JP2003083476A - 電力ケーブル用保護管 - Google Patents

電力ケーブル用保護管

Info

Publication number
JP2003083476A
JP2003083476A JP2002187032A JP2002187032A JP2003083476A JP 2003083476 A JP2003083476 A JP 2003083476A JP 2002187032 A JP2002187032 A JP 2002187032A JP 2002187032 A JP2002187032 A JP 2002187032A JP 2003083476 A JP2003083476 A JP 2003083476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
impact
tube
power cable
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002187032A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Irioka
博明 入岡
Keiji Miyazaki
圭次 宮▲崎▼
Satoshi Ochi
聡 越智
Yusuke Inoue
裕介 井上
Kenichiro Imakubo
謙一郎 今久保
Shinichi Kobayashi
真一 小林
Isato Ishihara
勇人 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Kubota Corp
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc, Kubota Corp filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP2002187032A priority Critical patent/JP2003083476A/ja
Publication of JP2003083476A publication Critical patent/JP2003083476A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 外層22が塩化ビニル100重量部に対して
たとえば衝撃強化剤12重量部を配合してなる樹脂組成
物によって形成されているので、外層22の耐衝撃性を
向上できる。そして、外層22の内側にリサイクル材料
からなる中間層24が形成されているので、外面18a
に衝撃を受けた際に、その衝撃の一部を外層22が吸収
して中間層24に伝わる衝撃を低減させることができ
る。よって、衝撃強さの低い中間層24および電力ケー
ブルの損傷を防止することができる。また、中間層24
の内側に内層26を未使用の材料で形成することによっ
て、中間層24の内面に付着する異物に邪魔されずに、
電力ケーブルを保護管18の内部に通線することができ
る。 【効果】 リサイクル材料を使用して従来と同等の寸法
に形成しても、実用に耐え得る程度の衝撃強さ等の機械
的強度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電力ケーブル保護管に
関し、特にたとえば内側に通線される電力ケーブルを保
護するための合成樹脂管であって、外側の層を形成する
合成樹脂に衝撃強化剤が配合された、電力ケーブル保護
管に関する。
【0002】
【従来技術】従来の電力ケーブル保護管の一例として図
3に示すものがある。この電力ケーブル保護管1は、単
層構造の円筒形であり、未使用の硬質塩化ビニルを押出
成形して製作されたものである。この保護管1は埋設さ
れて管路を形成し、挿通孔2に電力ケーブルが通線され
る。未使用の硬質塩化ビニルとは、たとえば未だ製品の
成形に使用されていないバージン材料等の硬質塩化ビニ
ルである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電力ケ
ーブル保護管1は、材料として使用する硬質塩化ビニル
が全て未使用のものであり、プラスチック廃棄物(廃プ
ラ)をリサイクルして使用していないという問題があ
る。
【0004】そこで、硬質塩化ビニルからなる廃棄物を
リサイクルして電力ケーブル保護管を形成することが考
えられるが、このような廃棄物を材料として形成した保
護管は、未使用の硬質塩化ビニルを材料として形成した
ものと比較して、特に衝撃強さが劣るし、これ以外の曲
げ強さ等の機械的強度も劣る場合がある。
【0005】たとえば廃プラを材料として形成した保護
管を埋設後、他管工事などで再掘削する場合を想定す
る。この場合、地面をつるはし等によって掘削するが、
この掘削の際に、つるはし等による打撃(衝撃)によっ
て保護管に亀裂,割れ等が生じる可能性が高く、挿通孔
に通線された電力ケーブルが損傷することが考えられ
る。なお、衝撃強さを高めるために管壁の厚みを規定の
寸法よりも厚くすることが考えられるが、費用が嵩むと
いう問題がある。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、プ
ラスチック廃棄物を使用しても衝撃強さや偏平強さ等の
機械的強度の低下を抑えることができる、電力ケーブル
保護管を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、合成樹脂か
らなり、外側の第1層の内側に第2層が形成された管の
内部に電力ケーブルが通線される電力ケーブル保護管で
あって、第1層が合成樹脂100重量部に対して衝撃強
化剤5〜20重量部を配合してなる樹脂組成物によって
形成された、電力ケーブル保護管である。
【0008】
【作用】この電力ケーブル保護管によると、外側の第1
層が合成樹脂100重量部に対して衝撃強化剤5〜20
重量部を配合してなる樹脂組成物によって形成されてい
るので、保護管の外面に衝撃を受けたときに、第1層が
損傷しないようにすることができる。
【0009】そして、保護管の外面に衝撃を受けた際
に、その衝撃の一部を外側の第1層により吸収して、そ
の内側の第2層に伝わる衝撃を低減させることができ
る。これにより、たとえば第2層の材料に衝撃強化剤を
配合していなくても、第2層が衝撃によって損傷を受け
にくくすることができる。そして、第2層が第1層の内
側に形成されているので、この第2層が保護管の偏平強
さや曲げ強さ等を低下させる要因となりにくいと言え
る。したがって、第2層を比較的衝撃強さの低い材料で
形成した場合でも、そのことによる偏平強さや曲げ強さ
等の低下を抑えることができる。なお、第2層が保護管
の曲げ強さ等の低下の要因となりにくいのは、保護管が
変形するときの第2層の変形量が第1層の変形量よりも
小さいからであると考えられる。そして、偏平強さと
は、保護管を偏平にする方向に押しつぶす力に耐える強
さである。
【0010】このように、第2層は、比較的衝撃強さの
低い材料で形成することができるので、たとえばリサイ
クル材料を使用して形成することができる。
【0011】そして、第2層をリサイクル材料で形成し
たときは、第2層の内側に第3層を未使用材料によって
形成するとよい。第3層を形成すると、リサイクル材料
に異物が混入していてその異物が第2層(中間層)の内
面で突出していたり、付着していることがあっても、そ
の異物を第3層(内層)により覆うことができる。これ
により、電力ケーブルを保護管内に通線するときに、第
2層(中間層)の内面で突出する異物が通線の邪魔にな
らないようにすることができ、スムースに通線すること
ができる。
【0012】また、保護管が第1層と第2層とからなる
2層構造であるときは、第1層の厚みを第1層と第2層
との合計の厚みの10〜25%とし、第2層の厚みをこ
れら2層の合計の厚みの75〜90%とする。また、保
護管が第1層,第2層および第3層からなる3層構造で
あるときは、第1層および第3層のそれぞれの厚みを第
1層,第2層および第3層の合計の厚みの10〜25%
とし、第2層の厚みをこれら3層の合計の厚みの50〜
80%とする。これによって、実用的に必要とされる機
械的強度を有する保護管が得られる。
【0013】
【発明の効果】この発明の電力ケーブル保護管によれ
ば、外側の第1層が衝撃強化剤を配合した樹脂組成物に
よって形成されているので、たとえば第2層が衝撃強化
剤を配合していない合成樹脂によって形成されていて、
さらに図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同一の
外径D1および内径d1に形成されていても、衝撃強
さ,偏平強さ,および曲げ強さ等の機械的強度の低下を
実用に耐え得る程度に抑えることができる。そして、第
2層には衝撃強化剤を配合する必要がないので、衝撃強
化剤の費用を削減することができる。
【0014】したがって、第2層を衝撃強さが劣るたと
えばプラスチック廃棄物によって形成することができ
る。このように、第2層をリサイクル材料で形成した電
力ケーブル保護管は、図3に示す従来のものと同様に埋
設して使用することができるし、地面を掘削する際に衝
撃を受けても従来のものと略同じ程度に損傷を受けにく
くすることができる。これによって、保護管内に通線さ
れた電力ケーブルを確実に保護することができる。
【0015】そして、プラスチック廃棄物をリサイクル
できるので、環境保護に貢献することができるし、この
ようにプラスチック廃棄物を利用できるので、コストを
低減することができる。
【0016】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0017】
【実施例】図1に示す第1実施例の電力ケーブル保護管
(以下、単に「保護管」と言うこともある。)18は、
電力ケーブル(図示せず)を保護するためのものであ
り、図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同様に、
たとえば地中に埋設された状態で挿通孔20に電力ケー
ブルが通線されるものである。
【0018】電力ケーブル保護管18は、図1に示すよ
うに、外層(第1層)22,中間層(第2層)24およ
び内層(第3層)26の3層構造となっている。外層2
2,中間層24および内層26は、いずれも円筒形に形
成されており、隣り合うものどうしが互いに密着してい
る。これら3つの各層22,24および26は、表1に
示す材料によって形成されている。
【0019】
【表1】
【0020】外層22よび内層26は、表1に示すよう
に、耐衝撃性硬質塩化ビニル管(EIP)の材料によっ
て形成されており、このEIP材料はプラスチック製品
の成形に使用される前の未使用(バージン)のものであ
る。このEIP材料は、硬質塩化ビニルに衝撃強化剤や
耐熱性を持たせるための安定剤等が配合されたものであ
り、一般にオレンジ色に着色されている。そして、この
実施例で使用されるEIP材料(樹脂組成物)は、硬質
塩化ビニル(合成樹脂)100重量部に対して衝撃強化
剤12重量部を配合したものである。このEIP材料
は、たとえば粒径が75〜250μmの粉状体に形成さ
れたものが成形に使用される。
【0021】衝撃強化剤は、従来公知のものであり、た
とえばアクリルゴム系樹脂である。このアクリルゴム系
樹脂は、メチルアクリレート,エチルアクリレート,ブ
チルアクリレート,オクチルアクリレート等のアクリレ
ートを主体とし、このアクリレートと2−クロルエチル
ビニルエーテル,メチルビニルケトン,アクリル酸,ア
クリロニトリル,ブタジエン等のモノマーとの共重合体
である。
【0022】中間層24が形成されている材料は、表1
に示されている一般リサイクル材である。この一般リサ
イクル材は、元の成形品の状態で衝撃強化剤が含まれて
いないものであって、新たに衝撃強化剤を配合していな
いものである。この一般リサイクル材は、硬質塩化ビニ
ル製の管等のリサイクル材であって、表3(表3は、塩
化ビニル管・継手協会で規定されている分類である。)
に示すICおよびIAの分類を含んでいる。そして、こ
の中間層24の材料は、表2に示すように、ICの分類
に含まれるものであって、この材料を微粉砕したものが
成形に使用される。この微粉砕された材料の粒径は、約
500μmである。分類ICに規定されている対象製
品,パイプ区分,表面変色および内外面汚れは、表3に
示すとおりである。つまり、分類ICの対象製品は、一
般パイプ(パイプ、継手等を含む)であり、鉛が含まれ
ていて灰色に着色されたものである。パイプ区分は、使
用済みである。パイプ区分が使用済みとは、老朽化した
硬質塩化ビニル製の管等の廃材を回収して得られたプラ
スチック廃棄物のことである。表面変色の状態は、著し
く白化変色をしているものが含まれる。内外面の汚れ
は、汚れているものが含まれる。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】この外層22,中間層24および内層26
は、同時押出成形されて、図1に示す電力ケーブル保護
管18に形成されている。この実施例では、保護管18
の内径d1が約150.9mmであり、外径D1が約1
70.5mm,管の厚みt1が約9.8mm,外層22
の厚みt4が約1.8mm,中間層24の厚みt5が約
6.1mm,内層26の厚みt6が約1.9mmであ
る。そして、このように形成された外層22の厚みt4
は、管の厚みt1の約18.4%(=1.8mm/9.
8mm)であり、内層26の厚みt6は、管の厚みt1
の約19.4%(=1.9mm/9.8mm)である
(表4参照)。したがって、中間層24の厚みt5は、
管の厚みt1の約62.2%(=6.1mm/9.8m
m)である。
【0026】
【表4】
【0027】表4は、押出成形された第1実施例の電力
ケーブル保護管18の主要性能である環片圧縮強度,管
体曲げ強度,耐衝撃性および引張強度についての評価結
果を示している。この表4には、中部用品規格(CM
S)を記載してある。この表4に記載されているCMS
は、管の厚みが10mmの地中送電用耐衝撃性硬質塩化
ビニル管の環片圧縮強度等について定められた規格であ
り、保護管18の環片圧縮強度等がこの規格値以上であ
れば安全に使用できることを示すものである。
【0028】表4における「環片圧縮強度」とは、環片
圧縮試験により測定して得られた力(N)である。この
環片圧縮試験方法は、まず、保護管18を所定長さ50
mmに切断して環片を作製し、この環片を試験温度23
±2℃の雰囲気中に1時間状態調整する。そして、環片
を2枚の平板に挟み、管軸と直角の方向に10mm/m
inの速さで10mm圧縮した時の力(N)を測定す
る。この力が環片圧縮強度である。環片圧縮強度の測定
の時には、環片に亀裂や割れが生じないこととする。同
様にして、試験温度60±2℃での環片圧縮強度(N)
を測定する。この環片圧縮強度がCMSで定められてい
る値(試験温度が23℃で980N、60℃で590
N)以上であれば、実用に耐え得る強度を有するとされ
ている。
【0029】「管体曲げ強度」とは、管体曲げ試験によ
り測定して得られた力(N)である。この管体曲げ試験
方法は、まず、長さが1.2mの保護管18を試験温度
23±2℃の雰囲気中に1時間状態調整する。そして、
この保護管18をスパン1mで配置した支持台上に置
く。この支持台は、幅50mm、角度120°開きのV
字型状のものである。そして、スパンの中央点において
管上部から加重金具を介して10mm/minの速さで
鉛直下方向に力を加え、管底の変位が10mmとなった
時の力(N)を測定する。この力が管体曲げ強度であ
る。加重金具は、幅50mm、角度120°開きの逆V
字型状のものである。管体曲げ強度の測定の時には、保
護管18に亀裂や割れが生じないこととする。同様にし
て、試験温度60±2℃での管体曲げ強度(N)を測定
する。この管体曲げ強度がCMSで定められている値
(試験温度が23℃で10800N、60℃で7400
N)以上であれば、実用に耐え得る強度を有するとされ
ている。
【0030】「耐衝撃性」は、保護管18に所定の大き
さの衝撃を与えたときに、保護管18に割れや亀裂が生
じているか否かを判断することによって得られる評価で
ある。この耐衝撃性の試験方法に使用される衝撃試験機
は、所定の長さ(1m)のアームを備えている。このア
ームは、一方の端部が支持軸を中心にして回動自在に支
持されており、他方の端部にたとえば重さが16.16
kgの錘が設けられている。錘には、つるはしの先端部
と同等の形状の突起が形成されている。この衝撃試験機
を使用して電力ケーブル保護管18の耐衝撃性を試験す
るときは、保護管18を支持軸と間隔を隔てて平行に配
置して固定する。そして、錘を垂下位置に対して95°
をなす角度から自由落下させることによって突起を保護
管18に衝突させて打撃を与える。保護管18は、CM
Sで定められている試験温度(0℃,23℃,60℃)
において、この打撃によって割れや亀裂が生じない耐衝
撃性(機械的強度)が必要と考えられる。この機械的強
度が実用に耐え得る機械的強度とされている。
【0031】「引張強度」とは、引張試験により得られた
力(N/mm)である。この引張試験方法は、まず、
保護管18を使用して所定の形状のダンベル試験片を作
製する。そして、この試験片をJISK7113(プラ
スチックの引張試験方法)に準じて10mm/minの
速さで引張り、次式で示すように、降伏点の力Fを断面
積Sで除算して降伏点強度fを算出する。
【0032】f=F/S(N/mm) F:降伏点の力(N) S:断面積(mm) S=t×B t:試験片の厚さの最小値(mm) B:試験片の弦の長さ(幅)の最小値(mm) 試験温度は、23±2℃を原則とする。そして、試験温
度23℃の降伏点強度fを使用して、20℃の降伏点強
度に換算する。同様にして、試験温度60℃で降伏点強
度を算出する。この降伏点強度(N/mm)が引張強
度である。この引張強度がCMSで定められている値
(試験温度が20℃で47N/mm、60℃で22N
/mm)以上であれば、実用に耐え得る強度を有する
とされている。
【0033】次に、このような観点で表4中の第1実施
例を評価すると、表4の結果より明らかなように、第1
実施例の保護管18は、環片圧縮強度,管体曲げ強度,
耐衝撃性および引張強度のいずれにおいてもCMSと比
較して優れた性能を有していると判断することができ
る。
【0034】表4に示すように、第1実施例の保護管1
8の耐衝撃性試験は、試験温度0℃で30個,23℃で
5個および60℃で5個行った。その結果、試験された
全ての保護管18に割れや亀裂が全く生じなかった。こ
れは、第1実施例の保護管18によると、錘に形成され
ている突起が保護管18の外面18aを打撃したとき
に、その打撃による衝撃の一部を外層22によって吸収
して、その内側の中間層24に伝わる衝撃を低減させる
ことができるので、試験された全ての保護管18に割れ
や亀裂が全く生じなかったと考えられる。つまり、外層
22は衝撃強化剤が配合された未使用のEIP材料によ
って形成されているので、外層22の耐衝撃性が優れて
おり、衝撃を受けても損傷しにくいのである。そして、
外層22が受けた衝撃は、外層22によって比較的広い
範囲に分散されて、面積当たりの力が比較的小さい衝撃
となって中間層24に伝わる。したがって、中間層24
は、未使用のEIP材料よりも衝撃強さの小さいリサイ
クル材料(表3の分類ICに属する材料)によって形成
されていても、錘から衝撃を受けたときに、中間層24
が損傷を受けにくくすることができる。このように、第
1実施例の保護管18は、外面18aをつるはしによっ
て打撃したとしても割れや亀裂が生じないと考えること
ができるので、耐衝撃性の面においては実用的に使用す
ることができる。
【0035】次に、管体曲げ強度および環片圧縮強度に
ついては、第1実施例の管体曲げ強度(23℃で210
00N、60℃で18000N)、および環片圧縮強度
(23℃で1200N、60℃で800N)がCMSの
管体曲げ強度(23℃で10800N、60℃で740
0N)、および環片圧縮強度(23℃で980N、60
℃で590N)よりも大きい値となっている。これは、
第1実施例では、中間層24が外層22の内側に形成さ
れており、この中間層24の変形量が外層22の変形量
よりも小さいので、中間層24が保護管18の曲げ強さ
(管体曲げ強度)や偏平強さ(環片圧縮強度)を低下さ
せる要因となりにくいからであると考えられる。このよ
うに、第1実施例の保護管18は、管体曲げ強度および
環片圧縮強度においてCMSを満足しているので、管体
曲げ強度および環片圧縮強度の面において実用的に使用
することができる。
【0036】次に、引張強度については、第1実施例の
引張強度(20℃で53N/mm、60℃で28N/
mm)がCMSの引張強度(20℃で47N/m
、60℃で22N/mm)よりも大きい値となっ
ている。この結果より、この実施例のように、外層22
および内層26を衝撃強化剤が配合されたEIP材料で
形成し、中間層24を衝撃強さの小さいリサイクル材料
(表3の分類ICに属する材料)で形成したものは、C
MSの引張強度を満足できることが分かる。このよう
に、第1実施例の保護管18は、引張強度においてCM
Sを満足しているので、引張強度の面において実用的に
使用することができる。
【0037】このように、第1実施例の保護管18は、
使用済みであって衝撃強化剤が配合されていない硬質塩
化ビニル製の廃棄物(表3の分類ICに属する材料)を
リサイクル材料として中間層24に使用していて、さら
に図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同一の外径
D1および内径d1に形成しても、耐衝撃性,管体曲げ
強度,環片圧縮強度および引張強度等の機械的強度の低
下を実用に耐え得る程度に抑えることができる。
【0038】したがって、電力ケーブル保護管18を、
図3に示す従来のものと同様に埋設して使用することが
できるし、地面を掘削する際につるはし等によって衝撃
を受けても、従来と同様に損傷を受けにくくすることが
できる。よって、挿通孔20内に挿通された電力ケーブ
ルを確実に保護することができる。
【0039】そして、硬質塩化ビニル製の廃棄物をリサ
イクルできるので、環境保護に貢献することができる
し、このように硬質塩化ビニル製の廃棄物を利用できる
ので、製造コスト(材料費)を低減することができる。
【0040】また、この保護管18の内層26による
と、中間層24を構成するリサイクル材料に異物が混入
していてその異物が中間層24の内面で突出していた
り、付着していることがあっても、その異物をこの内層
26により覆うことができる。これにより、電力ケーブ
ルを挿通孔20内に通線するときに、中間層24の内面
で突出する異物が通線の邪魔にならないようにすること
ができる。したがって、電力ケーブルをこの保護管18
の挿通孔20内にスムースに通線することができる。
【0041】次に、第2実施例の電力ケーブル保護管を
説明する。第2実施例の保護管は、図1に示す第1実施
例の保護管と同様に3層構造に形成されたものであるの
で、第2実施例の各層等を第1実施例の各層等と同一の
図面符号を使用して図1を参照して説明する。第2実施
例と第1実施例とが相違するところは、表2に示すよう
に、中間層24が形成されている材料,ならびに外層2
2,内層26および中間層24のそれぞれの厚みであ
る。これ以外は、第1実施例と同等であるので、同等部
分の詳細な説明を省略する。
【0042】中間層24が形成されている材料は、表2
に示すように、一般リサイクル材(衝撃強化剤を含まな
い材料)のうちIAの分類に含まれるものであって、こ
の一般リサイクル材(IA)に対して、新たに衝撃強化
剤を配合していないものである。この材料は、粗粉砕さ
れて成形に使用される。この粗粉砕された材料の粒径
は、約10mmである。つまり、第1実施例の中間層2
4に使用される一般リサイクル材(IC)は、施工に使
用された硬質塩化ビニル製の一般パイプの廃棄物であっ
て、この廃棄物を微粉砕したものであるが、第2実施例
の中間層24に使用される一般リサイクル料(IA)
は、硬質塩化ビニル製の一般パイプを使用したときに発
生する残材および端材であって、このような残材等を粗
粉砕したものである。
【0043】したがって、第2実施例の中間層24の材
料(IA)は、第1実施例の中間層24の材料(IC)
よりも異物が混入している可能性が少ない。そして、表
2に示すように、外層22および内層26の厚みが第2
実施例の方が第1実施例よりも厚く形成されている。よ
って、中間層24の材質、ならびに外層22および内層
26のそれぞれの厚みから判断すると、第2実施例の方
が第1実施例よりも耐衝撃性等の機械的性能が優れてい
ると考えられる。ただし、第2実施例の中間層24の材
料(IA)は、粗粉砕したものであるので、第1実施例
のように微粉砕したものと比較して、粉砕の程度が粗い
分だけ耐衝撃性等の機械的性能が低くなる可能性がある
と考えられる。
【0044】第2実施例の中間層24に使用されるリサ
イクル材料は、分類IAに属しているが、この分類IA
に規定されている対象製品,パイプ区分,表面変色およ
び内外面汚れは、表3に示すとおりである。つまり、分
類IAの対象製品は、ICと同様に一般パイプであり、
鉛が含まれていて灰色に着色されたものである。パイプ
区分は、残材および端材である。この残材および端材と
は、硬質塩化ビニル製の一般パイプを使用したときに発
生するプラスチック廃棄物のことである。表面変色の状
態は、変色がないものである。内外面の汚れは、ほとん
ど汚れがないものである。
【0045】この外層22,中間層24および内層26
は、同時押出成形されて、図1に示すような電力ケーブ
ル保護管18に形成されている。第2実施例では、保護
管18の内径d1が約150.3mmであり、外径D1
が約170.5mm,管の厚みt1が約10.1mm,
外層22の厚みt4が約1.9mm,中間層24の厚み
t5が約5.9mm,内層26の厚みt6が約2.3m
mである。そして、このように形成された外層22の厚
みt4は、管の厚みt1の約18.8%(=1.9mm
/10.1mm)であり、内層26の厚みt6は、管の
厚みt1の約22.8%(=2.3mm/10.1m
m)である(表4参照)。したがって、中間層24の厚
みt5は、管の厚みt1の約58.4%(=5.9mm
/10.1mm)である。
【0046】次に、表4の性能項目に示す環片圧縮強度
等の観点で表4中の第2実施例を評価すると、表4の結
果より明らかなように、第2実施例の保護管18は、環
片圧縮強度,管体曲げ強度,耐衝撃性および引張強度の
いずれにおいてもCMSと比較して優れた性能を有して
いると判断することができる。
【0047】表4に示すように、第2実施例の保護管1
8の耐衝撃性試験は、試験温度0℃で33個,23℃で
5個および60℃で5個行った。その結果、試験された
全ての保護管18に割れや亀裂が全く生じなかった。こ
れは、第2実施例によると、錘に形成されている突起が
保護管18の外面18aを打撃したときに、第1実施例
と同様の理由によって中間層24に伝わる衝撃を低減さ
せることができるので、試験された全ての保護管18に
割れや亀裂が全く生じなかったと考えられる。したがっ
て、中間層24は、外層22の材料である未使用のEI
P材料よりも衝撃強さの小さいリサイクル材料(表3の
分類IAに属する材料)によって形成されていても、錘
から衝撃を受けたときに、中間層24が損傷を受けにく
くすることができる。このように、第2実施例の保護管
18は、外面18aをつるはしによって打撃したとして
も割れや亀裂が生じないと考えることができるので、耐
衝撃性の面においては実用的に使用することができる。
【0048】次に、管体曲げ強度および環片圧縮強度に
ついては、第2実施例の管体曲げ強度(23℃で220
00N、60℃で18000N)、および環片圧縮強度
(23℃で1300N、60℃で800N)がCMSの
対応する各管体曲げ強度、および環片圧縮強度よりも大
きい値となっている。これは、第2実施例でも、第1実
施例と同様に、中間層24が外層22の内側に形成され
ており、この中間層24の変形量が外層22の変形量よ
りも小さいので、中間層24が保護管18の曲げ強さ
(管体曲げ強度)や偏平強さ(環片圧縮強度)を低下さ
せる要因となりにくいからであると考えられる。このよ
うに、第2実施例の保護管18は、管体曲げ強度および
環片圧縮強度においてCMSを満足しているので、管体
曲げ強度および環片圧縮強度の面において実用的に使用
することができる。
【0049】次に、引張強度については、第2実施例の
引張強度(20℃で53N/mm、60℃で29N/
mm)がCMSの対応する各引張強度よりも大きい値
となっている。この結果より、この第2実施例のよう
に、中間層24を衝撃強さの小さいリサイクル材料(表
3の分類IAに属する材料)であって、粗粉砕されたも
のを使用して形成しても、CMSの引張強度を満足でき
ることが分かる。このように、第2実施例の保護管18
は、引張強度においてCMSを満足しているので、引張
強度の面において実用的に使用することができる。
【0050】このように、第2実施例の保護管18は、
衝撃強化剤が含まれていない硬質塩化ビニル製の残材お
よび端材からなる廃棄物(表3の分類IAに属する材
料)をリサイクル材料として中間層24に使用してい
て、さらに図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同
一の外径D1および内径d1に形成しても、耐衝撃性,
管体曲げ強度,環片圧縮強度および引張強度等の機械的
強度の低下を実用に耐え得る程度に抑えることができ
る。
【0051】したがって、第2実施例の保護管18を、
第1実施例および図3に示す従来のものと同様に埋設し
て使用することができる。つまり、つるはし等の衝撃を
受けても、損傷を受けにくくすることができるので、挿
通孔20内に挿通された電力ケーブルを確実に保護でき
る。そして、硬質塩化ビニル製の管の残材および端材か
らなる廃棄物をリサイクルできるので、環境保護に貢献
することができるし、保護管の製造コスト(材料費)を
低減することができる。また、第1実施例と同様に、中
間層24の内側に内層26を形成してあるので、電力ケ
ーブルを挿通孔20内に通線するときに、電力ケーブル
を挿通孔20内にスムースに通線することができる。
【0052】次に、第3実施例の電力ケーブル保護管を
説明する。第3実施例の保護管は、図1に示す第1実施
例の保護管と同様に3層構造に形成されたものであるの
で、第3実施例の各層等を第1実施例の各層等と同一の
図面符号を使用して図1を参照して説明する。第3実施
例と第1実施例とが相違するところは、表2に示すよう
に、中間層24が形成されている材料,ならびに外層2
2,内層26および中間層24のそれぞれの厚みであ
る。これ以外は、第1実施例と同等であるので、同等部
分の詳細な説明を省略する。
【0053】第3実施例の中間層24が形成されている
材料は、表2に示すように、第2実施例の中間層24が
形成されている材料と同じものである。つまり、中間層
24の材料は、一般リサイクル材(元の成形品の状態で
衝撃強化剤が含まれていない材料)のうちIAの分類に
含まれるものであって、この一般リサイクル材(IA)
に対して、新たに衝撃強化剤を配合していないものであ
る。そして、この材料を粗粉砕したものであるので、こ
の材料の詳細な説明を省略する。
【0054】したがって、第3実施例の中間層24の材
料(IA)は、第2実施例と同様に、第1実施例の中間
層24の材料(IC)よりも異物が混入している可能性
が少ないので、中間層24の材質の面から判断すると、
第3実施例の方が第1実施例よりも耐衝撃性等の機械的
性能が優れていると考えられる。ただし、表2に示すよ
うに、第3実施例の中間層24の材料(IA)は、粗粉
砕したものである。そして、外層22および内層26の
厚みが第3実施例の方が第1実施例よりも薄く形成され
ている。よって、微粉砕と粗粉砕との粉砕の程度の差
異、ならびに外層および内層の厚みの差異から判断する
と、第3実施例の方が第1実施例よりも耐衝撃性等の機
械的性能が低くなる可能性があると考えられる。
【0055】第3実施例の中間層24に使用されるリサ
イクル材料は、分類IAに属しているが、この分類IA
に規定されている対象製品,パイプ区分,表面変色およ
び内外面汚れは、表3に示すように第2実施例で説明し
たとおりであるので、それらの詳細な説明を省略する。
【0056】この外層22,中間層24および内層26
は、同時押出成形されて、図1に示すような電力ケーブ
ル保護管18に形成されている。第3実施例では、保護
管18の内径d1が約150.5mmであり、外径D1
が約170.5mm,管の厚みt1が約10.0mm,
外層22の厚みt4が約1.3mm,中間層24の厚み
t5が約7.3mm,内層26の厚みt6が約1.4m
mである。そして、このように形成された外層22の厚
みt4は、管の厚みt1の約13.0%(=1.3mm
/10.0mm)であり、内層26の厚みt6は、管の
厚みt1の約14.0%(=1.4mm/10.0m
m)である(表4参照)。したがって、中間層24の厚
みt5は、管の厚みt1の約73.0%(=7.3mm
/10.0mm)である。
【0057】次に、表4の性能項目に示す環片圧縮強度
等の観点で表4中の第3実施例を評価すると、表4の結
果より明らかなように、第3実施例の保護管18は、環
片圧縮強度,管体曲げ強度,耐衝撃性および引張強度の
いずれにおいてもCMSと比較して優れた性能を有して
いると判断することができる。
【0058】表4に示すように、第3実施例の保護管1
8の耐衝撃性試験は、試験温度0℃で30個,23℃で
5個および60℃で5個行った。その結果、試験された
全ての保護管18に割れや亀裂が全く生じなかった。こ
れは、第3実施例によると、錘に形成されている突起が
保護管18の外面18aを打撃したときに、第1実施例
と同様の理由によって中間層24に伝わる衝撃を低減さ
せることができるので、試験された全ての保護管に割れ
や亀裂が全く生じなかったと考えられる。したがって、
中間層24は、第2実施例と同様に、衝撃強さの小さい
リサイクル材料(表3の分類IAに属する材料)によっ
て形成されていても、錘から衝撃を受けたときに、中間
層24が損傷を受けにくくすることができる。このよう
に、第3実施例の保護管18は、第1および第2実施例
と同様に、外面18aをつるはしによって打撃したとし
ても割れや亀裂が生じないと考えることができるので、
耐衝撃性の面においては実用的に使用することができ
る。
【0059】次に、管体曲げ強度および環片圧縮強度に
ついては、第3実施例の管体曲げ強度(23℃で210
00N、60℃で18000N)、および環片圧縮強度
(23℃で1300N、60℃で900N)がCMSの
対応する各管体曲げ強度、および環片圧縮強度よりも大
きい値となっている。これは、第3実施例でも、第1お
よび第2実施例と同様に、中間層24が外層22の内側
に形成されているので、中間層24が保護管18の曲げ
強さ(管体曲げ強度)や偏平強さ(環片圧縮強度)を低
下させる要因となりにくいからであると考えられる。こ
のように、第3実施例の保護管18は、管体曲げ強度お
よび環片圧縮強度においてCMSを満足しているので、
管体曲げ強度および環片圧縮強度の面において実用的に
使用することができる。
【0060】次に、引張強度については、第3実施例の
引張強度(20℃で54N/mm、60℃で30N/
mm)がCMSの対応する各引張強度よりも大きい値
となっている。この結果より、この第3実施例のよう
に、中間層24を衝撃強さの小さいリサイクル材料(表
3の分類IAに属する材料)であって粗粉砕されたもの
を使用して、さらに表4に示すように、外層22および
内層26の厚みを第1および第2実施例よりも薄く形成
しても、CMSの引張強度を満足できることが分かる。
このように、第3実施例の保護管18は、引張強度にお
いてCMSを満足しているので、引張強度の面において
実用的に使用することができる。
【0061】このように、第3実施例の保護管18は、
衝撃強化剤が含まれていない硬質塩化ビニル製の残材お
よび端材からなる廃棄物(表3の分類IAに属する材
料)をリサイクル材料として中間層24に使用してい
て、外層22および内層26の厚みを第1および第2実
施例よりも薄く形成し、さらに図3に示す従来の電力ケ
ーブル保護管1と同一の外径D1および内径d1に形成
しても、耐衝撃性,管体曲げ強度,環片圧縮強度および
引張強度等の機械的強度の低下を実用に耐え得る程度に
抑えることができる。
【0062】したがって、第3実施例の保護管18を、
第1および第2実施例、ならびに図3に示す従来のもの
と同様に埋設して使用することができる。つまり、つる
はし等の衝撃を受けても、損傷を受けにくくすることが
できるので、挿通孔20内に挿通された電力ケーブルを
確実に保護できる。そして、第1および第2実施例と同
様に、硬質塩化ビニル製の廃棄物をリサイクルできる
し、保護管18の製造コスト(材料費)を低減すること
ができる。また、中間層24の内側に内層26を形成し
てあるので、電力ケーブルを挿通孔20内にスムースに
通線することができる。
【0063】次に、第4実施例の電力ケーブル保護管を
説明する。第4実施例の保護管は、図1に示す第1実施
例の保護管と同様に3層構造に形成されたものであるの
で、第4実施例の各層等を第1実施例の各層等と同一の
図面符号を使用して図1を参照して説明する。第4実施
例と第1実施例とが相違するところは、表2に示すよう
に、中間層24が形成されている材料,ならびに外層2
2,内層26および中間層24のそれぞれの厚みであ
る。これ以外は、第1実施例と同等であるので、同等部
分の詳細な説明を省略する。
【0064】中間層24が形成されている材料は、表2
に示すように、HIリサイクル材のうちICの分類に含
まれるものであって、このHIリサイクル材に対して、
新たに衝撃強化剤を配合していないものである。そし
て、この材料を微粉砕したものが成形に使用される。こ
の微粉砕された材料の粒径は、約500μmである。な
お、第1実施例の中間層24に使用される一般リサイク
ル材(IC)は、使用済みであって衝撃強化剤が含まれ
ていない硬質塩化ビニル製の一般パイプの廃棄物である
が、第4実施例の中間層24に使用されるHIリサイク
ル材は、使用済みであって、成形品の状態で衝撃強化剤
が含まれているHIパイプ(水道用耐衝撃性硬質塩化ビ
ニル管・継手等)の廃棄物である。
【0065】したがって、第4実施例の中間層24の材
料(HI)は、第1実施例の中間層24の材料(IC)
と同程度の量の異物が混入している点で第1実施例と共
通しているが、第1実施例の硬質塩化ビニルのリサイク
ル材料には衝撃強化剤が含まれていないのに対して、第
4実施例の硬質塩化ビニルのリサイクル材料には衝撃強
化剤が含まれている点で第1実施例と相違している。そ
して、表2に示すように、外層22および内層26の厚
みが第4実施例の方が第1実施例よりも厚く形成されて
いる。よって、中間層24の材質(衝撃強化剤が含まれ
ているか否かの差異)の面、ならびに外層22および内
層26の厚みの差異の面から判断すると、第4実施例の
方が第1実施例よりも耐衝撃性等の機械的性能が優れて
いると考えられる。
【0066】第4実施例の中間層24に使用されるリサ
イクル材料は、分類HIに属しているが、この分類HI
に規定されている対象製品,パイプ区分,表面変色およ
び内外面汚れは、表3に示すとおりである。つまり、分
類HIの対象製品は、HIパイプおよび継手を含むもの
であり、群青色に着色されたものである。パイプ区分
は、この実施例ではICと同等のパイプ区分とする。す
なわち、パイプ区分は、使用済みである。パイプ区分が
使用済みとは、老朽化したHIパイプ(パイプ・継手等
を含む)の廃材を回収して得られたプラスチック廃棄物
のことである。表面変色の状態も、この実施例ではIC
と同等の状態とする。すなわち、表面変色の状態は、著
しく白化変色をしているものが含まれる。内外面の汚れ
は、汚れているものが含まれる。
【0067】この外層22,中間層24および内層26
は、同時押出成形されて、図1に示すような保護管に形
成されている。第4実施例では、保護管18の内径d1
が約149.7mmであり、外径D1が約170.5m
m,管の厚みt1が約10.4mm,外層22の厚みt
4が約2.0mm,中間層24の厚みt5が約6.3m
m,内層26の厚みt6が約2.1mmである。そし
て、このように形成された外層22の厚みt4は、管の
厚みt1の約19.2%(=2.0mm/10.4m
m)であり、内層26の厚みt6は、管の厚みt1の約
20.2%(=2.1mm/10.4mm)である(表
4参照)。したがって、中間層24の厚みt5は、管の
厚みt1の約60.6%(=6.3mm/10.4m
m)である。
【0068】次に、表4の性能項目に示す環片圧縮強度
等の観点で表4中の第4実施例を評価すると、表4の結
果より明らかなように、第4実施例の保護管18は、環
片圧縮強度,管体曲げ強度,耐衝撃性および引張強度の
いずれにおいてもCMSと比較して優れた性能を有して
いると判断することができる。
【0069】表4に示すように、第4実施例の保護管1
8の耐衝撃性試験は、試験温度0℃で30個,23℃で
5個および60℃で5個行った。その結果、試験された
全ての保護管18に割れや亀裂が全く生じなかった。こ
れは、第4実施例によると、錘に形成されている突起が
保護管18の外面18aを打撃したときに、第1実施例
と同様の理由によって中間層24に伝わる衝撃を低減さ
せることができるので、試験された全ての保護管18に
割れや亀裂が全く生じなかったと考えられる。したがっ
て、中間層24は、外層22よりもたとえば比較的衝撃
強さの小さいリサイクル材料(表3の分類HIに属する
材料)によって形成されていても、錘から衝撃を受けた
ときに、中間層24が損傷を受けにくくすることができ
る。このように、第4実施例の保護管18は、第1〜第
3実施例と同様に、外面18aをつるはしによって打撃
したとしても割れや亀裂が生じないと考えることができ
るので、耐衝撃性の面においては実用的に使用すること
ができる。
【0070】次に、管体曲げ強度および環片圧縮強度に
ついては、第4実施例の管体曲げ強度(23℃で200
00N、60℃で17000N)、および環片圧縮強度
(23℃で1500N、60℃で1000N)がCMS
の対応する各管体曲げ強度、および環片圧縮強度よりも
大きい値となっている。これは、第4実施例でも、第1
〜第3実施例と同様に、中間層24が外層22の内側に
形成されているので、中間層24が保護管18の曲げ強
さ(管体曲げ強度)等を低下させる要因となりにくいか
らであると考えられる。このように、第4実施例の保護
管18は、管体曲げ強度および環片圧縮強度においてC
MSを満足しているので、管体曲げ強度および環片圧縮
強度の面において実用的に使用することができる。
【0071】次に、引張強度については、第4実施例の
引張強度(20℃で48N/mm、60℃で27N/
mm)がCMSの対応する各引張強度よりも大きい値
となっている。この結果より、第4実施例のように、中
間層24を外層22よりもたとえば比較的衝撃強さの小
さいリサイクル材料(表3の分類HIに属する材料)で
あって微粉砕されたものを使用して、さらに表4に示す
ように、外層22および内層26の厚みを第1〜第3実
施例よりも厚く形成したものでは、CMSの引張強度を
満足できることが分かる。このように、第4実施例の保
護管18は、引張強度においてCMSを満足しているの
で、引張強度の面において実用的に使用することができ
る。
【0072】このように、第4実施例の保護管18は、
HIパイプの廃材を回収して得られたプラスチック廃棄
物(表3の分類HIに属する材料)をリサイクル材料と
して中間層24に使用していても、外層22および内層
26の厚みを第1〜第3実施例よりも厚く形成し、さら
に図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同一の外径
D1および内径d1に形成したものは、耐衝撃性,管体
曲げ強度,環片圧縮強度および引張強度等の機械的強度
の低下を実用に耐え得る程度に抑えることができる。
【0073】したがって、第4実施例の保護管18を、
第1〜第3実施例、およびに図3に示す従来のものと同
様に埋設して使用することができる。つまり、つるはし
等の衝撃を受けても、損傷を受けにくくすることができ
るので、挿通孔20内に挿通された電力ケーブルを確実
に保護できる。そして、第1〜第3実施例と同様に、硬
質塩化ビニル製の廃棄物をリサイクルできるし、保護管
の製造コスト(材料費)を低減することができる。ま
た、中間層24の内側に内層26を形成してあるので、
電力ケーブルを挿通孔20内にスムースに通線すること
ができる。
【0074】次に、第5実施例の電力ケーブル保護管
(リサイクル電力ケーブル保護管)を図2を参照して説
明する。第5実施例の電力ケーブル保護管(以下、単に
「保護管」と言うこともある。)10は、電力ケーブル
(図示せず)を保護するためのものであり、図3に示す
従来の電力ケーブル保護管1と同様に、たとえば地中に
埋設された状態で挿通孔12に電力ケーブルが通線され
るものである。
【0075】電力ケーブル保護管10は、図2に示すよ
うに、外層(第1層)14および内層(第2層)16の
2層構造となっている。外層14および内層16は、い
ずれも円筒形に形成されており、外層14と内層16と
が互いに密着している。外層14および内層16の材質
は、いずれも硬質塩化ビニルである。ただし、内層16
は、硬質塩化ビニルのリサイクル材料で形成されたもの
である。このリサイクル材料は、たとえば老朽化した硬
質塩化ビニル製の管・継手等の廃材を回収して得られた
プラスチック廃棄物からなっている。外層14は、この
ようなリサイクル材料ではなく、硬質塩化ビニルの未使
用材料を使用して成形されたものである。未使用材料
は、たとえばプラスチック製品の成形に使用される前の
バージン材料や、成形工場から出荷される前のプラスチ
ック製品を構成する材料であってバージン材料と同等の
品質(衝撃強さ、曲げ強さ等の機械的強度)を有するも
のを含む。
【0076】ただし、外層14に使用されている硬質塩
化ビニルの未使用材料は、硬質塩化ビニル100重量部
に対して衝撃強化剤12重量部を配合したものである。
この衝撃強化剤は、第1実施例のものと同等である。そ
して、内層16に使用されている硬質塩化ビニルのリサ
イクル材料は、成形品の状態で衝撃強化剤が含まれてい
ないものであるが、衝撃強化剤が含まれているものでも
よい。
【0077】この外層14および内層16は、同時押出
成形により形成されている。この実施例では、たとえば
保護管10の内径d1が150mmであり、外径D1が
約170mm,管の厚みt1が約10mm,外層14の
厚みt2が約4mm,内層16の厚みt3が約6mmで
ある。そして、このように形成された外層14の厚みt
2は、管の厚みt1の40%(=4mm/10mm)で
あり、内層16の厚みt3は、管の厚みt1の60%
(=6mm/10mm)である。
【0078】図1に示す電力ケーブル保護管10による
と、たとえば地面を掘削する際に、つるはし等の先端が
この保護管10の外面10aを打撃したときに、その打
撃による衝撃の一部を外層14によって吸収し、そして
その内側の内層16に伝わる衝撃を低減させることがで
きる。つまり、外層14は未使用の材料により形成され
ているので、衝撃を受けても損傷しにくいのである。そ
して、外層14が受けた衝撃は、外層14によって比較
的広い範囲に分散されて、面積当たりの力が比較的小さ
い衝撃となって内層16に伝わる。したがって、内層1
6は、未使用材料よりも比較的衝撃強さの低いリサイク
ル材料により形成されていても、つるはし等から衝撃を
受けたときに、内層16が損傷を受けにくくすることが
できる。
【0079】そして、内層16は外層14の内側に形成
されているので、保護管10の偏平強さや曲げ強さを低
下させる要因となりにくく、したがって、内層16をリ
サイクル材料で形成したことによる偏平強さや曲げ強さ
の低下を抑えることができる。この偏平強さとは、保護
管10を偏平にする方向に押しつぶす力に耐える強さで
ある。もちろん、曲げ強さや引っ張り強さ等が未使用材
料に近いリサイクル材料を使用すれば、保護管10の偏
平強さや曲げ強さを図3に示す従来の保護管1にさらに
近づけることができる。
【0080】このように、保護管10は、硬質塩化ビニ
ル製品の廃棄物をリサイクル材料として内層16に使用
していて、さらに図3に示す従来の電力ケーブル保護管
1と同一の外径D1および内径d1に形成しても、衝撃
強さ,偏平強さ,および曲げ強さ等の機械的強度の低下
を実用に耐え得る程度に抑えることができる。なお、実
用に耐え得る程度の機械的強度とは、第1実施例で説明
した衝撃試験機によって試験したときに、保護管が錘の
打撃によって割れや亀裂が生じない強度である。
【0081】したがって、電力ケーブル保護管10を、
図3に示す従来のものと同様に埋設して使用することが
できるし、地面を掘削する際につるはし等によって衝撃
を受けても、従来と同様に損傷を受けにくくすることが
できる。よって、挿通孔12内に挿通された電力ケーブ
ルを確実に保護することができる。
【0082】そして、硬質塩化ビニル製品の廃棄物をリ
サイクルできるので、環境保護に貢献することができる
し、このように硬質塩化ビニル製品の廃棄物を利用でき
るので、製造コストを低減することができる。
【0083】次に、第6実施例の電力ケーブル保護管を
説明する。第6実施例の保護管は、図1に示す第1実施
例の保護管と同様に3層構造に形成されたものであるの
で、第6実施例の各層等を第1実施例の各層等と同一の
図面符号を使用して図1を参照して説明する。この電力
ケーブル保護管18は、第5実施例の保護管10と同様
に、挿通孔20に通線された電力ケーブルを保護するた
めのものであり、たとえば地中に埋設されて使用され
る。
【0084】この電力ケーブル保護管18は、図1に示
すように、外層(第1層)22,中間層(第2層)24
および内層(第3層)26の3層構造となっている。外
層22,中間層24および内層26は、いずれも円筒形
に形成されており、隣り合うものどうしが互いに密着し
ている。3つの各層22,24,26の材質は、いずれ
も硬質塩化ビニルである。ただし、外層22および内層
26は、第5実施例の外層14と同等の材料であり、衝
撃強化剤が配合された未使用(新規)の硬質塩化ビニル
を使用して成形されたものである。中間層24は、第5
実施例の内層16と同等の硬質塩化ビニルのリサイクル
材料で形成されたものである。
【0085】この外層22,中間層24および内層26
は、同時押出成形により形成されている。この実施例で
は、たとえば保護管18の内径d1が150mmであ
り、外径D1が約170mm,管の厚みt1が約10m
m,外層22の厚みt4が約2mm,中間層24の厚み
t5が約6mm,内層26の厚みt6が約2mmであ
る。
【0086】そして、このように形成された外層22の
厚みt4は、管の厚みt1の20%(=2mm/10m
m)であり、内層26の厚みt6は、管の厚みt1の2
0%(=2mm/10mm)である。したがって、中間
層24の厚みt5は、管の厚みt1の60%(=6mm
/10mm)である。
【0087】図1に示す電力ケーブル保護管18の外層
22および中間層24は、第5実施例の外層14および
内層16と同様に作用するので詳細な説明を省略する。
この保護管18の内層26によると、中間層24を構成
するリサイクル材料に異物が混入していてその異物が中
間層24の内面で突出していたり、付着していることが
あっても、その異物をこの内層26により覆うことがで
きる。これにより、電力ケーブルを挿通孔20内に通線
するときに、中間層24の内面で突出する異物が通線の
邪魔にならないようにすることができる。したがって、
電力ケーブルをこの保護管18の挿通孔20内にスムー
スに通線することができる。
【0088】このように、硬質塩化ビニル製品の廃棄物
をリサイクル材料として中間層24に使用していて、さ
らに図3に示す従来の電力ケーブル保護管1と同一の外
径D1および内径d1に形成しても、衝撃強さ,偏平強
さ,および曲げ強さ等の機械的強度の低下を実用に耐え
得る程度に抑えることができる。よって、挿通孔20内
に挿通された電力ケーブルを確実に保護することができ
る。これ以外は、第1実施例と同様に作用するので詳細
な説明を省略する。
【0089】ただし、第1〜第4実施例では、外層22
および内層26の材料であるEIP材料として、硬質塩
化ビニル100重量部に対して衝撃強化剤12重量部を
配合したものを使用したが、衝撃強化剤を12重量部以
外の配合量としてもよい。そして、第5実施例の外層1
4、ならびに第6実施例の外層22および内層26は、
硬質塩化ビニル100重量部に対して衝撃強化剤12重
量部を配合した硬質塩化ビニルを使用したが、衝撃強化
剤を12重量部以外の配合量としてもよい。なお、各実
施例において、衝撃強化剤の好ましい配合量は、5〜2
0重量部である。衝撃強化剤の配合量が5重量部未満で
あると、成形物の耐衝撃性をほとんど改善することがで
きない。そして、配合量が20重量部を超えるようにし
ても、耐衝撃性をさらに向上させる効果が小さいので、
コストアップとなる。
【0090】そして、第1実施例では、表4に示すよう
に、外層22,中間層24および内層26のそれぞれの
厚みを外層22,中間層24および内層26の合計の厚
み(管の厚みt1)の18.4%,62.2%および1
9.4%とし、第2実施例では18.8%,58.4%
および22.8%としてあり、第3実施例では13.0
%,73.0%および14.0%とし、第4実施例では
19.2%,60.6%および20.2%としてあり、
さらに第6実施例では20%,60%および20%とし
たが、これ以外の厚みとしてもよい。なお、好ましい外
層22および内層26のそれぞれの厚みは、管の厚みt
1の10〜25%であり、好ましい中間層24の厚み
は、管の厚みt1の50〜80%である。外層22およ
び内層26のそれぞれの厚みが10%未満であると、実
用に耐え得る程度の耐衝撃性を確保することができない
ことがある。そして、外層22および内層26のそれぞ
れの厚みを25%を超えるようにしても、対衝撃性を実
用上必要とされる程度を超えてしまうことになる。この
ようにすると、外層22および内層26に使用される未
使用のEIP材料や硬質塩化ビニルの使用量が多くなり
コストアップとなる。さらに、外層22および内層26
のそれぞれの厚みの増加分だけ中間層24の厚みが薄く
なって、リサイクル材料の使用量が少なくなる。その結
果、環境保護の貢献度が低下する。したがって、外層2
2および内層26のそれぞれの厚みを、管の厚みt1の
10〜25%することによって、中間層を好ましい厚み
(管の厚みt1の50〜80%)に形成することができ
る。
【0091】また、第5実施例では、外層14の厚みを
外層14および内層16の合計の厚み(管の厚みt1)
の40%とし、内層16の厚みを管の厚みt1の60%
としたが、これ以外の厚みとしてもよい。なお、一般に
使用される保護管として好ましい外層14の厚みは、管
の厚みt1の10〜25%であり、好ましい内層16の
厚みは、管の厚みt1の75〜90%である。外層14
の厚みが10%未満であると、実用に耐え得る程度の耐
衝撃性を確保することができないことがある。そして、
外層14の厚みを25%を超えるようにしても、対衝撃
性を実用上必要とされる程度を超えてしまうことにな
る。ただし、第5実施例では、外層14の厚みを管の厚
みt1の40%としたことによって、機械的強度におい
て高い安全率の保護管を提供することができる。このよ
うな保護管は、重要な設備の施工に使用することができ
る。
【0092】また、第1〜第4実施例では、中間層24
の材料として、一般パイプやHIパイプ等のリサイクル
材料を使用しており、そして、第5実施例の内層16お
よび第6実施例の中間層24の材料として、それぞれ硬
質塩化ビニルのリサイクル材料を使用したが、これらに
代えて、プラスチック製品の成形に使用される前の未使
用の硬質塩化ビニル樹脂材料や、未使用のその他の材質
の合成樹脂材料(ポリエチレン,ポリプロピレン等)を
使用してもよい。この未使用の合成樹脂材料には、衝撃
強化剤を配合する必要がないので、その分のコストを低
減させることができる。このように、衝撃強化剤を配合
する必要がないのは、第1〜第3実施例の各保護管の機
械的強度が実用に耐え得るものだからである。これら各
実施例の中間層24は、衝撃強化剤を含まないし、新た
に配合もされていないリサイクル材料によって形成され
たものである。
【0093】そして、第1〜第4実施例では、外層22
および内層26をEIP材料によって形成したが、これ
以外の組成の塩化ビニル系樹脂によって形成してもよ
い。
【0094】また、第1〜第6実施例の中間層24およ
び内層16は、1種類の材質(硬質塩化ビニル)のプラ
スチック廃棄物からなるリサイクル材料を使用して形成
したが、これに代えて、2種類以上の材質を含むプラス
チック廃棄物からなるリサイクル材料を使用して形成し
てもよい。
【0095】さらに、第1〜第6実施例の各保護管のそ
れぞれの外径D1および内径d1は、約170mmおよ
び約150mmとしたが、これ以外の寸法にしてもよ
い。
【0096】そして、第1〜第6実施例の各層を形成す
る材料には、たとえば公知の熱や光に対する安定剤,滑
材,充填材,および顔料等が配合されていてもよい。
【0097】また、第1〜第6実施例に使用される衝撃
強化剤としてアクリルゴム系樹脂を例に挙げたが、これ
以外のたとえばABS系樹脂,MBS系樹脂および塩素
化ポリエチレンのうちのいずれかを使用してもよい。ま
た、これらアクリルゴム系樹脂,ABS系樹脂等のうち
の2種類以上を併用してもよい。
【0098】なお、ABS系樹脂は、ポリブタジエン,
スチレン−ブタジエン共重合体等のゴム成分にスチレ
ン,アクリロニトリル,メタクリロニトリル等がグラフ
ト重合されたものであって、ゴム成分が20〜70wt
%含まれるものが好ましい。また、その分子量は比粘度
で0.5〜0.8のものが好ましい。なお、比粘度は
0.4g/100mlの濃度のクロロホルム溶液を25
℃で測定したものである。
【0099】MBS系樹脂は、ポリブタジエン,スチレ
ン−ブタジエン系共重合体等のゴム系樹脂に、メチルア
クリレート,エチルアクリレート,エチルメタクリレー
ト等のアクリルモノマー,アクリロニトリル,メタクリ
ロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー,スチレ
ン,α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー等をグ
ラフト重合したグラフト重合体であって、ゴム系樹脂成
分が40〜60wt%のものが好ましい。
【0100】塩素化ポリエチレンは、塩素化度が大き過
ぎても小さ過ぎても耐衝撃性を向上させる効果が低下す
るので、30〜40wt%のものが好ましい。また、平
均分子量は10万〜15万のものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明に係る電力ケーブル保護管の
第1〜第4実施例および第6実施例を示す軸方向と垂直
な縦断面図、(B)は図1(A)の第1〜第4実施例お
よび第6実施例を示す軸方向と平行する縦断面図であ
る。
【図2】(A)はこの発明に係る電力ケーブル保護管の
第5実施例を示す軸方向と垂直な縦断面図、(B)は図
2(A)の第5実施例を示す軸方向と平行する縦断面図
である。
【図3】(A)は従来の電力ケーブル保護管を示す軸方
向と垂直な縦断面図、(B)は図3(A)の従来の電力
ケーブル保護管を示す軸方向と平行する縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10,18 …電力ケーブル保護管 12,20 …挿通孔 14,22 …外層 16,26 …内層 24 …中間層
フロントページの続き (72)発明者 宮▲崎▼ 圭次 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 (72)発明者 越智 聡 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 (72)発明者 井上 裕介 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 (72)発明者 今久保 謙一郎 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 (72)発明者 小林 真一 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 石原 勇人 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 BA31 BA34 CB03 CB04 CB14 CB29 CC14 CC19 DA26 DB23 EA04 5G369 AA19 BA04 DC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂からなり、外側の第1層の内側に
    第2層が形成された管の内部に電力ケーブルが通線され
    る電力ケーブル保護管であって、 前記第1層が合成樹脂100重量部に対して衝撃強化剤
    5〜20重量部を配合してなる樹脂組成物によって形成
    された、電力ケーブル保護管。
  2. 【請求項2】前記第1層の厚みが前記第1層と前記第2
    層との合計の厚みの10〜25%である、請求項1記載
    の電力ケーブル保護管。
  3. 【請求項3】前記第2層の内側に第3層をさらに形成
    し、前記第3層が合成樹脂100重量部に対して衝撃強
    化剤5〜20重量部を配合してなる樹脂組成物によって
    形成された、請求項1記載の電力ケーブル保護管。
  4. 【請求項4】前記第1層および前記第3層のそれぞれの
    厚みが前記第1層、前記第2層および前記第3層の合計
    の厚みの10〜25%である、請求項3記載の電力ケー
    ブル保護管。
  5. 【請求項5】前記第2層がリサイクル材料からなる、請
    求項1ないし4のいずれかに記載の電力ケーブル保護
    管。
JP2002187032A 2001-06-28 2002-06-27 電力ケーブル用保護管 Pending JP2003083476A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002187032A JP2003083476A (ja) 2001-06-28 2002-06-27 電力ケーブル用保護管

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195927 2001-06-28
JP2001-195927 2001-06-28
JP2002187032A JP2003083476A (ja) 2001-06-28 2002-06-27 電力ケーブル用保護管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003083476A true JP2003083476A (ja) 2003-03-19

Family

ID=26617714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002187032A Pending JP2003083476A (ja) 2001-06-28 2002-06-27 電力ケーブル用保護管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003083476A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328313A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂コンパウンド及びそれを用いた電力ケーブル防護管
JP2010233279A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Sekisui Chem Co Ltd ケーブル用防護管及びケーブル用防護管路
CN113078592A (zh) * 2021-03-24 2021-07-06 来安县友鹏交通设备有限公司 一种高阻燃电缆保护管及其制备方法

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5095470U (ja) * 1973-12-31 1975-08-09
JPS50129670U (ja) * 1974-04-10 1975-10-24
JPS5312516A (en) * 1976-07-21 1978-02-04 Sekisui Chem Co Ltd Laminated pipe
JPS5620329U (ja) * 1979-07-23 1981-02-23
JPS5674915U (ja) * 1979-11-15 1981-06-19
JPH0178786U (ja) * 1987-11-17 1989-05-26
JPH065944U (ja) * 1992-07-03 1994-01-25 古河電気工業株式会社 積層可撓管
JPH06315978A (ja) * 1994-04-08 1994-11-15 Dainippon Plastics Co Ltd プラスチックス螺旋巻き管及びその製造方法
JPH074568A (ja) * 1993-06-14 1995-01-10 Sekisui Chem Co Ltd 繊維強化合成樹脂管
JPH0935U (ja) * 1992-10-01 1997-01-17 容久 申 水道管
JPH10252954A (ja) * 1997-03-12 1998-09-22 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ケーブル埋設管路に使用される管体ユニット及びその製造方法、並びに管路接続構造
JPH1151260A (ja) * 1997-07-29 1999-02-26 U C Sangyo Kk 耐圧合成樹脂管及びその製造方法
JP2000229344A (ja) * 1999-02-12 2000-08-22 Sekisui Chem Co Ltd 多層管の製造方法
JP2000297886A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Sekisui Chem Co Ltd 多層管
JP2002089755A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 三層発泡パイプ
JP2002286168A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Sekisui Chem Co Ltd 多層樹脂管

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5095470U (ja) * 1973-12-31 1975-08-09
JPS50129670U (ja) * 1974-04-10 1975-10-24
JPS5312516A (en) * 1976-07-21 1978-02-04 Sekisui Chem Co Ltd Laminated pipe
JPS5620329U (ja) * 1979-07-23 1981-02-23
JPS5674915U (ja) * 1979-11-15 1981-06-19
JPH0178786U (ja) * 1987-11-17 1989-05-26
JPH065944U (ja) * 1992-07-03 1994-01-25 古河電気工業株式会社 積層可撓管
JPH0935U (ja) * 1992-10-01 1997-01-17 容久 申 水道管
JPH074568A (ja) * 1993-06-14 1995-01-10 Sekisui Chem Co Ltd 繊維強化合成樹脂管
JPH06315978A (ja) * 1994-04-08 1994-11-15 Dainippon Plastics Co Ltd プラスチックス螺旋巻き管及びその製造方法
JPH10252954A (ja) * 1997-03-12 1998-09-22 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ケーブル埋設管路に使用される管体ユニット及びその製造方法、並びに管路接続構造
JPH1151260A (ja) * 1997-07-29 1999-02-26 U C Sangyo Kk 耐圧合成樹脂管及びその製造方法
JP2000229344A (ja) * 1999-02-12 2000-08-22 Sekisui Chem Co Ltd 多層管の製造方法
JP2000297886A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Sekisui Chem Co Ltd 多層管
JP2002089755A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 三層発泡パイプ
JP2002286168A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Sekisui Chem Co Ltd 多層樹脂管

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328313A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂コンパウンド及びそれを用いた電力ケーブル防護管
JP2010233279A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Sekisui Chem Co Ltd ケーブル用防護管及びケーブル用防護管路
CN113078592A (zh) * 2021-03-24 2021-07-06 来安县友鹏交通设备有限公司 一种高阻燃电缆保护管及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107556645A (zh) 一种用于充电桩电缆的弹性体绝缘包覆材料及其制备方法
JP6309171B2 (ja) ケーブル廃棄物からリサイクルされたポリエチレンに基づく組成物
CN105026468B (zh) 热塑性复合材料
CN106947184A (zh) 一种环保型耐高、低温耐油聚氯乙烯电缆护套料
JP2003083476A (ja) 電力ケーブル用保護管
US20060252885A1 (en) PVC Alloy For Use In Air Bag Doors
WO2016199388A1 (ja) ホース用ゴム組成物及びホース
KR100915000B1 (ko) 도로표지판용 플라스틱 복합 쉬트 및 그 제조방법
JP2570340B2 (ja) 免震構造体
GB2476576A (en) Composition for use in components requiring a surface appearance of cast iron
JPH07206005A (ja) ゴミ袋
EP0449701A1 (en) Polyvinyl chloride pipe for the inner lining of existing pipes
KR102308108B1 (ko) 합성목재
CN110726013B (zh) 一种pe管件及其生产工艺
JP7335237B2 (ja) ブラスト処理用養生シート
JPH1158626A (ja) 積層板
JP4052512B2 (ja) 養生フィルム
JPH1014072A (ja) 地中線用ケーブル保護管
CN110050029A (zh) 用于注塑包覆成型的柔性聚卤乙烯
JP2003321590A (ja) 塩化ビニル壁紙を再利用した遮音材用樹脂組成物
JP2012067257A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及び可撓性ケーブル防護管
JP5243071B2 (ja) 耐火セグメント
JP3051156B2 (ja) 半導電性樹脂組成物からなる電子写真装置用ベルト
JP2003128862A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物及び螺旋管
JP2003056762A (ja) 樹脂被覆金属管

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050707

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080422

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080715