JP5416097B2 - 発光物質 - Google Patents

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Description

本発明は、発光物質、該物質の使用に関する。本発明は、電気エネルギーを光に変換することが可能な発光素子にさらに関する。
今日では、特に有機物質からのエレクトロルミネセンス(EL)をベースとする、様々なディスプレイ素子が活発に研究、開発されている。
光ルミネセンス(すなわち励起状態の放射崩壊による、光学的な吸収および緩和による活性物質からの発光)とは対照的に、エレクトロルミネセンス(EL)は、基材へ電場を印加した結果の、非熱的な発光に言及する。後者の場合においては、外部回路の存在下に、有機半導体の中に注入される逆の符号の電荷キャリア(電子および正孔)を再結合することによって、励起が達成される。
有機発光ダイオード(OLED)の単純な原型、すなわち単層OLEDは、典型的には、二つの電極で挟まれた活性有機物質から作製された薄膜からなる。一つの電極は有機層からの発光が観察できるように半透明である必要がある。典型的にはインジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングされたガラス基材がアノードとして使用される。
その二つの電極に外部電圧を印加した場合、適用された有機物質に依存する所定の閾電圧を超えると、電荷キャリア、すなわち、アノードにおける正孔およびカソードにおける電子が有機層に注入される。電場の存在下においては、電荷キャリアが活性層を通って移動し、逆に荷電された電極に到達したときに、非発光的に放電される。しかしながら、正孔と電子が有機層の中をドリフトしている間に相互にぶつかると、励起一重項(反対称)および三重項(対称)状態(いわゆるエキシトン)が形成される。したがって、分子励起状態(またはエキシトン)の崩壊により、有機物質の中で光が発生する。OLED中で電気励起により形成される三重項エキシトンの三つごとに、対称状態(一重項)エキシトンが一つだけ作りだされる。
多くの有機物質は、一重項エキシトンからの蛍光(すなわち、対称許容過程からのルミネセンス)を示すが、この過程が同一の対称状態の間で起きるため、それは極めて効率が高いものとなり得る。それとは対照的に、エキシトンの対称が、基底状態のそれとは異なっていると、エキシトンの放射緩和が許容されず、ルミネセンスが遅く、低効率なものとなるであろう。基底状態は通常反対称であるために、三重項からの崩壊が対称を崩し、そのためにその過程が許容されず、ELの効率が極めて低い。したがって、三重項状態に蓄えられていたエネルギーのほとんどが浪費される。
対称非許容過程からのルミネセンスは、リン光として知られている。典型的に、リン光は、その遷移の確率が低いために、励起後数秒間も継続する可能性があるが、これは、急速に崩壊する状態で発生する蛍光とは異なる。
しかしながら、ほんの数種であるが、三重項からの効率的な室温リン光を示す有機物質が見出されている。
リン光物質の使用に成功すれば、有機エレクトロルミネッセント素子には、大きな将来性や利益が見込まれる。たとえば、リン光物質を使用する利点は、リン光素子中の(部分的に)三重項に基づく、(EL中で正孔と電子を組合せることで形成される)エキシトンのすべてが、エネルギー転位およびルミネセンスに与することが可能である点にある。このことは、リン光発光そのものにより達成できる。あるいは、リン光物質を蛍光ゲスト中のリン光ホストまたはドーパントとして蛍光過程の効率を改良して、ホストの三重項状態からのリン光を用いて、ホストの三重項状態からゲストの一重項状態へのエネルギー転位を可能とすることで達成できる。
すべての場合において、発光物質が、三原色(赤色、緑色および青色)の一つに相当する、選択されたスペクトル領域の近くに中心を有する比較的狭い帯域においてエレクトロルミネセンス発光を与えるということが重要であり、それによって、それらを、OLEDにおける着色層として使用することが可能となる。
発光素子の性質を改良するための一つの手段として、オルトメタレート化イリジウム錯体からの発光を利用した緑色発光素子が報告されている。(Ir(ppy)3:イリジウム(III)と2−フェニルピリジン(ppy)とのトリス−オルトメタレート化錯体。(非特許文献1)。
このように、2005年12月29日の(特許文献1)(SAMSUNG SDI CO LTD)には、三重項金属配位子電荷移動(MLCT)状態において、青色領域から赤色領域までの範囲で発光する、下式1および2で表わされるイリジウム(III)錯体が開示されている。
Figure 0005416097
式中、Q1は、N含有芳香族環であり、Q2はQ1に融合した芳香族環であり、
Zはカルボニル結合基(>C=)、アルキレン基、酸素結合基(−O−)、窒素原子結合基(−NH−)、チオカルボニル結合基(>C=S)、スルホキシド結合基(>S=O)、スルホニル結合基(−SO−)またはこれらの組み合わせである。
Figure 0005416097
式中、Q1’はN含有芳香族環であり、mは0〜2の整数であり、mは3−mであり、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ、水素または置換基である。
(非特許文献2)には、POH(POH=ジフェニルホスフィノ酢酸)とRh(I)およびIr(I)との相互作用中に、2:1モル比での正方形平面錯体MCl(CO)−(PPhにより、タイプトランス−M(PO)(POH)(CO)の錯体が得られ、3:1モル比でのRhClおよびIrClのPOHとの相互作用の結果、タイプM(PO)(POH)Cl(M=Rh(III)およびIr(III))の錯体が形成されることが開示されている。
(非特許文献3)にはまた、3:1モル比で配位子POH(POH=ジフェニルホスフィノ酢酸)が、RuCl−(PPhと反応すると、PPhが完全に置換された組成物Ru(PO)(POH)の五配位錯体が得られるが、2:1モル比だと、錯体Ru(PO)(PPh)が形成されることが開示されている。
(非特許文献4)には、固体状態において、水素結合ダイマー(dimmer)として存在するCOの存在下、イリジウム錯体[IrCl(COD)]を、ジフェニルホスフィノ酢酸と反応させることにより調製されたイリジウム(III)錯体IrHCl(CO)(η−PhPCHCO)(η−PhPCHCOH)が開示されている。
(非特許文献5)には、カルボニルのみによる結合、リンとカルボニルの両方により配位したキレート形成配位子、およびリンのみによる結合の三つの配位様式で存在する多用途の配位子としてジフェニルホスフィノ酢酸が開示されている。
しかしながら、従来技術における前述の発光物質は、純粋な色を表示しない、すなわち、それらの発光帯域が一般的に、緑色に限定されて、三原色の赤色、緑色および青色の一つに相当する選択されたスペクトル領域の中心には位置せず、OLED活性化合物としてそれらが適用しうる範囲が狭い。したがって、他の色、特に青色領域の発光をすることが可能な発光物質の開発が望まれていた。
良好な色座標を有する、高効率で長寿命の青色発光体は、有機エレクトロルミネッセント素子の分野において現在認識されている「欠落点」である。
米国特許出願公開第2005/287391号明細書
Appl.phys.lett.1999年、第75巻、4頁 TAQUI KHAN,M.M.ら、Synthesis and characterization of platinum group metal complexes of diphenylphosphinoacetic acid.(ジフェニルホスフィノ酢酸の白金族金属錯体の合成と特性決定)、Inorganica Chimica Acta.1988年,第143巻,177−184頁 TAQUI KHAN,M.M.ら、Synthesis and characterization of Ru(III) and Ru(II) complexes of diphenylphosphinacetic acid and their interaction with small molecules.(ジフェニルホスフィノ酢酸のRu(I)およびRu(II)錯体の合成と特性決定、ならびにそれらの小分子との相互作用)、Inorganica Chimica Acta.1988年,第147巻,33−43頁 KUANG,Shan−Mingら、Complexes derived from the reactions of diphenylphosphinoacetic acid. Part 4. Mononuclear complexes of Rh(I),Ir(I) and Ir(III) and some related chemistry involving the diphenyl(2,6−dimethylphenyl)−phosphine ligand.(ジフェニルホスフィノ酢酸の反応に由来する錯体。第4部。Rh(I)、Ir(I)、およびIr(III)の単核性錯体、ならびにジフェニル(2,6−ジメチルフェニル)−ホスフィン配位子を伴う特定の関連化学)、Inorganica Chimica Acta.2003年,第343巻,275−280頁 JAROLIM,T.ら、Coodinating behaviour of diphenylphosphinoacetic acid.(ジフェニルホスフィノ酢酸の配位挙動)、J.Inorg.Nucl.Chem..1976年,第38巻,125−129頁
従って、本発明の目的は、以下に示すような、補助配位子を有する中性のオルトメタレート化錯体を含む発光物質を提供することである。
本発明のさらなる目的は、該発光物質、および該発光物質を含む有機発光素子を用いることである。
本発明の第一の目的は、式(I)の中性錯体を含む発光物質を提供することである。
Figure 0005416097
式中、
Mは、少なくとも40の原子番号の遷移金属、好ましくは第8族〜第12族の遷移金属、より好ましくはIrまたはPt、最も好ましくはIrを表し、
−Eは、芳香族または複素芳香環を表し、場合によってはさらなる芳香族残基または非芳香族環と縮合されていてもよく、該環は場合によっては1個または複数の置換基を有しており、場合によってはEを含む環と縮合された構造を形成し、該環が、spハイブリダイズド炭素を介して金属Mに配位しており、
−Eは、N含有芳香環を表し、場合によってはさらなる芳香族残基または非芳香族環と縮合されていてもよく、該環は場合によっては1個または複数の置換基を有しており、場合によってはEを含む環と縮合された構造を形成し、該環が、spハイブリダイズド窒素を介して金属Mに配位しており、
−XおよびXは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ少なくとも1個の置換基により置換されていてもよいアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアルキルから独立して選択される。
OLEDの多層構造を示す。 380nmでの励起により、298Kで、錯体(III)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。 400nmでの励起により、298Kで、錯体(IV)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。 380nmでの励起により、298Kで、錯体(V)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。
式(I)で特定された、EおよびE残基を含む、炭素および窒素原子により金属に結合された2個のキレート化モノアニオン性配位子は、一般的に、オルトメタレート化配位子(以後、C^N配位子)と呼ばれる。
酸素およびリン原子により金属に結合したキレート化二座配位ホスフィノカルボキシレートモノアニオン性配位子は、一般的に、補助配位子(P^O配位子)と呼ばれる。
意外にも、その金属が、EおよびE残基を含むオルトメタレート化配位子と、二座配位のホスフィノカルボキシレートタイプの補助配位子との両方に結合されると、該配位子が、発光過程に有利に係って、錯体[C^N]M[P^O]の青色発光効率を大幅に改善することが見出された。
上述の式(I)に従う中性錯体はまた、イオン性(カチオン性またはアニオン性)錯体よりも好ましいが、その理由は、それらは一般的に湿度の影響を受けにくく、また、それらを精製中に昇華させることができ有利なためである。
キレート二座配位のホスフィノカルボキシレートモノイオン性配位子は、一般的に、中央遷移金属原子、5員、6員または7員メタラサイクルにより形成される。すなわち、ホスフィノ基およびカルボキシレート残基は、特に、1、2または3つの炭素原子により分離することができる。
好ましいP^O配位子は、ホスフィノ基およびカルボキシレート基が、同じ炭素原子に結合しているものであり、これらの配位子は、5員メタラサイクルを含む錯体、特に、安定したものを形成し、有利である。
本発明の発光物質は、式(II)の中性錯体を含んでいるのが好ましい。
Figure 0005416097
式中、
−XおよびXは、先に定義されたものと同じ意味を有しており、
−Xは、−CH=CH−、−CR=CH−、−CR=CR−、N−H、N−R、O、S、およびSeからなる群から選択され、好ましくは、Xは−CH=CH−、−CR=CH−、およびSから選択され、最も好ましくは、Xは−CH=CH−であり、
−Yは、−CH=CH−、−CR=CH−、−CR=CR−、N−H、N−R、O、S、およびSeからなる群から選択され、好ましくは、Yは−CH=CH−、−CR=CH−、およびSから選択され、最も好ましくは、Yは−CH=CH−であり、
−Rは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、それぞれ1個または複数の非隣接の−CH−基が−O−、−S−、−NR−、もしくは−CONR−によって置換されていてもよく、それぞれ1個または複数の水素原子がFによって置換されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状または環状のアルキルもしくはアルコキシ基またはジアルキルアミノ基、1個または複数の非芳香族ラジカルによって置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一の環の上または二つの異なった環の上のいずれかに存在する複数の置換基Rが合体して、さらなる単環式または多環式の環系、場合によっては芳香族を形成してもよく、
−RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれHまたは脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルは、1〜20個の炭素原子を有し、
−aは、0〜4の整数であり、
−bは、0〜4の整数である。
より好ましくは、本発明の発光物質は、式(IIA)の中和錯体を含む。
Figure 0005416097
−X、X、Y、Xおよびaは、先に定義されたものと同じ意味を有しており、
−RおよびRは、出現ごとに互いに同一であっても異なっていてもよく、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、それぞれ1個または複数の非隣接の−CH−基が、−O−、−S−、−NR−、もしくは−CONR−によって置換されていてもよく、それぞれ1個または複数の水素原子がFによって置換されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状または環状のアルキルもしくはアルコキシ基、1個または複数の非芳香族ラジカルによって置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基から独立して選択され、同一の環の上または二つの異なった環の上のいずれかに存在する複数の置換基Rおよび/またはRが合体して、さらなる単環式または多環式の環系、場合によっては芳香族を形成してもよく、好ましくはRおよび/またはRが、フッ素基(−F)であり、
−RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、C〜Cアルキル、フルオロもしくはペルフルオロアルキル基、例えば、−CH、−nC、−iC、−CF、−C、−C、または1個もしくは複数のエーテル基を有するC〜Cアルキル、フルオロもしくはペルフルオロアルキル基から独立して選択され、好ましくは、RおよびRが独立してC〜Cアルキル基から選択され、より好ましくはRおよびRがメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル基から選択され、
−RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれHまたは脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルは、1〜20個の炭素原子を有し、
−bは、0〜3の間の整数であり、
−wは、1〜4の間の整数である。
式(IIA)の特に好ましい錯体は、少なくとも1個のジアルキルアミノ基−NRが、窒素原子に対してパラ位に位置するものである。
本発明の錯体の中で、好ましいは、XおよびXは、非置換または置換アリール基からそれぞれ独立して選択されるものである。
より好ましいのは、XおよびXがフェニルであるものである。
式(III)〜(V)の中和錯体を含む発光物質により、優れた結果が得られた。
Figure 0005416097
オルトメタレート化配位子およびジフェニルホスフィノ酢酸残基を補助配位子として含む式(III)〜(V)の中性錯体は、青色領域において発光が高い色純度を有しているために、本発明の目的にとって、特に有利である。
ジメチルアミノ置換基が、フェニル−ピリジン配位子の窒素に対してパラ位に存在する上述した錯体(III)で、最良の結果が得られた。
二座配位P^O配位子のジフェニルホスフィノフラクションは、Ir HOMO軌道を安定化する最良のΠ酸として有利に作用し、一方、P^O配位子のカルボキシレート基は、金属の正電荷に有利に反作用し、中和錯体が得られる。このように、P^O配位子は、白金族金属への配位の際、電子密度の良好な均衡を維持しすることが有利にも見出された。
式(I)の錯体、すなわち、2個のオルトメタレート化配位子(C^N配位子)および二座配位ホスフィノ酢酸配位子(P^O)を含む金属錯体の合成は、任意の公知の方法により行うことができる。式(I)の錯体の調製に好適な合成方法の詳細は、「Inorg.Chem.」、第30号、1685頁(1991年)、「Inorg.Chem.」、第27号、3464頁(1988年)、「Inorg.Chem.」、第33号、545頁(1994年)、「Inorg.Chem.Acta」、第181号、245頁(1991年)、「J.Organomet.Chem.」、第35号、293頁(1987年)、「J.Am.Chem.Soc.」、第107号、1431頁(1985年)に開示されている。
一般的には、第1の実施形態によれば、式(I)に従う錯体は、以下の反応スキームに従って調製することができる。
Figure 0005416097
オルトメタレート化配位子(H−C^N)および補助配位子(P^O−H)の酸の形のものは、商品として入手、あるいは、周知の有機合成反応経路によって容易に合成することができる。
特に、オルトメタレート化配位子(H−C^N)は、LOHSE,Olivierら、The Palladium Catalyzed Suzuki Coupling of 2− and 4−chloropyridines(2−および4−クロロピリジンのパラジウム触媒スズキカップリング)、Syn.Lett.、1999年、第1号、15〜18頁、およびUS6670645(DU PONT DE NEMOURS)(2003年12月30日)に記載されているようにして、置換ピリジン化合物と対応のアリールボロン酸のスズキカップリングを使用することにより、良好ないしは優れた収率で調製することができる。
フッ素化オルトメタレート化配位子(H−C^N)の調製に特に採用される合成方法は、JP2003113164A(三菱マテリアル(株)(MITSUBISHI MATERIALS CORP)、2003年4月18日)およびJP2003113163A(三菱マテリアル(株)(MITSUBISHI MATERIALS CORP)、2003年4月18日)に記載がある。
その遷移金属がイリジウムであるならば、三ハロゲン化イリジウム(III)化合物たとえば、IrCl・HO、六ハロゲン化イリジウム(III)化合物たとえば、M゜IrX゜[式中、X゜は、ハロゲン、好ましくはClであり、M゜はアルカリ金属、好ましくはKである]、および六ハロゲン化イリジウム(IV)化合物たとえばM゜IrX゜[式中、X゜は、ハロゲン、好ましくはClであり、M゜は、アルカリ金属、好ましくはKである](以後、Irハロゲン化前駆体と呼ぶ)を、式(I)の錯体を合成するための出発物質として使用することができる。
さらに、ホスフィノ酢酸配位子(P^O−H)、例えば、ジフェニルホスフィノ酢酸は、以下のスキームに示される3工程で合成することができ、文献[K.IssleibおよびG.Thomas、Ber.,第93号、803頁(1960年)、T.JarolimおよびJ.Podlahova、J.Inorg.Nucl.Chem.、第38号、125頁(1976年)]に記載されている。
Figure 0005416097
[C^N]Ir(μ−X°)Ir[C^N]錯体(化合物VIII、式中、M=Ir)、X°はハロゲン、好ましくはCl(例えば、[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジン)IrCl]、[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン)IrCl]、[(2−フェニルピリジン)IrCl]および[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ジメチルアミノピリジン)IrCl])は、該Irハロゲン化前駆体および適切なオルトメタレート化配位子から、文献([King K.A、Watts R.J.J.Am.Chem.Soc.、1987年、109、1589−1590頁])の手順に従って調製することができる。
反応は、中性の形のオルトメタレート化配位子(H−C^N)を過剰に使用して実施するのが有利であり、高沸点溶媒が好ましい。
本発明の目的のためには、「高沸点溶媒」という用語は、少なくとも80℃、好ましくは少なくとも85℃、より好ましくは少なくとも90℃の沸点を有する溶媒を指すものとする。好適な溶媒としては、たとえば、メトキシエタノール、エトキシエタノール、グリセロール、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。前記溶媒は、そのままで使用してもよく、あるいは水との混合物として使用してもよい。
場合によっては、反応を、適切なブレンステッド塩基、例えば、金属炭酸塩、特に炭酸カリウム(KCO)、金属ハイドライド、特に水素化ナトリウム(NaH)、金属エトキシドもしくは金属メトキシド、特にNaOCH、NaOC、アルキルアンモニウムヒドロキシド、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、もしくはイミダゾリウムヒドロキシド等の存在下に実施することができる。
先に定義されたように、適切な配位子(P^O)を用いて金属原子のところで求核性置換をさせて、対応の[C^N]Ir(P^O)(上述の式I、式中、Me=Ir)を形成させることは、適切な溶媒の中で、化学量論量の配位子P^O−Hを、橋かけされた中間体(VIII)とほぼ接触させることによって有利に実施される。
この反応では、極性の非プロトン性溶媒が一般的に好ましい。特に良好な結果を与える溶媒は、二塩化メチレン(CHCl)である。
本発明はさらに、有機発光素子(OLED)の発光層における上述の発光物質を使用することも目的としている。
さらに、本発明は、上述のような発光物質を、ホスト層中のドーパントとして使用して、有機発光素子中の発光層として機能させることに係る。
その発光物質をホスト層中のドーパントとして使用する場合には、一般的には、ホストおよびドーパントの合計した重量を基準にして、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、かつ一般的には多くとも25重量%、好ましくは多くとも20重量%、より好ましくは多くとも15重量%の量で使用する。
本発明はまた、発光層(EML)を含む有機発光素子(OLED)にも係る。発光層は、上述のような発光物質を、場合によってはホスト物質と共に含む(発光物質は、好ましくはドーパントとして存在する)。ホスト物質は、とりわけ、素子構造を通して電圧が印加されたときにルミネセンス発光をするように適合されている。
一般的に、OLEDには以下のものが含まれる:
ガラス基材;
アノード、一般的には透明なアノード、たとえばインジウム−酸化スズ(ITO)アノード;
正孔輸送層(HTL);
発光層(EML);
電子輸送層(ETL);および
カソード、一般的には金属カソード、たとえばAl層。
正孔伝導発光層に関しては、エキシトン障壁層、とりわけ、発光層と電子輸送層との間の正孔障壁層(HBL)を有するようにすることができる。電子伝導発光層に関しては、エキシトン障壁層、とりわけ、発光層と正孔輸送層との間の電子障壁層(EBL)を有するようにすることができる。発光層が、正孔輸送層に等しいか(この場合、エキシトン障壁層は、アノードの近傍またはアノードにある)、または電子輸送層に等しい(この場合、エキシトン障壁層はカソードの近傍またはカソードにある)ようにすることができる。
発光層を、ホスト物質を用いてその中に上述の発光物質がゲストとして存在するようにして形成させてもよく、あるいは、発光層を、実質的に発光物質からなっているようにしてもよい。前者の場合には、そのホスト物質が、置換されたトリ−アリールアミンの群から選択される正孔輸送物質であってもよい。発光層を、その中に発光物質がゲストとして存在するようなホスト物質を用いて形成させるのが好ましい。ホスト物質は、金属キノキソレート(たとえば、アルミニウムキノレート(Alq)、リチウムキノレート(Liq))、オキサジアゾール、およびトリアゾールの群から選択される電子輸送物質であってもよい。ホスト物質の一例は、次式を有する4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル「CBP」である。
Figure 0005416097
場合によっては、発光層にはさらに、前記ホスト物質中のドーパントとして存在し、双極子モーメントを有する分極分子を含んでいてもよいが、それらは一般的に、前記発光物質をドーパントとして使用してルミネセンス発光させたときに、放出される光の波長に影響する。
電子輸送物質で形成された層は、発光物質および(場合によっては)ホスト物質を含む発光層の中に電子を輸送するために、有利に使用される。その電子輸送物質は、金属キノキソレート(たとえば、Alq、Liq)、オキサジアゾール、およびトリアゾールの群から選択される電子輸送マトリックスであってよい。電子輸送物質の一例が、式「Alq」のトリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムである。
Figure 0005416097
正孔輸送物質で形成された層は、上述の発光物質および(場合によっては)ホスト物質を含む発光層の中に正孔を輸送するために、有利に使用される。正孔輸送物質の一例が、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、「α−NPD」である。
Figure 0005416097
エキシトン障壁層(「バリアー層」)を使用して、エキシトンをルミネセント層の中(「ルミネセントゾーン」)に閉じ込めるのが極めて好ましい。正孔輸送ホストに関しては、障壁層を、発光層と電子輸送層との間に置くことができる。そのようなバリアー層に使用される物質の一例が、次式を有する、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソキュプロイン(bathocuproine)または「BCP]とも呼ばれる)である。
Figure 0005416097
OLEDは図1に示したような多層構造であるのが好ましいが、図1では、1はガラス基材、2はITO層、3はα−NPDを含むHTL層、4は、ホスト物質としてCBP、そしてドーパントとして、ホストおよびドーパントの全重量を基準にして約8重量%の量の発光物質を含むEML;5は、BCPを含むHBL;6はAlqを含むETL;7はAl層のカソードである。
実施例
2−ヨード−4−ジメチルアミノピリジンの合成
BF・EtO(8.4g、59mmol)を0℃で、無水THF(250mL)中の4−ジメチルアミノピリジン(6g、49mmol)の溶液に、滴下により添加した。得られた混合物を、窒素下0℃で1時間撹拌した。温度を下げて−78℃とし、BuLi(ヘキサン中1.6M、46mL、74mmol)を滴下により添加した。得られた混合物を、−78℃で1時間撹拌し、無水THF(50mL)中I(18.7g、74mmol)の溶液を滴下により添加した。得られた混合物を−78℃で2時間撹拌し、放置して室温にまで温めた(2時間)。THFを蒸発させ、飽和Na溶液を添加した。得られたスラリーを、EtOAcを用いて抽出した(5×150mL)。有機フラクションを合わせて、飽和Na(50mL)、ブライン(50mL)の順に用いて洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残渣を、クロマトグラフィーカラム(SiO、EtOAc/石油エーテル、1/1)によって精製すると、7g(57%)の所望の化合物が無色の油状物として得られたが、それは、放置している間に固化した。
Hおよび13CのNMRは、文献に報告されているものに一致した(Cuperly,D.;Gros,P.;Fort,Y.、J.Org.Chem.、2002年、67、238〜241頁)。
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジンの合成
トルエン(60mL)および水(10mL)中の、2−ヨード−4−ジメチルアミノピリジン(3g、12mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(2.3g、14.5mmol)およびKCO(6g、43.5mmol)の混合物を、窒素を用いて15分かけて脱気させた。Ph(PPh(800mg、0.66mmol)を添加し、得られた混合物を、窒素下に90℃で48時間過熱した。冷却して室温としてから、その水相を分離し、EtOAcを用いて抽出した(3×100mL)。有機フラクションを合わせ、ブラインを用いて洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。その化合物をさらに精製するために、そのようにして得られた油状物を、EtO中に溶解させ、10%HCl溶液を用いて抽出した(3×50mL)。水相を合わせ、EtOを用いて洗浄し(2×100mL)、濃NaOH水溶液を用いて中和させた。得られた混合物を、EtOAcを用いて抽出し(4×100mL)、有機フラクションを合わせ、ブラインを用いて洗浄し(50mL)、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。その粗製化合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl次いでCHCl/MeOH、97/3)を用いて精製すると、2.2g(78%)の表題の化合物が淡黄色の油状物として得られたが、それは放置している間に固化した。
H−NMR(CDCl、298K、200MHz、δppm):3.05(s,6H)、6.49(dd,J=2.5および6Hz,1H)、6.92(m,3H)、7.94(m,1H)、8.33(d,J=6Hz,1H)。
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジン)IrCl]の合成
2.5当量の2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジンおよび1当量のIrCl・3HOを、2−エトキシエタノール/水(3/1、v/v)の混合物中、窒素下で15時間、110℃で過熱した。冷却して室温としてから、得られた沈殿物を濾過し、メタノール、次いでEtOの順で洗浄し、乾燥させると、所望のダイマーが得られた。この化合物の溶解性が低いために、そのH−NMRは、その[C^N]Ir(Cl)(DMSO)誘導体として、DMSO−d中で記録した。
H−NMR(DMSO−d、298K、200MHz、δppm):3.16(s,6H)、3.19(s,6H)、5.35(dd,J=2および8.7Hz,1H)、5.83(dd,J=2および8.7Hz,1H)、6.70〜7.00(m,4H)、7.37(m,2H)、8.86(d,J=7Hz,1H)、9.21(d,J=7Hz,1H)。
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン)IrCl]、[(2−フェニルピリジンIrCl]および[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ジメチルアミノピリジン)IrCl]を前述したのと同じようにして調製した。
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジン)Ir(ジフェニルホスフィノ酢酸)[(錯体(III)]の合成
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ジメチルアミノピリジン)IrCl](91mg、0.065mmol)、ジフェニルホスフィノ酢酸(41mg、0.168mmol)およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシド30水和物(135mg、0.168mmol)を、CHCl(100mL)中で6時間、窒素下で還流した。不溶の黒色沈殿物を濾過し、溶媒CHClを蒸発させた。得られた黄色の油性物質を3mLのCOHに溶解し、ジエチルエーテルの緩慢な拡散により結晶化した。淡黄色の沈殿物を濾過し、EtOで洗浄し、風乾させると、45mg(収率50%)となった。
図2に、380nmでの励起により、298Kで、錯体(III)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。その横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン)Ir(ジフェニルホスフィノ酢酸)[(錯体(IV)]の合成
[(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−ピリジン)IrCl](63mg、0.051mmol)、ジフェニルホスフィノ酢酸(32mg、0.131mmol)およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシド30水和物(105mg、0.131mmol)を、CHCl(100ml)中で6時間、アルゴン下で還流した。溶媒蒸発後、得られた黄色の固体を3mLのCOHに溶解した。得られた溶液を室温で24時間放置したところ、微細な結晶固体が得られた。淡黄色の結晶を濾過し、EtOで洗浄し、風乾させると、40mgの所望の錯体(収率:82%)となった。
図3に、400nmでの励起により、298Kで、錯体(IV)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。その横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。
[(2−フェニルピリジン)Ir(ジフェニルホスフィノ酢酸)[(錯体(V)]の合成
[(2−(フェニルピリジン)IrCl](56mg、0.052mmol)、ジフェニルホスフィノ酢酸(30mg、0.123mmol)およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシド30水和物(100mg、0.125mmol)を、CHCl(60mL)中で5時間、アルゴン下で還流した。溶媒蒸発後、得られた黄色の固体を3mLのCHOHに溶解した。得られた溶液を室温で24時間放置したところ、微細な結晶固体が得られた。淡黄色の結晶を濾過し、EtOで洗浄し、風乾させると、27mgの所望の錯体(収率:77%)となった。
図4に、380nmでの励起により、298Kで、錯体(V)のジクロロメタン溶液から得られた発光スペクトルを示す。その横軸は、nmでの波長を表し、縦軸は、発光強度(cps)を表している。
表1に、イリジウム中性錯体(III)、(IV)および(V)の発光特性をまとめてある。
Figure 0005416097

Claims (23)


  1. Figure 0005416097
    (式中、
    −Mは、少なくとも40の原子番号の遷移金属を表し、
    −Eは、芳香族または複素芳香環を表し、場合によってはさらなる芳香族残基または非芳香族環と縮合されていてもよく、前記環は場合によっては1個または複数の置換基を有しており、場合によってはEを含む環と縮合された構造を形成し、前記環が、spハイブリダイズド炭素を介して金属Mに配位しており、
    −Eは、N含有芳香環を表し、場合によってはさらなる芳香族残基または非芳香族環と縮合されていてもよく、前記環は場合によっては1個または複数の置換基を有しており、場合によってはEを含む環と縮合された構造を形成し、前記環が、spハイブリダイズド窒素を介して金属Mに配位しており、
    −XおよびXは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ少なくとも1個の置換基により置換されていてもよいアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアルキルから独立して選択される)の中性錯体。
  2. Mが、第8族〜第12族の、少なくとも40の原子番号の遷移金属を表す、請求項1に記載の中性錯体。
  3. MがIrまたはPtを表す、請求項2に記載の中性錯体。
  4. MがIrを表す、請求項3に記載の中性錯体。
  5. 式(II)
    Figure 0005416097
    (式中、
    −XおよびXは、先に定義されたものと同じ意味を有しており、
    −Xは、−CH=CH−、−CR=CH−、−CR=CR−、N−H、N−R、O、SおよびSeからなる群から選択され
    −Yは、−CH=CH−、−CR=CH−、−CR=CR−、N−H、N−R、O、SおよびSeからなる群から選択され
    −Rは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、それぞれ1個または複数の非隣接の−CH−基が−O−、−S−、−NR−、もしくは−CONR−によって置換されていてもよく、それぞれ1個または複数の水素原子がFによって置換されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状または環状のアルキルもしくはアルコキシ基またはジアルキルアミノ基、1個または複数の非芳香族ラジカルによって置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一の環の上または二つの異なった環の上のいずれかに存在する複数の置換基Rが合体して、さらなる単環式または多環式の環系、場合によっては芳香族を形成してもよく、
    −RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれHまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素ラジカルであり
    −aは、0〜4の整数であり、
    −bは、0〜4の整数である)で表わされる請求項1〜4のいずれか一項に記載の中性錯体。
  6. Xが、−CH=CH−、−CR=CH−およびSから選択される、請求項5に記載の中性錯体。
  7. Xが−CH=CH−である、請求項6に記載の中性錯体。
  8. Yが、−CH=CH−、−CR=CH−およびSから選択される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の中性錯体。
  9. Yが−CH=CH−である、請求項8に記載の中性錯体。
  10. 式(IIA)
    Figure 0005416097
    (式中、
    −X、X、Y、Xおよびaは、先に定義されたものと同じ意味を有しており、
    −RおよびRは、出現ごとに互いに同一であっても異なっていてもよく、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、それぞれ1個または複数の非隣接の−CH−基が、−O−、−S−、−NR−、もしくは−CONR−によって置換されていてもよく、それぞれ1個または複数の水素原子がFによって置換されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状または環状のアルキルもしくはアルコキシ基、1個または複数の非芳香族ラジカルによって置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基の中から独立して選択され、同一の環の上または二つの異なった環の上のいずれかに存在する複数の置換基Rおよび/またはRが合体して、さらなる単環式または多環式の環系、場合によっては芳香族を形成してもよく
    −RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、C〜Cアルキル、フルオロもしくはペルフルオロアルキル基、−CH、−nC、−iC、−CF、−C、−C、または1個もしくは複数のエーテル基を有するC〜Cアルキル、フルオロもしくはペルフルオロアルキル基から独立して選択され
    −RおよびRは、出現ごとに同一であっても異なっていてもよく、それぞれHまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素ラジカルであり
    −bは、0〜3の間の整数であり、
    −wは、1〜4の間の整数である)で表わされる請求項5〜9のいずれか一項に記載の中性錯体。
  11. および/またはR がフッ素基(−F)である、請求項10に記載の中性錯体。
  12. およびR が、C 〜C アルキル基から独立して選択される、請求項10または11に記載の中性錯体。
  13. およびR が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル基から選択される、請求項12に記載の中性錯体。
  14. およびXは、非置換もしくは置換アリール基からそれぞれ独立して選択される請求項1〜13のいずれか一項に記載の錯体。
  15. およびXがフェニルである請求項14に記載の錯体。
  16. 式(III)
    Figure 0005416097
    で表わされる請求項10〜13のいずれか一項に記載の錯体。
  17. 式(IV)
    Figure 0005416097
    で表わされる請求項1〜9のいずれか一項に記載の錯体。
  18. 式(V)
    Figure 0005416097
    で表わされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の錯体。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の錯体を含む発光物質。
  20. 有機発光素子の発光層における、請求項19に記載の発光物質の使用。
  21. 有機発光素子中の発光層として機能する、ホスト層中のドーパントとしての、請求項19に記載の発光物質の使用。
  22. 発光層(EML)を含む有機発光素子(OLED)であって、前記発光層が、請求項19に記載の発光物質と、場合によってはホスト物質とを含むことを特徴とする、有機発光素子(OLED)。
  23. 請求項22に記載の有機発光素子を含むディスプレイ素子。
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