JPH1014072A - 地中線用ケーブル保護管 - Google Patents
地中線用ケーブル保護管Info
- Publication number
- JPH1014072A JPH1014072A JP8156697A JP15669796A JPH1014072A JP H1014072 A JPH1014072 A JP H1014072A JP 8156697 A JP8156697 A JP 8156697A JP 15669796 A JP15669796 A JP 15669796A JP H1014072 A JPH1014072 A JP H1014072A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- polyvinyl chloride
- pvc
- resistance
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- Prior art date
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- Pending
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- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 重合度800〜1300のポリ塩化ビニル1
00重量部に対し、重合度700〜1050であり塩素
化度63〜70%の塩素化ポリ塩化ビニルを5〜10重
量部、耐熱性ABSを21〜30重量部を配合する。こ
れにより、ポリ塩化ビニルの優れた耐候性を劣化させる
ことなく、耐熱性,耐衝撃性および剛性にバランスよく
優れた樹脂組成物が得られる。 【効果】 ポリ塩化ビニルに、塩素化ポリ塩化ビニルと
耐熱性ABSを適量配合することにより、地中線用ケー
ブル保護管としての要求性能を満足する樹脂組成物が得
られた。特に、耐熱性および剛性に優れる。
00重量部に対し、重合度700〜1050であり塩素
化度63〜70%の塩素化ポリ塩化ビニルを5〜10重
量部、耐熱性ABSを21〜30重量部を配合する。こ
れにより、ポリ塩化ビニルの優れた耐候性を劣化させる
ことなく、耐熱性,耐衝撃性および剛性にバランスよく
優れた樹脂組成物が得られる。 【効果】 ポリ塩化ビニルに、塩素化ポリ塩化ビニルと
耐熱性ABSを適量配合することにより、地中線用ケー
ブル保護管としての要求性能を満足する樹脂組成物が得
られた。特に、耐熱性および剛性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は地中線用ケーブル保護
管に関し、特にたとえば、土中に架設するケーブルを土
圧または活荷重等から保護する、地中線用ケーブル保護
管に関する。
管に関し、特にたとえば、土中に架設するケーブルを土
圧または活荷重等から保護する、地中線用ケーブル保護
管に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の地中線用ケーブル保護管とし
て、ポリ塩化ビニル樹脂を主体とする樹脂組成物を用い
た例が公知である。つまり、たとえば昭和61年6月2
7日に出願広告された特公昭61−27972号公報に
おいて、耐熱性,耐衝撃性および耐候性に優れるとされ
るケーブル保護管が開示されている。この従来技術で
は、塩素含有量が63〜70%の塩素化ポリ塩化ビニル
樹脂(以下、CPVCと略称する)15〜50重量部
と、重合度800〜1500のポリ塩化ビニル樹脂(以
下、PVCと略称する)85〜50重量部とを混合した
樹脂組成物100重量部に対し、アクリル系ゴムを主成
分とする衝撃強化剤を5〜20重量部配合した。
て、ポリ塩化ビニル樹脂を主体とする樹脂組成物を用い
た例が公知である。つまり、たとえば昭和61年6月2
7日に出願広告された特公昭61−27972号公報に
おいて、耐熱性,耐衝撃性および耐候性に優れるとされ
るケーブル保護管が開示されている。この従来技術で
は、塩素含有量が63〜70%の塩素化ポリ塩化ビニル
樹脂(以下、CPVCと略称する)15〜50重量部
と、重合度800〜1500のポリ塩化ビニル樹脂(以
下、PVCと略称する)85〜50重量部とを混合した
樹脂組成物100重量部に対し、アクリル系ゴムを主成
分とする衝撃強化剤を5〜20重量部配合した。
【0003】また、CPVCおよびPVCの配合条件の
み、上記従来例と異ならしめた例が、平成1年3月30
日に出願広告された特公平1−17326号公報に開示
されている。これら従来技術では、PVCに適量のCP
VCを混合することによって、PVCの耐熱性およびC
PVCの耐衝撃性を改良しようとするものである。この
CPVCに代えて、PVCに耐熱性ABSを配合して、
PVCの耐熱性を補おうとする例が、平成1年5月9日
に出願広告された特公平1−24006号公報に開示さ
れている。この従来技術は、耐熱型ABS樹脂5〜50
重量部と重合度800〜1500のPVC95〜50重
量部とを混合した樹脂組成物100重量部に対し、アク
リル系ゴムを主成分とする衝撃強化剤を配合したもので
ある。
み、上記従来例と異ならしめた例が、平成1年3月30
日に出願広告された特公平1−17326号公報に開示
されている。これら従来技術では、PVCに適量のCP
VCを混合することによって、PVCの耐熱性およびC
PVCの耐衝撃性を改良しようとするものである。この
CPVCに代えて、PVCに耐熱性ABSを配合して、
PVCの耐熱性を補おうとする例が、平成1年5月9日
に出願広告された特公平1−24006号公報に開示さ
れている。この従来技術は、耐熱型ABS樹脂5〜50
重量部と重合度800〜1500のPVC95〜50重
量部とを混合した樹脂組成物100重量部に対し、アク
リル系ゴムを主成分とする衝撃強化剤を配合したもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、PVCの
優れた耐候性や難燃性に加え、その原料の安定性および
低コストであることから、PVCを主体とした樹脂組成
物が地中線用のケーブル保護管として多く使用されてい
る。しかしながら、PVCの熱安定性,加工流動性およ
び耐熱変形性を改良するのに伴って、PVCの利点(耐
候性や難燃性)が損なわれるといった、特性にトレード
オフの関係が存在することから、耐熱性,耐衝撃性およ
び耐候性にバランスよく優れる組成物を生成することは
容易ではなかった。特に、発熱量の大きいケーブルを保
護する場合には、高い耐熱性が要求されるとともに、そ
の発熱にも容易に軟化しない剛性が必要となる。
優れた耐候性や難燃性に加え、その原料の安定性および
低コストであることから、PVCを主体とした樹脂組成
物が地中線用のケーブル保護管として多く使用されてい
る。しかしながら、PVCの熱安定性,加工流動性およ
び耐熱変形性を改良するのに伴って、PVCの利点(耐
候性や難燃性)が損なわれるといった、特性にトレード
オフの関係が存在することから、耐熱性,耐衝撃性およ
び耐候性にバランスよく優れる組成物を生成することは
容易ではなかった。特に、発熱量の大きいケーブルを保
護する場合には、高い耐熱性が要求されるとともに、そ
の発熱にも容易に軟化しない剛性が必要となる。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、耐
熱性,耐衝撃性および耐候性にバランスよく優れ、しか
も高剛性である信頼性の高い地中線用のケーブル保護管
を提供することである。
熱性,耐衝撃性および耐候性にバランスよく優れ、しか
も高剛性である信頼性の高い地中線用のケーブル保護管
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、重合度80
0〜1300のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、耐熱性ABS樹脂21〜30重量部と、重合度70
0〜1050の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂5〜10重量
部とを主成分として配合した樹脂組成物を成形加工して
なる、地中線用ケーブル保護管である。
0〜1300のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、耐熱性ABS樹脂21〜30重量部と、重合度70
0〜1050の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂5〜10重量
部とを主成分として配合した樹脂組成物を成形加工して
なる、地中線用ケーブル保護管である。
【0007】
【作用】ポリ塩化ビニルに適量の塩素化ポリ塩化ビニル
および耐熱性ABSを混合すると、ポリ塩化ビニルおよ
び塩素化ポリ塩化ビニルの耐衝撃性が、耐熱性ABSに
よって改良される。逆に、耐熱性ABSの耐候性は、ポ
リ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルで補われる。
また、ポリ塩化ビニルの耐熱性は、耐熱性ABSおよび
塩素化ポリ塩化ビニルによって、大幅に向上できる。
および耐熱性ABSを混合すると、ポリ塩化ビニルおよ
び塩素化ポリ塩化ビニルの耐衝撃性が、耐熱性ABSに
よって改良される。逆に、耐熱性ABSの耐候性は、ポ
リ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルで補われる。
また、ポリ塩化ビニルの耐熱性は、耐熱性ABSおよび
塩素化ポリ塩化ビニルによって、大幅に向上できる。
【0008】このように、ポリ塩化ビニル,塩素化ポリ
塩化ビニルおよび耐熱性ABSの3成分を適量配合する
ことによって、耐熱性,耐衝撃性および耐候性にバラン
スよく優れるとともに、剛性のある樹脂組成物を得るこ
とができる。
塩化ビニルおよび耐熱性ABSの3成分を適量配合する
ことによって、耐熱性,耐衝撃性および耐候性にバラン
スよく優れるとともに、剛性のある樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0009】
【発明の効果】この発明によれば、地中線用ケーブル保
護管としての要求性能をバランスよく兼ね備えた樹脂組
成物を得ることができる。この発明の上述の目的,その
他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下
の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
護管としての要求性能をバランスよく兼ね備えた樹脂組
成物を得ることができる。この発明の上述の目的,その
他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下
の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【実施例】この発明の地中線用ケーブル保護管(図示せ
ず)は、低コストであり、しかも耐候性に優れるポリ塩
化ビニルを主体とする樹脂組成物を、たとえば押出成形
法により加工したものであって、このポリ塩化ビニル
に、適量の塩素化ポリ塩化ビニルおよび耐熱性ABSが
配合される。
ず)は、低コストであり、しかも耐候性に優れるポリ塩
化ビニルを主体とする樹脂組成物を、たとえば押出成形
法により加工したものであって、このポリ塩化ビニル
に、適量の塩素化ポリ塩化ビニルおよび耐熱性ABSが
配合される。
【0011】この発明で利用可能なポリ塩化ビニル(以
下、PVCと略称する)とは、既に公知である塊状重合
法あるいは懸濁重合法等で生成され、重合度800〜1
300で重合されたポリマーを指す。PVCは、一般
に、優れた耐候性および難燃性を有する反面、耐熱性に
難点がある。そこで、PVCの塩素化度を上げることに
より、耐熱性を向上させることができるが、塩素化度が
上がるに従って、溶融流動性が低下し、加工性が悪化す
る。また、PVCにMBS(メチルメタクリレートブタ
ジエンスチレン)に代表される衝撃強化剤を添加するこ
とによって、ゲル化が促進され、耐衝撃性および成形加
工性はさらに向上するが、その一方で耐候性が低下す
る。このような特性を改質するうえで、PVCの成形に
あたっては、適量の熱安定剤,滑剤,顔料等が加えられ
る。
下、PVCと略称する)とは、既に公知である塊状重合
法あるいは懸濁重合法等で生成され、重合度800〜1
300で重合されたポリマーを指す。PVCは、一般
に、優れた耐候性および難燃性を有する反面、耐熱性に
難点がある。そこで、PVCの塩素化度を上げることに
より、耐熱性を向上させることができるが、塩素化度が
上がるに従って、溶融流動性が低下し、加工性が悪化す
る。また、PVCにMBS(メチルメタクリレートブタ
ジエンスチレン)に代表される衝撃強化剤を添加するこ
とによって、ゲル化が促進され、耐衝撃性および成形加
工性はさらに向上するが、その一方で耐候性が低下す
る。このような特性を改質するうえで、PVCの成形に
あたっては、適量の熱安定剤,滑剤,顔料等が加えられ
る。
【0012】熱安定剤は、PVCの熱安定化(変色防
止)を図るものであり、この熱安定剤としては、たとえ
ば、鉛系安定剤に属する三塩基性硫酸鉛,塩素系ケイ酸
/硫酸鉛,二塩基性ステアリン酸鉛,二塩基性フタル酸
鉛および二塩基性亜リン酸鉛、有機スズ安定剤等が挙げ
られる。滑剤は、ポリマー間の摩擦を少なくして、成形
加工時に必要以上に摩擦熱が発生するのを防止し、ま
た、ポリマーと加工機械の表面との滑りを改善して、た
とえば押出成形の際に、加熱された成形機の表面にPV
Cが付着するのを防止する。この滑剤としては、たとえ
ば、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸バリウム複合
体のような金属石けん系滑剤などが選択される。
止)を図るものであり、この熱安定剤としては、たとえ
ば、鉛系安定剤に属する三塩基性硫酸鉛,塩素系ケイ酸
/硫酸鉛,二塩基性ステアリン酸鉛,二塩基性フタル酸
鉛および二塩基性亜リン酸鉛、有機スズ安定剤等が挙げ
られる。滑剤は、ポリマー間の摩擦を少なくして、成形
加工時に必要以上に摩擦熱が発生するのを防止し、ま
た、ポリマーと加工機械の表面との滑りを改善して、た
とえば押出成形の際に、加熱された成形機の表面にPV
Cが付着するのを防止する。この滑剤としては、たとえ
ば、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸バリウム複合
体のような金属石けん系滑剤などが選択される。
【0013】この発明で利用可能な塩素化ポリ塩化ビニ
ル(以下、CPVCと略称する)とは、たとえば、触媒
または塩素化溶剤の存在下でPVCを水中に懸濁し、塩
素を付加して生成され、重合度が700〜1050の範
囲内であり、しかも塩素化度が63〜70%の範囲内の
ものである。このCPVCは、PVCに比べて、耐熱性
に優れるが、軟化点が高いため、成形加工性に劣る。
ル(以下、CPVCと略称する)とは、たとえば、触媒
または塩素化溶剤の存在下でPVCを水中に懸濁し、塩
素を付加して生成され、重合度が700〜1050の範
囲内であり、しかも塩素化度が63〜70%の範囲内の
ものである。このCPVCは、PVCに比べて、耐熱性
に優れるが、軟化点が高いため、成形加工性に劣る。
【0014】また、この発明で利用可能な耐熱性ABS
とは、たとえばアクリロニトリル,α−メチルスチレン
およびメタクリル酸メチルの混合物を乳化重合した共重
合体に対し、ジエン系合成ゴムにメタクリル酸メチルを
乳化重合したグラフト共重合物を適量添加した熱可塑性
組成物である。すなわち、共重合変性によって、アクリ
ロニトリルは、剛性,耐熱性および耐候性に優れたポリ
マーとなり、α−メチルスチレンは、耐熱性が向上す
る。また、メタクリル酸メチルポリマーは、光学特性お
よび耐候性に優れる。そして、ジエン系ゴム(たとえば
ブタジエンゴム)にメタクリル酸メチルをグラフトする
と、ゴムに基づく耐衝撃性が加わり、その結果として、
ABS樹脂の耐候性,耐衝撃性および成形加工性などの
特徴をもち、そのうえで高い耐熱性および剛性を有する
耐熱性ABS樹脂が得られる。
とは、たとえばアクリロニトリル,α−メチルスチレン
およびメタクリル酸メチルの混合物を乳化重合した共重
合体に対し、ジエン系合成ゴムにメタクリル酸メチルを
乳化重合したグラフト共重合物を適量添加した熱可塑性
組成物である。すなわち、共重合変性によって、アクリ
ロニトリルは、剛性,耐熱性および耐候性に優れたポリ
マーとなり、α−メチルスチレンは、耐熱性が向上す
る。また、メタクリル酸メチルポリマーは、光学特性お
よび耐候性に優れる。そして、ジエン系ゴム(たとえば
ブタジエンゴム)にメタクリル酸メチルをグラフトする
と、ゴムに基づく耐衝撃性が加わり、その結果として、
ABS樹脂の耐候性,耐衝撃性および成形加工性などの
特徴をもち、そのうえで高い耐熱性および剛性を有する
耐熱性ABS樹脂が得られる。
【0015】これら3種類の熱可塑性樹脂(PVC,C
PVCおよび耐熱性ABS)を適量混合することによ
り、地中線用ケーブル保護管の要求性能を十分に満足す
る樹脂組成物が得られることを見いだした。つまり、P
VCに配合するCPVCおよび耐熱性ABSの割合は、
重合度800〜1300のPVC100重量部に対し、
重合度700〜1050および塩素化度63〜70%の
CPVCを5〜10重量部、耐熱性ABSを21〜30
重量部であり、その結果、PVCの利点を損なわずに、
地中線用ケーブル保護管として特に要求され、PVCに
欠けている耐熱性および剛性は向上できる。
PVCおよび耐熱性ABS)を適量混合することによ
り、地中線用ケーブル保護管の要求性能を十分に満足す
る樹脂組成物が得られることを見いだした。つまり、P
VCに配合するCPVCおよび耐熱性ABSの割合は、
重合度800〜1300のPVC100重量部に対し、
重合度700〜1050および塩素化度63〜70%の
CPVCを5〜10重量部、耐熱性ABSを21〜30
重量部であり、その結果、PVCの利点を損なわずに、
地中線用ケーブル保護管として特に要求され、PVCに
欠けている耐熱性および剛性は向上できる。
【0016】この配合条件に従って配合した例を表1に
示す。
示す。
【0017】
【表1】
【0018】この実施例では、重合度1300のPVC
100重量部に対し、耐熱性ABS(商品名:鐘淵化学
製 テルアロイA15)を28重量部、重合度1050
および塩素化度67%のCPVCを10重量部、そし
て、熱安定剤および滑剤等を含む複合安定剤5.5重量
部を配合した。なお、表中における比較例1〜3は、既
に公知の従来技術に基づく配合割合を示し、比較例1
は、PVCに耐熱性ABS(テルアロイA50B)およ
びMBS系衝撃強化剤(商品名:鐘淵化学製 カネエー
ス B−56)を混合した例である。また、比較例2
は、PVCに耐熱性ABS(テルアロイA15)を混合
した例であり、比較例3は、PVCにCPVC,塩素化
ポリエチレン(商品名:ダイソー(株)製 ダイソラッ
ク H−135)およびMBS系衝撃強化剤(カネエー
ス B−56)を混合した例である。なお、テルアロイ
A50Bは、テルアロイA15よりも耐熱性に優れる。
100重量部に対し、耐熱性ABS(商品名:鐘淵化学
製 テルアロイA15)を28重量部、重合度1050
および塩素化度67%のCPVCを10重量部、そし
て、熱安定剤および滑剤等を含む複合安定剤5.5重量
部を配合した。なお、表中における比較例1〜3は、既
に公知の従来技術に基づく配合割合を示し、比較例1
は、PVCに耐熱性ABS(テルアロイA50B)およ
びMBS系衝撃強化剤(商品名:鐘淵化学製 カネエー
ス B−56)を混合した例である。また、比較例2
は、PVCに耐熱性ABS(テルアロイA15)を混合
した例であり、比較例3は、PVCにCPVC,塩素化
ポリエチレン(商品名:ダイソー(株)製 ダイソラッ
ク H−135)およびMBS系衝撃強化剤(カネエー
ス B−56)を混合した例である。なお、テルアロイ
A50Bは、テルアロイA15よりも耐熱性に優れる。
【0019】続いて、3種類の熱可塑性樹脂の配合によ
る効果を明確にするため、表1に示す配合条件に従って
配合され、常用の押出成形機で所定寸法に成形された成
形品について、表2に示すように、熱的特性および力学
特性(引張り,曲げ,衝撃)の試験を実施した。なお、
この試験方法は、ISOまたはJIS規格に基づく。
る効果を明確にするため、表1に示す配合条件に従って
配合され、常用の押出成形機で所定寸法に成形された成
形品について、表2に示すように、熱的特性および力学
特性(引張り,曲げ,衝撃)の試験を実施した。なお、
この試験方法は、ISOまたはJIS規格に基づく。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなように、実施例の成形品
は、他の比較例1〜3と比較して、耐熱性に優れるとと
もに、高剛性(最大曲げ強度,曲げ弾性率が大)であ
り、地中線用ケーブル保護管としての要求性能を十分に
満足するものである。また、MBS系衝撃強化剤(カネ
エース B−56)を用いずに、MBS系衝撃強化剤
(カネエース B−56)を配合した比較例1を耐衝撃
性の面でも上回ることができる。したがって、衝撃強化
剤を使用したことにより、PVC特有の耐候性を劣化さ
せる恐れはない。なお、比較例2は、耐衝撃性(衝撃強
度)に著しく優れるが、耐熱性が悪く、この結果より、
PVCに耐熱性ABSを混合しただけでは、満足する耐
熱性は得られないことがわかる。
は、他の比較例1〜3と比較して、耐熱性に優れるとと
もに、高剛性(最大曲げ強度,曲げ弾性率が大)であ
り、地中線用ケーブル保護管としての要求性能を十分に
満足するものである。また、MBS系衝撃強化剤(カネ
エース B−56)を用いずに、MBS系衝撃強化剤
(カネエース B−56)を配合した比較例1を耐衝撃
性の面でも上回ることができる。したがって、衝撃強化
剤を使用したことにより、PVC特有の耐候性を劣化さ
せる恐れはない。なお、比較例2は、耐衝撃性(衝撃強
度)に著しく優れるが、耐熱性が悪く、この結果より、
PVCに耐熱性ABSを混合しただけでは、満足する耐
熱性は得られないことがわかる。
【0022】このように、PVC特有の耐候性を損なう
ことなく、しかも、CPVCおよび耐熱性ABSの特性
を有効に生かしつつ、結果的に、耐熱性,耐衝撃性,耐
候性および剛性に、バランスよく優れた樹脂組成物が得
られた。したがって、ケーブルの発熱にも容易に軟化す
ることなく、長期間に渡って、ケーブル保護管としての
機能を満足する、信頼性の高いケーブル保護管が得られ
る。
ことなく、しかも、CPVCおよび耐熱性ABSの特性
を有効に生かしつつ、結果的に、耐熱性,耐衝撃性,耐
候性および剛性に、バランスよく優れた樹脂組成物が得
られた。したがって、ケーブルの発熱にも容易に軟化す
ることなく、長期間に渡って、ケーブル保護管としての
機能を満足する、信頼性の高いケーブル保護管が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 隆 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 (72)発明者 松村 信秋 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内
Claims (1)
- 【請求項1】重合度800〜1300のポリ塩化ビニル
樹脂100重量部に対し、 耐熱性ABS樹脂21〜30重量部と、 重合度700〜1050の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂5
〜10重量部とを主成分として配合した樹脂組成物を成
形加工してなる、地中線用ケーブル保護管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8156697A JPH1014072A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 地中線用ケーブル保護管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8156697A JPH1014072A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 地中線用ケーブル保護管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1014072A true JPH1014072A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15633368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8156697A Pending JPH1014072A (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 地中線用ケーブル保護管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1014072A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017156943A1 (zh) * | 2016-03-17 | 2017-09-21 | 张正国 | 防负压管件 |
US10618865B2 (en) * | 2015-07-07 | 2020-04-14 | Ab Nanol Technologies Oy | Organometallic salt composition, a method for its preparation and a lubricant additive composition |
JP2022080848A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | ファスン アールアンドエー カンパニー リミテッド | エアコン配管システム |
-
1996
- 1996-06-18 JP JP8156697A patent/JPH1014072A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10618865B2 (en) * | 2015-07-07 | 2020-04-14 | Ab Nanol Technologies Oy | Organometallic salt composition, a method for its preparation and a lubricant additive composition |
WO2017156943A1 (zh) * | 2016-03-17 | 2017-09-21 | 张正国 | 防负压管件 |
JP2022080848A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | ファスン アールアンドエー カンパニー リミテッド | エアコン配管システム |
US11840124B2 (en) | 2020-11-18 | 2023-12-12 | Hs R & A Co., Ltd. | Piping system for air conditioner |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020305 |