JP3381146B2 - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法

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JP3381146B2
JP3381146B2 JP02914099A JP2914099A JP3381146B2 JP 3381146 B2 JP3381146 B2 JP 3381146B2 JP 02914099 A JP02914099 A JP 02914099A JP 2914099 A JP2914099 A JP 2914099A JP 3381146 B2 JP3381146 B2 JP 3381146B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光により濡れ性
を変化させることができる光触媒の作用を利用してカラ
ーフィルタの画素部等を形成したカラー液晶ディスプレ
イに好適なカラーフィルタおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴
い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレ
イの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカ
ラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダ
ウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高い
カラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
【0003】このようなカラーフィルタにおいては、通
常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色
パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に
対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッ
タとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を
光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0004】従来より行われているカラーフィルタの製
造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色
法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の
高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程
により所望の形状にパターニングした後、得られたパタ
ーンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。こ
れを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラー
フィルタ層を形成する。
【0005】また、他の方法としては顔料分散法が挙げ
られる。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光
性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより
単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返す
ことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形
成する。
【0006】さらに他の方法としては、電着法や、熱硬
化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷
を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
染色法、顔料分散法では、スピンコート等による透明基
板への塗布工程における材料ロスが避けられず、また、
各色の着色パターン形成ごとに現像工程と洗浄工程が必
要であり、材料使用効率の向上や工程の簡略化が困難で
製造コストを低減させることは困難であった。また、印
刷法では、高精細なパターン形成が困難であり、電着法
では形成可能なパターン形状が限定されるという問題が
あった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、製造に際して材料の使用効率が良好であり、容易
に工程を簡略化することができ、高精細で白抜け等の欠
陥のないカラーフィルタおよびその製造方法を提供する
ことを主目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、透明基板と、この透明
基板上に設けられた光触媒を含有する光触媒含有層と、
この光触媒含有層上に設けられ、この光触媒含有層中の
光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層と、
この濡れ性変化層上に形成された複数色を所定のパター
ンで設けた画素部とを有することを特徴とするカラーフ
ィルタを提供する。
【0010】このように、本発明においては、光触媒含
有層中の光触媒の作用により濡れ性を変化させることが
できる濡れ性変化層上に画素部が設けられている。した
がって、光を照射して光触媒を作用させることにより、
例えば予め画素部を設ける部分の濡れ性を水の接触角が
小さい親インク性領域とし、他の部分を水の接触角が大
きい撥インク性領域とすることができる。この画素部を
設ける親インク性領域の部分に着色することにより、水
の接触角の小さい親インク性領域にのみインクが付着す
る。よって、パターン露光を行い着色することにより画
素部が形成でき、各色画素部の着色パターン形成ごとに
現像工程と洗浄工程を行う必要がない。このため、容易
に工程を簡略化することが可能であり、得られるカラー
フィルタは、安価でかつ高精細で白抜け等の欠陥のない
ものとなる。
【0011】また、本発明においては、このように濡れ
性変化層上に画素部が形成されるため、画素部が直接光
触媒含有層、すなわち光触媒に接触しない。したがっ
て、画素部が直接光触媒含有層に接触する場合に起こる
可能性がある問題点、例えば画素部中の有機基が酸化、
分解することにより、画素部が変質するといった問題点
を未然に防止することができる。
【0012】本発明においては、請求項2に記載するよ
うに、カラーフィルタが画素部の境界部に位置する遮光
部を有するものであってもよい。すなわち、本発明のカ
ラーフィルタは、遮光部(いわゆるブラックマトリック
ス)をカラーフィルタ上に設けたものであってもよく、
またカラーフィルタ側ではなく対向する基板側に遮光部
を設けたもの、すなわちカラーフィルタに遮光部が形成
されてないものであってもよい。対向する基板に遮光部
を設ける場合は、開口率を向上させる点で有効である。
【0013】さらに、遮光部がカラーフィルタ側に形成
される場合は、請求項3に記載するように、遮光部も濡
れ性変化層上に設けられていてもよい。これは、遮光部
を濡れ性変化層上に設けることにより、画素部の場合と
同様に、光を照射して光触媒を作用させることにより、
例えば予め遮光部を設ける濡れ性変化層上の部分の濡れ
性を水の接触角が小さい親インク性領域とし、他の部分
を水の接触角が大きい撥インク性領域とすることができ
る。したがって、この親インク性領域とした遮光部を設
ける部分に、遮光部を形成するための遮光部用塗料を塗
布することにより、撥インク性領域に遮光部用塗料がは
み出すことなく、容易に遮光部を設けることができる。
【0014】本発明においては、請求項4に記載するよ
うに、上記濡れ性変化層が、露光により水の接触角が低
下するように濡れ性の変化する濡れ性変化層であること
が好ましい。このように、露光により水の接触角が低下
するように濡れ性の変化する濡れ性変化層が形成されれ
ば、パターン露光等を行うことにより容易にこの層の濡
れ性を変化させ、水の接触角の小さい親インク性領域を
形成とすることができ、例えば画素部が形成される部分
のみ容易に親インク性領域とすることが可能となる。し
たがって、効率的にカラーフィルタが製造でき、コスト
的に有利となるからである。
【0015】本発明においては、濡れ性変化層上の水と
の接触角が、露光していない部分において90度以上で
あり、露光した部分において30度以下であることが好
ましい(請求項5および請求項24)。露光していない
部分は、撥インク性が要求される部分であることから、
水の接触角が90度より小さい場合は、撥インク性が十
分でなく、インクや遮光部用塗料が残存する可能性が生
じるため好ましくない。また、露光した部分の水の接触
角を30度以下としたのは、30度を越える場合は、こ
の部分でのインクや遮光部用塗料の広がりが劣る可能性
があり、画素部での色抜け等が生じる可能性があるから
である。
【0016】また、請求項6に記載するように、この濡
れ性変化層がオルガノシロキサンを含有する層であるこ
とが好ましい。本発明において、濡れ性変化層に要求さ
れる特性としては、光が照射されていない場合は撥イン
ク性であり、光が照射された場合は隣接する光触媒含有
層中の光触媒の作用により親インク性となるといった特
性である。このような特性を濡れ性変化層に付与する材
料としては、まず第1にオルガノシロキサンが挙げられ
る。
【0017】このようなオルガノシロキサンの中でも、
請求項7に記載するように、YnSiX(4-n)(ここで、
Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミ
ノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコ
キシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数
である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上
の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオル
ガノポリシロキサンであることが好ましい。このような
オルガノシロキサンが上記特性を良く満たすものである
からである。
【0018】本発明は、また上記目的を達成するため
に、請求項8に記載するように、透明基板と、この透明
基板上に複数色を所定のパターンで設けた画素部とを有
するカラーフィルタにおいて、前記透明基板上に光触媒
を含有する光触媒含有層、および光触媒含有層上に設け
られ、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去さ
れ得る分解除去層を有し、この分解除去層とこの分解除
去層が分解除去された際に露出する光触媒含有層表面と
の水の接触角が異なることを特徴とするカラーフィルタ
を提供する。
【0019】このように、光触媒含有層中の光触媒の作
用により分解除去され得る分解除去層を光触媒含有層上
に有することにより、露光された部分は光触媒の作用に
より分解され除去される。したがって、露光された部分
は光触媒含有層が表面に露出することになり、露光され
ていない部分は分解除去層が残存することになる。ここ
で、分解除去層と露出した光触媒含有層とは水の接触角
が異なるものであるので、例えば分解除去層を撥インク
性の材料で形成し、光触媒含有層を親インク性の材料で
形成し、予め画素部を形成する部分に光を照射して光触
媒を作用させることによりその部分の分解除去層を除去
すると、露光した部分は親インク性領域となり、露光し
ない部分は撥インク性領域となる。これにより、予め画
素部を設ける部分の濡れ性を水の接触角が小さい親イン
ク性領域とし、他の部分を水の接触角が大きい撥インク
性領域とすることができる。この画素部を設ける親イン
ク性領域の部分に着色することにより、水の接触角の小
さい親インク性領域にのみインクが付着する。よって、
上述した濡れ性変化層を有するカラーフィルタと同様
に、パターン露光を行い着色することにより画素部が形
成でき、各色画素部の着色パターン形成ごとに現像工程
と洗浄工程を行う必要がない。このため、容易に工程を
簡略化することが可能であり、得られるカラーフィルタ
は、安価でかつ高精細で白抜け等の欠陥のないものとな
る。
【0020】本発明においては、上述した濡れ性変化層
を有するカラーフィルタの場合と同様に、カラーフィル
タが画素部の境界部に位置する遮光部を有するものであ
ってもよい(請求項9)。すなわち、本発明のカラーフ
ィルタは、遮光部(いわゆるブラックマトリックス)を
カラーフィルタ上に設けたものであってもよく、またカ
ラーフィルタ側ではなく対向する基板側に遮光部を設け
たもの、すなわちカラーフィルタに遮光部が形成されて
ないものであってもよい。
【0021】また、分解除去層上の水の接触角が60度
以上であり、この分解除去層が分解除去された際に露出
する光触媒含有層表面の水の接触角が30度以下である
ことが好ましい(請求項10および請求項33)。
【0022】本発明において、露光されない部分は分解
除去層が残存することになる。ここで、露光されない部
分は、通常撥インク性が要求される部分であることか
ら、分解除去層上の水の接触角が60度より小さい場合
は、撥インク性が十分でなく、インクや遮光部用塗料が
残存する可能性が生じるため好ましくない。
【0023】一方、露光された部分は分解除去層が隣接
する光触媒含有層中の光職触媒の作用により分解除去さ
れる。したがって、露光された部分は光触媒含有層が表
面に露出することになる。この部分は通常親インク性が
要求される部分であることから、光触媒含有層上の水の
接触角が30度を越える場合は、この部分でのインクや
遮光部用塗料の広がりが劣る可能性があり、画素部での
色抜け等が生じる可能性があるからである。
【0024】このように、分解除去層は隣接する光触媒
含有層中の光触媒により分解除去され、かつ撥インク性
を有することが好ましいので、請求項11に記載するよ
うに、分解除去層は、炭化水素系、フッ素系またはシリ
コーン系の非イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0025】本発明の濡れ性変化層を有するカラーフィ
ルタおよび分解除去層を有するカラーフィルタのいずれ
においても、請求項12に記載するように、光触媒含有
層に含有される光触媒は、酸化チタン(TiO2)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)から選択される1種または2種以上の物質であ
ることが好ましい。中でも請求項13に記載するように
酸化チタン(TiO2)であることが好ましい。これ
は、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため
光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性も
なく、入手も容易だからである。
【0026】また、本発明の濡れ性変化層を有するカラ
ーフィルタおよび分解除去層を有するカラーフィルタの
いずれのカラーフィルタにおいても画素部がインクジェ
ット方式により形成されることが好ましい(請求項14
および請求項34)。
【0027】従来行われている画素部の着色法である染
色法、顔料分散法、電着法等は、いずれも赤(R)、緑
(G)、および青(B)の3色を着色するために、同一
の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるとい
う問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下するとい
う問題がある。インクジェット法により画素部を着色す
ることにより、一回で全ての色を着色することが可能で
あり、このような問題が生じないからである。
【0028】さらに、本発明においては、上記インクジ
ェット方式により着色された画素部が、UV硬化性イン
クを用いたインクジェット方式により着色された画素部
であることが好ましい(請求項15および請求項3
5)。UV硬化性インクを用いることにより、インクジ
ェット方式により着色して画素部を形成後、UVを照射
することにより、素早くインクを硬化させることがで
き、すぐに次の工程に送ることができ、効率面で好まし
いからである。
【0029】上述したようなカラーフィルタと、これに
対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入す
ることにより得られる液晶パネルは、上述したようなカ
ラーフィルタの利点、すなわち画素部の色抜けや色むら
がなく、かつコスト的に有利であるという利点を有する
ものである(請求項36)。
【0030】さらに本発明は、上記目的を達成するため
に請求項16に記載するように、(1)透明基板上に光
触媒を含有する光触媒含有層を形成する工程と、(2)
光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作用によ
り露光部分の濡れ性が水の接触角の低下する方向に変化
する濡れ性変化層を設ける工程と、(3)この濡れ性変
化層上の遮光部を形成する部分にパターン露光して遮光
部用露光部を形成する工程と、(4)この遮光部用露光
部に遮光部用塗料を塗布して遮光部を設ける工程と、
(5)この遮光部が設けられた基板を露光することによ
り、遮光部が形成されていない部分の濡れ性変化層を露
光して画素部用露光部を形成する工程と、(6)この画
素部用露光部に着色し、画素部を形成する工程とを有す
ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供す
る。
【0031】このように、本発明のカラーフィルタの製
造方法においては、透明基板上に光触媒含有層を設け、
さらにこの光触媒含有層上に濡れ性変化層を設け、この
濡れ性変化層に光を照射することにより、露光部分の水
の接触角を低下させることができる。したがって、まず
遮光部を形成する際に、単に濡れ性変化層をパターン露
光して、遮光部を形成する領域のみ親インク性とし、次
いでこの部分に遮光部用塗料を塗布する工程のみで遮光
部を形成することができる。したがって、従来の遮光部
を設ける際に行われていたパターン露光後の現像工程や
エッチング工程を行う必要が無いことから効率良く遮光
部を形成することができる。またこの後、例えば全面露
光することにより、容易に画素部を形成する領域を親イ
ンク性領域とすることができる。したがって、この部分
に着色すれば、画素部に均一にインクを付着させること
ができ、色抜けや色むらのない画素部を形成することが
できる。
【0032】さらに、本発明は、請求項17に記載する
ように、(1)遮光部が形成された透明基板の遮光部が
形成された側の面上に、光触媒を含有する光触媒含有層
を形成する工程と、(2)光触媒含有層上に、光触媒含
有層中の光触媒の作用により露光部分の濡れ性が水の接
触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層を設ける工
程と、(3)この濡れ性変化層上の画素部を形成する部
分に露光して画素部用露光部を形成する工程と、(4)
この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を
提供する。
【0033】この場合は、予め遮光部が形成された透明
基板上に光触媒含有層を設け、この光触媒含有層上に濡
れ性変化層を設け、そして画素部を形成する部分にパタ
ーン露光を行うことにより、容易に画素部が形成される
部分のみを親インク性とすることができる。したがっ
て、この画素部が形成される画素部用露光部に着色を行
うことにより、インクを均一に付着させることができ、
色抜けがなくかつ色むらのない画素部を形成することが
できる。
【0034】このように、予め遮光部が形成された透明
基板に光触媒含有層を形成する場合は、請求項18に記
載するように、前記遮光部をマスクとして遮光部が形成
されていない透明基板側から露光することにより画素部
用露光部を形成することも可能である。遮光部が形成さ
れていない透明基板側から全面露光することにより、遮
光部の上面に形成された部分の濡れ性変化層のみ露光さ
れず、他の部分を露光することができる。したがって、
フォトマスク等を用いることなくパターン露光を行うこ
とができるため、コスト的に有利である。
【0035】また、請求項19に記載するように、透明
基板上に形成された画素部の幅が、遮光部により形成さ
れる開口部より広いことが好ましい。例えば、フォトマ
スク等を用いて露光し画素部を形成する場合に、このよ
うに画素部の幅を遮光部により形成される開口部より広
くとることにより、バックライト光が画素部以外の部分
を通過する可能性を少なくすることができるからであ
る。
【0036】さらに、本発明は、遮光部が形成されてい
ないカラーフィルタの製造方法として、請求項20に記
載するように、(1)透明基板上に光触媒を含有する光
触媒含有層を形成する工程と、(2)光触媒含有層上
に、光触媒含有層中の光触媒の作用により露光部分の濡
れ性が水の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化
層を設ける工程と、(3)この濡れ性変化層が設けられ
た基板上の画素部を形成する部分に露光して画素部用露
光部を形成する工程と、(4)この画素部用露光部に着
色し、画素部を形成する工程とを有することを特徴とす
るカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0037】このように、本発明のカラーフィルタの製
造方法においては、透明基板上に光触媒含有層を設け、
この光触媒含有層上に濡れ性変化層を設け、この濡れ性
変化層に光を照射することにより、露光部分の水の接触
角を低下させた画素部用露光部を形成することができ
る。この画素部用露光部に着色することにより容易に画
素部を形成することができる。したがって、遮光部が設
けられていない透明基板上であっても、低コストで画素
部を設けることが可能となる。
【0038】さらに、同じく遮光部が形成されていない
カラーフィルタの製造方法として、本発明は請求項21
に記載するように、(1)透明基板上に光触媒を含有す
る光触媒含有層を形成する工程と、(2)光触媒含有層
上に、光触媒含有層中の光触媒の作用により露光部分の
濡れ性が水の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変
化層を設ける工程と、(3)この濡れ性変化層上の画素
部を形成する部分の一部に露光して第1画素部用露光部
を形成する工程と、(4)この第1画素部用露光部に着
色し、第1画素部を形成する工程と、(5)前記光触媒
含有層上の第1画素部が形成されていない部分に露光し
て第2画素部用露光部を形成する工程と、(6)この第
2画素部用露光部に着色し、第2画素部を形成する工程
とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法
を提供する。
【0039】透明基板上に遮光部が形成されていない状
態で画素部を形成する場合は、遮光部を画素部を着色す
る際の仕切として用いることができない。したがって、
露光により親インク性領域とした画素部用露光部を着色
して画素部を形成する場合、この画素部用露光部間の間
隔が狭い場合、すなわち露光されていない撥インク性領
域の幅が狭い場合は、画素部形成に際してこの撥インク
性領域を越えて隣り合う画素部のインクが混合する可能
性が生じる。したがって、画素部形成に際して、画素部
同士がなるべく離れた状態で形成することが望ましい。
上述したように、まず、第1画素部を形成した後、第2
画素部を形成する方法をとれば、例えば、第1画素部を
形成する際に、画素部を一つおきに形成するようにパタ
ーン露光を行うことが可能であり、一回目の画素部の形
成に際して隣り合う画素部同士を離れた状態とすること
が可能となる。このように、着色する領域の間に比較的
広い撥インク性領域を有する状態で第1画素部用露光部
を形成して、ここに例えばインクジェット方式で着色す
ることにより、隣り合う画素部のインクが混じり合うと
いう不都合が生じる可能性がなくなる。このようにして
設けた第1画素部間に再度露光して、第2画素部用露光
部を形成し、ここを着色することにより、インクが混合
する等の不具合の無いカラーフィルタを形成することが
できる。また、遮光部が設けられていないカラーフィル
タにおいては、画素部間に間隙の無いものが要求される
場合がある。このような場合は、必然的に上述した画素
部の形成を2回以上に分けて行う方法を用いる必要があ
る。
【0040】さらに、この場合、請求項22に記載する
ように、前記画素部用露光部を形成する前に、撥インク
性凸部を形成するための凸部用露光部を形成し、この凸
部用露光部に樹脂組成物を用いて撥インク性凸部を形成
するようにしてもよい。
【0041】このように、撥インク性凸部を形成するこ
とにより、例えばこの撥インク性凸部を画素部が形成さ
れる画素部領域の周囲に形成した場合は、カラーフィル
タの周囲部分でインクが流れ出てしまい正確に画素部を
形成することができないといった不具合を防止すること
が可能となる。また、例えば画素部間にこのような撥イ
ンク性凸部を形成することにより、上述した問題点、す
なわち隣り合う画素部のインクが混合してしまうといっ
た問題点が生じない。
【0042】さらに、遮光部をカラーフィルタ側に形成
する場合には、前記画素部を形成した後に、遮光部を形
成することも可能である(請求項23および請求項3
1)。例えば、画素部間に間隙がある場合は、画素部を
形成した後、全面露光することにより、画素部が形成さ
れていない領域を親インク性領域とし、ここに遮光部用
塗料を塗布することにより遮光部を形成することも可能
であるし、画素部の上に種々の方法で遮光部を形成する
方法も可能である。
【0043】さらに、本発明は、上記目的を達成するた
めに、請求項25に記載するように、(1)透明基板上
に光触媒を含有する光触媒含有層を形成する工程と、
(2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
用により分解除去され得る分解除去層を設ける工程と、
(3)この分解除去層上の遮光部を形成する部分を露光
した後、分解除去して遮光部用露光部を形成する工程
と、(4)この遮光部用露光部に遮光部用塗料を塗布し
て遮光部を設ける工程と、(5)この遮光部が設けられ
た基板を露光することにより、遮光部が形成されていな
い部分の分解除去層を露光して分解除去することにより
画素部用露光部を形成する工程と、(6)この画素部用
露光部に着色し、画素部を形成する工程とを有すること
を特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0044】このように、本発明のカラーフィルタの製
造方法においては、透明基板上に光触媒含有層を設け、
さらにこの光触媒含有層上に分解除去層を設け、この分
解除去層に光を照射することにより、この分解除去層を
隣接する光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去
させることができ、露光部分の光触媒含有層が表面に露
出することになる。したがって、例えば光触媒含有層を
水の接触角の小さい親インク性とし、分解除去層を水の
接触角の大きい撥インク性とすることにより、露光部分
の水の接触角を小さくすることができる。
【0045】よって、まず遮光部を形成する際に、単に
分解除去層をパターン露光することにより、遮光部を形
成する領域のみ分解除去することが可能であり、これに
より光触媒含有層を露出させて親インク性領域とするこ
とができる。次いで、この部分に遮光部用塗料を塗布す
る工程のみで遮光部を形成することができる。これによ
り、従来の遮光部を設ける際に行われていたパターン露
光後の現像工程やエッチング工程を行う必要が無いこと
から効率良く遮光部を形成することができる。また、こ
の後例えば全面露光することにより、容易に画素部を形
成する領域の分解除去層を除去して、親インク性とした
光触媒含有層を露出させることができる。したがって、
この部分に着色すれば、画素部に均一にインクを付着さ
せることができ、色抜けや色むらのない画素部を形成す
ることができる。
【0046】また、本発明は、請求項26に記載するよ
うに、(1)遮光部が形成された透明基板の遮光部が形
成された側の面上に、光触媒を含有する光触媒含有層を
形成する工程と、(2)光触媒含有層上に、光触媒含有
層中の光触媒の作用により分解除去され得る分解除去層
を設ける工程と、(3)この分解除去層上の画素部を形
成する部分に露光して分解除去することにより画素部用
露光部を形成する工程と、(4)この画素部用露光部に
着色し、画素部を形成する工程とを有することを特徴と
するカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0047】この場合は、予め遮光部が形成された透明
基板上に光触媒含有層を設け、この光触媒含有層上に分
解除去層を設け、そして画素部を形成する部分にパター
ン露光を行うことにより、容易に画素部が形成される部
分の分解除去層のみを分解除去して、例えば親インク性
とした光触媒含有層を露出して画素部用露光部を形成す
ることができる。したがって、この画素部が形成される
画素部用露光部に着色を行うことにより、インクを均一
に付着させることができ、色抜けがなくかつ色むらのな
い画素部を形成することができる。
【0048】このように、予め遮光部が形成された透明
基板に光触媒含有層を形成する場合は、請求項27に記
載するように、前記遮光部をマスクとして透明基板側か
ら露光することにより画素部用露光部を形成することも
可能である。遮光部が形成されていない透明基板側から
全面露光することにより、遮光部の上面に形成された部
分の分解除去層のみ露光されずに残存し、他の部分を露
光することにより分解除去することができる。したがっ
て、フォトマスク等を用いることなくパターン露光を行
うことができるため、コスト的に有利である。
【0049】また、請求項28に記載するように、透明
基板上に形成された画素部の幅が、遮光部により形成さ
れる開口部より広いことが好ましい。例えば、フォトマ
スク等を用いて露光し画素部を形成する場合に、このよ
うに画素部の幅を遮光部により形成される開口部より広
くとることにより、バックライト光が画素部以外の部分
を通過する可能性を少なくすることができるからであ
る。
【0050】さらに、本発明においては、分解除去層を
用い、かつ遮光部が形成されていないカラーフィルタの
製造方法として、請求項29に記載するように、(1)
透明基板上に光触媒を含有する光触媒含有層を形成する
工程と、(2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光
触媒の作用により分解除去され得る分解除去層を設ける
工程と、(3)この分解除去層が設けられた基板上の画
素部を形成する部分に露光して画素部用露光部を形成す
る工程と、(4)この画素部用露光部に着色し、画素部
を形成する工程とを有することを特徴とするカラーフィ
ルタの製造方法を提供する。
【0051】このように、本発明のカラーフィルタの製
造方法においては、透明基板上に光触媒含有層を設け、
この光触媒含有層上に分解除去層を設け、この分解除去
層に光を照射することにより、隣接する光触媒含有層中
の光触媒の作用により露光部分の分解除去層を分解除去
することができる。これにより、例えば親インク性とし
た光触媒含有層を露出させて画素部用露光部を形成する
ことができ、この画素部用露光部に着色することにより
容易に画素部を形成することができる。したがって、遮
光部が設けられていない透明基板上であっても、低コス
トで画素部を設けることが可能となる。
【0052】さらに、同じく遮光部が形成されていない
カラーフィルタの製造方法として、本発明は請求項30
に記載するように、(1)透明基板上に光触媒を含有す
る光触媒含有層を形成する工程と、(2)光触媒含有層
上に、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去さ
れ得る分解除去層を設ける工程と、(3)この分解除去
層上の画素部を形成する部分の一部を露光し分解除去す
ることにより第1画素部用露光部を形成する工程と、
(4)この第1画素部用露光部に着色し、第1画素部を
形成する工程と、(5)前記光触媒含有層上の第1画素
部が形成されていない分解除去層を露光して分解除去す
ることにより第2画素部用露光部を形成する工程と、
(6)この第2画素部用露光部に着色し、第2画素部を
形成する工程とを有することを特徴とするカラーフィル
タの製造方法を提供する。
【0053】透明基板上に遮光部が形成されていない状
態で画素部を形成する場合は、遮光部を画素部に着色す
る際の仕切として用いることができない。したがって、
露光により親インク性領域とした光触媒含有層が露出す
る画素部用露光部を着色して画素部を形成する場合、こ
の画素部用露光部間の間隔が狭い場合、すなわち露光さ
れずに残存する分解除去層からなる領域の幅が狭い場合
は、画素部形成に際してこの領域を越えて隣り合う画素
部のインクが混合する可能性が生じる。したがって、画
素部形成に際して、画素部同士がなるべく離れた状態で
形成することが望ましい。上述したように、まず、第1
画素部を形成した後、第2画素部を形成する方法をとれ
ば、例えば、第1画素部を形成する際に、画素部を一つ
おきに形成するようにパターン露光を行うことが可能で
あり、一回目の画素部の形成に際して隣り合う画素部同
士を離れた状態とすることが可能となる。よって、上記
濡れ性変化層を有するカラーフィルタの製造方法の部分
で述べたのと同様の理由により、インクが混合する等の
不具合の無いカラーフィルタを製造することができる。
【0054】このように分解除去層を用いたカラーフィ
ルタの製造方法においては、請求項32に記載するよう
に、分解除去層とこの分解除去層が分解除去された際に
露出する光触媒含有層表面との水の接触角が異なること
が好ましい。このように分解除去層と露出した光触媒含
有層との水の接触角が異なることにより、遮光部もしく
は画素部の形成が容易となるからである。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカラーフィルタに
ついて詳細に説明する。本発明のカラーフィルタは、光
触媒含有層中の光触媒の作用により濡れ性が変化する濡
れ性変化層を有する点を特徴とするカラーフィルタと、
同じく光触媒の作用により分解除去される分解除去層を
有する点を特徴とするカラーフィルタとの二つのカラー
フィルタに分けることができる。ここでは、まず濡れ性
変化層を有するカラーフィルタについて説明し、次いで
分解除去層を有するカラーフィルタについて説明する。
【0056】A.濡れ性変化層を有するカラーフィルタ 本発明のカラーフィルタのうち、濡れ性変化層を有する
カラーフィルタは、透明基板と、この透明基板上に設け
られた光触媒を含有する光触媒含有層と、この光触媒含
有層上に設けられ、この光触媒含有層中の光触媒の作用
により濡れ性が変化する濡れ性変化層と、この濡れ性変
化層上に形成された複数色を所定のパターンで設けた画
素部とを有するところに特徴を有するものである。
【0057】このように、本発明においては、画素部が
光触媒含有層中の光触媒の作用により濡れ性を変化させ
ることができる濡れ性変化層上に設けられている。した
がって、予め画素部を設ける部分の濡れ性を水の接触角
が小さい親インク性領域とし、他の部分を水の接触角が
大きい撥インク性領域とすることができる。この画素部
を設ける部分に着色することにより、水の接触角の小さ
い親インク性領域にのみインクが付着するため、画素部
全体にインクが均一に行き渡り、画素部においてインク
の無い領域や、色むら等が生じることがなく、他の撥イ
ンク性領域にインクが付着することがない。
【0058】また、本発明においては、このように濡れ
性変化層上に画素部が形成されるため、画素部が直接光
触媒含有層、すなわち光触媒に接触しない。したがっ
て、画素部が直接光触媒含有層に接触する場合に起こる
可能性がある問題点、例えば画素部中の有機基が酸化、
分解することにより、画素部が変質するといった問題点
を未然に防止することができる。
【0059】本発明のカラーフィルタは、通常画素部間
に設けられる遮光部(ブラックマトリックス)が形成さ
れたものであっても、形成されないものであってもよ
い。カラーフィルタに遮光部が形成されない場合は、通
常対向する基板に遮光部が形成される。このように対向
する基板に遮光部を形成した場合は、開口率を向上させ
る点で好ましいといえる。
【0060】このような本発明のカラーフィルタについ
て、まず、カラーフィルタに遮光部が形成された例につ
いて図面を用いて説明する。
【0061】図1は、本発明のカラーフィルタの一例を
示すものであり、このカラーフィルタは、透明基板1上
に設けられた光触媒含有層2、この光触媒含有層2上に
形成された濡れ性変化層3、さらにこの濡れ性変化層3
上に部分的に形成された遮光部4、およびこの遮光部4
の間に形成された赤(R)、緑(G)、および青(B)
の画素部5R、5G、および5B、さらにはこの遮光部
4および画素部5上に設けられた保護層6とから構成さ
れるものである。この遮光部4は、ブラックマトリック
スとも称されるもので、画素部の境界部分に通常形成さ
れるものである。
【0062】このように遮光部が設けられたカラーフィ
ルタの場合、遮光部も濡れ性変化層上に設けられていて
もよい。これは、図1に示すように遮光部4を濡れ性変
化層3上に設けることにより、画素部5の場合と同様
に、予め遮光部4を設ける部分の濡れ性を変化させ接触
角が小さい親インク性領域とすることができ、他の部分
を水の接触角が大きい撥インク性領域とすることができ
る。したがって、この遮光部4を設ける部分に遮光部4
を形成するための遮光部用塗料を塗布することにより、
撥インク性領域に遮光部用塗料がはみ出すことなく、容
易に遮光部を設けることができるからである。
【0063】図2は、遮光部が濡れ性変化層上に形成さ
れていない例を示すものである。このカラーフィルタに
おいても、透明基板1上に光触媒含有層2が形成され、
さらにこの光触媒含有層2上に濡れ性変化層3が設けら
れているのであるが、図1の例と異なるのは、この例で
は遮光部4がまず透明基板1上に設けられ、この透明基
板1と遮光部4との上に光触媒含有層2および濡れ性変
化層3が形成されている点である。この濡れ性変化層3
上には、それぞれ赤、緑、および青の画素部5R、5
G、および5Bが遮光部4の間の空間をふさぐように形
成され、さらにその上には、保護層6が設けられてい
る。
【0064】本発明のカラーフィルタは、図1に示すよ
うに濡れ性変化層3の上に遮光部4および画素部5が設
けられたものであってもよいし、また図2に示すように
濡れ性変化層3上に画素部5のみが設けられたものであ
ってもよい。
【0065】次に、カラーフィルタに遮光部が形成され
ていない例について、図3を用いて説明する。
【0066】図3は、本発明の遮光部が形成されていな
いカラーフィルタの一例を示すものであり、このカラー
フィルタは、透明基板1上に設けられた光触媒含有層
2、この光触媒含有層2上に形成された濡れ性変化層3
上に形成された赤(R)、緑(G)、および青(B)の
画素部5R、5G、および5B、さらにはこの画素部5
上に必要に応じて設けられた保護層6とから構成される
ものである。
【0067】以下、本発明のカラーフィルタを構成する
各部分についてそれぞれ説明する。
【0068】(光触媒含有層)本発明においては、図
1、図2および図3に示すように、透明基板1上に濡れ
性変化層3の濡れ性を変化させるための光触媒含有層2
が形成される。
【0069】この光触媒含有層は、光触媒含有層中の光
触媒がその上に形成された濡れ性変化層の濡れ性を変化
させるような構成であれば、特に限定されるものではな
く、光触媒とバインダとから構成されているものであっ
てもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよ
い。また、その表面の濡れ性は特に親インク性であって
も撥インク性であってもよいが、この光触媒含有層上
に、濡れ性変化層等を形成する都合上、親インク性であ
ることが好ましい。
【0070】この光触媒含有層における、後述するよう
な酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずし
も明確なものではないが、光の照射によって生成したキ
ャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸
素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の
化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明
においては、このキャリアが光触媒含有層上に形成され
た濡れ性変化層中の化合物に作用を及ぼすものであると
思われる。
【0071】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)を挙げることができ、これらから選択して1種
または2種以上を混合して用いることができる。
【0072】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0073】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0074】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された
光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光
触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心
線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の
撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が
不十分となるため好ましくない。
【0075】本発明における光触媒含有層は、上述した
ように光触媒単独で形成されたものであってもよく、ま
たバインダーと混合して形成されたものであってもよ
い。
【0076】光触媒単独で形成する場合、例えば酸化チ
タンの場合は、透明基材上に無定形チタニアを形成し、
次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等
が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとして
は、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機
塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタ
ン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の
有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮
合によって得ることができる。
【0077】また、バインダを用いる場合は、バインダ
の主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないよ
うな高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例え
ばこのようなバインダとしては、後述する濡れ性変化層
のところで詳しく説明するオルガノポリシロキサン等を
挙げることができる。
【0078】このようにオルガノポリシロキサンをバイ
ンダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒
とバインダであるオルガノポリシロキサンを必要に応じ
て他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製
し、この塗布液を透明基板上に塗布することにより形成
することができる。使用する溶剤としては、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好
ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッ
ブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布
方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬
化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化
処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかで
きる。
【0079】また、バインダとして無定形シリカ前駆体
を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一
般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、そ
れらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量
3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0080】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
透明基板上に空気中の水分により加水分解させてシラノ
ールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより
光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を
100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜
表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単
独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0081】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0082】また、光触媒含有層には上記の光触媒、バ
インダの他に、界面活性剤を含有させることができる。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL B
L、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デ
ュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)
製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工
業(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
【0083】さらに、光触媒含有層には上記の界面活性
剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0084】(濡れ性変化層)図1、図2および図3に
示すように、濡れ性変化層3は上記光触媒含有層2上に
形成されるものである。この濡れ性変化層は、光触媒含
有層中の光触媒により濡れ性が変化するものであれば特
に限定されるものではないが、この濡れ性変化層が、露
光により水の接触角が低下するように濡れ性が変化する
濡れ性変化層であることが好ましい。
【0085】このように、露光により水の接触角が低下
するように濡れ性が変化する濡れ性変化層を光触媒含有
層上に設けることにより、パターン露光等を行うことに
より容易に濡れ性を変化させ、水の接触角の小さい親イ
ンク性領域とすることができ、例えば画素部が形成され
る部分のみ容易に親インク性領域とすることが可能とな
る。したがって、効率的にカラーフィルタが製造でき、
コスト的に有利となるからである。
【0086】ここで、親インク性領域とは、水の接触角
が小さい領域であり、着色用のインク、例えばインクジ
ェット用インクや遮光部用塗料等に対する濡れ性の良好
な領域をいうこととする。また、撥インク性領域とは、
水の接触角が大きい領域であり、着色用のインクや遮光
部用塗料に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0087】上記濡れ性変化層は、その水の接触角が、
露光していない部分においては90度以上、好ましくは
140度以上であることが好ましい。これは、露光して
いない部分は、本発明においては撥インク性が要求され
る部分であることから、水の接触角が90度より小さい
場合は、撥インク性が十分でなく、インクや遮光部用塗
料が残存する可能性が生じるため好ましくないからであ
る。
【0088】また、上記濡れ性変化層は、露光すると水
の接触角が低下して30度以下、より好ましくは20度
以下となるような層であることが好ましい。露光した部
分の水の接触角を30度以下としたのは、30度を越え
る場合は、この部分でのインクや遮光部用塗料の広がり
が劣る可能性があり、画素部での色抜け等が生じる可能
性があるからである。
【0089】なお、ここでいう水の接触角は、マイクロ
シリンジから水滴を滴下して30秒後に接触角測定器
(協和界面科学(株)製CA一Z型)を用いて測定した
値をいう。
【0090】このような濡れ性変化層に用いられる材料
としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち露光
により隣接する光触媒含有層中の光触媒により濡れ性が
変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解し
にくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるもの
ではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロ
ロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大
きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥
水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオル
ガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げ
ることができる。
【0091】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0092】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;お
よび、それらの部分加水分解物;および、それらの混合
物を使用することができる。
【0093】また、特にフルオロアルキル基を含有する
ポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的に
は、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以
上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一
般にフッ素系シランカップリング剤として知られたもの
を使用することができる。
【0094】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
Si CH3(OCH32;(CF32CF(CF28
CH2CH2Si CH3(OCH32;CF3(C64
24SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C6
4)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si
(OCH33
【0095】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
濡れ性変化層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、
遮光部用塗料や着色用のインクの付着を妨げる機能を発
現する。
【0096】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0097】
【化1】
【0098】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0099】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物を混合してもよい。
【0100】本発明における濡れ性変化層には、さらに
界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日
光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、B
O、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製Z
ONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロン
S−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メ
ガファックF−141、144、ネオス(株)製フター
ジェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製
ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製
フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいは
シリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかで
き、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0101】また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0102】このような濡れ性変化層は、上述した成分
を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗
布液を調製し、この塗布液を光触媒含有層上に塗布する
ことにより形成することができる。使用する溶剤として
は、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の
有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコ
ート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等
の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外
線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して
硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成すること
かできる。
【0103】本発明において、この濡れ性変化層の厚み
は、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.
001μmから1μmであることが好ましく、特に好ま
しくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0104】本発明において上述した成分の濡れ性変化
層を用いることにより、隣接する光触媒含有層中の光触
媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤
の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化
させて親インク性とし、非露光部との濡れ性に大きな差
を生じさせることができる。よって、遮光部用塗料や着
色用のインク、例えばインクジェット方式のインクとの
受容性(親インク性)および反撥性(撥インク性)を高
めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利
なカラーフィルタを得ることができる。
【0105】また、本発明においては、このように濡れ
性変化層上に画素部が形成されるため、画素部が直接光
触媒含有層、すなわち光触媒に接触しない。したがっ
て、画素部が直接光触媒含有層に接触する場合に起こる
可能性がある問題点、例えば画素部中の有機基が酸化、
分解することにより、画素部が変質するといった問題点
を未然に防止することができる。
【0106】(画素部)本発明においては、図1、図2
および図3に示すように光触媒含有層2上に形成された
濡れ性変化層3上に画素部5が設けられたところに特徴
を有するものである。本発明では、上記光触媒含有層に
おいて露光され、水の接触角が低い親インク性領域に、
複数色のインクにより所定のパターンで画素部が形成さ
れる。通常画素部は、赤(R)、緑(G)、および青
(B)の3色で形成される。この画素部における着色パ
ターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアン
グル型、4画素配置型等の公知の配列とすることがで
き、着色面積は任意に設定することができる。
【0107】本発明において、この画素部を形成する材
料は、画素部を着色する方法によって異なる。この画素
部を着色する方法としては、例えば、公知の塗料をスプ
レーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコ
ート等の公知の方法で塗布する塗布方式や、真空薄膜形
式等を挙げることができるが、本発明においては、イン
クジェット方式により着色されることが好ましい。
【0108】これは、上述したような着色方式は、いず
れも赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色を着色
するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コ
スト高になるという問題や、工程を繰り返すため歩留ま
りが低下するという問題がある。インクジェット法によ
り画素部を着色することにより、一回で全ての色を着色
することが可能であり、このような問題が生じないため
である。
【0109】このような画素部を形成するインクジェッ
ト方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類され
るが、本発明においてはいずれのインクであっても用い
ることができるが、表面張力の関係から水をベースとし
た水性のインクが好ましい。
【0110】本発明で用いられる水性インクには、溶媒
として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒
を用いることがきる。一方、油性インクにはへッドのつ
まり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが
好ましく用いられる。このようなインクジェット方式の
インクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く
用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に
可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その
他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整
剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整
剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0111】また、通常のインクジェットインクは適性
粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、イ
ンク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させるこ
とで着色剤自身に定着能を持たせることができる。この
ようなインクも本発明においては用いることができる。
さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性インクを
用いることもできる。
【0112】本発明においては、中でもUV硬化性イン
クを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いる
ことにより、インクジェット方式により着色して画素部
を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを
硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることがで
きる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造する
ことができるからである。
【0113】このようなUV硬化性インクは、プレポリ
マー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするも
のである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリ
レート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレー
ト、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、
シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特
に限定することなく用いることができる。
【0114】モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル
等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマ
ー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリス
トールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマー
を用いることができる。上記プレポリマー及びモノマー
は単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0115】光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエ
ーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェ
ニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチ
オキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピ
ルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置
換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケト
ン等の中から所望の硬化特性が得られるものを選択して
用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミ
ン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の
光鋭感剤等を添加しても良い。
【0116】図1、図2、および図3に示す本発明のカ
ラーフィルタの例は、赤(R)、緑(G)、および青
(B)の画素部を全て一層の濡れ性変化層および光触媒
含有層上に形成した例を示したものであるが、本発明は
これに限定されるものでなく、例えば、赤色画素部用の
濡れ性変化層および光触媒含有層、緑色画素部用の濡れ
性変化層および光触媒含有層、青色画素部用の濡れ性変
化層および光触媒含有層といったように複数層の濡れ性
変化層および光触媒含有層上に画素部が形成されたもの
をも含むものである。
【0117】(遮光部)本発明のカラーフィルタのう
ち、カラーフィルタ側に遮光部が形成されているタイプ
のカラーフィルタにおいては、図1および図2に示すよ
うに上記画素部5の境界部分に遮光部4が形成されてい
る。
【0118】本発明における遮光部は、樹脂バインダ中
にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等
を含有した層であり、厚みは0.5〜10μmの範囲内
で設定することができる。樹脂バインダとしては、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カ
ゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上
混合した組成物を用いることができる。また、樹脂バイ
ンダとして、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例え
ば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等も用
いることかできる。
【0119】また、このような遮光部は、スパッタリン
グ法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程
度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニ
ングすることにより形成することができる。さらに、カ
ーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、
この樹脂層をパターニングして形成したもの、カーボン
微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性
樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパタ一ニングして
形成したもの等、いずれであっても用いることができ
る。
【0120】なお、本発明においては、上記濡れ性変化
層上に遮光部を形成する場合は、濡れ性変化層に予め濡
れ性の良い部分を形成しておき、遮光部用塗料をその部
分に塗布することにより、容易に遮光部が形成されるこ
とから、溶剤等に上記遮光性微粒子と樹脂とを溶解させ
た遮光部用塗料により形成されることが好ましい。
【0121】(透明基板)本発明においては、図1、図
2および図3に示すように、透明基板1上に形成された
光触媒含有層2上に濡れ性変化層3が形成されたところ
に特徴を有するものである。
【0122】この透明基板としては、従来よりカラーフ
ィルタに用いられているものであれば特に限定されるも
のではないが、例えば石英ガラス、パイレックスガラ
ス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あ
るいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有
する透明なフレキシブル材を用いることができる。この
中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の
小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理におけ
る作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含ま
ない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリッ
クス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタ
に適している。
【0123】本発明において、透明基板は通常透明なも
のを用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも
用いることは可能である。また、透明基板は、必要に応
じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目
的の表面処理を施したものを用いてもよい。
【0124】(保護層)図1、図2および図3に示すよ
うに、保護層6は、必要に応じてカラーフィルタの表面
に形成されるものである。この保護層は、カラーフィル
タを平坦化するとともに、着色層、あるいは、着色層と
光触媒含有に含有される成分の液晶層への溶出を防止す
るために設けられるものである。
【0125】保護層の厚みは、使用される材料の光透過
率、カラーフィルタの表面状態等を考慮して設定するこ
とができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定す
ることができる。保護層は、例えば、公知の透明感光性
樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護層とし
て要求される光透過率等を有するものを用いて形成する
ことができる。
【0126】B.分解除去層を有するカラーフィルタ 次に、分解除去層を有するカラーフィルタについて説明
する。本発明のカラーフィルタのうち、分解除去層を有
するカラーフィルタは、透明基板と、この透明基板上に
複数色を所定のパターンで設けた画素部とを有するカラ
ーフィルタにおいて、前記透明基板上に光触媒を含有す
る光触媒含有層、および光触媒含有層上に設けられ、光
触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去され得る分
解除去層を有し、この分解除去層とこの分解除去層が分
解除去された際に露出する光触媒含有層表面との水の接
触角が異なることを特徴とするものである。
【0127】このように、光触媒含有層中の光触媒の作
用により分解除去され得る分解除去層を光触媒含有層上
に有することにより、露光された部分は光触媒の作用に
より分解され除去される。したがって、露光された部分
は光触媒含有層が表面に残存することになり、露光され
ていない部分は分解除去層が表面に露出することにな
る。よって、例えば分解除去層を撥インク性の材料で形
成し、光触媒含有層を親インク性の材料で形成し、予め
画素部を形成する部分に光を照射して光触媒を作用させ
ることによりその部分の分解除去層を除去すると、露光
した部分は親インク性領域となり、露光しない部分は撥
インク性領域となる。これにより、予め画素部を設ける
部分の濡れ性を水の接触角が小さい親インク性領域と
し、他の部分を水の接触角が大きい撥インク性領域とす
ることができる。この画素部を設ける親インク性領域の
部分に着色することにより、水の接触角の小さい親イン
ク性領域にのみインクが付着する。よって、上述した濡
れ性変化層を有するカラーフィルタと同様に、パターン
露光を行い着色することにより画素部が形成でき、各色
画素部の着色パターン形成ごとに現像工程と洗浄工程を
行う必要がない。このため、容易に工程を簡略化するこ
とが可能であり、得られるカラーフィルタは、安価でか
つ高精細で白抜け等の欠陥のないものとなる。
【0128】本発明においては、上記説明で例示したよ
うに、分解除去層が撥インク性であり光触媒含有層が親
インク性である場合が好ましいが、本発明はこれに限定
されるものではない。すなわち、光触媒含有層が撥イン
ク性であり、分解除去層が親インク性であってもよい。
この場合は、画素部もしくは遮光部を形成しない部位を
露光して、分解除去層を分解除去し、光触媒含有層を露
出させる。これにより、露光した部分は撥インク性とな
り、露光しなかった部分は分解除去層が残存して親イン
ク性となる。
【0129】ここで、分解除去層と露出した光触媒含有
層との水の接触角の差異であるが、少なくとも30度以
上異なることが好ましく、特に60度以上異なることが
好ましい。この水の接触角の差異が小さい場合は、この
水の接触角の差異を利用して行う画素部の形成や遮光部
の形成が困難となるためである。
【0130】この分解除去層を有する本発明のカラーフ
ィルタにおいても、上記濡れ性変化層を有するカラーフ
ィルタと同様に、通常画素部間に設けられる遮光部(ブ
ラックマトリックス)が形成されたものであっても、形
成されないものであってもよい。
【0131】このような本発明のカラーフィルタにおい
て、まず、カラーフィルタに遮光部が形成された例につ
いて図面を用いて説明する。
【0132】図4は、本発明のカラーフィルタの遮光部
が形成された例を示すものである。このカラーフィルタ
は、透明基板1上に遮光部4が形成され、この透明基板
1および遮光部4を覆うように光触媒含有層2が設けら
れている。この光触媒含有層2上の遮光部4に相当する
部分には、分解除去層7が残存し、この分解除去層の間
に赤(R)、緑(G)、および青(B)の画素部5R、
5G、および5Bが形成されている。この分解除去層7
および画素部5上には、保護層6が形成されている。
【0133】この例において、分解除去層7は、当初は
光触媒含有層2上に全面にわたって形成されていたが、
その後画素部5を形成する部分を露光することにより、
分解除去層7の露光部分は光触媒含有層2の光触媒の作
用により分解除去されることになる。このため、形成さ
れた図4に示すカラーフィルタにおいては、露光されて
いない遮光部4に相当する部分にのみ分解除去層7が残
存することになる。
【0134】次に、カラーフィルタに遮光部が形成され
ていない例について、図5を用いて説明する。
【0135】図5は、本発明の遮光部が形成されていな
いカラーフィルタの一例を示すものであり、このカラー
フィルタは、透明基板1上に設けられた光触媒含有層
2、この光触媒含有層2上に部分的に残存する分解除去
層7およびこの分解除去層7の間に形成された赤
(R)、緑(G)、および青(B)の画素部5R、5
G、および5B、さらにはこの分解除去層7および画素
部5上に必要に応じて設けられた保護層6とから構成さ
れるものである。
【0136】この例においても、分解除去層7は、製造
時には光触媒含有層2上の全面に形成されていたが、分
解除去層7上の画素部5を形成する部分に露光を行うこ
とにより、画素部5を形成する部分の分解除去層7は光
触媒含有層2の光触媒の作用により分解除去される。し
たがって、図5に示すカラーフィルタにおいては、画素
部5の間にのみ分解除去層7が残存することになる。
【0137】以下、本発明のカラーフィルタを構成する
各部分についてそれぞれ説明する。
【0138】本発明の分解除去層を有するカラーフィル
タを構成する各部分のうち、透明基板、遮光部、画素部
および保護層に関しては、上記「A.濡れ性変化層を有
するカラーフィルタ」で説明した内容と重複するので、
これらの説明はここでは省略する。
【0139】(光触媒含有層)本発明においては、図4
および図5に示すように、透明基板1上に分解除去層7
を分解するための光触媒含有層2が形成される。
【0140】本発明における光触媒含有層は、光触媒単
独で形成されたものであってもよく、またバインダーと
混合して形成されたものであってもよいが、この光触媒
含有層は、光触媒含有層中の光触媒がその上に形成され
た分解除去層を分解するような構成である必要があり、
さらに分解除去層が除去されて露出した表面が分解除去
層の水の接触角とは異なる水の接触角を有することが好
ましい。この場合、上述したように、光触媒含有層が親
インク性を有することが好ましく、特に水の接触角が3
0度以下であることが好ましく、さらに好ましくは、水
の接触角が20度以下であることである。
【0141】これは、本発明においては、露光された部
分は分解除去層が隣接するこの光触媒含有層中の光職触
媒の作用により分解除去される。したがって、露光され
た部分は光触媒含有層が表面に露出することになる。こ
の部分は親インク性が要求される部分であることから、
光触媒含有層上の水の接触角が30度を越える場合は、
この部分でのインクや遮光部用塗料の広がりが劣る可能
性があり、画素部での色抜け等が生じる可能性があるか
らである。
【0142】このような光触媒含有層は、光含有層単独
で形成されたものであっても良く、またバインダーと混
合して形成されたものであってもよい。
【0143】光触媒単独で形成する場合、例えば酸化チ
タンの場合は、透明基材上に無定形チタニアを形成し、
次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等
が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとして
は、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機
塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタ
ン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の
有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮
合によって得ることができる。
【0144】また、バインダを用いる場合は、バインダ
の主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないよ
うな高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例え
ば、無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無
定形シリカ前駆体は、一般式SiX4で表され、Xはハ
ロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等
であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノ
ール、または平均分子量3000以下のポリシロキサン
が好ましい。
【0145】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
透明基板上に空気中の水分により加水分解させてシラノ
ールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより
光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を
100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜
表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単
独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0146】また、この光触媒含有層が露光により水と
の接触角が低下し、上記範囲内となるものであってもよ
い。これは、分解除去層が光を透過する場合は、分解除
去層を露光するに際して分解除去層を透過して光触媒含
有層も露光されるからである。
【0147】このような光触媒含有層としては、「A.
濡れ性変化層を有するカラーフィルタ」中の濡れ性変化
層の成分として説明したオルガノシロキサンをバインダ
として用いたものを挙げることができる。
【0148】このような光触媒含有層に用いられる光触
媒の種類、粒径、光触媒含有層中の光触媒の含有量、界
面活性剤等の添加剤、および光触媒含有層の形成方法等
に関しては、上述した「A.濡れ性変化層を有するカラ
ーフィルタ」で説明したものと同様であるので、ここで
は説明を省略する。
【0149】(分解除去層)図4および図5に示すよう
に、分解除去層7は上記光触媒含有層2上に形成された
ものである。この分解除去層は、露光された際に光触媒
含有層中の光触媒の作用により分解除去されるものであ
れば特に限定されるものではないが、水との接触角が6
0度以上のものであることが好ましい。
【0150】これは、本発明において露光されない部分
は分解除去層が残存することになる。ここで、露光され
ない部分は、上述したように撥インク性を示す方が好ま
しい部分である。よって、分解除去層上の水の接触角が
60度より小さい場合は、撥インク性が十分でなく、イ
ンクや遮光部用塗料が残存する可能性が生じるため好ま
しくないからである。
【0151】また、図4および図5に示す例において
は、露光後残存する分解除去層7は画素部5が形成され
ない部分、すなわち画素部5と画素部5との間に残存す
る。このような場合に分解除去層7を水との接触角が6
0度以上の撥インク性とすることにより、この分解除去
層7を画素部5と画素部5を区切る撥インク性の凸部と
して用いることが可能となり、各画素部のインクが混入
することを防止することができる。
【0152】このような分解除去層に用いられる材料と
しては、上述した分解除去層の特性、すなわち露光によ
り隣接する光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除
去される材料で、かつ好ましくは水との接触角が60度
以上となる材料である。
【0153】このような材料としては、例えば炭化水素
系、フッ素系またはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることができる。このようなものとして具体的に
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、パーフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物、もしくはパーフルオロア
ルキルアミンオキシド等を挙げることができる。
【0154】このような材料は、炭化水素系の非イオン
系界面活性剤であれば、NIKKOL BL、BC、B
O、BBの各シリーズ(商品名、日本サーファクタント
工業社製)、フッ素系あるいはシリコン系の非イオン系
界面活性剤であれば、ZONYL FSN、FSO(商
品名、デュポン社製)、サーフロンS−141、145
(商品名、旭硝子社製)、メガファックF−141、1
44(商品名、大日本インキ社製)、フタージェント
F200、F251(商品名、ネオス社製)、ユニダイ
ンDS−401、402(商品名、ダイキン工業社
製)、フロラードFC−170、176(商品名、スリ
ーエム社製)として入手することができる。
【0155】この分解除去層の材料としては他にもカチ
オン系、アニオン系、両性界面活性剤を用いることが可
能であり、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベ
タイン等を挙げることができる。
【0156】さらに、分解除去層の材料としては、界面
活性剤以外にも種々ポリマーもしくはオリゴマーを用い
ることができる。このようなポリマーもしくはオリゴマ
ーとしては、例えばポリビニルアルコール、不飽和ポリ
エステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタ
レート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
イミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、
ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピ
クロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等
を挙げることができる。本発明においては、中でもポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の水との接触角の高い撥インク性のポリマーを用
いることが好ましい。
【0157】このような分解除去層は、上述した成分を
必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布
液を調製し、この塗布液を光触媒含有層上に塗布するこ
とにより形成することができる。塗布はスピンコート、
スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビー
ドコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
【0158】本発明において、この分解除去層の厚みは
光触媒による分解速度等の関係より、0.001μmか
ら1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.0
1〜0.1μmの範囲内である。
【0159】次に、本発明のカラーフィルタの製造方法
について説明するが、このカラーフィルタの製造方法の
説明においても、濡れ性変化層を有するカラーフィルタ
と分解除去層を有するカラーフィルタとを分けて説明す
る。まず、濡れ性変化層を有するカラーフィルタの製造
方法について説明する。
【0160】C.濡れ性変化層を有するカラーフィルタ
ーの製造方法 まず、カラーフィルタに遮光部を有するカラーフィルタ
の製造方法について説明し、次に、遮光部の無いカラー
フィルタについて説明する。
【0161】1.遮光部を有するカラーフィルタの製造
方法(第1実施態様) (透明基板上への光触媒含有層の形成工程)図6は、濡
れ性変化層を有し、かつ遮光部を有する本発明のカラー
フィルタ(図1参照)の製造方法の第1実施態様を示す
ものである。図6(A)に示すように、まず、透明基板
1上に光触媒含有層2を形成する。この光触媒含有層2
の形成は、上記光触媒とバインダとを必要に応じて他の
添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この
塗布液を塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行させ
てバインダ中に光触媒を強固に固定することにより形成
される。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロ
ルパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましく、塗
布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、
ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により
行うことかできる。また、バインダーとして無定形シリ
カ前駆体を用いた場合は、この無定形シリカ前駆体と光
触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、透明基
板1上で空気中の水分により加水分解させてシラノール
を形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触
媒含有層2を形成することができる。さらに、光触媒単
体で成膜する場合は、例えば透明基板上で無定形チタニ
アを形成し、次いで焼成して結晶性チタニアに相変換さ
せることにより光触媒含有層を形成することができる。
【0162】(濡れ性変化層の形成工程)次に、図6
(B)に示すように光触媒含有層2上に濡れ性変化層3
を形成する。上述した濡れ性変化層3用の材料を用い、
これを溶液として塗布する方法、表面グラフト処理する
方法、界面活性剤処理する方法、PVD、CVD等の気
相による成膜法等により光触媒含有層上に濡れ性変化層
3を形成する。塗布に際しては、スピンコート、スプレ
ーコート、ディップコート、ロールコートおよびビード
コートといった公知の塗布方法を用いることができる。
【0163】(遮光部の形成工程)このようにして形成
された濡れ性変化層3の遮光部形成部位にフォトマスク
等を用いて露光し、遮光部用露光部8を形成する。この
遮光部用露光部8は、光触媒含有層2中の光触媒の影響
により濡れ性変化層3表面の水の接触角を低くした部位
であり、親インク性領域を形成するものである。(図3
(C))。この露光は、遮光部用のフォトマスク等を介
した水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ等によるパターン照射でもよいが、他の方法として、
エキシマ、YAG等のレーザーを用いて遮光部のパター
ン形状に描画照射する方法であってもよい。
【0164】この露光に用いる光の波長は400nm以
下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定す
ることができ、また、露光に際しての光の照射量は、遮
光部用露光部8が光触媒の作用により親インク性(水の
接触角が30度以下、好ましくは20度以下)を発現す
るのに必要な照射量とする。
【0165】そして、遮光部用塗料を遮光部用露光部8
に付着させた後、硬化させて遮光部4を形成する(図3
(D))。遮光部用露光部8上への遮光部用塗料の塗布
は、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、
ビードコ−ト等の公知の塗布方法により行うことができ
る。この場合、塗布された遮光部用塗料は、遮光部用露
光部8以外の濡れ性変化層3上の、高い水との接触角を
有する撥インク性領域ではじかれて除去され、水の接触
角が低い親インク性領域である遮光部用露光部8のみに
選択的に付着する。
【0166】また、この遮光部用露光部8上への遮光部
用塗料の塗布は、インクジェット等のノズル吐出方式に
より行ってもよい。この場合、ノズル吐出により遮光部
用露光部8内に供給された遮光部用塗料は、親インク性
領域である遮光部用露光部8に均一に拡散して付着する
とともに、撥インク性を示す他の濡れ性変化層3には拡
散することがない。また、仮にノズル吐出により供給さ
れた塗料が遮光部用露光部8からはみだしても、高い撥
インク性を示す他の濡れ性変化層3ではじかれて遮光部
用露光部8内に付着することになる。
【0167】さらに、遮光部4の形成を真空薄膜形成方
式により行ってもよい。すなわち、露光後の濡れ性変化
層3上に蒸着法等により金属薄膜を形成し、遮光部用露
光部8以外の濡れ性変化層3と遮光部用露光部8との接
着力の差を利用して、粘着テープを用いた剥離、溶剤処
理等によりパターン化して遮光部4を形成することがで
きる。
【0168】(画素部の形成工程)次に、遮光部4が形
成された濡れ性変化層3上を全面露光する。これにより
遮光部4が形成されていない濡れ性変化層3の部分が、
光触媒の作用により親インク性領域の画素部用露光部9
となる(図3(E))。この露光は、上記の遮光部4の
形成工程と同様の波長で行われるが、全面に照射する点
で上記遮光部4の形成工程とは異なる。なお、この工程
は特に全面露光に限定されるものではなく、必要に応じ
てパターン露光を行ってもよい。
【0169】次いで、例えばインクジェット装置等によ
り、露光により親インク性領域となった画素部用露光部
9内にインク等を用いて、それぞれ赤、緑、および青に
着色する。この場合、画素部用露光部9内は上述したよ
うに露光により水との接触角の小さい親インク性領域と
なっているため、例えばインクジェット装置等から噴出
されたインクは、画素部用露光部9内に均一に広がる。
【0170】本発明においては、この画素部用露光部9
への着色は、塗布法等のいかなる方法であってもよく、
特に限定されるものではないが、1回の工程で画素部用
露光部9への着色が完了する等の利点から、インクジェ
ット方式により着色されることが好ましい。この場合、
用いるインクジェット装置としては、特に限定されるも
のではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場に
よって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインク
を噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間
欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェ
ット装置を用いることができる。
【0171】このようにして着色した画素部用露光部9
内のインクを固化させることにより、画素部5が形成さ
れる(図3(F))。本発明において、インクの固化は
用いるインクの種類により種々の方法により行われる。
例えば、水溶性のインクであれば加熱等することにより
水を除去して固化が行われる。
【0172】このインクの固化工程を考慮すると、本発
明に用いられるインクの種類としては、インクがUV硬
化性インクであることが好ましい。これは、UV硬化性
インクであればUVを照射することにより、素早くイン
クを固化することができるので、カラーフィルタの製造
時間を短縮することができるからである。
【0173】上述したように、画素部用露光部9内のイ
ンクは均一に広がっているため、このようにインクを固
化した場合、色抜けや色むらのない画素部5を形成する
ことができる。
【0174】(保護層の形成工程)そして、最後に形成
された遮光部4および画素部5上に保護層6が形成さ
れ、カラーフィルタとされる(図3(G))。
【0175】2.遮光部を有するカラーフィルタの製造
方法(第2実施態様) 次に、本発明のカラーフィルタ製造方法について、図2
に示すカラーフィルタを製造する場合を第2実施態様と
して図7を参照して説明する。
【0176】この例においては、まず、従来の方法によ
り透明基板1上に遮光部4が形成される。次いで、この
遮光部4が形成された透明基板1に光触媒含有層2が形
成される(図7(A))。この光触媒含有層2の形成
は、上述した第1実施態様における光触媒含有層の形成
工程と同様に行うことができる。
【0177】このようにして形成された光触媒含有層2
上に濡れ性変化層3を形成する(図7(B))。この濡
れ性変化層の形成も上記第1実施態様における濡れ性変
化層の形成工程と同様に行うことができる。
【0178】次に、光触媒含有層2および濡れ性変化層
3が形成された透明基板1に対して露光することによ
り、光触媒含有層2内の光触媒の作用により濡れ性変化
層上の露光部位を親インク性領域とした画素部用露光部
9を形成する(図7(C))。
【0179】この露光は、図8(A)に示すように透明
基板1の遮光部4が形成されていない側から全面露光す
ることにより行うことも可能であり、また図8(B)に
示すようにフォトマスク10を用いて濡れ性変化層3側
から行うことも可能である。
【0180】透明基板1側から全面露光する場合は、図
8(A)から明らかなように遮光部4がマスクとしての
作用をして、遮光部4が無い部分にのみ露光が行われる
ことになる。この方法によれば、画素部用のフォトマス
ク等を用いることなく露光を行うことができるので、コ
スト的に有利であるといえる。
【0181】一方、画素部用露光部9を形成するための
フォトマスク10を用いて露光を行う場合は、図8
(B)に示すように濡れ性変化層3側から露光を行う。
この場合は、露光により形成される画素部用露光部9の
幅、すなわち画素部5の幅が、遮光部4により形成され
る開口部の幅よりも広くとるようにすることが好まし
い。このようにすることにより、液晶パネルとして完成
した後、バックライトが照射された場合に、カラーフィ
ルタの無い部分をバックライトが透過する可能性がなく
なるためである。
【0182】このようにして形成された画素部用露光部
9に、上述した第1実施態様の画素部の形成工程と同様
にして着色をおこなう。なお、この場合も、インクジェ
ット方式により着色されることが好ましい。例えばイン
クジェット方式により着色する場合、インクジェット装
置から吐出されたインクは、露光により形成された画素
部用露光部9に付着する。この際、画素部用露光部9
は、上述したように親インク性領域となっていることか
らインクは均一にかつ全体にわたって広がっていく。ま
た、露光が行われていない光触媒含有層の領域は、撥イ
ンク性領域となっているため、インクはこの領域ではは
じかれて除去されることになる。
【0183】このインクを上記第1実施態様と同様に固
化することにより、図7(D)に示すように画素部5が
形成される。そして、この画素部5上に保護層6を形成
することにより、カラーフィルタが完成する(図7
(E))。
【0184】3.遮光部の無いカラーフィルタの製造方
法(第3実施態様) 次に、本発明のカラーフィルタ製造方法について、図3
に示すカラーフィルタを製造する場合を第3実施態様と
して図9を参照して説明する。
【0185】図9(A)に示すように、まず、透明基板
1上に光触媒含有層2を形成する。次いで、図9(B)
に示すように形成された光触媒含有層2上に濡れ性変化
層3を形成する。この光触媒形成工程、および濡れ性変
化層形成工程は、上述した第1実施態様と同様にして行
われる。
【0186】次に、濡れ性変化層3の画素部形成部位に
フォトマスク10を用いて露光し、画素部用露光部9を
形成する(図9(C))。この画素部用露光部9は、光
触媒含有層2内の光触媒の作用により濡れ性変化層3の
水の接触角を低くした部位であり、親インク性領域を形
成するものである。なお、この露光は、上述した第1実
施態様と同様にして行われる。
【0187】そして、この画素部用露光部9に着色す
る。この着色方法は種々の方法が可能であることは上述
した通りであるが、ここではインクジェット方式を用い
て着色する工程として説明する。図9(D)に示すよう
に、インクジェット装置11により、露光により親イン
ク性領域となった画素部用露光部9内にインク12を噴
射して、それぞれ赤、緑、および青に着色する。この場
合、画素部用露光部9内は上述したように露光により水
との接触角の小さい親インク性領域となっているため、
インクジェット装置11から噴出されたインク12は、
画素部用露光部9内に均一に広がる。なお、用いること
ができるインクジェット装置およびインク等に関して
は、上述した第1実施態様と同様である。
【0188】このようにして画素部用露光部9内に付着
したインクを固化させることにより画素部5が形成され
る。本発明において、インクの固化は用いるインクの種
類により種々の方法により行われる。例えば、UV硬化
型インクであればUVを照射することにより固化され、
水溶性のインクであれば加熱等することにより水を除去
して固化が行われる。
【0189】上述したように、画素部用露光部9内のイ
ンクは均一に広がっているため、このようにインクを固
化した場合、色抜けや色むらのない画素部5を形成する
ことができる。
【0190】最後に、この画素部5上に保護層6を形成
することにより、カラーフィルタが形成される(図9
(E))。
【0191】4.遮光部の無いカラーフィルタの製造方
法(第4実施態様) 本発明の遮光部の無いカラーフィルタの製造方法の2番
目の例(第4実施態様)について、図10、図11およ
び図12を参照して説明する。
【0192】この例においても、まず、透明基板1上に
光触媒含有層2を形成し(図10(A))、次いでこの
光触媒含有層2上に濡れ性変化層3を形成する(図10
(B))。この光触媒含有層形成工程、および濡れ性変
化層形成工程は、上述した第1実施態様と同様にして行
われる。
【0193】次に、上記第3実施態様と同様にフォトマ
スクを用いて露光するのであるが、第3実施態様では全
ての画素部に対応する画素部用露光部を形成するように
フォトマスクが設計されるが、この第4実施態様におい
ては、画素部が一つおきに形成されるようにフォトマス
クが設計され、このフォトマスク10を用いて濡れ性変
化層3の第1画素部用露光部13を形成する(図10
(C))。
【0194】そして、この第1画素部用露光部13に着
色するのであるが、本実施態様においてもこの着色をイ
ンクジェット方式を用いて行う例として説明する。図1
0(D)に示すように、インクジェット装置11によ
り、露光により親インク性領域となった第1画素部用露
光部13内にインク12を噴射して着色し、これを硬化
させて第1画素部14とする。この露光およびインクジ
ェット装置を用いた画素部への着色は、フォトマスク1
0の形状を除いて第3実施態様と同様にして行われる。
【0195】この第1画素部14が形成された透明基板
1を図11(A)に示す。例えば、赤(R)、緑
(G)、および青(B)の3色の画素部を形成する場
合、図11(A)に示すように、左から1番目の赤の画
素部(R1)が形成され、次に1番目の緑の画素部(G
1)をとばして1番目の青の画素部(B1)が形成さ
れ、次に2番目の赤の画素部(R2)をとばして2番目
の緑の画素部(G2)が形成されている。このように一
つおきにまず第1画素部14が形成される。この際用い
るフォトマスク10の例を図12(A−1)もしくは
(B−1)に示す。
【0196】次いで、この第1画素部14が形成された
濡れ性変化層3上に、一回目とは異なるフォトマスク1
0’を用いて再度露光する。このフォトマスク10’
は、上記第1画素部14の間に第2画素部用露光部15
を形成するように設計されており、例えば図12(A−
2)もしくは(B−2)に示すようなフォトマスクが用
いられる。このようなフォトマスク10’を用いて露光
することにより第2画素部用露光部15が形成される
(図10(E))。なお、図10(E)の例では図12
(B−2)に示すフォトマスクが用いられている。
【0197】そして、インクジェット装置11により、
露光により親インク性領域となった第2画素部用露光部
15内にインク12を噴射して着色し、これを硬化させ
て第2画素部16とする。この第2画素部16は、第1
画素部14の間を埋めるように形成される(図10
(F))。この露光およびインクジェット装置を用いた
画素部への着色も、フォトマスク10の形状を除いて第
3実施態様と同様にして行われる。
【0198】このようにして第2画素部も形成された状
態を図11(B)に示す。第1画素部14の間を埋める
ように第2画素部16を形成することにより、左から赤
(R)、緑(G)、青(B)順に並んだ3色の画素部が
形成される。
【0199】そして、最後にこの画素部上に必要に応じ
て保護層を形成することによりカラーフィルタが形成さ
れる。このように画素部の形成を2回に分けて行うの
は、以下の理由により好ましいといえる。
【0200】上述した例のように、透明基板上に遮光部
が形成されていない状態で画素部を形成する場合は、遮
光部を各画素部の仕切として用いることができない。し
たがって、露光により親インク性領域とした画素部用露
光部をインクジェット方式で着色して画素部を形成する
場合、この画素部用露光部間の間隔が狭い場合、すなわ
ち露光されていない撥インク性領域の幅が狭い場合は、
画素部形成に際してこの撥インク性領域を越えて隣り合
う画素部のインクが混合する可能性が生じる。したがっ
て、画素部形成に際して、画素部同士がなるべく離れた
状態で形成することが望ましい。上述した第4実施態様
においては、第1画素部14を形成する際に、画素部を
一つおきに形成するようにパターン露光を行っているた
め、一回目に形成する隣り合う画素部同士を離れた状態
とすることができる。このように、間に比較的広い撥イ
ンク性領域を有する状態で第1画素部用露光部13を形
成することが可能であるので、インクジェット装置11
で着色する際に、隣り合う画素部のインク12が混じり
合うという不都合が生じる可能性がなくなる。次いで、
第1画素部14間に再度露光して、第2画素部用露光部
15を形成し、ここにインクジェット装置11により着
色することにより、インク12が混じりあうことがな
く、色むら等の不具合の無いカラーフィルタを形成する
ことができるのである。また、画素部を連続して設ける
必要がある場合は、このような方法を用いる必要があ
る。
【0201】上記第4実施態様において、2回目の露光
に用いられるフォトマスク10’は、図12(B−2)
に示すように、第1画素部が形成された領域全体を露光
して第1画素部14間の全ての撥インク性領域を第2画
素部用露光部とするものであってもよいし、図12(A
−2)に示すような、第1画素部の所定の部位を露光し
て第2画素部とするものであってもよい。図12(B−
2)に示すようなフォトマスクを用いた場合、得られる
画素部は、図10(F)や図11(B)に示すように、
各画素部間に空隙が無く連続して形成されたものとな
る。また図12(A−2)に示すようなフォトマスクを
用いた場合は、画素部間に撥インク性領域を残すことも
可能であるので、画素部間に空隙があるものを形成する
ことができる。本発明においては、いずれの方法であっ
てもよく、また得られるカラーフィルタはいずれのタイ
プであってもよい。さらに、上述した説明では、第1画
素部が画素部領域において一つおきに設けられている例
を示したが、本発明がこれに限定されるものでなく、必
要であれば複数個離して設けられてもよい。この場合、
露光および着色は2回以上行われる。
【0202】(撥インク性凸部の形成)本発明において
は、画素部を形成する前に、撥インク性凸部を形成して
もよい。これは、例えばこの撥インク性凸部を画素部が
形成される画素部領域の周囲に形成した場合は、カラー
フィルタの周囲部分でインクが流れ出てしまい正確に画
素部を形成することができないといった不具合を防止す
ることが可能となるからである。
【0203】このような撥インク性凸部は、上記画素部
用露光部を形成する前に、撥インク性凸部を形成するた
めの凸部用露光部を形成し、この凸部用露光部に樹脂組
成物を用いて撥インク性凸部を形成することにより形成
される。このような凸部用露光部を形成するためのフォ
トマスクとしては、例えば図12(C−1)や(D−
1)に示すようなものを挙げることができる。これらの
フォトマスクを用いて、光触媒含有層上を露光すること
により、まず凸部用露光部を形成する。この凸部用露光
部は、上述した図12(C−1)のフォトマスクを用い
た場合は、画素部が形成される領域の上端辺と下端辺部
分に凸部用露光部が形成され、(D−1)に示されるフ
ォトマスクを用いた場合は画素部が形成される領域を囲
うように凸部用露光部が形成される。
【0204】次いで、この凸部用露光部に、樹脂組成物
を付着させ硬化させることにより、撥インク性凸部を形
成することができる。ここで用いられれる樹脂組成物と
しては、特に限定されるものではないが、例えばブラッ
クマトリックス(遮光部)に用いられる材料であって、
黒色の材料を混入しない材料を用いることができる。具
体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1
種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョ
ン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマル
ジョン化したもの等を挙げることができる。本発明にお
いては、取扱性および硬化が容易である点等の理由か
ら、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥イ
ンク性凸部は、撥インク性を有することが好ましいの
で、その表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の
撥インク処理剤で処理したものでもよい。
【0205】本発明における撥インク性凸部の高さは、
撥インク性凸部が例えばインクジェット法により着色し
た場合等においてインクが流れ出ることを防止するため
に設けられるものであることからある程度高いことが好
ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性を
考慮すると、画素部の厚さに近い厚さであることが好ま
しい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によって
も異なるが、通常は0.1〜2μmの範囲内であること
が好ましい。
【0206】このような撥インク性凸部を形成した後、
上述した第3実施態様もしくは第4実施態様等の方法
(例えば図12(C−2もしくはD−2)に示すフォト
マスクを用いて第1画素部を形成し、次いで(A−2)
もしくは(B−2)に示すフォトマスクにより第2画素
部を形成する。)により、画素部を形成し、カラーフィ
ルタを形成する。
【0207】本発明において、上記撥インク性凸部が設
けられる領域は、上述した画素部領域上下端辺部や画素
部領域周囲に限定されるものではなく、例えば画素部の
境界部分に形成されていてもよい。また、本発明におい
ては、上述したような露光方法により、遮光部を有する
カラーフィルタにおいても撥インク性凸部を設けること
ができることは明らかである。
【0208】(遮光部の形成)上記第3実施態様および
第4実施態様に示した例では、いずれも遮光部(ブラッ
クマトリックス)が無いカラーフィルタの製造方法につ
いて説明したが、上述したカラーフィルタの製造法で遮
光部があるカラーフィルタを製造することも可能であ
る。
【0209】すなわち、上述した第3実施態様および第
4実施態様の方法により透明基板上に画素部を形成した
後に、遮光部をさらに形成することにより、遮光部を有
するカラーフィルタを製造することができる。
【0210】遮光部を形成する方法としては、例えば図
9(D)に示すように、第3実施態様により画素部5を
形成した後に、全面露光を行い画素部5の間を親インク
性領域とし、ここに遮光部用塗料を付着させ硬化させる
方法であってもよいし、例えば図11(B)に示すよう
に画素部が全面に形成された上に、従来から行われてい
る方法、例えばスパッタリング法や真空蒸着法等により
遮光部を形成してもよい。
【0211】D.分解除去層を用いたカラーフィルター
の製造方法 まず、カラーフィルタに遮光部を有するカラーフィルタ
の製造方法について説明し、次に、遮光部の無いカラー
フィルタについて説明する。
【0212】1.遮光部を有するカラーフィルタの製造
方法(第5実施態様) (光触媒含有層の形成工程)図13は、分解除去層を用
いたカラーフィルタの製造方法であって、遮光部を有す
るカラーフィルタの製造方法の一例を示す第5実施態様
を説明するものである。図13(A)に示すように、ま
ず、透明基板1上に光触媒含有層2を形成する。この光
触媒含有層2の形成は、上述した第1実施態様と同様に
行われるが、分解除去層を用いたカラーフィルタの製造
方法においては、分解除去層とこの分解除去層が分解除
去された際に露出する光触媒含有層表面との水の接触角
が異なることが画素部や遮光部を形成する上で好まし
く、特に分解除去層が露光され分解除去された後の光触
媒含有層の水との接触角が30度以下、特に好ましくは
20度以下であることが好ましい。したがって、これら
の点を考慮して光触媒含有層を選択し、形成する必要が
ある。
【0213】(分解除去層の形成工程)次に、図13
(B)に示すように光触媒含有層2上に分解除去層7を
形成する。上述した分解除去層7用の材料を用い、これ
を溶液として塗布する方法、表面グラフト処理する方
法、界面活性剤処理する方法、PVD、CVD等の気相
による成膜法等により光触媒含有層2上に分解除去層7
を形成する。塗布に際しては、スピンコート、スプレー
コート、ディップコート、ロールコートおよびビードコ
ートといった公知の塗布方法を用いることができる。
【0214】(遮光部の形成工程)このようにして形成
された分解除去層7の遮光部形成部位にフォトマスク等
を用いて露光すると、露光された部分の分解除去層7が
光触媒含有層2中の光触媒の作用により酸化等されて分
解除去される分解部17が形成される(図13
(C))。この分解部17は、露光による光触媒の作用
により酸化分解され、気化等されることから、特別な処
理なしに除去され遮光部用露光部8を形成する(図13
(D))。なお、この除去に際して必要であれば溶剤洗
浄等による除去処理を施しても良い。
【0215】この遮光部用露光部8は、分解部17が除
去された部分であり、光触媒含有層2が露出している部
分である。ここで、光触媒含有層2が親インク性であれ
ばこの部分は親インク性領域となる。なお、この露光
は、上述した第1実施態様で行った露光と同様であるこ
とから、ここでは説明を省略する。
【0216】そして、この遮光部用露光部8に遮光部4
を形成する(図13(E))。遮光部用露光部8におけ
る遮光部4の形成は、上述した第1実施態様と同様であ
る。
【0217】(画素部の形成工程)次に、遮光部4が形
成された分解除去層7上を全面露光する。これにより遮
光部4が形成されていない部分が分解部17となる(図
13(F))。この露光は、上記の遮光部4の形成工程
と同様に行われるが、全面に照射する点で上記遮光部4
の形成工程とは異なる。そして、この分解部17が光触
媒の作用により除去され、その下にある光触媒含有層2
を露出させ、画素部用露光部9とする(図13
(G))。ここで、光触媒含有層2が親インク性であれ
ばこの部分は親インク性領域となる。
【0218】次いで、例えばインクジェット装置等によ
り、この画素部用露光部9内にインク等を用いて、それ
ぞれ赤、緑、および青に着色する。この場合、画素部用
露光部9内は、光触媒含有層が親インク性である場合は
水との接触角の小さい親インク性領域となっているた
め、インクジェット装置等から噴出されたインクは、画
素部用露光部9内に均一に広がる。このようにして画素
部用露光部9内に付着したインクを固化させることによ
り画素部5が形成される(図13(H))。本発明にお
いて、インクの固化は用いるインクの種類により種々の
方法により行われる。例えば、UV硬化型インクであれ
ばUVを照射することにより固化され、水溶性のインク
であれば加熱等することにより水を除去して固化が行わ
れる。なお、着色方法やインクジェット方式を用いた場
合に用いることができるインクジェット装置、さらにイ
ンク等に関しては、上述した第1実施態様と同様であ
る。
【0219】(保護層の形成工程)そして、最後に形成
された遮光部4および画素部5上に必要に応じて保護層
6が形成されてカラーフィルタが完成する(図13
(I))。
【0220】2.遮光部を有するカラーフィルタの製造
方法(第6実施態様) 上述した第5実施態様においては、最終的なカラーフィ
ルタの画素部の間に分解除去層が残存しないタイプのカ
ラーフィルタの製造方法であったが、次に説明する第6
実施態様は、図14に示すように最終的なカラーフィル
タの画素部の間に分解除去層が残存するタイプのカラー
フィルタの製造方法の例である。
【0221】この第6実施態様においては、まず、従来
の方法により透明基板1上に遮光部4が形成される。次
いで、この遮光部4が形成された透明基板1に光触媒含
有層2が形成される(図14(A))。この光触媒含有
層2の形成は、上述した第5実施態様における光触媒含
有層の形成工程と同様に行うことができる。
【0222】このようにして形成された光触媒含有層2
上に分解除去層7を形成する(図14(B))。この分
解除去層7の形成は、上記第5実施態様における分解除
去層の形成工程と同様に行うことができる。
【0223】光触媒含有層2および分解除去層7が形成
された上記透明基板1に対してパターン露光することに
より、分解除去層7上の露光部位を分解部17とする
(図14(C))。
【0224】この露光に関しては、濡れ性変化層3が分
解除去層7となった以外は、上記第2実施態様におい
て、図8により説明したものと同様であるので、ここで
は説明を省略する。
【0225】このようにして形成された分解部17は、
光触媒の作用により除去されて、光触媒含有層2が露出
した画素部用露光部9とされる(図14(D))。
【0226】この画素部用露光部9に、上述した第1実
施態様の画素部の形成工程と同様にして着色をおこな
う。なお、この場合も、インクジェット方式により着色
されることが好ましい。例えばインクジェット方式によ
り着色する場合、インクジェット装置から吐出されたイ
ンクは、露光により形成された画素部用露光部9に付着
する。この際、各画素部用露光部9の間には、図14
(D)からも明らかなように、分解除去層7が残存して
いる。このため、この画素部用露光部9へ着色する際
は、この分解除去層7の作用によりインクの混合等が生
じにくくなる。特にこの分解除去層7が撥インク性、好
ましくは水との接触角が60度以上であれば、この効果
が顕著に得られるため好ましい。
【0227】また、分解除去層7が分解部17となり除
去されて露出した光触媒含有層2が、水との接触角が小
さい親インク性であれば、この画素部用露光部9へ着色
されたインクが均一にかつ全体にわたって広がることか
ら好ましい。このような観点から、露出した光触媒含有
層2の水との接触角は、30度以下が好ましく、特に2
0度以下であることが好ましい。
【0228】このように残存する分解除去層7が水との
接触角の高い撥インク性であり、露出した光触媒含有層
2が親インク性であれば、着色されたインク等は均一に
画素部用露光部9内に広がると共に、境界部分に存在す
る撥インク性の凸部として作用する分解除去層7によ
り、インクははじかれて除去され、混ざり合う等の問題
を生じることがない。
【0229】このインクを第1実施態様と同様に固化す
ることにより、図14(E)に示すように画素部5が形
成される。そしてこの画素部5上に保護層6を形成する
ことにより、カラーフィルタが完成する(図14
(F))。
【0230】3.遮光部の無いカラーフィルタの製造方
法(第7実施態様) 次に、本発明のカラーフィルタ製造方法について、図5
に示すカラーフィルタを製造する場合を第7実施態様と
して図15を参照して説明する。
【0231】図15(A)に示すように、まず、透明基
板1上に光触媒含有層2を形成する。次いで、図15
(B)に示すように形成された光触媒含有層2上に分解
除去層7を形成する。この光触媒含有層形成工程および
分解除去層形成工程は、上述した第5実施態様と同様に
して行われる。
【0232】次に、分解除去層7の画素部形成部位にフ
ォトマスク10を用いて露光し、この画素部形成部位に
相当する部位の分解除去層7を、光触媒の作用により酸
化分解する分解部17とする(図15(C))。
【0233】このようにして形成された分解部17は、
光触媒の作用により除去されて光触媒含有層2が露出し
た画素部用露光部9とされる(図15(D))。
【0234】この画素部用露光部9に、上述した第1実
施態様の画素部の形成工程と同様にして着色をおこな
う。この着色は、特に限定されるものではないがインク
ジェット方式により行なわれることが好ましい。1回の
工程で着色が完了するからである。
【0235】インク等を露光により形成された画素部用
露光部9に付着させる際、各画素部用露光部9の間に
は、図15(D)からも明らかなように、分解除去層7
が残存している。このため、上記第6実施態様と同様に
第7実施態様においてもこの画素部用露光部9へ着色す
る際は、この分解除去層7の作用によりインクの混合等
が生じにくくなる。特にこの分解除去層7が撥インク
性、好ましくは水との接触角が60度以上であれば、こ
の効果が顕著に得られるため好ましい。また、第6実施
態様と同じ理由により、露出した光触媒含有層2の水と
の接触角は、30度以下が好ましく、特に20度以下で
あることが好ましい。
【0236】このように残存する分解除去層7が水との
接触角の高い撥インク性であり、露出した光触媒含有層
2が親インク性であれば、着色されたインク等は均一に
画素部用露光部9内に広がると共に、境界部分に存在す
る撥インク性の凸部として作用する分解除去層7によ
り、インクははじかれて除去され、混ざり合う等の問題
を生じることがないのは、上記第6実施態様と同様であ
る。
【0237】このインクを第1実施態様と同様に固化す
ることにより、図15(E)に示すように画素部5が形
成される。そしてこの画素部5上に保護層6を形成する
ことにより、カラーフィルタが完成する(図15
(F))。
【0238】4.遮光部の無いカラーフィルタの製造方
法(第8実施態様) 分解除去層を用いたカラーフィルタの製造方法におい
て、遮光部の無いカラーフィルタの製造方法の2番目の
例(第8実施態様)について、図16を参照して説明す
る。
【0239】この例においても、まず透明基板1上に光
触媒含有層2を形成し(図16(A))、次いでこの光
触媒含有層2上に分解除去層7を形成する(図16
(B))。この光触媒含有層形成工程、および濡れ性変
化層形成工程は、上述した第5実施態様と同様にして行
われる。
【0240】次に、上記第7実施態様と同様にフォトマ
スクを用いて露光するのであるが、第7実施態様では全
ての画素部に対応する画素部用露光部を形成するように
フォトマスクが設計されるが、この第8実施態様におい
ては、画素部が一つおきに形成されるようにフォトマス
クが設計され、このフォトマスク10を用いて分解除去
層7の第1画素部形成部位に露光を行い、この部分を分
解部17とする(図16(C))。
【0241】そして、この分解部17は光触媒の作用に
より除去されて光触媒含有層2が露出する第1画素部用
露光部13を形成する(図16(D))。この第1画素
部用露光部13に着色するのであるが、本実施態様にお
いてもこの着色をインクジェット方式を用いて行う例と
して説明する。図16(E)に示すように、インクジェ
ット装置11により、露光により光触媒含有層2が露出
した第1画素部用露光部13内にインク12を噴射して
着色し、これを硬化させて第1画素部14とする。この
露光およびインクジェット装置を用いた画素部への着色
は、フォトマスク10の形状を除いて第3実施態様と同
様にして行われる。またフォトマスク10の形状、印刷
の順序等は上記第4実施態様と同様にして行われる。
【0242】次いで、この第1画素部14が形成された
透明基板1上に、一回目とは異なるフォトマスク10’
を用いて、第2画素部形成部位を露光するように再度露
光する(図16(F))。このフォトマスク10’に関
しても、上記第4実施態様と同様である。
【0243】そして、露光により分解除去層7の第2画
素部形成部位を分解部17とした後、この分解部17は
光触媒の作用により除去され、光触媒含有層2が露出し
た第2画素部用露光部15を形成する(図16
(G))。この第2画素部用露光部15に、例えばイン
クジェット装置11によりインク12を噴射して着色
し、これを硬化させて第2画素部16とする。この第2
画素部16は、第1画素部14の間を埋めるように形成
される(図16(H))。この露光およびインクジェッ
ト装置を用いた画素部への着色も、フォトマスク10の
形状を除いて第3実施態様と同様にして行われる。そし
て最後に保護層6を形成してカラーフィルタとする(図
16(I))。
【0244】この第8実施態様は、第4実施態様で説明
したように、隣り合うインクが混じり合わないように一
つおきに画素部を形成した例を示すものである。この第
8実施例においては、分解除去部7が1回目の着色時
(図16(E)参照)に撥インク性の凸部として働くこ
とから、第4実施態様よりさらにインクの混入等の問題
が生じにくい。
【0245】(撥インク性凸部の形成)本実施態様にお
いても、第4実施態様で説明したものと同様に撥インク
性凸部を形成することが可能である。しかしながら、分
解除去層7の厚みによっては、画素部周囲に残存する分
解除去層2がこの撥インク性凸部と同じような働きをす
る場合もある。これは、第5実施態様〜第8実施態様の
いずれの実施態様においても当てはまるものである。
【0246】(遮光部の形成)上記第7実施態様および
第8実施態様に示した例では、いずれも遮光部(ブラッ
クマトリックス)が無いカラーフィルタの製造方法につ
いて説明したが、上述したカラーフィルタの製造法で遮
光部があるカラーフィルタを製造することも可能であ
る。これは、第4実施態様で説明したことと同様であ
る。
【0247】E.液晶パネル このようにして得られたカラーフィルタと、このカラー
フィルタに対向する対向基板を組み合わせ、この間に液
晶化合物を封入することによりカラー液晶パネルが形成
される。この際、カラーフィルタ側に遮光部(ブラック
マトリックス)が形成されていない場合は、遮光部を有
する対応基板を用いる。このようにして得られるカラー
液晶パネルは、本発明のカラーフィルタが有する利点、
すなわち、色抜けや色落ちが無く、コスト的に有利であ
るという利点を有するものである。
【0248】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。
【0249】[実施例1] 1.光触媒含有層の形成 イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシラ
ンが主成分であるMF−160E(トーケムプロダクツ
(株)製)0.4gとトリメトキシメチルシラン(東芝
シリコーン(株)製、TSL8113)3gと、光触媒
である酸化チタン水分散体であるST−K01(石原産
業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹
拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希
釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0250】上記組成物をソーダガラス製の透明基板上
にスピンコーターにより塗布し、150℃で30分間の
乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み
0.2μm)を形成した。
【0251】2.濡れ性変化層の形成 シリカゾル(商品名:グラスカHPC7002、JSR
(株)製)30重量部、およびアルキルアルコキシシラ
ン(商品名:グラスカHPC402H、JSR(株)
製)10重量部を、30分間撹拌混合して、濡れ性変化
層用組成物とした。この組成物を、上記透明基板上に形
成した光触媒含有層上にスピンコーターを用いて塗布し
た。100℃、10分間加熱し、厚さ0.1μmの濡れ
性変化層を形成した。
【0252】3.露光による親インク性領域の形成の確
認 この光触媒含有層および濡れ性変化層に、濡れ性変化層
側から水銀ランプ(波長365nm)により70mW/
cm2の照度で60秒間露光を行い、露光部を形成し
た。濡れ性変化層の露光前後における水に対する接触角
を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を
用いて測定(マイクロシリンジから水滴を滴下して30
秒後)した結果、露光前における水の接触角は97度で
あるのに対し、露光後における水の接触角は5度であ
り、露光部が親インク性領域となり、露光部と非露光部
との濡れ性の相違によるパターン形成が可能なことが確
認された。
【0253】4.遮光部の形成 次に、上記と同様にして同様の透明基板上に光触媒含有
層および濡れ性変化層を形成した(図6(B)に相
当)。この光触媒含有層および濡れ性変化層を、マトリ
ックス状の開ロパターン(開口線幅30μm)を設けた
遮光部用のマスクを介して水銀灯(波長365nm)に
より露光(70mW/cm2の照度で60秒間)して、
遮光部用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算し
て10度以下)とした(図6(C)に相当)。
【0254】一方、下記組成の混合物を90℃に加熱し
て溶解し、12000rpmで遠心分離を行い、その
後、1μmのグラスフィルタでろ過した。得られた水性
着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウム
を1重量%添加して、遮光部用塗料を調製した。
【0255】 ・カーボンブラック(三菱化学(株)製#950) … 4重量部 ・ポリビニルアルコール … 0.7重量部 (日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26) ・イオン交換水 …95.3重量部
【0256】次いで、上記の遮光部用塗料をブレードコ
ーターにより光触媒含有層上に全面塗布した。このよう
に塗布された遮光部用塗料は、濡れ性変化層の非露光部
ではじかれ、遮光部用露光部のみに選択的に付着した。
その後、60℃、3分間の乾燥を行い、水銀ランプで露
光することにより、遮光部用塗料を硬化させ、さらに、
150℃、30分間の加熱処理を施して遮光部を形成し
た(図6(D)に相当)。
【0257】5.画素部の形成 次に、遮光部が形成された光触媒含有層上に全面露光
し、画素部用露光部を親インク性とした。次に、インク
ジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量
部、重合開始剤5重量部、UV硬化樹脂70重量部を含
むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマー
インクを、親インク性とした画素部用露光部に付着させ
着色し、これにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤
色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤として
はポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテー
ト、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、
チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV
硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(日本化薬(株)製))を用いた。ま
た、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigmen
t Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green
36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15 +
C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
【0258】6.保護層の形成 保護層として、2液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム
(株)製SS7265)をスピンコーターにより塗布
し、200℃、30分間の硬化処理を施し保護層を形成
し、カラーフィルタを得た。
【0259】得られたカラーフィルタは、画素部の色ぬ
けや色むらのない高品質のものであった。
【0260】[実施例2] 1.光触媒含有層の形成 実施例1と同様にして同様の材料を用い、光触媒含有層
を形成した。
【0261】2.分解除去層の形成 ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールAH−2
6、日本合成化学(株)製)2重量部、およびイオン交
換水98重量部を100℃で30分間撹拌混合後、スピ
ンコーターにて上記光触媒含有層上に塗布し、100℃
で10分間加熱した。これにより、厚さ0.1μmの分
解除去層を形成した。
【0262】3.露光による親インク性領域の形成の確
認 この光触媒含有層および分解除去層に、分解除去層側か
ら水銀ランプ(波長365nm)により70mW/cm
2の照度で5分間パターン露光を行い、露光部(分解
部)を形成した。この分解部は光触媒の作用により分解
除去され、光触媒含有層が露出した。露光前後、すなわ
ち露光後である光触媒表面と露光前である分解除去層表
面との水に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学
(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジ
から水滴を滴下して30秒後)した結果、露光前(分解
除去層表面)における水の接触角は70度であるのに対
し、露光後(光触媒含有層表面)における水の接触角は
5度であり、露光部が親インク性領域となり、露光部と
非露光部との濡れ性の相違によるパターン形成が可能な
ことが確認された。
【0263】4.画素部の形成 次に、この光触媒含有層および分解除去層に対し、マト
リックス状の開口パターン(開口部100×300μ
m、遮光部20μm)を設けた画素部用マスクを介して
水銀灯(波長365nm)により露光(70mW/cm
2の照度で5分間)して分解部を形成した。この分解部
は、光触媒の作用により除去されて光触媒含有層が露出
した画素部用露光部とされた。この画素部用露光部にお
いて露出した光触媒含有層の表面は、水との接触角が1
0度以下である親インク領域であった。
【0264】次いで、実施例1と同様にして同様の材料
を用いて、RGB各色のインクをインクジェット装置に
より、親インク性とした画素部用露光部に付着させて着
色し、これにUV処理を行い硬化させ、画素部を形成し
た。
【0265】5.保護層の形成 実施例1と同様の材料を用い、同様にして保護層を形成
し、カラーフィルターを得た。得られたカラーフィルタ
は画素部の色抜けや色むらの無い高品質のものであっ
た。
【0266】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0267】例えば、上記実施形態の説明では、着色手
段を主としてインクジェット方式で行う例で説明した
が、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば
塗布法等の他の方法であってもよい。
【0268】また、上記実施形態の説明では、インクジ
ェット方式で画素部を着色することを主として説明した
結果、透明基板上に光触媒含有層および濡れ性変化層も
しくは分解除去層をそれぞれ一層形成した例のみで説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ば、赤色の画素部用、緑色の画素部用、及び青色の画素
部用とそれぞれ3層形成したものであってもよい。すな
わち、まず光触媒含有層および濡れ性変化層もしくは分
解除去層を形成し、これをパターン露光した後、赤色の
画素部を形成し、この上にさらに光触媒含有層および濡
れ性変化層もしくは分解除去層を形成し、これをパター
ン露光した後、緑色の画素部を形成し、そしてさらにそ
の上に光触媒含有層および濡れ性変化層もしくは分解除
去層を形成し、これをパターン露光した後、青色画素部
を形成したカラーフィルタおよびこのような製造方法も
本発明に含まれるものである。
【0269】
【発明の効果】本発明は、透明基板と、この透明基板上
に設けられた光触媒を含有する光触媒含有層と、この光
触媒含有層上に設けられ、この光触媒含有層中の光触媒
の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層と、この濡
れ性変化層上に形成された複数色を所定のパターンで設
けた画素部とを有するカラーフィルタである。
【0270】このように、本発明においては、光触媒含
有層中の光触媒の作用により濡れ性を変化させることが
できる濡れ性変化層上に画素部が設けられている。した
がって、濡れ性変化層をパターン露光することにより、
容易に親インク性領域および撥インク性領域を形成する
ことができ、この親インク性領域に着色を行うことによ
り容易に画素部が形成できる。
【0271】また、本発明は、透明基板と、この透明基
板上に複数色を所定のパターンで設けた画素部とを有す
るカラーフィルタにおいて、前記透明基板上に光触媒を
含有する光触媒含有層、および光触媒含有層上に設けら
れ、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去され
得る分解除去層を有し、この分解除去層とこの分解除去
層が分解除去された際に露出する光触媒含有層表面との
水の接触角が異なるカラーフィルタである。
【0272】このように、光触媒含有層中の光触媒の作
用により分解除去され得る分解除去層を光触媒含有層上
に有することにより、露光された部分は光触媒の作用に
より分解され除去される。したがって、露光された部分
は光触媒含有層が表面に露出することになり、露光され
ていない部分は分解除去層が残存することになる。ここ
で、分解除去層と露出した光触媒含有層とは水の接触角
が異なるものであるので、例えば分解除去層を撥インク
性の材料で形成し、光触媒含有層を親インク性の材料で
形成し、予め画素部を形成する部分に光を照射して光触
媒を作用させることによりその部分の分解除去層を除去
すると、露光した部分は親インク性領域となり、露光し
ない部分は撥インク性領域となる。これにより、予め画
素部を設ける部分の濡れ性を水の接触角が小さい親イン
ク性領域とし、他の部分を水の接触角が大きい撥インク
性領域とすることができる。この画素部を設ける親イン
ク性領域の部分に着色することにより、水の接触角の小
さい親インク性領域にのみインクが付着する。よって、
上述した濡れ性変化層を有するカラーフィルタと同様
に、パターン露光を行い着色することにより画素部が形
成でき、各色画素部の着色パターン形成ごとに現像工程
と洗浄工程を行う必要がない。
【0273】このように、いずれのカラーフィルタにお
いても容易に工程を簡略化することが可能であり、得ら
れるカラーフィルタは、安価でかつ高精細で白抜け等の
欠陥のないものとなるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】濡れ性変化層を有し、遮光部を有する本発明の
カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図2】濡れ性変化層を有し、遮光部を有する本発明の
カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。
【図3】濡れ性変化層を有し、遮光部を有さない本発明
のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図4】分解除去層を有し、遮光部を有する本発明のカ
ラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図5】分解除去層を有し、遮光部を有さない本発明の
カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図6】(A)から(G)は、濡れ性変化層を有し、遮
光部を有する本発明のカラーフィルタの製造方法の一例
を説明するための工程図である。
【図7】(A)から(E)は、濡れ性変化層を有し、遮
光部を有する本発明のカラーフィルタの製造方法の他の
例を説明するための工程図である。
【図8】(A)および(B)は、図7に示す製造方法に
おける露光方法を説明するための概略図である。
【図9】(A)から(E)は、濡れ性変化層を有し、遮
光部を有さない本発明のカラーフィルタの製造方法の一
例を説明するための工程図である。
【図10】(A)から(F)は、濡れ性変化層を有し、
遮光部を有さない本発明のカラーフィルタの製造方法の
他の例を説明するための工程図である。
【図11】図10に示す製造方法において、第1画素部
および第2画素部を示す概略平面図である。
【図12】本発明のカラーフィルタの製造法に用いられ
るフォトマスクの例を示す概略平面図である。
【図13】(A)から(I)は、分解除去層を用い、遮
光部を有する本発明のカラーフィルタの製造方法の一例
を説明するための工程図である。
【図14】(A)から(F)は、分解除去層を有し、遮
光部を有する本発明のカラーフィルタの製造方法の一例
を説明するための工程図である。
【図15】(A)から(F)は、分解除去層を有し、遮
光部を有さない本発明のカラーフィルタの製造方法の一
例を説明するための工程図である。
【図16】(A)から(I)は、分解除去層を用い、遮
光部を有さない本発明のカラーフィルタの製造方法の一
例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…透明基板、 2…光触媒含有層、 3…濡れ性変化
層、 4…遮光部、5…画素部、 6…保護層、 7…
分解除去層、 8…遮光部用露光部、9…画素部用露光
部、 10、10’…フォトマスク、11…インクジェ
ット装置、 12…インク、 13…第1画素部用露光
部、14…第1画素部、 15…第2画素部用露光部、
16…第2画素部、17…分解部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−171629(JP,A) 特開 平9−57912(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 - 5/28

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、この透明基板上に設けられ
    た光触媒を含有する光触媒含有層と、この光触媒含有層
    上に設けられ、この光触媒含有層中の光触媒の作用によ
    り濡れ性が変化する濡れ性変化層と、この濡れ性変化層
    上に形成された複数色を所定のパターンで設けた画素部
    とを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記画素部の境界部に位置する遮光部を
    有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記遮光部も前記濡れ性変化層上に形成
    されていることを特徴とする請求項2記載のカラーフィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】 前記濡れ性変化層が、露光時の光触媒含
    有層中の光触媒の作用により、露光により水の接触角が
    低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの
    請求項に記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記濡れ性変化層上の水の接触角が、露
    光していない部分において90度以上であり、露光した
    部分において30度以下であることを特徴とする請求項
    4記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシロ
    キサンを含有する層であることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5に記載のカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記オルガノポリシロキサンが、Yn
    iX(4-n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキ
    ル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ
    基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。
    nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物
    の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水
    分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを
    特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 透明基板と、この透明基板上に複数色を
    所定のパターンで設けた画素部とを有するカラーフィル
    タにおいて、前記透明基板上に光触媒を含有する光触媒
    含有層、および光触媒含有層上に設けられ、光触媒含有
    層中の光触媒の作用により分解除去され得る分解除去層
    を有し、この分解除去層とこの分解除去層が分解除去さ
    れた際に露出する光触媒含有層表面との水の接触角が異
    なることを特徴とするカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 前記画素部の境界部に位置する遮光部を
    有することを特徴とする請求項8記載のカラーフィル
    タ。
  10. 【請求項10】 前記分解除去層上の水の接触角が60
    度以上であり、この分解除去層が分解除去された際に露
    出する光触媒含有層表面の水の接触角が30度以下であ
    ることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のカ
    ラーフィルタ。
  11. 【請求項11】 前記分解除去層が、炭化水素系、フッ
    素系またはシリコーン系の非イオン界面活性剤であるこ
    とを特徴とする請求項10記載のカラーフィルタ。
  12. 【請求項12】 前記分解除去層が、撥インク性のポリ
    マーであることを特徴とする請求項10記載のカラーフ
    ィルタ。
  13. 【請求項13】 前記光触媒含有層に含有される光触媒
    が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸
    化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrT
    iO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス
    (Bi23)、および酸化鉄(Fe23)から選択され
    る1種または2種以上の物質であることを特徴とする請
    求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の
    カラーフィルタ。
  14. 【請求項14】 前記光触媒が酸化チタン(TiO2
    であることを特徴とする請求項13記載のカラーフィル
    タ。
  15. 【請求項15】 前記光触媒含有層が、少なくとも光触
    媒とバインダとからなることを特徴とする請求項1から
    請求項14までのいずれかの請求項に記載のカラーフィ
    ルタ。
  16. 【請求項16】 前記バインダがポリシロキサンである
    ことを特徴とする請求項15記載のカラーフィルタ。
  17. 【請求項17】 前記画素部がインクジェット方式によ
    り形成されたことを特徴とする請求項1から請求項16
    までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  18. 【請求項18】 前記インクジェット方式により形成さ
    れた画素部が、水性インクを用いたものであることを特
    徴とする請求項17記載のカラーフィルタ。
  19. 【請求項19】 前記インクジェット方式により形成さ
    れた画素部が、油性インクを用いたものであることを特
    徴とする請求項17記載のカラーフィルタ。
  20. 【請求項20】 前記インクジェット方式により形成さ
    れた画素部が、UV硬化性インクを用いたものであるこ
    とを特徴とする請求項18または請求項19に記載のカ
    ラーフィルタ。
  21. 【請求項21】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により露光部分の濡れ性が水の接触角の低下する方向
    に変化する濡れ性変化層を設ける工程と、 (3)この濡れ性変化層上の遮光部を形成する部分にパ
    ターン露光して遮光部用露光部を形成する工程と、 (4)この遮光部用露光部に遮光部用塗料を塗布して遮
    光部を設ける工程と、 (5)この遮光部が設けられた基板を露光することによ
    り、遮光部が形成されていない部分の濡れ性変化層を露
    光して画素部用露光部を形成する工程と、 (6)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  22. 【請求項22】 (1)遮光部が形成された透明基板の
    遮光部が形成された側の面上に、光触媒を含有する光触
    媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により露光部分の濡れ性が水の接触角の低下する方向
    に変化する濡れ性変化層を設ける工程と、 (3)この濡れ性変化層上の画素部を形成する部分に露
    光して画素部用露光部を形成する工程と、 (4)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  23. 【請求項23】 前記遮光部をマスクとして遮光部が形
    成されていない透明基板側から露光することにより画素
    部用露光部を形成することを特徴とする請求項22記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  24. 【請求項24】 透明基板上に形成された画素部の幅
    が、遮光部により形成される開口部より広いことを特徴
    とする請求項22記載のカラーフィルタの製造方法。
  25. 【請求項25】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により露光部分の濡れ性が水の接触角の低下する方向
    に変化する濡れ性変化層を設ける工程と、 (3)この濡れ性変化層が設けられた基板上の画素部を
    形成する部分に露光して画素部用露光部を形成する工程
    と、 (4)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  26. 【請求項26】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により露光部分の濡れ性が水の接触角の低下する方向
    に変化する濡れ性変化層を設ける工程と、 (3)この濡れ性変化層上の画素部を形成する部分の一
    部を露光して第1画素部用露光部を形成する工程と、 (4)この第1画素部用露光部に着色し、第1画素部を
    形成する工程と、 (5)前記光触媒含有層上の第1画素部が形成されてい
    ない部分に露光して第2画素部用露光部を形成する工程
    と、 (6)この第2画素部用露光部に着色し、第2画素部を
    形成する工程とを有することを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記画素部用露光部を形成する前に、
    撥インク性凸部を形成するための凸部用露光部を形成
    し、この凸部用露光部に樹脂組成物を用いて撥インク性
    凸部を形成することを特徴とする請求項25または請求
    項26に記載のカラーフィルタの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記画素部を形成した後に、遮光部を
    形成することを特徴とする請求項25から請求項27
    でのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  29. 【請求項29】 前記濡れ性変化層上の水の接触角が、
    露光していない部分において90度以上であり、露光し
    た部分において30度以下であることを特徴とする請求
    項21から請求項28までのいずれかの請求項に記載の
    カラーフィルタの製造方法。
  30. 【請求項30】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により分解除去され得る分解除去層を設ける工程と、 (3)この分解除去層上の遮光部を形成する部分を露光
    した後、分解除去して遮光部用露光部を形成する工程
    と、 (4)この遮光部用露光部に遮光部用塗料を塗布して遮
    光部を設ける工程と、 (5)この遮光部が設けられた基板を露光することによ
    り、遮光部が形成されていない部分の分解除去層を露光
    して分解除去することにより画素部用露光部を形成する
    工程と、 (6)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  31. 【請求項31】 (1)遮光部が形成された透明基板の
    遮光部が形成された側の面上に、光触媒を含有する光触
    媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により分解除去され得る分解除去層を設ける工程と、 (3)この分解除去層上の画素部を形成する部分に露光
    して分解除去することにより画素部用露光部を形成する
    工程と、 (4)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  32. 【請求項32】 前記遮光部をマスクとして遮光部が形
    成されていない透明基板側から露光することにより画素
    部用露光部を形成することを特徴とする請求項31記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  33. 【請求項33】 透明基板上に形成された画素部の幅
    が、遮光部により形成される開口部より広いことを特徴
    とする請求項31記載のカラーフィルタの製造方法。
  34. 【請求項34】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により分解除去され得る分解除去層を設ける工程と、 (3)この分解除去層が設けられた基板上の画素部を形
    成する部分に露光して画素部用露光部を形成する工程
    と、 (4)この画素部用露光部に着色し、画素部を形成する
    工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  35. 【請求項35】 (1)透明基板上に光触媒を含有する
    光触媒含有層を形成する工程と、 (2)光触媒含有層上に、光触媒含有層中の光触媒の作
    用により分解除去され得る分解除去層を設ける工程と、 (3)この分解除去層上の画素部を形成する部分の一部
    を露光し分解除去することにより第1画素部用露光部を
    形成する工程と、 (4)この第1画素部用露光部に着色し、第1画素部を
    形成する工程と、 (5)前記光触媒含有層上の第1画素部が形成されてい
    ない分解除去層を露光して分解除去することにより第2
    画素部用露光部を形成する工程と、 (6)この第2画素部用露光部に着色し、第2画素部を
    形成する工程とを有することを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記画素部を形成した後に、遮光部を
    形成することを特徴とする請求項34または請求項35
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記分解除去層とこの分解除去層が分
    解除去された際に露出する光触媒含有層表面との水の接
    触角が異なることを特徴とする請求項30から請求項3
    までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製
    造方法。
  38. 【請求項38】 前記分解除去層上の水の接触角が60
    度以上であり、この分解除去層が分解除去されて露出す
    る光触媒含有層の水の接触角が30度以下であることを
    特徴とする請求項37記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  39. 【請求項39】 前記画素部用露光部への着色がインク
    ジェット方式で行われることを特徴とする請求項21か
    ら請求項38までのいずれかの請求項に記載のカラーフ
    ィルタの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記画素部用露光部へのインクジェッ
    ト方式での着色が、水性インクを用いたインクジェット
    方式による着色であることを特徴とする請求項39に記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  41. 【請求項41】 前記画素部用露光部へのインクジェッ
    ト方式での着色が、油性インクを用いたインクジェット
    方式による着色であることを特徴とする請求項39に記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記画素部用露光部へのインクジェッ
    ト方式での着色が、UV硬化性インクを用いたインクジ
    ェット方式による着色であることを特徴とする請求項4
    0または請求項41記載のカラーフィルタの製造方法。
  43. 【請求項43】 請求項1から請求項20までのいずれ
    かの請求項に記載のカラーフィルタと、これに対向する
    基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなるこ
    とを特徴とする液晶パネル。
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