子等からなる有機系粒子であってもよい。なかでも、液晶表示装置の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすく、かつ、セル内部でのスペーサ粒子の移動が比較的少ないことから、有機系粒子が好適である。
上記単官能単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単官能単量体は単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記親水性基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及び、それらのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基とをともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等が挙げられる。
上記懸濁重合法は、得られる粒子の粒子径分布が比較的広く多分散の粒子が得られるため、スペーサ粒子として利用する場合には分級操作を行って、所望の粒子径や粒子径分布を有する多品種の粒子を得る際に好適に用いられる。一方、シード重合、分散重合は、分級工程を経ることなく単分散粒子が得られるので、特定の粒子径の粒子を大量に製造する際に好適である。
上記スペーサ粒子に表面処理層を設ける方法としては、例えば、特開平1−247154号公報に開示されているようにスペーサ粒子表面に樹脂を析出させて修飾する方法、特開平9−113915号公報や特開平7−300587号公報に開示されているようにスペーサ粒子表面の官能基と反応する化合物を作用させて修飾する方法、特開平11−223821号公報、特願2002−102848号に記載のようにスペーサ粒子表面でグラフト重合を行って表面修飾を行う方法等が挙げられる。
本明細書において帯電可能な処理とは、スペーサ粒子を本発明の液晶スペーサ粒子分散液中でも何らかの電位を持つように処理することを意味し、この電位(電荷)は、ゼータ電位測定器等既存の方法によって測定できる。
なお、上記10%K値は、例えば、微小圧縮試験器(PCT−200、島津製作所社製)を用い、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で、粒子を10%歪ませるための加重から求めることができる。
上記溶剤としては、インクジェット装置のヘッドから吐出される温度において液体状である各種溶媒を用いることができ、水溶性又は親水性の溶媒であってもよく、有機溶媒であってもよい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、水の他、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコールの多量体;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のプロピレングリコールの多量体;グリコール類のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル等の低級ジアルキルエーテル類;モノアセテート、ジアセテート等のアルキルエステル類、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ジオール類のエーテル誘導体、ジオール類のアセテート誘導体、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類又はそのエーテル誘導体、アセテート誘導体、ジメチルスルホキシド、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、スルフォラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、α−テルピネオール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビス−β−ヒドロキシエチルスルフォン、ビス−β−ヒドロキシエチルウレア、N,N−ジエチルエタノールアミン、アビエチノール、ジアセトンアルコール、尿素、エステル化合物等が挙げられる。
上記不揮発成分には、例えば、大気中のゴミ、スペーサ粒子を分散させるのに用いた溶剤中に含まれていた不純物、スペーサ粒子の粉砕物、金属イオン等のイオン性化合物等が含まれ、液晶スペーサ粒子分散液中における保形性を有さない固形分や非球形の微粒子を含むものとする。
また上記液晶スペーサ粒子分散液は、液晶スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が−2〜40mN/mであることが好ましい。−2mN/m未満であると、液晶スペーサ粒子分散液が基板上に着弾した際の着弾径が非常に大きくなってしまうことがあり、40mN/mを超えると、着弾したスペーサ粒子が容易に移動してしまい、正確にスペーサを配置できないことがある。
上記液晶スペーサ粒子分散液においては、例えば、表面張力について上記要件を満たすように低沸点低表面張力の溶剤と高沸点高表面張力の溶剤とを混合することが好ましい。このような組み合わせを選択することにより、着弾した液晶スペーサ粒子分散液の液滴が乾燥するにつれ表面張力が高くなるので、液滴が乾燥するに従って液滴の径が小さくなるような力が働き、最終的なスペーサ粒子が固着する範囲を限定することができる。
このような液晶スペーサ粒子分散液を調製するためには、比重の軽い接着剤を用いたり、比重の重い溶剤として揮発性が高いものを用いたりすることが考えられる。
本明細書において後退接触角とは、基板上に置かれた液晶スペーサ粒子分散液の液滴が、基板上に置かれてから乾燥するまでの過程で、基板上に最初に置かれた際の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)に示す接触角、又は、液滴の揮発成分の内80〜95重量%が揮発した際に示す接触角をいう。
なお、液晶スペーサ粒子分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、液晶スペーサ粒子分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整してもよい。
上記配向膜溶剤溶解度は、例えば、以下の方法により測定することができる。すなわち、固形分で100mg相当の液晶スペーサ粒子分散液を90℃で5時間、150℃で5時間真空で乾燥させることで、乾固させたあと、220℃で1時間ベークする。硬化物の重量(Wa)を測定した後、10gのN−メチル2−ピロリドンに入れ振とうさせながら5時間放置し、固形分を濾別し、150℃で5時間真空で乾燥させ乾固させた重量(Wb)を測定する。配向膜溶剤溶解度は、下記式により求めることができる。
配向膜溶剤溶解度=(Wa−Wb)/Wa
すなわち、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、本発明の液晶スペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の非画素領域に対応する特定の位置に配置する工程、前記液晶スペーサ粒子分散液を乾燥させる工程、及び、前記第1の基板と第2の基板とを、液晶及びスペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有する液晶表示装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記非画素領域に対応する位置とは、非画素領域(カラーフィルタ基板であれば上述のブラックマトリックス)、又は、もう一方の基板(TFT液晶パネルであればTFTアレイ基板)上で、その基板を非画素領域を有する基板と重ね合わせた際の非画素領域に対応する領域(TFTアレイ基板であれば配線部等)のいずれかを意味する。
上記非画素領域に対応する位置には、周囲と段差を有する箇所が含まれてもよい。ここでいう段差とは、基板上に設けられた配線等によって生じる非意図的な凹凸(周囲との高低差)、スペーサ粒子を集めるために意図的に設けられた凹凸をいい、凸凹表面下の構造は問わない。従ってここでいう段差は、表面凹凸形状における凹部又は凸部と平坦部(基準面)との段差をいう。
スペーサ粒子の固定の態様としては特に限定されず、例えば、スペーサ粒子の下部と基板との隙間に接着剤がある場合;基板上の接着剤中にスペーサ粒子が半ば埋もれて固定されている態様;接着剤中にスペーサ粒子が完全に埋もれて固定されている態様等が挙げられる。スペーサ粒子の固定の態様を示す模式図を図1に示した。
このような観点から、スペーサ粒子は上部に接着剤が付着していても構わない。
上記スペーサ粒子が配置された基板においては、スペーサ粒子の上部に付着した接着剤の最上部(基板からもっとも離れた箇所)と基板との間隔のばらつき(標準偏差)が10%以下であることが好ましい。10%を超えると、正確にセルギャップを実現できないことがある。
なお、本明細書においてスペーサ粒子の固着力は、例えば、ナノスクラッチ試験機(ナノテック製)を用いて、基板に触針子を接触させ一定の微小加重をかけながら、基板上を走査させ、凝集し接着剤で固定されたスペーサ粒子に接触子をあてたときに、スペーサ粒子が移動した際の力をスペーサ粒子個数で割ることにより求めることができる。
上記10%変形応力は、以下の方法により測定することができる。すなわち、10の配置位置において、微小硬度計(例えば、島津社製)にて100μmの蝕針子で10%変位した時の応力を測定する。1配置位置毎に、応力を測定し、それをその配置位置に存在するスペーサ粒子の個数で除した値を求め、その平均値を、10%変形応力とする。
上記回復率は、以下の方法により測定することができる。すなわち、10の配置位置において、それぞれの配置毎に、9.8(mN)にその配置位置に存在するスペーサ粒子の個数を乗じた加重を1秒かけ、基板とスペーサ粒子の最上部(スペーサ粒子の基板からもっとも離れた箇所)との距離の変化を、加重の前後で測定する。加重後の距離を加重前の距離で除した値の、10の配置位置での平均値を回復率とする。
なお、上記液晶の比抵抗値はアンプル瓶に本発明の液晶スペーサ粒子分散液を0.05g入れ、この瓶を130℃オーブンに1時間投入し、その後放置して室温(25℃)に戻した後、液晶(chisso Lixon JC5007LA)0.5gを接触させる。東陽テクニカ社比抵抗測定装置を用いて、5V、25℃の条件で比抵抗値(Ω・cm)を測定した値である。
液晶の比抵抗値が1×107Ω・cm以上であると、液晶表示装置のコントラストや色調等の表示品質に優れている。液晶の比抵抗値が1×107Ω・cm未満であると、液晶スペーサ粒子分散液中に存在する導電性を有する異物の混入によって液晶が汚染されており、液晶表示装置の表示品質が低下し、残像や表示ムラが発生する。より好ましくは液晶の比抵抗値が1×109Ω・cm以上であり、液晶の比抵抗値が1×109Ω・cm以上であると、液晶表示装置の表示品質により一層優れている。
なお、液晶のNI点は、DSC装置を用いて、0〜110℃の範囲で、10℃/分の速度でスキャンしてネマチック・等方相転移温度を測定し、下記式により、NI点の変化を算出することができる。
NI点の変化=試験前のNI点−試験後のNI点
下記表1に示す各化合物を適宜表1に示す配合で混合して混合単量体(1)〜(22)を調製した。なお、表1中、各成分の配合量はモル%を表す。
(液晶スペーサ粒子分散液の調製)
(共重合体溶液の調製)
得られた共重合体(1)20gをブチルアルコール10g、フタル酸ジエチル80gに溶解させたのち、10μmの目開きのステンレスメッシュを用いて濾過して共重合体溶液(1)を得た。
スペーサ粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)を、所定の粒子濃度(0.5重量%)となるように必要量をとり、所定の接着成分濃度になるように希釈された共重合体溶液(1)(0.5重量%)にゆっくり添加し、ソニケータを使用しながら充分撹拌することによって分散させた後、10μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去して、実施例1にかかる液晶スペーサ粒子分散液(1)を得た。
共重合体(1)に代えて、共重合体(2)〜(18)を各々用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜18にかかる液晶スペーサ粒子分散液(2)〜(18)を得た。
(共重合体混合溶液の調製)
得られた共重合体(1)10g、及び、得られた共重合体(2)10gをブチルアルコール10g、フタル酸ジエチル80gに溶解させた後、10μmの目開きのステンレスメッシュを用いて濾過して共重合体混合溶液(19)を得た。
スペーサ粒子(商品名「ミクロパール」、積水化学工業社製)を、所定の粒子濃度(0.5重量%)となるように必要量をとり、所定の接着成分濃度になるように希釈された共重合体混合溶液(19)(0.5重量%)にゆっくり添加し、ソニケータを使用しながら充分撹拌することによって分散させた後、10μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去して、実施例19にかかる液晶スペーサ粒子分散液(19)を得た。
共重合体の組み合わせを表2に示すものとした以外は、共重合体混合溶液(19)と同様にして共重合体混合溶液(20)〜(30)を得た。得られた共重合体混合溶液(20)〜(30)を用いた以外は、実施例19と同様にして、実施例20〜30にかかる液晶スペーサ粒子分散液(20)〜(30)を得た。
n−ブチルメタクリレート60mol%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40mol%からなる混合単量体117.7重量部をジエチレングリコールジメチルエーテル352.9部に溶解させ、セパラブルフラスコ内に仕込み、窒素置換した後、油溶性アゾ系重合開始剤(商品名「V−65」、和光純薬工業社製)の10重量%ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液11.8部を2時間かけて滴下しながら重合反応を行い、接着剤を合成した。
得られた接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして1の分子間架橋型ポリマーを含有する液晶スペーサ粒子分散液を得た。
n−ブチルメタクリレート60mol%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20mol%、アクリル酸20mol%からなる混合単量体117.7重量部をジエチレングリコールジメチルエーテル352.9重量部に溶解させ、セパラブルフラスコ内に仕込み、窒素置換した後、油溶性アゾ系重合開始剤(商品名「V−65」、和光純薬工業社製)の10重量%ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液11.8部を2時間かけて滴下しながら重合反応を行い、接着剤を合成した。
得られた接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして1の分子間架橋型ポリマーを含有する液晶スペーサ粒子分散液を得た。
(1)カラーフィルタモデル基板の準備
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。その上にほぼ一定の厚みのオーバーコート層及びITO透明電極を設けた。更に、積水化学社製の「常圧プラズマ表面処理装置」により、CF4/N2混合ガスで撥水処理を行い、カラーフィルタモデル基板を準備した。
なお、得られたカラーフィルタモデル基板の表面張力は27.4mN/mであった。
ガラス基板上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設けた。ブラックマトリックス上及びその間に赤、緑、青の3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)を表面が平坦となるように形成した。次いで、ブラックマトリックスに相対する位置において、ガラス基板上に、従来公知の方法により銅からなるよる段差(幅8μm、高低差5nm)を設けた。その上に、ほぼ一定の厚みのITO透明電極を設けた。
次いで、更にその上に、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211)を均一に塗布した。塗布後、80℃で乾燥した後、210℃で1時間焼成して硬化させ、ほぼ一定の厚さを有する配向膜を形成して、TFTアレイモデル基板を準備した。
なお、形成された配向膜の表面張力は30.2mN/mであった。
ピエゾ方式の口径50μmのヘッドを搭載したインクジェット装置を用意した。このヘッドのインク室の接液部は、ガラスセラミック材料により構成した。ノズル面には、フッ素系撥水加工を施した。
実施例及び比較例得られた液晶スペーサ粒子分散液を用いて、インクジエット装置によりカラーフィルタモデル基板上に、以下の方法でスペーサ粒子を配置した。なお、スペーサ粒子を配置する際には、インクジェット装置のノズルから吐出される初期の液晶スペーサ粒子分散液0.5mLを捨てた後に、配置を開始した。
まず、ヒーターで45℃に加熱されたステージ上に、基板を載せた。この基板上に、上述したインクジェット装置を用いて、ブラックマトリックスに対応する位置を狙って、縦のライン1列おきに、縦のラインの上に、110μm間隔で、液晶スペーサ粒子分散液の液滴を縦110μm×横150μmピッチで吐出し、配置し、乾燥させた。吐出の際のノズル先端と基板の間隔は0.5mmとし、ダブルパルス方式で吐出した。
吐出後、90℃で液滴を乾燥し溶剤を蒸発させ、その後、220℃で1時間ベークし接着剤を硬化させた。
スペーサ粒子が配置されたカラーフィルタモデル基板と対向基板となるTFTアレイモデル基板とを、周辺シール剤を用いて貼り合わせた。貼り合わせた後、シール剤を150℃で1時間加熱して硬化させてセルギャップがスペーサ粒子の粒子径と等しくされている空セルを作製し、次いで真空法で液晶を充填し、封口剤で注入口封止して液晶表示装置を作製した。
下記の項目について評価を行った。結果を下記表3に示す。
(i)分子量
共重合体(1)〜(22)0.1gをTHF10gに溶解させた溶液を、SHODEX LF−804カラム(昭和電工社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した。標準ポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を測定した。
(ii)耐溶剤性
カラーフィルタモデル基板上に配置した、接着材固定スペーサに、スピンコート法によってポリイミド樹脂溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211)を均一に塗布した後の剥離されたスペーサ個数(/100個中)を調べた。
(iii)耐熱性
固形分で100mg相当の各実施例及び比較例にかかる液晶スペーサ粒子分散液を90℃で5時間、150℃で5時間真空で乾燥させることで、乾固させた。硬化物の重量(Wa)を測定した後、220℃で2時間ベークした後の硬化物の重量(Wb)を測定した。ベーク後の重量変化を重量減少率として下記式に従って評価した。
重量減少率(%)={(Wb−Wa)/Wa}×100
(iv)保存安定性評価
液晶スペーサ粒子分散液について、また、40℃で300時間加熱した後に粘度測定を行った。粘度変化が5%以下の場合を○とし、5%を超え10%未満の場合を△とし、10%を超えた場合を×とした。
液晶表示装置の表示画質を観察し、下記の基準で判定した。
(液晶表示装置の評価)
液晶表示装置について、液晶の体積抵抗値、NI点の変化を評価した。液晶の比抵抗値はアンプル瓶にスペーサ分散液0.05g入れ、この瓶を130℃オーブンに1時間投入し、その後放置して室温(25℃)に戻した後、液晶(chisso Lixon JC5007LA)0.5gを接触させる。東陽テクニカ社比抵抗測定装置を用いて、5V、25℃の条件で比抵抗値(Ωcm)を測定した。
また、液晶のNI点は、DSC装置を用いて、0〜110℃の範囲で、10℃/分の速度でスキャンしてネマチック・等方相転移温度を測定し、下記式により、NI点の変化を算出した。
NI点の変化=試験前のNI点−試験後のNI点
Claims (10)
- 接着剤、スペーサ粒子及び溶剤を含有する液晶スペーサ粒子分散液であって、
前記接着剤は、自己架橋型ポリマー及び/又は分子間架橋型ポリマー混合物を含有し、
前記自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、重量平均分子量が1000〜30万であることを特徴とする液晶スペーサ粒子分散液。 - 溶剤は、水溶性又は親水性の溶剤であって、自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも親水性官能基を有するものであることを特徴とする請求項1記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも、水酸基と、イソシアナト基及び/又はエポキシ基との組み合わせを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも、カルボキシル基と、イソシアナト基、エポキシ基及び水酸基からなる群より選択される少なくとも1の官能基との組み合わせを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スペーサ分散液。
- 自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも、エポキシ基と、アミノ基及び/又はイミノ基との組み合わせを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも、メチロールアミド基と、イソシアナト基、エポキシ基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1の官能基との組み合わせを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 自己架橋型ポリマー及び分子間架橋型ポリマーは、少なくとも、アミノ基と、イソシアナト基との組み合わせを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 接着剤は、架橋性官能基を5モル%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 接着剤は、親水性官能基を20モル%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の液晶スペーサ粒子分散液。
- 画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の液晶スペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の非画素領域に対応する特定の位置に配置する工程、
前記液晶スペーサ粒子分散液を乾燥させる工程、
前記液晶スペーサ粒子分散液中の接着成分を硬化させる工程、及び、
前記第1の基板と第2の基板とを、液晶及びスペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有する
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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WO2011092825A1 (ja) | 2010-01-28 | 2011-08-04 | 株式会社ニフコ | クリップ |
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2007
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