JP2011251933A - イリジウム錯体混合物、並びに有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であるイリジウム錯体混合物である。(A)mIr(B)n一般式(1)ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、真空蒸着法により層を形成する方法は、大掛かりな蒸着装置が必要でコストが高いという問題がある。また、製造される有機電界発光素子の大面積化が困難という問題がある。
しかしながら、イリジウム錯体は、溶媒に対する溶解性が低いため、均一で安定な塗布液が得られない。そのため、この塗布液を用いて層を形成しても、均一な層が得られず、層の耐久性が悪いという問題がある。したがって、イリジウム錯体を含有する層は、真空蒸着法により形成されているのが現状である。
しかしながら、この非対称の構造を有するイリジウム錯体は、複数の配位子を用いて合成するため、1種類のイリジウム錯体のみを合成することは困難であり、通常、所望とするイリジウム錯体と配位子の構造が異なるイリジウム錯体との混合物が得られる。このようなイリジウム錯体混合物を有機電界発光素子の有機層に用いた場合、通常は、素子の耐久性が低下するといった問題がある。
また、合成したイリジウム錯体混合物から所望とするイリジウム錯体のみを得るには、通常、クロマトグラフィーなどの精製を行う必要があるが、イリジウム錯体には精製が困難なものが多い上に、精製はコストがかかるといった問題がある。
しかしながら、この提案の技術は、得られるイリジウム錯体混合物の溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。また、得られるイリジウム錯体混合物を有機電界発光素子に用いた場合、有機電界発光素子の耐久性が低いという問題がある。
しかしながら、この提案の技術は、得られるイリジウム錯体の溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。
しかしながら、この提案のイリジウム錯体は、溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。また、このイリジウム錯体を合成するには、クロマトグラフィーなどの精製が必要であるという問題がある。
なお、この提案において、2種以上のイリジウム錯体を混合したイリジウム錯体混合物については何ら検討されていない。
<1> 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、
該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であることを特徴とするイリジウム錯体混合物である。
(A)mIr(B)n 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
<2> イリジウム錯体のイリジウムと2座配位子とが、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している前記<1>に記載のイリジウム錯体混合物である。
<3> 一般式(1)で表されるイリジウム錯体が、下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である前記<1>から<2>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<4> mが0でないイリジウム錯体のうちの1種のイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<5> mが1であるイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<6> 2種以上のイリジウム錯体が、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物である前記<1>から<5>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<7> 陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有してなり、
該有機層の少なくとも1層が、前記<1>から<6>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物を含有する有機層であることを特徴とする有機電界発光素子である。
<8> 有機層を3層以上有する前記<7>に記載の有機電界発光素子である。
<9> イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、発光層である前記<7>から<8>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
<10> イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、正孔注入層である前記<7>から<8>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
<11> 前記<7>から<10>のいずれかに記載の有機電界発光素子を製造する有機電界発光素子の製造方法であって、イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法である。
本発明のイリジウム錯体混合物は、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、更に必要に応じて、その他の化合物を有する。
前記イリジウム錯体としては、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(A)mIr(B)n 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
前記アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
なお、R4〜R11を有する2座配位子は前記一般式(1)中のAの2座配位子と対応する。R12〜R19を有する2座配位子は前記一般式(1)中のBの2座配位子と対応する。
前記アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などが挙げられる。
前記アリール基における置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、ジフェニルアミノ基、t−ブチルアミノ基等の置換アミノ基などが挙げられる。
前記アルコキシ基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数1〜10が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられる。
ここで、主生成物とは、合成される全生成物のうちの51質量%以上の生成物を意味し、副生成物とは、合成される全生成物のうちの49質量%未満の生成物を意味する。なお、副生成物は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
前記イリジウム錯体混合物の製造方法としては、前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、前記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であるイリジウム錯体混合物が製造できる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、構造の異なる2種以上のイリジウム錯体を混合する製造方法、前記2種以上のイリジウム錯体を、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物として製造する方法などが挙げられる。
−−化合物1aの製造方法−−
前記化合物1aの製造方法は、例えば、4−t−アミルフェノールとトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させる工程、生成物を溶媒により抽出する工程、生成物を精製する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、4−t−アミルフェノールのピリジン溶液に、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下し、室温にて反応させる。次に、反応液を水に注加し、それを酢酸エチル/希塩酸に注加し、有機層を食塩水で洗浄する。次に、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製する。これら工程により、前記化合物1aが製造できる。
前記化合物1bの製造方法は、例えば、前記化合物1aと2−トリブチルスタニルピリジンとを反応させる工程、生成物を溶媒により抽出する工程、生成物を精製する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1a及び2−トリブチルスタニルピリジンのDMF溶液に、塩化リチウム、ジターシャリーブチルヒドロキシトルエンを加え、更にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、窒素雰囲気下で反応させる。次に、反応液をフッ化カリウム水溶液に注加し、酢酸エチルを加えた後、セライト濾過し、濾液の有機層を食塩水で洗浄する。次に、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製する。これら工程により、前記化合物1bが製造できる。
前記化合物1cの製造方法は、例えば、3塩化イリジウム水和物とフェニルピリジンとを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、3塩化イリジウム水和物の水及びエトキシエタノール溶液に、フェニルピリジンを添加し、反応させる。次に、反応液を濾過し、得られた濾液を減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さに水、及びジエチルエーテルを添加し、析出した固体を濾取する。これら工程により、前記化合物1cが製造できる。
前記化合物1dの製造方法は、例えば、前記化合物1cとトリフルオロメタンスルホン酸銀とを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1c及びトリフルオロメタンスルホン酸銀のメタノール及びジクロロメタン溶液を室温で攪拌し、反応液を濾過する。次に、得られた濾液を減圧にて濃縮する。これら工程により、前記化合物1dが製造できる。
前記イリジウム錯体混合物Aの製造方法は、例えば、前記化合物1bと前記化合物1dとを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1b及び前記化合物1dのメトキシエタノール溶液を窒素雰囲気下で反応させる。次に、反応液を濾過して、粗結晶を得て、これを再結晶する。これら工程により、イリジウム錯体混合物Aが製造できる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記有機層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層などが挙げられる。
前記有機層の少なくとも1層は、前記イリジウム錯体混合物を含有する。このことは、有機層を塗布により容易に形成することができ、かつ有機電界発光素子の耐久性が優れる点で有利である。
前記発光層は、その材料、形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、膜状、シート状などが挙げられ、また、その平面形状としては、四角形、円形などが挙げられ、前記構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられ、前記大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
前記発光材料としては、燐光発光材料及び蛍光発光材料のいずれも用いることができる。
前記燐光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば遷移金属原子、ランタノイド原子を含む錯体などが挙げられる。
具体的な配位子としては、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、又はナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、又はフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、フェノラト配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子などが挙げられる。これらの中でも、含窒素ヘテロ環配位子が特に好ましい。
前記蛍光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、ペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン又はこれらの誘導体、などが挙げられる。
前記ホスト化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、トリアゾール、オキサール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、又はそれらの誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、などが挙げられる。
これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格、又は芳香族第三級アミン骨格を有するものがより好ましく、カルバゾール骨格を有する化合物が特に好ましい。
また、本発明においては、前記ホスト化合物の水素を一部又はすべて重水素に置換したホスト材料を用いることができる(特開2009−277790号公報、特表2004−515506号公報)。
前記金属錯体中の金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオン、白金イオン、パラジウムイオンが好ましく、ベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、パラジウムイオンがより好ましく、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオンが特に好ましい。
前記電子注入層及び前記電子輸送層は、陽極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。
前記正孔受容性ドーパントとしては、正孔受容性で有機化合物を還元する性質を有すれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その金属酸化物などが挙げられる。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層は、前記陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、三酸化モリブデンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化金属、金属酸化物などが挙げられる。
前記ハロゲン化金属としては、例えば、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、五酸化バナジウム、三酸化モリブデンなどが挙げられる。
前記有機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基等を有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどが挙げられる。
これらの電子受容性ドーパントは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
前記陽極を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンチモン、フッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物;金、銀、クロム、ニッケル等の金属;これらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物;ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、又はこれらとITOとの積層物、などが挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物が好ましく、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが特に好ましい。
前記陰極を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が特に好ましい。
前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)を意味する。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基板などが挙げられる。
前記有機電界発光素子は、基板上に設けられていることが好ましく、電極と基板とが直接接する形で設けられていてもよいし、中間層を介在する形で設けられていてもよい。
前記基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス(無アルカリガラス、ソーダライムガラス等)等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料、などが挙げられる。
前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、例えば窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
前記透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
前記有機電界発光素子は、保護層によって保護されていてもよい。
前記保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばIn、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属;MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物;SiNx、SiNxOy等の金属窒化物;MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、などが挙げられる。
前記有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体が封止されていてもよい。更に、前記封止容器と前記有機電界発光素子の間の空間には、水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム、などが挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばパラフィン類、流動パラフィン類;パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤;塩素系溶剤、シリコーンオイル類、などが挙げられる。
前記有機電界発光素子は、大気からの酸素や水分による素子性能劣化を樹脂封止層により封止することで抑制することが好ましい。
前記樹脂封止層の樹脂素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、エステル系樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、水分防止機能の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。前記エポキシ樹脂の中でも熱硬化型エポキシ樹脂、又は光硬化型エポキシ樹脂が好ましい。
前記有機電界発光素子は、封止接着剤により、端部からの水分や酸素の侵入を防止してもよい。
前記封止接着剤の材料としては、前記樹脂封止層で用いる材料と同じものを用いることができる。これらの中でも、水分の侵入防止の点からエポキシ系の接着剤が好ましく、光硬化型接着剤あるいは熱硬化型接着剤が特に好ましい。
前記封止接着剤にフィラーを添加することも好ましい。前記フィラーとしては、例えばSiO2、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)等の無機材料が好ましい。該フィラーの添加により、封止接着剤の粘度が上昇し、加工適正が向上し、及び耐湿性が向上する。
前記封止接着剤は、乾燥剤を含有してもよい。前記乾燥剤としては、例えば酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、などが挙げられる。前記乾燥剤の添加量は、前記封止接着剤に対し0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.05質量%〜15質量%がより好ましい。前記添加量が、0.01質量%未満であると、乾燥剤の添加効果が薄れることになり、20質量%を超えると、封止接着剤中に乾燥剤を均一分散させることが困難になることがある。
本発明においては、前記乾燥剤の入った封止接着剤をディスペンサー等により任意量塗布し、塗布後基板を重ねて、硬化させることにより封止することができる。
前記有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子からの光取り出し方式は、トップエミッション方式であってもボトムエミッション方式であってもよい。
別の好ましい態様では、透明基板上に、透明又は半透明電極と金属電極がそれぞれ反射板として機能して、発光層で生じた光はその間で反射を繰り返し共振する。
共振構造を形成するためには、2つの反射板の有効屈折率、反射板間の各層の屈折率と厚みから決定される光路長を所望の共振波長の得るのに最適な値となるよう調整される。第1の態様の場合の計算式は、特開平9−180883号公報に記載されている。第2の態様の場合の計算式は、特開2004−127795号公報に記載されている。
前記有機電界発光素子の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルタ、複写機の光源、室内外照明、看板、表示板、標識などへ好適に利用できる。
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、前記イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成する塗布工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記塗布工程は、前記イリジウム錯体混合物を含有する有機層を、塗布液を用いた塗布により形成する工程である。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーデポジション、スピンコート、カーテンコート、ロールコート、印刷法、インクジェット方式などが挙げられる。これらの中でも、均一な厚みの層が形成可能な点で、スプレーデポジション、スピンコート、インクジェット方式が好ましい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰極形成工程、陽極形成工程などが挙げられる。
<イリジウム錯体混合物1の合成>
以下の合成方法に従って、イリジウム錯体混合物1を合成した。
4−t−アミルフェノール(東京化成製)(25g)のピリジン溶液(105mL)に、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(ALDRICH製)(30.7mL)を滴下し、室温にて3時間反応させた。反応液を水に注加し、それを酢酸エチル/希塩酸に注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:ヘキサン)することにより、化合物1a(43.5g)を得た。
前記化合物1a(32.2g)及び2−トリブチルスタニルピリジン(和光純薬製)(40g)のDMF溶液(260mL)に、塩化リチウム(13.8g)、ジターシャリーブチルヒドロキシトルエン(0.4g)を加え、更にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(3.8g)を添加し、窒素雰囲気下100℃で18時間反応させた。反応液を10%フッ化カリウム水溶液に注加し、酢酸エチルを加えた後、セライト濾過し、濾液の有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))することにより、化合物1b(16.3g)を得た。
3塩化イリジウム水和物(20g)のエトキシエタノール(1,250mL)及び水(420mL)溶液に、フェニルピリジン(26g)を添加し、120℃にて24時間反応させた。反応液を濾過し、得られた濾液を減圧にて濃縮した。濃縮残さに水、及びジエチルエーテルを添加し、析出した固体を濾取することで、化合物1cを32g得た。
前記化合物1c(25g)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(12.2g)のメタノール(83mL)及びジクロロメタン(1.7L)溶液を室温で1時間攪拌し、反応液を濾過した。得られた濾液を減圧にて濃縮することで、化合物1dを23.4g得た。
前記化合物1b(16.3g)及び前記化合物1d(23.4g)のメトキシエタノール溶液(800mL)を窒素雰囲気下95℃にて18時間反応させた。反応液を濾過することで、粗結晶1を得た。前記粗結晶1をトルエンに溶解させトルエン溶液を得た後、該トルエン溶液に、結晶が析出するまでイソプロピルアルコールを滴下し、濾取することにより、淡黄色固体の外観を有するイリジウム錯体混合物1(14g)を得た。得られたイリジウム錯体混合物1の前記化合物1dに対する収率は53.6%であった。
得られたイリジウム錯体混合物1の分析は、後述する分析により行った。
<イリジウム錯体混合物2の合成>
実施例1で得られたイリジウム錯体混合物1を、ジクロロメタン/メタノール=1/1(体積比)で再結晶することにより、イリジウム錯体混合物2を得た。
<イリジウム錯体混合物3、及びイリジウム錯体混合物4の合成>
実施例1で得られた粗結晶1を昇華精製し、昇華管からイリジウム錯体混合物3、及びイリジウム錯体混合物4を取り出した。なお、昇華管の粗体ボートより近い位置から掻き取ったものが、イリジウム錯体混合物3であり、遠い位置から掻き取ったものが、イリジウム錯体混合物4である。
<イリジウム錯体1、及びイリジウム錯体2の合成>
実施例1で得られたイリジウム錯体混合物1のトルエン溶液を用い、シリカゲルクロマトグラフ精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1(体積比))を3回行うことにより、イリジウム錯体混合物1からイリジウム錯体1及びイリジウム錯体2を分離して、イリジウム錯体1及びイリジウム錯体2をそれぞれ得た。
<イリジウム錯体3の合成>
Tris(2−phenylpyridine)iridium(III)(ALDRICH社製、昇華精製グレード品)を昇華精製することにより、イリジウム錯体3を得た。
実施例1〜4で得られたイリジウム錯体混合物、及び比較例1〜3で得られたイリジウム錯体について、以下の分析を行った。
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体について、HPLC装置(島津製作所製、高速液体クロマトグラフ:プロミネンスグラジエントシステム)を用いて、組成比を分析した。
HPLC装置の条件は以下のとおりである。
カラム:東ソー社製TSK−Gel ODS−100V3μm
展開液A:H2O
展開液B:アセトニトリル/メタノール=9/1(体積比)(緩衝剤:CH3CO2NH4)
グラジエントプログラム:
0分〜20分 A:B=30:70(体積比)
20分〜30分 A:B=0:100(体積比)
得られた結果を表1に示す。
<イリジウム錯体混合物5の合成>
実施例1において、4−t−アミルフェノールを4−t−ブチルフェノールに代えた以外は、実施例1と同様の合成方法で、イリジウム錯体混合物5を得た。得られたイリジウム錯体混合物5の収率は67%であった。
得られたイリジウム錯体混合物5の分析は、後述する分析により行った。
<イリジウム錯体4、及びイリジウム錯体5の合成>
実施例5で得られたイリジウム錯体混合物5のトルエン溶液を用い、シリカゲルクロマトグラフ精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1(体積比))を3回行うことにより、イリジウム錯体混合物5からイリジウム錯体4及びイリジウム錯体5を分離して、イリジウム錯体4及びイリジウム錯体5をそれぞれ得た。
実施例5で得られたイリジウム錯体混合物及び比較例3〜5で得られたイリジウム錯体について、以下の分析を行った。
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体について、HPLC装置(島津製作所製、高速液体クロマトグラフ:プロミネンスグラジエントシステム)を用いて、組成比を分析した。
HPLC装置の条件は以下のとおりである。
カラム:東ソー社製TSK−Gel ODS−100V3μm
展開液A:THF/H2O=1/9(体積比)(緩衝剤:酢酸、トリエチルアミン)
展開液B:THF/H2O=9/1(体積比)(緩衝剤:酢酸、トリエチルアミン)
グラジエントプログラム:
0分〜20分 A:B=50:50(体積比)
20分〜30分 A:B=0:100(体積比)
得られた結果を表2に示す。
<<溶解度測定>>
上記実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたイリジウム錯体混合物、及びイリジウム錯体について、溶解度測定を行った。
イリジウム錯体混合物、及びイリジウム錯体の各粉体を黄色灯下でバイアル瓶に秤量し、溶媒(キシレン又は酢酸エチル)を所定量加えた後、BRANSON社の卓上超音波洗浄機B1510J−MTHを用いて超音波を1時間かけた。0.2μmフィルターで濾過した溶液を石英セルにいれ、紫外可視分光光度計(島津製作所UV−2400)にて吸光度を測定した。濃度を変えた溶液を3種作製し、吸光度を測定することで検量線を作成した。
検量線を作成した濃度よりも高い濃度にて飽和溶液を調製し、その吸光度と検量線より、溶解度を算出した。得られた結果を表3に示す。
イリジウム錯体混合物を発光材料として用い、真空蒸着法により有機電界発光素子を作製した。
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このITO付きガラス基板上に各層を積層した。
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体混合物5を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子2を作製した。
<有機電界発光素子3の作製>
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体1を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子3を作製した。
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体4を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子4を作製した。
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体6を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子5を作製した。
実施例6及び比較例6で得た各有機電界発光素子について、定電流(2.5mA/cm2)を印加した際の電圧及び外部量子効率を測定した。評価結果を表4に示す。
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、通電時の駆動電圧を計測した。
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、電流密度2.5mA/cm2の直流電流を各素子に通電し、発光させた。その輝度と発光スペクトルを、トプコン社製輝度計SR−3を用いて測定した。これらの測定結果をもとに、外部量子効率を発光スペクトル換算法により算出した。
イリジウム錯体混合物を発光材料として用いた塗布型有機電界発光素子を作製した。
−塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、有機電界発光素子用塗布液(塗布液1)を得た。
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物2に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子2を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物3に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子3を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物4に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子4を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物5に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子5を作製した。
<塗布型有機電界発光素子6の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を下記構造のイリジウム錯体6に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子6を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を下記構造式で表されるイリジウム錯体7に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子7を作製した。
実施例7及び比較例7で得た塗布型有機電界発光素子について、素子耐久性評価を行った。
初期の発光輝度1,000cd/m2で、室温において、塗布型有機電界発光素子にKEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型により定電流(2.5mA/cm2)を印加して連続的に駆動を行い、発光輝度が1/2に低下するまでの時間(輝度半減期)を測定し、イリジウム錯体混合物1を用いた塗布型有機電界発光素子1の時間を1として規格化して評価した。評価結果を表5に示す。
なお、発光輝度は、トプコン社製輝度計SR−3により測定した。
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体の塗布液を作製し、該塗布液により形成される発光層の熱安定性を評価した。
<<塗布液の作製>>
−発光層1に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層1に用いる塗布液を得た。
−発光層2に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物5(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層2に用いる塗布液を得た。
−発光層3に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層3に用いる塗布液を得た。
−発光層4に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体4(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層4に用いる塗布液を得た。
−発光層5に用いる塗布液の作製−
下記構造式で表されるイリジウム錯体8(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層5に用いる塗布液を得た。
基材として石英ガラス(厚み0.7mm、長さ16mm、幅16mm)を用い、該基材上に前記各塗布液をグローブボックス内でスピンコートし、厚み30μmの発光層を形成することにより、評価試料を作製した。
絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製、C9920−02)を用いてPL量子収率の測定を行った。測定は、グローブボックス中にて、ホットプレートで160℃30分加熱した前後において行った。そして、加熱前後のPL量子収率変化割合を評価した。評価結果を表6に示す。
イリジウム錯体混合物を正孔注入層に用いた塗布型有機電界発光素子を作製した。
−塗布液の作製−
イリジウム錯体混合物1(0.6質量%)と、PTPDES(ケミプロ化成製、高Tg高分子材料)(1.4質量%)とを、電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)(98質量%)に混合し、有機電界発光素子用塗布液(塗布液2)を得た。
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物5に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子9を作製した。
<塗布型有機電界発光素子10の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体1に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子10を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体4に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子11を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体6に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子12を作製した。
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記塗布液2を、PTPDES(2.0質量%)を電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)(98質量%)に混合した塗布液に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子13を作製した。
実施例9及び比較例9で得た有機電界発光素子について、以下の評価を行った。
電流密度2.5mA/cm2となるように調節したときの電圧及び外部量子効率を測定した。なお、電圧及び外部量子効率の測定方法は前述と同様である。測定結果を表7に示す。
初期の発光輝度1,000cd/m2で、室温において、有機電界発光素子に定電流(2.5mA/cm2)を印加して連続的に駆動を行い、発光輝度が1/2に低下するまでの時間(輝度半減期)を測定し、塗布型有機電界発光素子8の時間を1として規格化して評価した。評価結果を表7に示す。
表4の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を発光層に用いた有機電界発光素子は、純度100%のイリジウム錯体を発光層に用いた有機電界発光素子と比較して、電圧、外部量子効率ともに同等であることが確認できる。
表5の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を発光層に用いた有機電界発光素子は、耐久性に優れることが確認できる。
表7の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を正孔注入層に添加した有機電界発光素子は、未添加の素子と比較して耐久性が大幅に向上することが確認できる。
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、
該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であることを特徴とするイリジウム錯体混合物。
(A)mIr(B)n 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
- イリジウム錯体のイリジウムと2座配位子とが、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している請求項1に記載のイリジウム錯体混合物。
- 一般式(1)で表されるイリジウム錯体が、下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である請求項1から2のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
- mが0でないイリジウム錯体のうちの1種のイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
- mが1であるイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
- 2種以上のイリジウム錯体が、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物である請求項1から5のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
- 陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有してなり、
該有機層の少なくとも1層が、請求項1から6のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物を含有する有機層であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 有機層を3層以上有する請求項7に記載の有機電界発光素子。
- イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、発光層である請求項7から8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、正孔注入層である請求項7から8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 請求項7から10のいずれかに記載の有機電界発光素子を製造する有機電界発光素子の製造方法であって、イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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