WO2018116796A1 - シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法 - Google Patents

シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法 Download PDF

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    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic System compounds of the platinum group
    • C07F15/0033Iridium compounds

Abstract

本発明は、有機イリジウム化合物からなるシクロメタル化イリジウム錯体の原料と、イリジウム-炭素結合ならびにイリジウム-窒素結合を形成しうる芳香族複素環2座配位子とを反応させて、シクロメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、前記原料として下記一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物を用いることを特徴とするシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法である。本発明によれば、ハロゲン架橋イリジウムダイマーの副生を伴うことなく、シクロメタル化イリジウム錯体を高収率で製造することができる (一般式(1)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。)

Description

シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法
 本発明は、有機電解発光(EL)素子、有機電気化学発光(ECL)素子、発光センサー、光増感色素、光触媒、発光プローブ、各種光源等に使用される燐光材料として用いられるシクロメタル化イリジウム錯体を高収率で、かつ、高純度で製造するための技術に関する。
 燐光材料を用いた有機EL素子は、従来の蛍光材料を用いた有機EL素子よりも発光効率が3~4倍高いことから、研究開発が活発に進められている。燐光材料としては、例えば、2-フェニルピリジンや1-フェニルイソキノリン等の芳香族複素環2座配位子が、イリジウム-炭素結合ならびにイリジウム-窒素結合を形成することでシクロメタル化したイリジウム錯体が知られている(化1参照)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
上記シクロメタル化イリジウム錯体の製造法として、特許文献1には、原料であるイリジウム化合物としてビス(アセチルアセトナト)ジクロロイリジウム(III)酸ナトリウム(化2)を用い、このイリジウム化合物と、2-フェニルピリジンや1-フェニルイソキノリン等の芳香族複素環2座配位子とを反応させる方法が開示されている。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
国際公開2004/085449号パンフレット
 しかしながら、本発明者の知見によれば、化1に示すシクロメタル化イリジウム錯体を製造する場合、芳香族複素環2座配位子を大量に使用する必要がある。具体的には、イリジウム原料1モルに対し、10倍モル以上も過剰量の芳香族複素環2座配位子を使用しなければ実用的な効率で所望のシクロメタル化イリジウム錯体を製造できないことが明らかになった。芳香族複素環2座配位子は高価なものが多く、この方法ではシクロメタル化イリジウム錯体のコストを大きく上昇させることとなる。
 また、特許文献1記載の方法において、上記した芳香族複素環2座配位子の使用量の問題に関しては、当該配位子の使用量を相当過剰にしなくても、一応は所望とするシクロメタル化イリジウム錯体が生成できる。しかし、その場合、ハロゲン架橋イリジウムダイマー等の副生成物が生成し、所望のシクロメタル化イリジウム錯体のみを得ることができない。むしろ、副生成物の収率の方が高くなることが多く、所望とするシクロメタル化イリジウム錯体を収率良く、かつ、純度良く得ることができないという問題が明らかになった。
 更に、本発明者の更なる検討によると、特許文献1記載の方法では、反応物の分解等の副反応が進行するケースがあることも明らかになった。このようなケースでは、たとえ芳香族複素環2座配位子の使用量を増やしたとしても、所望とするシクロメタル化イリジウム錯体の収率は向上しない。
 本発明は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、有機EL素子等の燐光材料として好適に用いられるシクロメタル化イリジウム錯体を、ハロゲン架橋イリジウムダイマーを副生することなく、高収率かつ高純度で製造することができる新たな方法を開示する。
 上記課題を解決する本発明は、有機イリジウム化合物からなるシクロメタル化イリジウム錯体の原料と、イリジウム-炭素結合ならびにイリジウム-窒素結合を形成しうる芳香族複素環2座配位子とを反応させて、シクロメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、前記原料として、下記一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物を用いることを特徴とするシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(一般式(1)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。)
 本発明者等は、シクロメタル化イリジウム錯体の原料となる有機イリジウム化合物について、好適に用いることが可能なものについて鋭意検討を積み重ねてきた。その結果、イリジウムにシュウ酸が配位する部分構造(化3)を含むイリジウム化合物を用いると、シクロメタル化イリジウム錯体を収率良く製造できることを明らかにし本発明に想到した。
 そして、本発明のシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法においては、イリジウム原料に対し10倍モル以上もの過剰な芳香族複素環2座配位子を使用することなくシクロメタル化イリジウム錯体を収率良く得ることが可能である。よって、高価な芳香族複素環2座配位子の使用量を低減して、低コストでシクロメタル化イリジウム錯体を製造することができる。
 更に、本発明のシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法によれば、望ましくない副生成物であるハロゲン架橋イリジウムダイマーの生成を回避することができる。このハロゲン架橋イリジウムダイマーの生成回避の効果は、原料である化3の部分構造を含む有機イリジウム化合物が、ハロゲンを配位子として含まないものである場合は勿論、予想外なことに、ハロゲンを配位子として含むものであっても発揮される。
 以下、本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法について詳細に説明する。以下の説明においては、本発明を構成する(I)イリジウム原料、(II)芳香族複素環2座配位子、(III)好適な反応条件について説明する。
(I)イリジウム原料について
 上記の通り、本発明で適用するイリジウム原料は、一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物である。
 そして、一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物について、好ましい有機イリジウム化合物としては、下記の一般式(2)で表される有機イリジウム化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
(一般式(2)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Lは単座又は2座配位子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。Z=0~3を表す。m=1~3を表す。n=0~4を表す。)
 一般式(2)中、Lは単座又は2座配位子を表す。このような配位子としては、芳香族複素環配位子、ハロゲン原子、アルコール配位子、HO配位子、ニトリル配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子、イソシアネート配位子、CO配位子、又は、カルボン酸配位子が好ましく、芳香族複素環配位子、ハロゲン原子、アルコール配位子、又は、水配位子がより好ましく、芳香族複素環配位子、又は、ハロゲン原子が特に好ましく、ハロゲン原子がより特に好ましい。
 一般式(2)中、Zは0~3を表し、2又は3が好ましく、3がより好ましい。
 一般式(2)中、mは1~3を表し、2又は3が好ましい。また、nは0~4を表し、0又は2が好ましい。mとnの好ましい組み合わせとしては、m=3のとき、n=0が好ましい。m=2のとき、n=1又は2が好ましく、n=2がより好ましい。m=1のとき、n=2又は4が好ましく、n=2がより好ましい。
 一般式(2)中、Yはカウンターカチオンを表す。カウンターカチオンは、一般式(2)で表されるイリジウム化合物全体の電荷を0にして、塩を形成する役割を果たすものであれば何でも良い。その中でも1価のカチオンが好ましい。具体的には、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、又は、プロトン等が挙げられ、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、又は、スルホニウムイオンなどが挙げられる。この中でもアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は、プロトンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又は、プロトンがより好ましい。
そして、上記の一般式(2)で表される有機イリジウム化合物において、好ましい有機イリジウム化合物としては、下記の一般式(3)で表される有機イリジウム化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
(一般式(3)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Xは単座配位子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。Q=2又は3を表す。)
 一般式(3)中、Xは単座配位子を表す。単座配位子の中でも、アニオン性の単座配位子が好ましい。このような配位子としては、芳香族複素環配位子、ハロゲン原子、アルコール配位子、HO配位子、ニトリル配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子、イソシアネート配位子、又は、CO配位子が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、塩素原子又は臭素原子が特に好ましい。
 一般式(3)中、Qは2又は3を表し、3が好ましい。
 尚、一般式(3)中、Yはカウンターカチオンを表し、その技術的意義及び好ましい範囲は、一般式(2)で表されるイリジウム化合物におけるカウンターカチオンと同様である。
上記の一般式(2)で表される有機イリジウム化合物において、好ましい有機イリジウム化合物のもう一つの態様としては、下記の一般式(4)で表される有機イリジウム化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
(一般式(4)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。R=2又は3を表す。)
 一般式(4)中、Rは2又は3を表し、3が好ましい。
 尚、一般式(4)中、Yはカウンターカチオンを表し、その技術的意義及び好ましい範囲は、一般式(2)、(3)で表されるイリジウム化合物におけるカウンターカチオンと同様である。
 以上説明した本発明で適用するイリジウム原料を構成する一般式(1)~(4)のいずれかで表される有機イリジウム化合物において、イリジウムの価数は3価又は4価が好ましく、3価がより好ましい。
 ここで、一般式(1)~(4)のいずれかで表されるイリジウム化合物の例を化7と化8に示す。但し、本発明における原料化合物は、これらのイリジウム化合物に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(II)芳香族複素環2座配位子について
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法は、上記で説明した一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物に、芳香族複素環2座配位子を反応させる。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法における芳香族複素環2座配位子としては、一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
一般式(5)において、式中のNは窒素原子を表し、Cは炭素原子を表し、Hは水素原子を表す。
CyAは窒素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該窒素原子を介してイリジウムと結合している。CyAは、5員環又は6員環の含窒素芳香族複素環であることが好ましい。
 CyBは炭素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該炭素原子を介してイリジウムと結合している。CyBは、5員環又は6員環の芳香族炭素環又は芳香族複素環であることが好ましく、5員環又は6員環の芳香族炭素環又は含窒素芳香族複素環であることがより好ましく、5員環又は6員環の芳香族炭素環であることが特に好ましい。
CyAとCyBとが結合し新たに環構造を形成しても良い。この場合、CyAとCyBとが結合し、新たな飽和環もしくは不飽和環を形成することが好ましく、不飽和環を形成することがより好ましい。
窒素原子を含む5員環又は6員環の環状基としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、ナフチリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、又は、チアジアゾール環が挙げられる。この中でも好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、又は、トリアゾール環、であり、より好ましくは、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、又は、イミダゾール環であり、特に好ましくは、ピリジン環、イソキノリン環、又は、イミダゾール環である。
炭素原子を含む5員環又は6員環の環状基としては、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、カルバゾール環、フルオレン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、ナフチリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、又は、チアジアゾール環が挙げられる。この中でも好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、又は、ピリミジン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、又は、ピリミジン環であり、特に好ましくは、ベンゼン環である。
CyAとCyBとが結合することで生成した環は、CyAとCyBとが結合することでベンゾキノキサリン環、ベンゾキノリン環、ジベンゾキノキサリン環、ジベンゾキノリン環、フェナントリジン環を形成することが好ましく、ベンゾキノリン環、ジベンゾキノキサリン環、フェナントリジン環を形成することがより好ましい。ベンゾキノリン環としてはベンゾ[h]キノリン環が好ましい。ジベンゾキノキサリン環としては、ジベンゾ[f,h]キノキサリン環が好ましい。フェナントリジン環としては、イミダゾ[1,2-f]フェナントリジン環が好ましい。
 CyA、CyB、及び、CyAとCyBとが結合することで生成した環は、置換基がついても良く、隣り合った置換基が結合し環構造を形成しても良く、更に置換されても良い。
 CyA、CyB、及び、CyAとCyBとが結合することで生成した環に結合する置換基としては、例えば、以下のものがある。
・アルキル基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上10以下であり、例えばメチル、エチル、Iso-プロピル、tert-ブチル、n-オクチル、n-デシル、n-ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)
・アルケニル基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上10以下であり、例えばビニル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル等が挙げられる。)
・アルキニル基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上10以下であり、例えばプロパルギル、3-ペンチニル等が挙げられる。)
・アリール基(好ましくは炭素数6以上30以下、より好ましくは炭素数6以上20以下、特に好ましくは炭素数6以上12以下であり、例えばフェニル、p-メチルフェニル、ナフチル、アントラニル等が挙げられる。)
・アミノ基(好ましくは炭素数0以上30以下、より好ましくは炭素数0以上20以下、特に好ましくは炭素数0以上10以下であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ等が挙げられる。)
・アルコキシ基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上10以下であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2-エチルヘキシロキシ等が挙げられる。)
・アリールオキシ基(好ましくは炭素数6以上30以下、より好ましくは炭素数6以上20以下、特に好ましくは炭素数6以上12以下であり、例えばフェニルオキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等が挙げられる。)
・複素環オキシ基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシ等が挙げられる。)
・アシル基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)
・アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上12以下であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)
・アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7以上30以下、より好ましくは炭素数7以上20以下、特に好ましくは炭素数7以上12以下であり、例えばフェニルオキシカルボニル等が挙げられる。)
・アシルオキシ基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上10以下であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)
・アシルアミノ基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上10以下であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)
・アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2以上30以下、より好ましくは炭素数2以上20以下、特に好ましくは炭素数2以上12以下であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)
・アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7以上30以下、より好ましくは炭素数7以上20以下、特に好ましくは炭素数7以上12以下であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)
・スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)
・スルファモイル基(好ましくは炭素数0以上30以下、より好ましくは炭素数0以上20以下、特に好ましくは炭素数0以上12以下であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)
・カルバモイル基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)
・アルキルチオ基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)
・アリールチオ基(好ましくは炭素数6以上30以下、より好ましくは炭素数6以上20以下、特に好ましくは炭素数6以上12以下であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)
・複素環チオ基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばピリジルチオ、2-ベンズイミゾリルチオ、2-ベンズオキサゾリルチオ、2-ベンズチアゾリルチオ等が挙げられる。)
・スルホニル基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)
・スルフィニル基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)
・ウレイド基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)
・リン酸アミド基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、特に好ましくは炭素数1以上12以下であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)
・ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、複素環基(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上12以下であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基等が挙げられる。)
・シリル基(好ましくは炭素数3以上40以下、より好ましくは炭素数3以上30以下、特に好ましくは炭素数3以上24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)
・シリルオキシ基(好ましくは炭素数3以上40以下、より好ましくは炭素数3以上30以下、特に好ましくは炭素数3以上24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ等が挙げられる。)
以上の置換基の中で、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、複素環基、又は、シリル基が好ましく、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、又は、複素環基がより好ましく、アルキル基、又は、アリール基が特に好ましい。これらの置換基として望ましい範囲は前記の通りであり、上記置換基で更に置換されていてもよい。また隣り合った置換基は互いに結合し環構造を形成して良い。
アリール基や複素環基の望ましい形態として、デンドロン(原子又は環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造を有する基)であることも好ましい。デンドロンの例としては、国際公開第02/067343号、特開2003-231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号、国際公開第2016/006523号等の文献に記載の構造が挙げられる。
 本発明で用いられる一般式(5)で表される芳香族複素環2座配位子の具体的な好ましい構造としては、例えば、化10に示す一般式(7)~(18)で表されるものが挙げられる。これらの中でも、一般式(7)~(10)の構造を有するものが好ましく、一般式(7)、(9)、(10)の構造を有するものがより好ましく、一般式(10)の構造を有するものが特に好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(式(7)~(18)中、R13~R112は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。隣り合った置換基は結合し、更に環構造を形成しても良い。R13~R112の置換基は、CyA及びCyBに記載の置換基と同義であり、望ましい範囲も同じである。)
 そして、本発明では、上述の一般式(1)で表される構造を含む有機イリジウム化合物と、上述の芳香族複素環2座配位子とを反応させてシクロメタル化イリジウム錯体を製造する。このシクロメタル化イリジウム錯体として好ましい構造は一般式(6)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
(一般式(6)中、Irはイリジウム原子を表し、Nは窒素原子を表し、Cは炭素原子を表し、CyAは窒素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該窒素原子を介してイリジウムと結合しており、CyBは炭素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該炭素原子を介してイリジウムと結合している。CyAとCyBとが結合し、更に環構造を形成しても良い。)
 尚、一般式(6)における、N、C、CyA、CyBの定義は、一般式(5)と同義であり、それらの内容及び結合し得る置換基の範囲も同様となる。
(III)好適な反応条件について
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法において、好ましい反応条件について説明する。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法では、溶媒を使用することが好ましい。溶媒として、例えば、アルコール類、飽和脂肪族炭化水素、エステル類、エーテル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、ケトン類、アミド類、芳香族炭化水素、含窒素芳香族化合物、イオン性液体、水が好ましい。この中でも、アルコール類、飽和脂肪族炭化水素、エステル類、エーテル類、非プロトン性極性溶媒、又は、アミド類がより好ましく、アルコール類、又は、非プロトン性極性溶媒(DMF、DMSOなど)が特に好ましく、アルコール類(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、更に好ましくは炭素数1以上10以下)がより特に好ましく、アルコール類の中でもジオール(好ましくは炭素数1以上30以下、より好ましくは炭素数1以上20以下、更に好ましくは炭素数1以上10以下)が最も好ましい。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオールが好ましい。
  上記溶媒は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上の溶媒を組み合わせて用いても良い。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法では、一般式(1)で表されるイリジウム化合物の反応系内の濃度は特に制限されるものではないが、0.001モル/L以上10.0モル/L以下が好ましく、0.001モル/L以上1.0モル/L以下がより好ましく、0.01モル/L以上1.0モル/L以下が更に好ましく、0.05モル/L以上0.5モル/L以下が特に好ましい。
また、本発明に係る方法において、芳香族複素環2座配位子の使用量は、一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物に対し、3倍モル以上10倍モル未満とするのが好ましく、3倍モル以上8倍モル未満とするのがより好ましく、3倍モル以上6倍以下とするのが特に好ましい。
このように本発明においては、シクロメタル化イリジウム錯体を製造するために、原料となる有機イリジウム化合物に対し、10倍モル以上もの多量の芳香族複素環2座配位子を使用する必要はない。よって、高価な芳香族複素環2座配位子の使用量を低減でき、シクロメタル化イリジウム錯体の低コスト化を図ることができる。
 また、本発明におけるシクロメタル化イリジウム錯体の合成反応では、反応促進のため、反応系内に酸性物質を加えて合成を行っても良い。酸性物質添加により、有機イリジウム化合物のシュウ酸配位子の脱離を促進する効果が見られるケースがある。 但し、酸性物質添加の添加は必須ではない。
 酸性物質を添加する場合、反応系内でプロトン源として作用するもの、又はルイス酸、固体酸等のような電子対を受容できるものが適用できる。特に、酢酸、シュウ酸、吉草酸、酪酸、酒石酸などの有機酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸等のブレンステッド酸が好ましい。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。また、これら酸性物質は、沸点が150℃以上であることが好ましい。酸性物質の沸点が反応温度より低いと、酸性物質が還流してしまい、反応系内の温度が反応を進行させるのに十分な温度まで上昇しにくいためである。
 酸性物質を添加する場合、酸性物質とイリジウム原料とのモル比を、イリジウム原料1モルに対し酸性物質を0.5モル以上とするのが好ましい。イリジウム原料1モルに対し酸性物質が0.5モルより少ないと、十分な反応促進効果が得られず、短時間で反応を終結できないため好適でない。イリジウム原料1モルに対し酸性物質が0.5モル以上であれば、特に上限はないが、必要以上に酸性物質の添加量が多いと経済的に非効率である。このモル比は、0.5:1~20:1がより好ましく、1:1~10:1が更に好ましい。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法では、イリジウム化合物と芳香族複素環2座配位子から構成される反応系を加熱することが好ましい。このときの反応温度は、50℃以上300℃未満とする。反応温度については、50℃以上250℃未満が好ましく、100℃以上250℃未満がより好ましく、140℃以上220℃未満が更に好ましく、140℃以上200℃未満が特に好ましい。尚、このときの加熱手段は特に限定されない。具体的には、オイルバス、サンドバス、マントルヒーター、ブロックヒーター、熱循環式ジャケットによる外部加熱、更にはマイクロ波照射による加熱等を利用できる。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法では、反応時間は特に限定されない。反応時間は、0.5時間以上72時間未満が好ましく、1時間以上48時間未満がより好ましく、1時間以上24時間未満が更に好ましい。
 本発明に係るシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法では、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気下で行うことが好ましい。また、常圧(大気圧下)で行うことが好ましい。
 そして、本発明の方法で製造されたシクロメタル化イリジウム錯体については、一般的な後処理方法で処理した後、必要があれば精製し、又は、精製せずに高純度品として用いることができる。後処理の方法としては、例えば、抽出、冷却、水や有機溶媒を添加することによる晶析、反応混合物からの溶媒を留去する操作等を、単独又は組み合わせて行うことができる。精製の方法としては、再結晶、蒸留、昇華又はカラムクロマトグラフィー等を、単独又は組み合わせて行うことができる。
 以上説明した本発明に係る方法で製造されたシクロメタル化イリジウム錯体については、有機EL素子等の燐光材料として好適に用いることができる。
 本発明によれば、有機EL素子等の燐光材料として好適に用いられるシクロメタル化イリジウム錯体を、高収率で製造することができ、かつ、高純度の錯体を製造できる。本発明では、望ましくない副生成物であるハロゲン架橋イリジウムダイマーを生成せず、所望とするシクロメタル化イリジウム錯体の製造効率を大きく向上させることができる。
 尚、本発明で適用される、上記一般式(1)で表される部分構造を含むイリジウム化合物は、シクロメタル化イリジウム錯体の製造のための原料として有用である。このイリジウム化合物を使用することで、所望のシクロメタル化イリジウム錯体を純度・効率よく製造することできる。
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物を合成し、この有機イリジウム化合物と芳香族複素環2座配位子とを反応させてシクロメタル化イリジウム錯体を製造した。尚、本実施形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されない。
 本実施形態の実施例及び比較例において、言及する各種化合物を下記の化12に示す。本実施形態では、イリジウム化合物原料として、下記のイリジウム化合物(Ir-1)または(Ir-24)を製造して原料として使用し、芳香族複素環2座配位子として、下記の配位子(L-1)~(L-4)を使用し、下記の各種シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)~(T-4)を製造した(実施例1~実施例7)。また、比較例として、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロイリジウム(III)酸ナトリウム(比較化合物-A)を用いて、シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)と(T-4)の製造を試みた(比較例1、比較例2)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 本実施形態でシクロメタル化イリジウム錯体の原料としたイリジウム化合物(Ir-1)、イリジウム化合物(Ir-24)、イリジウム化合物(比較化合物-A)の製造は下記のとおりとした。
[イリジウム化合物(Ir-1)の製造方法]
 ヘキサクロロイリジウム酸カリウム水和物28.6g(52.0mmol)を純水150mlに溶解し、更に、シュウ酸カリウム一水和物27.1g(147.1mmol)を添加して98℃で23時間反応させた。反応後放冷し濃縮して、析出した粗結晶を得た。その粗結晶を純水で再結晶して、イリジウム化合物(Ir-1)の結晶13.0gを得た。
[イリジウム化合物(Ir-24)の製造方法]
 三塩化イリジウム三水和物18.9g(52.0mmol)を純水250mlに溶解し、更に、シュウ酸二水和物1.1g(8.8mmol)を添加して95℃で2時間反応させた。更に、10%水酸化カリウム水溶液340gを滴下後、95℃で3時間反応させた。反応後放冷しろ過して、残渣を水洗した。続いて、この残渣20.7gに純水250mlとシュウ酸二水和物43.3g(343.2mmol)を添加し、95℃22時間反応させた。反応後放冷しろ過後、ろ液を濃縮し粗結晶27.0gを得た。純水にて再結晶を繰り返し行い、イリジウム化合物(Ir-24)の結晶6.6gを得た。
[イリジウム化合物(比較化合物-A)の製造方法]
 三塩化イリジウム三水和物37.1g(105mmol)を純水200mlに溶解し、更に、1Mの炭酸水素ナトリウムを200mlと、アセチルアセトン20.5ml(200mmol)を添加して95℃10時間反応させた。反応後真空乾燥して乾固し、メタノールを400ml添加し、8時間還流後ろ過した。ろ液を濃縮し、冷メタノールを加えて、イリジウム化合物(比較化合物-A)の結晶13.0gを得た。
<実施例1>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-1)を314.8mg(1.2mmol)、及び、エチレングリコール1.7mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で4時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-1)であり、収率は75%であった。
<実施例2>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-1)を314.8mg(1.2mmol)、及び、エチレングリコール1.7mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-1)であり、収率は81%であった。
<実施例3>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-1)を183.6mg(0.7mmol)、及び、エチレングリコール1.7mlを混合し、アルゴン雰囲気下、160℃で34時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-1)であり、収率は69%であった。
 <実施例4:シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)の合成>
  イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-1)を314.8mg(1.2mmol)、 及び、グリセリン0.5mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で4時間加熱
反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、 ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体 (T-1)であり、収率は73%であった。
<比較例1>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-1)の合成(比較化合物-A)
 比較化合物-Aを145.3mg(0.3mmol)、配位子(L-1)を472.1mg(1.8mmol)、及び、エチレングリコール2.5mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-1)と、ハロゲン架橋イリジウムダイマー(D-1)の混合物であることが確認された。そして、(T-1)と(D-1)の収率は、それぞれ13%ずつであった。
<実施例5>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-2)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-2)を215.0mg(1.2mmol)、及び、エチレングリコール1.7mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄橙色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-2)であり、収率は70%であった。
<実施例6>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-3)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-3)を229.4mg(1.2mmol)、及び、エチレングリコール1.7mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-3)であり、収率は77%であった。
<実施例7>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-4)の合成
 イリジウム化合物(Ir-1)を117.7mg(0.2mmol)、配位子(L-4)を186.2mg(1.2mmol)、85%リン酸水溶液23.1mg(0.2mmol)、及び、エチレングリコール5mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)であり、収率は94%であった。
<実施例8>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-4)の合成
 イリジウム化合物(Ir-24)を104.2mg(0.2mmol)、配位子(L-4)を186.2mg(1.2mmol)、及び、エチレングリコール5mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)であり、収率は55%であった。
<比較例2>:シクロメタル化イリジウム錯体(T-4)の合成(比較化合物-A)
 比較化合物-Aを145.3mg(0.3mmol)、配位子(L-4)を163.0mg(1.05mmol)、及び、エチレングリコール2.5mlを混合し、アルゴン雰囲気下、180℃で17時間加熱反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、ここへメタノールを加えることで析出してきた黄色固体を回収した。H-NMRの分析結果から、生成物は、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)と、ハロゲン架橋イリジウムダイマー(D-4)の混合物であることが確認された。そして、(T-4)と(D-4)の収率は、それぞれ22%と73%であった。
 以上の実施例1~7及び比較例1、2におけるシクロメタル化イリジウム錯体の合成試験の結果について検討する。まず、実施例1~実施例4の結果について検討すると、原料としてイリジウム化合物(Ir-1)を用いたことで、所望のシクロメタル化イリジウム錯体のみが得られることが確認された。一方、原料として従来の比較化合物-Aを用いた比較例1では、望ましくないハロゲン架橋イリジウムダイマーが副生し、所望のシクロメタル化イリジウム錯体の収率や純度が大きく低下することが明らかになった。この点、実施例1~4で使用したイリジウム化合物(Ir-1)は、その構造中、ハロゲンを配位子として含む有機イリジウム化合物であるが、ハロゲン架橋イリジウムダイマーの生成が抑制されている。
 また、実施例5~7の結果から、原料としてイリジウム化合物(Ir-1)を用いた本発明の製造方法は、芳香族複素環2座配位子の異なる多様なシクロメタル化イリジウム錯体の合成に適用できることが確認された。
更に、実施例8では、原料としてイリジウム化合物(Ir-24)を用いて、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)のみが得られることが確認された。一方、原料として従来の比較化合物-Aを用いつつ、実施例8と同じくシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)の製造を目指した比較例2では、望ましくないハロゲン架橋イリジウムダイマー(D-4)が副生し、所望のシクロメタル化イリジウム錯体(T-4)の収率や純度が大きく低下することが明らかになった。
以上の各実施例の結果から、本発明の広範な有用性が把握できたといえる。更に、各実施例における反応条件から分かるように、本発明ではイリジウム原料に対し10倍モル以上もの芳香族複素環2座配位子を使用することなくシクロメタル化イリジウム錯体を製造できることが確認された。そして、高純度のシクロメタル化イリジウム錯体が得られることから、精製や製造に係るコストも大きく低下できると考えられる。
本発明によれば、有機EL素子等の燐光材料であるシクロメタル化イリジウム錯体を収率良く、かつ、純度良く製造することができる。更に、本発明の方法で製造したシクロメタル化イリジウム錯体を用いることで、高効率の有機EL素子等を製造することが可能になる。本発明は、有機電解発光(EL)素子、有機電気化学発光(ECL)素子、発光センサー、光増感色素、光触媒、発光プローブ、各種光源等に使用される燐光材料として用いられるシクロメタル化イリジウム錯体を製造方法として極めて有用である。
 

Claims (7)

  1.  有機イリジウム化合物からなるシクロメタル化イリジウム錯体の原料と、イリジウム-炭素結合ならびにイリジウム-窒素結合を形成しうる芳香族複素環2座配位子とを反応させて、シクロメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、
     前記原料として、下記一般式(1)で表される部分構造を含む有機イリジウム化合物を用いることを特徴とするシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (一般式(1)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。)
  2.  原料として、下記一般式(2)で表される有機イリジウム化合物を用いる請求項1に記載のシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (一般式(2)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Lは単座又は2座配位子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。Z=0~3を表す。m=1~3を表す。n=0~4を表す。)
  3.  原料として、下記一般式(3)で表される有機イリジウム化合物を用いる請求項1又は請求項2に記載のシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (一般式(3)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Xは単座配位子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。Q=2又は3を表す。)
  4.  原料として、下記一般式(4)で表される有機イリジウム化合物を用いる請求項1又は請求項2に記載のシクロメタル化イリジウム錯体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (一般式(4)中、Irはイリジウム原子を表し、Oは酸素原子を表す。Yはカウンターカチオンを表す。R=2又は3を表す。)
  5.  芳香族複素環2座配位子は、一般式(5)で表され、
     シクロメタル化イリジウム錯体は、一般式(6)で表される請求項1~請求項4のいずれかに記載の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
    (一般式(5)中、Nは窒素原子を表し、Cは炭素原子を表し、Hは水素原子を表し、CyAは窒素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、CyBは炭素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、CyAとCyBとが結合し環構造を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
    (一般式(6)中、Irはイリジウム原子を表し、Nは窒素原子を表し、Cは炭素原子を表し、CyAは窒素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該窒素原子を介してイリジウムと結合しており、CyBは炭素原子を含む5員環又は6員環の環状基を表し、当該炭素原子を介してイリジウムと結合している。CyAとCyBとが結合し、更に環構造を形成しても良い。)
  6.  CyAがピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、ナフチリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環のいずれかであり、
     CyBがベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、カルバゾール環、フルオレン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、ナフチリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7.  CyAがピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環のいずれかであり、CyBがベンゼン環であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の製造方法。
     
     
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