JP2007070290A - オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法 - Google Patents

オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に種類の異なる配位子を配位でき、高い収率で安価に合成できるオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法とその中間体となるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法を提供する。
【解決手段】ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させ、この後に、ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに第1配位子を反応させて、イリジウムイオンに第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成し、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に第2配位子を反応させて、イリジウムに第1配位子と第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明はオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法に関し、特に、有機EL素子の発光材料として用いられるオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法と、このオルトメタル化イリジウム錯体と形成するための中間体となるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法に関するものである。
有機発光素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、平面型のディスプレイ装置などにおける有望な表示素子として注目を集めている。
例えば非特許文献1には良好な発光特性を有する発光素子として、2−フェニルピリジンを配位子とするオルトメタル化イリジウム錯体(Ir(ppy):tris-ortho-metalated complex of Iridium (III) with 2-phenyl-pyrydyne)からの発光を利用した緑色発光素子が報告されている。
上記のオルトメタル化イリジウム錯体の合成方法として、例えば非特許文献2に、塩化イリジウムに2−フェニルピリジンを混合することにより、塩素架橋イリジウムダイマー錯体を経て、モノマーのオルトメタル化イリジウム錯体を合成する方法が報告されている。
また、非特許文献3には、上記のオルトメタル化イリジウム錯体の合成方法として、トリスアセチルアセトナートイリジウム(III)を原料とする方法が報告されている。
また、上記のオルトメタル化イリジウム錯体の合成方法として、例えば非特許文献4に、トリフルオロメタンスルホン酸を原料として用いて、合成する方法が報告されている。
非特許文献3に記載の方法によると、2種類の異なる配位子を有するオルトメタル化イリジウム錯体を形成することができる。
また、特許文献1には、塩素架橋イリジウムダイマー錯体にアセチルアセトンを反応させて、アセチルアセトンを配位させたイリジウムモノマー錯体を形成し、さらに種類のことなる配位子でアセチルアセトンを置換することで、異なる種類の配位子が配位したイリジウムモノマー錯体を合成する方法が開示されている。
また、非特許文献5には、配位子をモル比で30〜100倍と多量に用いることによる上記のオルトメタル化イリジウム錯体の迅速な合成方法が報告されている。
しかし、非特許文献2及び3に記載の方法では、収率が低いという問題がある。さらにイリジウムに配位する3つの配位子が全て同じであるものしか合成することができないという問題もある。
また、非特許文献4に記載の方法でも収率が低いという問題があり、さらにトリフルオロメタンスルホン酸という吸湿性の高い原料を用いているので、取り扱いが困難で操作性が悪いという問題がある。
また、特許文献1に記載の方法でも収率が低いという問題がある。
また、非特許文献5に記載の方法では、収率は75%程度と比較的高いものの、配位子を上述のように多量に用いなければならず、配位子は非常に高価であるので多量に製造するには現実的でない。また、この方法によっても、イリジウムに配位する3つの配位子が全て同じであるものしか合成することができない。
また、上記のいずれも方法によっても、反応時間が長いという不利益がある。
特開2002−105055号公報 特開2001−247859号公報 Applied Physics Letter, 75, 4(1999). Journal of the American Chemical Society, 107, 1431(1985) Inorganic Chemistry, 30, 1685(1991) Inorganic Chemistry, 33, 545(1994) Chemistry Letters, 32, 3, 252(2003)
本発明の目的は、容易に種類の異なる配位子を配位させることでき、高い収率で安価に合成できる2−フェニルピリジンなどを配位子とするオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法を提供することである。
また、オルトメタル化イリジウム錯体合成の中間体となるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させる工程と、前記ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに第1配位子を反応させて、イリジウムイオンに前記第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程と、前記ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に第2配位子を反応させて、イリジウムに前記第1配位子と前記第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する工程とを有する。
上記の本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させ、この後に、ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに第1配位子を反応させて、イリジウムイオンに第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
次に、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に第2配位子を反応させて、イリジウムに第1配位子と第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
上記の本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、好適には、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
さらに好適には、前記オルトメタル化イリジウム錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記第1配位子と1分子の前記第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
上記の本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、好適には、前記第1配位子と前記第2配位子が異なる配位子である。
あるいは好適には、前記第1配位子と前記第2配位子が同じ配位子である。
また、好適には、前記第1配位子が、下記化学式(1)の構造を有する。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
また、好適には、前記第2配位子が、下記化学式(1)の構造を有する配位子、アセチルアセトン誘導体、ピコリン酸誘導体、リン化合物、あるいは、ハロゲンである。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
上記の課題を解決するため、本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体は、下記化学式(2)の構造を有し、イリジウム1原子あたり2分子の配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなる配位子が、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位しており、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよく、m及びnは2である。
上記の本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体は、好適には、前記配位子が、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された配位子である。
上記の課題を解決するため、本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法は、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させる工程と、前記ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに配位子を反応させて、イリジウムイオンに前記配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程とを有する。
上記の本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法は、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させ、この後に、ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに配位子を反応させて、イリジウムイオンに配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
上記の本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法は、好適には、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
上記の本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法は、好適には、前記配位子が、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された配位子である。
本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法によれば、一度ハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させておくことで、その後の配位子との反応を速やかに進行させることができ、配位子を過剰に用いることもないので安価であり、高い収率でオルトメタル化イリジウム錯体の製造が可能である。さらに、配位子との反応はヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を経て進行するので、使用する配位子の種類を変えることで容易に種類の異なる配位子を配位させることができる。
本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体によれば、さらに配位子を反応させることで、安価にかつ高い収率でオルトメタル化イリジウム錯体の製造が可能であり、上記のさらに反応させる配位子と既にヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体内に含まれている配位子と種類を変えることで容易に種類の異なる配位子を配位させることができる。
本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法によれば、さらに配位子を反応させることで、安価にかつ高い収率でオルトメタル化イリジウム錯体の製造が可能であり、容易に種類の異なる配位子を配位させることが可能なヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を製造できる。
以下に、本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体とその製造方法の実施の形態について説明する。
本実施形態に係るオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、まず、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させる。
ここで、ヨウ素を除くハロゲン化イリジウムとしては、例えば3塩化イリジウム、4ハロゲン化イリジウム、6塩化イリジウムなどを用いることができる。ハロゲンとしてはヨウ素以外であればよく、臭化イリジウムなども用いることが可能である。
また、ヨウ化物イオンとしては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウムなどを用いることができる。
次に、ヨウ化物イオンと反応したイリジウムに、例えば2―フェニルピリジンなどの第1配位子を反応させて、イリジウムに第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
次に、上記のようにして形成されたヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に、第2配位子を反応させて、イリジウム1原子あたり2分子の第1配位子と1分子の第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
上記の第1及び第2配位子としては、特に限定はないが、イリジウムと窒素または炭素の結合を少なくとも2つ形成しうる多座配位子を用いることが好ましい。
上記の第1配位子としては、下記化学式(1)の構造を有する配位子が好ましい。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
上記の第1配位子の例としては、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された配位子や、特許文献2に記載の配位子を挙げることができる。
上記の第2配位子としては、下記化学式(1)の構造を有する配位子、アセチルアセトン誘導体、ピコリン酸誘導体、リン化合物、あるいは、ハロゲンであることが好ましい。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
上記の第2配位子の例としては、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された有機配位子、リン酸化合物を含む無機配位子、あるいは、特許文献2に記載の配位子を挙げることができる。
本実施形態においては、反応円滑に進行させるために、反応溶媒として極性溶媒を用いることが好ましい。
上記の極性溶媒としては、高沸点な溶媒、例えば、エチレングリコール、グリセロール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、あるいはそれらを含む混合溶媒を用いることができ、エチレングリコール及びグリセロールを特に好ましく用いることができる。
ここで、上記のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の構造について説明する。
ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体は、下記の化学式(2)に示す構造を有する。
Figure 2007070290
式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなる配位子が、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位しており、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよく、m及びnは2である。
ここで、上記の化学式(2)としては、その互変異性体も含むものとする。
上記のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の形成において、ヨウ化カリウムの使用量はハロゲン化イリジウムに対して化学量論的に2以上とし、3〜10当量が好ましい。
第1配位子の使用量は、ハロゲン化イリジウムに対し、化学量論的に5以上である。
ヨウ素架橋イリジウムダイマーが生成されると沈殿となる。これらをろ過した後のろ液に水を加えるとさらに沈殿が生じるが、ろ液からの沈殿にヨウ素架橋イリジウムダイマーはほとんど含まれておらず、ヨウ素架橋イリジウムダイマーの沈殿が高収率、高純度で得られていることを示す。これは、主としてヨウ素架橋イリジウムダイマーの溶解度が低く、錯体が沈殿することによりさらに錯体が形成される反応が進むためと考えられる。このため、反応のために必要な労力と時間を下記の塩素架橋イリジウムダイマーの場合より削減できる。
一方、塩素あるいは臭素架橋イリジウムダイマーの場合も沈殿が生じるが、これらをろ過した後のろ液に水を加えるとさらに沈殿が生じ、これらの1H−NMRの結果からは、塩素あるいは臭素架橋イリジウムダイマーがある程度含まれていることを示している。これは、塩素あるいは臭素架橋イリジウムダイマーの場合、溶解度がそれほど低くないので塩素または臭素架橋イリジウムダイマーは溶液中に残っているためである。
溶媒は高沸点なものを用いるので、溶液中の塩素または臭素架橋イリジウムダイマーを取り出すのは容易ではなく、水などを加えて溶解度を下げて沈殿を取り出すが、これではかなりの不純物を含み、カラムトグラムなどで塩素または臭素架橋イリジウムダイマーを分離ことが行われるので相当の労力と時間を必要としてしまうものである。
上記のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の形成において、加熱手段は特に限定はない。
反応時間は30分〜6時間であり、1時間程度が好ましい。
窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で反応を行うことも好ましい。
上記のオルトメタル化イリジウム錯体の形成において、第2配位子の使用量は、ヨウ素架橋イリジウムダイマー1モルに対して5モル以上とする。
加熱手段は特に限定はなく、反応時間は6〜24時間が望ましく、好ましくは12時間である。
窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で反応を行うことも好ましい。
上記のオルトメタル化イリジウム錯体の形成反応の温度は溶媒にもよって異なるが、通常、反応温度は150〜300℃、好ましくは150〜250℃であり、反応圧力は1〜30atm、好ましくは1〜5atmである。
上記のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法及びオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法において、第1配位子と第2配位子が異なる配位子であってもよく、同じ配位子であってもよい。
第1配位子と第2配位子が異なる配位子とすることで、容易に種類の異なる配位子を配位させることができる。
例えば、上記の各反応として具体的にハロゲン化イリジウムが3塩化イリジウムであり、第1配位子及び第2配位子がともに2−フェニルピリジンである場合について反応化学式により説明する。
Figure 2007070290
Figure 2007070290
まず、化学式(3)に示すように、3塩化イリジウム水溶液にヨウ化物イオンとしてヨウ化カリウムを加えて反応させ、この後に、第1配位子として2―フェニルピリジンを反応させて、イリジウム1原子あたり2分子の2−フェニルピリジンを配位させてなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造とし、このようにしてヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
次に、化学式(4)に示すように、上記のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に第2配位子として上記と同じ2−フェニルピリジンを反応させて、イリジウム1原子あたり3分子の2−フェニルピリジンを配位させてなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
また、上記の各反応として具体的にハロゲン化イリジウムが3塩化イリジウムであり、第1配位子が2−フェニルピリジンであり、第2配位子が2−(p−)トリルピリジンである場合について反応化学式により説明する。
まず、上記の化学式(3)と同様にしてイリジウム1原子あたり2分子の2−フェニルピリジンを配位させてなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する。
Figure 2007070290
次に、化学式(5)に示すように、第2配位子として2−(p−)トリルピリジンを反応させて、イリジウム1原子あたり2分子の2−フェニルピリジンと1分子の2−(p−)トリルピリジンを配位させてなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する。
上記のようにして形成されるオルトメタル化イリジウム錯体は、フェイシャル型と、メリジオナル型の異性体が存在するが、どちらの構造でもかまわず、それらの混合物でもよい。より好ましいのは、フェイシャル型である。
上記のようにしてオルトメタル化イリジウム錯体を形成したときのヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の含有率は検出限界以下となる。
上記の第1および第2配位子の組み合わせにより、種々のオルトメタル化イリジウム錯体を製造することができる。以下の化学式(a)〜(l)にその代表的な構造を示す。
Figure 2007070290
(実施例)
実施例1:[Ir(ppy)2I]2の合成
IrCl3・3H2O 1mmolを30mlのエチレングリコールに溶解して攪拌しながら、160℃のホットプレートで加熱した。得られた溶液にアルゴンガスを流して反応させた。
溶液が60℃になったところで、10mlのエチレングリコールに溶解したKI 6mmolを添加し、溶液が90℃になったら10mlのエチレングリコールに溶解した2−フェニルピリジン(ppy) 5mmolを添加し、直ちに160℃の油浴に移し、1時間攪拌しながら反応させ、黄色沈殿を含む溶液を得た。
これを素早く室温まで冷却した後、減圧ろ過し、ろ紙上に残った黄色沈殿物を200mlの純水、少量のアルコール、ジエチルエーテルの順に洗浄し、[Ir(ppy)2I]2を得た。
これをCDCl3に溶解して1H-NMRおよび元素分析によって解析した。
実施例2:Ir(ppy)3の合成
実施例1で得られた:[Ir(ppy)2I]2(MW=1254.97)全量を30mlのエチレングリコールに溶解し、160℃の油浴で攪拌しながら加熱した。溶液が160℃になったら10mlのエチレングリコールに溶解した2−フェニルピリジン(ppy)(MW=155.20)を[Ir(ppy)2I]2に対して10倍のモル比で添加し、直ちに同じく10mlのエチレングリコールに溶解した炭酸ナトリウムあるいはトリエタノールアミン(MW=149.19)を[Ir(ppy)2I]2に対して10倍のモル比で添加し、12時間攪拌しながら反応させ、黄色沈殿溶液を得た。
これを水浴にて素早く室温まで冷却した後、減圧ろ過し、ろ紙上に残った黄色沈殿物を200mlの純水、少量のメタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄し、Ir(ppy)3を得た。
これをCDCl3に溶解して1H-NMRおよび元素分析によって解析した。
上記の実施例2としては、異なる合成時間の比較を行うために、反応時間を6時間及び12時間としても実験を行った。
実施例3:Ir(ppy)(tpy)の合成
実施例2において、2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(p−)トリルピリジン(tpy)を添加して、Ir(ppy)(tpy)を得た。
実施例4:[Ir(tpy)2I]2の合成
実施例1において、2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(p−)トリルピリジン(tpy)を添加して、[Ir(tpy)2I]2を得た。
実施例5:Ir(tpy)3の合成
実施例4で得られた[Ir(tpy)2I]2を用いて、実施例2と同様にして、添加する2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(p−)トリルピリジン(tpy)を添加して、Ir(tpy)を得た。
実施例6:Ir(tpy)(ppy)の合成
実施例4で得られた[Ir(tpy)2I]2を用いて、実施例2と同様にして、Ir(tpy)(ppy)を得た。
実施例7:Ir(ppy)(thpy)の合成
実施例2において、2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(2−チエニル)ピリジン(thpy)を添加して、Ir(ppy)(thpy)を得た。
実施例8:Ir(tpy)(thpy)の合成
実施例4で得られた[Ir(tpy)2I]2を用いて、実施例2と同様にして、添加する2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(2−チエニル)ピリジン(thpy)を添加して、Ir(tpy)(thpy)を得た。
実施例9:[Ir(thpy)2I]2の合成
実施例1において、2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(2−チエニル)ピリジン(thpy)を添加して、[Ir(thpy)2I]2を得た。
実施例10:Ir(thpy)3の合成
実施例9で得られた[Ir(thpy)2I]2を用いて、実施例2と同様にして、添加する2−フェニルピリジン(ppy)の代わりに2−(2−チエニル)ピリジン(thpy)を添加して、Ir(thpy)を得た。
実施例11:Ir(ppy)(acac)の合成
実施例2において、2−フェニルピリジン(ppy)の代わりにアセチルアセトン(acac)を添加して、Ir(ppy)(acac)を得た。
実施例12:Ir(tpy)2(acac)の合成
実施例4で得られた[Ir(tpy)2I]2を用いて、実施例2と同様にして、添加する2−フェニルピリジン(ppy)の代わりにアセチルアセトン(acac)を添加して、Ir(tpy)2(acac)を得た。
上記の各実施例で得られた、オルトメタル化イリジウム錯体及びそれを合成するための中間体であるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の収率を表1にまとめた。
上記の各実施例と同様に、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の形成工程前においてKIを添加しなかった場合についても比較例として同様の実験を行った。
表1には、上記の各実施例及び比較例から、オルトメタル化イリジウム錯体としてのIr(ppy)3、Ir(ppy)(tpy)、Ir(tpy)(ppy)、Ir(tpy)3、Ir(ppy)(thpy)、Ir(tpy)(thpy)、Ir(thpy)3、Ir(ppy)(acac)、Ir(tpy)2(acac)をそれぞれ合成するときの中間体であるヨウ素(または塩素)架橋イリジウムダイマー錯体(Dimer)と、各対応するオルトメタル化イリジウム錯体とを合成したときの、本発明(KIを添加した場合)と従来例(KIを添加しなかった場合)とでまとめた。ここで、各収率は、原料となる塩化イリジウムに対して算出されている。
Figure 2007070290
表1から、オルトメタル化イリジウム錯体の収率と、ヨウ素(または塩素)架橋イリジウムダイマー錯体の収率のいずれにおいても、KIを添加したヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の場合と、ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を中間体としてオルトメタル化イリジウム錯体を形成した場合のほうが、収率を高められることが確認された。
上記の本実施形態のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法によれば、容易に種類の異なる配位子を配位させることでき、高い収率で安価に合成できる2−フェニルピリジンなどを配位子とするオルトメタル化イリジウム錯体を製造できる。
上記の本実施形態のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体は、容易に種類の異なる配位子を配位させることでき、高い収率で安価に合成できる2−フェニルピリジンなどを配位子とするオルトメタル化イリジウム錯体の合成の中間体となるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体である。
上記の本実施形態のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法は、容易に種類の異なる配位子を配位させることでき、高い収率で安価に合成できる2−フェニルピリジンなどを配位子とするオルトメタル化イリジウム錯体の合成の中間体となるヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を製造できる。
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、原料となる有機あるいは無機配位子やハロゲン化イリジウム化合物は、上記に示したもの以外でも適用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法は、有機EL素子を構成する発光性材料を製造する方法に適用できる。
本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体は、有機EL素子を構成する発光性材料を合成するための原料に適用できる。
本発明のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法によれば、有機EL素子を構成する発光性材料を製造するための原料を製造する方法に適用できる。

Claims (12)

  1. ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させる工程と、
    前記ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに第1配位子を反応させて、イリジウムイオンに前記第1配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程と、
    前記ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体に第2配位子を反応させて、イリジウムイオンに前記第1配位子と前記第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する工程と
    を有するオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  2. ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記第1有機配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する
    請求項1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  3. 前記オルトメタル化イリジウム錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記有機配位子と1分子の前記第2配位子が配位してなるオルトメタル化イリジウム錯体を形成する
    請求項2に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  4. 前記第1配位子と前記第2配位子が異なる配位子である
    請求項1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  5. 前記第1配位子と前記第2配位子が同じ配位子である
    請求項1に記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  6. 前記第1配位子が、下記化学式(1)の構造を有する
    請求項1〜5のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure 2007070290
    式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
  7. 前記第2配位子が、下記化学式(1)の構造を有する配位子、アセチルアセトン誘導体、ピコリン酸誘導体、リン化合物、あるいは、ハロゲンである
    請求項1〜6のいずれかに記載のオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure 2007070290
    式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなり、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位する配位子であり、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよい。
  8. 下記化学式(2)の構造を有し、イリジウム1原子あたり2分子の配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている
    ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体。
    Figure 2007070290
    式中、窒素原子Nを含む環Aと環Bが前記環A中の結合部Lと前記環B中の結合部Kで結合してなる配位子が、前記環A中の窒素原子Nと前記環B中の炭素原子CでイリジウムイオンMに配位しており、結合部Kと結合部Lは単結合または二重結合で結合し、あるいは、結合部Kと結合部Lの間に炭素鎖、ケイ素原子、リン原子を含む鎖を有し、環Aおよび環Bは5員環または6員環の芳香環または非芳香環であり、環Aおよび環Bの骨格は炭素原子、窒素原子及び/またはイオウ原子で構成され、環Aおよび環Bは置換基を有してよく、環Aと環Bは結合部Lと結合部Kで連結しているが、また別の環により縮合していてもよく、m及びnは2である。
  9. 前記配位子が、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された配位子である
    請求項8に記載のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体。
  10. ヨウ素を除くハロゲン化イリジウム溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を加えて反応させる工程と、
    前記ヨウ化物イオンと反応したイリジウムイオンに配位子を反応させて、イリジウムイオンに前記配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程と
    を有するヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法。
  11. ヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する工程において、イリジウム1原子あたり2分子の前記配位子が配位してなるイリジウム錯体がヨウ化物イオンを介して架橋して2量体となっている構造のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体を形成する
    請求項10に記載のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法。
  12. 前記配位子が、2−フェニルピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルイソキノリン誘導体、1−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジン誘導体、2−ベンジルピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体からなるグループから選択された配位子である
    請求項10あるいは11に記載のヨウ素架橋イリジウムダイマー錯体の製造方法。
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