JP2003104228A - 走行装置 - Google Patents

走行装置

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JP2003104228A
JP2003104228A JP2001306058A JP2001306058A JP2003104228A JP 2003104228 A JP2003104228 A JP 2003104228A JP 2001306058 A JP2001306058 A JP 2001306058A JP 2001306058 A JP2001306058 A JP 2001306058A JP 2003104228 A JP2003104228 A JP 2003104228A
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planetary gear
gear
gear mechanism
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Yasushi Fujita
靖 藤田
Hidetaka Hirayama
秀孝 平山
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた旋回性能を備え、コスト的にも不利で
ない走行トランスミッション基本伝動系を備えた操作性
が良い走行装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン35からの駆動力を入力した
後、複数段に副変速する副変速機構70と副変速後の駆
動力を左右一対の車軸bへ断続的に伝動可能な左右のサ
イドクラッチ17と左右のサイドクラッチ17に連動す
る遊星歯車機構71と該遊星歯車機構71の出力を左右
一対の車軸bへ伝動する出力軸5系とを備え、サイドク
ラッチ17の出力ギア18にそれぞれ噛合するキャリア
20を備え、該キャリア20には、それぞれキャリアブ
レーキ33を直結して設け、該キャリアブレーキ33の
回転制御用のブレーキの初期圧力を調整する設定ダイヤ
ル100a、100bを設けた走行装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラを走行手
段とする作業機などの走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クローラを走行手段とする作業機などの
走行装置として、農業用のコンバインを例に従来の技術
を説明する。コンバインはクローラを構成する無限履帯
の接地面積を広くし、水田など軟弱な圃場でも自由に走
行して刈取作業などの農業作業を可能としている。
【0003】コンバインは動力源としてエンジンを搭載
し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈
取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジン
の動力を走行トランスミッションにより変速して駆動す
る。走行トランスミッションは、静油圧式無段変速装置
(以下、無段変速装置をHSTという)、歯車列機械的
変速手段、クラッチ手段、ブレーキ手段などにより構成
されている。
【0004】コンバインを直進走行させるときは、左右
一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋
回させるときは、左右のクローラに速度差を与えて駆動
し、高速側のクローラを外側に、低速側、停止側または
後退側のクローラを内側とする旋回が可能な構成として
いる。
【0005】コンバインは走行装置としてクローラを用
いるために、その運転操作は必ずしも容易ではなかった
が、コンバインの走行トランスミッションに無段階変速
できる走行用油圧無段変速装置(以下、走行用HSTと
いう)および旋回用の油圧無段変速装置(以下、旋回用
HSTという)を用いることにより、コンバインの走
行、操舵の運転操作はきわめて容易に行えるようにな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、走行用HST
および旋回用HSTは高価であり、コンバインの価格が
高くなる欠点がある。本発明の課題は、旋回用HSTと
同等の旋回性能を備え、かつコスト的にも不利でない走
行トランスミッション基本伝動系を備え、しかもその操
作性が良い走行装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成により解決される。請求項1記載の発明は、エンジ
ンからの駆動力を入力した後、複数段に副変速する副変
速機構70と、副変速後の駆動力を左右一対の車軸b、
bへ断続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ17R、
17Lと、左右のサイドクラッチ17R、17Lに連動
する遊星歯車機構71と、該遊星歯車機構71の出力を
左右一対の車軸b、bへ伝動する出力軸5系とを備えた
走行装置において、前記遊星歯車機構71は、左右のサ
イドクラッチ17R、17Lの出力ギア18R、18L
にそれぞれ噛合するキャリア20R、20Lと、該キャ
リア20R、20Lにそれぞれ遊嵌する遊星ギア21
R、21Lと、キャリア20R、20Lにそれぞれ遊嵌
し、遊星ギア21R、21Lにそれぞれ噛合した遊星ギ
ア23R、23Lと、該遊星ギア23R、23Lとそれ
ぞれ噛合し、かつ走行装置の出力軸5側に動力伝達する
出力ギア24R、24Lと、遊星ギア21R、21Lに
それぞれ噛合したサンギアZ1R、Z1Lと、該サンギ
アZ1R、Z1Lに動力を伝達する駆動軸4とからな
り、前記遊星歯車機構71のキャリア20R、20Lに
は、それぞれキャリア20R、20Lの回転制御用のキ
ャリアブレーキ33R、33Lを直結して設け、該キャ
リアブレーキ33R、33Lの回転制御用のブレーキの
初期圧力を調整する設定手段ダイヤル100a、100
bを設けた走行装置である。
【0008】請求項1記載の発明により、設定ダイヤル
100a、100bによりキャリヤブレーキ33R、3
3Lの摩擦板の押圧力の初期圧力を調整することがで
き、ユーザーレベルで自分の好みに合ったブレーキ圧が
得られる。また、キャリヤブレーキ33R、33Lの経
年変化、圃場条件による旋回条件に対しても、容易に対
応できる。
【0009】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
の発明における前記遊星歯車機構71のキャリア20
R、20Lが、それぞれキャリア20R、20L自体に
直結して設けられたキャリア20R、20Lの回転制御
用のキャリアブレーキ33R、33Lのいずれかの緩旋
回からブレーキ旋回時の回転制御圧力を左右のキャリア
ブレーキ33R、33Lでそれぞれ独立して変更可能な
手段ダイヤル102a、102bを備えている走行装置
である。
【0010】請求項2記載の発明により、例えば、穀稈
の刈取時に、条合わせのために進行方向を変更するが、
このときの旋回性フィーリングは、サイドクラッチ17
R、17Lを切った直後のキャリヤブレーキ33R、3
3Lの圧力で決まる。このキャリヤブレーキ33R、3
3Lの初期の摩擦板の押圧力を調整することにより、路
面の状態(湿田、乾田、アスファルト等)に対する適正
を方向修正のフィーリングと得られる。また、キャリヤ
ブレーキ33R、33Lをロックする圧力も路面の状態
により変化するため、このロックする圧力を調整するこ
とで、適正な旋回状態を得ることができる。また、上記
キャリヤブレーキ33R、33Lの各摩擦板の押圧力の
初期圧の変更条件は、機体の左右のクローラで、機体バ
ランス等により異なるが、請求項2記載の発明により左
右のクローラで独立して調整が行えるので、左右の旋回
力、旋回フィーリングを同等に設定できる。
【0011】請求項3記載の発明は、エンジン35から
の駆動力を入力した後、複数段に副変速する副変速機構
70と、副変速後の駆動力を左右一対の車軸b、bへ断
続的に伝動可能な左右のサイドクラッチ17R、17L
と、左右のサイドクラッチ17R、17Lに連動する遊
星歯車機構71と、該遊星歯車機構71の出力を左右一
対の車軸b、bへ伝動する出力軸5系と湿田走行用のス
イッチ104を備えた走行装置において、前記遊星歯車
機構71は、左右のサイドクラッチ17R、17Lの出
力ギア18R、18Lにそれぞれ噛合するキャリア20
R、20Lと、該キャリア20R、20Lにそれぞれ遊
嵌する遊星ギア21R、21Lと、キャリア20R、2
0Lにそれぞれ遊嵌し、遊星ギア21R、21Lにそれ
ぞれ噛合した遊星ギア23R、23Lと、該遊星ギア2
3R、23Lとそれぞれ噛合し、かつ走行装置の出力軸
5側に動力伝達する出力ギア24R、24Lと、遊星ギ
ア21R、21Lにそれぞれ噛合したサンキアZ1R、
Z1Lと、該サンキアZ1R、Z1Lに動力を伝達する
駆動軸4からなり、前記湿田スイッチ104が作動して
いるときは、前記遊星歯車機構71のキャリア20R、
20Lは、それぞれキャリア20R、20L自体に直結
して設けられたキャリア20R、20Lの回転制御用の
キャリアブレーキ33R、33Lがスピン旋回しないよ
うに旋回時の回転制御圧力を調整可能な手段99を備え
た走行装置である。
【0012】請求項3記載の発明によれば、湿田中を走
行中に、湿田スイッチ104をオンとし、そのとき、ス
ピン回転をしないように制御圧力を規制するため、湿田
から脱出不能の状態となることはない。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、容易にユー
ザーがダイヤル操作するだけで旋回速度制御ができるよ
うになった。請求項2記載の発明により、キャリヤブレ
ーキ33R、33Lの初期の摩擦板の押圧力を調整する
ことにより、路面の状態(湿田、乾田、アスファルト
等)に対する適正を方向修正のフィーリングと得られ、
また、キャリヤブレーキ33R、33Lのロックする圧
力を調整することで、適正な旋回状態を得ることができ
る。また、上記キャリヤブレーキ33R、33Lの摩擦
板の押圧力の初期圧の変更条件を個々の機体特有な機体
バランス等に応じて、左右独立して調整が行えるので、
左右の旋回力、フィーリングを同等に設定できる。請求
項3記載の発明によれば、湿田走行中にスピン回転をし
ないので湿田から脱出不能の状態となるようなことはな
い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて具体的に説明する。図1は本発明のコンバイン
の前面図であり、図2は本発明のコンバインの左側面図
である。
【0015】図1および図2に示すように、コンバイン
81の車体フレーム82の下部側に土壌面を走行する左
右一対の走行クローラ83を有する走行装置本体84を
配設し、車体フレーム82の前端側に分草具85を備え
た刈取装置86が設けられている。刈取装置86は車体
フレーム82の上方の支点を中心にして上下動する刈取
装置支持フレーム(図示せず)で支持されているので、
コンバインに搭乗したオペレータが操縦室87のパワス
テレバー88を前後に傾倒操作することにより、刈取装
置支持フレーム(図示せず)と共に上下に昇降する構成
である。
【0016】車体フレーム82の上方には、刈取装置8
6から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送して脱穀、
選別する脱穀装置89と該脱穀装置89で脱穀選別され
た穀粒を一時貯溜するグレンタンク90が載置され、該
グレンタンク90の後部にオーガ91を連接して、グレ
ンタンク90内の穀粒をコンバインの外部に排出する構
成としている。
【0017】すなわち、コンバイン81はオペレータが
操縦室87において主変速HSTレバー92および副変
速レバー93を操作し、エンジン35(図10)の動力
を図3、図5に示す走行トランスミッションケース94
内の主変速機の走行用HST9および副変速軸1に設け
られる歯車変速手段及び後述の遊星歯車機構71を介し
て変速し、左右のクローラ83、83に伝動して任意の
速度で走行する。
【0018】また、コンバインは、オペレータが操縦室
87においてパワステレバー88を左右に傾倒操作する
ことにより各種旋回走行することができる。すなわち、
パワステレバー88をコンバインを旋回させようとする
方向に傾倒操作することにより、図3、図5に示す走行
ミッションケース94内のサイドクラッチ17等が作動
し、左右のクローラ駆動スプロケット31R、31Lに
選択的に伝動されるので、左右のクローラ83、83に
速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成とし
ている。
【0019】次に、伝動装置の構成について説明する。
図3は本発明の実施の形態の走行装置の断面図、図4は
その一部拡大図、図5はその側面図、図6はその伝動線
図、図7は遊星歯車機構71の外観斜視図、図8はその
側断面図である。
【0020】エンジン35の出力軸に取り付けられたエ
ンジンプーリとベルトで巻回された入力プーリ8を介し
て走行用HST9の入力軸7にエンジン35からの動力
が伝達される。そして、走行用HST9の出力軸10の
駆動により、該出力軸10に設けられたギア11に噛合
する副変速機構70の副変速軸1のギア12を介して該
副変速軸1が駆動する。該副変速軸1には上記ギア12
の他に大ギア14aと中ギア14bと小ギア14cとが
設けられ、該副変速ギア14a、14b、14cとそれ
ぞれ噛合するカウンタ軸2の小ギア15a、中ギア15
b、大ギア15cを介して該カウンタ軸2が駆動する。
【0021】図示しないシフタの切換えによって、副変
速ギア14a、14b、14cとカウンタ軸2のギア1
5a、15b、15cとの噛合位置が切り換わり、これ
によりカウンタ軸2は高速、中速、低速にそれぞれ変速
されて駆動する。また、上記副変速軸1の一端には刈取
出力プーリ13が取り付けられ、刈取装置86を駆動す
る刈取入力プーリ8(図3参照)とベルト(図示せず)
で巻回されている。副変速軸1と刈取出力プーリ13と
の間にはワンウェイクラッチが介装されている。
【0022】上記カウンタ軸2の駆動により、同じカウ
ンタ軸2に設けられた上記ギア15bと噛合するセンタ
ーギア16を介してサイドクラッチ軸3が駆動する。
【0023】上記サイドクラッチ軸3には、そのセンタ
ーギア16に対して左右対称にクラッチ17Rとクラッ
チ17Lの2つの摩擦多板式クラッチが介装されてお
り、前記パワステレバー88の傾動操作により、その傾
動操作角度(図示しないポテンショメータにより検出)
に応じて油圧シリンダを作動し、クラッチ17Rとクラ
ッチ17Lをそれぞれ接続状態と非接続状態とに制御す
る。機体の直進時には、左右のクラッチ17Rとクラッ
チ17Lは共に圧縮バネ(図示せず)と油圧により常時
接続状態となって駆動力を伝達する。また、上記サイド
クラッチ軸3に設けたセンターギア16は遊星歯車機構
71の駆動軸4に固定されたセンターギア19と噛合す
る。
【0024】ここで、上記遊星歯車機構71について図
3、図4、図6ないし図8を参照して説明する。遊星歯
車機構71は上記駆動軸4のセンターギア19に対して
コンバインの進行方向に対して左右対称に設けられてい
る。右側の遊星歯車機構71は浅い円筒形を横にした形
状のキャリア20Rの内周面側に、ギア径の異なる2つ
のギアZ2R及びZ3Rからなる遊星ギア21Rがキャ
リア20Rに固定された中心軸21Raに遊嵌し、また
キャリア20Rに固定された中心軸21Rbに遊嵌する
遊星ギア23Rとをそれぞれ3個づつ交互に配設し、一
方の遊星ギア21Rはその中心軸21Raによって上記
キャリア20Rに回転自在に軸支され、またもう一方の
遊星ギア23Rはその中心軸21Rbによって上記キャ
リア20Rに回転自在に軸支される。また、上記キャリ
ア20Rの周面には2種類の開口孔38と39が穿設さ
れ、一方の開口孔38からは遊星ギア21RのギアZ2
Rの一部外周が露出し、もう一方の開口孔39からは遊
星ギア23Rの一部外周が露出する。
【0025】また、前記駆動軸4に固定されたサンギア
Z1Rは前記キャリア20Rの中心に配設され、キャリ
ア20Rが駆動軸4側に軸受けされて駆動軸4の周りを
回転自在に構成している。さらに、ギア径の異なる2つ
のギアZ4Rと出力ギア24Rを有する回転ギア22R
は上記キャリア20Rの内方に装填されると共に駆動軸
4側に軸受けされて駆動軸4の回りを回転自在に構成し
ている。
【0026】ここで、図6を参照してわかるように、上
記サンギアZ1Rは遊星ギア21RのギアZ2Rと噛合
し、遊星ギア21RのギアZ3Rは遊星ギア23Rと噛
合し、さらに該遊星ギア23Rは回転ギア22Rのギア
Z4Rと噛合する。また、前記サイドクラッチ軸3に介
装されたサイドクラッチギア18Rは上記キャリア20
Rと噛合する。
【0027】上記キャリア20Rには、摩擦多板式のブ
レーキ33R(ブレーキケース62Rに係合する)が連
結されており、パワステレバー88の傾動操作により、
その傾動操作角度(図示しないポテンショメータにより
検出)に応じて図示しない油圧シリンダを作動し、ブレ
ーキ33Rを連続的に摩擦力を変化させてその回転速度
を制御する。
【0028】なお、以上は右側の駆動伝動機構について
説明したが、左側の駆動伝動機構についても構成は同じ
である。
【0029】また、駐車ブレーキ25は、駆動軸4の駆
動を停止することにより、機械を停止することができ
る。
【0030】そして、左右のサイドクラッチ17R、1
7Lが「入」、つまり接続状態のときは、サイドクラッ
チ軸3の駆動力は、サイドクラッチギア18R、18L
へ伝達されると同時に、駆動軸4のセンターギア19を
介して該駆動軸4へも伝達され、遊星歯車機構71のサ
ンギアZ1と同じ位置関係を保って回転する出力ギア2
4R、24Lに伝達される。出力ギア24R、24Lの
駆動力は出力歯車機構72を構成する互いに噛合関係に
あるギア26R、26L、ギア27R、27L、ギア2
8R、28L、ギア29R、29L、ギア30R、30
Lへと順に伝達され、左右の車軸b、bを駆動し、左右
の車軸b、bにそれぞれ取り付けられたスプロケット3
1R、31Lがクローラ83を回転させる。
【0031】以上の構成において、エンジン35が始動
し、機体の直進走行時には、走行用HST9の出力軸1
0より副変速軸1及びカウンタ軸2へと動力が伝達され
る。そして、カウンタ軸2のギア15bと噛合するサイ
ドクラッチ軸3のセンターギア16を介して該サイドク
ラッチ軸3が駆動する。直進時は左右のサイドクラッチ
17R、17Lが共に「入」になっていて接続状態であ
る。したがって、サイドクラッチ軸3の駆動力は左右の
サイドクラッチギア18R、18Lに伝達され、該サイ
ドクラッチギア18R、18Lがともに回転駆動する。
【0032】そして、上記左右のサイドクラッチギア1
8R、18Lとそれぞれ噛合する遊星歯車機構71のキ
ャリア20R、20Lに動力が伝達されると同時に、上
記サイドクラッチ軸3のセンターギア16と噛合する駆
動軸4のセンターギア19に動力が伝達され、該駆動軸
4が回転駆動する。該駆動軸4の回転により、サンギア
Z1R、Z1Lが回転し、さらに互いに噛合関係にある
遊星ギア21R、21LのギアZ2R、Z2L、ギアZ
3R、Z3L、遊星ギア23R、23L、回転ギア22
R、22LのギアZ4R、Z4L、出力ギア24R、2
4Lへと順に駆動力が伝達される。直進時は駆動軸4の
センターギア19と上記キャリア20R、20Lの回転
数が同じになるようにサンギアZ1とキャリア20のギ
ア上下が設定されているので、サンギアZ1、キャリア
20及び遊星ギア23の位置関係が変わらず回転する。
そして、左右の車軸b、bが同方向へ同速で回転駆動す
る。
【0033】次に、機体の旋回時について説明する。前
記パワステレバー88を、例えば右側に倒して機体を右
旋回させる場合、パワステレバー88を傾動操作する
と、この傾動操作側のサイドクラッチ17Rの摩擦多板
式ディスクの押圧を解除し、キャリアブレーキ33Rの
摩擦板の押圧力を調整していく。これにより、パワステ
レバー88の傾動操作角に応じて、サンギアZ1R、遊
星ギア21RのギアZ2R、ギアZ3R、回転ギア22
RのギアZ4Rのギア変速比によって旋回時の出力ギア
24Rの回転数が変わる。
【0034】図9は上記キャリア20R、サンギアZ1
R、回転ギアZ4Rの回転数の関係を示す線図である。
右側旋回時は、前記サンギアZ1Rは、直進時と同様に
駆動軸4との一体化により一定の回転数で回転してい
る。そして、パワステレバー88の傾動操作角度に応じ
て前記キャリア20Rの回転数が減速していくと、前記
回転ギアZ4Rの回転数も減速していく。このように、
旋回外側と内側とが同方向回転で且つ旋回内側が外側よ
り低速回転している間は緩やかな旋回角度での旋回(こ
こでは「緩旋回」と称する)となる。そして、キャリア
20Rの回転数がサンギアZ1Rの回転数の1/3(遊
星ギア比を1/3に設定しておくとサンギアZ1Rの回
転数の1/3になる。すなわちギア比によってこの回転
数は変更可能である。)となると図示するようにギアZ
4Rは零回転となり、旋回内側の車軸bが回転停止した
時はブレーキターンとなる。さらに、キャリア20Rの
回転数が減速していくと、ギアZ4Rは逆転状態とな
り、旋回外側と内側とが逆方向回転してスピンターンと
なる。図9では上記ギアZ4が逆転する場合の他のギア
の回転方向を矢印で示している。
【0035】このように、ギア変速比を設定すれば、上
述の緩旋回及びブレーキターン並びに1/3スピンター
ンが可能となる。そして、キャリア20Rの回転速度を
キャリアブレーキ33Rの摩擦板の押圧力の調整で制御
することで、前記1/3スピンターンまで無段階変速制
御が可能となる。
【0036】こうして旋回内側のクローラ83に任意の
回転方向、回転速度を与えることができ、特に湿田での
駆動力確保、旋回の安定性が向上する。
【0037】また、サイドクラッチ17Rとキャリアブ
レーキ33Rとを介在することにより、サイドクラッチ
17Rを「切」った場合に、摩擦多板式のキャリアブレ
ーキ33Rの油圧制御で自動方向修正時の追従性確保が
容易となる。
【0038】また、旋回時の遊星歯車機構71の制御を
従来の旋回用HSTを用いる変速機構と同じく、パワス
テレバー88の操作で行うことができ、オペレータに負
担が掛からない利点もある。
【0039】なお、いずれかの伝動軸の回転数を回転セ
ンサで検出して油圧シリンダへフィードバック制御する
ことにより、より正確な旋回制御が行える。例えばキャ
リア20RのギアZ5Rの回転数を検出する回転センサ
34(図5)を設ける。
【0040】以上は右旋回時について説明したが、左旋
回の場合は、前記サイドクラッチ17Lが切りとなり、
あとは上述した右旋回の場合の動作と同様である。
【0041】ここで、図10に示した油圧配置図につい
て説明すると、エンジン35を始動すると、オイルタン
ク52から走行用HST9に送油されトランスミッショ
ン内の駆動系を作動させた後、オイルクーラ54を経
て、エンジン35に隣接したギアポンプ50により送油
圧を得てコントロールバルブ56を駆動させる。コント
ロールバルブ56からの送油の一部でトランスミッショ
ンのサイドクラッチ17及びキャリアブレーキ33を作
動させ、他の一部でコントロールバルブ53を経て刈取
上下シリンダ58、オーガ上下シリンダ59、車体のピ
ッチングシリンダ60、ローリングシリンダ61R、6
1Lを作動させることができる。
【0042】上記遊星歯車機構71で遊星ギア23R、
23Lにそれぞれ噛合する回転ギア22R、22Lのギ
アZ4R、Z4Lと下手側の出力歯車機構72の伝動ギ
アであるギア26R、26Lにそれぞれ噛合する出力ギ
ア24R、24Lは駆動軸4に遊嵌された中空筒に一体
的に設けられているので、キャリア20内部の遊星ギア
系の下手側の出力歯車機構72の伝動ギア系へ出力する
ことができる。また、回転ギア22R、22LのギアZ
4R、Z4Lと出力ギア24R、24Lを二段ギアとし
て一体構成とすることで組立が容易になる。
【0043】また、出力ギア24R、24Lをトランス
ミッションのサイド側でなく、中央寄りに設けたため、
下手側の出力歯車機構72の伝動ギア系をミッション中
央寄りに配置でき、トランスミッションの幅方向をコン
パクト化できる。
【0044】さらに、遊星歯車機構71から下手側のホ
イルシャフト6R、6Lへ伝動する出力ギア24R、2
4Lを、キャリア20R、20Lとセンターギア19の
間に設けているので、センターギア19より下手側の出
力歯車機構72の伝動ギア系の配置をトランスミッショ
ンの中央寄りに配置でき、トランスミッションの幅方向
の寸法を小さくできる。
【0045】また、遊星歯車機構71の出力ギア24
R、24Lの外径を、キャリア20R、20Lと出力歯
車機構72のセンターギア19の外径より小さくしたの
で、ユニット化した遊星歯車機構71を組み付けたり、
取り外したりする場合に、遊星歯車機構より上手側のサ
イドクラッチ17R、17Lの各ギア18R、18Lと
下手側の出力歯車機構72の伝動ギア系との干渉がな
く、作業が極めて容易である。
【0046】また、上手側のサイドクラッチ17R、1
7Lをサイドクラッチ出力ギア18R、18L及び下手
側の遊星歯車機構71の出力ギア24R、24Lより外
側に配置したので、サイドクラッチ17R、17Lをミ
ッションケース94の側面側に配置でき、サイドクラッ
チ17R、17Lの組立、分解が容易である。
【0047】トランスミッションケース94端面に固定
したサイドクラッチ17R、17Lは油圧でオン、オフ
するが、サイドクラッチ軸3とミッションケース94の
間にラジアル軸受37R、37Lの他にスラスト軸受3
6R、36Lを設けて、これらによりサイドクラッチ軸
3を支持する構成にしている。
【0048】そのため、外部油圧によりピストンを作動
させるサイドクラッチ17R、17Lにはサイドクラッ
チ軸3を介して軸支持ベアリングに大きなスラスト力が
加わるが、スラスト軸受36R、36Lを追加すること
で、これらの軸受部が破損することはない。
【0049】上記構成において、キャリヤブレーキ33
R、33Lの多板式摩擦板の押圧力の初期圧力を調整す
る圧力設定ダイヤル100a、100bを設け、該ダイ
ヤル100a、100bによる初期圧調整により、ユー
ザーレベルで自分の好みに合ったブレーキ圧が得られ
る。また、キャリヤブレーキ33R、33Lの経年変
化、圃場条件による旋回条件に対しても、容易に対応で
きる。
【0050】本実施の形態のコントローラ99に対する
入出力装置の配置を図11に示す。従来、マイコンチェ
ッカまたは調整モードによりキャリヤブレーキ33R、
33Lのブレーキ圧の調整を行う方法が用いられていた
が、どちらの方法も調整が容易にできるというものでは
なく、ユーザーがこれらの調整を行うには熟練を要して
いた。しかし、本実施の形態の方法で容易にユーザーが
設定ダイヤル100a、100bを操作するだけで旋回
速度制御ができるようになった。
【0051】また緩旋回に対してスピンターンは旋回抵
抗が大きく、ブレーキ力を大きくする必要がある。緩旋
回領域と同じカーブでは、スピンターンへの移行が遅れ
ることがある。
【0052】そこでキャリヤブレーキ33R、33Lの
摩擦板の押圧力は図12に示すように緩旋回時には緩や
かな傾きで上昇させ、ブレーキターンを超えてスピンタ
ーンに移行すると急勾配で摩擦板の押圧力は上昇させる
と左右のクローラへのスピンターンへの旋回モードをス
ムーズに行うことができる。
【0053】さらに図13に示すように、左右それぞれ
のキャリヤブレーキ33R、33Lの摩擦板の旋回圧を
変更することができるように左右の旋回圧力設定ダイヤ
ル102a、102bを設けることで、緩旋回及びブレ
ーキターン時のブレーキ圧力のパワステレバー88に対
する傾斜角度を左右それぞれ独立して変更しても良い。
図13には摩擦板の押圧力の旋回圧力とブレーキ摩擦板
の押圧力の傾きが左右変更した状態を示す。
【0054】例えば、穀稈の刈取時に、条合わせのため
に進行方向を変更するが、このときの旋回性フィーリン
グは、サイドクラッチ17R、17Lを切った直後のキ
ャリヤブレーキ33R、33Lの圧力で決まる。このキ
ャリヤブレーキ33R、33Lの摩擦板の旋回押圧力を
調整することにより、路面の状態(湿田、乾田、アスフ
ァルト等)に対する適正を方向修正のフィーリングと得
られる。
【0055】また、キャリヤブレーキ33R、33Lを
ロックする圧力も路面の状態により変化するため、この
ロックする圧力を調整することで、適正な旋回状態を得
ることができる。
【0056】上記キャリヤブレーキ33R、33Lの摩
擦板の押圧力の旋回圧の変更条件は、機体の左右のクロ
ーラで、機体バランス等により異なる。このことに対
し、左右独立して調整が行えるので、左右の旋回力、旋
回フィーリングを同等に設定できる。
【0057】クローラを装着する場合等にはクローラ装
着側の車輪を吊り上げ、エンジン35を駆動して微速回
転で回しながらクローラを装着すると作業が容易であ
る。この場合、接地側(クローラ装着側と反対側)の車
輪にパワステレバー88を切ってブレーキをかける必要
があるが遊星ギア機構を利用したミッションでは、スピ
ンにより逆回転するため、機械が動いてしまい危険であ
る。また、ブレーキ旋回で保持するのは容易でない。
【0058】そこで、条件スイッチ(クラッチ(切))
109の選択で、切った側のクローラをサイドクラッチ
17R又は17Lを切れた状態で保持し、キャリヤブレ
ーキ33R、33Lの油圧を昇圧しない構成とすること
ができる。すなわち、この構成では、接地側の車輪はサ
イドクラッチ17R又は17Lを切った状態でキャリヤ
に駆動力を与えないことで、クローラを停止させること
ができ、容易にクローラの装着が行える。
【0059】また、湿田を走行中に、湿田スイッチ10
4をオンとし、そのとき、スピン回転をしないよう制御
圧力を規制する構成にしても良い。すなわち、例えばポ
テンショメータなどで測定する図12で示すパワステレ
バー88の傾斜角度が設定値以上であり、且つ湿田スイ
ッチ104がオンであるとキャアリアブレーキ33R、
33Lの摩擦板の押圧力がスピンターン圧へ昇圧しない
ように圧力制御をする。この時、下手側の任意の位置に
設ける回転センサでフィードバックをし、スピン牽制を
確実なものとする。
【0060】これは、湿田走行中にスピン旋回すると、
地面を掘り返すことが起こり得るので機体が沈み込み、
湿田から脱出不能の状態となることがある。そこで上記
したように湿田スイッチ104に連動してスピン旋回を
規制することにより、上記不具合を防止できる。
【0061】一般に、走行装置のスピンターンは緩旋回
に比べ、消費馬力が大きく、エンジン35の馬力が低下
しているアイドリング時または設定した回転数以下の低
速回転中は、エンジン35への負荷が大きくなり、エン
ストが発生したり、エンストの発生がなくてもエンジン
35の耐久性が低下する。また、湿田等での刈取作業中
はエンジン35負荷が大きいので、このような場合もエ
ンジン35の余力が無く、エンジン35の回転がドロッ
プを起こすことがある。このような事態が頻発すると脱
穀性能及びエンジン35の耐久性に悪影響を与えること
になる。
【0062】そこで、エンジン35がアイドリング中ま
たは設定した回転数以下の低速回転数以下であるとき及
びエンジン35の負荷が大きいときは、スピンターン用
の旋回圧への昇圧を禁止する制御を行うことも可能であ
る。例えば、エンジン35の回転数信号110又はエン
ジン35への燃料供給センサ(図示せず)により圧力制
御をする。この時、下手側の任意の位置に設ける回転セ
ンサでフィードバックをし、スピン牽制を確実なものと
する。
【0063】このようにすると、エンジン35の低速回
転時及びエンジン35の負荷が大きい時は、スピンター
ン圧への昇圧を禁止し、スピンターンを牽制することに
より上記エンジン35の耐久性を損なわないようにする
ことができる。
【0064】例えば、ポテンショメータなどで測定する
パワステレバー88の操舵角度が設定値以上であり、且
つエンジン35回転数センサで検出するエンジン35回
転数が所定値以下であると、キャアリアブレーキ33
R、33Lの摩擦板の押圧力がスピンターン圧へ昇圧し
ないようにする。
【0065】また、エンジン35負荷はエンジン35の
回転数設定値とエンジン35の回転数検出値の偏差が所
定値に達すると負荷(エンジン負荷モニタ106で検出
する)がスピンターン圧への昇圧を禁止するものとする
ソフトウエア回路を組み込むことで行う。
【0066】オーガ91が機体上のオーガ受け95に収
納されていない状態で急旋回すると、オーガパイプの慣
性力により、オーガ駆動モータの破損をはじめとするオ
ーガ回動各部の破損を引き起こす。また、オーガ91か
ら籾排出時に排出位置合わせのために機体を動かした場
合にスピン旋回すると、思った以上にオーガ91の先端
部が動き、籾をこぼす不具合が発生する。
【0067】そこで、オーガ91が機体上のオーガ受け
95に収納されていない場合、すなわちオーガ91から
の籾排出中はパワステレバー88の傾動操作をしても、
スピンターン圧までキャアリアブレーキ33R、33L
の摩擦板の押圧力を上げないように構成することが必要
である。そのためオーガ受け95へオーガ91が収納さ
れているかどうかを検出するスイッチによりオーガ受け
95にオーガ91を収納させた時に作動オフとなるスイ
ッチの信号の入力がコントローラ99にあると、パワス
テレバー88の操作をしても、スピンターン圧までキャ
リアブレーキ33R、33Lの摩擦板の押圧力を上げな
いようにする。
【0068】こうして、スピンターン領域までの旋回を
禁止することでオーガ91に関する上記不具合を防止で
きる。また、操縦室87に設けている穀排出クラッチレ
バー(図示せず)を「入」状態として、グレンタンク9
内の穀粒をオーガ91から機外へと排出している時にお
いても、パワステレバー88を操作してもスピンをしな
い様にする。
【0069】刈取作業中、穀稈を適切な位置で刈取を行
えるように進行方向を自動的に修正する自動方向制御
(ACDという)を行う機能を備えたコンバインが知ら
れているが、その方向修正の程度はACDダイヤル11
3a、113bの操作で行うのが一般的であり、スピン
旋回領域までパワステレバー88を傾斜させることはな
い。
【0070】しかし、穀稈の条列が曲がっている場合、
パワステレバー88による手動で旋回操作すると、操作
のしすぎでスピンしてしまうことがある。このとき、穀
稈を刈取装置86で押し倒したり、クローラで踏みつけ
る問題が発生する。そこで、刈取走行作業中、即ち、穀
稈センサ「入」101a〜101cの時は、スピンしな
い様にする。
【0071】また、ACDダイヤル113a、113b
を「入」として、自動方向制御中(このとき、パワステ
レバー88から手を離している)においても、スピンし
ないようにする。この時、急カーブの穀稈の条列の曲が
りに従って進行しており、ACDダイヤル113a、1
13bの変化量が急に大きくなると、それに合わせて機
体が旋回しようとするが、スピンまで旋回可能である
と、かえって旋回しすぎてしまうが、上記構成でこの不
具合も未然に防止できる。
【0072】また、刈取装置86は畦際を旋回中又は道
路を走行中は、刈取装置86を高く上げて刈取装置86
が畦又は道路上の障害物に当たらないようにしている
が、刈取装置86の刈取部材の上げ量が少ないときに急
激に旋回すると、刈取装置86が前記障害物などに当た
るおそれがあり、刈取装置86を破損する危険性があ
る。従って、この場合も、スピン旋回圧までキャアリア
ブレーキ33R、33Lの摩擦板の押圧力を圧力を上げ
ないようにして、スピンターンを実行できないようにす
る。
【0073】さらに、一般に、エンジン35の冷却水
は、高負荷連続運転時、また、ラジエータ前面の網の目
詰まり等で冷却風量が低下したときに高温となり、この
状態で更に高負荷がかかるスピン旋回をすると更に水温
上昇をもたらし、オーバーヒートの発生及びエンジン3
5の耐久性に良くない。
【0074】そこで、エンジン35の冷却水の温度(エ
ンジン水温モニタ107で検出する)が高いとき、キャ
アリアブレーキ33R、33Lの摩擦板の押圧力をスピ
ン旋回圧力まで上げないでスピン旋回を規制する。
【0075】また、コンバインが旋回用のパワステレバ
ー88の傾動角に応じて、パワステレバー88の基部に
設けられたポジションセンサ115の値が変化するが、
該センサ115の検出値に応じて、左右のクローラ83
の回転数差(旋回半径)を決めておく。パワステレバー
88を中立から旋回方向へ傾斜させる時は左右のクロー
ラ83の回転数差を検出してフィードバックを行う。次
に、パワステレバー88を中立に戻す時は、フィードバ
ックを行わないという構成にすることができる。これは
フィードバックをすると、直進に戻るのが遅くなってし
まうからである。
【0076】そこで、左右のキャリヤ20R、20Lの
回転をセンサ103a、103bで検出して、旋回状態
をチェックし、パワステレバー88の倒動角に対応した
旋回状態へフィードバックするべく、キャアリアブレー
キ33R、33Lの摩擦板の押圧力を制御を行う構成
で、図14に示すように設定カーブCから上側の領域で
は旋回を強める側には制御するが、設定カーブより下側
の領域では旋回をゆるめる側(中立位置に戻す場合)へ
は制御しない遊星ギア回転制御をすることで、前記不具
合を防止できる。
【0077】一般的に、ブレーキ等の摩擦板の摩擦係数
は、油温が上がるほど低下する。従って、例えば作業始
めの油温が低い状態、通常作業時の油温が80℃前後の
状態、走行速で油温が100℃前後に上昇した状態で、
それぞれ同じパワステレバー88の倒動角でありながら
旋回力が異なってしまう。低速時ではブレーキがききや
すく、走行速ではブレーキがききにくい結果となる。
【0078】そこで図15に示すように、ミッション油
温センサ108の検出値により、摩擦係数が低下した分
だけキャアリアブレーキ33R、33Lの摩擦板の押圧
力を上げることにより、常に同じ旋回力が得られるよう
にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のコンバインの前面図で
ある。
【図2】 図1のコンバインの左側面図である。
【図3】 図1のコンバインの走行装置の断面図であ
る。
【図4】 図3の一部拡大図である。
【図5】 図1のコンバインの走行装置の側面図であ
る。
【図6】 図1のコンバインの走行装置の伝動線図であ
る。
【図7】 図1のコンバインの走行装置の遊星歯車機構
の外観斜視図である。
【図8】 図1のコンバインの走行装置の側断面図であ
【図9】 図1のコンバインの走行装置のキャリヤ、サ
ンギア、回転ギアの回転数の関係を示す線図である。
【図10】 図1のコンバインの走行装置の油圧配置図
である。
【図11】 図1のコンバインの走行装置のコントロー
ラに対する入出力装置の配置図である。
【図12】 図1のコンバインの走行装置のキャリヤブ
レーキの摩擦板の押圧力とパワステレバーの傾斜角度の
関係図である。
【図13】 図1のコンバインの走行装置のキャリヤブ
レーキの摩擦板の押圧力とパワステレバーの傾斜角度の
関係図である。
【図14】 図1のコンバインの走行装置のエンジン回
転数とパワステレバーの傾斜角度の関係図である。
【図15】 図1のコンバインの走行装置のキャリヤブ
レーキの摩擦板の押圧力とパワステレバーの傾斜角度の
関係図である。
【符号の説明】
1 副変速軸 2 カウンタ軸 3 サイドクラッチ軸 4 駆動軸 5 出力軸 6 ホイルシャ
フト 7 入力軸 8 刈取入力プ
ーリ 9 走行用HST 10 出力軸 11、12 ギア Z1 サンギア Z2(R)、Z3(R) ギア Z4 回転ギア 13 刈取出力プーリ 14 副変速ギ
ア 15 ギア 16 センター
ギア 17 サイドクラッチ 18 サイドク
ラッチギア 19 センターギア 20 キャリヤ 20Ra 中心軸 20Rb 中心
軸 21 遊星ギア 22 回転ギア 23 遊星ギア 24 出力ギア 25 駐車ブレーキ 26 ギア 27 ギア 28 ギア 29 ギア 30 ギア 31 スプロケット 32 ギア 33 キャリヤブレーキ 34 回転セン
サ 35 エンジン 36 スラスト
軸受 37 ラジアル軸受 38、39 開
口孔 50 ギアポンプ 52 オイルタ
ンク 53 コントロールバルブ 54 オイルク
ーラ 56 ソレノイドバルブ 58 刈取上下
シリンダ 59 オーガ上下シリンダ 60 車体のピッチングシリンダ 61 ローリングシリンダ 70 副変速機
構 71 遊星歯車機構 72 出力歯車
機構 81 コンバイン 82 車体フレ
ーム 83 走行クローラ 84 走行装置
本体 85 分草具 86 刈取装置 87 操縦室 88 パワステ
レバー 89 脱穀装置 90 グレンタ
ンク 91 オーガ 92 主変速H
STレバー 93 副変速レバー 94 走行トランスミッションケース 95 オーガ受け 99 コントロ
ーラ 100a、100b 初期圧力設定ダイヤル(左)、
(右) 101a〜101c 穀稈センサ 102a、102b 旋回力設定ダイヤル(左)、
(右) 103a、103b キャリヤ回転センサ 104 湿田スイッチ 105 籾排出
スイッチ 106 エンジン負荷モニタ 107 エンジ
ン水温モニタ 108 ミッション油温センサ 109 スイッチ(クラッチ(切)) 110 エンジン回転数信号 113a、113b ACD(設定)ダイヤル(左)、
(右) 115 ポジションセンサ b、b 車軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月12日(2002.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】ここで、図6を参照してわかるように、上
記サンギアZ1Rは遊星ギア21RのギアZ2Rと噛合
し、遊星ギア21RのギアZ3Rは遊星ギア23Rと噛
合し、さらに該遊星ギア23Rは回転ギア22Rのギア
Z4Rと噛合する。また、前記サイドクラッチ軸3に介
装されたサイドクラッチギア18Rは上記キャリア20
のギアZ5Rと噛合する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き Fターム(参考) 3D039 AA04 AB13 AB22 AC39 AC40 AC74 3D052 AA04 AA05 AA16 BB08 BB11 BB19 CC01 CC02 DD04 EE01 FF01 GG04 GG05 HH01 HH02 HH03 JJ06 JJ10 JJ20 JJ23 JJ26 JJ31 JJ35 JJ37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(35)からの駆動力を入力し
    た後、複数段に副変速する副変速機構(70)と、副変
    速後の駆動力を左右一対の車軸(b、b)へ断続的に伝
    動可能な左右のサイドクラッチ(17R、17L)と、
    左右のサイドクラッチ(17R、17L)に連動する遊
    星歯車機構(71)と、該遊星歯車機構(71)の出力
    を左右一対の車軸(b、b)へ伝動する出力軸(5)系
    とを備えた走行装置において、 前記遊星歯車機構(71)は、左右のサイドクラッチ
    (17R、17L)の出力ギア(18R、18L)にそ
    れぞれ噛合するキャリア(20R、20L)と、該キャ
    リア(20R、20L)にそれぞれ遊嵌する遊星ギア
    (21R、21L)と、キャリア(20R、20L)に
    それぞれ遊嵌し、遊星ギア(21R、21L)にそれぞ
    れ噛合した遊星ギア(23R、23L)と、該遊星ギア
    (23R、23L)とそれぞれ噛合し、かつ走行装置の
    出力軸(5)側に動力伝達する出力ギア(24R、24
    L)と、遊星ギア(21R、21L)にそれぞれ噛合し
    たサンキア(Z1R、Z1L)と、該サンキア(Z1
    R、Z1L)に動力を伝達する駆動軸(4)からなり、 前記遊星歯車機構(71)のキャリア(20R、20
    L)には、それぞれキャリア(20R、20L)の回転
    制御用のキャリアブレーキ(33R、33L)を直結し
    て設け、該キャリアブレーキ(33R、33L)の回転
    制御用のブレーキの初期圧力を調整する設定手段(10
    0a、100b)を設けたことを特徴とする走行装置。
  2. 【請求項2】 前記遊星歯車機構(71)のキャリア
    (20R、20L)は、それぞれキャリア(20R、2
    0L)自体に直結して設けられたキャリアブレーキ(3
    3R、33L)のいずれかの緩旋回からブレーキ旋回時
    の回転制御圧力を左右のキャリアブレーキ(33R、3
    3L)でそれぞれ独立して変更可能な手段(102a、
    102b)を備えたことを特徴とする請求項1記載の走
    行装置。
  3. 【請求項3】 エンジン(35)からの駆動力を入力し
    た後、複数段に副変速する副変速機構(70)と、副変
    速後の駆動力を左右一対の車軸(b、b)へ断続的に伝
    動可能な左右のサイドクラッチ(17R、17L)と、
    左右のサイドクラッチ(17R、17L)に連動する遊
    星歯車機構(71)と、該遊星歯車機構(71)の出力
    を左右一対の車軸(b、b)へ伝動する出力軸(5)系
    と湿田走行用の湿田スイッチ(104)を備えた走行装
    置において、 前記遊星歯車機構(71)は、左右のサイドクラッチ
    (17R、17L)の出力ギア(18R、18L)にそ
    れぞれ噛合するキャリア(20R、20L)と、該キャ
    リア(20R、20L)にそれぞれ遊嵌する遊星ギア
    (21R、21L)と、キャリア(20R、20L)に
    それぞれ遊嵌し、遊星ギア(21R、21L)にそれぞ
    れ噛合した遊星ギア(23R、23L)と、該遊星ギア
    (23R、23L)とそれぞれ噛合し、かつ走行装置の
    出力軸(5)側に動力伝達する出力ギア(24R、24
    L)と、遊星ギア(21R、21L)にそれぞれ噛合し
    たサンキア(Z1R、Z1L)と、該サンキア(Z1
    R、Z1L)に動力を伝達する駆動軸(4)からなり、 前記湿田スイッチ(104)が作動しているときは、前
    記遊星歯車機構(71)のキャリア(20R、20L)
    は、それぞれキャリア(20R、20L)自体に直結し
    て設けられたキャリア(20R、20L)の回転制御用
    のキャリアブレーキ(33R、33L)がスピン旋回し
    ないように旋回時の回転制御圧力を調整可能な手段(9
    9)を備えたことを特徴とする走行装置。
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