JP2003118456A - 車両のシート前倒し装置 - Google Patents

車両のシート前倒し装置

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JP2003118456A JP2001318895A JP2001318895A JP2003118456A JP 2003118456 A JP2003118456 A JP 2003118456A JP 2001318895 A JP2001318895 A JP 2001318895A JP 2001318895 A JP2001318895 A JP 2001318895A JP 2003118456 A JP2003118456 A JP 2003118456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シート前倒し時、シートバック背面と連なる同
一高さの平坦な荷室フロアを、車両後方からの操作のみ
で実現すること。 【解決手段】シート後方の荷室後端部の後部開閉体近傍
に配設される操作部30と、操作部30により、シート
バック7の起立保持状態を解除するロック部50と、シ
ートバック7をシートクッション9上に重ねて倒置させ
る回動部10と、を備え、回動部10が、シートバック
7下方部に設けられた回動軸12と、シートバック7に
常時前方への回動力を付勢する付勢手段14と、シート
バック7の下部で、回動軸12より上方位置で回動可能
に一端を支持され、他端をシートクッション9側部に固
定された後部連結手段と、シートクッション9前方下部
で、一端をシートクッション9の前方下部で回動可能に
支持され、他端をシートクッション9の前方下部の車室
フロアに回動可能に支持される支持手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シート後方に荷室
を備えた車両のシート前倒し装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両のなかには、フロントシートの後方
にリヤシートを設け、さらに上記リヤシートの後方に荷
室を設けるものであって、上記リヤシートはシートクッ
ションとシートバックを備え、上記リヤシートを前倒し
することによって、上記リヤシートのシートバックの背
面と後方の荷室フロアとを連続した床面とし、広大な荷
室床面が得られるようになっているものがあり、上記シ
ートの前倒し機構については、種々の構造のものが提案
されている。例えば特開平10−86718号公報等に
示されているように、シートの前倒しを遠隔操作するレ
リーズノブを、荷室後端部の車体後部開口部近傍に配設
し、荷室側からこのレリーズノブを操作することによっ
て、レリーズケーブルを介し、シートバックの側面下端
部に設けられたリクライニング機構のロックを解除する
ようにすることで、シートバック直近のリアドア近傍で
はなく、バックドア側からシートを前倒し出来るように
したものが知られている。これによれば、荷物をバック
ドアから収納する際、全ての操作を車両後方から行なう
ことが出来るので、利便性が向上する。 【0003】しかし、上記従来技術によれば、全ての操
作を車両後方から行なうことが出来るものの、乗員の乗
り心地改善のため、シートクッションの前部は、シート
クッションの後部に比べて、厚みを大きくする形状とな
っているため、シートを前倒ししてシートバックをシー
トクッションの上に倒置して重ねた場合、シートバック
の背面が後方の荷室フロアに連なる同一高さの平坦面と
はならず傾斜面が出来てしまい、長尺物の積載性等の面
で問題がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題を解消するためなされたもので、その課
題は、シート前倒し時、シートバック背面と連なる同一
高さの平坦な荷室フロアを、車両後方からの操作のみで
実現することを可能とすることにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、車室内に備えられたシート後方に荷室
を備え、該荷室の後端部に設けられた開口部を開閉する
後部開閉体近傍に配設される操作部と、上記シートのシ
ートバックを起立状態に保持するとともに、上記操作部
によって遠隔操作されることにより、上記シートのシー
トバックを起立保持状態から、前方へ回動可能とするロ
ック部と、上記ロック部により上記シートバックの起立
保持状態が解除された時、上記シートバックを上記シー
トバック下方部に設けられた回動軸まわりに回動させ、
上記シートのシートクッション上に重ねて倒置させる回
動部と、を備えた車両のシート前倒し装置であって、上
記回動部が、荷室フロア前方の傾斜面に荷室フロアより
低い位置で支持され上記シートバックの回動中心となる
上記シートバック下方側部に設けられた回動軸と、上記
回動軸を中心として上記シートバックに常時前方への回
動力を付勢する付勢手段と、上記シートバックの下部に
おいて、上記回動軸より上方位置で車両横方向に延びる
軸線のまわりに回動可能に一端を支持され、他端を上記
シートクッション側部に固定された後部連結手段と、上
記シートクッションの前方下部において、一端を上記シ
ートクッションの前方下部で車両横方向に延びる軸線の
まわりに回動可能に支持され、他端を上記シートクッシ
ョンの前方下部の車室フロアに車両横方向に延びる軸線
のまわりに回動可能に支持される支持手段と、を有し、
上記支持手段の上記シートクッション側支持点位置が、
上記シートバックの起立保持状態にあるときには、上記
支持手段の車室フロア側支持点位置よりも車両後方高位
置となり、上記シートバックの倒置状態にあるときに
は、上記支持手段の車室フロア側支持点位置よりも車両
前方位置となる、ように構成される。 【0006】上記構成によれば、操作部を遠隔操作する
ことにより、シートバックの起立保持状態が解除され、
上記シートバックが、付勢手段により前方へ回動をはじ
め、同時に、上記シートバックの下方部も前方へ移動す
る。これにより、上記シートバックの下方部に連結され
たシートクッションが、前方へ押し出される。このた
め、上記シートクッションの下部において、車室フロア
に回動可能に支持された支持手段が、車室フロアの支持
点を中心として前方へ回動をはじめる。上記シートバッ
クの前方への回動が、さらにおこなわれると、上記シー
トクッションがさらに前方へ押し出されることとなり、
上述の車室フロアの支持点を中心とした支持手段の回動
に加えて、上記シートクッションと上記支持手段との連
結点を中心とした回動がおこなわれ、上記シートクッシ
ョンの前部は、後部に比較して大きく沈み込むこととな
る。よって、上記シートクッションの前部の厚みが後部
に比較して大きい場合でも、上記シートクッションの上
に倒置されたシートバックの背面が、シート後方の荷室
フロアに連なる同一高さとなる。 【0007】 【発明の効果】本発明によれば、遠隔操作によりシート
バックを前倒しすることが出来るため操作性が良いう
え、シートバックを前倒しした時、シートバックの背面
を後方の荷室フロアに連なる同一高さの平坦面とするこ
とが出来るため、荷室の最大限の広さを多目的に利用す
ることが可能となる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。本発明の実施形態による車両
は、シート前倒し装置全体の斜視概略図である図1に示
されるように、車室内にフロントシート(不図示)、そ
の後方にリヤシート40が備えられ、さらにその後方に
荷室20が設けられている。また、荷室20の後端部に
は、荷室20への荷物積み下ろしのため、たとえば、リ
フトゲートのような後部開閉体(不図示)により開閉さ
れる開口部が設けられている。 【0009】車両の荷室20の後端部に設けられた後部
開閉体近傍の両側壁には、それぞれ操作部30が配設さ
れ、リヤシート40のシートバック7の側方上部には、
操作部30により牽引されるレリーズケーブル70によ
って遠隔操作されるロック部50が配設され、リヤシー
ト40のシートバック7の下側方部、及びシートクッシ
ョン9の側方部には、回動部10が配設される。 【0010】車室フロアは、リヤシート40の側面概略
図である図3に示されるように、シートクッション9の
下方において、前方が後方よりも低い緩やかな傾斜面1
aを有するようにして形成され、荷室フロア1bは、車
室フロアより後方で、急傾斜面1cにより形成される段
差によって、車室フロアより、さらに一段高い位置とな
るようにして形成される。 【0011】リヤシート40は、荷室フロア1bの前方
の急傾斜面1cと車室フロアの緩やかな傾斜面1a前方
の平坦面に支持され、シートクッション9と、シートバ
ック7と、シートバック7を回動軸12のまわりに回動
可能とする回動部10と、シートバック7の側方上部に
設けられるロック部50(図3〜図5においては不図
示)を有する。 【0012】回動部10は、シートバック7起立時のリ
ヤシート40の側面概略図である図3に示されるよう
に、荷室フロア1bの前方に設けられた急傾斜面1c
に、荷室フロア1bより低い位置となるようにしてブラ
ケット13で車体に支持され、シートバック7の回動中
心となるようシートバック7の下方部に設けられた回動
軸12と、シートバック7下方部の各部品配置説明図で
ある図6に示されるように、回動軸12を中心としてシ
ートバック7に常時前方への回動力を付勢する付勢手段
である渦巻き状のスプリング14を有する。このスプリ
ング14の一端は、車体に対し非回動となるようにして
回動軸12に係止され、他端は、シートバック7ととも
に回動するようシートバック7と一体をなすブラケット
7aに係止される。したがって、シートバック7は、図
3に示されるような起立状態にあるときには、スプリン
グ14によって、常に回動軸12まわりに前倒し可能と
なるよう、前傾方向への回動力が付勢されているが、後
述のロック部50によって、この前傾方向への回動力に
抗するようシートバック7側方上部を保持されることに
より、起立状態とされている。 【0013】また、回動部10は、一端を回動軸12の
近傍上方となる位置で回動ピン15によってシートバッ
ク7側面に回動可能に支持され、他端をシートクッショ
ン9の下全面周辺部に固定されたシートクッションフレ
ーム17bにシートクッション9の側部で溶接結合され
た回動リンク17aを有する。このため、シートバック
7は、回動軸12より上方を中心として回動可能とされ
るとともに、後部連結手段である回動リンク17aとシ
ートクッションフレーム17bによって、シートクッシ
ョン9に連結されている。 【0014】さらに、回動部10は、シートクッション
9の前方下部において、一端をシートクッションフレー
ム17bに連結ピン18により回動可能にヒンジ結合さ
れ、他端を枢支ピン16によって緩やかな傾斜面1aの
前方部に形成された車室フロアに枢支可能に固定支持さ
れた連動リンク19よりなる支持手段を有する。また、
上記支持手段のシートクッション9側の支持点である連
結ピン18の位置は、シートバック7が起立保持状態に
あるときには、上記支持手段の車室フロア側支持点であ
る枢支ピン16の位置よりも車両後方高位置となり、シ
ートバック7が倒置状態にあるときには、枢支ピン16
の位置よりも車両前方位置となるよう構成される。 【0015】ロック部50は、ロック部の動作説明図で
ある図7に示されるように、レリーズケーブル70を固
定するためのブラケット54、レリーズケーブル70に
より揺動され長穴55が設けられたレバー53、操作ピ
ン51が一体的に設けられるとともにスプリング(不図
示)によって付勢され支軸59を中心として回動可能な
カム57、車体80に設けられたストライカ65を係止
するための切欠66が設けられるとともにねじりスプリ
ング(不図示)によって付勢され支軸64を中心として
回動可能なカム63、より構成される。 【0016】ロック部50は、以上の構成により、レリ
ーズケーブル70に連結されたレバー53によってCか
らC’へ揺動操作されることにより、レバー53に設け
られた長穴55内で移動方向を規制されたカム57に一
体的に設けられた操作ピン51により、カム57が支軸
59を中心としてスプリング(不図示)に抗してAから
A’に回転する。するとカム63に設けられた係止凸部
58とカム57に設けられた係止凹部60との当接係止
状態が解除され、カム63が回転可能とされる。そし
て、カム63は、ねじりスプリング(不図示)によって
支軸64を中心として、BからB’へ回転し、切欠66
に挿入係止されていた車体80に設けられたストライカ
65を開放する。その結果、シートバック7が自由に倒
置可能な状態とされる。一方、シートバック7をロック
部50によって起立状態に保持する場合には、ストライ
カ65に向かってロック部50を押しつけることによ
り、カム63がB’からBへ回転する。すると、カム6
3の係止凸部58によってカム57が押圧回転され、係
止凸部58がカム57の係止凹部60に当接係止された
状態となるとともに、ストライカ65が切欠66に挿入
係止されることとなるため、シートバック7は起立状態
で固定保持される。 【0017】レリーズケーブル70は、可撓性部材から
なるアウタチューブ72と、アウタチューブ72内に挿
通したインナケーブル74とからなり、一端は上述のロ
ック部50へ導かれ、インナケーブル74の端部は図7
に示されるロック部50内のレバー53へ連結されると
ともに、アウタチューブ72の端部はロック部50内に
固設されたブラケット54に固定される。そして、レリ
ーズケーブル70は、図1に示されるように、適宜の曲
率半径を維持するため、一旦シートバック7にそって下
降し、車室フロア面で車両前方へ導かれた後、他端は車
両の荷室後端部に開口する後部開閉体近傍の側壁に配設
された操作部30へ導かれる。 【0018】操作部30は、組立図として図8に示され
る第1実施形態、又は図9に示される第2実施形態のい
ずれか一方により形成される。第1実施形態によれば、
車両前方より導かれるレリーズケーブル70のインナケ
ーブル74端部が連結され操作者によって操作されるこ
とにより支点32aを中心として回動可能なレリーズノ
ブ32と、これらを隠蔽するとともにレリーズケーブル
70のアウタチューブ72の端部を固定保持するための
ケーブル保持部35aを有する操作部カバー35と、よ
り構成される。 【0019】第1実施形態の操作部30の組立ては、レ
リーズノブ32の支点32aが設けられた支柱部を、操
作部カバー35に設けられた貫通穴に貫通させた後、支
柱部の先端に設けられた係止穴32bにレリーズケーブ
ル70のインナケーブル74端部に設けられたピンを係
止させるとともに、アウタチューブ72の端部を操作部
カバー35に設けられたケーブル保持部35aに係止さ
せる。そして、支点32aに操作部カバー35に設けら
れた突起物(不図示)を勘合させ、レリーズノブ32が
支点32aのまわりに回動自在となるようにしたのち、
車体に組付けられる。 【0020】第1実施形態の構成によれば、操作者によ
りレリーズノブ32がAからA’方向、すなわち車両後
方から前方へ支点32aを中心として回動されると、ケ
ーブル連結部はBからB’方向へ支点32aを中心とし
て回動される。これにより、レリーズケーブル70のイ
ンナケーブル74端部は、CからC’方向へ牽引され
る。 【0021】同様に、第2実施形態によれば、車両前方
より導かれるレリーズケーブル70のインナケーブル7
4端部が連結されるケーブル連結ブラケット34と、操
作者により操作されケーブル連結ブラケット34を押圧
することでケーブル連結ブラケット34を回動させるレ
リーズノブ33と、これらの部品を隠蔽するとともにレ
リーズケーブル70のアウタチューブ72の端部を固定
保持するためのケーブル保持部38aを有する操作部カ
バー38と、より構成される。 【0022】第2実施形態の操作部30の組立ては、レ
リーズノブ33の支点33aが設けられた支柱部を、操
作部カバー38に設けられた貫通穴に貫通させるととも
に、レリーズケーブル70が連結されたケーブル連結ブ
ラケット34の先端部に設けられた係止穴34bと、レ
リーズノブ33の先端部に設けられた突起物33bを勘
合させる。そして、レリーズノブ33の支点33aに、
操作部カバー38に設けられた突起物(不図示)を、ケ
ーブル連結ブラケット34の支点34aに、操作部カバ
ー38に設けられた突起物38bを、それぞれ勘合さ
せ、レリーズノブ33が支点33aのまわりに、ケーブ
ル連結ブラケット34が支点34aのまわりに、それぞ
れ回動自在となるようにしたのち、車体に組付けられ
る。 【0023】第2実施形態の構成によれば、操作者によ
りレリーズノブ33がAからA’方向、すなわち車両前
方から後方へ支点33aを中心として回動されると、レ
リーズノブ33の先端部に設けられた突起物33bは、
BからB’方向へ回動し、これと係止穴34bによって
連結されているケーブル連結ブラケット34は、Cから
C’方向へ支点34aを中心として回動される。これに
より、レリーズケーブル70のインナケーブル74端部
は、DからD’方向へ牽引される。 【0024】このように構成された車両のシート前倒し
装置は、以下の如く作動する。シートバック7をシート
クッション9の上に倒置する場合、上述したように、操
作者によって車両の荷室後端部に設けられた後部開閉体
近傍の両側壁に配設される操作部30のレリーズノブ3
2を車両後方から前方へ回動させることにより(第2実
施係形態の場合は、レリーズノブ33を車両前方から後
方へ回動させることにより)、レリーズケーブル70の
インナケーブル74端部は牽引される。 【0025】牽引されたインナケーブル74の他端部
は、図7に示されるようにロック部50に導かれ、連結
されたレバー53を揺動するため、上述のように、カム
57とカム63の当接係止状態が解除され、カム63が
回転することによって、カム63に設けられている切欠
66に挿入係止されていた車体80に設けられたストラ
イカ65が開放され、シートバック7が自由に倒置可能
な状態とされる。 【0026】シートバック7は、自由に倒置可能な状態
とされると、シートバック7の起立時を示す図3のよう
に、シートバック7の下方部で回動軸12のまわりに設
けられたスプリング14の付勢により、回動軸12を中
心として前方へ回動をはじめる。これにより、シートバ
ック7の側面に設けられ、回動リンク17aの一端を支
持する回動ピン15の位置も、シートバック7の倒置過
渡時を示す図4のように、回動軸12を中心として回動
することとなり、その結果、回動ピン15の位置は、前
方へ移動する。そのため、回動ピン15により一端を支
持されている回動リンク17aと、回動リンク17aに
熔接結合されているシートクッションフレーム17bよ
りなる後部連結手段と、シートクッションフレーム17
bに載置固定されているシートクッション9は、一体と
なって回動ピン15の前方への位置移動により、前方へ
押し出され、シートクッション9前端部においては、連
動リンク19が、車室フロアに設けられた枢支ピン16
を中心として、前下方向へ回動をはじめ、シートクッシ
ョンフレーム17bに載置固定されているシートクッシ
ョン9前端部は、連結ピン18を中心として、前下方向
へ回動をはじめる。 【0027】さらにシートバック7が回動軸12を中心
として前方へ回動をおこなうと、シートバック7の倒置
時を示す図2のように、回動ピン15の位置は、さらに
前方へ移動し、回動リンク17aと、シートクッション
フレーム17bと、シートクッション9は、さらに前方
へ押し出されるため、シートクッションフレーム17b
の前端部に設けられた連動リンク19は、枢支ピン16
を中心として前下方向へ回動をおこなうとともに、連結
ピン18部においてシートクッションフレーム17bと
連動リンク19が折曲るため、シートクッション9は、
車室フロアに設けられた緩やかな傾斜面1aに沿って、
前部が、後部に比較して大きく沈み込むこととなる。し
たがって、前部の厚みが、後部に比較して大きいシート
クッション9の上面は、平坦面となり、シートクッショ
ン9の上面に重ねて倒置されたシートバック7の背面も
平坦面となる。 【0028】シートに設けられた回動ピン15と連結ピ
ン18の動きを線図で示したものが、図5である。回動
軸12、回動ピン15、連結ピン18、枢支ピン16を
実線でつないだものは図3の状態に相当し、回動軸1
2、回動ピン15’( 回動ピン15が変位したも
の)、連結ピン18’( 連結ピン18が変位したも
の)、枢支ピン16を点線でつないだものは図4の状態
に相当し、回動軸12、回動ピン15’’( 回動ピン
15が変位したもの)、連結ピン18’’(連結ピン1
8が変位したもの)、枢支ピン16を一点鎖線でつない
だものは図2の状態にそれぞれ相当する。 【0029】以上の実施形態の構成によれば、車両の荷
室後端部に開口する後部開閉体近傍の両側壁に配設され
る操作部30のレリーズノブ32を操作することによ
り、シートバック7を前倒しして、広い荷室を作り出す
ことが出来るため操作性を向上させることが出来る。さ
らに、シートバック7を前倒しし、シートクッション9
の上に倒置する際、簡単な構造で、シートバック7の前
倒と同時に、シートクッション9の前部を後部に比較し
て大きく沈み込ませることが出来る。 【0030】よって、シートクッション9の前部の厚み
が、後部に比較して大きい場合であっても、シートクッ
ション9の上に倒置されたシートバック7の背面を後方
の荷室フロア1bに連なる同一高さの平坦面とすること
が出来るため、荷室の最大限の広さを多目的に利用する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施形態を示す全体斜視概略図。 【図2】 同実施形態のシートバック倒置時のシート側
面概略図。 【図3】 同実施形態のシートバック起立時のシート側
面概略図。 【図4】 同実施形態のシートバック倒置過渡時のシー
ト側面概略図。 【図5】 同実施形態のシートバック各部の動きを示す
線図。 【図6】 同実施形態のシートバック下方部の各部品配
置説明図。 【図7】 同実施形態のロック部の動作説明図。 【図8】 同実施形態の操作部の第1実施形態組立図。 【図9】 同実施形態の操作部の第2実施形態組立図。 【符号の説明】 7…シートバック 9…シートクッション 10…回動部 12…回動軸 14…スプリング(付勢手段) 15…回動ピン 17a…回動リンク(後部連結手段) 17b…シートクッションフレーム(後部連結手段) 18…連結ピン 19…連動リンク(支持手段) 30…操作部 50…ロック部 70…レリーズケーブル
フロントページの続き (72)発明者 飯田 敬介 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3B087 AA08 BD01 CB13

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】車室内に備えられたシート後方に荷室を備
    え、該荷室の後端部に設けられた開口部を開閉する後部
    開閉体近傍に配設される操作部と、 上記シートのシートバックを起立状態に保持するととも
    に、上記操作部によって遠隔操作されることにより、上
    記シートのシートバックを起立保持状態から、前方へ回
    動可能とするロック部と、 上記ロック部により上記シートバックの起立保持状態が
    解除された時、上記シートバックを上記シートバック下
    方部に設けられた回動軸まわりに回動させ、上記シート
    のシートクッション上に重ねて倒置させる回動部と、を
    備えた車両のシート前倒し装置であって、 上記回動部が、荷室フロア前方の傾斜面に荷室フロアよ
    り低い位置で支持され上記シートバックの回動中心とな
    る上記シートバック下方側部に設けられた回動軸と、 上記回動軸を中心として上記シートバックに常時前方へ
    の回動力を付勢する付勢手段と、 上記シートバックの下方部において、上記回動軸より上
    方位置で車両横方向に延びる軸線のまわりに回動可能に
    一端を支持され、他端を上記シートクッション側部に固
    定された後部連結手段と、 上記シートクッションの前方下部において、一端を上記
    シートクッションの前方下部で車両横方向に延びる軸線
    のまわりに回動可能に支持され、他端を上記シートクッ
    ションの前方下部の車室フロアに車両横方向に延びる軸
    線のまわりに回動可能に支持される支持手段と、を有
    し、 上記支持手段の上記シートクッション側支持点位置が、
    上記シートバックの起立保持状態にあるときには、上記
    支持手段の車室フロア側支持点位置よりも車両後方高位
    置となり、上記シートバックの倒置状態にあるときに
    は、上記支持手段の車室フロア側支持点位置よりも車両
    前方位置となる、ように構成された車両のシート前倒し
    装置。
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