JPH0428843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートバツクの前倒しにより車室とト
ランクルーム内とを連通させる、所謂トランクス
ルーシートの前記前倒しをロツクするロツク装置
に関する。

〔従来の技術〕

トランクスルーシートにおいては、リヤシート
などのシートバツクが可倒式となつており、この
シートバツクを前倒しすることで車室とトランク
ルームとが連通して車室内からトランクルームへ
の荷物の搬入、搬出ができるようになつている。
従つて、シートバツクの不用意な前倒しを防止す
るため、シートバツクにはロツク機構が組み込ま
れ、車室内からノブ等の操作部材を引くことによ
つてロツク機構のロツク解除が行われるようにな
つている。しかしながら、このままの構造では車
室内に第３者が侵入した場合にシートバツクを前
倒しして、トランクルーム内の荷物を盗む危険性
があり、通常、ロツク機構のロツク状態を維持す
る機構が組み込まれている。かかる機構として
は、車室内からの操作によつてロツク状態を維持
するもの（実開昭60−92633号）が使用されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来技術の内、キー操作を行う
機構はロツク機構とは別個に作動する操作を必要
とし、装置全体が複雑化して故障が多発する。
又、キー操作を行うキープレートの保管も必要と
なり、取扱いが煩雑ともなる。一方、トランクル
ーム内から操作を行う機構は、この機構とロツク
機構とをケーブル等で接続する必要があり、部品
点数が多く、その組み付けが面倒となつている。

そこで本考案は、簡単な構造でトランクルーム
内からの操作を可能としたシートバツクのロツク
装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本考案は、前倒しによ
り車室とトランクルームとを連通させるシートバ
ツクにおいて、前記前倒しをロツクするロツク機
構と、ロツク機構のロツクを解除するロツク解除
機構と、ロツク解除機構の解除操作のON，OFF
の切り換えを行うレリーズ機構とを備え、前記
ON，OFFの切り換えをレリーズ機構の移動子の
スライドで制御すると共に、この移動子のスライ
ドを前記トランクルーム内から行うようにしたこ
とを特徴とする。

〔作用〕

本考案は上記の通りに構成されるので、レリー
ズ機構の移動子はロツク解除機構のON，OFFを
切り換えるように作用し、ロツク解除機構の
ON，OFFによりロツク機構のロツクおよびその
解除が行われる。

〔実施例〕

以下、本考案を図示する実施例を参照して具体
的に説明する。

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図お
よび第３図は作動を示す平面図である。トランク
スルーシートを構成するシートバツクのフレーム
１がパネルフレームによつて構成され、このフレ
ーム１の上部前面に支持ブラケツト８が溶接によ
つて取り付けられている。フレーム１の後方側は
トランクルームとなつており、シートバツクを前
倒しすると車室とトランクルームとが連通するよ
うになつている。前記支持ブラケツト８にはロツ
ク機構と、ロツク解除機構と、レリーズ機構とが
取り付けられている。ロツク機構は支持ブラケツ
ト８に取り付けられた支軸９と、支軸９に回動可
能に取り付けられたロツク爪７とを備えてなり、
ロツク爪７は車体フレーム（図示せず）に噛み合
うことでシートバツクの前倒しがロツクされ、噛
み合いが外れることで前倒し可能となる。ロツク
爪７は支軸９に外挿されたコイルバネ１０によつ
て噛み合い方向に附勢されている。従つて、ロツ
ク解除力が作用しない場合には、ロツク爪７は車
体フレームと噛み合い状態を維持し、シートバツ
クの前倒しが不可能となつている。

前記ロツク解除機構は支持ブラケツト８に取り
付けられた軸体１１に回動可能に枢支されてなる
解除レバー６と、後述するレリーズ機構のレリー
ズレバー５の自由端に接続されたストラツプなど
の解除部材２とを備えてなつている。解除部材２
はシートバツクのパツド（図示せず）の外に置か
れ、この解除部材２を手前方向に引くと、レリー
ズレバー５およびレリーズレバー５を介して前記
解除レバー６に回動力が作用する。ここで解除レ
バー６の自由端（第１図左端側）にはロツク爪７
上面に設けられたピン１２が挿入され、解除レバ
ー６が回動すると、ロツク爪７は反附勢方向、す
なわち車体フレームとの噛み合いが解除される方
向、に回動するようになつている。

前記レリーズ機構は前記軸体１１に一端部（右
端部）が枢支された前記レリーズレバー５と、前
記ロツク解除機構の解除レバー６を長手方向にス
ライドする移動子４と、移動子４をスライドさせ
るためシートバツクフレーム１に中間部が枢支さ
れた制御レバー３とを備えている。レリーズレバ
ー５には略「Ｌ」字状のレリーズスリツト５ａが
形成されていると共に、移動子４にはこのスリツ
ト５ａに挿入されるレリーズピン４ａが立設され
ている。レリーズスリツト５ａは後述するように
ロツク解除機構のON，OFFを切り換えるもので
あり、この切り換えは移動子４がスライドするこ
とで行われる。制御レバー３は略「Ｚ」字状に屈
曲されており、その上部辺３ａはシートバツクの
前方向に延び、下部辺３ｂはシートバツクの後方
向に延びている。制御レバー３の上部辺３ａには
ガイドスリツト１３がシートバツクの前方向に形
成されており、このガイドスリツト１３内には移
動子４下面から延びるガイドピン４ｂが挿入され
ている。かかるガイドスリツト１３は後述するよ
うに、制御レバー３の回動による移動子の解除レ
バー６に沿つたスライドを行うと共に、ロツク解
除操作における移動子の前方向移動を案内するも
のである。又、制御レバー３の下部辺３ｂはシー
トバツクフレーム１の後側、すなわちトランクル
ーム内に延びており、この下部辺３ｂをスライド
させると制御レバー３は中間の枢軸１６を中心に
回動して移動子４がスライドするようになつてい
る。なお、前記レリーズレバー５の右端部にはリ
ターンスプリング１５の一端が掛け渡されてお
り、レリーズレバー５はロツク解除方向と逆方向
に附勢されている。

このような本実施例はレリーズ機構、ロツク解
除機構およびロツク機構が支持ブラケツト８上に
一体的に組み付けられるので、組み付けが容易で
あると共に装置全体のコンパクト化および部品点
数の削減化が可能となつている。

次に作動を説明する。

トランクルーム内から制御レバー３の下部辺３
ｂを第１図OFF方向に移動させると、制御レバ
ー枢軸１６を中心に回動して、その上部片３ａは
反対方向に移動する。これにより上部片３ａのガ
イドスリツト３にガイドピン４ｂが挿入された移
動子４も同方向に移動し、移動子４のレリーズピ
ン４ａはレリーズレバー５のレリーズスリツト５
ａの屈曲点に達する（第２図鎖線）。これにより
第２図実線の状態で解除部材２を手前方向に引い
ても、同図鎖線のようにレリーズレバー５のレリ
ーズスリツト５ａがレリーズピン４ａに対してス
ライドし、レリーズレバー５だけが回動する。従
つて、ロツク爪７には何ら回動力が伝達されるこ
となく、ロツク状態が維持されるのでシートバツ
クは前倒しされることがない。これにより車室と
トランクルームとはシートバツクで遮断されるか
らトランクルーム内の荷物の安全を確保すること
ができる。次に、トランクルーム内から制御レバ
ー３の下部片３ｂをON方向に移動させると、制
御レバー３全体が回動して、その上部片３ａは反
対方向にスライドし、移動子４も同方向に追随移
動する。この移動は移動子４のレリーズピン４ａ
がレリーズスリツト５ａ屈曲点から遠ざかり、且
つ解除レバー６の長手方向へのスライドとなつて
おり、第３図実線の状態となる。この状態で解除
部材２を手前方向に引くと、レリーズレバー５
と、レリーズレバー５のレリーズスリツト５ａ内
にレリーズピン４ａが挿入されている移動子４が
同方向にスライドする。かかる移動子４のスライ
ドはそのガイドピン４ｂが前記制御レバー３のガ
イドスリツト１３内に挿入されているから、可能
であり、移動子４は解除レバー６の長手方向と直
交する方向に移動する。これにより、解除レバー
６も移動子４と共に同方向に移動し、解除レバー
６にピン１２が挿入されているロツク爪７が車体
フレームとの噛み合いから離れるように回動す
る。従つて、シートバツクフレーム１はフリー状
態となり、その前倒しが可能となつてトランクル
ームと車室とが連通する。このような本実施例は
トランクルーム内からレリーズ機構のON，OFF
切り換えができるから、キー操作の場合のような
キープレートの保管の煩雑さから開放されるもの
である。

〔考案の効果〕

以上の通り本考案は、移動子４、レリーズレバ
ー５、解除レバー６、及びロツク爪７が相互に直
接に支持ブラケツト８上で組付けられ、かつ前記
移動子４に制御レバー３を直接連結したので、連
結部材が不要で部品点数を極力少なくできると共
に装置全体がコンパクトに組み立てられる。特に
移動子のスライドをトランクルーム内から行うよ
うにしたので、キープレートの保管の必要もなく
なり、車室側からの盗難を有効に防止することが
できるメリツトがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
レリーズ機構のOFF状態における作動を示す平
面図、第３図は同ON状態における作動を示す平
面図である。 １……シートバツクフレーム、２……解除部材
（解除機構）、３……制御レバー（レリーズ機構）、
４……移動子（レリーズ機構）、５……レリーズ
レバー（レリーズ機構）、６……解除レバー（解
除機構）、７……ロツク爪（ロツク機構）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前倒し可能のシートバツクのフレーム１に固着
   された支持ブラケツト８と、 この支持ブラケツト８にロツク方向に回動付勢
   されて取付けられたロツク爪７と、 一端が前記支持ブラケツト８に枢支され他端が
   前記ロツク爪７に枢支された解除レバー６と、 前記解除レバー６と重なるレバー部分を有し一
   端が前記支持ブラケツト８に枢支され他端がシー
   トバツクの外方に位置する解除部材２に連結され
   たレリーズレバー５と、 一辺がレリーズスリツト５ａとなるように前記
   レリーズレバー５に形成された略Ｌ字形のスリツ
   トと、 前記解除レバー６にその長さ方向に摺動可能に
   取付けられ前記Ｌ字形のスリツトに移動可能に係
   合するレリーズピン４ａを具備した移動子４と、 中間部が前記フレーム１に枢支され上端部が前
   記移動子４に連係すると共に、下端部がトランク
   ルーム側へ突出し、かつ前記枢支部を中心に揺動
   可能に設けられた制御レバー３とを具備してなる
   ことを特徴とするシートバツクのロツク装置。