JP2002107529A - カラーフィルタ用部材の製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用部材の製造方法

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JP2002107529A
JP2002107529A JP2000298406A JP2000298406A JP2002107529A JP 2002107529 A JP2002107529 A JP 2002107529A JP 2000298406 A JP2000298406 A JP 2000298406A JP 2000298406 A JP2000298406 A JP 2000298406A JP 2002107529 A JP2002107529 A JP 2002107529A
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photocatalyst
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color filter
forming
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JP2000298406A
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Akio Sonehara
章夫 曽根原
Hironori Kobayashi
弘典 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 連続して供給されるウェブ状の基材を用いた
連続式のカラーフィルタ用部材の製造方法であって、高
精度かつ低コストにカラーフィルタを得ることができる
カラーフィルタ用部材の製造方法。 【解決手段】 ウェブ状の基材を連続的に供給する基材
供給工程と、供給されたウェブ状の基材表面に、少なく
とも光触媒とバインダとからなり、かつエネルギーの照
射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化
する光触媒含有層形成用の光触媒含有層形成用塗布液を
塗布する光触媒含有層塗布工程と、上記基材表面に塗布
された光触媒含有層形成用塗布液を硬化させる光触媒含
有層硬化工程と、硬化した上記光触媒含有層上にエネル
ギーをパターン照射する露光工程と、エネルギーをパタ
ーン照射して親インク性となった光触媒含有層上の親イ
ンク性領域に第1インクを塗布する第1インク塗布工程
と、塗布した第1インクを硬化させる第1インク硬化工
程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続して供給され
るウェブ状の基材を用いたカラーフィルタ用部材の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴
い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレ
イの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカ
ラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダ
ウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高い
カラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
【0003】このようなカラーフィルタにおいては、通
常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色
パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に
対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッ
タとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を
光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0004】上記カラーフィルタは、通常ガラス基板上
に形成されるものであるが、カラー液晶表示装置の種々
の用途展開により、可撓性のある薄いプラスチックフィ
ルムを透明基板として用いたカラーフィルタが要求され
る場合がある。このようなプラスチックフィルムを基材
として用いた場合、枚葉式でカラーフィルタを製造する
際にその取扱が困難となる場合がある。また、連続式で
カラーフィルタを製造することができればコストダウン
につながる。
【0005】一方、従来のカラーフィルタの製造方法
は、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の
工程を3回繰り返す方法が採用されており、コスト高に
なるという問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下
するという問題があった。この問題を解決するために、
例えば濡れ性の異なるパターンが形成された基材上の親
液性の領域にインクジェット方式によりインクを噴射し
て付着させることにより画素部を形成し、カラーフィル
タを得る方法がある(特開平11−337726号)。
このような方法は、上記通常赤(R)、緑(G)、およ
び青(B)の3原色の着色パターンを同時に着色するこ
とができ、工程を簡略化することができるという利点が
あり、これを連続式の製造方法に応用することができれ
ば、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、連続して供給されるウェブ状
の基材を用いた連続式のカラーフィルタ用部材の製造方
法であって、エネルギーの照射により液体との接触角が
低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を用いる
ことによりさらに高精度かつ低コストにカラーフィルタ
を得ることができるカラーフィルタ用部材の製造方法を
提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、ウェブ状の基材を連続
的に供給する基材供給工程と、上記連続的に供給された
ウェブ状の基材表面に、少なくとも光触媒とバインダと
からなり、かつエネルギーの照射により液体との接触角
が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層形成用
の光触媒含有層形成用塗布液を塗布する光触媒含有層塗
布工程と、上記基材表面に塗布された光触媒含有層形成
用塗布液を硬化させる光触媒含有層硬化工程と、硬化し
た上記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射する
露光工程と、エネルギーをパターン照射して親インク性
となった光触媒含有層上の親インク性領域に第1インク
を塗布する第1インク塗布工程と、塗布した第1インク
を硬化させる第1インク硬化工程とを有することを特徴
とするカラーフィルタ用部材の製造方法を提供する。
【0008】このように、光触媒含有層を用いて連続し
てカラーフィルタ用部材を製造することにより、より低
コストでカラーフィルタ用部材を形成することが可能と
なり、その結果、最終的に得られるカラーフィルタのコ
ストダウンを図ることができる。
【0009】この場合、請求項2に記載するように、上
記第1インクが、画素部形成用インクまたは遮光部形成
用インクであることが好ましい。第1インクが画素部形
成用のインクであれば、基材上に画素部が形成されたカ
ラーフィルタ用部材を得ることができ、第1インクが遮
光部形成用インクであれば、基材上に遮光部が形成され
たカラーフィルタ用部材を得ることができるのである
が、いずれもがカラーフィルタを構成するうえで重要な
構成物であり、これを精度良くかつ低コストで製造する
ことは重要だからである。
【0010】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項3に記載するように、上記第1インク硬化工
程の後、エネルギーを照射して光触媒含有層上にさらに
親インク性領域を形成する再露光工程と、上記再露光工
程により親インク性となった光触媒含有層上の親インク
性領域に第2インクを塗布する第2インク塗布工程と、
塗布した第2インクを硬化させる第2インク硬化工程と
を有するものであってもよく、また請求項4に記載する
ように、上記第1インク硬化工程の後、光触媒含有層形
成用塗布液を再度塗布する第2光触媒含有層塗布工程
と、上記塗布された光触媒含有層形成用塗布液を硬化さ
せる第2光触媒含有層硬化工程と、硬化した上記光触媒
含有層上にエネルギーをパターン照射する再露光工程
と、エネルギーをパターン照射して親インク性となった
光触媒含有層上の親インク性領域に第2インクを塗布す
る第2インク塗布工程と、塗布した第2インクを硬化さ
せる第2インク硬化工程とを有するものであってもよ
い。前者の場合は、光触媒含有層が一層設けられ、この
上に種々の層が形成されたカラーフィルタ用部材を得る
ことができることから、コスト面で有利であるといえ、
後者の場合は、光触媒含有層が各インク層毎に形成され
ることになるので、精度面で有利であるといえる。
【0011】上記請求項3または請求項4に記載された
カラーフィルタ用部材の製造方法においては、請求項5
に記載するように、上記第1インクが遮光部形成用イン
クであり、上記第2インクが画素部形成用インクであっ
てもよく、請求項6に記載するように、上記第1インク
が画素部形成用インクであり、上記第2インクが遮光部
形成用インクであってもよい。いずれのケースにおいて
も、基材上にカラーフィルタの構成上重要な画素部およ
び遮光部が形成されたカラーフィルタ用部材を得ること
ができる。
【0012】また、本発明においては、請求項7に記載
するように、遮光部が予め形成されたウェブ状の基材を
連続的に供給する基材供給工程と、上記連続的に供給さ
れたウェブ状の基材表面に、少なくとも光触媒とバイン
ダとからなり、かつエネルギーの照射により液体との接
触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層形
成用の光触媒含有層形成用塗布液を塗布する光触媒含有
層塗布工程と、上記基材表面に塗布された光触媒含有層
形成用塗布液を硬化させる光触媒含有層硬化工程と、硬
化した上記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射
する露光工程と、エネルギーをパターン照射して親イン
ク性となった光触媒含有層上の親インク性領域に画素部
形成用インクを塗布する画素部形成用インク塗布工程
と、塗布した画素部形成用インクを硬化させる画素部形
成用インク硬化工程とを有することを特徴とするカラー
フィルタ用部材の製造方法を提供する。
【0013】このように、予め遮光部が形成された基材
であっても、この上に光触媒含有層を形成することによ
り、連続的にカラーフィルタ用部材を製造することがで
きる。
【0014】上記請求項1から請求項7までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項8に記載
するように、上記基材が可撓性を有し、かつその肉厚が
200μm以下であることが好ましい。一般に可撓性を
有し200μm以下のフィルム上に枚葉式でカラーフィ
ルタ用部材を形成することは困難であり、連続方式で形
成する利点を活かすことが可能だからである。
【0015】上記請求項8に記載された発明において
は、請求項9に記載するように、最後の工程として連続
して供給されるウェブ状の基材を巻き取る巻取工程を有
することが好ましい。巻き取った状態でカラーフィルタ
用部材として販売することも可能であり、また巻き取っ
た状態で次の工程に送る場合もあるからである。
【0016】上記請求項1から請求項9までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項10に記
載するように、上記第1インク塗布工程、第2インク塗
布工程、および画素部形成用インク塗布工程の少なくと
もいずれかが、インクジェット法で行われるようにして
もよいし、請求項11に記載するように、印刷法で行わ
れるようにしてもよい。インクジェット法を用いた場合
は精度面および効率面で好適であり、印刷法を用いた場
合は技術面が比較的容易であるという利点を有する。
【0017】本発明に用いられる光触媒含有層は、上述
したように少なくとも光触媒とバインダとからなるもの
であるが、このうち光触媒は、請求項12に記載するよ
うに酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrT
iO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス
(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)から選択され
る1種または2種以上の物質であることが好ましい。中
でも請求項13に記載するように酸化チタン(Ti
2)であることが好ましい。これは、酸化チタンのバ
ンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効で
あり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だ
からである。
【0018】また、請求項1から請求項13までのいず
れかの請求項に記載された発明において、光触媒含有層
を構成する他の成分であるバインダは、請求項14に記
載するように、YnSiX(4-n)(ここで、Yはアルキル
基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニ
ル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基また
はハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で
示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮
合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロ
キサンであることが好ましい。
【0019】上記請求項1から請求項14までのいずれ
かの請求項においては、請求項15に記載するように、
上記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液
体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分に
おいて10度以上であり、エネルギーが照射された部分
において10度未満であることが好ましい。エネルギー
が照射されていない部分は、撥インク性が要求される部
分であることから、表面張力40mN/mの液体との接
触角が10度未満である場合は、撥インク性が十分でな
く、インクが残存する可能性が生じるため好ましくな
い。また、エネルギーが照射された部分の表面張力40
mN/mの液体との接触角が10度以上である場合は、
この部分でのインクの広がりが劣る可能性があり、画素
部での色抜け等が生じる可能性があるからである。
【0020】本発明においては、請求項16に記載する
ように、上記請求項1から請求項15までのいずれかの
請求項に記載のカラーフィルタ用部材の製造方法により
得られるカラーフィルタ用部材を具備することを特徴と
するカラーフィルタを提供する。このようなカラーフィ
ルタは、上述したようなカラーフィルタ用部材の製造方
法により得られたカラーフィルタ用部材を具備するもの
であるので、低コストであるという利点を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカラーフィルタ用
部材の製造方法について詳細に説明する。本発明のカラ
ーフィルタ用部材の製造方法は、ウェブ状の基材を連続
的に供給する基材供給工程と、上記連続的に供給された
ウェブ状の基材表面に、少なくとも光触媒とバインダと
からなり、かつエネルギーの照射により液体との接触角
が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層形成用
の光触媒含有層形成用塗布液を塗布する光触媒含有層塗
布工程と、上記基材表面に塗布された光触媒含有層形成
用塗布液を硬化させる光触媒含有層硬化工程と、硬化し
た上記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射する
露光工程と、エネルギーをパターン照射して親インク性
となった光触媒含有層上の親インク性領域に第1インク
を塗布する第1インク塗布工程と、塗布した第1インク
を硬化させる第1インク硬化工程とを有することを特徴
とするものである。以下、各工程に分けて説明する。
【0022】1.基材供給工程 本発明においては、まずウェブ状の基材を連続的に供給
する基材供給工程が行われる。この工程に用いられるウ
ェブ状の基材としては、透明で可撓性を有する長尺のフ
ィルムが好適に用いられる。このようなフィルムの具体
的な材料としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、
ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリア
ミド、芳香族ポリアミド等を挙げることができ、中でも
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、もし
くはポリエーテルスルホンが好適に用いられる。
【0023】このような透明基材の肉厚は、200μm
以下であることが、連続式の利点を活かすことができる
点等の理由により好ましく、特に100μm以下の肉厚
を有するフィルムが好適に用いられる。
【0024】また、上述したような基材表面には、後述
する光触媒含有層との接着性向上等の理由により表面処
理が施されていてもよい。このような表面処理の例して
は、具体的には、コロナ処理、プライマー処理、除電処
理等を挙げることができる。
【0025】2.光触媒含有層塗布工程 次に、上述した基材供給工程で供給された基材表面に光
触媒含有層形成用塗布液を塗布する光触媒含有層塗布工
程が行われる。まず、本発明に用いられる光触媒含有層
について説明し、次いでその塗布方法について説明す
る。
【0026】(光触媒含有層)本発明においては、光触
媒とバインダとを少なくとも有し、エネルギーの照射に
より表面の液体との接触角が低下するように濡れ性が変
化する光触媒含有層が用いられる。このように、露光
(本発明においては、光が照射されたことのみならず、
エネルギーが照射されたことをも意味するものとす
る。)により液体との接触角が低下するように濡れ性が
変化する光触媒含有層を設けることにより、エネルギー
のパターン照射等を行うことにより容易に濡れ性を変化
させ、液体との接触角の小さい親インク性領域とするこ
とができ、例えば画素部が形成される部分のみ容易に親
インク性領域とすることが可能となる。したがって、連
続的に生産する場合であっても効率的にカラーフィルタ
用部材が製造でき、最終的なカラーフィルタのコスト面
で有利となるからである。なお、この場合のエネルギー
としては、通常紫外光を含む光が用いられる。
【0027】ここで、親インク性領域とは、液体との接
触角が小さい領域であり、画素部形成用インクや遮光部
形成用インク等に対する濡れ性の良好な領域をいうこと
とする。また、撥インク性領域とは、液体との接触角が
大きい領域であり、上述したインク等に対する濡れ性が
悪い領域をいうこととする。
【0028】上記光触媒含有層は、露光していない部分
においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が
10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体と
の接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液
体との接触角が10度以上であることが好ましい。これ
は、露光していない部分は、本発明においては撥インク
性が要求される部分であることから、液体との接触角が
小さい場合は、撥インク性が十分でなく、インクが残存
する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0029】また、上記光触媒含有層は、露光すると液
体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体
との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50mN
/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60
mN/mの液体との接触角が10度以下となるような層
であることが好ましい。露光した部分の液体との接触角
が高いと、この部分でのインクの広がりが劣る可能性が
あり、画素部での色抜け等が生じる可能性があるからで
ある。
【0030】なお、ここでいう液体との接触角は、種々
の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協
和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイク
ロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果
から、もしくはその結果をグラフにして得たものであ
る。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する
液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を
用いた。
【0031】本発明の光触媒含有層は、上述したように
少なくとも光触媒とバインダとから構成されていること
が好ましい。このような層とすることにより、光照射に
よって光触媒の作用で臨界表面張力を高くすることが可
能となり、液体との接触角を低くすることができる。
【0032】このような光触媒含有層における、後述す
るような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、
必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成
したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるい
は、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有
機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0033】本発明に用いられる光触媒含有層は、光触
媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸
化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させ
て親インク性とし、非露光部との濡れ性に大きな差を生
じさせることができる。よって、吐出法によるインクと
の受容性(親インク性)および反撥性(撥インク性)を
高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有
利なカラーフィルタ用部材を得ることができる。
【0034】また、本発明においてこのような光触媒含
有層を用いた場合、この光触媒含有層が少なくとも光触
媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面の
フッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射
した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に
比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されて
いてもよい。
【0035】このような特徴を有する光触媒含有層にお
いては、エネルギーをパターン照射することにより、容
易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形
成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面
エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く
含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくな
る。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨
界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨
界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有
量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親
インク性領域となっていることを意味する。よって、周
囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなる
パターンを形成することは、撥インク性域内に親インク
性領域のパターンを形成することとなる。
【0036】したがって、このような光触媒含有層を用
いた場合は、エネルギーをパターン照射することによ
り、撥インク性領域内に親インク性領域のパターンを容
易に形成することができるので、この親インク性領域の
みに画素部等を形成することが容易に可能となり、品質
の良好なカラーフィルタ用部材とすることができる。
【0037】上述したような、フッ素を含む光触媒含有
層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが
照射されて形成されたフッ素含有量が低い親インク性領
域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていな
い部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、
好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが
好ましい。
【0038】このような範囲内とすることにより、エネ
ルギー照射部分と未照射部分との親インク性に大きな違
いを生じさせることができる。したがって、このような
光触媒含有層に画素部等を形成することにより、フッ素
含有量が低下した親インク性領域のみに正確に画素部等
を形成することが可能となり、精度良くカラーフィルタ
用部材を得ることができるからである。なお、この低下
率は重量を基準としたものである。
【0039】このような光触媒含有層中のフッ素含有量
の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いるこ
とが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Phot
oelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscop
y for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線
分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測
定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0040】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)を挙げることができ、これらから選択して1種
または2種以上を混合して用いることができる。
【0041】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0042】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0043】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された
光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光
触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心
線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の
撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が
不十分となるため好ましくない。
【0044】本発明のカラーフィルタ用部材の製造方法
においては、上述したように光触媒含有層表面にフッ素
を含有させ、この光触媒含有層表面にエネルギーをパタ
ーン照射することにより光触媒含有層表面のフッ素含有
量を低下させ、これにより撥インク性領域中に親インク
性領域のパターンを形成し、ここに画素部用インクもし
くは遮光部用インク等を付着させて得られるカラーフィ
ルタ用部材であってもよい。この場合であっても、光触
媒として上述したような二酸化チタンを用いることが好
ましいが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光
触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線
光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)
元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500
以上、このましくは800以上、特に好ましくは120
0以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表
面に含まれていることが好ましい。
【0045】フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含
まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張
力を十分低くすることが可能となることから表面におけ
る撥インク性を確保でき、これによりエネルギーをパタ
ーン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分に
おける表面の親インク性領域との濡れ性の差異を大きく
することができ、最終的に得られるカラーフィルタの品
質を向上させることができるからである。
【0046】さらに、このようなカラーフィルタ用部材
の製造方法においては、エネルギーをパターン照射して
形成される親インク領域におけるフッ素含有量が、チタ
ン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素
が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10
以下となる比率で含まれていることが好ましい。
【0047】光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程
度低減することができれば、画素部等を形成するために
は十分な親インク性を得ることができ、上記エネルギー
が未照射である部分の撥インク性との濡れ性の差異によ
り、画素部等を精度良く形成することが可能となり、最
終的に品質の良好なカラーフィルタを得ることができ
る。
【0048】本発明において、光触媒含有層に使用する
バインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解
されないような高い結合エネルギーを有するものが好ま
しく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまた
はアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強
度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や
撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポ
リシロキサン等を挙げることができる。
【0049】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0050】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;お
よび、それらの部分加水分解物;および、それらの混合
物を使用することができる。
【0051】また、バインダとして、特にフルオロアル
キル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いること
ができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤と
して知られたものを使用することができる。
【0052】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
Si CH3(OCH32;(CF32CF(CF28
CH2CH2Si CH3(OCH32;CF3(C64
24SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C6
4)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OC
33
【0053】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
光触媒含有層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、
遮光部用塗料や画素部形成用インクの付着を妨げる機能
を発現する。
【0054】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0055】
【化1】
【0056】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0057】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合して
もよい。
【0058】本発明で製造されるカラーフィルタ用部材
においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種
々のバインダを光触媒含有層に用いることができる。本
発明においては、上述したように、このようなバインダ
および光触媒を含む光触媒含有層にフッ素を含有させ、
エネルギーをパターン照射することにより光触媒含有層
表面のフッ素を低減させ、これにより撥インク性領域内
に親インク性領域を形成するようにしてもよい。この
際、光触媒含有層中にフッ素を含有させる必要がある
が、このようなバインダを含む光触媒含有層にフッ素を
含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有
するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エ
ネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギー
で結合されたフッ素化合物を光触媒含有層に混入させる
方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素
を導入することにより、エネルギーが照射された場合
に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位
が分解され、これによりフッ素を光触媒含有層中から除
去することができるからである。
【0059】上記第1の方法、すなわち、高い結合エネ
ルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的
弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オ
ルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基と
して導入する方法等を挙げることができる。
【0060】例えば、オルガノポリシロキサンを得る方
法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル
反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分
解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロ
キサンを得ることができる。ここで、この方法において
は、上述したように上記一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは
共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサン
を得るのであるが、この一般式において、置換基Yとし
てフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成
することにより、フルオロアルキル基を置換基として有
するオルガノポリシロキサンを得ることができる。この
ようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガ
ノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネ
ルギーが照射された際、光触媒含有層中の光触媒の作用
により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解さ
れることから、光触媒含有層表面にエネルギーを照射し
た部分のフッ素含有量を低減させることができる。
【0061】この際用いられるフルオロアルキル基を有
する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有する
ものであれば特に限定されるものではないが、少なくと
も1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアル
キル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、
特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用
いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通
りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロア
ルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロア
ルキルシランが好ましい。
【0062】本発明においては、このようなフルオロア
ルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキ
ル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共
加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用
いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する
珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分
解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキ
サンとして用いてもよい。
【0063】このようにして得られるフルオロアルキル
基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオ
ルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記
フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル
%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていること
が好ましい。
【0064】フルオロアルキル基がこの程度含まれるこ
とにより、光触媒含有層上の撥インク性を高くすること
ができ、エネルギーを照射して親インク性領域とした部
分との濡れ性の差異を大きくすることができるからであ
る。
【0065】また、上記(2)に示す方法では、撥水牲
や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋することによ
りオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合
も同様に、上述した一般式中のR1,R2のいずれかもし
くは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置
換基とすることにより、光触媒含有層中にフッ素を含ま
せることが可能であり、またエネルギーが照射された場
合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフル
オロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照
射により光触媒含有層表面におけるフッ素の含有量を低
下させることができる。
【0066】一方、後者の例、すなわち、バインダの結
合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合
物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ
素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活
性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子
量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ
樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を
挙げることができる。
【0067】本発明において光触媒含有層には上記の光
触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることが
できる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKK
OLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素
系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子
(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ
化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネ
オス(株)製フタージェントF−200、F251、ダ
イキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、
スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等
のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもで
きる。
【0068】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0069】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0070】(光触媒含有層の塗布方法)本発明におい
て、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを必要に応
じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して光触媒含有層
形成用塗布液を調製し、この光触媒含有層形成用塗布液
を塗布することにより形成することができる。使用する
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアル
コール系の有機溶剤が好ましい。
【0071】塗布方法としては、スピンコート、スプレ
ーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコー
ト等の公知の塗布方法により行うことが可能であるが、
連続式で製造するに際して最も取扱やすいダイコート法
が好適に用いられる。
【0072】3.光触媒含有層硬化工程 次に、上述した光触媒含有層塗布工程により基材上に塗
布された光触媒含有層形成用塗布液を硬化させる光触媒
含有層硬化工程を行う。
【0073】この光触媒含有層硬化工程は、光触媒含有
層形成用塗布液中のバインダの種類や溶剤の有無等によ
り異なるものである。例えば、バインダとして紫外線硬
化型の成分を含有している場合、紫外線を照射すること
が光触媒含有層硬化工程となり、これにより硬化処理を
施すことが可能となり光触媒含有層を形成することがで
きる。また、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコ
キシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮
するオルガノポリシロキサンをバインダとする場合は、
光触媒含有層形成用塗布液を基材上に上述したようにし
て塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行させ、バイ
ンダ中に光触媒を強固に固定することにより光触媒含有
層硬化工程とすることができる。
【0074】ここで、上記基材供給工程、光触媒含有層
塗布工程、および光触媒含有層硬化工程について、その
一例を図1を用いて説明する。基材1は、基材供給ロー
ル2から巻き出されて連続的に供給されるようになって
いる(基材供給工程)。この連続的に供給される基材1
上に、ダイコート装置3を用いて光触媒含有層形成用塗
布液を塗布する(光触媒含有層塗布工程)、次いで光触
媒含有層形成用塗布液が塗布された基材1は、加熱炉4
内に導入されて光触媒含有層形成用塗布液を硬化させる
(光触媒含有層硬化工程)。このように、光触媒含有層
が形成された基材1は、次の工程に進むために、一旦巻
き取られる。なお、この例においては、光触媒含有層が
形成された基材1は、一旦巻き取られるが、本発明にお
いてはこれに限定されるものではなく、連続してつぎの
露光工程に送られても良い。
【0075】4.露光工程 このようにして光触媒含有層が形成された基材は、その
表面にエネルギーをパターン照射する露光工程が施され
る。
【0076】本発明においては、光触媒含有層に照射す
るエネルギーとしては、紫外光を含む光を用いることが
できる。このような紫外光を含む光源としては、例え
ば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ等を挙げることができる。この露光に用いる光の波長
は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の
範囲から設定することができ、また、露光に際しての光
の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により親イ
ンク性を発現するのに必要な照射量とすることができ
る。
【0077】エネルギーをパターン照射する方法として
は、上述したような光源を用い、フォトマスクを介した
パターン照射により行うことができるが、他の方法とし
て、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてパターン状
に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0078】このように露光工程を行うことにより、光
触媒含有層上にパターン状に親インク性領域が形成され
る。
【0079】5.第1インク塗布工程および第1インク
硬化工程 次いで、上記親インク性領域とされた光触媒含有層上に
第1インクを塗布する第1インク塗布工程が行われる。
【0080】この第1インク塗布工程を行う方法は、上
記露光工程により親インク性領域とされた部分にインク
を塗布することができる方法であれば、種々の吐出法等
特に限定されるものではない。しかしながら、本発明に
おいては、印刷法による方法と、インクジェット法によ
る方法との二つの方法のいずれかを用いることが好まし
い。
【0081】(印刷法)まず、印刷法による場合につい
て説明する。図2は、第1インク塗布工程を印刷法によ
り行う例の一例を示すものである。上述した光触媒含有
層硬化工程により光触媒含有層が表面に形成された基材
1上に、フォトマスク5を介して露光する(露光工
程)。次いで、露光により光触媒含有層が親インク性領
域となった部分に、印刷装置6により第1インクを塗布
する(第1インク塗布工程)。次いで、紫外線照射等を
行い第1インクを硬化させる(第1インク硬化工程)。
そして、最終的に巻き取りロール7により巻き取られ
る。
【0082】本発明に用いられる印刷装置としては、特
に限定されるものではなく、版式としては凸版、平版、
孔版もしくは凹版であっても、また転写法としてはじか
刷りもしくはオフセットであっても、さらには加圧方式
が平圧、円圧、もしくは輪転であってもよい。
【0083】ただし、本発明においては、用いるインク
の粘度との関係で、凹版を用いた印刷装置であることが
好ましい。これは、以下の理由によるものである。すな
わち、凹版を用いた印刷方式は、他の凸版、平版もしく
は孔版を用いた印刷方式と比較して、用いるインクの粘
度が低い。本発明においては、インクを親インク性領域
内に均一に延び広がらせることにより、色抜け等のない
高品質のカラーフィルタ用部材とするものであるので、
インクの粘度がある程度低い方が好ましい。したがっ
て、本発明においては、凹版を用いた印刷装置が好まし
いのである。
【0084】本発明に用いられるインクとしては、上述
した理由から粘度がある程度低いインクの方が、本発明
の利点を得るうえで好ましい。したがって、上述したよ
うに凹版を用いた印刷装置に用いられるインクの粘度と
しては、0.1〜10ポイズの範囲内、特に0.1〜5
ポイズの範囲内、中でも0.1〜1ポイズの範囲内であ
ることが好ましい。
【0085】また、このように印刷装置によりインクを
付着させる場合においては、この付着したインクの幅
が、最終的に形成される画素部、遮光部等の幅、すなわ
ち露光により親インク性とされた親インク性領域の幅よ
り狭いことが好ましい。このように付着するインクの幅
を狭くすることにより、付着したインクが徐々に親イン
ク性領域内に広がり均一に画素部、遮光部等を形成する
ことが可能であり、また幅を狭くすることにより印刷の
位置決め精度に余裕を持たせることができるからであ
る。
【0086】印刷法を用いた場合に用いられる第1イン
クとしては、大きく水性、油性に分類されるが、本発明
においてはいずれのインクであっても用いることができ
る。また、乾燥機構別に、酸化重合型、蒸発乾燥型、熱
重合型、光・放射線重合等のインクを用いることができ
る。
【0087】本発明においては、中でもUV硬化性イン
クを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いる
ことにより、各種印刷方式により着色して画素部を形成
後、UVを照射することにより、素早くインクを硬化さ
せることができ、すぐに次の工程に送ることができる。
したがって、効率よくカラーフィルタ用部材を製造する
ことができるからである。
【0088】このようなUV硬化性インクは、プレポリ
マー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするも
のである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリ
レート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレー
ト、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、
シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特
に限定することなく用いることができる。
【0089】モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル
等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマ
ー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリス
トールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマー
を用いることができる。上記プレポリマー及びモノマー
は単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0090】光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエ
ーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェ
ニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチ
オキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピ
ルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置
換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケト
ン等の中から所望の硬化特性、記録特性が得られるもの
を選択して用いることができる。その他必要に応じて脂
肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサン
ソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0091】上記第1インクは、これに限定されるもの
ではないが、通常、画素部形成用インク、もしくは遮光
部形成用インクが用いられる。
【0092】通常、画素部形成用インクは、赤(R)、
緑(G)、および青(B)の3色が用いられ、顔料およ
び/または染料が含有され、着色されてなるものであ
る。画素部形成用インクによる着色パターン、着色面積
は任意に設定することができる。
【0093】一方、遮光部形成用インクは、樹脂バイン
ダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔
料等の遮光性粒子を含有させたインクである。用いられ
る樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルア
ルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を
1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さら
にはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応
性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いること
ができる。
【0094】印刷法により塗布された第1インクの硬
化、すなわち第1インク硬化工程は、インクの種類に応
じた硬化方法が採用され、例えば、バインダが熱硬化性
樹脂であれば加熱する方法が採用され、またバインダが
紫外線硬化型の樹脂であれば紫外線の照射がなされる。
【0095】(インクジェット法)次に、インクジェッ
ト法による場合について説明する。インクジェット法に
よる場合は、上記印刷装置6の代わりにインクジェット
装置を用いる。
【0096】本発明に用いられるインクジェット装置と
しては、特に限定されるものではないが、帯電したイン
クを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素
子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加
熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種
の方法を用いたインクジェット装置を用いることができ
る。
【0097】また、この場合の第1インクは、インクジ
ェット法のインクとなる。このインクジェット法のイン
クとしては、大きく水性、油性に分類されるが、本発明
においてはいずれのインクであっても用いることができ
るが、表面張力の関係から水をベースとした水性のイン
クが好ましい。
【0098】本発明で用いられる水性インクには、溶媒
として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒
を用いることがきる。一方、油性インクにはへッドのつ
まり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが
好ましく用いられる。このようなインクジェット方式の
インクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く
用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に
可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その
他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整
剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整
剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0099】また、通常のインクジェット方式のインク
は適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できない
が、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒さ
せることで着色剤自身に定着能を持たせることができ
る。このようなインクも本発明においては用いることが
できる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性
インクを用いることもできる。
【0100】インクジェット法においても、第1インク
として用いるインクは硬化が早く効率的である点からU
V硬化性インクが好ましい。このUV硬化性インクに関
する説明は、上記印刷法の場合と同様であるので、ここ
での説明は省略する。
【0101】インクジェット法においても、上記第1イ
ンクは、これに限定されるものではないが、通常、画素
部形成用インク、もしくは遮光部形成用インクが用いら
れる。
【0102】印刷法の場合と同様に、通常、画素部形成
用インクは、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3
色が用いられ、顔料および/または染料が含有されて着
色されてなるものである。画素部形成用インクによる着
色パターン、着色面積は任意に設定することができる。
また、遮光部形成用インクに関しても、印刷法の場合と
同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0103】インクジェット法により塗布された第1イ
ンクの硬化、すなわち第1インク硬化工程も、印刷法の
場合と同様にインクの種類に応じた硬化方法が採用され
て硬化が行われる。
【0104】6.カラーフィルタ用部材 上述したような各工程を経ることにより、基材上にカラ
ーフィルタの構成部材が形成されたカラーフィルタ用部
材が連続的に製造される。ここで、カラーフィルタ用部
材とは、上述したように基材上にカラーフィルタの構成
部材、具体的には赤、青、および緑の三色からなる画素
部や、ブラックマトリックスと称される遮光部が形成さ
れた部材をいい、これらは、さらに他の部材が形成され
ることにより最終的にカラーフィルタとされるものであ
る。
【0105】上述した例では、第1インクを画素部形成
用インクとした場合は、基材上に画素部が形成されたカ
ラーフィルタ用部材が製造され、第1インクとして遮光
部形成用インクを用いた場合は、遮光部が形成されたカ
ラーフィルタ用部材が製造される。
【0106】このようなカラーフィルタ用部材に、カラ
ーフィルタに必要な他の部材を基材上に形成することに
よりカラーフィルタを形成することができる。
【0107】7.追加の工程 本発明においては、上述したカラーフィルタ用部材の製
造方法にさらに工程を追加して、二つ目のカラーフィル
タの構成部材を形成したカラーフィルタ用部材の製造方
法をも提供する。この二つ目の構成部材の形成には、光
触媒含有層を再度塗布するか否かにより二つの実施態様
がある。以下、これをそれぞれについて説明する。
【0108】(1)第1実施態様 まず、光触媒含有層を再度塗布しない態様(以下、第1
実施態様とする。)について説明する。
【0109】この第1実施態様は、上記第1インク硬化
工程の後、エネルギーを照射して光触媒含有層上にさら
に親インク性領域を形成する再露光工程と、上記再露光
工程により親インク性となった光触媒含有層上の親イン
ク性領域に第2インクを塗布する第2インク塗布工程
と、塗布した第2インクを硬化させる第2インク硬化工
程とを有するものである。
【0110】この第1実施態様について、図3を用いて
説明する。上記第1インク硬化工程が施された後の基材
1が巻き取られた巻き取りロールから、第1インク硬化
工程によりカラーフィルタ用の構成物8、具体的には第
1インクが画素部形成用インクの場合は画素部、第1イ
ンクが遮光部形成用インクの場合は遮光部が形成された
基材1を連続的に供給して、再度フォトマスク5を介し
てパターン露光を行う(再露光工程)。そして、この再
露光工程により親インク性領域となった部分にインクジ
ェット装置9を用いて第2インクを塗布する(第2イン
ク塗布工程)。そして、この第2インクを硬化させるこ
とにより(第2インク硬化工程)、基材上に2種類(第
1インクを硬化させて得られた構成物と、第2インクを
硬化させて得られた構成物)のカラーフィルタの構成物
が設けられたカラーフィルタ用部材が製造され、巻き取
りロールにより巻き取られる。
【0111】上記再露光工程に用いられるエネルギーの
種類およびパターン露光の方法等は上記露光工程と同様
であるので、ここでの説明は省略する。なお、この再露
光工程は、上記第1インク硬化工程において形成された
カラーフィルタの構成物以外の光触媒含有層が露出され
ている部分をパターン露光するものである。
【0112】上記第2インク塗布工程については、上記
図3に示す例では、インクジェット法を用いているが、
本発明においてはこれに限定されるものではなく、イン
クを親インク性領域となった部位に付着させることがで
きる方法であれば特に限定されるものではない。しかし
ながら、上記第1インク塗布工程で説明したように、本
発明においては、印刷法およびインクジェット法により
塗布する方法が好ましい。この場合の印刷法およびイン
クジェット法に関しては、上述した第1インク塗布工程
において説明したものと同様であるので、ここでの説明
は省略する。また、用いるインクの種類等も第1インク
塗布工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0113】そして第2インク硬化工程により塗布した
インクを硬化させることにより2種類目のカラーフィル
タの構成物を基材上に形成することができる。ここでの
硬化法等も上述した第1インク硬化工程のものと同様で
あるので、ここでの説明は省略する。
【0114】本実施態様においては、第1インクが画素
部形成用インクであり、かつ第2インクが遮光部形成用
インクである場合、もしくは第1インクが遮光部形成用
インクであり、第2インクが画素部形成用インクである
場合のいずれかの場合が特に好ましい。画素部および遮
光部はカラーフィルタにおいて主要な部材であり、これ
らを光触媒含有層を用いて精度良く形成することが重要
だからである。
【0115】(第2実施態様)次に、光触媒含有層を再
度塗布する態様(以下、第2実施態様とする。)につい
て説明する。
【0116】第2実施態様は、上記第1インク硬化工程
の後、光触媒含有層形成用塗布液を再度塗布する第2光
触媒含有層塗布工程と、上記塗布された光触媒含有層形
成用塗布液を硬化させる第2光触媒含有層硬化工程と、
硬化した上記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照
射する再露光工程と、エネルギーをパターン照射して親
インク性となった光触媒含有層上の親インク性領域に第
2インクを塗布する第2インク塗布工程と、塗布した第
2インクを硬化させる第2インク硬化工程とを有するも
のである。
【0117】この第2実施態様について、図4を用いて
説明する。図4(a)および(b)は、上述した第1イ
ンク硬化工程までの工程を説明するものであり、基材供
給工程により供給された基材1上に光触媒含有層10を
形成し(光触媒含有層塗布工程および光触媒含有層硬化
工程)、フォトマスク5を用いて露光を行う(露光工
程)。露光により親インク性領域とされた部分11に第
1インク、この場合は遮光部形成用インクを塗布して硬
化させ、遮光部12を形成する(第1インク塗布工程お
よび第1インク硬化工程)。
【0118】そして、このように第1インク硬化工程の
後、再度光触媒含有層形成用塗布液を塗布して硬化させ
て第2光触媒含有層13を形成する(第2光触媒含有層
塗布工程および第2光触媒含有層硬化工程)。そして、
形成された第2光触媒含有層13上に、再度フォトマス
ク5’(上記露光工程とは異なるフォトマスク)を用い
て露光を行う(再露光工程)(図4(c))。これによ
り、第2光触媒含有層13がパターン状に露光されて、
親インク性領域14が形成される(図4(d))。この
親インク性領域14上に第2インク、この場合は画素部
形成用インクを塗布し、硬化させることにより画素部1
5が形成される(第2インク塗布工程および第2インク
硬化工程)(図4(e))。
【0119】ここで、第2光触媒含有層塗布工程および
第2光触媒含有層硬化工程は、上述した光触媒含有層塗
布工程および光触媒含有層硬化工程と同様の工程となる
ので、ここでの説明は省略する。また、上記第2光触媒
含有層に対して露光を行う再露光工程についても、上記
露光工程と照射するエネルギー、パターン照射の方法等
が同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0120】そして、再露光工程により親インク性領域
となった部分に第2インクを塗布する第2インク塗布工
程を行い、その後第2インク硬化工程を行うのである
が、この場合の塗布方法、第2インクの種類、硬化方法
に関しては、上記第1実施態様と同様であるのでここで
の説明は省略する。
【0121】本実施態様においても、上述した第1実施
態様と同様に、第1インクが画素部形成用インクであ
り、かつ第2インクが遮光部形成用インクである場合、
もしくは第1インクが遮光部形成用インクであり、第2
インクが画素部形成用インクである場合のいずれかの場
合が特に好ましい。
【0122】なお、本発明においては、遮光部に重なる
ように画素部を形成することが可能であり色抜け等を防
止できる点等の面からは、上記第2実施態様が好まし
く、光触媒含有層が一層のみで良くコスト的に有利であ
る点からは、上記第1実施態様が好ましいといえる。
【0123】8.他の製造方法 本発明においては、予め長尺の透明基材上に遮光部が形
成されたものを用いてもよい。具体的には、基材表面に
クロム等の金属をスパッタリング法、真空蒸着法等によ
り形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成
されたもの等を挙げることができる。このような金属製
の遮光部の膜厚は。一般的には、1000〜2000Å
程度である。
【0124】このような透明基材を用い、上述した方法
と同様にして光触媒含有層塗布工程、光触媒含有層硬化
工程を行い光触媒含有層を形成し、次いで上述した方法
と同様にして露光工程を行い、そして露光工程により親
インク性領域となった部分に、画素部形成用インクを塗
布する画素部形成用インク塗布工程を行う。この画素部
形成用インク塗布工程は、上記第1インク塗布工程と同
様の方法により行うことができる。また用いるインクは
上記第1インクが画素部形成用インクである場合と同様
である。そして、上述した方法と同様にして画素部形成
用インク硬化工程を行うことにより、遮光部および画素
部が形成されたカラーフィルタ用部材が製造される。
【0125】この製造方法により得られるカラーフィル
タ用部材は、遮光部に重なるように画素部を形成するこ
とが可能であるので、色抜け等の不具合を防止すること
が可能であり、また光触媒含有層が一層のみで形成でき
る点で好ましいといえる。
【0126】9.その他 本発明においては、上述した工程の最後に、最後の工程
として製造されたカラーフィルタ用部材を巻き取る巻き
取り工程を有するようにしてもよい。
【0127】また、本発明においては、例えば光触媒含
有層硬化工程後に巻き取り工程を設けても良く、また第
1インク硬化工程後に巻き取り工程を設けてもよい。一
方、途中に巻き取り工程を設けずに、連続して基材供給
工程から上記第1実施態様もしくは第2実施態様の第2
インク硬化工程までを連続して行うようにしてもよい。
【0128】また、他のカラーフィルタの構成部材、例
えば透明電極層、スペーサ、保護層等を形成する工程を
上述した工程の前後に設けるようにしてもよい。
【0129】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0130】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。
【0131】1.光触媒含有層の形成 イソプロピルアルコール3gとフルオロアルキルシラン
(トーケムプロダクツ(株)製、商品名:MF−160
E、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N
−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプ
ロピルエーテル50重量%溶液)0.001g、酸化チ
タンゾル(石原産業(株)製、商品名:ST−K01)
2gを混合し、100℃で20分間撹拌した。
【0132】この溶液を厚さ0.1mm、幅400m
m、長さ200mmのPETフィルム(ポリエチレンテ
レフタレート、商品名:ルミラー、東レ製)上にダイコ
ート法により塗布し、その後150℃の乾燥炉中を20
分間かけて通過させ、厚さ0.15μmの光触媒含有層
を得た。
【0133】この光触媒含有層の40mN/mの濡れ指
数標準液(純正化学株式会社製)に対する接触角を接触
角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて
測定した結果、70°であった。
【0134】次いで、この光触媒含有層表面に超高圧水
銀ランプにより20mW/cm2(365nm)の照度
で紫外線照射を行った結果、40mN/mの濡れ指数標
準液に対する接触角を0°になるまでに120秒要し
た。
【0135】2.遮光部(ブラックマトリックス、BM
と省略する場合有り)の形成 次に、このPET上の光触媒含有層を、ブラックマトリ
ックス用マスクを介して水銀灯(波長365nm)によ
り照射(70mW/cm2の照度で50秒間)して、B
Mのパターンを親インク性領域とした(水の接触角に換
算して10°以下)とした。
【0136】次に、下記組成のBM形成用塗布液を上記
BMパターンに合わせて作製したフレキソ印刷版上に付
着させ、それを上記光触媒含有層の親インク性領域に転
写させてPETフィルム上のBMパターンを形成した。
このように印刷されたBM形成用塗布液は、親インク性
領域からはみ出した部分に関しては光触媒含有層の未露
光部である撥インク性領域においてはじかれ、露光部位
である親インク性領域のみに選択的に付着した。その
後、60℃。3分間の乾燥を行い、水銀ランプで露光す
ることにより、BM形成用塗布液を硬化させ、さらに1
50℃、30分間の加熱処理を施してBM(遮光部)を
形成した。
【0137】 (BM形成用塗布液の組成) ・カーボンブラック(三菱化学(株)製、#950) : 4重量部 ・ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、商品名:ゴーセノールAH― 26) : 0.7重量部 ・イオン交換水 : 95.3重量部 3.第2光触媒含有層の形成 次に、上記BMパターンが形成されたPETフィルム上
に上記光触媒含有層用塗布液をダイコート法により塗布
し、その後150℃の乾燥炉中を20分間かけて通過さ
せ乾燥させ、BMパターン上に厚さ0.15μmの第2
光触媒含有層を得た。
【0138】4.画素部の形成 次に、上記第2光触媒含有層に対し、画素部形成用のフ
ォトマスクを用いて、水銀灯(波長365nm)により
照射(70mW/cm2の照度で50秒間)して、画素
部が形成される部位を親インク性領域(水の接触角に換
算して10°以下)とした。
【0139】このマスク上の赤色画素部、緑色画素部、
および青色画素部は隣接して形成されており、各色の画
素部の間隔はブラックマトリックス線幅以下で形成され
ている。
【0140】一方、1gのC.I.ピグメントレッド168
を、水系エマルジョンシリコーン(信越化学工業(株)
製、商品名:K−768)を水で3倍に希釈した水溶液
10gに混合し、得られた混合物を3本ロールで練肉分
散した後、12000 r.p.m.で遠心分離を行い、その後、1
μmのグラスフィルターで濾過した。得られた水性着色
樹脂溶液に、硬化触媒としてCatalyst PM-6A : Catalys
t PM-6B =4:6(信越化学工業(株)製)を0.1g
添加して、赤色画素部用の塗布液(熱硬化性樹脂組成
物)を調製した。
【0141】次に、1gのC.I.ピグメントブルー60
を、水系エマルジョンシリコーン(信越化学工業(株)
製、商品名:K−768)を水で3倍に希釈した水溶液
10gに混合し、上記赤色画素部用の塗布液と同様にし
て、青色画素部用の塗布液(熱硬化性樹脂組成物)を調
製した。
【0142】次に、1gのリオノールグリーン2Y−3
01(東洋インク製造(株)製)をポリビニルアルコー
ル(平均重合度1750、ケン化度88モル%)の10
重量%水溶液10gに混合し、得られた混合物を3本ロ
ールで練肉分散した後、12000r.p.m.で遠心分離を行
い、その後、1μmのグラスフィルターで濾過した。得
られた水性着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸ア
ンモニウムを1重量%添加して、緑色画素部用の塗布液
(感光性樹脂組成物)を調製した。
【0143】次に、上記の赤色、青色、および緑色画素
部用の塗布液を吐出ノズルにより各色の親インク性領域
に相当する箇所に選択的に滴下した。その後、150
℃、20分間の加熱処理を行い、RGB三色の画素部を
第2光触媒含有層上に形成した。
【0144】上記実施例により得られたカラーフィルタ
用部材を用いて形成したカラーフィルタは、可撓性のあ
る薄膜上に形成したにもかかわらず高精度で高品質のも
のであった。
【0145】
【発明の効果】本発明においては、光触媒含有層を用い
て連続してカラーフィルタ用部材を製造するものである
ので、より低コストでカラーフィルタ用部材を形成する
ことが可能となり、その結果、最終的に得られるカラー
フィルタのコストダウンを図ることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタ用部材の製造方法にお
ける基材供給工程、光触媒含有層塗布工程、および光触
媒含有層硬化工程の一例を説明するための概略斜視図で
ある。
【図2】本発明のカラーフィルタ用部材の製造方法にお
ける露光工程、第1インク塗布工程、および第1インク
硬化工程の一例を説明するための概略斜視図である。
【図3】本発明のカラーフィルタ用部材の製造方法にお
ける再露光工程、第2インク塗布工程、および第2イン
ク硬化工程の一例を説明するための概略斜視図である。
【図4】本発明のカラーフィルタ用部材の製造方法の一
例を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1…基材 3…ダイコート装置 4…加熱炉 5…フォトマスク 6…印刷装置 9…インクジェット装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FB01 FB08 2H048 BA57 BA58 BA60 BA64 BB02 BB15 BB42 2H091 FA02Y FC01 FC29 LA12 2H113 AA01 AA04 BA05 BA09 BA47 BB08 BB22 BC00 BC10 CA17 DA04 DA07 FA10 FA35 FA36 FA42 FA48

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブ状の基材を連続的に供給する基材
    供給工程と、前記連続的に供給されたウェブ状の基材表
    面に、少なくとも光触媒とバインダとからなり、かつエ
    ネルギーの照射により液体との接触角が低下するように
    濡れ性が変化する光触媒含有層形成用の光触媒含有層形
    成用塗布液を塗布する光触媒含有層塗布工程と、前記基
    材表面に塗布された光触媒含有層形成用塗布液を硬化さ
    せる光触媒含有層硬化工程と、硬化した前記光触媒含有
    層上にエネルギーをパターン照射する露光工程と、エネ
    ルギーをパターン照射して親インク性となった光触媒含
    有層上の親インク性領域に第1インクを塗布する第1イ
    ンク塗布工程と、塗布した第1インクを硬化させる第1
    インク硬化工程とを有することを特徴とするカラーフィ
    ルタ用部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1インクが、画素部形成用インク
    または遮光部形成用インクであることを特徴とする請求
    項1記載のカラーフィルタ用部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1インク硬化工程の後、エネルギ
    ーを照射して光触媒含有層上にさらに親インク性領域を
    形成する再露光工程と、前記再露光工程により親インク
    性となった光触媒含有層上の親インク性領域に第2イン
    クを塗布する第2インク塗布工程と、塗布した第2イン
    クを硬化させる第2インク硬化工程とを有することを特
    徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用部材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1インク硬化工程の後、光触媒含
    有層形成用塗布液を再度塗布する第2光触媒含有層塗布
    工程と、前記塗布された光触媒含有層形成用塗布液を硬
    化させる第2光触媒含有層硬化工程と、硬化した前記光
    触媒含有層上にエネルギーをパターン照射する再露光工
    程と、エネルギーをパターン照射して親インク性となっ
    た光触媒含有層上の親インク性領域に第2インクを塗布
    する第2インク塗布工程と、塗布した第2インクを硬化
    させる第2インク硬化工程とを有することを特徴とする
    請求項1記載のカラーフィルタ用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1インクが遮光部形成用インクで
    あり、前記第2インクが画素部形成用インクであること
    を特徴とする請求項3または請求項4記載のカラーフィ
    ルタ用部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1インクが画素部形成用インクで
    あり、前記第2インクが遮光部形成用インクであること
    を特徴とする請求項3または請求項4記載のカラーフィ
    ルタ用部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 遮光部が予め形成されたウェブ状の基材
    を連続的に供給する基材供給工程と、前記連続的に供給
    されたウェブ状の基材表面に、少なくとも光触媒とバイ
    ンダとからなり、かつエネルギーの照射により液体との
    接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層
    形成用の光触媒含有層形成用塗布液を塗布する光触媒含
    有層塗布工程と、前記基材表面に塗布された光触媒含有
    層形成用塗布液を硬化させる光触媒含有層硬化工程と、
    硬化した前記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照
    射する露光工程と、エネルギーをパターン照射して親イ
    ンク性となった光触媒含有層上の親インク性領域に画素
    部形成用インクを塗布する画素部形成用インク塗布工程
    と、塗布した画素部形成用インクを硬化させる画素部形
    成用インク硬化工程とを有することを特徴とするカラー
    フィルタ用部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材が可撓性を有し、かつその肉厚
    が200μm以下であることを特徴とする請求項1から
    請求項7までのいずれかの請求項に記載のカラーフィル
    タ用部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 最後の工程として連続して供給されるウ
    ェブ状の基材を巻き取る巻取工程を有することを特徴と
    する請求項8記載のカラーフィルタ用部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1インク塗布工程、第2インク
    塗布工程、および画素部形成用インク塗布工程の少なく
    ともいずれかが、インクジェット法で行われることを特
    徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項
    に記載のカラーフィルタ用部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1インク塗布工程、第2インク
    塗布工程、および画素部形成用インク塗布工程の少なく
    ともいずれかが、印刷法で行われることを特徴とする請
    求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の
    カラーフィルタ用部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
    2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チ
    タン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングス
    テン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸
    化鉄(Fe23)から選択される1種または2種以上の
    物質であることを特徴とする請求項1から請求項11ま
    でのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用部材の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記光触媒が酸化チタン(TiO2
    であることを特徴とする請求項12記載のカラーフィル
    タ用部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記バインダが、YnSiX(4-n)(こ
    こで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル
    基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、X
    はアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3ま
    での整数である。)で示される珪素化合物の1種または
    2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物で
    あるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請
    求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の
    カラーフィルタ用部材の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒含有層上における表面張力
    40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射さ
    れていない部分において10度以上であり、エネルギー
    が照射された部分において10度未満であることを特徴
    とする請求項1から請求項14までのいずれかの請求項
    に記載のカラーフィルタ用部材の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記請求項1から請求項15までのい
    ずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用部材の製造方
    法により得られるカラーフィルタ用部材を具備すること
    を特徴とするカラーフィルタ。
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