JPH1017745A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH1017745A
JPH1017745A JP19270396A JP19270396A JPH1017745A JP H1017745 A JPH1017745 A JP H1017745A JP 19270396 A JP19270396 A JP 19270396A JP 19270396 A JP19270396 A JP 19270396A JP H1017745 A JPH1017745 A JP H1017745A
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weight
vinyl chloride
vinyl
resin composition
graft
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JP19270396A
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Soichiro Honda
総一郎 本多
Mamoru Chazono
護 茶園
Kazuo Ueda
和雄 上田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、耐候性および成形表面外観に優れ
る塩化ビニル系樹脂組成物の開発。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して、(B)ポリオルガノシロキサンおよびポリアル
キル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムに1種また
は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合してなるグ
ラフト共重合体3〜10重量部および(C)塩素化ポリ
オレフィンおよび/またはビニルエステル−エチレン共
重合体0.5〜5重量部を配合して塩化ビニル系樹脂組
成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物に関し、より詳しくは耐衝撃性、耐候性を損うこ
となく、優れた成形表面外観を有する塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】塩化
ビニル系樹脂は、安価であり、数々の優れた化学的性
質、物理的性質を有するために合成樹脂の中で最も大量
に生産され、広範囲な用途に使用されている。周知の如
く、塩化ビニル系樹脂単独の成形物は、衝撃に対して脆
いという大きな欠点を有している。この欠点を克服する
ために、これまでに数多くの技術の改良がなされてき
た。最も有効な方法は、ゴム状エラストマー(弾性体)
にスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル等
の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体
を塩化ビニル系樹脂に混合する方法であり、これについ
ては数多くの提案がなされてきている(例えば特公昭5
6−22339号公報、特公昭57−26536号公
報、特公昭60−27689号公報等)。
【0003】しかし、このようなグラフト共重合体も低
温下での耐衝撃性や耐候性に劣る。この欠点を解決する
手段として、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキ
ル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムにビニル系単
量体をグラフト重合させて得たグラフト共重合体を塩化
ビニル系樹脂に配合することにより、従来では得られな
かった優れた耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性および
耐候性を有する塩化ビニル系樹脂組成物が見出された
(特開平1−279954号公報等)。
【0004】しかしながら、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃
性改良のために上述のグラフト共重合体を添加すると、
塩化ビニル系樹脂の混練が過度に促進されてしまい、得
られる成形品の外観を低下させるという傾向があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、塩化
ビニル系樹脂にポリオルガノシロキサンおよびポリアル
キル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムにビニル系
単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体を配合
してなる塩化ビニル系樹脂組成物に、塩素化ポリオレフ
ィンおよび/またはビニルエステル−エチレン共重合体
を特定量配合添加することにより、耐衝撃性と耐候性を
損なうことなく、優れた成形表面外観を有する塩化ビニ
ル系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち本発明は、(A)塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、(B)ポリオルガノシロキサ
ンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートからなる複
合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体をグラフ
ト重合してなるグラフト共重合体3〜10重量部および
(C)塩素化ポリオレフィンおよび/またはビニルエス
テル−エチレン共重合体0.5〜5重量部を配合してな
る塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)成分とし
て用いられる塩化ビニル系樹脂は、平均重合度が好まし
くは700〜1700、さらに好ましくは800〜13
00の範囲のものである。平均重合度が700未満のも
のは耐衝撃性、耐熱性等が劣り、また、1700を越え
ると加工性が悪くなる傾向がある。
【0008】本発明に使用される塩化ビニル系樹脂とし
ては、例えば塩化ビニル単独重合体、酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等が挙げられ
る。これらの中でも本発明においては、塩化ビニル単独
重合体の使用が好ましい。
【0009】本発明において、(B)成分として用いら
れるグラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサンおよ
びポリアルキル(メタ)アクリレートからなる複合ゴム
にビニル系単量体がグラフト重合されたものである。
【0010】グラフト共重合体を得るのに使用される複
合ゴムは、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアル
キル(メタ)アクリレートゴム成分が共に1〜99重量
%(各ゴム成分の合計量が100重量%)の範囲である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜90重量%の範
囲であり、特に好ましくは10〜90重量%の範囲であ
る。複合ゴム中のポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム成分が99重量%を越えると得られる樹脂組成物から
の成形物の耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0011】上記複合ゴムの平均粒子径は0.05〜
0.6μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が
0.05μm未満では、得られる樹脂組成物からの成形
物の耐衝撃性が低下し、一方、平均粒子径が0.6μm
を越えると得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性
が低下すると共に、成形表面外観が低下する傾向があ
る。このような平均粒子径を有する複合ゴムの製造に
は、乳化重合法が最も好ましい。
【0012】上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロ
キサンゴム成分は、以下に示すオルガノシロキサンおよ
び架橋剤(I)を用いて乳化重合により調整することが
できる。その際、さらにグラフト交叉剤(I)を併用す
ることができる。
【0013】ポルオルガノシロキサンゴム成分として用
いられるものは、3員環以上の各種環状体であり、好ま
しくは3〜6員環である。例えば、ヘキサメチルシクロ
トリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチル
シクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシク
ロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロ
テトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキ
サン等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組
み合わせて用いられる。これらの使用量はポリオルガノ
シロキサンゴム成分中好ましくは50重量%以上、さら
に好ましくは70重量%以上である。
【0014】架橋剤(I)としては、3官能性または4
官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシ
ラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシ
シラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。特に4
官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシ
シランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノ
シロキサンゴム成分中0.1〜30重量%が好ましい。
【0015】グラフト交叉剤(I)としては、次式で表
わされる単位を形成し得る化合物等が用いられる。
【0016】
【化1】
【0017】なお、上記式において、R1 はメチル基、
エチル基、プロピル基またはフェニル基、R2 は水素原
子またはメチル基、nは0,1または2、pは1〜6の
数を示す。
【0018】上記式(I−1)の単位を形成しうる(メ
タ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が
高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であ
り、耐衝撃性発現の点で有利である。
【0019】上記(I−1)の単位を形成しうるものと
してメタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。
メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β
−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキ
シメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
エトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオ
キシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
【0020】上記式(I−2)の単位を形成し得るもの
としてビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、
テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙
げられる。
【0021】また、式(I−3)の単位を形成し得るも
のとして、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラ
ン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等
が挙げられる。
【0022】オルガノシロキサン系混合物中に占めるグ
ラフト交叉剤の使用量は、好ましくは0〜10重量%の
範囲であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%であ
る。
【0023】このポリオルガノシロキサンゴム成分のラ
テックスの製造は、例えば米国特許第2891920号
明細書、同第3294725号明細書等に記載された方
法を用いることができる。本発明の実施では、例えば、
オルガノシロキサンと架橋剤(I)および所望によりグ
ラフト交叉剤(I)の混合液とを、アルキルベンゼンス
ルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤
の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断
混合する方法により製造することが好ましい。アルキル
ベンゼンスルホン酸は、オルガノシロキサンの乳化剤と
して作用すると同時に重合開始剤ともなるので好まし
い。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アル
キルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行
う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好
ましい。
【0024】次に、上記複合ゴムを構成するポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分は、以下に示すアルキ
ル(メタ)アクリレート、架橋剤(II)およびグラフト
交叉剤(II)を用いて合成することができる。アルキル
(メタ)アルリレートとしては、例えば、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアルキルアクレートおよびヘキシルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラ
ウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙
げられ、特にn−ブチルアクリレートが好ましい。
【0025】架橋剤(II)としては、例えばエチレング
リコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート
等が挙げられる。
【0026】グラフト交叉剤(II)としては、例えばア
リルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリ
レートは架橋剤として用いることができる。これら架橋
剤ならびにグラフト交叉剤は1種または2種以上を組み
合わせて用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉
剤の使用量は、合計で好ましくはポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分中0.1〜20重量%である。
【0027】ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリ水溶液の添加により中和された
ポリオルガノシロキサンゴム成分のラテックス中へ上記
のアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフ
ト交叉剤を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用さ
せて行う。
【0028】なお、本発明の実施に際しては、この複合
ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格が
ジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチル
アクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好まし
く用いられる。
【0029】このようにして乳化重合により調製された
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト重合が可能であ
る。この複合ゴムは、トルエンにより90℃で12時間
抽出して測定したゲル含量は80重量%以上であること
が好ましい。
【0030】この複合ゴムにグラフト重合させるのに用
いられるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合
物、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のア
ルキルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物等の各種ビニル系単量
体が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合
わせて用いられる。これらビニル系単量体のうち、アル
キルメタクリレートが好ましく、特にはメチルメタクリ
レートの使用が好ましい。
【0031】グラフト共重合体における上記複合ゴムと
上記ビニル系単量体の割合は、このグラフト共重合体の
重量を基準にして、複合ゴムが30〜95重量%、好ま
しくは40〜90重量%、そしてビニル系単量体が5〜
70重量%、好ましくは10〜60重量%となる範囲で
ある。ビニル系単量体が5重量%未満では樹脂組成物中
でのグラフト共重合体の分散が充分ではなく、また、7
0重量%を越えると衝撃強度発現性が低下する傾向があ
る。
【0032】グラフト共重合体は、上記ビニル系単量体
を複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル重合技術によ
って一段あるいは多段で重合させて得られる。グラフト
共重合体ラテックスは、好ましくは塩化カルシウムまた
は硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入
し、塩析、凝固することにより分離、回収することがで
きる。
【0033】本発明のグラフト共重合体は、塩化ビニル
系樹脂の衝撃改質剤として、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して3〜10重量部の範囲、好ましくは4〜8
重量部の範囲で使用される。3重量部未満では耐衝撃性
が低下し、一方、10重量部を越えると加工性が低下し
て良好な成形表面外観が得られなくなる傾向がある。
【0034】本発明において、(C)成分として用いら
れる塩素化ポリオレフィンは、後記のポリオレフィン粉
末を水性懸濁液中で塩素化するか、あるいは有機溶媒に
ポリエチレンを溶解して塩素化することによって製造さ
れるものである。中でも水性懸濁中で塩素化するものが
好ましい。
【0035】原料となるポリオレフィンは、エチレンの
単独重合、もしくはエチレンと40重量%以下(好まし
くは20重量%以下)の炭素数が12個以下(好ましく
は3〜8個)のα−オレフィンを共重合することによっ
て得られるものである。α−オレフィンの具体例として
は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテン等が挙げられる。原料となるポリオレ
フィンとしては、特にエチレンを単独重合したものが好
ましい。
【0036】塩素化ポリオレフィンの塩素含有量は、好
ましくは30〜40重量%、さらに好ましくは30〜3
5重量%の範囲のものである。塩素含有量が30重量%
未満では塩化ビニル系樹脂との相溶性に劣るため、耐衝
撃性が低下し、一方、塩素含有量が40重量%を越える
と硬度が増加して硬くなるため、成形加工性が低下して
良好な成形表面外観が得られず、耐衝撃性も低下する傾
向がある。
【0037】また、(C)成分として用いられるビニル
エステル−エチレン共重合体は、低級脂肪酸ビニルエス
テルとエチレンとを重量比で30:70〜80:20の
範囲において、水性懸濁重合法または乳化重合法によっ
て共重合させて製造されるものである。中でも水性懸濁
重合法により製造されたものが好ましい。原料となる低
級脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる
が、特に酢酸ビニルが好ましい。
【0038】ビニルエステル−エチレン共重合体は、ハ
ードセグメントにポリエチレン、ソフトセグメントにビ
ニルエステルを有するブロック共重合体であって、ビニ
ルエステルとエチレンの重量比が好ましくは55:45
〜70:30の範囲、さらに好ましくは55:45〜6
0:40の範囲のものである。エチレン含有量が30重
量%未満では加工性が低下し、一方、エチレン含有量が
45重量%を越えると塩化ビニル系樹脂との相溶性が劣
るため、良好な成形表面外観が得られない傾向がある。
【0039】本発明において、塩素化ポリオレフィンお
よび/またはビニルエステル−エチレン共重合体の配合
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5
〜5重量部、好ましくは1〜3重量部の範囲で使用され
る。上記範囲外の配合部数では加工性が低下し、良好な
成形表面外観が得られない傾向がある。さらに塩素化ポ
リオレフィンとビニルエステル−エチレン共重合体を併
用する場合の配合量も、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、合計で0.5〜5重量部、好ましくは1〜3
重量部の範囲である。
【0040】塩化ビニル系樹脂へのグラフト共重合体、
塩素化ポリオレフィンおよび/またはビニルエステル−
エチレン共重合体の配合は、通常公知の方法、例えばヘ
ンシェルミキサー、バンバリミキサー、ミキシングロー
ル、カレンダーロール、押出機等によって行われる。
【0041】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要に応じて、安定剤、滑剤、無機充填剤、顔料、紫外線
安定剤等の各種添加剤を加えることができる。安定剤と
しては、塩化ビニル系樹脂に添加されているものであれ
ば、特に制限はなく、例えばジオクチルスズメルカプチ
ド、ジブチルスズメルカプチド、ジオクチルスズマレー
ト、ジブチルスズマレート、オクチルスズラウレート等
の有機スズ系安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム等の金属石鹸系安定剤;さらにはステアリン
酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩
基性(亜)リン酸鉛等の鉛系安定剤が使用できる。これ
らは1種または2種以上を組み合わせて使用される。ま
た、滑剤としては、ポリエチレンワックス、脂肪酸と多
価アルコールとのエステル系ワックス、アクリル系高分
子滑剤等、さらに無機充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
【0042】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を成形加
工する方法には特に制限はなく、押出成形、射出成形、
カレンダー成形等、いずれの成形方法によっても成形で
きる。成形加工温度としては通常、170〜190℃で
ある。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳しく説明する。尚、例中の部は重量部を表わす。
【0044】[実施例1〜6、比較例1〜5]平均重合
度1000の塩化ビニル単独重合体(PVC)100部
に、二塩基性リン酸鉛4.2部、ステアリン酸カルシウ
ム0.35部、ポリエチレンワックス(三井石油化学工
業(株)製、Hi−Wax 400P)0.2部、エス
テル系ワックス(ヘンケル白水(株)製、Loxiol
G−60)1.0部、炭酸カルシウム5.0部および
酸化チタン2.5部を配合して共通配合組成物を調製し
た。
【0045】次いで、上記の共通配合組成物に対して、
グラフト共重合体としてメタブレン(登録商標)S−2
001(三菱レイヨン(株)製)、塩素化ポリオレフィ
ンとして塩素含有量35重量%の塩素化ポリエチレン
(CPE)(昭和電工(株)製、エラスレン351
A)、またはビニルエステル−エチレン共重合体として
酢酸ビニルとエチレンの重量比が55:45の酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体(EVA)(日本合成化学工業
(株)製、ソアブレンBH)を表1に示した量配合添加
した後、ヘンシェルミキサーにより混合して各種の塩化
ビニル系樹脂組成物を得た。
【0046】次いで、その得られた樹脂組成物を用いて
スクリュー径30mmの押出機により(シリンダー温度
190℃)、厚さ約1.1mmのシートを作製し、下記
の各評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0047】(1)耐衝撃性 上記厚さ1.1mmのシートを3枚重ね合わせてプレス
し、厚さ3mmの積層シートを作製した。次いで、その
積層シートをJIS・K−7110に準拠して23℃、
−20℃における衝撃強度を測定した。
【0048】(2)耐候性 スガ試験機(株)製、サンシャイン・ウェザーメーター
を使用し、ブラックパネル温度63℃、60分サイクル
中降雨12分の条件で2000時間照射したシートの試
験片について、23℃における衝撃強度を測定した。
【0049】(3)成形表面外観(成形加工性) 得られた厚さ1.1mmシートの表面外観を目視し、下
記の基準で判定した。 1…良好(表面光沢あり) 2…表面光沢はあるが、表面の肌荒れが一部確認される 3…表面光沢なく、表面全体が荒れている
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、耐
衝撃性、耐候性および得られる成形品の表面外観に優れ
ており、平板、パイプ、その他の異形押出品を製造する
のに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 31:02) (72)発明者 上田 和雄 神奈川県川崎市多摩区登戸3816番地 三菱 レイヨン株式会社東京技術・情報センター 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部に
    対して、(B)ポリオルガノシロキサンおよびポリアル
    キル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムに1種また
    は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合してなるグ
    ラフト共重合体3〜10重量部および(C)塩素化ポリ
    オレフィンおよび/またはビニルエステル−エチレン共
    重合体0.5〜5重量部を配合してなる塩化ビニル系樹
    脂組成物。
JP19270396A 1996-07-04 1996-07-04 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH1017745A (ja)

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JP2002284947A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂組成物
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