JP2003122013A - 化学増幅型ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

化学増幅型ポジ型レジスト組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高解像度を維持したまま、非常に高感度化され
たポジ型レジスト組成物を提供する。 【解決手段】下式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
もよい炭化水素基を表す。)で示される化合物、(B)
それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸
の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、及び
(C)第4級アンモニウム塩を含有する化学増幅型ポジ
型レジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線(g線、i
線、エキシマレーザー等を含む)、電子線、X線又は放
射光のような高エネルギーの放射線によって作用するリ
ソグラフィーなどに適したレジスト組成物であって、特
にg線、i線での露光に好適なレジスト組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶素子などの製造においては、
ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤からな
るポジ型レジスト組成物が用いられている。液晶素子な
どの製造において用いられるレジスト組成物は、高感度
かつ高解像度であることが望ましい。しかしながら、こ
れらノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤か
らなるレジスト組成物は、一般的にみて高感度と高解像
度を両立させることが困難であり、高感度にすることに
より解像度の低下を招きやすかった。また、ポジ型レジ
ストとしては、アルカリ水溶液に対して不溶性又は難溶
性の状態から酸の作用でアルカリ可溶性となる樹脂と酸
発生剤を含む化学増幅型レジストもあった。しかし、こ
の系において、酸発生剤として、下式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
もよい炭化水素基を表す。)で表される化合物を用いた
場合は、レジストのプロファイルが極端に悪化し、目的
の解像度が得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高解
像度を維持したまま、非常に高感度化されたポジ型レジ
スト組成物を提供することにある。
【0004】本発明者らは、このような目的を達成でき
るように、鋭意研究を行った結果、下式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
もよい炭化水素基を表す。)で表される化合物、それ自
身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用
によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂に加え、第4級
アンモニウム塩を含有したポジ型レジスト組成物が高解
像度を維持したまま非常に高感度化できることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
もよい炭化水素基を表す。)で示される化合物、(B)
それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸
の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、及び
(C)第4級アンモニウム塩を含有する化学増幅型ポジ
型レジスト組成物に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のレジスト組成物におい
て、樹脂成分は、それ自体ではアルカリに対して不溶性
又は難溶性であるが、酸の作用により化学変化を起こし
てアルカリ可溶性となるものである。そのような樹脂の
例としては、フェノール骨格を有する樹脂や(メタ)ア
クリル酸骨格を有する樹脂のようなアルカリ水溶液に可
溶の樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂ということがあ
る。)に、酸の作用により解裂しうる保護基を導入した
ものでありうる。このような、アルカリ現像液に対して
は溶解抑止能を持つが、酸に対しては不安定な基は、公
知の各種保護基であることができる。例えば、tert−ブ
チル、tert−ブトキシカルボニル又はtert−ブトキシカ
ルボニルメチルのような4級炭素が酸素原子に結合する
基;テトラヒドロ−2−ピラニル、テトラヒドロ−2−
フリル、1−エトキシエチル、1−(2−メチルプロポ
キシ)エチル、1−(2−メトキシエトキシ)エチル、
1−(2−アセトキシエトキシ)エチル、1−〔2−
(1−アダマンチルオキシ)エトキシ〕エチル又は1−
〔2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)エトキ
シ〕エチルのようなアセタール型の基;3−オキソシク
ロヘキシル、4−メチルテトラヒドロ−2−ピロン−4
−イル(メバロニックラクトンから導かれる)又は2−
メチル−2−アダマンチル、2−エチル−2−アダマン
チルのような非芳香族環状化合物の残基などが挙げられ
る。これらの基の中で、露光後の引き置き耐性が高いこ
とから、1−エトキシエチル基が好ましく、本発明にお
ける(B)成分として、フェノール性水酸基を1−エト
キシエチル基で部分的に保護した構造を有する重合単位
を含む樹脂が好ましい。具体的には、(B)成分とし
て、ポリビニルフェノールの水酸基を1−エトキシエチ
ル基で部分的に保護した樹脂、又はノボラック樹脂の水
酸基を1−エトキシエチル基で部分的に保護した樹脂が
好ましい。これらの基がフェノール性水酸基の水素又は
カルボキシル基の水素に置換することになる。これらの
保護基は、公知の保護基導入反応によって、フェノール
性水酸基又はカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹
脂に導入することができる。また、このような基を有す
る不飽和化合物を一つのモノマーとする共重合によっ
て、上記の樹脂を得ることもできる。
【0007】本発明のレジスト組成物において、本発明
の効果を損なわない範囲でアルカリ可溶性樹脂をバイン
ダー成分として含有することができる。含有してもよい
アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂等が挙げ
られる。ノボラック樹脂は、通常は、フェノール系化合
物とアルデヒドとを酸触媒の存在下に縮合させて得られ
る。ノボラック樹脂の製造に用いられるフェノール系化
合物としては、例えば、フェノール、o−、m−又はp
−クレゾール、2,3−、2,5−、3,4−又は3,
5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノー
ル、2−、3−又は4−tert−ブチルフェノール、2−
tert−ブチル−4−又は5−メチルフェノール、2−、
4−又は5−メチルレゾルシノール、2−、3−又は4
−メトキシフェノール、2,3−、2,5−又は3,5
−ジメトキシフェノール、2−メトキシレゾルシノー
ル、4−tert−ブチルカテコール、2−、3−又は4−
エチルフェノール、2,5−又は3,5−ジエチルフェ
ノール、2,3,5−トリエチルフェノール、2−ナフ
トール、1,3−、1,5−又は1,7−ジヒドロキシ
ナフタレン、キシレノールとヒドロキシベンズアルデヒ
ドとの縮合により得られるポリヒドロキシトリフェニル
メタン系化合物などが挙げられる。これらのフェノール
系化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0008】ノボラック樹脂の製造に用いられるアルデ
ヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、アクロレイン又はクロトン
アルデヒドのような脂肪族アルデヒド類;シクロヘキサ
ンアルデヒド、シクロペンタンアルデヒド、フルフラー
ル又はフリルアクロレインのような脂環式アルデヒド
類;ベンズアルデヒド、o−、m−もしくはp−メチル
ベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、2,
4−、2,5−、3,4−もしくは3,5−ジメチルベ
ンズアルデヒド又はo−、m−もしくはp−ヒドロキシ
ベンズアルデヒドのような芳香族アルデヒド類;フェニ
ルアセトアルデヒド又はケイ皮アルデヒドのような芳香
脂肪族アルデヒド類などが挙げられる。これらのアルデ
ヒド類も、それぞれ単独で、又は所望により2種以上組
み合わせて用いることができる。これらのアルデヒド類
のなかでは、工業的に入手しやすいことから、ホルムア
ルデヒドが好ましく用いられる。
【0009】フェノール系化合物とアルデヒドとの縮合
に用いられる酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、過塩素
酸又は燐酸のような無機酸;蟻酸、酢酸、蓚酸、トリク
ロロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸のような有機酸;
酢酸亜鉛、塩化亜鉛又は酢酸マグネシウムのような二価
金属塩などが挙げられる。これらの酸触媒も、それぞれ
単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。縮合反応は、常法に従って行うことができ、例え
ば、60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度行
われる。
【0010】縮合により得られるノボラック樹脂は、例
えば、分別などの操作を施して低分子量分を除去し、分
子量分布を狭くして高分子量成分主体となるようにして
おいてもよい。ノボラック樹脂は安価であるので、レジ
ストのコストを下げることに有効である。
【0011】次に、ポジ型レジスト組成物のもう一つの
成分である酸発生剤は、その物質自体に、又はその物質
を含むレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作
用させることにより、その物質が分解して酸を発生する
ものである。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用
して、その樹脂中に存在する酸に不安定な基を解裂させ
ることになる。
【0012】本発明においては、成分(A)の酸発生剤
として、436nm(g線)及び365nm(i線)付
近に大きな吸収を持つ下式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
もよい炭化水素基を表す。)で示される化合物が用いら
れる。R1における炭化水素基としては、炭素数1〜1
2のアルキル基、又は炭素数6〜18のアリール基等が
挙げられる。また、酸素原子もしくは窒素原子を含む置
換基としては、エステル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シル基、オキソ基、ニトロ基等が挙げられる。ハロゲン
原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。
【0013】式(I)で示される化合物として、具体的
には、式(I)中のR1がn−プロピル基、n−ブチル
基、n−オクチル基、トルイル基、2,4,6−トリメ
チルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、2−ナフチル基、ベンジル基又は下式(II) で示される基である化合物が挙げられる。
【0014】本発明の樹脂組成物においては、上記の酸
発生剤以外の酸発生剤を併用してもよい。このような酸
発生剤には、例えば、オニウム塩化合物、s−トリアジ
ン系の有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネ
ート化合物などが包含される。具体的には、次のような
化合物を挙げることができる。
【0015】ジフェニルヨードニウム トリフルオロメ
タンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨー
ドニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メト
キシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタ
ンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨ
ードニウム テトラフルオロボレート、ビス(4−tert
−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホス
フェート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニ
ウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert
−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタン
スルホネート、
【0016】トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオ
ロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフ
ルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム ト
リフルオロメタンスルホネート、4−メチルフェニルジ
フェニルスルホニウム パーフルオロブタンスルホネー
ト、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム パー
フルオロオクタンンスルホネート、4−メトキシフェニ
ルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネ
ート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム
トリフルオロメタンスルホネート、p−トリルジフェニ
ルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウ
ム トリフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチ
ルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタ
ンスルホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニル
スルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−フェ
ニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフル
オロアンチモネート、1−(2−ナフトイルメチル)チ
オラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−
(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロ
メタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジ
メチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム
トリフルオロメタンスルホネート、
【0017】2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメ
チル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−
フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,
5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジ
ン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4
−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(ベンゾ
[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−
ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,
4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,
4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロ
メチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジ
メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−メトキシス
チリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,
5−トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジ
ン、2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
【0018】1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p
−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレー
ト)、2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニル
エチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロー
ルベンゾイントシレート)、1,2,3−ベンゼントリ
イル トリスメタンスルホネート、2,6−ジニトロベ
ンジル p−トルエンスルホネート、2−ニトロベンジ
ル p−トルエンスルホネート、4−ニトロベンジル
p−トルエンスルホネート、
【0019】ジフェニル ジスルホン、ジ−p−トリル
ジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタ
ン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタ
ン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタ
ン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタ
ン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
【0020】N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシ
ンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキ
シ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチル
スルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニル
オキシ)ナフタルイミド、N−(10−カンファースル
ホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
【0021】4−メトキシ−α−[[[(4−メチルフ
ェニル)スルホニル]オキシ]イミノ]ベンゼンアセト
ニトリル、などが挙げられる。
【0022】本発明のレジスト組成物に含まれる第4級
アンモニウム塩としては、下記一般式(III) で示される化合物が好ましい。式中、R2〜R5は、それ
ぞれ独立に、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を
有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭化水素基を表す。R2〜R5のうちの複数の基が一緒
になって環状構造を形成してもよい。R2〜R5として、
互いに独立に、具体的にはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロ
キシエチル基、フェニル基、3−(トリフルオロメチ
ル)フェニル基が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0023】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機塩基
化合物、特に含窒素塩基性有機化合物をクェンチャーと
して配合してもよい。このような含窒素塩基性有機化合
物の具体的な例としては、以下の各式で示されるアミン
類を挙げることができる。
【0024】
【0025】式中、R6、R7は、それぞれ独立に、水
素、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す。該
アルキル、シクロアルキル又はアリールは、それぞれ独
立に、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキ
シ基で置換されていてもよい。該アミノ基は、炭素数1
〜4のアルキル基で置換されていてもよい。また、該ア
ルキルは、炭素数1〜6程度が好ましく、該シクロアル
キルは、炭素数5〜10程度が好ましく、該アリール
は、炭素数6〜10程度が好ましい。R8、R9及びR10
は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキ
ル、アリール又はアルコキシを表す。該アルキル、シク
ロアルキル、アリール、又はアルコキシは、それぞれ独
立に、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキ
シ基、で置換されていてもよい。該アミノ基は、炭素数
1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。また、該
アルキルは、炭素数1〜6程度が好ましく、該シクロア
ルキルは、炭素数5〜10程度が好ましく、該アリール
は、炭素数6〜10程度が好ましく、該アルコキシは、
炭素数1〜6程度が好ましい。R11は、アルキル又はシ
クロアルキルを表す。該アルキル又はシクロアルキル
は、それぞれ独立に、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ基
は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよ
い。また、該アルキルは、炭素数1〜6程度が好まし
く、該シクロアルキルは、炭素数5〜10程度が好まし
い。Aは、アルキレン、カルボニル、イミノ、スルフィ
ド又はジスルフィドを表す。該アルキレンは、炭素数2
〜6程度であることが好ましく、直鎖でも分岐していて
もよい。また、R6〜R11において、直鎖構造と分岐構
造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよ
い。
【0026】さらには、特開平11−52575号公報
に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒン
ダードアミン化合物をクエンチャーとすることもでき
る。
【0027】本発明のレジスト組成物は、(B)成分の
酸の作用でアルカリ可溶となる樹脂100重量部に対し
て、(A)成分の酸発生剤を0.1〜20重量部の範囲
で含有することが好ましい。また、(C)成分の第4級
アンモニウム塩は、同じく(B)成分の酸の作用でアル
カリ可溶となる樹脂100重量部に対して、0.001
〜10重量部の範囲で含有することが好ましい。この組
成物は、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹
脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少
量含有することもできる。
【0028】このレジスト組成物は、通常、上記の各成
分が溶剤に溶解された状態でレジスト液組成物とされ、
シリコンウェハーなどの基体上に、常法によりスピンコ
ーティングなどの方法で塗布される。ここで用いる溶剤
は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸
発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよ
く、この分野で通常用いられているものであることがで
きる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセ
ロソルブアセテート又はプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエス
テル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル又はピル
ビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイ
ソブチルケトン、2−ヘプタノン又はシクロヘキサノン
のようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エ
ステル類;3−メトキシ−1−ブタノールのようなアル
コール類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ
単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0029】基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜
には、パターニングのための露光処理が施され、次いで
脱保護基反応を促進するための加熱処理(PEB)を行
った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるア
ルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ
水溶液であることができるが、一般には、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)
トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の
水溶液が用いられることが多い。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表
す%及び部は、特記がないかぎり重量基準である。ま
た、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/M
n)は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより測定した値である。
【0031】合成例1: ポリヒドロキシスチレンの部
分1−エトキシエチル化物の製造 1リットルのナス型フラスコに、ポリ(p−ヒドロキシ
スチレン)40g(p−ヒドロキシスチレン単位として
333ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸一水和物
47mg(0.25ミリモル)を入れ、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート720gに溶解し
た。この溶液を、温度60℃、圧力10Torr以下の
条件で減圧蒸留し、共沸脱水した。蒸留後の溶液は、3
37gであった。窒素置換された500mlの四つ口フ
ラスコにこの溶液を移し、そこにエチルビニルエーテル
12.0g(166ミリモル)を滴下した後、25℃で
5時間反応させた。この反応溶液に、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート62.3g及びメチ
ルイソブチルケトン320gを加え、さらにイオン交換
水240mlを加えて攪拌した。その後静置し、有機層
部分を取り出した。この有機層に再度240mlのイオ
ン交換水を加え、攪拌後静置し、分液することにより洗
浄した。イオン交換水による洗浄及び分液をもう一度行
った後、有機層を取り出して減圧蒸留することにより、
水分及びメチルイソブチルケトンをプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテートで共沸させて除去し、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶
液とした。得られた液体は、ポリ(p−ヒドロキシスチ
レン)の水酸基が部分的に1−エトキシエチルエーテル
化された樹脂の溶液であり、この樹脂を1H−NMRで
分析したところ、水酸基の36%が1−エトキシエチル
エーテル化されていた。この樹脂を樹脂A1とする。
【0032】合成例2:低分子量体を除いたm−クレゾ
ールノボラック樹脂の合成 還流管、攪拌装置、温度計を備えた1L四つ口フラスコ
に、m−クレゾール218.3g、蓚酸二水和物10.
2g、90%酢酸68.7g、メチルイソブチルケトン
203gを仕込み80℃まで昇温し、37%ホルムアル
デヒド水溶液143.2gを1時間かけて滴下した。そ
の後還流温まで昇温し、12時間保温した。得られた反
応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、水洗、脱水を
行ない、ノボラック樹脂の36.8%メチルイソブチル
ケトン溶液を得た。この樹脂溶液612gを5L底抜き
フラスコに仕込み、1119gのメチルイソブチルケト
ンで希釈し、1232gのノルマルヘプタンを仕込み6
0℃で攪拌、静置後分液を行い、下層のノボラック樹脂
溶液を得た。このノボラック樹脂溶液をプロピレングリ
コ−ルメチルエ−テルアセテ−トで希釈、濃縮を行い、
ノボラック樹脂のプロピレングリコ−ルメチルエ−テル
アセテ−ト溶液を得た。この樹脂を樹脂A2とする。こ
の樹脂を、ポリスチレンを標準品としてゲル浸透クロマ
トグラフィー(GPC)で測定したときに、未反応のモ
ノマーを除く全パターン面積に対して、分子量1,00
0以下の範囲の面積比は、3.28%であった。重量平
均分子量は、9079であった。
【0033】次に、以上の合成例で得られた各樹脂のほ
か、以下に示す原料を用いてレジスト組成物を調製し、
評価した。
【0034】酸発生剤B1: (5−トルイルスルホニ
ルオキシイミノ−5H−チオフェンー2−イリデン)−
(2−メチルフェニル)アセトニトリル
【0035】クエンチャーC1:テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド クエンチャーC2:テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド クエンチャーC3:ジシクロヘキシルメチルアミン クエンチャーC4:ジイソプロピルアニリン
【0036】実施例1〜6及び比較例1〜2 表1に示される割合(固形分換算)で混合した樹脂成分
13.5部(固形分換算)、酸発生剤B1(0.1
部)、並びに表1に示される種類および量のクエンチャ
ーとしての第4級アンモニウム塩をプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート40部に溶解し、さら
に孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して
レジスト液を調製した。
【0037】ヘキサメチルジシラザンで処理したシリコ
ンウェハーに、回転塗布機を用いて上のレジスト液を乾
燥後の膜厚が1.49μmとなるように塗布した。レジ
スト液塗布後のプリベークは、90℃で60秒間ホット
プレート上にて行った。こうしてレジスト膜を形成した
ウェハーに、365nm(i線)の露光波長を有する縮
小投影露光機〔(株)ニコン製の“NSR−2005i
9C”、NA=0.57、σ=0.8〕を用いて、ライ
ンアンドスペースパターンを露光量を段階的に変化させ
て露光した。次にホットプレート上にて、110℃で6
0秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.
38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
(住友化学工業(株)製現像液SOPD)で60秒間の
パドル現像を行った。現像後のパターンを走査型電子顕
微鏡で観察し、以下の方法で実効感度、解像度及びプロ
ファイルを調べ、その結果を表2に示した。
【0038】実効感度: 1.0μmのラインアンドス
ペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
【0039】解像度: 実効感度の露光量で分離するラ
インアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0040】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例No. 樹脂 酸発生剤 クエンチャー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 A1/100% B1 C1/0.005部 実施例2 A1/50% A2/50% B1 C1/0.005部 実施例3 A1/50% A2/50% B1 C2/0.0015部 ────────────────────────────────── 比較例1 A1/50% A2/50% B1 C3/0.005部 比較例2 A1/50% A2/50% B1 C4/0.005部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0041】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例No. 実効感度 解像度 [msec/cm2] [μm] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 54 0.27 実施例2 46 0.45 実施例3 42 0.5 ────────────────────────────────── 比較例1 167 0.95 比較例2 85 0.6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0042】
【発明の効果】本発明の化学増幅型ポジ型レジスト組成
物は、高解像度を維持したまま高感度化を達成すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA03 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CB08 CB17 CB29 CB45 CC20 FA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下式(I) (式中、R1は、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換
    基を有してもよく、又はハロゲン原子で置換されていて
    もよい炭化水素基を表す。)で示される化合物、(B)
    それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸
    の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、及び
    (C)第4級アンモニウム塩を含有することを特徴とす
    る化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
  2. 【請求項2】(B)成分が、フェノール性水酸基を1−
    エトキシエチル基で部分的に保護した構造を有する重合
    単位を含む樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】(B)成分が、ポリビニルフェノールの水
    酸基を1−エトキシエチル基で部分的に保護した樹脂で
    ある請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】(B)成分が、ノボラック樹脂の水酸基を
    1−エトキシエチル基で部分的に保護した樹脂である請
    求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分が、式(I)中のR1がn−プ
    ロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トルイル
    基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−
    トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルフェニル
    基、4−メトキシフェニル基、2−ナフチル基、ベンジ
    ル基又は下式(II) で示される基(ただし、いずれの基も、酸素原子もしく
    は窒素原子を含む置換基を有してもよく、又はハロゲン
    原子で置換されていてもよい。)である請求項1〜4の
    いずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】(C)成分が、下式(III) (式中、R2〜R5は、それぞれ独立に、酸素原子もしく
    は窒素原子を含む置換基を有してもよく、又はハロゲン
    原子で置換されていてもよい炭化水素基を表す。R2
    5のうちの複数の基が一緒になって環状構造を形成し
    てもよい。)で示される化合物である請求項1〜5のい
    ずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】(C)成分が、テトラメチルアンモニウム
    ヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロ
    キシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシ
    ド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、
    フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−
    (トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウ
    ムヒドロキシド、及びコリンから選ばれる少なくとも1
    つの化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の組成
    物。
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