JP2010078786A - スペーサ粒子の製造方法、スペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スペーサ粒子分散液に用いるスペーサ粒子の製造方法であって、表面に還元性基を有する微粒子に酸化剤を反応させて前記微粒子の表面にラジカルを発生させ、発生したラジカルに水酸基を有する重合性単量体を反応させて、前記微粒子の表面に0.01〜1μmの厚さのグラフト重合層を形成させる第一工程と、前記グラフト重合層に酸化剤を反応させて前記グラフト重合層にラジカルを発生させ、発生したラジカルに多官能の(メタ)アクリレートを反応させる第二工程とを有するスペーサ粒子の製造方法。
【選択図】図1
Description
しかしながら、このような方法では、画素電極が形成された基板上にスペーサ粒子がランダムかつ均一に散布するため、画素電極上、すなわち、液晶表示装置の表示部(画素領域)にスペーサ粒子が配置されやすかった。
一般的なスペーサ粒子は、合成樹脂やガラス等からなるため、スペーサ粒子が画素電極上に配置されると、偏光が乱されて偏光性を失うという現象、いわゆる消偏現象が生じて、スペーサ粒子部分が光漏れを起こすという問題が発生することがあった。また、スペーサ粒子表面において液晶の配向が乱れることにより、光抜けが起こりコントラストや色調が低下して表示品質が悪化するという問題が発生することがあった。
更に、TFT液晶表示装置においては、基板上にTFT素子が配置されているが、このTFT素子上にスペーサ粒子が配置されたときに、基板に圧力が加わると、素子が破損することがあった。
スペーサ粒子を非画素領域、すなわち特定の位置のみに配置する方法として、例えば、特許文献1には、スペーサ粒子を配置させる部分にマスクの開口部を合致させた後、マスクを通してスペーサ粒子を散布する方法が開示されている。また、例えば、特許文献2には、感光体に静電的にスペーサ粒子を吸着させた後、透明基板にスペーサ粒子を転写する方法が開示されている。更に、特許文献3には、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサ粒子を散布することで、静電的斥力によってスペーサ粒子を特定の位置に配置する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
以下に本発明を詳述する。
上記還元性基を微粒子の表面に導入する方法としては特に限定されず、例えば、特開平11−166023号公報に記載されている、重合法による方法、ポリビニルアルコール等の高分子保護剤を用いる方法、界面活性剤を用いる方法等が挙げられる。
上記無機系微粒子は特に限定されず、例えば、シリカ微粒子等が挙げられる。
上記有機系微粒子は特に限定されないが、強度等を適切な範囲に調整することができることから、単官能単量体と多官能単量体との共重合体が好適である。
上記スチレン誘導体は特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
上記ビニルエステル類は特に限定されず、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
上記不飽和ニトリル類は特に限定されず、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル誘導体は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら単官能単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
これら多官能単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記水酸基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等が挙げられる。
上記アクリル酸としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸としては特に限定されず、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記スルホニル基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
上記ホスフォニル基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アミノ基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等が挙げられる。
上記水酸基とエーテル基とをともに有する単量体としては特に限定されず、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エーテル基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミド基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられる。
上記懸濁重合法は、得られる粒子の粒径分布が比較的広く多分散の粒子が得られるため、スペーサ粒子として利用する場合には分級操作を行って、所望の粒径や粒径分布を有する多品種の粒子を得る際に好適に用いられる。一方、シード重合法、分散重合法は、分級工程を経ることなく単分散粒子が得られるので、特定の粒径の粒子を大量に製造する際に好適である。
なお、上記10%K値は、例えば、微小圧縮試験器(PCT−200、島津製作所社製)を用い、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で、粒子を10%歪ませるための加重から求めることができる。
上記スペーサ粒子分散液は上記スペーサ粒子と溶剤を含有する。
上記溶剤は特に限定されないが、インクジェット装置のノズルから吐出される温度において液体である各種溶剤であることが好ましい。なかでも、水溶性又は親水性の溶剤が好ましい。上記スペーサ粒子分散液の溶剤として疎水性の強い溶剤を用いると、ノズルを構成する部材を溶剤が侵したり、部材を接着している接着剤の一部が溶剤に溶解したりすることがある。
また、沸点が150℃以上、かつ、表面張力が30mN/m以上である溶剤を含むと、基板にスペーサ粒子分散液を吐出し着弾させたときの液滴径が小さくなるため、液滴の拡がりが生じ難い。更に、液滴の着弾中心に向かってスペーサ粒子が移動し易くなる。よって、基板にスペーサ粒子を高精度に配置することができる。
具体的には、上記溶剤は、沸点が150℃未満の溶剤と、水と、沸点が150℃以上の溶剤とを含有し、上記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%であり、かつ、上記水及び上記沸点が150℃未満の溶剤の含有量の合計が4〜70重量%であることが好ましい。
上記不揮発成分には、例えば、大気中のゴミ、スペーサ粒子を分散させるのに用いた溶剤中に含まれていた不純物、スペーサ粒子の粉砕物、金属イオン等のイオン性化合物等が含まれ、スペーサ粒子分散液中における保形性を有さない固形分や非球形の微粒子を含むものとする。
また、上記スペーサ粒子分散液は、スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が−2〜40mN/mであることが好ましい。スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が−2mN/m未満であると、上記スペーサ粒子分散液が基板上に着弾した際の着弾径が非常に大きくなることがある。スペーサ粒子分散液の表面張力の値から基板の表面張力の値を減じた値が40mN/mを超えると、着弾したスペーサ粒子分散液が容易に移動してしまい、正確にスペーサ粒子を配置できないことがある。
なお、本明細書において、上記表面張力は、白金板を使用するウイルヘルミー法にて測定された値である。
本明細書において後退接触角とは、基板上に置かれた上記スペーサ粒子分散液の液滴が、基板上に置かれてから乾燥するまでの過程で、基板上に最初に置かれた際の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)に示す接触角、又は、液滴の揮発成分の内80〜95重量%が揮発した際に示す接触角をいう。
なお、上記スペーサ粒子分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、スペーサ粒子分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整してもよい。
上記配向膜溶剤溶解度は、例えば、以下の方法により測定することができる。すなわち、固形分で100mg相当の上記スペーサ粒子分散液を90℃で5時間、150℃にて5時間真空で乾燥させることで、乾固させたあと、220℃で1時間ベークする。硬化物の重量(Wa)を測定した後、10gのN−メチル2−ピロリドンに入れ振とうさせながら5時間放置し、固形分を濾別し、150℃にて5時間真空で乾燥させ乾固させた重量(Wb)を測定する。配向膜溶剤溶解度は、下記式により求めることができる。
配向膜溶剤溶解度=(Wa−Wb)/Wa
すなわち、画素領域と非画素領域とを有する液晶表示装置の製造方法であって、上記スペーサ粒子分散液を、インクジェット装置を用いて第1の基板又は第2の基板の非画素領域に対応する特定の位置に配置する工程、前記スペーサ粒子分散液を乾燥させる工程、及び、前記第1の基板と第2の基板とを、液晶及びスペーサ粒子を介して対向するように重ね合わせる工程を有することにより、液晶表示装置を製造することができる。
上記スペーサ粒子分散液を用いてなる液晶表示装置もまた、本発明の1つである。
(表面に還元性基を有する微粒子の作製)
セパラブルフラスコにて、ジビニルベンゼン15重量部と、イソオクチルアクリレート5重量部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部とを均一に混合した。次に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、「クラレポバールGL−03」)の3%水溶液20重量部と、ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部とを投入し、よく攪拌した。しかる後、イオン交換水140重量部を添加した。この溶液を攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間反応を行った。得られた粒子を熱水及びアセトンにて洗浄後、分級操作を行い、平均粒子径が4.0μm、CV値が3.0%の微粒子を得た。
得られた微粒子25重量部を、2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部とジメチルスルホキシド(DMSO)50重量部とからなる混合物中に投入し、ソニケータによって均一に分散させた。しかる後、反応系に窒素ガスを導入し40℃にて2時間撹拌を続けた。
次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液100重量部を添加し、5時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、表面にグラフト重合層を有する微粒子を得た。表面のグラフト重合層の組成は表1中の(a)である。
得られた微粒子5重量部を、DMSO50重量部と、多官能の(メタ)アクリレートとしてジエチレングリコールジメタクリレート1重量部とからなる混合物に投入し、ソニケータによって均一に分散させた。しかる後に、反応系に窒素ガスを導入し40℃にて2時間攪拌し続けた。
次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液20重量部を添加し、4時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、グラフト重合層が架橋されたスペーサ粒子を得た。
グラフト重合層を架橋させる際に用いた多官能の(メタ)アクリレートを、表1に示した種類及び配合量としたこと以外は実施例1と同様にしてスペーサ粒子を得た。
グラフト重合層を形成させる際に用いた2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部の代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート70重量部とイソブチルメタクリレート30重量部の混合物を用い、更にグラフト重合層を架橋させる際に用いた多官能の(メタ)アクリレートを、表1に示した種類及び配合量としたこと以外は実施例1と同様にしてスペーサ粒子を得た。表面のグラフト重合層の組成は表1中の(b)である。
グラフト重合層を形成させる際に用いた2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部の代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート70重量部とイソブチルメタクリレート30重量部の混合物を用い、多官能の(メタ)アクリレートを用いず、グラフト重合層の架橋を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてスペーサ粒子を得た。
グラフト重合層を形成させる際に用いた2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部の代わりに、イソブチルメタクリレート100重量部を用い、更にグラフト重合層を架橋させる際に用いたジエチレングリコールジメタクリレートの配合量を4重量部としたこと以外は実施例1と同様にしてスペーサ粒子を得た。表面のグラフト重合層の組成は表1中の(c)である。
(一括処方によるグラフト重合層の形成)
実施例1と同様にして得られた表面に還元性基を有する微粒子5重量部を、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部とジエチレングリコールジメタクリレート4重量部とジメチルスルホキシド(DMSO)50重量部とからなる混合物中に投入し、ソニケータによって均一に分散させた。しかる後、反応系に窒素ガスを導入し40℃にて2時間撹拌を続けた。
次に、1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/Lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液20重量部を添加し、5時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行い、スペーサ粒子を得た。
実施例及び比較例において得られたスペーサ粒子をスペーサ粒子分散液中で2.0重量%になるように必要量をとり、表2〜4に示す組成の溶剤中にゆっくり添加し、超音波機を用いて充分撹拌し分散させた。しかる後、10μmの目開きのステンレスメッシュを用いて濾過し、凝集物を除去することによりスペーサ粒子分散液を得た。
なお、実施例及び比較例に用いた溶剤の沸点、表面張力、粘度、比重ならびにスペーサ粒子分散液の表面張力、粘度、比重を測定し表2〜4に示した。
また、スペーサ粒子分散液のステンレスプレートに対する付着、分散状態の変化を下記の方法にて評価したが、その結果も表2〜4に示した。
液晶テストパネル用の基板であるカラーフィルタ基板51と、カラーフィルタ基板51の対向基板である段差が設けられたTFTアレイモデル基板61を用意した。
図2(a)に、カラーフィルタ基板51に用いるブラックマトリックスが設けられたガラス基板を拡大して部分切欠平面図で示す。図2(b)に、カラーフィルタ基板51の一部を拡大して部分切欠正面断面図で示す。
PI1が46mN/m、PI2が39mN/m、PI3が26mN/mであった。
図3(a)に、TFTアレイモデル基板に用いる段差が設けられたガラス基板を拡大して部分切欠平面図で示す。図3(b)に、TFTアレイモデル基板の一部を拡大して部分切欠正面図で示す。
インクジェットのヘッドは、ピエゾ方式のヘッドを用いた。ノズルの口径は40μmで、インク室の接液部が、ガラスセラミックの材料により構成され、共通流路、内部フィルタ、注入口、排出口がSUS316材料により構成されたヘッドを用いた。また、ノズル面はフッ素系の撥水加工が施されているものを用いた。また、供給及び配管系においては、チューブにはPTFE製のものを用い、外部フィルタ(ヘッド外の配管途中でヘッドの注入口の直前に設置するフィルタ、SU316糸による綾畳織のフィルタを使用、1450メッシュ(0.04mm)/165メッシュ(0.07mm))はSUS製のもの、容器は超高分子量PE樹脂製のものを用いた。
スペーサ粒子分散液をTFTアレイモデル基板61にスペーサ粒子を配置する工程に移行した。
インクジェット装置のインク室、共通インク室にスペーサ粒子分散液を導入した後、インクジェット装置のノズルからスペーサ粒子分散液約1mLを排出した後に、スペーサ粒子をすぐに吐出した場合(初期)と、1時間吐出後再導入を行い、インクジェット装置のノズルからスペーサ粒子分散液約1mLを排出した後に、スペーサ粒子の配置を再度吐出した場合(再導入後)とについて、試験を行った。
なお、スペーサ粒子分散液を導入しノズルからスペーサ液を排出した直後のノズルプレート面に付着したスペーサ粒子分散液の大液滴は、シリコン弾性ゴムでできたゴムべらを用い拭き取った。この際、液滴飛翔状態も下記の方法にて測定した。
いずれか一方の基板にスペーサ粒子が配置されたカラーフィルタ基板51と、TFTアレイモデル基板61とを、周辺シール剤を用いて貼り合わせた。貼り合わせた後、シール剤を150℃で1時間加熱し、硬化させてセルギャップがスペーサ粒子の粒径となるように空セルを作製した。しかる後、貼り合わされた2枚の基板間に真空注入法により液晶を充填し、封口剤で注入口を封止して液晶表示装置を作製した。
下記の項目について評価を行った。結果を表2〜4に示した。
スペーサ粒子分散液にステンレスプレート(SUS316)を水平方向に寝かした状態で1時間浸漬した。その後スペーサを含まないスペーサ粒子分散液を構成する溶剤混合物に10回以上上下させながら浸漬を繰り返し過剰なスペーサ粒子分散液を除去した。なお、上記の溶剤混合物はスペーサ粒子がある程度の濃度に達する前に適宜新鮮なものに交換した。また超音波は照射せず、浸漬も緩やかにおこなった。最後に観察する前の乾燥を容易に行うためにイソプロパノールに1回浸漬し、その後風乾した。風乾後、200倍の倍率の反射型顕微鏡によりその表面にスペーサが付着しているかどうかを、5視野に付き、観察し、付着の度合いを下記の基準で判定した。なお、1視野は約0.5mm2である。
○:1視野内に付着したスペーサが存在しない
△:1視野内に付着したスペーサが平均で5個以下である
×:1視野内に付着したスペーサが平均で5個を超える
スペーサ粒子分散液を、それを構成する同じ組成の混合溶剤にて0.1wt%になるように希釈する。これをスライドガラス上に滴下し直ちにカバーグラスをかけ、透過型顕微鏡にて400倍の倍率でスペーサの分散状態を5視野に付き観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。
また、同様にして0.05wt%に希釈したスペーサ粒子分散液1g程度を、45℃にて真空乾燥機を利用し減圧乾燥することで約50%の重量にまで濃縮する。濃縮したスペーサ粒子分散液に超音波を1分程度照射し、照射後1分程度放置した後の、スペーサの分散状態を同様にして観察し、分散性の度合いを下記の基準で判定した。なお、この濃縮したスペーサ粒子分散液の分散性にて、乾燥過程で最後まで残存する溶剤に対する分散性とした。
○:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個以内、かつ、4個以上の凝集塊がない
△:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で1個〜10個、かつ、4個以上の凝集塊がない
×:1視野内に2個以上が凝集したスペーサ凝集塊が平均で10個を超える、又は、4個以上の凝集塊がある
スペーサ粒子分散液をインクジェットヘッドから基板に吐出する前に、別途、ヘッドからスペーサ粒子分散液の液滴が吐出されている状態を観察し、飛行軌跡の直進性や、未吐出ノズルの有無などを調べることで吐出の安定性の評価を行った。飛翔状態の観察は、ヘッドの駆動周波数に同期した周波数で(あるいは分周された周波数(駆動周波数/整数)で)、若干の遅延時間(例60μ秒)を付加した時間に同期させ、発光し、閃光時間の短いストロボを光源として、スペーサ粒子分散液がヘッドから吐出されている状態を、焦点距離の長い拡大カメラ(テレセントリックレンズをつけたCCDカメラ)で撮影することによって行った。吐出の安定性は下記の基準で判定した。
◎:未吐出ノズル、及び、飛行曲がりが起こっているノズルが無い
○:未吐出ノズルはないが、飛行曲がりが起こっているノズルが5%以下
△:未吐出ノズルが5%以下、飛行曲がりが起こっているノズルが10%以下
×:未吐出ノズルが5%を超える
スペーサ粒子を基板に固着させた後に、スペーサ粒子が配置されている部分において、1mm2あたりに散布されているスペーサ粒子の個数を観測し、散布密度とした。
1配置箇所あたりに凝集しているスペーサ粒子の個数の平均値を、1mm2の範囲内で計測し、平均スペーサ粒子数とした。
スペーサ粒子が配置されたTFTアレイ基板に対し、エアーガンにて風を当てる前後での1.0mm2の範囲のスペーサ粒子数を計測し、残存したスペーサ粒子の割合を求め、下記の基準で判定した。
なお、この際のエアーブロー条件は、エアーブロー圧5kg/cm2、ノズル口径2mm、垂直距離5mm、時間15秒の条件を用いた。なお、エアーブロー圧を7kg/cm2にあげた評価も行った。
○:残存率が99%以上
△:残存率が90%以上99%未満
×:残存率が90%未満
液滴が乾燥した後のスペーサ粒子の配置状態を下記の基準で判定した。
○:スペーサ粒子の大部分が非画素領域に対応する領域にある
△:スペーサ粒子の一部が非画素領域に対応する領域からはみだしている
×:スペーサ粒子の多くが非画素領域に対応する領域からはみだしている
液晶表示装置の表示画質を観察し、下記の基準で判定した。
○:表示領域中にスペーサ粒子がほとんど認められず、スペーサ粒子に起因する光抜けがなく、かつ、スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)がない
△:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)はないものの、表示領域中にスペーサ粒子がわずかに認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがわずかにある
×:スペーサが配置されていない列があることによる帯状のギャップ不良によるムラ(スジムラ)があり、また表示領域中にスペーサ粒子が認められ、スペーサ粒子に起因する光抜けがある
2…グラフト鎖
3…架橋鎖
51…カラーフィルタ基板
52…透明基板
53…ブラックマトリックス
54…カラーフィルタ
55…オーバーコート層
56…ITO透明電極
57…配向膜
61…TFTアレイモデル基板
62…透明基板
63…段差
64…ITO透明電極
65…配向膜
Claims (5)
- スペーサ粒子分散液に用いるスペーサ粒子の製造方法であって、
表面に還元性基を有する微粒子に酸化剤を反応させて前記微粒子の表面にラジカルを発生させ、発生したラジカルに水酸基を有する重合性単量体を反応させて、前記微粒子の表面に0.01〜1μmの厚さのグラフト重合層を形成させる第一工程と、
前記グラフト重合層に酸化剤を反応させて前記グラフト重合層にラジカルを発生させ、発生したラジカルに多官能の(メタ)アクリレートを反応させる第二工程とを有する
ことを特徴とするスペーサ粒子の製造方法。 - 多官能の(メタ)アクリレートは、グリコール骨格を有する多官能の(メタ)アクリレートであり、かつ、前記グリコール骨格部分の繰り返し単位数が1〜20であることを特徴とする請求項1記載のスペーサ粒子の製造方法。
- インクジェット装置を用いて基板上の任意の位置に前記スペーサ粒子を配置する際に用いられるスペーサ粒子分散液であって、請求項1又は2記載の製造方法を用いてなるスペーサ粒子と溶剤とを含有することを特徴とするスペーサ粒子分散液。
- 溶剤は、沸点が150℃以上の溶剤、水、及び、沸点が150℃未満の溶剤を含有し、前記沸点が150℃以上の溶剤の含有量が30〜96重量%、前記水及び前記沸点が150℃未満の溶剤の含有量の合計が4〜70重量%であることを特徴とする請求項3記載のスペーサ粒子分散液。
- 請求項3又は4記載のスペーサ粒子分散液を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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2008
- 2008-09-25 JP JP2008245792A patent/JP2010078786A/ja active Pending
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