JP2011251933A - イリジウム錯体混合物、並びに有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

イリジウム錯体混合物、並びに有機電界発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶媒に対する溶解性に優れ、収率が高く、製造が容易で、更に有機電界発光素子に用いた場合に素子の耐久性に優れるイリジウム錯体混合物、並びに該イリジウム錯体混合物を用いた有機電界発光素子、及びその製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であるイリジウム錯体混合物である。(A)Ir(B)一般式(1)ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。

【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子の有機層に適用可能なイリジウム錯体混合物、並びに有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
イリジウム錯体は、高い発光効率を有することから、近年、有機電界発光素子の材料として、研究開発が活発に行われている。
有機電界発光素子は、自発光、高速応答などの特長を持ち、フラットパネルディスプレイへの適用が期待されており、特に、正孔輸送性の有機薄膜(正孔輸送層)と電子輸送性の有機薄膜(電子輸送層)とを積層した2層型(積層型)のものが報告されて以来、10V以下の低電圧で発光する大面積発光素子として関心を集めている。積層型の有機電界発光素子は、正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極、を基本構成としている。
有機電界発光素子の製造においては、一般的に、真空蒸着法により各層を形成する方法が行われている。
しかしながら、真空蒸着法により層を形成する方法は、大掛かりな蒸着装置が必要でコストが高いという問題がある。また、製造される有機電界発光素子の大面積化が困難という問題がある。
一方、真空蒸着法に比べてコストが安く、大面積な有機電界発光素子の製造が可能な方法としては、塗布液を用いた塗布により発光層などを形成する塗布法がある。
しかしながら、イリジウム錯体は、溶媒に対する溶解性が低いため、均一で安定な塗布液が得られない。そのため、この塗布液を用いて層を形成しても、均一な層が得られず、層の耐久性が悪いという問題がある。したがって、イリジウム錯体を含有する層は、真空蒸着法により形成されているのが現状である。
イリジウム錯体の溶媒に対する溶解性を高めるためには、異なる配位子を用いることにより、イリジウム錯体の構造を、イリジウム原子を中心として非対称にすることが有効である。
しかしながら、この非対称の構造を有するイリジウム錯体は、複数の配位子を用いて合成するため、1種類のイリジウム錯体のみを合成することは困難であり、通常、所望とするイリジウム錯体と配位子の構造が異なるイリジウム錯体との混合物が得られる。このようなイリジウム錯体混合物を有機電界発光素子の有機層に用いた場合、通常は、素子の耐久性が低下するといった問題がある。
また、合成したイリジウム錯体混合物から所望とするイリジウム錯体のみを得るには、通常、クロマトグラフィーなどの精製を行う必要があるが、イリジウム錯体には精製が困難なものが多い上に、精製はコストがかかるといった問題がある。
これらの問題を解決する技術として、第1に、2−フェニルイソキノリン誘導体を配位子の一つに用いた非対称の構造を有するイリジウム錯体混合物の技術が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この提案の技術は、得られるイリジウム錯体混合物の溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。また、得られるイリジウム錯体混合物を有機電界発光素子に用いた場合、有機電界発光素子の耐久性が低いという問題がある。
第2に、2種の配位子を用いその配位子の一つがニトロ基を有する非対称のイリジウム錯体に関する技術が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この提案の技術は、得られるイリジウム錯体の溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。
第3に、3級又は4級の炭素原子のアルキル基を置換基に持つ2−フェニルピリジン誘導体配位子を有するイリジウム錯体を有機電界発光素子に用いる技術が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この提案のイリジウム錯体は、溶媒に対する溶解性が、未だ所望の程度に達していない。また、このイリジウム錯体を合成するには、クロマトグラフィーなどの精製が必要であるという問題がある。
なお、この提案において、2種以上のイリジウム錯体を混合したイリジウム錯体混合物については何ら検討されていない。
さらに、イリジウム錯体は、合成における収率が低いことから、高い収率で合成できるイリジウム錯体が望まれているものの、前記特許文献1から3で提案のイリジウム錯体は、合成における収率が低いという問題がある。
したがって、溶媒に対する溶解性に優れ、合成における収率が高く、クロマトグラフィーなどの精製の必要がなく製造が容易で、更に、有機電界発光素子に用いた場合に素子の耐久性に優れるイリジウム錯体混合物、並びに該イリジウム錯体混合物を用いた有機電界発光素子、及びその製造方法の提供が求められているのが現状である。
特表2008−528754号公報 特表2006−507279号公報 特開2008−91894号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、溶媒に対する溶解性に優れ、合成における収率が高く、クロマトグラフィーなどの精製の必要がなく製造が容易で、更に、有機電界発光素子に用いた場合に素子の耐久性に優れるイリジウム錯体混合物、並びに該イリジウム錯体混合物を用いた有機電界発光素子、及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、
該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であることを特徴とするイリジウム錯体混合物である。
(A)Ir(B) 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
<2> イリジウム錯体のイリジウムと2座配位子とが、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している前記<1>に記載のイリジウム錯体混合物である。
<3> 一般式(1)で表されるイリジウム錯体が、下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である前記<1>から<2>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
ただし、前記一般式(3)中、R〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、隣接するR〜R19は、互いに結合し環を形成してもよい。R〜R11の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表される構造を有する。m、n及びm+nは、それぞれ一般式(1)におけるm、n及びm+nと同様である。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
<4> mが0でないイリジウム錯体のうちの1種のイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<5> mが1であるイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<6> 2種以上のイリジウム錯体が、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物である前記<1>から<5>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物である。
<7> 陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有してなり、
該有機層の少なくとも1層が、前記<1>から<6>のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物を含有する有機層であることを特徴とする有機電界発光素子である。
<8> 有機層を3層以上有する前記<7>に記載の有機電界発光素子である。
<9> イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、発光層である前記<7>から<8>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
<10> イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、正孔注入層である前記<7>から<8>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
<11> 前記<7>から<10>のいずれかに記載の有機電界発光素子を製造する有機電界発光素子の製造方法であって、イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、溶媒に対する溶解性に優れ、合成における収率が高く、クロマトグラフィーなどの精製の必要がなく製造が容易で、更に、有機電界発光素子に用いた場合に素子の耐久性に優れるイリジウム錯体混合物、並びに該イリジウム錯体混合物を用いた有機電界発光素子、及びその製造方法を提供することができる。
(イリジウム錯体混合物)
本発明のイリジウム錯体混合物は、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、更に必要に応じて、その他の化合物を有する。
<イリジウム錯体>
前記イリジウム錯体としては、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(A)Ir(B) 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
前記2座配位子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の式で表される2座配位子が挙げられる。
(式中、*はイリジウムと結合する部位を示す。Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を表す。)
前記イリジウム錯体のイリジウムと2座配位子との結合の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している態様、2座配位子の2つの窒素原子で結合している態様、2座配位子の2つの炭素原子で結合している態様、2座配位子の炭素原子及び酸素原子で結合している態様、2座配位子の2つの酸素原子で結合している態様などが挙げられる。これらの中でも、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している態様が、熱安定性に優れる点で好ましい。
前記一般式(2)中の、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R、R、及びRとしては、アルキル基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖のアルキル基、分岐のアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
前記一般式(2)で表される構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、t−ブチル基、t−アミル基、3−メチルペンタン−3−イル基、2−メチルペンタン−2−イル基が、溶媒に対する溶解性及びキャリア輸送性(電荷移動)に優れる点で好ましい。
前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体としては、下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体であることが、熱安定性、溶媒に対する溶解性に優れる点で好ましい。
ただし、前記一般式(3)中、R〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、隣接するR〜R19は、互いに結合し環を形成してもよい。R〜R11の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表される構造を有する。m、n及びm+nは、それぞれ前記一般式(1)におけるm、n及びm+nと同様である。
なお、R〜R11を有する2座配位子は前記一般式(1)中のAの2座配位子と対応する。R12〜R19を有する2座配位子は前記一般式(1)中のBの2座配位子と対応する。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R、R、及びRの例示及び好ましい態様は、前述と同様である。
前記一般式(3)中、R〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、隣接するR〜R19は、互いに結合し環を形成してもよい。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖のアルキル基、分岐のアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよい。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などが挙げられる。
前記アリール基における置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、ジフェニルアミノ基、t−ブチルアミノ基等の置換アミノ基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖のアルコキシ基、分岐のアルコキシ基、環状のアルコキシ基が挙げられる。
前記アルコキシ基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数1〜10が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられる。
隣接するR〜R19が互いに結合し形成する環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン環、シクロヘキシル環、ナフチル環などが挙げられる。
前記一般式(3)で表されるイリジウム錯体としては、前記R、R、Rのいずれかが前記一般式(2)で表される構造を有することが好ましく、前記R、R、Rのいずれかが前記一般式(2)で表される構造であることがより好ましく、前記Rが前記一般式(2)で表される構造であることが特に好ましい。前記好ましい態様であると、溶媒に対する溶解性、熱安定性、発光効率、及びキャリア輸送性に優れる点で有利であり、前記特に好ましい態様であると、前記効果が顕著となる点で有利である。
前記イリジウム錯体混合物が有する、2種以上の前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体は、前記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子である。
前記少なくとも2種のイリジウム錯体としては、前記一般式(1)中のAで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であることが、合成及び精製を簡便に行うことができる点で好ましい。
前記少なくとも2種のイリジウム錯体の組合せとしては、例えば、以下の組合せが挙げられる。
前記イリジウム錯体混合物は、mが0でない前記イリジウム錯体のうちの1種のイリジウム錯体が、全ての前記イリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下であることが好ましく、mが1である前記イリジウム錯体が、全ての前記イリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下であることがより好ましい。前記好ましい態様であると、前記イリジウム錯体混合物を用いた有機電界発光素子の耐久性及び発光効率が優れる点で有利であり、前記より好ましい態様であると、前記効果が顕著となる点で有利である。
前記イリジウム錯体混合物は、前記2種以上のイリジウム錯体が、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物であることが、製造が容易でかつカラムクロマト精製などの精製が省略できる点で有利である。
ここで、主生成物とは、合成される全生成物のうちの51質量%以上の生成物を意味し、副生成物とは、合成される全生成物のうちの49質量%未満の生成物を意味する。なお、副生成物は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
<イリジウム錯体混合物の製造方法>
前記イリジウム錯体混合物の製造方法としては、前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、前記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であるイリジウム錯体混合物が製造できる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、構造の異なる2種以上のイリジウム錯体を混合する製造方法、前記2種以上のイリジウム錯体を、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物として製造する方法などが挙げられる。
前記2種以上のイリジウム錯体を、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物として製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般的なイリジウム錯体の合成方法を適用することができる。
前記イリジウム錯体混合物の製造方法を以下に例示する。
−イリジウム錯体混合物Aの製造方法−
−−化合物1aの製造方法−−
前記化合物1aの製造方法は、例えば、4−t−アミルフェノールとトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させる工程、生成物を溶媒により抽出する工程、生成物を精製する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、4−t−アミルフェノールのピリジン溶液に、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下し、室温にて反応させる。次に、反応液を水に注加し、それを酢酸エチル/希塩酸に注加し、有機層を食塩水で洗浄する。次に、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製する。これら工程により、前記化合物1aが製造できる。
−−化合物1bの製造方法−−
前記化合物1bの製造方法は、例えば、前記化合物1aと2−トリブチルスタニルピリジンとを反応させる工程、生成物を溶媒により抽出する工程、生成物を精製する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1a及び2−トリブチルスタニルピリジンのDMF溶液に、塩化リチウム、ジターシャリーブチルヒドロキシトルエンを加え、更にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、窒素雰囲気下で反応させる。次に、反応液をフッ化カリウム水溶液に注加し、酢酸エチルを加えた後、セライト濾過し、濾液の有機層を食塩水で洗浄する。次に、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製する。これら工程により、前記化合物1bが製造できる。
−−化合物1cの製造方法−−
前記化合物1cの製造方法は、例えば、3塩化イリジウム水和物とフェニルピリジンとを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、3塩化イリジウム水和物の水及びエトキシエタノール溶液に、フェニルピリジンを添加し、反応させる。次に、反応液を濾過し、得られた濾液を減圧にて濃縮する。次に、濃縮残さに水、及びジエチルエーテルを添加し、析出した固体を濾取する。これら工程により、前記化合物1cが製造できる。
−−化合物1dの製造方法−−
前記化合物1dの製造方法は、例えば、前記化合物1cとトリフルオロメタンスルホン酸銀とを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1c及びトリフルオロメタンスルホン酸銀のメタノール及びジクロロメタン溶液を室温で攪拌し、反応液を濾過する。次に、得られた濾液を減圧にて濃縮する。これら工程により、前記化合物1dが製造できる。
−−イリジウム錯体混合物Aの製造方法−−
前記イリジウム錯体混合物Aの製造方法は、例えば、前記化合物1bと前記化合物1dとを反応させる工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
具体的には、前記化合物1b及び前記化合物1dのメトキシエタノール溶液を窒素雰囲気下で反応させる。次に、反応液を濾過して、粗結晶を得て、これを再結晶する。これら工程により、イリジウム錯体混合物Aが製造できる。
前記製造方法により得られるイリジウム錯体混合物Aは、例えば、前記イリジウム錯体1を主生成物とするイリジウム錯体1から3の混合物である。
(有機電界発光素子)
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
<有機層>
前記有機層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層などが挙げられる。
前記有機層の少なくとも1層は、前記イリジウム錯体混合物を含有する。このことは、有機層を塗布により容易に形成することができ、かつ有機電界発光素子の耐久性が優れる点で有利である。
前記有機層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機電界発光素子において3層以上であることが、低電圧化、発光効率向上、及び耐久性向上の点で好ましい。
−発光層−
前記発光層は、その材料、形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、膜状、シート状などが挙げられ、また、その平面形状としては、四角形、円形などが挙げられ、前記構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられ、前記大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
前記発光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イリジウム錯体混合物を含有する発光層であることが、該発光層を塗布により容易に形成することができ、かつ純度の高いイリジウム錯体と比べても有機電界発光素子の外部量子効率の低下がなく、更に耐久性に優れる点で好ましい。
前記イリジウム錯体混合物の含有量は、発光層を構成する全化合物質量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、発光効率が小さくなることがあり、30質量%を超えると、濃度消光による発光効率の低下をおこすことがある。前記含有量が、特に好ましい範囲であると、発光効率向上、及び耐久性向上の点で有利である。
前記発光層は、前記イリジウム錯体混合物以外の発光材料、ホスト化合物を有していてもよい。
−−発光材料−−
前記発光材料としては、燐光発光材料及び蛍光発光材料のいずれも用いることができる。
−−−燐光発光材料−−−
前記燐光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば遷移金属原子、ランタノイド原子を含む錯体などが挙げられる。
前記遷移金属原子としては、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げられる。これらの中でも、レニウム、イリジウム、白金が好ましく、イリジウム、白金が特に好ましい。
前記ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムなどが挙げられる。これらの中でも、ネオジム、ユーロピウム、ガドリニウムが特に好ましい。
前記錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社、1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、又はナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、又はフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、フェノラト配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子などが挙げられる。これらの中でも、含窒素ヘテロ環配位子が特に好ましい。
前記錯体は、化合物中に遷移金属原子を1つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。これらの中でも、燐光発光材料としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記燐光発光材料の含有量は、発光層を構成する全化合物質量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、発光効率が小さくなることがあり、30質量%を超えると、燐光発光材料自身の会合により、発光効率が低下することがある。
−−−蛍光発光材料−−−
前記蛍光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、ペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン又はこれらの誘導体、などが挙げられる。
これらの中でも、前記蛍光発光材料の具体例としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記蛍光発光材料の含有量は、発光層を構成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜30質量%が好ましく、耐久性、発光効率の観点から0.2質量%〜15質量%がより好ましく、0.5質量%〜12質量%が特に好ましい。
−−ホスト化合物−−
前記ホスト化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、トリアゾール、オキサール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、又はそれらの誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、などが挙げられる。
これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格、又は芳香族第三級アミン骨格を有するものがより好ましく、カルバゾール骨格を有する化合物が特に好ましい。
また、本発明においては、前記ホスト化合物の水素を一部又はすべて重水素に置換したホスト材料を用いることができる(特開2009−277790号公報、特表2004−515506号公報)。
また、前記ホスト化合物としては、例えば金属錯体、アゾール誘導体(ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体等)、アジン誘導体(ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等)などが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、耐久性の点から金属錯体が好ましい。前記金属錯体は、金属に配位する少なくとも1つの窒素原子又は酸素原子又は硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体がより好ましい。
前記金属錯体中の金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオン、白金イオン、パラジウムイオンが好ましく、ベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、パラジウムイオンがより好ましく、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオンが特に好ましい。
前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」、Springer−Verlag社、H.Yersin著、1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」、裳華房社、山本明夫著、1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子としては、例えばアジン配位子(例えば、ピリジン配位子、ビピリジル配位子、ターピリジン配位子などが挙げられる)、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(例えば、ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾピリジン配位子などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、及びキノリルオキシなどが挙げられる)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる)、ヘテロアリールチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、及び2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる)、シロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、及びトリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる。)、芳香族炭化水素アニオン配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えばフェニルアニオン、ナフチルアニオン、及びアントラニルアニオンなどが挙げられる)、芳香族ヘテロ環アニオン配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜25、特に好ましくは炭素数2〜20であり、例えばピロールアニオン、ピラゾールアニオン、ピラゾールアニオン、トリアゾールアニオン、オキサゾールアニオン、ベンゾオキサゾールアニオン、チアゾールアニオン、ベンゾチアゾールアニオン、チオフェンアニオン、及びベンゾチオフェンアニオンなどが挙げられる)、インドレニンアニオン配位子などが挙げられ、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、又はシロキシ配位子であり、特に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、シロキシ配位子、芳香族炭化水素アニオン配位子、又は芳香族ヘテロ環アニオン配位子である。
前記金属錯体としては、例えば、特開2002−235076号公報、特開2004−214179号公報、特開2004−221062号公報、特開2004−221065号公報、特開2004−221068号公報、特開2004−327313号公報などに記載の化合物が挙げられる。
このようなホスト化合物としての具体的化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ホスト化合物の含有量は、前記発光層を構成する全化合物質量に対して、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましく、30質量%〜70質量%が特に好ましい。
前記発光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2nm〜500nmが好ましく、3nm〜200nmがより好ましく、5nm〜100nmが特に好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
前記電子注入層及び前記電子輸送層は、陽極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。
前記電子注入層及び前記電子輸送層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体などが挙げられる。
前記電子注入層及び前記電子輸送層としては、正孔受容性ドーパントを含有させることができる。
前記正孔受容性ドーパントとしては、正孔受容性で有機化合物を還元する性質を有すれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その金属酸化物などが挙げられる。
前記電子注入層及び前記電子輸送層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記電子注入層及び前記電子輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層は、前記陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよく、また、無機化合物であってもよい。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、三酸化モリブデンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔注入層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イリジウム錯体混合物を含有する正孔注入層であることが、該正孔注入層を塗布により容易に形成することができ、かつ耐久性に優れる点で好ましい。
前記正孔注入層における前記イリジウム錯体混合物の含有量は、前記正孔注入層を構成する全化合物質量に対して、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、耐久性が向上しないことがあり、50質量%を超えると、上層を塗布した時にイリジウム錯体が溶出することがある。前記含有量が、特に好ましい範囲であると、耐久性に優れる点で有利である。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層としては、電子受容性ドーパントを含有させることができる。
前記電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化金属、金属酸化物などが挙げられる。
前記ハロゲン化金属としては、例えば、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、五酸化バナジウム、三酸化モリブデンなどが挙げられる。
前記有機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基等を有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどが挙げられる。
これらの電子受容性ドーパントは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
前記電子受容性ドーパントの使用量としては、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料又は正孔注入材料に対して0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.05質量%〜50質量%がより好ましく、0.1質量%〜30質量%が特に好ましい。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm〜500nmが好ましく、5nm〜200nmがより好ましく、10nm〜100nmが特に好ましい。
<陽極>
前記陽極を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンチモン、フッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物;金、銀、クロム、ニッケル等の金属;これらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物;ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、又はこれらとITOとの積層物、などが挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物が好ましく、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが特に好ましい。
前記陽極の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜50μmが好ましく、50nm〜20μmがより好ましい。
<陰極>
前記陰極を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が特に好ましい。
前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)を意味する。
前記陰極の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜5μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。
前記有機電界発光素子の性質上、前記陽極及び前記陰極のうち少なくとも一方の電極は透明であることが好ましい。通常、前記陽極は有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、前記陰極は有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよい。
前記陽極及び前記陰極の形成方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式;真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式;CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などが挙げられる。これらの中でも、前記陽極及び前記陰極を構成する材料との適性を考慮し、適宜選択した方法に従って基板上に形成することができる。例えば、前記陽極の材料としてITOを選択する場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成することができる。前記陰極の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等により形成することができる。
なお、前記陽極及び前記陰極を形成する際にパターニングを行う場合は、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザー等による物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基板などが挙げられる。
−基板−
前記有機電界発光素子は、基板上に設けられていることが好ましく、電極と基板とが直接接する形で設けられていてもよいし、中間層を介在する形で設けられていてもよい。
前記基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス(無アルカリガラス、ソーダライムガラス等)等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料、などが挙げられる。
前記基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。基板は透明でも不透明でもよく、透明な場合は無色透明でも有色透明でもよい。
前記基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、例えば窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
前記透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
−保護層−
前記有機電界発光素子は、保護層によって保護されていてもよい。
前記保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばIn、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属;MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物;SiNx、SiNxOy等の金属窒化物;MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、などが挙げられる。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法などが挙げられる。
−封止容器−
前記有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体が封止されていてもよい。更に、前記封止容器と前記有機電界発光素子の間の空間には、水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム、などが挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばパラフィン類、流動パラフィン類;パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤;塩素系溶剤、シリコーンオイル類、などが挙げられる。
−樹脂封止層−
前記有機電界発光素子は、大気からの酸素や水分による素子性能劣化を樹脂封止層により封止することで抑制することが好ましい。
前記樹脂封止層の樹脂素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、エステル系樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、水分防止機能の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。前記エポキシ樹脂の中でも熱硬化型エポキシ樹脂、又は光硬化型エポキシ樹脂が好ましい。
前記樹脂封止層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂溶液を塗布する方法、樹脂シートを圧着又は熱圧着する方法、蒸着やスパッタリング等により乾式重合する方法、などが挙げられる。
−封止接着剤−
前記有機電界発光素子は、封止接着剤により、端部からの水分や酸素の侵入を防止してもよい。
前記封止接着剤の材料としては、前記樹脂封止層で用いる材料と同じものを用いることができる。これらの中でも、水分の侵入防止の点からエポキシ系の接着剤が好ましく、光硬化型接着剤あるいは熱硬化型接着剤が特に好ましい。
前記封止接着剤にフィラーを添加することも好ましい。前記フィラーとしては、例えばSiO、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)等の無機材料が好ましい。該フィラーの添加により、封止接着剤の粘度が上昇し、加工適正が向上し、及び耐湿性が向上する。
前記封止接着剤は、乾燥剤を含有してもよい。前記乾燥剤としては、例えば酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、などが挙げられる。前記乾燥剤の添加量は、前記封止接着剤に対し0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.05質量%〜15質量%がより好ましい。前記添加量が、0.01質量%未満であると、乾燥剤の添加効果が薄れることになり、20質量%を超えると、封止接着剤中に乾燥剤を均一分散させることが困難になることがある。
本発明においては、前記乾燥剤の入った封止接着剤をディスペンサー等により任意量塗布し、塗布後基板を重ねて、硬化させることにより封止することができる。
<駆動>
前記有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
前記有機電界発光素子の光取り出し効率は、特に制限はなく、種々の公知の工夫により、向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板、ITO層、有機層の屈折率を制御する、基板、ITO層、有機層の厚みを制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の有機電界発光素子からの光取り出し方式は、トップエミッション方式であってもボトムエミッション方式であってもよい。
本発明の有機電界発光素子は、共振器構造を有してもよい。例えば、透明基板上に、屈折率の異なる複数の積層膜よりなる多層膜ミラー、透明又は半透明電極、発光層、及び金属電極を重ね合わせて有する。発光層で生じた光は多層膜ミラーと金属電極を反射板としてその間で反射を繰り返し共振する。
別の好ましい態様では、透明基板上に、透明又は半透明電極と金属電極がそれぞれ反射板として機能して、発光層で生じた光はその間で反射を繰り返し共振する。
共振構造を形成するためには、2つの反射板の有効屈折率、反射板間の各層の屈折率と厚みから決定される光路長を所望の共振波長の得るのに最適な値となるよう調整される。第1の態様の場合の計算式は、特開平9−180883号公報に記載されている。第2の態様の場合の計算式は、特開2004−127795号公報に記載されている。
<用途>
前記有機電界発光素子の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルタ、複写機の光源、室内外照明、看板、表示板、標識などへ好適に利用できる。
(有機電界発光素子の製造方法)
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、前記イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成する塗布工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<塗布工程>
前記塗布工程は、前記イリジウム錯体混合物を含有する有機層を、塗布液を用いた塗布により形成する工程である。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーデポジション、スピンコート、カーテンコート、ロールコート、印刷法、インクジェット方式などが挙げられる。これらの中でも、均一な厚みの層が形成可能な点で、スプレーデポジション、スピンコート、インクジェット方式が好ましい。
前記塗布液は、前記イリジウム錯体混合物と、溶媒とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の構成を含有する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、2−ブタノン、ジブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
前記塗布液における前記イリジウム錯体混合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.025質量%〜2質量%が好ましく、0.05質量%〜1質量%がより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.025質量%未満であると、素子において、十分な輝度や耐久性が得られないことがあり、2質量%を超えると、塗布膜の平滑性が低下したり、素子において、濃度消光により発光効率が低下することがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲であると、塗布膜の平滑性向上、並びに素子の発光効率向上、及び耐久性向上の点で有利である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰極形成工程、陽極形成工程などが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<イリジウム錯体混合物1の合成>
以下の合成方法に従って、イリジウム錯体混合物1を合成した。
−化合物1aの合成−
4−t−アミルフェノール(東京化成製)(25g)のピリジン溶液(105mL)に、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(ALDRICH製)(30.7mL)を滴下し、室温にて3時間反応させた。反応液を水に注加し、それを酢酸エチル/希塩酸に注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:ヘキサン)することにより、化合物1a(43.5g)を得た。
−化合物1bの合成−
前記化合物1a(32.2g)及び2−トリブチルスタニルピリジン(和光純薬製)(40g)のDMF溶液(260mL)に、塩化リチウム(13.8g)、ジターシャリーブチルヒドロキシトルエン(0.4g)を加え、更にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(3.8g)を添加し、窒素雰囲気下100℃で18時間反応させた。反応液を10%フッ化カリウム水溶液に注加し、酢酸エチルを加えた後、セライト濾過し、濾液の有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))することにより、化合物1b(16.3g)を得た。
−化合物1cの合成−
3塩化イリジウム水和物(20g)のエトキシエタノール(1,250mL)及び水(420mL)溶液に、フェニルピリジン(26g)を添加し、120℃にて24時間反応させた。反応液を濾過し、得られた濾液を減圧にて濃縮した。濃縮残さに水、及びジエチルエーテルを添加し、析出した固体を濾取することで、化合物1cを32g得た。
−化合物1dの合成−
前記化合物1c(25g)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(12.2g)のメタノール(83mL)及びジクロロメタン(1.7L)溶液を室温で1時間攪拌し、反応液を濾過した。得られた濾液を減圧にて濃縮することで、化合物1dを23.4g得た。
−イリジウム錯体混合物1の合成−
前記化合物1b(16.3g)及び前記化合物1d(23.4g)のメトキシエタノール溶液(800mL)を窒素雰囲気下95℃にて18時間反応させた。反応液を濾過することで、粗結晶1を得た。前記粗結晶1をトルエンに溶解させトルエン溶液を得た後、該トルエン溶液に、結晶が析出するまでイソプロピルアルコールを滴下し、濾取することにより、淡黄色固体の外観を有するイリジウム錯体混合物1(14g)を得た。得られたイリジウム錯体混合物1の前記化合物1dに対する収率は53.6%であった。
得られたイリジウム錯体混合物1の分析は、後述する分析により行った。
(実施例2)
<イリジウム錯体混合物2の合成>
実施例1で得られたイリジウム錯体混合物1を、ジクロロメタン/メタノール=1/1(体積比)で再結晶することにより、イリジウム錯体混合物2を得た。
(実施例3、及び実施例4)
<イリジウム錯体混合物3、及びイリジウム錯体混合物4の合成>
実施例1で得られた粗結晶1を昇華精製し、昇華管からイリジウム錯体混合物3、及びイリジウム錯体混合物4を取り出した。なお、昇華管の粗体ボートより近い位置から掻き取ったものが、イリジウム錯体混合物3であり、遠い位置から掻き取ったものが、イリジウム錯体混合物4である。
(比較例1、及び比較例2)
<イリジウム錯体1、及びイリジウム錯体2の合成>
実施例1で得られたイリジウム錯体混合物1のトルエン溶液を用い、シリカゲルクロマトグラフ精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1(体積比))を3回行うことにより、イリジウム錯体混合物1からイリジウム錯体1及びイリジウム錯体2を分離して、イリジウム錯体1及びイリジウム錯体2をそれぞれ得た。
(比較例3)
<イリジウム錯体3の合成>
Tris(2−phenylpyridine)iridium(III)(ALDRICH社製、昇華精製グレード品)を昇華精製することにより、イリジウム錯体3を得た。
<イリジウム錯体、及びイリジウム錯体混合物の分析>
実施例1〜4で得られたイリジウム錯体混合物、及び比較例1〜3で得られたイリジウム錯体について、以下の分析を行った。
<<組成比の分析>>
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体について、HPLC装置(島津製作所製、高速液体クロマトグラフ:プロミネンスグラジエントシステム)を用いて、組成比を分析した。
HPLC装置の条件は以下のとおりである。
カラム:東ソー社製TSK−Gel ODS−100V3μm
展開液A:H
展開液B:アセトニトリル/メタノール=9/1(体積比)(緩衝剤:CHCONH
グラジエントプログラム:
0分〜20分 A:B=30:70(体積比)
20分〜30分 A:B=0:100(体積比)
得られた結果を表1に示す。
表中の%は、検出波長254nmにおける吸収面積比率を示す。なお、この吸収面積比率とイリジウム錯体混合物におけるイリジウム錯体の質量比率は、ほとんど一致する。
前記イリジウム錯体1〜3の構造を以下に示す。
(実施例5)
<イリジウム錯体混合物5の合成>
実施例1において、4−t−アミルフェノールを4−t−ブチルフェノールに代えた以外は、実施例1と同様の合成方法で、イリジウム錯体混合物5を得た。得られたイリジウム錯体混合物5の収率は67%であった。
得られたイリジウム錯体混合物5の分析は、後述する分析により行った。
(比較例4、及び比較例5)
<イリジウム錯体4、及びイリジウム錯体5の合成>
実施例5で得られたイリジウム錯体混合物5のトルエン溶液を用い、シリカゲルクロマトグラフ精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1(体積比))を3回行うことにより、イリジウム錯体混合物5からイリジウム錯体4及びイリジウム錯体5を分離して、イリジウム錯体4及びイリジウム錯体5をそれぞれ得た。
<イリジウム錯体及びイリジウム錯体混合物の分析>
実施例5で得られたイリジウム錯体混合物及び比較例3〜5で得られたイリジウム錯体について、以下の分析を行った。
<<組成比の分析>>
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体について、HPLC装置(島津製作所製、高速液体クロマトグラフ:プロミネンスグラジエントシステム)を用いて、組成比を分析した。
HPLC装置の条件は以下のとおりである。
カラム:東ソー社製TSK−Gel ODS−100V3μm
展開液A:THF/HO=1/9(体積比)(緩衝剤:酢酸、トリエチルアミン)
展開液B:THF/HO=9/1(体積比)(緩衝剤:酢酸、トリエチルアミン)
グラジエントプログラム:
0分〜20分 A:B=50:50(体積比)
20分〜30分 A:B=0:100(体積比)
得られた結果を表2に示す。
表中の%は、検出波長254nmにおける吸収面積比率を示す。なお、この吸収面積比率とイリジウム錯体混合物におけるイリジウム錯体の質量比率は、ほとんど一致する。
前記イリジウム錯体4及び5の構造を以下に示す。
<評価>
<<溶解度測定>>
上記実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたイリジウム錯体混合物、及びイリジウム錯体について、溶解度測定を行った。
−検量線の作成−
イリジウム錯体混合物、及びイリジウム錯体の各粉体を黄色灯下でバイアル瓶に秤量し、溶媒(キシレン又は酢酸エチル)を所定量加えた後、BRANSON社の卓上超音波洗浄機B1510J−MTHを用いて超音波を1時間かけた。0.2μmフィルターで濾過した溶液を石英セルにいれ、紫外可視分光光度計(島津製作所UV−2400)にて吸光度を測定した。濃度を変えた溶液を3種作製し、吸光度を測定することで検量線を作成した。
−溶解度の算出−
検量線を作成した濃度よりも高い濃度にて飽和溶液を調製し、その吸光度と検量線より、溶解度を算出した。得られた結果を表3に示す。
表3から、本発明のイリジウム錯体混合物は、1種類のみのイリジウム錯体と比較して、高い溶解性を有していることがわかる。
(実施例6)
イリジウム錯体混合物を発光材料として用い、真空蒸着法により有機電界発光素子を作製した。
<有機電界発光素子1の作製>
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このITO付きガラス基板上に各層を積層した。
なお、以下の実施例及び比較例における蒸着速度は、特に断りのない場合は0.1nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。また、以下の各層厚みは水晶振動子を用いて測定した。
まず、陽極(ITO)上に、正孔注入層として下記構造式で表される4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を厚みが40nmになるように真空蒸着法により形成した。
次に、正孔注入層上に、正孔輸送層として下記構造式で表されるNPD(N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン)を厚みが10nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、正孔輸送層上に、ホスト化合物である下記構造式で表されるホスト化合物1と前記イリジウム錯体混合物1を発光層における質量比が95:5となるようにして共蒸着し、厚みが30nmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、電子注入層として下記構造式で表されるBAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium (III))を厚みが40nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、電子注入層上に、フッ化リチウム(LiF)を、厚みが1nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、フッ化リチウムの層上に、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、陰極として金属アルミニウムを厚み100nmとなるように真空蒸着法により形成した。
以上により作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶、及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ株式会社製)を用いて封止した。以上により、イリジウム錯体混合物1を発光層に用いた有機電界発光素子1を作製した。
<有機電界発光素子2の作製>
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体混合物5を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子2を作製した。
(比較例6)
<有機電界発光素子3の作製>
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体1を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子3を作製した。
<有機電界発光素子4の作製>
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体4を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子4を作製した。
<有機電界発光素子5の作製>
前記有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1に代えて前記イリジウム錯体6を用いた以外は、前記有機電界発光素子1の作製と同様にして、有機電界発光素子5を作製した。
<評価>
実施例6及び比較例6で得た各有機電界発光素子について、定電流(2.5mA/cm)を印加した際の電圧及び外部量子効率を測定した。評価結果を表4に示す。
<<電圧>>
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、通電時の駆動電圧を計測した。
<<外部量子効率>>
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、電流密度2.5mA/cmの直流電流を各素子に通電し、発光させた。その輝度と発光スペクトルを、トプコン社製輝度計SR−3を用いて測定した。これらの測定結果をもとに、外部量子効率を発光スペクトル換算法により算出した。
表4から明らかなように、本発明のイリジウム錯体混合物を発光材料として用いた有機電界発光素子は、該イリジウム錯体混合物中の主成分のイリジウム錯体のみを発光材料として用いた有機電界発光素子と比較して、電圧、外部量子効率ともに同等であった。
(実施例7)
イリジウム錯体混合物を発光材料として用いた塗布型有機電界発光素子を作製した。
<塗布型有機電界発光素子1の作製>
−塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、有機電界発光素子用塗布液(塗布液1)を得た。
−塗布型有機電界発光素子1の作製−
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。
このITO付きガラス基板上に、PTPDES−2(ケミプロ化成製、Tg=205℃、高Tg高分子材料)2質量部を電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)98質量部に溶解した溶液をスピンコートした後、120℃で30分間乾燥し、更に160℃で10分間アニール処理することで、厚み40nmの正孔注入層を形成した。
次に、グローブボックス(露点−68℃、酸素濃度10ppm)内で、正孔注入層上に、前記塗布液1をスピンコートし、厚み30nmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、真空蒸着法にて前記BAlqを蒸着し、厚み40nmの電子注入層を形成した。
次に、電子注入層上に、フッ化リチウム(LiF)を、厚みが1nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、フッ化リチウムの層上に、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、陰極として金属アルミニウムを厚み100nmとなるように真空蒸着法により形成した。
以上により作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶、及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ株式会社製)を用いて封止した。以上により、塗布型有機電界発光素子1を作製した。
<塗布型有機電界発光素子2の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物2に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子2を作製した。
<塗布型有機電界発光素子3の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物3に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子3を作製した。
<塗布型有機電界発光素子4の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物4に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子4を作製した。
<塗布型有機電界発光素子5の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物5に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子5を作製した。
(比較例7)
<塗布型有機電界発光素子6の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を下記構造のイリジウム錯体6に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子6を作製した。
<塗布型有機電界発光素子7の作製>
前記塗布型有機電界発光素子1の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を下記構造式で表されるイリジウム錯体7に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子1の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子7を作製した。
<評価(素子耐久性)>
実施例7及び比較例7で得た塗布型有機電界発光素子について、素子耐久性評価を行った。
初期の発光輝度1,000cd/mで、室温において、塗布型有機電界発光素子にKEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型により定電流(2.5mA/cm)を印加して連続的に駆動を行い、発光輝度が1/2に低下するまでの時間(輝度半減期)を測定し、イリジウム錯体混合物1を用いた塗布型有機電界発光素子1の時間を1として規格化して評価した。評価結果を表5に示す。
なお、発光輝度は、トプコン社製輝度計SR−3により測定した。
表5から明らかなように、イリジウム錯体6、7を用いた塗布型有機電界発光素子6、7と比べ、本発明のイリジウム錯体混合物1〜5を用いた塗布型有機電界発光素子1〜5は、耐久性に優れる。また、イリジウム錯体1の含有量がイリジウム錯体混合物に対して91質量%以上であるイリジウム錯体混合物1〜3を用いた塗布型有機電界発光素子1〜3、及びイリジウム錯体4の含有量がイリジウム錯体混合物に対して91質量%以上であるイリジウム錯体混合物5を用いた塗布型有機電界発光素子5は、イリジウム錯体1の含有量がイリジウム錯体混合物に対して91質量%未満であるイリジウム錯体混合物4を用いた塗布型有機電界発光素子4よりも、更に耐久性に優れる。
(実施例8及び比較例8)
イリジウム錯体混合物及びイリジウム錯体の塗布液を作製し、該塗布液により形成される発光層の熱安定性を評価した。
<熱安定性の評価>
<<塗布液の作製>>
−発光層1に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層1に用いる塗布液を得た。
−発光層2に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体混合物5(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層2に用いる塗布液を得た。
−発光層3に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体1(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層3に用いる塗布液を得た。
−発光層4に用いる塗布液の作製−
前記イリジウム錯体4(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層4に用いる塗布液を得た。
−発光層5に用いる塗布液の作製−
下記構造式で表されるイリジウム錯体8(0.05質量%)と、前記ホスト化合物1(0.95質量%)とを、MEK(99質量%)に混合し、発光層5に用いる塗布液を得た。
<<評価試料の作製>>
基材として石英ガラス(厚み0.7mm、長さ16mm、幅16mm)を用い、該基材上に前記各塗布液をグローブボックス内でスピンコートし、厚み30μmの発光層を形成することにより、評価試料を作製した。
<<熱安定性試験>>
絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製、C9920−02)を用いてPL量子収率の測定を行った。測定は、グローブボックス中にて、ホットプレートで160℃30分加熱した前後において行った。そして、加熱前後のPL量子収率変化割合を評価した。評価結果を表6に示す。
表6から明らかなように、イリジウムと2座配位子との結合原子が窒素原子及び炭素原子のみであるイリジウム錯体混合物は、結合原子が窒素原子、炭素原子、及び酸素原子(アセチルアセトナート)であるイリジウム錯体8と比較して、熱安定性が高いことがわかる。
(実施例9)
イリジウム錯体混合物を正孔注入層に用いた塗布型有機電界発光素子を作製した。
<塗布型有機電界発光素子8の作製>
−塗布液の作製−
イリジウム錯体混合物1(0.6質量%)と、PTPDES(ケミプロ化成製、高Tg高分子材料)(1.4質量%)とを、電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)(98質量%)に混合し、有機電界発光素子用塗布液(塗布液2)を得た。
−塗布型有機電界発光素子8の作製−
0.7mm厚み、2.5cm角のガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide)を厚み150nmにスパッタして設けた。次に、このITO付きガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。
このITO付きガラス基板上に、前記塗布液2をスピンコートした後、120℃で30分間乾燥し、更に160℃で10分間アニール処理することで、厚み40nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、正孔輸送層として前記NPDを厚みが10nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、正孔輸送層上に、ホスト化合物として下記構造式表されるCBPと発光材料としてイリジウム錯体3を発光層における質量比が95:5となるようにして共蒸着し、厚みが30nmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、電子注入層として前記BAlqを、厚みが40nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、電子注入層上に、フッ化リチウム(LiF)を、厚みが1nmとなるように真空蒸着法により形成した。
次に、フッ化リチウムの層上に、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、陰極として金属アルミニウムを厚み100nmとなるように真空蒸着法により形成した。
以上により作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶、及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ株式会社製)を用いて封止した。以上により、塗布型有機電界発光素子8を作製した。
<塗布型有機電界発光素子9の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体混合物5に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子9を作製した。
(比較例9)
<塗布型有機電界発光素子10の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体1に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子10を作製した。
<塗布型有機電界発光素子11の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体4に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子11を作製した。
<塗布型有機電界発光素子12の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記イリジウム錯体混合物1を前記イリジウム錯体6に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子12を作製した。
<塗布型有機電界発光素子13の作製>
前記塗布型有機電界発光素子8の作製において、前記塗布液2を、PTPDES(2.0質量%)を電子工業用シクロヘキサノン(関東化学製)(98質量%)に混合した塗布液に代えた以外は、前記塗布型有機電界発光素子8の作製と同様にして、塗布型有機電界発光素子13を作製した。
<評価>
実施例9及び比較例9で得た有機電界発光素子について、以下の評価を行った。
<<電圧及び外部量子効率>>
電流密度2.5mA/cmとなるように調節したときの電圧及び外部量子効率を測定した。なお、電圧及び外部量子効率の測定方法は前述と同様である。測定結果を表7に示す。
<<素子耐久性>>
初期の発光輝度1,000cd/mで、室温において、有機電界発光素子に定電流(2.5mA/cm)を印加して連続的に駆動を行い、発光輝度が1/2に低下するまでの時間(輝度半減期)を測定し、塗布型有機電界発光素子8の時間を1として規格化して評価した。評価結果を表7に示す。
表7から、正孔注入層に本発明のイリジウム錯体混合物を添加することで、電圧、及び外部量子効率をほとんど変化させることなく、耐久性が大幅に向上することがわかる。
表3の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物は、純度100%のイリジウム錯体よりも、溶媒に対する溶解性に優れていることが確認できる。
表4の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を発光層に用いた有機電界発光素子は、純度100%のイリジウム錯体を発光層に用いた有機電界発光素子と比較して、電圧、外部量子効率ともに同等であることが確認できる。
表5の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を発光層に用いた有機電界発光素子は、耐久性に優れることが確認できる。
表7の結果から、本発明のイリジウム錯体混合物を正孔注入層に添加した有機電界発光素子は、未添加の素子と比較して耐久性が大幅に向上することが確認できる。
本発明のイリジウム錯体混合物は、溶媒に対する溶解性に優れ、合成における収率が高く、クロマトグラフィーなどの精製の必要がなく製造が容易で、更に、有機電界発光素子に用いた場合に素子の耐久性に優れることから、有機電界発光素子の発光層、正孔注入層に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を2種以上有し、
    該2種以上のイリジウム錯体のうちの少なくとも2種のイリジウム錯体の、下記一般式(1)中のBで表される2座配位子が同じ構造の2座配位子であることを特徴とするイリジウム錯体混合物。
    (A)Ir(B) 一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、A、及びBは、異なる構造の2座配位子を表す。Aは、下記一般式(2)で表される構造を有する。mは、0から2の整数を表し、nは、1から3の整数を表し、m+n=3である。
    ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
  2. イリジウム錯体のイリジウムと2座配位子とが、2座配位子の窒素原子及び炭素原子で結合している請求項1に記載のイリジウム錯体混合物。
  3. 一般式(1)で表されるイリジウム錯体が、下記一般式(3)で表されるイリジウム錯体である請求項1から2のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
    ただし、前記一般式(3)中、R〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、隣接するR〜R19は、互いに結合し環を形成してもよい。R〜R11の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表される構造を有する。m、n及びm+nは、それぞれ一般式(1)におけるm、n及びm+nと同様である。
    ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
  4. mが0でないイリジウム錯体のうちの1種のイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
  5. mが1であるイリジウム錯体が、全てのイリジウム錯体の合計量に対して91質量%以上99.99質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
  6. 2種以上のイリジウム錯体が、イリジウム錯体の合成における主生成物及び副生成物である請求項1から5のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物。
  7. 陽極と陰極の間に少なくとも1層の有機層を有してなり、
    該有機層の少なくとも1層が、請求項1から6のいずれかに記載のイリジウム錯体混合物を含有する有機層であることを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 有機層を3層以上有する請求項7に記載の有機電界発光素子。
  9. イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、発光層である請求項7から8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  10. イリジウム錯体混合物を含有する有機層が、正孔注入層である請求項7から8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  11. 請求項7から10のいずれかに記載の有機電界発光素子を製造する有機電界発光素子の製造方法であって、イリジウム錯体混合物を含有する有機層を塗布により形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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