JP2003086245A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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Abstract
いエネルギー密度を有する非水電解質電池を容易に提供
することを目的とする。 【解決手段】 正極活物質を主要構成成分とする正極
と、負極活物質を主要構成成分とする負極と、非水電解
質とから、少なくとも構成される非水電解質電池におい
て、前記非水電解質が、環状カーボネートまたは鎖状カ
ーボネートのフッ化物を含有し、且つ、π結合を有する
環状カーボネートを含有することで、上記課題を解決で
きる。
Description
するもので、特に、非水電解質電池の非水電解質の改良
に関するものである。
次電池は、携帯電話,PHS(簡易携帯電話),小型コ
ンピューター等の携帯機器類用電源、電力貯蔵用電源、
電気自動車用電源として注目されている。
を主要構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成成
分とする負極と、非水電解質とから構成される。
しては、リチウム含有遷移金属酸化物が、負極活物質と
しては、グラファイトに代表される炭素質材料が、非水
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiP
F6)等の電解質がエチレンカーボネートを主構成成分
とする非水溶媒に溶解されたものが広く知られている。
ンカーボネートは融点が高く、低温で電解液が凝固し易
い。そのため、エチレンカーボネートに代えて、より融
点の低いプロピレンカーボネートを電解液の非水溶媒と
して使用する方法が知られているが、充電時、とりわけ
初充電時にプロピレンカーボネートがグラファイト負極
上で分解するため、電池性能が充分に得られないという
問題があった。
1−67266号公報などに、プロピレンカーボネート
の上記分解を抑制するためのビニレンカーボネートとを
必須成分とする非水溶媒を非水電解質電池に適用する技
術が開示されている。すなわち、初充電時にビニレンカ
ーボネートがグラファイト負極上で分解することによ
り、グラファイト負極表面にリチウムイオン透過性の保
護被膜を形成するため、プロピレンカーボネートの分解
が抑制され、高い低温特性と高いエネルギー密度とを有
する非水電解質電池が得られるとされている。しかしな
がら、ビニレンカーボネートは耐酸化性に劣り、正極上
で分解するため、多量に添加すると電池性能を劣化させ
るという問題があった。
可燃性物質に分類されるものであり、揮発しやすく、引
火性も高い。従って、特に過充電、過放電やショートな
どのアブユース時や高温環境下における安全性が充分で
はないという問題があった。
媒を使用した非水電解質が提案されている。例えば、特
開平8−22839号公報などには、非水電解質にリン
酸エステルを使用する技術が、特開平7−6786号公
報などには、ハロゲン化鎖状カーボネート、特にフッ素
化鎖状カーボネートを使用する技術が、特開平10−2
47519号公報などには、ハロゲン化環状カーボネー
ト、特にフッ素化環状カーボネートを使用する技術が開
示されている。これらの化合物のうち、特にフッ素化合
物は、電気化学的安定性に優れ、かつ、引火点が高い性
質を有しているとされている。さらに、これらの化合物
も、電極と非水電解質との界面に保護皮膜を形成すると
されている。しかしながら、これらの化合物は、一般的
な非水電解質を構成する有機溶媒に比較して非常にコス
ト高であり、主溶媒として大量に使用するのは現実的で
はないという問題があった。
のであり、その目的は、安全性に優れ、且つ、充放電効
率が高く、高いエネルギー密度を有する非水電解質電池
を容易に提供することである。
め、本発明者らは、鋭意検討の結果、非水電解質を構成
する非水溶媒を特定のものとすることにより、驚くべき
ことに、安全性に優れ、且つ、充放電効率が高く、高い
エネルギー密度を有する非水電解質電池が得られること
を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の技術的
構成およびその作用効果は以下の通りである。ただし、
作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本
発明を制限するものではない。
構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成成分とす
る負極と、非水電解質とから、少なくとも構成される非
水電解質電池において、前記非水電解質は、環状カーボ
ネートまたは鎖状カーボネートのフッ化物を含有し、且
つ、π結合を有する環状カーボネートを含有することを
特徴とする非水電解質電池である。
中に環状カーボネートまたは鎖状カーボネートのフッ化
物を含有し、且つ、π結合を有する環状カーボネートを
含有することにより、初充電時に、環状カーボネートま
たは鎖状カーボネートのフッ化物およびπ結合を有する
環状カーボネートがグラファイト負極上で分解し、グラ
ファイト負極表面にリチウムイオン透過性の保護被膜を
形成するため、非水電解液を構成するその他の有機溶媒
の分解を確実に抑制できるので、2サイクル目以降の充
放電を充分に行うことができ、充放電効率を向上させる
ことができる。このとき、環状カーボネートまたは鎖状
カーボネートのフッ化物を含有し、且つ、π結合を有す
る環状カーボネートを両方含有する相乗効果により、い
ずれか単独で含有する場合に比較し、負極表面に形成さ
れるリチウムイオン透過性の保護被膜が、緻密で、且
つ、リチウムイオン透過性に優れたものとなるため、非
水電解液を構成するその他の有機溶媒の分解をより効果
的に抑制できる。その上、環状カーボネートまたは鎖状
カーボネートのフッ化物は、フッ素化されているため耐
酸化性が高く、正極上での酸化分解がほとんど起こら
ず、過剰に添加しても電池性能を劣化させることはな
い。従って、グラファイト負極表面上の保護被膜を充分
形成することができるだけでなく、比較的耐酸化性に劣
り、過剰に添加すると電池性能を劣化させる要因となり
うる、π結合を有する環状カーボネートの含有量を減ら
すことができる。よって、充放電効率が高く、高いエネ
ルギー密度を有する非水電解質電池とすることができ
る。さらに、環状カーボネートまたは鎖状カーボネート
のフッ化物は、フッ素化されているため引火点が高く、
非水電解質の安全性を高める効果も期待できる。よっ
て、安全性に優れた非水電解質電池とすることができ
る。
る環状カーボネートは、ビニレンカーボネート、スチレ
ンカーボネート、カテコールカーボネート、ビニルエチ
レンカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート
及び1,2−ジフェニルビニレンカーボネートからなる
群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
非水電解質電池である。
中に含有するπ結合を有する環状カーボネートを、ビニ
レンカーボネート、スチレンカーボネート、カテコール
カーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1−フェ
ニルビニレンカーボネート及び1,2−ジフェニルビニ
レンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1
種とすることにより、初充電時にグラファイト負極表面
に形成されるリチウムイオン透過性の保護被膜が、緻密
で、且つ、リチウムイオン透過性に優れたものとなるた
め、非水電解液を構成するその他の有機溶媒の分解を効
果的に抑制でき、2サイクル目以降の充放電を充分に行
うことができ、充放電効率を向上させることができる。
は、π結合を有さない環状カーボネートを含有している
ことを特徴とする非水電解質電池である。
中にπ結合を有さない環状カーボネートを含有すること
により、非水電解質の沸点および引火点を高く保った上
に、高誘電率を有するため、リチウムイオン伝導度を向
上でき、さらに耐酸化性に優れることから、上記効果が
効果的に得られる。よって、より安全性に優れ、充放電
効率が高く、高いエネルギー密度を有する非水電解質電
池とすることができる。
ない環状カーボネートは、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート及びブチレンカーボネートからなる
群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
非水電解質電池である。
中に含有するπ結合を有さない環状カーボネートを、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチ
レンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1
種とすることにより、これら高誘電率を有し、耐酸化性
に優れた有機溶媒の特性を生かすことができるため、上
記効果がより効果的に得られる。
は、グラファイトであることを特徴とする非水電解質電
池である。
トは、金属リチウム電位(水溶液の場合−3.045V
vs. NHE)に極めて近い作動電位を有し、かつ
充放電における不可逆容量を少なくできることから、高
作動電圧を有し、高エネルギー密度である非水電解質電
池を得ることができる。
脂複合材料からなることを特徴とする非水電解質電池で
ある。
合材料は、金属よりも軽く、また、薄形形状に容易に成
形できるので、非水電解質電池の小形軽量化が可能であ
る。
示するが、本発明は、これらの記述に限定されるもので
はない。
質を主要構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成
成分とする負極と、電解質塩を非水溶媒に溶解した非水
電解質とから構成され、一般的には、正極と負極との間
に、非水電解質電池用セパレータが設けられる。
1)に示される構造を有するものである。
は、(化2)に示される構造を有するものである。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよ
い。
のフッ化物の含有量は、非水電解質の全重量に対して
0.01重量%〜20重量%であることが好ましく、よ
り好ましくは0.10重量%〜15重量%である。環状
カーボネートまたは鎖状カーボネートのフッ化物の含有
量が、非水電解液の全重量に対して0.01重量%以上
であることによって、初充電時における非水電解液を構
成するその他の有機溶媒の分解をほぼ完全に抑制し、充
電をより確実に行うことができる。また、20重量%以
下であることによって、電解液の粘度が高くなりすぎな
いので、高率充放電時や低温下においても、充分な電池
性能を発揮することができる。
レンカーボネート、スチレンカーボネート、カテコール
カーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1−フェ
ニルビニレンカーボネート及び1,2−ジフェニルビニ
レンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1
種であることが好ましい。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上混合して用いてもよいが、特に、ビニレン
カーボネートを少なくとも含有することが好ましい。
有量は、非水電解質の全重量に対して0.01重量%〜
10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.
10重量%〜5重量%、さらに好ましくは0.10重量
%〜2重量%である。π結合を有する環状カーボネート
の含有量が、非水電解質の全重量に対して0.01重量
%以上であることによって、初充電時における非水電解
質を構成するその他の有機溶媒の分解をほぼ完全に抑制
し、充電をより確実に行うことができる。また、10重
量%以下であることによって、π結合を有する環状カー
ボネートが正極上で分解することによる電池性能の劣化
がほとんど発生せず、充分な電池性能を発揮することが
できる。
非水電解質電池用非水電解質に使用される有機溶媒が使
用できる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレン
カーボネート、等の環状カーボネート;γ−ブチロラク
トン、γ−バレロラクトン、プロピオラクトン等の環状
エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
ト等の鎖状カーボネート;酢酸メチル、酪酸メチル等の
鎖状エステル;テトラヒドロフランまたはその誘導体、
1,3−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエ
タン、メトキシエトキシエタン、メチルジグライム等の
エーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類;ジオキサランまたはその誘導体;スルホラン、
スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以
上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
高誘電率を有するπ結合を有さない環状カーボネートを
含有することにより、本発明の効果が充分に発揮できる
ため好ましく、なかでも、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネートから選ばれ
る少なくとも1種を含有することが、特に好ましい。
O4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiCF3
SO3,LiN(CF3SO2)2,LiN(C2F5S
O2)2,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,
Li2B10Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,
NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(L
i)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種
を含む無機イオン塩、LiN(CF 3SO2)2,LiN
(C2F5SO2)2,(CH3)4NBF4,(CH3)4N
Br,(C2H5)4NClO4,(C2H5)4NI,(C3
H7)4NBr,(n−C4H9) 4NClO4,(n−C4
H9)4NI,(C2H5)4N−maleate,(C2H
5)4N−benzoate,(C2H5)4N−phta
late等の四級アンモニウム塩、ステアリルスルホン
酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩が挙げら
れ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以
上混合して用いることが可能である。
は、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得る
ために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、
さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lで
ある。
ては、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有リン
酸塩、リチウム含有硫酸塩などを単独あるいは混合して
用いることが望ましい。リチウム含有遷移金属酸化物と
しては、一般式LiyCo1-xMxO2、LiyMn2-xMX
O4(Mは、IからVIII族の金属(例えは、Li,C
a,Cr,Ni,Mn,Fe,Coの1種類以上の元
素)であり、異種元素置換量を示すx値については置換
できる最大量まで有効であるが、好ましくは放電容量の
点から0≦x≦1である。また、リチウム量を示すy値
についてはリチウムを可逆的に利用しうる最大量が有効
であり、好ましくは放電容量の点から0≦y≦2であ
る。)が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
活物質を混合して用いてもよく、他の正極活物質として
は、CuO,Cu2O,Ag2O,CuS,CuSO4等
のI族金属化合物、TiS2,SiO2,SnO等のIV族
金属化合物、V2O5,V6O1 2,VOx,Nb2O5,Bi
2O3,Sb2O3等のV族金属化合物、CrO3,Cr2O
3,MoO3,MoS2,WO3,SeO2等のVI族金属化
合物、MnO2,Mn2O3等のVII族金属化合物、Fe2
O3,FeO,Fe3O4,Ni2O3,NiO,CoO3,
CoO等のVIII族金属化合物、または、一般式LixM
X2,LixMNyX2(M、NはIからVIII族の金属、X
は酸素、硫黄などのカルコゲン化合物を示す。)等で表
される、例えばリチウム−コバルト系複合酸化物やリチ
ウム−マンガン系複合酸化物等の金属化合物、さらに、
ジスルフィド,ポリピロール,ポリアニリン,ポリパラ
フェニレン,ポリアセチレン,ポリアセン系材料等の導
電性高分子化合物、擬グラファイト構造炭素質材料等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ては、炭素質材料、スズ酸化物,珪素酸化物等の金属酸
化物、さらにこれらの物質に負極特性を向上させる目的
でリンやホウ素を添加し改質を行った材料等が挙げられ
る。炭素質材料の中でもグラファイトは、金属リチウム
に極めて近い作動電位を有するので電解質塩としてリチ
ウム塩を採用した場合に自己放電を少なくでき、かつ充
放電における不可逆容量を少なくできるので、負極活物
質として好ましい。さらに本発明においては、環状カー
ボネートまたは鎖状カーボネートのフッ化物を含有する
非水電解質が使用されるので、充電時にグラファイトを
主成分とする負極上で非水電解液を構成するその他の有
機溶媒の分解を確実に抑制でき、グラファイトの上記有
利な特性を確実に発現させることができる。
ァイトのエックス線回折等による分析結果を示す; 格子面間隔(d002) 0.333から0.350ナノメートル a軸方向の結晶子の大きさLa 20ナノメートル以上 c軸方向の結晶子の大きさLc 20ナノメートル以上 真密度 2.00から2.25g/cm3
素酸化物等の金属酸化物、リン、ホウ素、アモルファス
カーボン等を添加して改質を行ってもよい。特に、グラ
ファイトの表面を上記の方法によって改質することで、
電解液の分解を抑制し電池特性を高めることができる点
で好ましい。さらに、グラファイトに対して、リチウム
金属、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウ
ム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−
ガリウム,およびウッド合金等のリチウム金属含有合金
等を併用することや、あらかじめ電気化学的に還元する
ことによってリチウムが挿入されたグラファイト等も負
極活物質として使用可能である。
物質の粉体の少なくとも表面層部分を電子伝導性やイオ
ン伝導性の良いもの、あるいは疎水基を有する化合物で
修飾してもよい。例えば、金,銀,カーボン,ニッケ
ル,銅等の電子伝導性のよい物質や、炭酸リチウム,ホ
ウ素ガラス,固体電解質等のイオン伝導性のよい物質、
あるいはシリコーンオイル等の疎水基を有する物質をメ
ッキ,焼結,メカノフュージョン,蒸着,焼き付け等の
技術を応用して被覆すること等が挙げられる。
は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望まし
い。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出
力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ま
しい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機
が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、
振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウ
ンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用
いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶
剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方
法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、
乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
て詳述したが、正極および負極には、主要構成成分であ
る前記活物質の他に、導電剤、結着剤およびフィラー
が、他の構成成分として含有されてもよい。
さない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、
天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造
黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属
(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊
維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種また
はそれらの混合物として含ませることができる。
び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導
電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1重
量%〜50重量%が好ましく、特に2重量%〜30重量
%が好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であ
り、その理想とするところは均一混合である。そのた
め、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、
遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、ある
いは湿式で混合することが可能である。
ロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレン,ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン
ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPD
M,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等
のゴム弾性を有するポリマー、カルボキシメチルセルロ
ース等の多糖類等を1種または2種以上の混合物として
用いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反
応する官能基を有する結着剤は、例えばメチル化するな
どしてその官能基を失活させておくことが望ましい。結
着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜
50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好まし
い。
ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレ
ン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸
化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭
酸塩、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量
は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量
%以下が好ましい。
よび結着剤をN−メチルピロリドン,トルエン等の有機
溶媒に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する
集電体の上に塗布し、乾燥することによって、好適に作
製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケ
ーターロールなどのローラーコーティング、スクリーン
コーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティ
ング、バーコーダー等の手段を用いて任意の厚みおよび
任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定
されるものではない。
悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例
えば、正極用集電体としては、アルミニウム、チタン、
ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導
電性ガラス等の他に、接着性、導電性および耐酸化性向
上の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカーボン、ニ
ッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができ
る。負極用集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステン
レス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分
子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、
導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボ
ン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いること
ができる。これらの材料については表面を酸化処理する
ことも可能である。
他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキ
スパンドされた物、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群
の形成体等が用いられる。厚みの限定は特にないが、1
〜500μmのものが用いられる。これらの集電体の中
で、正極としては、耐酸化性に優れているアルミニウム
箔が、負極としては、還元場において安定であり、且つ
電導性に優れ、安価な銅箔、ニッケル箔、鉄箔、および
それらの一部を含む合金箔を使用することが好ましい。
さらに、粗面表面粗さが0.2μmRa以上の箔である
ことが好ましく、これにより正極活物質または負極活物
質と集電体との密着性は優れたものとなる。よって、こ
のような粗面を有することから、電解箔を使用するのが
好ましい。特に、ハナ付き処理を施した電解箔は最も好
ましい。
れたレート特性を示す微多孔膜や不織布等を、単独ある
いは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレ
ータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポ
リプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエー
テル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重
合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重
合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ト
リフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体等を挙げることができる。
度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電
特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテー
ト、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリ
マーと電解液とで構成されるポリマーゲルを用いてもよ
い。
上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用
して用いると、電解液の保液性が向上するため望まし
い。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚
さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを
形成し、該フィルムの微孔内に電解液を保持させること
で、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を
有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソ
シアネート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等
が挙げられる。架橋にあたっては、熱、紫外線(UV)
や電子線(EB)等の活性光線等を用いることができ
る。
の目的で、架橋体の形成を妨害しない範囲の物性調整剤
を配合して使用することができる。該物性調整剤の例と
しては、無機フィラー類{酸化ケイ素、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩}、ポリマー類
{ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポ
リメチルメタクリレート等}等が挙げられる。該物性調
整剤の添加量は、架橋性モノマーに対して通常50重量
%以下、好ましくは20重量%以下である。
ると、二官能以上の不飽和モノマーが好適に挙げられ、
より具体例には、2官能(メタ)アクリレート{エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸・ジネオペ
ンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、重
合度2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、重合度2以上のポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン/ポリオキ
シプロピレン共重合体のジ(メタ)アクリレート、ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等}、3官能(メタ)
アクリレート{トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グ
リセリンのエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アク
リレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加物のト
リ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート等}、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート
{ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジグリセリンヘキサ(メタ)アクリレート等}が挙げら
れる。これらのモノマーを単独もしくは、併用して用い
ることができる。
等の目的で1官能モノマーを添加することもできる。該
一官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸{アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル
安息香酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、アコニット
酸等}、不飽和スルホン酸{スチレンスルホン酸、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等}または
それらの塩(Li塩、Na塩、K塩、アンモニウム塩、
テトラアルキルアンモニウム塩等)、またこれらの不飽
和カルボン酸をC1〜C18の脂肪族または脂環式アル
コール、アルキレン(C2〜C4)グリコール、ポリア
ルキレン(C2〜C4)グリコール等で部分的にエステ
ル化したもの(メチルマレート、モノヒドロキシエチル
マレート、など)、およびアンモニア、1級または2級
アミンで部分的にアミド化したもの(マレイン酸モノア
ミド、N−メチルマレイン酸モノアミド、N,N−ジエ
チルマレイン酸モノアミドなど)、(メタ)アクリル酸
エステル[C1〜C18の脂肪族(メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、ステアリル等)
アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、または
アルキレン(C2〜C4)グリコール(エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール
等)およびポリアルキレン(C2〜C4)グリコール
(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル)と(メタ)アクリル酸とのエステル];(メタ)ア
クリルアミドまたはN−置換(メタ)アクリルアミド
[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
等];ビニルエステルまたはアリルエステル[酢酸ビニ
ル、酢酸アリル等];ビニルエーテルまたはアリルエー
テル[ブチルビニルエーテル、ドデシルアリルエーテル
等];不飽和ニトリル化合物[(メタ)アクリロニトリ
ル、クロトンニトリル等];不飽和アルコール[(メ
タ)アリルアルコール等];不飽和アミン[(メタ)ア
リルアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等];
複素環含有モノマー[N−ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン等];オレフィン系脂肪族炭化水素[エチレン、
プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、(C
6〜C50)α−オレフィン等];オレフィン系脂環式
炭化水素[シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘ
プテン、ノルボルネン等];オレフィン系芳香族炭化水
素[スチレン、α−メチルスチレン、スチルベン等];
不飽和イミド[マレイミド等];ハロゲン含有モノマー
[塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、ヘ
キサフルオロプロピレン等]等が挙げられる。
と、グリシジルエーテル類{ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フ
ェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノ
ボラックグリシジルエーテル等}、グリシジルエステル
類{ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマ
ー酸グリシジルエステル等}、グリシジルアミン類{ト
リグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジア
ミノフェニルメタン等}、線状脂肪族エポキサイド類
{エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等}、
脂環族エポキサイド類{3,4エポキシ−6メチルシク
ロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4エポキシシ
クロヘキシルメチルカルボキシレート等}等が挙げられ
る。これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは硬化剤を添
加して硬化させて使用することができる。
類{ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
3,9−(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−
テトロオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}、芳香族
ポリアミン類{メタキシレンジアミン、ジアミノフェニ
ルメタン等}、ポリアミド類{ダイマー酸ポリアミド
等}、酸無水物類{無水フタル酸、テトラヒドロメチル
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水メチルナジック酸}、フェノール類{フ
ェノールノボラック等}、ポリメルカプタン{ポリサル
ファイド等}、第三アミン類{トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール等}、ルイス酸錯体{三フッ化ホウ素・エチルアミ
ン錯体等}等が挙げられる。
ついて例示すると、トルエンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネート、2,2,4(2,2,4)−トリメ
チル−ヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニル
4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシア
ネート、m−キシレンジイソシアネート、トリメチルキ
シレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、trans
−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート等が挙げられる。
架橋するにあたって、ポリオール類およびポリアミン類
[2官能化合物{水、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等}、3官能化合物{グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエ
タノールアミン等}、4官能化合物{ペンタエリスリト
ール、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニ
ルメタンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、
メチルグルコシド等}、5官能化合物{2,2,6,6
−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノー
ル、ジエチレントリアミンなど}、6官能化合物{ソル
ビトール、マンニトール、ズルシトール等}、8官能化
合物{スークロース等}]、およびポリエーテルポリオ
ール類{前記ポリオールまたはポリアミンのプロピレン
オキサイドおよび/またはエチレンオキサイド付加
物}、ポリエステルポリオール[前記ポリオールと多塩
基酸{アジピン酸、o,m,p−フタル酸、コハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、リシノール酸}との縮合物、
ポリカプロラクトンポリオール{ポリε−カプロラクト
ン等}、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物等]等、活性
水素を有する化合物を併用することができる。
とができる。該触媒について例示すると、有機スズ化合
物類、トリアルキルホスフィン類、アミン類[モノアミ
ン類{N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエ
チルアミン等}、環状モノアミン類{ピリジン、N−メ
チルモルホリン等}、ジアミン類{N,N,N’,N’
−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’
−テトラメチル1,3−ブタンジアミン等}、トリアミ
ン類{N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレント
リアミン等}、ヘキサミン類{N,N,N’N’−テト
ラ(3−ジメチルアミノプロピル)−メタンジアミン
等}、環状ポリアミン類{ジアザビシクロオクタン(D
ABCO)、N,N’−ジメチルピペラジン、1,2−
ジメチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7(DBU)等}等、およびそれ
らの塩類等が挙げられる。
を、例えば、非水電解質電池用セパレータと正極と負極
とを積層する前または積層した後に注液し、最終的に、
外装材で封止することによって好適に作製される。ま
た、正極と負極とが非水電解質電池用セパレータを介し
て積層された発電要素を巻回してなる非水電解質電池に
おいては、電解液は、前記巻回の前後に発電要素に注液
されるのが好ましい。注液法としては、常圧で注液する
ことも可能であるが、真空含浸方法や加圧含浸方法も使
用可能である。
の観点から、薄い材料が好ましく、例えば、金属箔を樹
脂フィルムで挟み込んだ構成の金属樹脂複合材料が好ま
しい。金属箔の具体例としては、アルミニウム、鉄、ニ
ッケル、銅、ステンレス鋼、チタン、金、銀等、ピンホ
ールのない箔であれば限定されないが、好ましくは軽量
且つ安価なアルミニウム箔が好ましい。また、電池外部
側の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム,ナイロンフィルム等の突き刺し強度に優れ
た樹脂フィルムを、電池内部側の樹脂フィルムとして
は、ポリエチレンフィルム,ナイロンフィルム等の、熱
融着可能であり、かつ耐溶剤性を有するフィルムが好ま
しい。
説明するが、本発明はこれらの記述に限定されるもので
はない。
解質電池の断面図を図1に示す。
負極2、およびセパレータ3からなる極群4と、非水電
解質と、金属樹脂複合フィルム5から構成されている。
正極1は、正極合剤11が正極集電体12上に塗布され
てなる。また、負極2は、負極合剤21が負極集電体2
2上に塗布されてなる。非水電解質は極群4に含浸され
ている。金属樹脂複合フィルム5は、極群4を覆い、そ
の四方を熱溶着により封止されている。
る。
活物質であるLiCoO2と、導電剤であるアセチレン
ブラックを混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニ
リデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合し、こ
の混合物をアルミ箔からなる正極集電体12の片面に塗
布した後、乾燥し、正極合剤11の厚さが0.1mmと
なるようにプレスした。以上の工程により正極1を得
た。
ず、負極活物質であるグラファイトと、結着剤であるポ
リフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液
を混合し、この混合物を銅箔からなる負極集電体22の
片面に塗布した後、乾燥し、負極合剤21厚みが0.1
mmとなるようにプレスした。以上の工程により負極2
を得た。
多孔膜(厚さ25μm、開孔率50%)を用いた。
を対向させ、その間にセパレータ3を配し、正極1、セ
パレータ3、負極2の順に積層することにより、構成し
た。
ロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比
6:2:2の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1
モルのLiPF6を溶解させ、さらに(化3)に示され
るトリフルオロエチルメチルカーボネートを15重量
%、ビニレンカーボネートを2重量%混合することによ
り得た。
ことにより、極群4に非水電解質を含浸させ、た。さら
に、金属樹脂複合フィルム5で極群4を覆い、その四方
を熱溶着により封止した。
を本発明電池Aとする。なお、本発明電池Aの設計容量
は、10mAhである。
ト、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートを
体積比6:2:2の割合で混合した混合溶媒1リットル
に、1モルのLiPF6を溶解させ、さらに(化4)に
示されるトリフルオロプロピレンカーボネートを15重
量%、スチレンカーボネートを2重量%混合したものを
用いた以外は、本発明電池Aと同一の原料および製法に
より、容量10mAhの非水電解質電池を作製し、本発
明電池Bとした。
カーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカー
ボネートを体積比6:2:2の割合で混合した混合溶媒
1リットルに、1モルのLiPF6を溶解させ、さらに
トリフルオロエチルメチルカーボネートを15重量%混
合したものを用いた以外は、本発明電池Aと同一の原料
および製法により、容量10mAhの非水電解質電池を
作製し、比較電池Cとした。
ト、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートを
体積比6:2:2の割合で混合した混合溶媒1リットル
に、1モルのLiPF6を溶解させ、さらにビニレンカ
ーボネートを2重量%混合したものを用いた以外は、本
発明電池Aと同一の原料および製法により、容量10m
Ahの非水電解質電池を作製し、比較電池Dとした。
ト、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートを
体積比6:2:2の割合で混合した混合溶媒1リットル
に、1モルのLiPF6を溶解させたものを用いた以外
は、本発明電池Aと同一の原料および製法により、容量
10mAhの非水電解質電池を作製し、比較電池Eとし
た。
池A、Bおよび比較電池C、D、Eについて、初充電お
よび初放電容量を測定した。初充電容量は、20℃にお
いて、電流2mA、終止電圧4.2Vの定電流定電圧充
電として充電容量を求めた。初放電容量は、初充電後、
20℃において、電流2mA、終止電圧2.7Vの定電
流放電として放電容量を求めた。結果を表1に示す。
容量が設計容量の約2倍と非常に大きくなり、かつ、初
放電容量は非常に小さいものであった。これは、初充電
中に非水電解質中のプロピレンカーボネートがグラファ
イト負極上で分解し、可逆容量が低下したためと考えら
れる。
量の約1.2倍であり、初放電容量は設計容量の約0.
85倍であった。これは、初充電中に非水電解質中のビ
ニレンカーボネートがグラファイト負極上で分解するこ
とにより、グラファイト負極表面にリチウムイオン透過
性の保護被膜を形成するため、プロピレンカーボネート
の分解が抑制されるが、ビニレンカーボネートの分解に
消費される電気量が大きく、かつ、余剰のビニレンカー
ボネートが正極上で分解するため、初放電容量が低くな
ったものと考えられる。
量の約1.1倍であり、初放電容量は設計容量の約0.
92倍であった。これは、初充電中に非水電解質中のト
リフルオロエチルメチルカーボネートがグラファイト負
極上で分解することにより、グラファイト負極表面にリ
チウムイオン透過性の保護被膜を形成するため、プロピ
レンカーボネートの分解が抑制されることによるもので
あり、ビニレンカーボネートを添加した比較電池Dに対
して、トリフルオロエチルメチルカーボネートの分解に
消費される電気量が小さく、かつ、余剰のトリフルオロ
エチルメチルカーボネートが正極上でほとんど分解され
ないため、初放電容量が高くなったものと考えられる
が、必ずしも充分改善されたとは言えない。
池C、D、Eと比較して、初充電容量および初放電容量
がともに優れており、高い低温特性と高いエネルギー密
度とを兼ね備える非水電解質電池であることが確認され
た。これは、初充電時に環状カーボネートまたは鎖状カ
ーボネートのフッ化物であるトリフルオロエチルメチル
カーボネートまたはトリフルオロプロピレンカーボネー
トと、π結合を有する環状カーボネートであるビニレン
カーボネートまたはスチレンカーボネートがグラファイ
ト負極上で分解し、グラファイト負極表面にリチウムイ
オン透過性の保護被膜を形成するが、環状カーボネート
または鎖状カーボネートのフッ化物を含有し、且つ、π
結合を有する環状カーボネートを両方含有する相乗効果
により、いずれか単独で含有する場合に比較し、負極表
面に形成されるリチウムイオン透過性の保護被膜が、緻
密で、且つ、リチウムイオン透過性に優れたものとなる
ため、プロピレンカーボネートの分解を確実に抑制でき
るためと考えられる。よって、充放電効率が高く、高い
エネルギー密度を有する非水電解質電池とすることがで
きる。
ば、請求項1に記載したように、非水電解質中に環状カ
ーボネートまたは鎖状カーボネートのフッ化物を含有
し、且つ、π結合を有する環状カーボネートを含有する
ことにより、初充電時に環状カーボネートまたは鎖状カ
ーボネートのフッ化物およびπ結合を有する環状カーボ
ネートがグラファイト負極上で分解し、グラファイト負
極表面にリチウムイオン透過性の保護被膜を形成するた
め、非水電解液を構成するその他の有機溶媒の分解を確
実に抑制できるので、2サイクル目以降の充放電を充分
に行うことができる。このとき、環状カーボネートまた
は鎖状カーボネートのフッ化物を含有し、且つ、π結合
を有する環状カーボネートを両方含有する相乗効果によ
り、いずれか単独で含有する場合に比較し、非水電解液
を構成するその他の有機溶媒の分解をより効果的に抑制
できる。その上、環状カーボネートまたは鎖状カーボネ
ートのフッ化物は、フッ素化されているため耐酸化性が
高く、正極上での酸化分解がほとんど起こらず、過剰に
添加しても電池性能を劣化させることはない。よって、
充放電効率が高く、高いエネルギー密度を有する非水電
解質電池を提供できる。さらに、環状カーボネートまた
は鎖状カーボネートのフッ化物は、フッ素化されている
ため引火点が高く、非水電解質の安全性を高める効果も
期待できる。よって、安全性に優れた非水電解質電池と
することができる。
たように、非水電解質中に含有するπ結合を有する環状
カーボネートを、ビニレンカーボネート、スチレンカー
ボネート、カテコールカーボネート、ビニルエチレンカ
ーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート及び
1,2−ジフェニルビニレンカーボネートからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種とすることにより、非水電解
液を構成するその他の有機溶媒の分解を効果的に抑制で
き、2サイクル目以降の充放電を充分に行うことがで
き、充放電効率を向上させることができる。
たように、非水電解質中にπ結合を有さない環状カーボ
ネートを含有することにより、上記効果が効果的に得ら
れる。よって、より安全性に優れ、充放電効率が高く、
高いエネルギー密度を有する非水電解質電池とすること
ができる。
たように、非水電解質中に含有するπ結合を有さない環
状カーボネートを、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネートから選ばれる少な
くとも1種とすることにより、これら高誘電率を有し、
耐酸化性に優れる有機溶媒の特性を生かすことができる
ため、上記効果がより効果的に得られる。
たように、負極活物質が、グラファイトであるので、高
作動電圧を有し、高エネルギー密度である非水電解質電
池非水電解質電池を提供できる。
たように、前記電池の外装体が金属樹脂複合材料である
ことにより、薄形形状で小形軽量化された非水電解質電
池を提供できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 正極活物質を主要構成成分とする正極
と、負極活物質を主要構成成分とする負極と、非水電解
質とから、少なくとも構成される非水電解質電池におい
て、 前記非水電解質は、環状カーボネートまたは鎖状カーボ
ネートのフッ化物を含有し、且つ、π結合を有する環状
カーボネートを含有していることを特徴とする非水電解
質電池。 - 【請求項2】 前記π結合を有する環状カーボネート
は、ビニレンカーボネート、スチレンカーボネート、カ
テコールカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、
1−フェニルビニレンカーボネート及び1,2−ジフェ
ニルビニレンカーボネートからなる群から選ばれる少な
くとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の非
水電解質電池。 - 【請求項3】 前記非水電解質は、π結合を有さない環
状カーボネートを含有していることを特徴とする請求項
1または2に記載の非水電解質電池。 - 【請求項4】 前記π結合を有さない環状カーボネート
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及
びブチレンカーボネートからなる群から選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする請求項3に記載の非水
電解質電池。 - 【請求項5】 前記負極活物質は、グラファイトである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水
電解質電池。 - 【請求項6】 外装体が、金属樹脂複合材料からなるこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電
解質電池。
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