JP2003113163A - フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法 - Google Patents

フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法

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JP2003113163A JP2002067919A JP2002067919A JP2003113163A JP 2003113163 A JP2003113163 A JP 2003113163A JP 2002067919 A JP2002067919 A JP 2002067919A JP 2002067919 A JP2002067919 A JP 2002067919A JP 2003113163 A JP2003113163 A JP 2003113163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率が高く、耐久性に優れたフッ素置換
イリジウム錯体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のフッ素置換イリジウム錯体は、
次の式(1)で示され、窒素原子から数えて1,6,7
及び12位を除く位置に2つ以上フッ素が置換されたフ
ッ素置換2-フェニルピリジンとイリジウムとが錯体を形
成した化合物であり、このフッ素置換イリジウム錯体の
製造方法は、イリジウム(III)アセチルアセトネートと
窒素原子から数えて1,6,7及び12位を除く位置に
2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリ
ジンとを反応させ、錯体を形成させることにより得られ
る。 【化37】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
0≦m≦4かつ0≦n≦4である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス(EL;ElectroLuminescence)材料とし
て有効なフッ素置換されたイリジウム錯体、その中間体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の発光材料は、一重項-三重項遷移
による発光を利用した材料(以下、一重項発光材料とい
う。)が用いられており、主に、アルミキノリノールや
ナイルレッド、ペリレン等が用いられている。最近にな
り、トリス(フェニルピリジン)イリジウムが従来の一重
項発光材料をはるかに越える発光効率を示すことが判明
した(T.TSUTSUI et al.; Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38
(1999) L1502-L1504, Part2, No.12B, 15 December 199
9, Express Letter)。このトリス(フェニルピリジン)
イリジウムは、励起三重項状態から基底状態への遷移に
よる発光を利用した材料(以下、三重項発光材料とい
う。)であり、今後この材料を契機に一重項発光材料か
ら三重項発光材料の開発にシフトしていくものと考えら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機EL発光材料とし
て上記トリス(フェニルピリジン)イリジウムを考えた場
合、その耐久性、特に耐熱性及び耐酸化性が不十分であ
ることが課題として挙げられる。上記課題を解決する手
段としてはイリジウム原子に配位しているフェニルピリ
ジン中の水素原子をフッ素原子で置換することが考えら
れる。フッ素原子は炭素原子との結合エネルギーが高い
ため、水素原子をフッ素原子で置換すると耐熱性及び耐
酸化性等の向上が期待される。
【0004】しかし、フッ素置換フェニルピリジンの報
告例は、幾つかあるものの、このフッ素置換フェニルピ
リジンを配位子としたイリジウム錯体の報告例は、窒素
原子から数えて10位の位置にフッ素置換したイリジウ
ム錯体があるに過ぎない。本発明の目的は、発光効率が
高く、耐久性に優れたフッ素置換イリジウム錯体、その
中間体及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
次の式(1)で示され、窒素原子から数えて1,6,7
及び12位を除く位置に2つ以上フッ素が置換されたフ
ッ素置換2-フェニルピリジンとイリジウムとが錯体を形
成したフッ素置換イリジウム錯体である。
【0006】
【化15】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
0≦m≦4かつ0≦n≦4である。請求項1に係る発明
では、上記構造を有するイリジウム錯体は配位子である
2-フェニルピリジン内にフッ素が2つ以上置換されてい
るため、炭素原子との結合エネルギーが高まり、耐熱性
及び耐酸化性等が向上する。
【0007】請求項2に係る発明は、次の式(2)で表
され、窒素原子から数えて1,6,7,12位、2位と
10位及び9位と10位の組み合わせを除く位置にフッ
素がそれぞれ置換された錯体形成用第1中間体である。
【0008】
【化16】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
【0009】請求項3に係る発明は、次の式(3)で表
され、置換基Liから数えて2位と3位と4位、2位と
3位と5位、2位と4位と5位及び3位と4位と5位の
組み合わせの位置にフッ素がそれぞれ置換された錯体形
成用第2中間体である。
【0010】
【化17】 但し、整数mは3である。
【0011】請求項4に係る発明は、次の式(4)で表
され、置換基ZnClから数えて3位、4位及び2位と
4位の組み合わせを除く位置にフッ素がそれぞれ置換さ
れた錯体形成用第3中間体である。
【0012】
【化18】 但し、整数mは0≦m≦4である。
【0013】請求項5に係る発明は、次の式(5)で表
される錯体形成用第4中間体である。
【0014】
【化19】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数nは0
≦n≦4である。
【0015】請求項6に係る発明は、イリジウム(III)
アセチルアセトネートと窒素原子から数えて1,6,7
及び12位を除く位置に2つ以上フッ素が置換されたフ
ッ素置換2-フェニルピリジンとを反応させ、錯体を形成
させることを特徴とするフッ素置換イリジウム錯体の製
造方法である。請求項7に係る発明は、請求項6に係る
発明であって、2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
2-フェニルピリジンが次の式(6)で示されるフッ素置
換ハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させ
た後、塩化亜鉛(II)と反応させることにより得られる次
の式(7)で示されるフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと次
の式(8)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジン
とを反応させることにより得られるフッ素置換イリジウ
ム錯体の製造方法である。
【0016】
【化20】 但し、XはCl、Br又はI元素であって、整数mが1
≦m≦4である。
【0017】
【化21】 但し、整数mは1≦m≦4である。
【0018】
【化22】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数nが1
≦n≦4である。
【0019】請求項8に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換2-
フェニルピリジンが次の式(9)で示されるフッ素置換
ハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させた
後、塩化亜鉛(II)と反応させることにより得られる次の
式(10)で示されるフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと次
の式(11)で示される2-ハロゲン化ピリジンとを反応
させることにより得られるフッ素置換イリジウム錯体の
製造方法である。
【0020】
【化23】 但し、XはCl、Br又はI元素であって、整数mが2
≦m≦4である。
【0021】
【化24】 但し、整数mは2≦m≦4である。
【0022】
【化25】 但し、X’はCl、Br又はI元素である。
【0023】請求項9に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換2-
フェニルピリジンが次の式(12)で示されるハロゲン
化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させた後、塩化
亜鉛(II)と反応させることにより得られる次の式(1
3)で示される塩化亜鉛ベンゼンと次の式(14)で示
されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させる
ことにより得られるフッ素置換イリジウム錯体の製造方
法である。
【0024】
【化26】 但し、XはCl、Br又はI元素である。
【0025】
【化27】
【0026】
【化28】 但し、X’はCl、Br又はI元素であって、整数nが
2≦n≦4である。
【0027】請求項10に係る発明は、請求項6に係る
発明であって、2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
2-フェニルピリジンが請求項7記載の式(6)で示され
るフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを金属マグネシウムと
反応させることにより得られる有機金属化合物と請求項
7記載の式(8)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピ
リジンとを反応させることにより得られるフッ素置換イ
リジウム錯体の製造方法である。請求項11に係る発明
は、請求項6に係る発明であって、2つ以上フッ素が置
換されたフッ素置換2-フェニルピリジンが請求項8記載
の式(9)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを
金属マグネシウムと反応させることにより得られる有機
金属化合物と請求項8記載の式(11)で示される2-ハ
ロゲン化ピリジンとを反応させることにより得られるフ
ッ素置換イリジウム錯体の製造方法である。請求項12
に係る発明は、請求項6に係る発明であって、2つ以上
フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンが請
求項9記載の式(12)で示されるハロゲン化ベンゼン
を金属マグネシウムと反応させることにより得られる有
機金属化合物と請求項9記載の式(14)で示されるフ
ッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させることによ
り得られるフッ素置換イリジウム錯体の製造方法であ
る。
【0028】請求項13に係る発明は、請求項6に係る
発明であって、2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
2-フェニルピリジンが請求項7記載の式(8)で示され
るフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシウム
と反応させることにより得られる有機金属化合物と請求
項7記載の式(6)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベ
ンゼンとを反応させることにより得られるフッ素置換イ
リジウム錯体の製造方法である。請求項14に係る発明
は、請求項6に係る発明であって、2つ以上フッ素が置
換されたフッ素置換2-フェニルピリジンが請求項9記載
の式(14)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジ
ンを金属マグネシウムと反応させることにより得られる
有機金属化合物と請求項9記載の式(12)で示される
ハロゲン化ベンゼンとを反応させることにより得られる
フッ素置換イリジウム錯体の製造方法である。請求項1
5に係る発明は、請求項6に係る発明であって、2つ以
上フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンが
請求項8記載の式(11)で示される2-ハロゲン化ピリ
ジンを金属マグネシウムと反応させることにより得られ
る有機金属化合物と請求項8記載の式(9)で示される
フッ素置換ハロゲン化ベンゼンとを反応させることによ
り得られるフッ素置換イリジウム錯体の製造方法であ
る。請求項6ないし15いずれかに係る発明では、上記
方法により、配位子である2-フェニルピリジンの任意の
位置にフッ素を2つ以上導入することができるため、耐
久性特に耐熱性、耐酸化性に優れたフッ素置換イリジウ
ム錯体を収率よく合成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】トリス(フェニルピリジン)イリジ
ウムにおいて、配位子であるフェニルピリジン任意の位
置にフッ素を導入することができれば、上記の耐久性、
耐酸化性等の面で大いに有効である。本発明者らは以上
の問題を鋭意検討した結果、任意の位置にフッ素を導入
したフッ素置換2-フェニルピリジンが得られることを確
認した。 具体的には、はじめにフッ素化されたハロゲ
ン化ベンゼンを第2中間体を含む有機リチウム化合物と
反応させた後、塩化亜鉛(II)と反応させることにより第
3中間体を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンとし、これ
とフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させるか、
若しくはフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを金属マグネシ
ウムと反応させることにより有機金属化合物とし、これ
とフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させるか、
又は、フッ素化された2-ハロゲン化ピリジンを金属マグ
ネシウムと反応させることにより第4中間体を含む有機
金属化合物とし、これとフッ素置換ハロゲン化ベンゼン
とを反応させることにより、フェニル基側又はピリジン
環側のどちらか一方または双方にフッ素の入った第1中
間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジンが得られるこ
とが確認した。
【0030】更に上記方法により得られた第1中間体を
含むフッ素置換2-フェニルピリジンとイリジウム(III)
アセチルアセトネート([CH3COCH=C(O-)CH3]
3Ir)とを反応させることにより、目的とする(フッ素
置換2-フェニルピリジン)3Ir錯体が得られることが判
明し、本発明に至った。
【0031】次に本発明の実施の形態について説明す
る。イリジウム(III)アセチルアセトネートと窒素原子
から数えて1,6,7及び12位を除く位置に2つ以上
フッ素が置換された式(2)に示される錯体形成用第1
中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジンを反応さ
せ、錯体を形成することにより本発明のイリジウム錯体
が得られる。配位子となる第1中間体を含むフッ素置換
2-フェニルピリジンの製造方法は、有機リチウム化合
物を用いた方法と、金属マグネシウムを用いた方法が
挙げられる。
【0032】有機リチウム化合物を用いた方法 先ず、上記式(6)、式(9)に示すフッ素置換ハロゲ
ン化ベンゼン又は式(12)に示すハロゲン化ベンゼン
を用意する。この式(6)、式(9)又は式(12)に
示す化合物は、ベンゼン環内の水素がフッ素により0〜
4個置換された化合物である。ハロゲン化ベンゼンに置
換したフッ素の数と後述する2-ハロゲン化ピリジンに置
換したフッ素の合計が2〜8個となるように置換する。
従って、例えばハロゲン化ベンゼンに1つもフッ素が置
換されていない場合、2-ハロゲン化ピリジンには少なく
とも2つ以上フッ素が置換されていることになる。次い
で、下記式(15)に示すように、このフッ素置換ハロ
ゲン化ベンゼンに有機リチウム化合物(式(15)中で
はn-ブチルリチウム)を反応させることにより、リチウ
ム原子がハロゲン化ベンゼン中のハロゲン原子と置換し
た第2中間体を含む有機リチウム化合物が合成される。
【0033】
【化29】 但し、XはCl、Br又はI元素であって、整数mは0
≦m≦4である。
【0034】この反応に使用される有機リチウム化合物
としては、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、te
rt-ブチルリチウム等が挙げられる。溶媒としては、一
般的にエーテル系溶媒を使用することができる。エーテ
ル系溶媒としては、テトラヒドロフラン(以下、THF
という。)、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この式
(15)に示す反応では、反応温度が−78〜0℃の範
囲内で反応時間が0.5〜3時間である。反応温度が−
78℃未満では効果的に反応が進行せず、0℃を越える
と副反応が起きてしまうため、有機リチウム化合物の収
率が低下する。好ましい反応温度は−78〜−40℃で
ある。反応時間が0.5時間未満であると、反応が十分
に進行しない。好ましい反応時間は1〜3時間である。
【0035】次に、下記式(16)に示すように、第2
中間体を含む有機リチウム化合物に塩化亜鉛(II)を反応
させて第3中間体を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンに
変換する。
【0036】
【化30】 但し、整数mは0≦m≦4である。
【0037】ここで、第2中間体を含む有機リチウム化
合物を第3中間体を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンに
変換するのは、後述するフッ素置換2-ハロゲン化ピリジ
ンとの反応の際に、有機リチウム化合物の求核性を制御
するためである。溶媒としては、一般的にエーテル系溶
媒を使用することができる。エーテル系溶媒としては、
THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル等が挙げられる。この合成は、0
℃〜溶媒の沸点の範囲内で1〜5時間行うことにより反
応が進行する。
【0038】次に、下記式(17)に示すように、第3
中間体を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンにフッ素置換
2-ハロゲン化ピリジンを反応させてフッ素が2個以上置
換した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジン
を製造する。
【0039】
【化31】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数m及び
nの関係が2≦m+n≦8であって、0≦m≦4かつ0
≦n≦4である。
【0040】この式(17)に示す反応では、パラジウ
ム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム[Pd(PPh3)4]を溶媒中に存在させることによ
り、第3中間体を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンとフ
ッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとの反応が位置選択性よ
く進行する。ここで使用されるフッ素置換2-ハロゲン化
ピリジンのピリジン環にフッ素を導入する方法として
は、アミノ基を有した2-ハロゲン化ピリジンのジアゾフ
ッ素化が適当である。溶媒としては、一般的にエーテル
系溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒として
は、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この反応
では、反応温度は、0℃〜溶媒の沸点の範囲内で反応時
間は1〜24時間である。反応時間が1時間未満である
と、反応が十分に進行しない。好ましくは2〜24時間
である。このように上記式(15)〜式(17)に示す
反応により、フッ素が2個以上置換した第1中間体を含
むフッ素置換2-フェニルピリジンが得られる。
【0041】具体的には、上記式(9)に示すフッ素置
換ハロゲン化ベンゼンと式(11)に示す2-ハロゲン化
ピリジンを用いることにより、フェニル基側のみにフッ
素を置換させたフッ素置換2-フェニルピリジンが得られ
る。この場合フェニル基側に2つ以上のフッ素が置換さ
れる。また上記式(6)に示すフッ素置換ハロゲン化ベ
ンゼンと式(8)に示すフッ素置換2-ハロゲン化ピリジ
ンを用いることにより、フェニル基側とピリジン環側の
双方に1つ以上フッ素を置換させたフッ素置換2-フェニ
ルピリジンが得られる。更に、上記式(12)に示すハ
ロゲン化ベンゼンと式(14)に示すフッ素置換2-ハロ
ゲン化ピリジンを用いることにより、ピリジン環側のみ
にフッ素を置換させたフッ素置換2-フェニルピリジンが
得られる。この場合ピリジン環側に2つ以上のフッ素が
置換される。
【0042】金属マグネシウムを用いた方法 先ず、上記式(6)、式(9)に示すフッ素置換ハロゲ
ン化ベンゼン又は式(12)に示すハロゲン化ベンゼン
を用意する。次いで下記式(18)に示すように、フッ
素置換ハロゲン化ベンゼンに金属マグネシウムを反応さ
せることにより、ハロゲン原子とベンゼン環との間にマ
グネシウムが挿入された有機金属化合物が得られる。
【0043】
【化32】 但し、XはCl、Br又はI元素であり、整数mは0≦
m≦4である。
【0044】この式(18)に示す反応は、エーテル系
溶媒中でハロゲン化アルキルとマグネシウムとを作用さ
せることにより得られるグリニャール試薬(Grignard R
eagent)の製造方法と同様の反応である。エーテル系溶
媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。こ
の反応では、反応温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内
で反応時間が1〜48時間である。反応温度が0℃未満
では効果的に反応が進行せず、有機金属化合物の収率が
低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規定したの
は、その温度以上には上がらないからである。溶媒の沸
点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態として
反応させると収率が低下するため、溶媒が緩やかに還流
するぐらいが反応条件としては最適である。反応時間が
1時間未満であると、反応が十分に進行しない。好まし
い反応時間は3〜48時間である。
【0045】下記式(19)に示すように、この有機金
属化合物にフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンと反応させ
てフッ素が2個以上置換した第1中間体含むフッ素置換
2-フェニルピリジンを製造する。
【0046】
【化33】 但し、XはCl、Br又はI元素であり、X’はCl、
Br又はI元素であり、整数m及びnの関係が2≦m+
n≦8であって、0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
【0047】この式(19)に示す反応では、式(1
7)に示す反応と同様に、パラジウム触媒、例えばテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh3)
4]を触媒として存在させることにより、フッ素置換2-
ハロゲン化ピリジンとの反応が位置選択性よく進行す
る。ここで使用されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジン
のピリジン環にフッ素を導入する方法としては、アミノ
基を有した2-ハロゲン化ピリジンのジアゾフッ素化が適
当である。溶媒としては、一般的にエーテル系溶媒を使
用することができる。エーテル系溶媒としては、TH
F、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル等が挙げられる。この反応では、反応
温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内で反応時間が1〜
24時間である。反応温度が0℃未満では効果的に反応
が進行せず、フッ素置換2-フェニルピリジンの収率が低
下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規定したの
は、その温度以上には上がらないからである。溶媒の沸
点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態として
反応させると収率が低下するため、溶媒が還流しない程
度が反応条件としては最適である。反応時間が1時間未
満であると、反応が十分に進行しない。好ましい反応時
間は2〜24時間である。このように上記式(18)及
び式(19)に示す反応により、前述した式(15)〜
式(17)に示す反応と同様に、フッ素が2個以上置換
した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジンが
得られる。
【0048】また、別の方法としては、先ず、上記式
(8)、式(14)に示すフッ素置換2-ハロゲン化ピリ
ジン又は式(11)に示す2-ハロゲン化ピリジンを用意
する。次いで下記式(20)に示すように、フッ素置換
2-ハロゲン化ピリジンに金属マグネシウムを反応させる
ことにより、ハロゲン原子とピリジン環との間にマグネ
シウムが挿入された第4中間体が得られる。ここで使用
されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンはアミノ基を有
した2-ハロゲン化ピリジンのジアゾフッ素化により得ら
れる。
【0049】
【化34】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数nは0
≦n≦4である。
【0050】この式(20)に示す反応は、上記式(1
8)に示す反応と同じく、グリニャール試薬の製造方法
と同様の方法である。エーテル系溶媒としては、TH
F、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル等が挙げられる。この反応では、反応
温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内で反応時間が1〜
48時間である。反応温度が0℃未満では効果的に反応
が進行せず、第4中間体の収率が低下する。反応温度の
上限値を溶媒の沸点に規定したのは、その温度以上には
上がらないからである。溶媒の沸点近傍の温度で溶媒が
激しく還流するような状態として反応を進行させると、
収率が低下するため、溶媒が緩やかに還流する程度が反
応条件としては最適である。反応時間が1時間未満であ
ると、反応が十分に進行しない。好ましい反応時間は2
〜48時間である。
【0051】下記式(21)に示すように、この第4中
間体にフッ素置換ブロモベンゼンを反応させてフッ素が
2個以上置換した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニ
ルピリジンを製造する。
【0052】
【化35】 但し、XはCl、Br又はI元素であり、X’はCl、
Br又はI元素であり、整数m及びnの関係が2≦m+
n≦8であって、0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
【0053】この式(21)に示す反応では、パラジウ
ム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム[Pd(PPh3)4]を触媒として存在させることに
より、フッ素置換ハロゲン化ベンゼンとの反応が位置選
択性よく進行する。溶媒としては、一般的にエーテル系
溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒として
は、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この反応
では、反応温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内で反応
時間が1〜24時間である。反応温度が0℃未満では効
果的に反応が進行せず、フッ素置換2-フェニルピリジン
の収率が低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規
定したのは、その温度以上には上がらないからである。
溶媒の沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状
態として反応を進行させると、収率が低下するため、溶
媒が還流しない程度が反応条件としては最適である。反
応時間が1時間未満であると、反応が十分に進行しな
い。好ましい反応時間は2〜24時間である。このよう
に上記式(20)及び式(21)に示す反応により、前
述した式(15)〜式(17)及び式(18)、式(1
9)にそれぞれ示す反応と同様に、フッ素が2個以上置
換した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジン
が得られる次に、下記式(22)に示すように、イリジ
ウム(III)アセチルアセトネートと上述した方法により
得られた窒素原子から数えて1,6,7及び12位を除
く位置に2つ以上フッ素が置換された第1中間体を含む
フッ素置換2-フェニルピリジンとを反応させ、錯体を形
成することにより本発明のイリジウム錯体が製造され
る。
【0054】
【化36】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
【0055】この式(22)に示す反応では、イリジウ
ム錯体化においては、溶媒としては、グリセロール等を
使用することができる。この反応は、一般的に溶媒が還
流する温度で行われ、0.266〜101.08kP
a、反応温度が130〜280℃の範囲内で反応時間が
1〜12時間である。反応温度が130℃未満では効果
的に反応が進行せず、イリジウム錯体の収率が低下す
る。反応温度の上限値を280℃に規定したのは使用す
るグリセロールが290℃で分解してしまうからであ
る。反応時間が1時間未満であると、反応が十分に進行
しない。好ましい反応時間は8〜12時間である。この
ようにして得られたフッ素置換イリジウム錯体を質量分
析、元素分析、IR、NMR等にて測定したところ、そ
れぞれ目的とする化合物が生成していることが確認され
た。
【0056】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 <実施例1>先ず、活性化したマグネシウム0.45g
とジエチルエーテル30mlにジエチルエーテル50m
lで希釈した1-ブロモ-4-フルオロベンゼン3.0gを
添加し、40℃で8時間撹拌することによりグリニャー
ル試薬を調製した。次いで、5-アミノ-2-クロロピリジ
ンのジアゾフッ素化により得られた5-フルオロ-2-クロ
ロピリジン2.3g、パラジウム触媒1.2gとジエチ
ルエーテル70mlをフラスコに入れておき、調製した
グリニャール試薬を滴下して10℃で4時間反応させる
ことにより、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニル)ピリ
ジンを得た。次に、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニ
ル)ピリジン0.59gにイリジウムアセチルアセトネ
ート0.5g、グリセリン50mlを加え、2.66k
Pa、190℃の条件下で10時間撹拌加熱をした。こ
れに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して
(5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを
得た。
【0057】<実施例2>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとTHF30mlにTHF50mlで希釈
した1-ブロモ-3-フルオロベンゼン3.0gを添加し、
60℃で2時間撹拌することによりグリニャール試薬を
調製した。次いで、5-アミノ-2-クロロピリジンのジア
ゾフッ素化により得られた5-フルオロ-2-クロロピリジ
ン2.3g、パラジウム触媒1.2gとTHF70ml
をフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬を
滴下して30℃で2時間反応させることにより、5-フル
オロ-2-(3-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、5
-フルオロ-2-(3-フルオロフェニル)ピリジン0.59g
にイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリ
ン50mlを加え、6.65kPa、210℃の条件下
で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタ
ンを添加し、有機層を濃縮して(5-フルオロ-2-(3-フル
オロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0058】<実施例3>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとジイソプロピルエーテル30mlにジイ
ソプロピルエーテル50mlで希釈した1-ブロモ-2-フ
ルオロベンゼン3.0gを添加し、30℃で10時間撹
拌することによりグリニャール試薬を調製した。次い
で、5-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた5-フルオロ-2-クロロピリジン2.3g、パ
ラジウム触媒1.2gとジイソプロピルエーテル70m
lをフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬
を滴下して25℃で3時間反応させることにより、5-フ
ルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次
に、5-フルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリジン0.
59gにイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グ
リセリン50mlを加え、2.66kPa、190℃の
条件下で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロ
ロメタンを添加し、有機層を濃縮して(5-フルオロ-2-(2
-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0059】<実施例4>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとTHF30mlにTHF50mlで希釈
した1-ブロモ-4-フルオロベンゼン3.0gを添加し、
50℃で3時間撹拌することによりグリニャール試薬を
調製した。次いで、3-アミノ-2-クロロピリジンのジア
ゾフッ素化により得られた3-フルオロ-2-クロロピリジ
ン2.3g、パラジウム触媒1.2gとTHF70ml
をフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬を
滴下して30℃で3時間反応させることにより、3-フル
オロ-2-(4-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、3
-フルオロ-2-(4-フルオロフェニル)ピリジン0.59g
にイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリ
ン50mlを加え、1.20kPa、165℃の条件下
で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタ
ンを添加し、有機層を濃縮して(3-フルオロ-2-(4-フル
オロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0060】<実施例5>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとジエチルエーテル30mlにジエチルエ
ーテル50mlで希釈した1-ブロモ-3-フルオロベンゼ
ン3.0gを添加し、40℃で24時間撹拌することに
よりグリニャール試薬を調製した。次いで、3-アミノ-2
-クロロピリジンのジアゾフッ素化により得られた3-フ
ルオロ-2-クロロピリジン2.3g、パラジウム触媒
1.2gとジエチルエーテル70mlをフラスコに入れ
ておき、調製したグリニャール試薬を滴下して25℃で
5時間反応させることにより、3-フルオロ-2-(3-フルオ
ロフェニル)ピリジンを得た。次に、3-フルオロ-2-(3-
フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウムア
セチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを加
え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間撹拌
加熱をした。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有
機層を濃縮して(3-フルオロ-2-(3-フルオロフェニル)ピ
リジン)3Irを得た。
【0061】<実施例6>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとジイソプロピルエーテル30mlにジイ
ソプロピルエーテル50mlで希釈した1-ブロモ-2-フ
ルオロベンゼン3.0gを添加し、40℃で24時間撹
拌することによりグリニャール試薬を調製した。次い
で、3-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた3-フルオロ-2-クロロピリジン2.3g、パ
ラジウム触媒1.2gとジイソプロピルエーテル70m
lをフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬
を滴下して30℃で4時間反応させることにより、3-フ
ルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次
に、3-フルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリジン0.
59gにイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グ
リセリン50mlを加え、2.66kPa、190℃の
条件下で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロ
ロメタンを添加し、有機層を濃縮して(3-フルオロ-2-(2
-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0062】<実施例7>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとジイソプロピルエーテル30mlにジイ
ソプロピルエーテル50mlで希釈した1-ブロモ-4-フ
ルオロベンゼン3.0gを添加し、50℃で12時間撹
拌することによりグリニャール試薬を調製した。次い
で、2-アミノ-6-ブロモピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた6-フルオロ-2-ブロモピリジン2.3g、パ
ラジウム触媒1.2gとジイソプロピルエーテル70m
lをフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬
を滴下して30℃で5時間反応させることにより、2-フ
ルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次
に、2-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン0.
59gにイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グ
リセリン50mlを加え、1.60kPa、180℃の
条件下で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロ
ロメタンを添加し、有機層を濃縮して(2-フルオロ-6-(4
-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0063】<実施例8>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとジイソプロピルエーテル30mlにジイ
ソプロピルエーテル50mlで希釈した1-ブロモ-3-フ
ルオロベンゼン3.0gを添加し、60℃で20時間撹
拌することによりグリニャール試薬を調製した。次い
で、2-アミノ-6-ブロモピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた6-フルオロ-2-ブロモピリジン2.3g、パ
ラジウム触媒1.2gとジエチルエーテル70mlをフ
ラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬を滴下
して40℃で3時間反応させることにより、2-フルオロ
-6-(3-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-フ
ルオロ-6-(3-フルオロフェニル)ピリジン0.59gに
イリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリン
50mlを加え、2.66kPa、190℃の条件下で
10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタン
を添加し、有機層を濃縮して(2-フルオロ-6-(3-フルオ
ロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0064】<実施例9>先ず、活性化したマグネシウ
ム0.45gとTHF30mlにTHF50mlで希釈
した1-ブロモ-2-フルオロベンゼン3.0gを添加し、
30℃で5時間撹拌することによりグリニャール試薬を
調製した。次いで、2-アミノ-6-ブロモピリジンのジア
ゾフッ素化により得られた6-フルオロ-2-ブロモピリジ
ン2.3g、パラジウム触媒1.2gとTHF70ml
をフラスコに入れておき、調製したグリニャール試薬を
滴下して25℃で4時間反応させることにより、2-フル
オロ-6-(2-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、2
-フルオロ-6-(2-フルオロフェニル)ピリジン0.59g
にイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリ
ン50mlを加え、2.66kPa、190℃の条件下
で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタ
ンを添加し、有機層を濃縮して(2-フルオロ-6-(2-フル
オロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0065】<実施例10>先ず、1-ブロモ-2,4-ジフ
ルオロベンゼン3gに溶媒の1,2-ジメトキシエタンを3
0ml添加し、−30℃に保持した。ここに12mlの
n-ブチルリチウムのヘキサン溶液を漏斗にてゆっくり滴
下し、2時間撹拌して有機リチウム化合物を形成した。
次いで、室温に戻した上記有機リチウム化合物に、塩化
亜鉛(II)のTHF溶液を添加したのち、20℃で、約3
時間撹拌して有機亜鉛化合物に変換した。別のフラスコ
には2-ブロモピリジン3.2g、パラジウム触媒1.2
gと1,2-ジメトキシエタン70mlを入れておき、前記
有機亜鉛化合物を滴下して30℃で2時間撹拌すること
で2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、
2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリ
ジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリン50
mlを加え、2.66kPa、190℃の条件下で10
時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタンを添
加し、有機層を濃縮して(2-(2,4-ジフルオロフェニル)
ピリジン)3Irを得た。
【0066】<実施例11>先ず、1-ブロモ-3,4-ジフ
ルオロベンゼン3gに溶媒のジエチルエーテルを30m
l添加し、−78℃に保持した。ここに12mlのn-ブ
チルリチウムのヘキサン溶液を漏斗にてゆっくり滴下
し、3時間撹拌して有機リチウム化合物を形成した。次
いで、室温に戻した上記有機リチウム化合物に、塩化亜
鉛(II)のTHF溶液を添加したのち、30℃で、約2時
間撹拌して有機亜鉛化合物に変換した。別のフラスコに
は2-ブロモピリジン3.2g、パラジウム触媒1.2g
とジエチルエーテル70mlを入れておき、前記有機亜
鉛化合物を滴下して30℃で2時間撹拌することで2-
(3,4-ジフルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-
(3,4-ジフルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジ
ウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリン50m
lを加え、2.66kPa、190℃の条件下で10時
間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタンを添加
し、有機層を濃縮して(2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピ
リジン)3Irを得た。
【0067】<実施例12>先ず、1-ブロモ-3,5-ジフ
ルオロベンゼン3gに溶媒のTHFを30ml添加し、
−40℃に保持した。ここに12mlのn-ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液を漏斗にてゆっくり滴下し、2時間撹
拌して有機リチウム化合物を形成した。次いで、室温に
戻した上記有機リチウム化合物に、塩化亜鉛(II)のTH
F溶液を添加したのち、50℃で、約2時間撹拌して有
機亜鉛化合物に変換した。別のフラスコには2-ブロモピ
リジン3.2g、パラジウム触媒1.2gとTHF70
mlを入れておき、前記有機亜鉛化合物を滴下して50
℃で2時間撹拌することで2-(3,5-ジフルオロフェニル)
ピリジンを得た。次に、2-(3,5-ジフルオロフェニル)ピ
リジン0.59gにイリジウムアセチルアセトネート
0.5g、グリセリン50mlを加え、2.66kP
a、190℃の条件下で10時間撹拌加熱をした。これ
に塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(2
-(3,5-ジフルオロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
【0068】<実施例13>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gに1,2-ジメトキシエタンを30ml添加
し、攪拌しておく。5-アミノ-2-クロロピリジンのジア
ゾフッ素化により得られた5-フルオロ-2-クロロピリジ
ン2.3gを1,2-ジメトキシエタン10mlにて希釈し
たものを滴下し、55℃で4時間攪拌することによりグ
リニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-4-フル
オロベンゼン3.0g、パラジウム触媒0.5gと1,2-
ジメトキシエタン30mlをフラスコに入れておき、先
に調製したグリニャール試薬を滴下して45℃で5時間
反応させることにより、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェ
ニル)ピリジンを得た。次に、5-フルオロ-2-(4-フルオ
ロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウムアセチル
アセトネート0.5g、グリセリン50mlを加え、
6.65kPa、210℃の条件下で10時間加熱攪拌
した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を
濃縮して(5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニル)ピリジ
ン)3Irを得た。
【0069】<実施例14>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにTHFを30ml添加し、攪拌してお
く。5-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた5-フルオロ-2-クロロピリジン2.3gをT
HF10mlにて希釈したものを滴下し、60℃で4時
間攪拌することによりグリニャール試薬を調製した。次
いで、1-ブロモ-3-フルオロベンゼン3.0g、パラジ
ウム触媒0.5gとTHF30mlをフラスコに入れて
おき、先に調製したグリニャール試薬を滴下して30℃
で18時間反応させることにより、5-フルオロ-2-(3-フ
ルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、5-フルオロ-2-
(3-フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウム
アセチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを
加え、2.66kPa、190℃の条件下で9時間加熱
攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機
層を濃縮して(5-フルオロ-2-(3-フルオロフェニル)ピリ
ジン)3Irを得た。
【0070】<実施例15>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gに1,2-ジメトキシエタンを30ml添加
し、攪拌しておく。5-アミノ-2-クロロピリジンのジア
ゾフッ素化により得られた5-フルオロ-2-クロロピリジ
ン2.3gを1,2-ジメトキシエタン10mlにて希釈し
たものを滴下し、40℃で30時間攪拌することにより
グリニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-2-フ
ルオロベンゼン3.0g、パラジウム触媒0.5gと1,
2-ジメトキシエタン30mlをフラスコに入れておき、
先に調製したグリニャール試薬を滴下して30℃で18
時間反応させることにより、5-フルオロ-2-(2-フルオロ
フェニル)ピリジンを得た。次に、5-フルオロ-2-(2-フ
ルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウムアセ
チルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを加
え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加熱
攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機
層を濃縮して(5-フルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリ
ジン)3Irを得た。
【0071】<実施例16>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにジイソプロピルエーテルを30ml添
加し、攪拌しておく。3-アミノ-2-クロロピリジンのジ
アゾフッ素化により得られた3-フルオロ-2-クロロピリ
ジン2.3gをジイソプロピルエーテル10mlにて希
釈したものを滴下し、40℃で36時間攪拌することに
よりグリニャール試薬を調製した。次いで、1-クロロ-4
-フルオロベンゼン2.2g、パラジウム触媒0.5g
とジイソプロピルエーテル30mlをフラスコに入れて
おき、先に調製したグリニャール試薬を滴下して40℃
で16時間反応させることにより、3-フルオロ-2-(4-フ
ルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、3-フルオロ-2-
(4-フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウム
アセチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを
加え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加
熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有
機層を濃縮して(3-フルオロ-2-(4-フルオロフェニル)ピ
リジン)3Irを得た。
【0072】<実施例17>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにTHFを30ml添加し、攪拌してお
く。3-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた3-フルオロ-2-クロロピリジン2.3gをT
HF10mlにて希釈したものを滴下し、30℃で5時
間攪拌することによりグリニャール試薬を調製した。次
いで、1-イオド-3-フルオロベンゼン3.8g、パラジ
ウム触媒0.5gとTHF30mlをフラスコに入れて
おき、先に調製したグリニャール試薬を滴下して35℃
で5時間反応させることにより、3-フルオロ-2-(3-フル
オロフェニル)ピリジンを得た。次に、3-フルオロ-2-(3
-フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウムア
セチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを加
え、1.60kPa、180℃の条件下で10時間加熱
攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機
層を濃縮して(3-フルオロ-2-(3-フルオロフェニル)ピリ
ジン)3Irを得た。
【0073】<実施例18>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにジエチルエーテルを30ml添加し、
攪拌しておく。3-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフ
ッ素化により得られた3-フルオロ-2-クロロピリジン
2.3gをジエチルエーテル10mlにて希釈したもの
を滴下し、20℃で48時間攪拌することによりグリニ
ャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-2-フルオロ
ベンゼン3.0g、パラジウム触媒0.5gとジエチル
エーテル30mlをフラスコに入れておき、先に調製し
たグリニャール試薬を滴下して30℃で24時間反応さ
せることにより、3-フルオロ-2-(2-フルオロフェニル)
ピリジンを得た。次に、3-フルオロ-2-(2-フルオロフェ
ニル)ピリジン0.59gにイリジウムアセチルアセト
ネート0.5g、グリセリン50mlを加え、2.66
kPa、190℃の条件下で10時間加熱攪拌した。こ
れに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して
(3-フルオロ-2-(2-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを
得た。
【0074】<実施例19>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにジエチルエーテルを30ml添加し、
攪拌しておく。2-アミノ-6-ブロモピリジンのジアゾフ
ッ素化により得られた2-フルオロ-6-ブロモピリジン
2.3gをジエチルエーテル10mlにて希釈したもの
を滴下し、25℃で48時間攪拌することによりグリニ
ャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-2-フルオロ
ベンゼン3.0g、パラジウム触媒0.5gとジエチル
エーテル30mlをフラスコに入れておき、先に調製し
たグリニャール試薬を滴下して35℃で24時間反応さ
せることにより、2-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)
ピリジンを得た。次に、2-フルオロ-6-(4-フルオロフェ
ニル)ピリジン0.59gにイリジウムアセチルアセト
ネート0.5g、グリセリン50mlを加え、1.20
kPa、160℃の条件下で10時間加熱攪拌した。こ
れに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して
(2-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを
得た。
【0075】<実施例20>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにジイソプロピルエーテルを30ml添
加し、攪拌しておく。2-アミノ-6-ブロモピリジンのジ
アゾフッ素化により得られた2-フルオロ-6-ブロモピリ
ジン2.3gをジイソプロピルエーテル10mlにて希
釈したものを滴下し、40℃で36時間攪拌することに
よりグリニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-3
-フルオロベンゼン3.0g、パラジウム触媒0.5g
とジイソプロピルエーテル30mlをフラスコに入れて
おき、先に調製したグリニャール試薬を滴下して35℃
で24時間反応させることにより、2-フルオロ-6-(3-フ
ルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-フルオロ-6-
(3-フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウム
アセチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを
加え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加
熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有
機層を濃縮して(2-フルオロ-6-(3-フルオロフェニル)ピ
リジン)3Irを得た。
【0076】<実施例21>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにTHFを30ml添加し、攪拌してお
く。2-アミノ-6-ブロモピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた2-フルオロ-6-ブロモピリジン2.3gをT
HF10mlにて希釈したものを滴下し、50℃で5時
間攪拌することによりグリニャール試薬を調製した。次
いで、1-ブロモ-2-フルオロベンゼン3.0g、パラジ
ウム触媒0.5gとTHF30mlをフラスコに入れて
おき、先に調製したグリニャール試薬を滴下して45℃
で4時間反応させることにより、2-フルオロ-6-(2-フル
オロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-フルオロ-6-(2
-フルオロフェニル)ピリジン0.59gにイリジウムア
セチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを加
え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加熱
攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機
層を濃縮して(2-フルオロ-6-(2-フルオロフェニル)ピリ
ジン)3Irを得た。
【0077】<実施例22>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにTHFを30ml添加し、攪拌してお
く。2-ブロモピリジン2.3gをTHF10mlにて希
釈したものを滴下し、40℃で2時間攪拌することによ
りグリニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-3,
4,5-トリフルオロベンゼン3.6g、パラジウム触媒
0.5gとTHF30mlをフラスコに入れておき、先
に調製したグリニャール試薬を滴下して25℃で2時間
反応させることにより、2-(3,4,5-トリフルオロフェニ
ル)ピリジンを得た。次に、2-(3,4,5-トリフルオロフェ
ニル)ピリジン0.64gにイリジウムアセチルアセト
ネート0.5g、グリセリン50mlを加え、2.66
kPa、190℃の条件下で10時間加熱攪拌した。こ
れに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して
(2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ピリジン)3Irを得
た。
【0078】<実施例23>先ず、活性化したマグネシ
ウム0.45gにTHFを30ml添加し、攪拌してお
く。2-ブロモピリジン2.3gをTHF10mlにて希
釈したものを滴下し、40℃で2時間攪拌することによ
りグリニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-2,
3,4,5-トリフルオロベンゼン3.9g、パラジウム触媒
0.5gとTHF30mlをフラスコに入れておき、先
に調製したグリニャール試薬を滴下して30℃で2時間
反応させることにより、2-(2,3,4,5-テトラフルオロフ
ェニル)ピリジンを得た。次に、2-(2,3,4,5-テトラフル
オロフェニル)ピリジン0.70gにイリジウムアセチ
ルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを加え、
2.66kPa、190℃の条件下で10時間加熱攪拌
した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を
濃縮して(2-(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ピリジ
ン)3Irを得た。
【0079】<評価>表1に実施例1〜3、表2に実施
例4〜6,表3に実施例7〜9,表4に実施例10〜1
2、表5に実施例13〜15、表6に実施例16〜1
8、表7に実施例19〜21、表8に実施例22及び2
3の原料、反応条件及び得られた化合物をそれぞれ示
す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
【表8】
【0088】表1〜表8より明らかなように、上記製造
方法により、イリジウム錯体の配位子である2-フェニル
ピリジンの任意の位置にフッ素を導入することができ
る。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の上記式
(1)に示す構造を有するイリジウム錯体はフッ素が配
位子である2-フェニルピリジン内に2つ以上置換されて
いるため、炭素原子との結合エネルギーがより高まり、
耐熱性及び耐酸化性等の向上される。また、本発明の製
造方法は、耐久性特に耐熱性、耐酸化性に優れたフッ素
置換イリジウム錯体を収率よく合成でき、得られたフッ
素置換イリジウム錯体は、高発光効率有機EL材料とし
て極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 真紀 茨城県那珂郡那珂町向山1002番地14 三菱 マテリアル株式会社総合研究所那珂研究セ ンター内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA03 BA08 BA39 BB14 CA02 CA39 DA39 FA03 FA31 GA02 4H048 AA01 AB84 AB92 VA10 VA11 VA12 VA13 VA32 VA61 VA67 4H050 AA01 AA02 AB84 AB92

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(1)で示され、窒素原子から数
    えて1,6,7及び12位を除く位置に2つ以上フッ素
    が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンとイリジウ
    ムとが錯体を形成したフッ素置換イリジウム錯体。 【化1】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
    0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
  2. 【請求項2】 次の式(2)で表され、窒素原子から数
    えて1,6,7,12位、2位と10位及び9位と10
    位の組み合わせを除く位置にフッ素がそれぞれ置換され
    た錯体形成用第1中間体。 【化2】 但し、整数m及びnの関係が2≦m+n≦8であって、
    0≦m≦4かつ0≦n≦4である。
  3. 【請求項3】 次の式(3)で表され、置換基Liから
    数えて2位と3位と4位、2位と3位と5位、2位と4
    位と5位及び3位と4位と5位の組み合わせの位置にフ
    ッ素がそれぞれ置換された錯体形成用第2中間体。 【化3】 但し、整数mは3である。
  4. 【請求項4】 次の式(4)で表され、置換基ZnCl
    から数えて3位、4位及び2位と4位の組み合わせを除
    く位置にフッ素がそれぞれ置換された錯体形成用第3中
    間体。 【化4】 但し、整数mは0≦m≦4である。
  5. 【請求項5】 次の式(5)で表される錯体形成用第4
    中間体。 【化5】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数nは0
    ≦n≦4である。
  6. 【請求項6】 イリジウム(III)アセチルアセトネート
    と窒素原子から数えて1,6,7及び12位を除く位置
    に2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピ
    リジンとを反応させ、錯体を形成させることを特徴とす
    るフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
  7. 【請求項7】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
    2-フェニルピリジンが次の式(6)で示されるフッ素置
    換ハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させ
    た後、塩化亜鉛(II)と反応させることにより得られる次
    の式(7)で示されるフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと次
    の式(8)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジン
    とを反応させることにより得られる請求項6記載のフッ
    素置換イリジウム錯体の製造方法。 【化6】 但し、XはCl、Br又はI元素であって、整数mが1
    ≦m≦4である。 【化7】 但し、整数mは1≦m≦4である。 【化8】 但し、X’はCl、Br又はI元素であり、整数nが1
    ≦n≦4である。
  8. 【請求項8】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
    2-フェニルピリジンが次の式(9)で示されるフッ素置
    換ハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させ
    た後、塩化亜鉛(II)と反応させることにより得られる次
    の式(10)で示されるフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと
    次の式(11)で示される2-ハロゲン化ピリジンとを反
    応させることにより得られる請求項6記載のフッ素置換
    イリジウム錯体の製造方法。 【化9】 但し、XはCl、Br又はI元素であって、整数mが2
    ≦m≦4である。 【化10】 但し、整数mは2≦m≦4である。 【化11】 但し、X’はCl、Br又はI元素である。
  9. 【請求項9】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置換
    2-フェニルピリジンが次の式(12)で示されるハロゲ
    ン化ベンゼンを有機リチウム化合物と反応させた後、塩
    化亜鉛(II)と反応させることにより得られる次の式(1
    3)で示される塩化亜鉛ベンゼンと次の式(14)で示
    されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させる
    ことにより得られる請求項6記載のフッ素置換イリジウ
    ム錯体の製造方法。 【化12】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 【化13】 【化14】 但し、X’はCl、Br又はI元素であって、整数nが
    2≦n≦4である。
  10. 【請求項10】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項7記載の式(6)で示さ
    れるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを金属マグネシウム
    と反応させることにより得られる有機金属化合物と請求
    項7記載の式(8)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化
    ピリジンとを反応させることにより得られる請求項6記
    載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
  11. 【請求項11】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項8記載の式(9)で示さ
    れるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを金属マグネシウム
    と反応させることにより得られる有機金属化合物と請求
    項8記載の式(11)で示される2-ハロゲン化ピリジン
    とを反応させることにより得られる請求項6記載のフッ
    素置換イリジウム錯体の製造方法。
  12. 【請求項12】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項9記載の式(12)で示
    されるハロゲン化ベンゼンを金属マグネシウムと反応さ
    せることにより得られる有機金属化合物と請求項9記載
    の式(14)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジ
    ンとを反応させることにより得られる請求項6記載のフ
    ッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
  13. 【請求項13】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項7記載の式(8)で示さ
    れるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシウ
    ムと反応させることにより得られる有機金属化合物と請
    求項7記載の式(6)で示されるフッ素置換ハロゲン化
    ベンゼンとを反応させることにより得られる請求項6記
    載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
  14. 【請求項14】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項9記載の式(14)で示
    されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシ
    ウムと反応させることにより得られる有機金属化合物と
    請求項9記載の式(12)で示されるハロゲン化ベンゼ
    ンとを反応させることにより得られる請求項6記載のフ
    ッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
  15. 【請求項15】 2つ以上フッ素が置換されたフッ素置
    換2-フェニルピリジンが請求項8記載の式(11)で示
    される2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシウムと反応
    させることにより得られる有機金属化合物と請求項8記
    載の式(9)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼン
    とを反応させることにより得られる請求項6記載のフッ
    素置換イリジウム錯体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005118606A1 (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料
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WO2008148830A1 (en) 2007-06-08 2008-12-11 Solvay Bipyridine metal complexes for use as light-emitting material
US8518557B2 (en) 2006-10-12 2013-08-27 Solvay (Societe Anonyme) Light emitting materials comprising novel ortho-metalated transition metal complexes
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