JP2962611B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
撃性に優れ、しかも成形加工性の良好な軟質熱可塑性樹
脂組成物に関する。本発明は、また、耐寒性、耐熱性、
耐衝撃性に優れ、しかも塗装性の良好な熱可塑性樹脂組
成物に関する。
レンテレフタレートは、その優れた機械的性質、耐熱安
定性、耐候性、電気絶縁性を有し、電気電子部品、自動
車部品等に使用されている。しかし、耐衝撃性、耐寒性
が不充分なため、自動車内外装材料、大型電子機器ハウ
ジング等の用途には、使用が困難であった。この熱可塑
性ポリエステルに、ポリオルガノシロキサンとポリアル
キル(メタ)アクリレートを相互に絡みあわせたゴムを
用いることにより、他の性能の低下を招かず、耐衝撃
性、耐寒性を付与することが特開平1−79255 に記載さ
れている。
は、成形加工時の流動性が不充分であり、流動長の大き
いものや薄肉成形品への適用が難しく、また軟らかさに
も限界があり、耐候性、吸水性に問題のあるウレタン系
エラストマーやナイロン系エラストマーの分野への適用
も難しいものであった。
あり、自動車内外装および電子機器ハウジング等の塗装
を必要とする分野への適用が難しいものでもあった。
れた熱可塑性ポリエステル組成物に特定のポリマーと特
定の可塑剤を配合することにより、熱可塑性ポリエステ
ルが本来持っていた性能を保持しつつ、さらに成形加工
性が改良され、あるいは塗装性が改良されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
決するため、熱可塑性ポリエステル(A)2〜80重量
%、ポリオルガノシロキサンゴム成分5〜90重量%とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分95〜10重量%
(これらの合計量 100重量%) とが分離できないように
相互に絡みあった構造を有し、かつ平均粒子径が0.08〜
0.6μmである複合ゴムに1種又は2種以上のビニル系
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体(B)5〜55重量%、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー(C)5〜80重量%、及びエステル系可塑剤
(D)5〜25重量%を成分(A)〜(D)の合計量が 1
00重量%となるように配合してなる、軟質熱可塑性樹脂
組成物を提供する。
(A)2〜80重量%、ポリオルガノシロキサンゴム成分
5〜90重量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分95〜10重量%(これらの合計量 100重量%) とが分
離できないように相互に絡みあった構造を有し、かつ平
均粒子径が0.08〜0.6μmである複合ゴムに1種又は2
種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合
ゴム系グラフト共重合体(B)5〜55重量%、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー(C)5〜80重量%、エス
テル系可塑剤(D)5〜25重量%、及び芳香族アルケニ
ル化合物とシアン化ビニル化合物を主成分とする共重合
体(E)5〜50重量%を成分(A)〜(E)の合計量が
100重量%となるように配合してなる、塗装性に優れた
熱可塑性樹脂組成物を提供する。
性、耐衝撃性、耐寒性に優れ、しかも成形加工性が良好
で軟らかな、または塗装性の良好なものである。
(A)としては、主として炭素数8〜22個の芳香族ジカ
ルボン酸と炭素数2〜22個のアルキレングリコール、シ
クロアルキレングリコール又はアラルキレングリコール
とから構成され、場合により劣位量の脂肪族ジカルボン
酸、例えばアジピン酸、セバシン酸を含んでいてもよ
く、またポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリアルキレングリコールを10重量%以
下で含んでいてもよい。特に好ましいポリエステルとし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレ
ンテレフタレート等が挙げられる。これらの熱可塑性ポ
リエステルの2種以上の混合物も用いられる。
ポリエステル(A)の含有量は2〜80重量%、好ましく
は5〜60重量%であり、この範囲外の含有量では本発明
の目的とする樹脂組成物が得られにくい傾向となり、好
ましくない。特に、成分(A),(B)及び(C)の配合
比率を変えることにより、硬質から軟質のものまで得る
ことができ、かつ、耐衝撃性能に特に優れるものであ
る。
ム系グラフト共重合体(B)とは、ポリオルガノシロキ
サンゴム成分5〜90重量%とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分95〜10重量%(各ゴム成分の合計量が
100重量%)から構成され、両ゴム成分が相互に絡み合
い、実質上分離出来ない構造を有し、かつその平均粒子
径が0.08〜0.6μmである複合ゴムに、1種又は2種以
上のビニル系単量体がグラフト重合された共重合体であ
る。
キサンゴム成分及びポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム成分のいずれか1種類あるいはこれらの単純混合物
をゴム源として使用しても本発明の樹脂組成物の有する
特徴は得られず、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が相互に絡み
合い複合一体化されてはじめて優れた耐衝撃性と成形表
面外観とを有する成形物を与える樹脂組成物を得ること
ができる。
ロキサンゴム成分が90重量%を超えると、得られる樹脂
組成物からの成形物の成形表面外観が悪化し、一方ポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分が95重量%を超
えると、得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が
悪化する。このため、複合ゴムを構成する2種のゴム成
分は前者が5〜90重量%、後者が95〜10重量%(ただ
し、両ゴム成分の合計量は 100重量%)の範囲であるこ
とが必要であり、さらにそれぞれ20〜80重量%の範囲で
あることが特に好ましい。上記複合ゴムの平均粒子径は
0.08〜0.6μmの範囲にあることが必要である。平均粒
子径が0.08μ未満になると得られる樹脂組成物からの成
形物の耐衝撃性が悪化し、又平均粒子径が0.6μmを超
えると得られる樹脂組成物からの成形物の成形表面外観
が悪化する。この様な平均粒子径を有する複合ゴムを製
造するには乳化重合法が最適であり、まずポリオルガノ
シロキサンゴムのラテックスを調製し、次にアルキル
(メタ)アクリレートゴムの合成用単量体をポリオルガ
ノシロキサンゴムラテックスのゴム粒子に含浸させてか
ら前記合成用単量体を重合するのが好ましい。
キサンゴム成分は、以下に示すオルガノシロキサン及び
架橋剤(I)を用いて乳化重合により調製することがで
き、その際、さらにグラフト交叉剤(I)を併用するこ
ともできる。
の各種の環状体が挙げられ、好ましく用いられるのは3
〜6員環のものである。例えば、ヘキサメチルシクロト
リシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシク
ロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロト
リシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテト
ラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン
等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用
いられる。これらの使用量は、ポリオルガノシロキサン
ゴム成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
るのがよい。
能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラ
ン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官
能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシ
ランが特に好ましい。架橋剤の使用量は、ポリオルガノ
シロキサンゴム成分中0.1 〜30重量%であるのがよい。
グラフト交叉剤(I)としては、次式
ロピル基、又はフェニル基、R2 は水素原子又はメチル
基、nは0,1又は2、pは1〜6の数を示す。)で表
わされる単位を形成し得る化合物等が用いられる。式
(I−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオ
キシシロキサンは、グラフト効率が高いため、有効なグ
ラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の
点で有利である。なお、式(I−1)の単位を形成し得
るものとして、メタクリロイルオキシシロキサンが特に
好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例と
しては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメ
チルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキ
シジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリ
ロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げら
れる。グラフト交叉剤の使用量は、ポリオルガノシロキ
サンゴム成分中0〜10重量%であるのがよい。
テックスの製造は、例えば米国特許第2891920 号明細
書、同第3294725 号明細書等に記載された方法を用いる
ことができる。本発明の実施に際しては、例えば、オル
ガノシロキサンと架橋剤(I)及び所望によりグラフト
交叉剤(I)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホ
ン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存
在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合
する方法により製造するのが好ましい。アルキルベンゼ
ンスルホン酸は、オルガノシロキサンの乳化剤として作
用すると同時に、重合開始剤ともなるので好適である。
この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキル
スルホン酸金属塩等を併用すると、グラフト重合を行う
際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ま
しい。
ル(メタ)アクリレートゴム成分は、以下に示すアルキ
ル(メタ)アクリレート、架橋剤(II)及びグラフト交
叉剤(II)を用いて合成することができる。アルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラ
ウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙
げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好まし
い。
リコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート
等が挙げられる。
リルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリ
レートは架橋剤として用いることもできる。これらの架
橋剤並びにグラフト交叉剤は単独で又は2種以上併用し
て用いられる。これらの架橋剤及びグラフト交叉剤の合
計の使用量は、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分中0.1 〜20重量%であるのがよい。
分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和され
たポリオルガノシロキサンゴム成分のラテックス中へ上
記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤及びグラフト
交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子へ含
浸させたのち、通常のラジカル重合開始剤を作用させて
行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサンゴムの
架橋網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポ
リオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得ら
れる。なお、本発明の実施に際しては、この複合ゴムと
してポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチ
ルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリ
レートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用い
られる。
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、またポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分とは強固に絡み合って
いるためアセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽
出分離出来ない。この複合ゴムをトルエンにより90℃で
12時間抽出して測定したゲル含量は80重合%以上であ
る。
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメ
タクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル化合物等の各種のビニル系単量体が挙げられ、
これらは単独で又は2種以上組合せて用いられる。
る上記複合ゴムと上記ビニル系単量体の割合は、このグ
ラフト共重合体(B)の重量を基準にして複合ゴム30〜
95重量%、好ましくは40〜90重量%及びビニル系単量体
5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%が好ましい。ビ
ニル系単量体が5重量%未満では樹脂組成物中でのグラ
フト共重合体(B)の分散が充分でなく、また70重量%
を超えると衝撃強度発現性が低下するので好ましくな
い。
記ビニル系単量体を複合ゴムのラテックスに加え、ラジ
カル重合技術によって一段であるいは多段で重合させて
得られる複合ゴム系グラフト共重合体ラテックスを、塩
化カルシウム又は硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解し
た熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離、回
収することができる。
ム系グラフト共重合体(B)の含有量は、5 〜55重量
%、好ましくは10〜40重量%であり、この含有量が5重
量%未満では樹脂組成物の押出安定性が充分でなく、か
つ、低温衝撃性が不足する。また、該共重合体(B)が
55重量%を超えると、樹脂組成物の耐熱性が低下するよ
うになるので好ましくない。
塑性エラストマー(C)は、ハードセグメント成分とし
て芳香族系結晶性ポリエステルを用い、ソフトセグメン
ト成分として脂肪族ポリエステル又はポリエーテルをブ
ロック的に結合したものである。芳香族結晶性ポリエス
テルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート等、脂肪族ポリエステルとし
ては、ポリラクトン、ポリテトラメチレンセバケート
等、ポリエーテルとしてはポリテトラメチレンエーテル
等が用いられる。特に好ましいポリエステル系熱可塑性
エラストマー(C)は、ポリテトラメチレンテレフタレ
ートとポリテトラメチレンエーテルグリコール、又はポ
リ−ε−カプロラクトンをブロック的に共重合したもの
である。このハード成分とソフト成分の共重合比率につ
いては、種々の割合のものが使用できる。特にソフト成
分が30〜70重量%のものは耐衝撃性能の発現に好適に作
用する。これは、衝撃の吸収にポリエステルエラストマ
ー中のソフト成分と上記複合ゴム系グラフト共重合体
(B)とが密接に関係して作用しており、どちらか一方
が欠けると衝撃吸収能力が大巾に低下してしまうからで
ある。
ステル系熱可塑性エラストマー(C)の含有量は、5〜
80重量%、特に10〜70重量%が好ましい。5重量%未満
では複合ゴム系グラフト共重合体(B)との耐衝撃吸収
を分担するのに必要なソフト成分の量が不足し、耐衝撃
性能を充分発揮できなくなる。一方、80重量%を超える
と樹脂組成物の耐熱性が低下するようになるので好まし
くない。
(D)は、塩化ビニル樹脂に対して一般的に用いられる
ものであってよく、フタル酸エステル系、セバチン酸エ
ステル系、アシピン酸エステル系、トリメリット酸エス
テル系などが挙げられる。代表的なものとしては、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ジノニルフタ
レート、ジトリデシルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、ジイソデシルアジペート、n−オクチル・nデシル
アジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、トリブチルトリメリテー
ト、トリオクチルトリメリテートなどが挙げられる。
もに、成形加工時の流動性を増大させ、あるいは塗膜の
変形に追従し、密着性を向上させるものである。エステ
ル系可塑剤(D)の配合量は全組成物に対して、5〜25
重量%、特に7〜20重量%が好ましい。5%未満では、
柔軟性や流動性または密着性向上の効果が小さく、25重
量%を超えると、表面にブリードアウトしてくるという
不都合が生じる。
ル化合物とシアン化ビニルを主成分とする共重合体
(E)においては、具体的には、芳香族アルケニル化合
物としてスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン等が挙げられ、またシアン化ビニル化合物としてはア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
芳香族アルケニル化合物とシアン化ビニル化合物の重量
比率は、特に限定されるものではないが、95/5〜40/
60が好ましい。また、これらの共重合に際しては、さら
に(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド等を30重量
%程度までの量で共重合してもよい。重合度も特に制限
されるものではないが、ηsp/cが0.2〜1.3(クロ
ロホルム中0.5g/dl、25℃)であるのが好ましい。
して、5〜50重量%、特に10〜40重量%が好ましい。5
重量%未満では塗装性が悪く、また50重量%を超えると
耐衝撃性と塗装性が低下してくる。
強充填剤、洗顔料、光又は熱に対する安定剤、臭素化エ
ボキシ、臭素化ポリカーボネート、デカブロモジフェニ
ルエーテル、酸化アンチモン等の公知の難燃剤、結晶核
剤、各種改質剤、ワックス等の離形剤等を含有しても何
らさしつかえない。
に説明する。なお、例中、「部」は「重量部」を意味す
る。
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン
混合物 100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム及びドデシルベンゼンスルホン酸のそれぞれ1部
を溶解した蒸留水 200部に上記混合シロキサン 100部を
加え、ホモミキサーにて10,000rpm で予備攪拌した後、
ホモジナイザーにより300kg /cm2 の圧力で乳化、分散
させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この混合
液を、コンデンサー及び攪拌翼を備えたセパラブルフラ
スコに移し、攪拌混合しながら80℃で5 時間加熱した後
20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこ
のラテックスのpHを6.9に中和し、重合を完結して、ポ
リオルガノシロキサンゴムラテックス−1を得た。得ら
れたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は89.7%であ
り、ポリオルガノシロキサンゴムの平均粒子径は0.16μ
mであった。
ス−1 100部を採取し、攪拌器を備えたセパラブルフラ
スコに入れ、蒸留水 120部を加え、窒素置換をしてから
50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート37.5部、アリル
メタクリレート25部及びtert−ブチルヒドロペルオキシ
ド0.3部の混合液を仕込み、30分間攪拌し、この混合液
をポリオルガノシロキサンゴム粒子に浸透させた。次い
で、硫酸第1鉄0.0003部、エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム塩 0.001部、ロンガリット0.17部及び蒸留水3
部の混合液を仕込み、ラジカル重合を開始させ、その後
内温70℃で2時間保持し、重合を完了して複合ゴムラテ
ックスを得た。このラテックスを一部採取し、複合ゴム
の平均粒子径を測定したところ、0.19μmであった。ま
た、このラテックスを乾燥して固形物を得、トルエンで
90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ、90.3
重量%であった。この複合ゴムラテックスにtert−ブチ
ルヒドロペルオキシド0.3部、アクリロニトリル9部及
びスチレン21部との混合液を70℃にて45分間にわたり滴
下し、その後70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラフ
ト重合を完了した。
%であった。得られたグラフト共重合体ラテックスを塩
化カルシウム5重量%の熱水中に滴下することにより凝
固、分離し、洗浄したのち、75℃で16時間乾燥し、複合
ゴム系グラフト共重合体s−1を得た。
ート(A′)と、平均分子量1000のポリテトラメチレン
エーテルグリコール50重量%とポリテトラメチレンテレ
フタレート50重量%とからなるブロック共重合体のポリ
エステル系エラストマー(C′)、参考例1で得たグラ
フト共重合体s−1(B′)およびエステル系可塑剤
(D′)としてジオクチルアジペート、ジオクチルフタ
レートを用い、表1及び表2に示す組成でブレンドし、
30φmm2軸押出機で 230℃にて押出し、ペレットを得
た。このペレットを用い、射出成形により、 100× 100
×3mmの平板試片及びASTM D-256の衝撃試験用の試片を
得た。
物性を評価した。 (1)アイゾット衝撃強度 ASTM D-256により測定した。単位:kg・cm/cm、6.3mm
厚み、ノッチ付き試片使用。 (2)ショートショット圧(SS圧) SS圧は、 M-100〔(株)名機製作所〕を用い、 100mm角
板、厚さ3mmをシリンダー温度 240℃で成形する時の成
形可能な最小圧力を成形機の最大圧力(2000kg・f/c
m2)に対する百分率で表示した。 (3)ショアー硬度A ASTM D-2240により測定した。 (4)ブリードアウト性 100× 100×3mmの平板を40℃の雰囲気に14日間放置し
た後、成形品表面を観察してブリードアウト性をみた。
表2のデータより、本発明の組成物が流動性に優れ、か
つ、硬度も低いものであることがわかる。
ート(A′)と、平均分子量1000のポリテトラメチレン
エーテルグリコール50重量%とポリテトラメチレンテレ
フタレート50重量%とからなるブロック共重合体のポリ
エステル系エラストマー(C′)、参考例1で得たグラ
フト共重合体s−1(B′)、アクリロニトリル28重量
%とスチレン72重量%よりなる溶液粘度ηsp/c=0.
55(クロロホルム中0.5g/dl,25℃)のポリアクリロ
ニトリルスチレン共重合体(E′)およびエステル系可
塑剤(D′)としてジオクチルアジペート、ジオクチル
フタレートを用い、表3および表4に示す組成でブレン
ドし、30φmm2軸押出機で230℃にて押出し、ペレット
を得た。3オンス射出成形機を用いて、シリンダー温度
230℃、全型温度60℃にて、 100×100×3mmの平板試
片を得た。また、ASTM D-256の衝撃試験用の試片も得
た。
ット衝撃試験を行なった。また、平板試片を用いて、塗
装を行なった。塗料としては、ウレタン系の2液タイプ
(アクロタン #1000、田辺化学)を用い、約30μmの厚
みに塗布し、80℃で30分間硬化を行なわせた。硬化後、
ごばん目テープ剥離テストを行った。また、成形品を90
度以上の角度に曲げて塗膜のわれをみた。さらに、硬化
後の試片を40℃の温水に10日間浸漬した後、同様の評価
を行なった。
び表4のデータより、本発明の組成物が塗装性に優れ、
かつ、衝撃強度の高いものであることが明らかである。 比較例14 実施例12において、可塑剤のジオクチルアジペート
(DOA)をエポキシ化ダイズ油(東京ファインケミカ
ル(株)製NF−3000)に変更した以外は同様にし
て評価を行った。評価結果を表4に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル(A)2〜80重量
%、ポリオルガノシロキサンゴム成分5〜90重量%とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分95〜10重量%
(これらの合計量 100重量%) とが分離できないように
相互に絡みあった構造を有し、かつ平均粒子径が0.08〜
0.6μmである複合ゴムに1種又は2種以上のビニル系
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体(B)5〜55重量%、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー(C)5〜80重量%、及びエステル系可塑剤
(D)5〜25重量%を成分(A)〜(D)の合計量が 1
00重量%となるように配合してなる、軟質熱可塑性樹脂
組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル(A)2〜80重量
%、ポリオルガノシロキサンゴム成分5〜90重量%とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分95〜10重量%
(これらの合計量 100重量%) とが分離できないように
相互に絡みあった構造を有し、かつ平均粒子径が0.08〜
0.6μmである複合ゴムに1種又は2種以上のビニル系
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体(B)5〜55重量%、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー(C)5〜80重量%、エステル系可塑剤
(D)5〜25重量%、及び芳香族アルケニル化合物とシ
アン化ビニル化合物を主成分とする共重合体(E)5〜
50重量%を成分(A)〜(E)の合計量が 100重量%と
なるように配合してなる、塗装性に優れた熱可塑性樹脂
組成物。
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JP1887991 | 1991-02-12 | ||
JP2005192A JP2962611B2 (ja) | 1991-02-12 | 1992-02-05 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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- 1992-02-05 JP JP2005192A patent/JP2962611B2/ja not_active Expired - Lifetime
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