JPH10252954A - ケーブル埋設管路に使用される管体ユニット及びその製造方法、並びに管路接続構造 - Google Patents

ケーブル埋設管路に使用される管体ユニット及びその製造方法、並びに管路接続構造

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JPH10252954A
JPH10252954A JP5813397A JP5813397A JPH10252954A JP H10252954 A JPH10252954 A JP H10252954A JP 5813397 A JP5813397 A JP 5813397A JP 5813397 A JP5813397 A JP 5813397A JP H10252954 A JPH10252954 A JP H10252954A
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耕三 大谷
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克彦 谷川
Hideki Ishida
秀樹 石田
Ichiro Nakai
一郎 中井
Tadayoshi Ohira
忠良 大平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通線性、耐震性に優れた管体ユニットを容易に
製造し、この管体ユニットによる管路接続も容易に行
う。 【解決手段】雄ねじ状の中子51を回転しながら脱型し
て、ケーブル挿入穴11に螺旋状の凸部12を形成し、
通線性に優れた管体ユニット3を容易に製造する。管体
ユニット端部に段差部15、16を形成し、この段差部
を利用した差込ピン連結方式を採用し、管体ユニット接
続作業をすべて上方から行うようにする。管体ユニット
同士の端部にテーパ面19を形成して曲線設置にも対応
させ、かつ差込ピン17のピン穴18を管軸方向に長い
長穴として耐震性を向上させる。管体ユニット同士の接
続に可撓性短尺管4と水密パッキン25を用いて管軸方
向からの接続を容易に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブルや通
信ケーブル等(以下、単に「電力ケーブル等」という)
を地中に埋設するためのケーブル埋設管路に関するもの
で、特に、ケーブル埋設管路において使用される管体ユ
ニット及びその製造方法、並びに、管体ユニット同士の
接続、あるいは管体ユニットと所定ピッチで周状突起が
形成されたケーブル保護管との管路接続構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、歩行者等の安全を図り、円滑な交
通を確保する意味から、あるいは景観上の観点から、さ
らには高度情報化社会の実現のため、電力ケーブル等は
従来の架空方式から地中埋設方式への変換の要請が高ま
っている。
【0003】この要請に答えるためのケーブル埋設管路
に使用される管路材としては、通線性、強度、水密性、
耐衝撃性、耐久性、耐震性、耐燃・耐熱性等の諸機能が
要求されており、これらを考慮して、樹脂製、陶磁器
製、金属製、コンクリート製など、様々な材質のものが
提案されている。
【0004】最も一般的な管路材として、例えば、1条
の通線部には1条の電力ケーブル等を通線することを基
本として、電力ケーブル等との接触面積を少なくして通
線性を良好にするために、所定ピッチで周条突起が形成
された合成樹脂製の波付きケーブル保護管が提案されて
いる。また、複数の電力ケーブル等を同時に埋設可能と
するため、複数条の上記ケーブル保護管をスペーサある
いは両端接続体により隙間を設けた状態で束ねて埋設す
る管路構造も提案されている。
【0005】さらに、上記波付きケーブル保護管は、つ
るはし等の機材による衝撃性に弱いため、あるいは、埋
め戻しの際、複数のケーブル保護管相互の隙間に土砂等
の埋め戻し土が入り難く作業性が悪くなるため、複数の
断面半円状の溝を形成した合成樹脂板を上下に複数段に
配置することにより、複数のケーブル保護管を外装する
管体ユニットを構成し、この管体ユニットの挿通穴に波
付きケーブル保護管を配置する技術も提案されている。
【0006】しかしながら、これらのケーブル保護管を
使用した技術は、いずれの場合も長尺のケーブル保護管
を配置する必要があるため、一度に掘削する長さが長く
なる難点があった。これを解決する手段として、ケーブ
ル保護管を使用しないで、上記管体ユニットと同様な長
さ(1m程度)の管体ユニットを管軸方向に順次接続し
てケーブル埋設管路を構成する技術も提案されている。
【0007】この管体ユニットには、内部に複数の内管
部が一体形成されており、この管体ユニットを管軸方向
に水密パッキンを介して相互に接続して管路を構成し、
内管部に電力ケーブル等を直接挿通するようにしてい
る。これらの管体ユニットに使用される材質としては、
樹脂製、陶磁器製、金属製あるいはコンクリート製のも
のがあるが、陶磁器製、金属製、コンクリート製のもの
は、その重量が重くなることから、概ね60cm程度の
長さにしか成形できず、接続箇所が多くなり、作業性の
上でも問題となっていた。
【0008】また、すべての材質に共通して、これらの
管体ユニットの接続は、水密パッキンの性能維持のた
め、管体ユニットの両側面からボルト・ナットで管軸方
向に強固に締め付ける必要があり、その締付け作業が煩
雑となり、また、側面締め付けとなるため、掘削幅が管
体ユニットの幅よりも大きくなる等の難点があった。
【0009】また、ボルト・ナットを締め付けて管体ユ
ニット相互を強固に連結しているため、耐震性に問題が
あり、地震等により破損して水密性が保てなくなること
もあった。さらに、これらの管体ユニットの内管部の壁
面は平滑面に形成されているため、電力ケーブル等の外
皮との接触面積が大きくなり、通線性に難点があった。
【0010】これらの通線性、耐震性、作業性等の問題
を一挙に解決するために、管体ユニットの長さに対応し
た樹脂製の独立波付きケーブル保護管を樹脂製の筒状体
内に配列し、筒状体と波付きケーブル保護管との間の空
間を発泡ポリウレタン等の充填材で充填した管体ユニッ
トも提案されている(特開平8ー170762号公報参
照)。
【0011】この管体ユニットは、その波付きのケーブ
ル保護管の一端と他端とがオスメスの嵌合状態になるよ
う形成し、オス側の管端部が筒状体に対し、メス側の管
端部に挿入される長さ分突出させ、メス側の切欠部とオ
ス側の突起部とが嵌合するようにされ、両者が嵌合した
ときに、管体ユニットが相互に連結されるようになって
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ケーブル
保護管付きの管体ユニットにおいては、筒状体の成形、
ケーブル保護管の加工、充填材の注入など、成形工程が
多くなり、コスト高となる難点があり、さらに製造容易
な管体ユニットの出現が望まれている。
【0013】本発明は、製造容易でかつ通線性等に優れ
た管体ユニットの提供を目的とするものである。また、
本発明は、従来の陶磁器製、金属製、コンクリート製等
の管体ユニットに比べて、管体ユニット同士の接続、又
は、管体ユニットとケーブル保護管との接続も容易に行
い得る管路接続構造の提供を目的としている。さらに、
耐震性、あるいは曲線設置に適した管路接続構造の提供
も目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
[管体ユニットの構造及び製造方法]上記目的を達成す
るため、本発明者は、管体ユニットを容易かつ迅速に成
形するため、従来の独立した周状突起に代わり、これと
同様な通線性を確保できる波付き挿通穴を、金型を用い
た管体ユニットの成形と同時に形成できる手法に着眼
し、鋭意研究した結果、雄ねじ状の中子を使用して成形
した後、この中子を回転しながら脱型すれば、穴壁に螺
旋状凸部を有する挿通穴付きの管体ユニットが容易に成
形できることを見出した(請求項1、11)。
【0015】このような中子の回転脱型方式を採用すれ
ば、同様な中子を使用した割型成形に比べて、挿通穴内
に成形バリが生じず、内部に挿通する電力ケーブル等を
傷付けない点で有利な効果がある。
【0016】この金型成形の場合、中子の脱型は回転し
ながら行うため、注入する材料としては、樹脂、金属、
陶磁器、コンクリートのいずれであっても可能である
が、特に、樹脂成形の場合、ユニット本体が軽量とな
り、一人で運搬・設置可能な管長も、陶磁器、金属、コ
ンクリート等に比べて長くできる点で有利である(請求
項2)。特に、注入する樹脂として、ポリエチレンを採
用すれば、内部の螺旋状凸部と電力ケーブル等との接触
面積が小さいことに加えて、その物性から摩擦係数が低
くなり、さらに通線性が向上することになる。
【0017】また、成形樹脂として、再生プラスチッ
ク、例えば再生ポリエチレン又は再生ポリプロピレンの
いずれか一つ又はこれらの混合材料を採用すれば、プラ
スチックのリサイクルを図れ、かつ安価に製造できる点
で有利である(請求項3)。
【0018】また、必要に応じて、これらの再生プラス
チックに難燃剤、充填剤、発泡剤を添加できる。難燃剤
としては、例えば三酸化アンチモンなどを添加すれば難
燃化できる。充填材として炭酸カルシウムやガラス繊維
などの無機物を添加することができる(請求項4)。こ
の充填材の混入により、再生プラスチックは成形時の収
縮率が減少して寸法安定性が向上し、反りや変形が少な
くなり、剛性が高くなる点で有利である。充填材の配合
重量としては、5〜30重量%であることが望ましい。
充填材が、30重量%を超えると粘度が高くなりすぎて
成形が困難となるからであり、また5%未満であると、
製品収縮率を小さくする効果が現れないからである。
【0019】また、充填材として、ガラス繊維強化プラ
スチック(FRP)成形品の成形仕上げ時にトリミング
された端材、あるいはFRP成形品の廃物を破砕してチ
ップ化したものを用いれば、FRP成形品のリサイクル
にもなる。さらに、発泡剤として熱分解型の発泡剤を加
え、比重を0.8まで下げて、許容強度を維持しつつ軽
量化を図ることもできる。
【0020】この金型成形の場合、注型成形法、射出成
形法、トランスファー成形法等を採用できるが、特に、
低圧注型成形法を採用すれば、再生プラスチックを使用
できるので安価に製造できる。さらに、注型成形法を採
用すれば、肉厚成型品の製造も容易に行うことができ、
強度的にも強く、つるはし等の衝撃に対しても十分な強
度が維持でき、また、陶管のように地震等で割れたりし
ない点で有利である(請求項12)。さらに、このよう
な成形法において、成形サイクルを短縮する上では、中
子自体を中空にして、この中空部分に冷却水を流通させ
る方策を採用することができる。
【0021】この金型成形の場合、その外形としても、
金型のキャビティ内面の加工により、様々な形状の管体
ユニットが成形できるが、特に、外形を角形、とりわけ
直方体形状に成形すれば、ケーブル保護管を複段複列に
配列しても、埋め戻しの際、管体ユニット同士の間に隙
間ができないので、土砂の埋め戻し作業が容易に行える
ことになる。この角形の管体ユニットの場合でも、その
軽量化を考慮して、四隅に切欠く構成も採用できる。こ
の四隅切欠形状の管体ユニットの場合、これを複段複列
に配列して埋め戻す際には、切欠いたコーナー部に生じ
る空間部に角材等の充填材を挿入するようにすれば、そ
の埋め戻し作業も容易に行える。
【0022】また、成形する管体ユニットの挿通穴の数
は、使用態様に合わせて適宜選択でき、例えば、1列、
2列、3列等、単列又は複列に形成した態様、並びに、
2段、3段等、複段に形成した態様も採用できる。勿
論、この場合に成形に用いる中子の数も挿通穴に合わせ
た数だけ使用する必要がある。
【0023】さらに、管体ユニットの上下面には、少な
くとも一方に位置決め用の凸部を形成し、他方にこれに
対応する凹部を形成することができる。この凹凸部の嵌
合により、管体ユニットを複段に配列する場合の管軸方
向及びこれに直交する方向の位置決めが容易になる。こ
の凹凸部は、1箇所のみならず、複数箇所に形成するこ
とも可能である。
【0024】さらに発展させて、この凹凸部をユニット
本体の管軸方向に連続する凸条及び溝条として形成する
こともできる。すなわち、ユニット本体の上下面のうち
の一方の面に、管軸方向に連続する位置決め用の凸条
を、管軸方向と直交する左右幅方向の全面にわたって所
定ピッチで形成し、他方の面に、前記凸条に係合可能な
凹溝を、前記ユニット本体の左右幅方向の全面にわたっ
て所定ピッチで形成した構成を採用することができる
(請求項5)。
【0025】このような構成を採用すれば、管体ユニッ
ト同士が積層されたときに、対向する上下の凸条と溝条
が隙間なく係合することになり、左右方向の位置決めが
容易になるばかりか、積層面での隙間がなくなり、埋め
戻しも容易となる。この点、管体ユニットの挿通穴の
数、左右幅及び管軸方向長さが異なっている場合におい
ても、凸条及び溝条を同一態様で形成すれば、同様の効
果が期待できる。すなわち、長さの異なる管体ユニット
を積層し管軸方向の接続箇所を各段で変更して管路の強
度アップを図る場合、積層する管体ユニットの管軸方向
への案内が容易になるばかりか、管体ユニットの積層面
に隙間ができなくなる。また、左右方向に幅の異なる管
体ユニットを載置する場合においても、その積層面に隙
間ができなくなるといった利点がある。
【0026】上記のような管体ユニットは、管軸方向に
多数個連結して内部に電力ケーブル等を挿通させて使用
する態様であるため、管体ユニットの両端部には管体ユ
ニット同士を連結する連結部、あるいは波付きケーブル
保護管等と連結する連結部が必要となる。そこで、本発
明では、ユニット本体の端部に連結部を形成した構成を
採用したものである(請求項1)。
【0027】この連結部の構造としては、例えば、ユニ
ット本体端部同士が嵌合するオス・メス型構造、すなわ
ち一方の管端に挿通穴に連通する大径の連結穴を形成
し、他方の管端にこの連結穴に嵌合する小径部を形成し
た構造を採用できる(図27参照)。また、別の態様と
して、端面を斜面状に形成した構造、あるいは段差状に
切欠いた構造等、種々の構造を採用できる。これらのい
ずれの構造であっても、中子の基端部側にその連結部構
造に見合う中子を一体化しておけば、中子の脱型時にお
いて同時に脱型でき、容易に製造できる。また、中子の
先端側においても、中子と着脱自在な連結部金型構造と
しておけば、成形時に同時に連結部の成形が可能とな
る。
【0028】[管体ユニット同士の接続構造]本発明者
は、上記の管体ユニットを発明したが、さらに、この連
結部構造についても鋭意研究し、以下の構成を案出し
た。すなわち、管体ユニット同士の最適な接続構造とし
て、管体ユニットの管軸方向に形成されたケーブル挿通
穴に連通して、各管体ユニットの端部に、挿通穴の内径
よりも大径の連結穴を形成し、各管体ユニットの連結穴
同士を対向させ、その内部に短尺管を介在し、この短尺
管の両端部に環状の水密パッキンを外嵌した管路接続構
造を採用したものである(請求項6)。
【0029】このような構造を採用すれば、短尺管は管
体ユニットと別部材であるが、短尺管を管体ユニットの
連結穴に差し込むだけで、水密パッキンが連結穴の穴壁
に密着し、水密性を確保しつつ接続作業が容易に行える
ことになる。
【0030】この短尺管の材質としては、樹脂製、金属
製等、その材質は問わないが、通線性を考慮すれば、電
力ケーブル等との摩擦係数を低減できるポリエチレン製
であることが好ましい。また、短尺管の構造としても、
管内外面が平滑なもの、波状のものを問わないが、内部
に波形の凹凸部が形成されているものの方が、通線する
電力ケーブル等との接触面積が減少し、通線性の面でも
好ましい。
【0031】特に、内外面に所定ピッチで周状凹部と周
状凸部が管軸方向に交互に繰り返して形成された独立波
形の凹凸形状の短尺管の場合、環状の水密パッキンを嵌
入できる溝(周状凹部)が予め形成されているので、水
密パッキンの装着等も容易に行える利点がある。
【0032】さらに、この短尺管を可撓性材料で成形す
れば、地震等により管体ユニット同士の間に応力が発生
した場合でも、これを可撓性短尺管で応力吸収でき、水
密性を保ちつつ対応できる点で有利である(請求項
7)。また、曲げ方向の力に対しても、可撓性短尺管が
曲がることで、管体ユニットを破損せずに、これに対応
することができる。なお、短尺管としては、従来から存
在する硬質合成樹脂管としての独立波付きケーブル保護
管を、連結穴同士を対向させた際に、管体ユニット同士
の間に極力隙間が生じない程度の長さに切断し、これを
利用することができる。
【0033】また、水密パッキンは、ゴム製のみなら
ず、水密性を維持できるあらゆる材質のものを使用でき
る。特に、本発明では、通線性を考慮して、水密パッキ
ンを短尺管の外面と管体ユニットの連結穴の穴壁との間
に介在する構成を採用したので、従来のように管軸方向
の対向する面同士の間に水密パッキンを介在する場合の
ように、水密性を確保するために、管軸方向に互いに緊
締するボルト・ナットが不要となる点で有利である。
【0034】ここで、管体ユニット端部に形成する連結
穴を挿通穴よりも大径に形成したのは、挿通穴の内壁と
短尺管の内壁とが同一面となるように同径に形成して、
通線性を向上させるためであり、特に独立波付き短尺管
を使用した場合には、通線性に関して両者を面一にし得
る点で有利である。
【0035】さらに、独立波付き短尺管の場合、端部を
山切りに切断したものを使用することが望ましい。短尺
管端部を谷切りにすると、切断部が通線部に臨むことに
なり、電力ケーブル等を傷つけるおそれがあるからであ
る。
【0036】上記管体ユニット同士の接続構造は、管体
ユニットの連結穴、短尺管、水密パッキンのみによって
構成することも可能であるが、管体ユニット同士の連結
をより堅固にするためには、両者間を連結する連結手段
を設ける構成が望ましい。この連結手段としては、管体
ユニットの端部外面に係合孔を形成し、この係合孔間に
かすがいの先端部を係合して両者を連結する構成、ある
いは従来と同様にボルト・ナットを管軸方向に緊締する
構成、あるいは管体ユニットの端部をオス・メス構造で
嵌合し、この重合面に差込孔を穿孔して、この部分に差
込ピンを挿入することにより連結する構成など、種々の
方策を採用することができる。
【0037】これらの連結手段のうち、連結が上方から
行える点で有利となり、かつ後述する耐震性あるいは曲
線設置の上でも対応できる構造として、特に、以下の構
成が望ましい。すなわち、連結手段として、対向する管
体ユニットのうち、一方の管体ユニットの端部上面から
管端縁まで切り取り形成されてなる上側段差部と、他方
の管体ユニットの端部下面から管端縁まで切り取り形成
されてなる下側段差部と、両段差部の対応する上下合わ
せ壁面に貫通形成されたピン穴と、該ピン穴に上方から
嵌合可能な差込ピンとを含む構成である(請求項8)。
【0038】このような構成を採用すれば、段差部の上
下合わせ壁面をピン穴形成面とすることができ、このピ
ン穴を上下方向に貫通形成しているので、ピン差込作業
を上方から行うことができ、連結作業性が大幅に向上す
る。
【0039】この場合のピン穴の位置は、段差部の上下
合わせ壁面の左右方向でいずれの箇所に設置されていて
もよい。例えば、1列の挿通穴の管体ユニットの場合
は、左右両側の合わせ壁面に、2列挿通穴の場合、中央
部の上下合わせ壁面に、さらに、3列の挿通穴の場合、
各挿通穴の隔壁における上下合わせ壁面に夫々形成する
ことができる。また、ピン穴の大きさは、差込ピンが嵌
合可能な径であればよく、特に、ピン穴を管軸方向に長
く形成すれば、地震等の際に、管体ユニットに管軸方向
への引張り応力が作用したとしても、上記短尺管による
応力の吸収と協働して、管体ユニット同士が管軸方向に
ずれることが可能となり、管体ユニットの破損を防止で
き、耐震性に優れた接続構造を提供できる。
【0040】ここで、上側段差部とは、管体ユニットの
端部上面から管端縁まで切り取り形成されて、管体ユニ
ットの端部下側が管軸方向で外側に突出した形態をい
い、下側段差部とは、管体ユニットの端部下面から管端
縁まで切り取り形成されて、管体ユニットの端部上側が
管軸方向で外側に突出した形態をいう。そして、両段差
部を互いに上下方向で合わせたときに、上下隙間なく接
合する形態をいうものである。従って、段差部における
上下合わせ壁面は、管軸中心に形成されているものに限
らず、上下方向でいずれか一方に片寄って形成されてい
る場合も含む。また、上下合わせ壁面は、水平面に限ら
ず、傾斜面であってもよく、従って斜面状に切欠いた管
端構造であってもよい。この段差部の形成は、上側段差
部と下側段差部をそれぞれ管体ユニットの端部に形成す
るだけなので、金型内の加工により管体ユニットの成形
と同時に成形でき、容易に形成できる。
【0041】この管体ユニット同士の接続構造は、対向
する2本の管体ユニットの端部同士の接続構造について
説明したが、管体ユニットを管軸方向で多連に接続して
ケーブル埋設管路を構成することを考慮すれば、1本の
管体ユニットの一端部に上側段差部が、他端部に下側段
差部がそれぞれ形成された構成が最適である。
【0042】さらに、本発明者らは、上記接続構造に加
えて、曲線設置にも簡単に対応できる管路接続構造を発
明した。すなわち、上下段差部の管軸方向で対向する面
の少なくとも一方の面に、管軸方向に直交する方向で、
その中央部を管体ユニット側に突出するテーパ面を形成
し、ピン穴を、差込ピンの径よりもわずかに大なる短径
側よりも管軸方向に長径の長穴とした管路接続構造も採
用可能とした(請求項9)。
【0043】このような構造を採用すれば、管体ユニッ
トの管端の中央から左右方向に傾斜する両テーパ面によ
り、一方の管体ユニットに対して他方の管体ユニットが
左右いずれの方向にも揺動可能となり、曲線設置に対応
できる。また、ピン穴を管軸方向に長く形成しているの
で、地震による左右方向へのずれにも対応できる。な
お、テーパ面は、管体ユニットの上下段差部の先端のう
ち、一方に形成する場合のみならず、対向する両管体ユ
ニットに夫々形成されていてもよい。また、このテーパ
面のテーパ角としては、電力ケーブル等の曲線設置に対
応するために、2〜10度に設定するのが望ましい。
【0044】上記接続構造を有する管体ユニットとして
は、上記の螺旋状凸起を有する挿通穴付きの管体ユニッ
トに適用するのが最適であるが、これに限らず、他の構
造、例えば、独立波付き挿通穴付きの管体ユニットに適
用してもよいことは勿論である。従って、螺旋状凸起を
有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の管体
ユニットと、独立波付き挿通穴を有する管体ユニットと
の接続においても、本発明の接続構造を採用できる(請
求項10)。
【0045】[管体ユニットとケーブル保護管との接続
構造]また、本発明者は、管体ユニットとケーブル保護
管との接続構造についても発明した。すなわち、本発明
においては、管軸方向にケーブル挿通穴が形成された管
体ユニットと、所定ピッチで周状の凹部及び凸部が交互
に繰り返し形成された独立波付きケーブル保護管とを留
め具によって接続する管路接続構造であって、管体ユニ
ットの端部に、ケーブル挿通穴に連通して、その挿通穴
の内径よりも大径の連結穴を形成し、ケーブル保護管の
端部に水密パッキンを外嵌すると共に、ケーブル保護管
の端部を連結穴に内嵌し、留め具は、内部にケーブル保
護管の周状凹凸部に対応した波形凹凸部が形成された複
数の割片を備え、これらの割片を相互に連結固定してケ
ーブル保護管の端部に外嵌固定する構造を採用し、さら
に、留め具及び管体ユニットのうち、一方の端部上面か
ら端縁まで切り取って上側段差部を形成し、他方の端部
下面から端縁まで切り取って下側段差部を形成し、両上
下の段差部の対応する上下合わせ壁面にピン穴を貫通形
成し、このピン穴に上方から差込ピンを嵌合する管路接
続構造を採用したものである(請求項11)。
【0046】このような構成を採用することにより、上
記管体ユニット同士の接続構造と同様な構造を採用する
ことができ、ケーブル保護管を差込み、上方から差込ピ
ンを差込むだけで接続が容易に行えることになり、さら
に、水密パッキンによる水密性も十分確保できるといっ
た利点がある。
【0047】ここで、ケーブル保護管とは、内外面に所
定ピッチで周状凹部と周状凸部が管軸方向に交互に繰り
返して形成された独立波形の凹凸形状の硬質合成樹脂管
であり、管体ユニットとハンドホールとの接続時に介在
される可撓性管(FEP:JIS C3653に示す波
付き硬質ポリエチレン管)である。
【0048】この場合の留め具構造としては、2つ割の
他、複数の割型構造を採用でき、この場合の割片相互の
連結固定も蝶ネジによるネジ連結の他、固定ピンと固定
孔との無理嵌め方式なども採用することができる。
【0049】また、上側段差部及び下側段差部の概念
は、上記管体ユニット同士の接続構造における概念と同
様であり、従って段差部における上下合わせ壁面は、管
軸中心に形成されているものに限らず、上下方向でいず
れか一方に片寄って形成されている場合も含む。また、
上下合わせ壁面は、水平面に限らず、傾斜面であっても
よく、従って斜面状に切欠いた管端構造であってもよ
い。特に、留め具が2つ割構造の場合、その割片として
長尺留め体と短尺留め体とから構成すれば、これらの留
め体を上下に接合することにより、両留め体の長さの差
によって、留め具の管軸方向の端部に段差部を形成する
ことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
[ケーブル埋設管路の全体構成]以下、本発明の一実施
の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実
施の形態を示すケーブル埋設管路の分解図、図2は同じ
くケーブル埋設管路の接続状態を示す図である。これら
の図に基づいて、まず、ケーブル埋設管路の全体構成を
説明する。
【0051】本実施の形態に示すケーブル埋設管路1
は、歩道等の地下深さ30cm〜40cmにおいて、電
力線、電話線、通信線、信号線等の電力ケーブル等をま
とめて敷設するために使用する電線共同溝であり、図1
のごとく、電力ケーブル等を挿入しやすくするために、
7〜20mおきに設置されるハンドホール2間において
一人で持ち運び可能な重量の管体ユニット3と、この管
体ユニット同士を連結するための短尺管4と、管体ユニ
ット3の端部においてハンドホール2の接続部5と連結
するためのケーブル保護管6とが組み合わされてなる。
【0052】そこで、以下、管体ユニット3の構造、短
尺管4を含む管体ユニット同士の接続構造、及び管体ユ
ニット3とケーブル保護管6の接続構造、並びに管体ユ
ニットの製法等を順を追って説明する。
【0053】[管体ユニットの構造]図3は本実施の形
態の管体ユニットの平面図、図4は同じくその側面図、
図5は同じくその正面図、図6は管体ユニットの積層状
態を示す断面図である。図示のごとく、管体ユニット3
は、ユニット本体10に中央隔壁部10aを介して2列
のケーブル挿通穴11が管軸方向に形成されており、こ
の挿通穴11の壁面に、管軸方向に螺旋状の凸部12が
形成され、ユニット本体10の両端部には、他の管体ユ
ニット3又はケーブル保護管6との連結部13が形成さ
れている。
【0054】ユニット本体10は、埋め戻しの際の作業
性を考慮して外形が略直方体に形成されている。すなわ
ち、ユニット本体10の側壁は平滑な垂直壁とされてお
り、また、ユニット本体10の上下面は後述するよう
に、凸条21及び溝条22が形成されているが、管体ユ
ニット3を積層したときに、合わせ面(積層面)に隙間
が生じないように設定されている。管体ユニット3の長
さは一人で持ち運び可能な重さを考慮して30cm〜2
00cmの間で設定されている。この場合の管体ユニッ
ト3の長さは適宜選択できるが、標準長さとして1mを
採用している。
【0055】この管体ユニット3の材質としては、持ち
運び性を考慮して軽量な樹脂を採用しているが、具体的
には、ポリエチレン又はポリプロピレン、特に、摩擦係
数の低減及びコストの低減を図る意味から再生ポリエチ
レンが使用されている。また、必要に応じて、難燃剤、
充填材、発泡剤が添加される。例えば、難燃剤として三
酸化アンチモンなどを添加して難燃化でき、充填材とし
て炭酸カルシウム、ガラス繊維などの無機物が添加でき
る。さらに、発泡剤として熱分解型の発泡剤を加え、比
重を0.8まで下げて、許容強度を維持しつつ軽量化を
図ることもできる。
【0056】挿通穴11は、いずれも管軸方向に同径に
形成されており、ユニット本体10の両端の連結穴14
に連通している。この挿通穴11の穴径は、例えば、5
0mm、80mm、100mm、150mmなど、要望
に応じて適宜選択できる。この挿通穴11の内壁構造と
しては、電力ケーブル等との接触面積を少なくするため
に、従来の独立波付き状の内壁構造に代わり、連続する
螺旋状の凸部12が形成されている。この螺旋状凸部1
2は、凸部が管体ユニットの成形と同時に形成できる
点、及び凸部12が螺旋状である点以外、従来のように
独立周状の突起が所定ピッチで形成された波付き内壁構
造と機能的に変わりはない。また、凸部12の高さは3
mm程度、凸部ピッチは15〜50mmの範囲で形成さ
れている。
【0057】連結部13には、ケーブル挿通穴11に連
通しかつ挿通穴11の内径(凸部12の内径)よりも大
径で、接続する短尺管4あるいはケーブル保護管6の外
径よりもわずかに大きな円形の連結穴14が形成されて
いる。これは、この連結穴14に内嵌される短尺管4の
内径と挿通穴11の内径とを同径にするためである。こ
の連結穴14の管軸方向長さは、接続する短尺管4ある
いはケーブル保護管6が十分嵌合し得るように、短尺管
4及び保護管6の山ピッチに換算して2ピッチ以上で5
ピッチ以下の長さとされている。
【0058】この連結部13の一端部は、その上面から
管端縁の高さ方向で1/2まで半円筒部分が切り取られ
て側面視でL字形の上側段差部15が形成されており、
管体ユニット3の他端部は、その下面から管端の高さ方
向1/2まで半円筒部分が切り取られて側面視で逆L字
形の下側段差部16が形成されており、これら段差部1
5、16の上下合わせ壁面15a,16aは水平面とさ
れ、また縦壁面は管路軸方向に直角な垂直壁面15b、
16bとされている。
【0059】この段差部15、16と連結穴14との管
軸方向長さの関係は、連結穴14のうち、円筒部分14
aが少なくとも短尺管4及び保護管6の山2ピッチを嵌
入可能な長さに設定されている。従って、この上下段差
部15、16は、管軸方向にずれた形状で、互いに嵌合
可能な対称の段差とされている。この段差部15、16
は、管体ユニット3、3同士の接続を容易にし、かつ上
方より差込ピン17を差込み易くするために形成された
ものである。
【0060】さらに、管体ユニット3の曲線設置に対応
すべく、両段差部15、16の管端面は、管軸方向に直
交する方向(左右方向)の左右中央部が、対向する管体
ユニット側に突出して左右両側に傾斜したテーパ面19
が形成されている。このテーパ面19のテーパ角θは、
管体ユニット3の標準長さ1mの場合、2〜10度のう
ち適宜の角度を選択できる。これらの角度範囲は内装す
る電力ケーブル等の曲線設置許容範囲に対応するもの
で、電力ケーブル等を概ね半径2.5m以上で曲線設置
できることを示している。従って、テーパ面19のテー
パ角θの範囲は、管体ユニット3の長さにより、電力ケ
ーブル等の曲線設置許容範囲との関係で異なることにな
る。
【0061】前記ピン穴18は、管体ユニット3が左右
対称に回転できるように、上下合わせ壁面15a、16
aの中央隔壁部に縦方向に貫通形成されており、その穴
形状は、地震等による管体ユニット3の管軸方向へのず
れに対応するため、差込ピン17の径よりもわずかに大
なる短径よりも管軸方向に長径(短径に対して1.5〜
3倍)の長穴とされている。
【0062】また、ユニット本体10の上下面のうち、
少なくとも上面には、管軸方向に連続する位置決め用の
凸条21が、管軸方向と直交する左右幅方向の全面にわ
たって所定ピッチで形成されており、また少なくとも下
面には、凸条21に係合可能な凹溝22が、ユニット本
体10の左右幅方向の全面にわたって所定ピッチで形成
されている。
【0063】本実施の形態では、ユニット本体10の上
下面の夫々に、横断面形状が同形の三角形及び逆三角形
に形成された凸条21及び溝条22が、左右方向で交互
に連続して形成され、図6のごとく、管体ユニット3を
複段に積層した場合、対向する上下の凸条21及び溝条
22が隙間なく係合するように設定されている。この凸
条21の高さ及び溝条22の深さは、例えば5mmに設
定され、底面長さが20mmとされている。従って、ユ
ニット本体10の上面に形成された凸条21と下面に形
成された凸条21は、左右方向で互いに1/2ピッチの
位相差をもって形成されたものであり、また、同様に、
上面の溝条22と下面の溝条22も左右方向で1/2ピ
ッチの位相差をもって形成されていることになる。
【0064】そして、この凸条21及び溝条22は、管
体ユニット3の挿通穴11の数、左右幅及び長さが異な
っている場合においても、同一態様で形成するように設
定する。そうすれば、長さの異なる管体ユニット3を、
あるいは管体ユニットを管軸方向にずらして積層し、管
軸方向の接続箇所を各段で変更して管路の強度をアップ
する場合においても、積層する管体ユニット3の管軸方
向への案内が容易となり、またユニット本体10の上下
合わせ面(積層面)で隙間ができなくなる利点がある。
さらに、左右方向に幅の異なるユニット本体10を載置
する場合においても、その上下面に隙間ができないとい
った利点がある。
【0065】このユニット本体10の上下面における凸
条21及び溝条22とピン穴18との関係は、凸条21
及び溝条22が、ピン穴18の形成部分を除いて、ユニ
ット本体10の上下面の全面に形成されており、さら
に、差込ピン17をピン穴18に差し込んだときに、差
込ピン先端の抜け止め頭部17aが凸条21及び溝条2
2と干渉しないように、ユニット本体10の上下面に面
するピン穴18部分には、差込ピン頭部17aの高さ分
の深さを有する段差部18aが形成されている。
【0066】なお、凸条21及び溝条22は、図5ない
し図8においてのみ記載し、図1ないし図4においては
その記載を省略している。
【0067】[管体ユニット同士の接続構造]次に、管
体ユニット同士の接続構造を図1、図2、図7ないし図
10に基づいて説明する。図7は管体ユニット同士の接
続構造を示す分解斜視図、図8は同じくその組立斜視
図、図9は管体ユニット同士の接続構造を示す断面図、
図10は水密パッキンの断面図である。
【0068】図示のごとく、この管体ユニット3同士の
接続構造の特徴としては、管体ユニット3とは別に短尺
管4を使用したところである。すなわち、管体ユニット
3の端部連結穴14同士を対向させた状態で配列し、こ
の対向する連結穴14の内部に短尺管4を介在し、この
短尺管4の両端部に環状の水密パッキン25を外嵌して
水密性を保持させ、かつ接合する段差部15、16の上
下合わせ壁面15a、16aに位置するピン穴18に上
方から差込ピン17を差込み、管路を接続するようにし
ている。
【0069】短尺管4は、図9のごとく、内外面に所定
ピッチで周状凹部4aと周状凸部4bが管軸方向に交互
に繰り返して形成された所定肉厚の独立波付き管であっ
て、地震等に対応して屈曲自在とするために可撓性を有
している。この短尺管4の長さは後述するケーブル保護
管6の山ピッチに合わせて山3ピッチ〜10ピッチの長
さとされている。1ピッチは10mm〜50mmの範囲
で、この範囲内で屈曲性等を考慮して適宜選択できる。
これらの長さのうち、連結穴14の長さと、管体ユニッ
ト3同士の間の隙間をできるだけ少なくすることを考慮
すれば、短尺管4は、山4ピッチ〜6ピッチの長さが好
ましい。
【0070】また、短尺管4の内径は、通線性を考慮し
て、挿通穴11の内径に合わせた内径に形成され、短尺
管4の外径は管体ユニット3の連結穴14の内径よりも
わずかに小径に設定されている。さらに、短尺管4の端
部は、接続時に電力ケーブル等を傷付けないように、凸
部4bの中央部を切断する山切りにして、その端縁を通
線部から後退させている。
【0071】この短尺管4は、その可撓性、耐久性等を
考慮して、肉厚1.5〜4mmで、ポリエチレン、又は
ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて、ブロー成形
などによって製作してもよいし、既存の独立波付きケー
ブル保護管6を山切りして形成してもよい。さらに、ス
チレン系あるいはオレフィン系の熱可塑性エラストマー
(TPE)を使用してもよい。この場合、低摩擦係数を
確保するため、ゴム硬度80以上のエラストマーが好ま
しい。具体的には、住友化学工業株式会社製の商品名
「住友TPE」やシェル化学株式会社製の商品名「クレ
イトンG」や「カリフレックスTR」が使用可能であ
る。
【0072】水密パッキン25は、図10のごとく、短
尺管4の両端の凹部4aに各1個嵌合されるゴム製のも
のであって、水密性を確保するため、嵌合状態の外径が
管体ユニット3の連結穴14の内径よりも少し(約1〜
2mm)大きく設定されている。水密パッキン25の断
面形状は、短尺管4を連結穴14に管軸方向から挿入し
やすく、かつ抜けにくい形状とするため、短尺管4の凹
部4aに嵌合密着する嵌合部25aと、この管軸方向内
端側から外端側に向かって2段階に羽根状に拡がった羽
根部25bとから構成され、連結穴14への挿入時に羽
根部25bが連結穴14の穴壁面を摺擦しながら縮径変
形して概ね外水圧に対して1kg/cm2の水密性を発
揮するようになっている。
【0073】この場合、水密パッキン25は、短尺管4
の外面に嵌合されるので、従来のように端面水密構造を
採用する場合のように、電力ケーブル等が水密パッキン
に引掛かるおそれがない。なお、本実施の形態では、水
密パッキンとして図10のごとき形態のものを使用した
が、これに限らず、通常の断面略円形のものを使用して
もよい。
【0074】前記差込ピン17は、軸部17bと、その
上部に抜け止め用の頭部17aが形成されたものであ
り、非腐食性の金属、ポリプロピレン、FRPなどで成
形されている。差込ピン17の軸部17bの径は、上方
からピン穴18への差込みが容易に行えるように、ピン
穴18に対して遊嵌状態となる径であればよく、従っ
て、ピン穴18の短径に合わせて適宜設定できる。ま
た、差込ピン17の軸部17bの長さは、接合する管体
ユニット3のピン穴間に貫挿する長さであって、管体ユ
ニット3の高さよりも短く設定されている。
【0075】なお、上記接続構造においては、管体ユニ
ット3同士の管端縁間にテーパ面19により隙間ができ
るが、この隙間ができたとしても短尺管4、及び水密パ
ッキン25の存在により、管路の通線部の水密性は十分
確保される。また、このテーパ面19による隙間が埋め
戻し時に問題となる場合、例えば、管体ユニットの曲線
設置において、管体ユニット間の曲げ方向外側に隙間が
発生するが、この場合には、この隙間に軟質発泡ポリエ
チレン等の充填材を充填するようにすれば、埋め戻し時
の問題が解消できる。
【0076】[管体ユニットとケーブル保護管の接続構
造]次に、管体ユニット3とケーブル保護管6の接続構
造を、図1、図2、図11ないし図16に基づいて説明
する。図11は、管体ユニット3とケーブル保護管6と
の接続状態を示す分解図、図12は同じく留め具の分解
斜視図、図13は長尺留め体の底面図、図14は長尺留
め体の正面図、図15は短尺留め体の平面図、図16は
同じく留め具の連結固定部を示す斜視図である。
【0077】図11のごとく、管体ユニット3とケーブ
ル保護管6との接続構造は、管体ユニット3の端部の連
結穴14に、水密パッキン25が外嵌されたケーブル保
護管6を内嵌され、このケーブル保護管6の端部に留め
具26が外嵌固定されたものである。
【0078】ケーブル保護管6は、周状の凸部6a及び
凹部6bが管軸方向に交互に繰り返し形成された可撓性
の硬質ポリエチレン製のもので、凸部6a及び凹部6b
のピッチは、短尺管4と同様に10mm〜50mmの範
囲で設定されている。
【0079】留め具26は、長尺留め体27と短尺留め
体28とからなる割型構造であって、内部にケーブル保
護管6の波形形状に対応して波形の凹凸部29が形成さ
れている。長尺留め体27は、図16のごとく、外形が
角形のものであって、管体ユニット3の段差部15又は
16に嵌め込むと、管体ユニット3の外面と面一になる
よう外形寸法が設定された樹脂成形品であって、内面は
半円筒形に形成されるとともに、ケーブル保護管6の凹
部6bに嵌合する周状突起29aが3ピッチ分形成され
ている。この長尺留め体27の端部中央には、差込ピン
17を差込可能な長穴形状のピン穴30が貫通形成さ
れ、地震等による管軸方向の引張り応力が作用したとき
に、これに対応できるようになっている。
【0080】短尺留め体28は、図15のごとく、長尺
留め体27と対応するように外形角形のものであって、
内面が半円筒形に形成されるとともに、ケーブル保護管
6の凹部6aに嵌合する周状突起29bが2ピッチ分形
成されている。
【0081】なお、長尺留め体27の長さを3ピッチ
分、短尺留め体28の長さを2ピッチ分に設定したが、
これに限定されるものではなく、連結する管体ユニット
3の上下段差部15、16の管軸方向長さに応じて、長
尺留め体27の端面が管体ユニット3の段差部15、1
6の内側垂直壁15b、16bに当接する程度の長さに
設定されていることが好ましい。
【0082】そして、長尺留め体27と短尺留め体28
との連結手段は、連結の容易性を考慮して、ピン接続方
式を採用している。すなわち、長尺留め体27と短尺留
め体28との上下合わせ面の一方に固定ピン31が形成
され、他方にこの固定ピン31を嵌着する固定孔32が
形成されている。この固定ピン31は、例えば6mm径
の断面円形のピン形状とし、固定孔32としては、5m
m角の角孔形状とすることにより、図11のごとく、ケ
ーブル保護管6に上下両側から挟み込み、無理嵌め方式
で両者を嵌着するようにしている。なお、固定孔32
は、図13及び図15のごとく、上下の留め体27、2
8に夫々4個づつ形成しておき、現場施工時に固定ピン
31を両固定孔32に差込ようにしてもよい。
【0083】また、水密パッキン25は、上記管体ユニ
ット同士の接合に使用したものと同様のものを使用すれ
ば、ケーブル保護管6と管体ユニット3との間の水密性
が十分確保できることになる。
【0084】なお、ハンドホール2とケーブル保護管6
との接続部5は、通常、コンクリート製ハンドホール2
に保護管用の貫通穴が形成されているが、本実施の形態
では、図1のごとく、この接続面のみを樹脂製接続板3
3として、この接続板33をコンクリート製ハンドホー
ル本体2と一体的に成形したものを採用している。
【0085】この接続板33には、ケーブル保護管6を
内嵌可能な内径を有する接続筒34が一体的に形成され
ており、この接続筒34に、水密パッキン25及びベル
状の端縁カバー35を嵌合した保護管6が嵌着されてい
る。
【0086】なお、接続板33の接続筒34は、使用し
ない接続筒34が存在することを考慮して、接続板33
の成型時には、周縁に薄肉部が形成された蓋部36を一
体成形したものを用いて、現場において、使用する接続
筒34のみの蓋部36をドライバーなどの工具で開放す
るように構成してもよい。
【0087】[ケーブル埋設管路の接続方法]次に、ケ
ーブル埋設管路1の接続作業を説明する。まず、管体ユ
ニット同士の接続作業について説明すると、歩道等の管
路埋設部分を掘削してから、ハンドホール2及び管体ユ
ニット3を掘削溝部分に配置し、水密パッキン25付き
の短尺管4を管体ユニット3の端部連結穴14に嵌入
し、その後、対向する管体ユニット3を管軸方向から短
尺管4の他方の端部に挿入する。このとき、管体ユニッ
ト3同士の段差部15、16を係合して、段差部15、
16のピン孔18同士を合わせ、差込ピン17を上方か
ら差し込んで管体ユニット同士の接続作業を完了する。
この操作を順次繰り返してハンドホール2間に所望数の
管体ユニット3を設置接続する。
【0088】次に、ハンドホール2と管体ユニット3と
の接続方法を説明する。ハンドホール2と管体ユニット
3とは直接接続できない構造であるため、これらの間に
独立波付きケーブル保護管6を接続する。この接続作業
は、ハンドホール側から行ってもよいし、管体ユニット
3側から行ってもよい。ハンドホール2側から行う場
合、ハンドホール2の内側からケーブル保護管6を管軸
方向に挿入して先端部を管体ユニット3側に突出させ
る。このとき、ケーブル保護管6の端部に水密パッキン
25を予め装着しておけば、ハンドホール2にケーブル
保護管6を挿入するだけで、ハンドホール2側の水密性
が確保できる。
【0089】ハンドホール2から管体ユニット3側に突
出させたケーブル保護管6の端部には留め具26のピッ
チに合わせて予め水密パッキン25を嵌合密着させてお
き、留め具26の長尺留め体27と短尺留め体28とを
固定ピン31で接合し、次いで、管体ユニット3の連結
穴14にケーブル保護管6の端部を嵌入する。そうすれ
ば、長尺留め体27が管体ユニット3の段差部15に係
合した状態となるので、両者のピン穴同士を合わせ、差
込ピン17を上方から差し込むだけで、水密性が確保さ
れた接続作業が確保できる。
【0090】これらの接続作業が終了したならば、掘削
土砂をこの埋設管路に埋め戻す。この場合、管体ユニッ
ト3の外形は角形であるため、埋め戻し時に隙間が生じ
ることなく、埋め戻し作業も容易に行える。埋め戻し作
業が完了したならば、その後、ハンドホール2から電力
ケーブル等をケーブル保護管6、短尺管4及び管体ユニ
ットの挿通穴11に通線させて次にハンドホール2に導
く。これらの通線作業において、通線路には、すべて波
付き凸部が形成されていることになり、電力ケーブル等
との接触面積が少なくなるため、通線作業も容易に行え
ることになる。
【0091】[管体ユニットの製法]次に、管体ユニッ
ト3の製造方法を図17ないし図21に基づいて説明す
る。図17は管体ユニットの金型の正面図、図18は図
17のA−A断面図、図19は図17のB−B断面図、
図20は同じく金型全体図、図21は同じく中子の側面
図である。
【0092】管体ユニット3の製造は、射出成形、トラ
ンスファ成形、あるいは注型成形のいずれをも採用でき
るが、本実施の形態では、後述する再生ポリエチレンを
使用して安価に製造するために、低圧注型成形法を採用
している。この低圧注型成形法においては、図20のご
とく、下定盤40上の水槽41内に成形金型42を入
れ、上定盤43と下定盤40とで挟圧し、押出し機44
を用いて加熱配管45から溶融樹脂を金型キャッビティ
内に注入して成形し、水冷方式を採用することにより成
形サイクルを短縮する方式を採用している。
【0093】成形金型42は、図17のごとく、割面4
6を成形品の高さ方向の1/2とする2つ割型を使用し
ており、上型47、下型48、側型49、50及び中子
51から構成されている。
【0094】中子51は、図18及び図21のごとく、
挿通穴11及び連結穴14を形成するためのものであっ
て、基端部側の連結穴形成用の大径部52に連続して、
挿通穴11の螺旋状凸部12を形成するための雄ねじ部
53が形成されており、その先端が、連結穴形成用の大
径の中子受け54に着脱自在に嵌合されている。また、
中子51は、管体ユニットの成形サイクルを短縮するた
めに、内部に冷却水を流通させる中空部55が形成され
ている。雄ねじ部53は、山部の高さが3mm程度、山
ピッチが15〜50mmの範囲で適宜選択して設定でき
る。従って、これによって成形される挿通穴11の凸部
12も、雄ねじ部53に対応した高さ及びピッチで形成
されることになる。
【0095】また、上型47、下型48及び側型49、
50によって、内部には肉厚成形品を成形可能なキャビ
ティ56が構成されている。このキャビティ形状は、要
求される管体ユニット3の外形に合わせて適宜選択で
き、例えば、前記段差部15、16の成形部57も容易
に設定可能である。
【0096】上記構造の金型42を用いて管体ユニット
3を成形する場合、上下定盤40、43によるプレス下
において、押出し機44により、溶融樹脂を加熱配管4
5の注入ノズル45aから金型キャビティ56内に注入
し、注入完了後に冷却した後、中子51を回転しながら
脱型すれば、管体ユニット3が成形でき、その成形サイ
クルを大幅に短縮することができた。
【0097】[実施例]以下、異なる配合割合の樹脂を
使用して、外形145mm(縦方向高さ)×290mm
(左右幅)×600mm(管軸方向長さ)、内径100
mmの2列の挿通穴11を有する管体ユニット3を成形
した例について説明する。この場合の管体ユニット3
は、図20に示す上下定盤40、43による70トンの
プレス下において、吐出量150g/秒、温度200〜
220℃の溶融樹脂を注入ノズル45aから金型キャビ
ティ56内に注入し、注入完了後、12分間冷却した
後、中子51を回転しながら脱型して得られたものであ
る。
【0098】表1は異なる配合の合成樹脂で成形した場
合の製品比重、収縮率、ヒケ深さ、外観、及びたわみ
量、並びにたわみ率を比較評価したものである。第1実
施例は再生ポリエチレンのみ(再生PEが100重量
%)を使用した例である。第2実施例は低密度タイプの
再生PEを80重量%と、充填材として炭酸カルシウム
(炭カル)(白石カルシウム株式会社製:商品名「プリ
ンストンB」)を20重量%との割合で配合した例を示
す。第3実施例は、低密度タイプの再生PEを80重量
%と、充填材としてFRP成形品の廃材を径5mm以下
にチップ化した再生FRPを20重量%の割合で配合し
た例を示す。また、表1中、たわみ量及びたわみ率は、
管体ユニット3を管軸方向長さ250mmに切断した試
験片を、3380kgfの力を加えたときの高さ方向の
たわみを測定した結果である。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示すように、第1実施例のごとく、
再生PE100重量%を使用して管体ユニット3も成形
できるが、製品評価の上では、第2実施例及び第3実施
例が製品収縮率を低く抑えることができ、ヒケ深さも浅
く、外観上も良好であった。製品のたわみ量及びたわみ
率からみても十分な圧縮強度を有している。また、管体
ユニット3は、つるはし試験(JIS C3801)に
おいても、打点にへこみができたが、挿通穴11には全
く変形損傷が認められなかった。
【0101】従って、再生ポリエチレンに充填材とし
て、炭酸カルシウムや再生FRPチップを混入すること
により製品強度の向上が図れ、さらに再生FRPを使用
する場合には、FRP成形品の廃材利用の観点から社会
的意義も大きいことになる。
【0102】[別の実施の形態]次に別の実施の形態に
ついて説明する。管体ユニット3の外形は、上記のごと
く、直方体形状に限らず、図22(a)のごとく上下面
にぬすみ用凹部66及び側部にフランジ部67を形成
し、この部分にピン穴を形成したものや、同図(b)の
ごとく四隅を斜めに切り取ったもの、さらには、同図
(c)のごとく、段差部15を高さ方向で上部側に配置
した形状のものであってもよい。
【0103】図22(a)のごとく、凹部66を形成し
た管体ユニット3を複段複列に並列積層した場合、図2
3のごとく、凹部66並びにフランジ部67に起因して
積層内部に空間68が生じるが、この空間部68にこの
断面形状に対応した角材(図示せず)を充填すれば、積
層構造内部において隙間がなくなり、埋め戻し作業も容
易に行えることになる。
【0104】また、管体ユニット3に形成される挿通穴
11の数は、上記実施の形態のごとく、2列に限らず、
左右方向に1列又は3列、あるいはそれ以上の複列に適
宜選択して形成することができ、同様に、高さ方向にも
1段、2段、3段あるいはそれ以上の複段に形成するこ
とができる。図24(a)は1個の挿通穴の管体ユニッ
トを、同図(b)は3列の管体ユニットを夫々示す。ま
た、複段複列に挿通穴を形成する場合には、異種径のも
のを配列することも可能である。
【0105】図25に同穴径種、異穴径種の管体ユニッ
ト3同士を複段複列に積層した状態を示す。このよう
に、同穴径種、異穴径種の管体ユニット3同士を複段複
列に並列積層することで任意の穴数の管路構造とするこ
とができる。この場合、管体ユニット3の上下面に同一
態様の凸条21及び溝条22を形成すれば、管体ユニッ
ト3を積層した場合でも、隙間なく積層することができ
る。
【0106】なお、ピン穴18の形成位置は、挿通穴1
1が2列の場合は、上記実施の形態のごとく、ユニット
本体10の中央隔壁部10aに配置するのが好ましい
が、3列の場合は、図26のごとく、挿通穴同士の隔壁
10c,10dの先端部分に配置するのが好ましい。ま
た、1列の挿通穴11の場合、左右方向で中央に形成で
きないので、両側の肉厚部に形成するのが好ましい。
【0107】また、上記実施の形態においては、成形の
容易性と接続の容易性を考慮して、螺旋状の挿通穴11
と、端部に段差部15、16を有する形態の管体ユニッ
ト3を示したが、成形の容易性のみを考慮した場合、図
27及び図28に示すような形態であってもよい。すな
わち、管体ユニット3の一端部の形状を螺旋状の挿通穴
11に連通する大径の連結穴14とし、管体ユニット3
の他端部をこの連結穴14に内嵌可能な小径部69に形
成して、いわゆるオス・メス嵌合型の連結部構造とする
ことも可能である。
【0108】この場合、連結穴14と挿通穴11との間
の段差部70に水密パッキン(ゴム輪)71を当接し、
図28のごとく、管体ユニット3の端部外面に形成され
た係合部72、73にかすがい74を係合することによ
り、水密パッキン71を挟圧することで水密性を保持す
るように構成することも可能である。
【0109】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、雄ねじ状の中子を回転しながら脱型する方法に
より、ケーブル保護管を成形するので、挿入穴が螺旋状
の凸部となり、通線性に優れた管体ユニットが容易に製
造できる利点がある。
【0110】また、管体ユニット同士の接続構造とし
て、管体ユニットとは別に可撓性の短尺管とこれに外嵌
する水密パッキンを用いたので、管軸方向からの接続も
容易に行えるといった効果がある。
【0111】また、その接続部において、管体ユニット
端部に段差部を形成し、この段差部を利用した差込ピン
連結方式を採用したので、管体ユニット接続作業がすべ
て上方から行うことができ、作業性が向上するととも
に、地中掘削面積も少なくすることができる等の利点を
有する。
【0112】さらに、管体ユニット同士の端部にテーパ
面を形成して曲線設置にも対応できるようにしており、
かつ差込ピンのピン穴を管軸方向に長い長穴としたの
で、地震等に対する耐震性も向上するといった優れた効
果がある。
【0113】さらに、管体ユニットとケーブル保護管と
の接続も、内部にケーブル保護管の周状突起に対応する
独立波付きの割型構造の留め具を用い、かつ上方からの
差込ピン連結方式を採用したので、接続作業も容易に行
えるといった優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すケーブル埋設管路
の分解図
【図2】同じくケーブル埋設管路の接続状態を示す図
【図3】管体ユニットの平面図
【図4】同じくその側面図
【図5】同じくその正面図
【図6】管体ユニットの積層構造を示す断面図
【図7】管体ユニット同士の接続構造を示す分解斜視図
【図8】同じくその組立斜視図
【図9】管体ユニット同士の接続構造を示す断面図
【図10】水密パッキンの断面図
【図11】管体ユニットとケーブル保護管との接続状態
を示す分解図
【図12】同じく留め具の分解斜視図
【図13】長尺留め体の底面図
【図14】長尺留め体の正面図
【図15】短尺留め体の平面図
【図16】同じく留め具の連結固定部を示す斜視図
【図17】管体ユニットの金型の正面図
【図18】図17のA−A断面図
【図19】図17のB−B断面図
【図20】同じく金型全体図
【図21】同じく中子の側面図
【図22】(a)(b)(c)は夫々管体ユニットの外
形形状の別の実施形態を示す正面図
【図23】図22(a)の管体ユニットを積層した状態
を示す正面図
【図24】同じく管体ユニットの断面図であって、同図
(a)は1列の挿通穴のもの、同図(b)は3列の管体
ユニットの断面図
【図25】異種径の管体ユニット同士を複段複列に積層
した状態を示す正面図
【図26】3列の挿通穴を有する管体ユニットの一部平
面図
【図27】管体ユニットの別の連結部構造を示す断面図
【図28】同じくその連結手段を示す断面図
【符号の説明】
1 ケーブル埋設管路 2 ハンドホール 3 管体ユニット 4 短尺管 10 ユニット本体 11 挿通穴 12 螺旋状凸部 13 連結部 14 連結穴 15、16 段差部 17 差込ピン 18 ピン穴 19 テーパ面 25 水密パッキン 26 留め具 27 長尺留め体 28 短尺留め体
フロントページの続き (72)発明者 中井 一郎 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大平 忠良 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力ケーブル等を地中に埋設するためのケ
    ーブル埋設管路に使用される管体ユニットにおいて、 ユニット本体の管軸方向に前記電力ケーブル等を通線さ
    せるためのケーブル挿通穴が形成され、該挿通穴の壁面
    に、管軸方向に螺旋状の凸部が形成され、前記ユニット
    本体の端部に、他の管体ユニット又はケーブル保護管と
    の連結部が形成されたことを特徴とする管体ユニット。
  2. 【請求項2】前記ユニット本体が樹脂成形品である請求
    項1記載の管体ユニット。
  3. 【請求項3】前記ユニット本体の材料として再生プラス
    チックを使用した請求項2記載の管体ユニット。
  4. 【請求項4】前記再生プラスチックに、充填材として炭
    酸カルシウム及び再生ガラス繊維強化プラスチックのう
    ちから選ばれるものを混入した請求項3記載の管体ユニ
    ット。
  5. 【請求項5】前記ユニット本体の上下面のうちの一方の
    面に、管軸方向に連続する位置決め用の凸条が、管軸方
    向と直交する左右幅方向の全面にわたって所定ピッチで
    形成され、他方の面に、前記凸条に係合可能な凹溝が、
    前記ユニット本体の左右幅方向の全面にわたって所定ピ
    ッチで形成された請求項1、2、3又は4記載の管体ユ
    ニット。
  6. 【請求項6】電力ケーブル等を地中に埋設するためのケ
    ーブル埋設管路において、管軸方向にケーブル挿通穴が
    形成された管体ユニット同士の接続構造であって、 各管体ユニットの端部に、前記ケーブル挿通穴に連通し
    てその挿通穴の内径よりも大径の連結穴が形成され、各
    管体ユニットの連結穴同士が対向され、その内部に短尺
    管が介在され、該短尺管の両端部に環状の水密パッキン
    が外嵌された管路接続構造。
  7. 【請求項7】前記短尺管が可撓性のある独立波付き管で
    ある請求項6記載の管路接続構造。
  8. 【請求項8】前記各管体ユニットの端部同士を連結する
    ための連結手段が設けられ、前記連結手段は、対向する
    管体ユニットのうち、一方の管体ユニットの端部上面か
    ら管端縁まで切り取り形成されてなる上側段差部と、他
    方の管体ユニットの端部下面から管端縁まで切り取り形
    成されてなる下側段差部と、両段差部の対応する上下合
    わせ壁面に縦方向に貫通形成されたピン穴と、該ピン穴
    に上方から嵌合可能な差込ピンとを含む構成である請求
    項6又は7記載の管路接続構造。
  9. 【請求項9】前記段差部の管軸方向で対向する面の少な
    くとも一方の面に、管軸方向に直交する左右方向で、そ
    の中央部を対向する管体ユニット側に突出するテーパ面
    が形成され、前記ピン穴は、前記差込ピンの径よりもわ
    ずかに大なる短径よりも管軸方向に長径の長穴とされた
    請求項8記載の管路接続構造。
  10. 【請求項10】前記対向する管体ユニットの少なくとも
    一つが、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の管
    体ユニットである請求項6、7、8又は9記載の管路接
    続構造。
  11. 【請求項11】電力ケーブル等を地中に埋設するための
    ケーブル埋設管路において、管軸方向にケーブル挿通穴
    が形成された管体ユニットと、所定ピッチで周状の凹部
    及び凸部が交互に繰り返し形成された独立波付きケーブ
    ル保護管とを留め具によって接続する管路接続構造であ
    って、 前記管体ユニットの端部に、前記ケーブル挿通穴に連通
    して、その挿通穴の内径よりも大径の連結穴が形成さ
    れ、前記ケーブル保護管の端部に水密パッキンが外嵌さ
    れると共に、前記ケーブル保護管の端部が前記連結穴に
    内嵌され、 前記留め具は、内部に前記ケーブル保護管の周状突起に
    対応した波形凹凸部が形成された複数の割片を備え、こ
    れらの割片が相互に連結固定されて前記ケーブル保護管
    の端部に外嵌固定され、 前記留め具及び管体ユニットのうち、一方の端部上面か
    ら端縁まで切り取られて上側段差部が形成され、他方の
    端部下面から端縁まで切り取られて下側段差部が形成さ
    れ、両段差部の対応する上下合わせ壁面にピン穴が貫通
    形成され、該ピン穴に上方から差込ピンが嵌合された管
    路接続構造。
  12. 【請求項12】電力ケーブル等を地中に埋設するための
    管体ユニットの製造方法において、 少なくとも2分割の金型キャビティ内に、雄ねじ状の中
    子を抜き出し自在にセットし、該金型キャビティ内に合
    成樹脂を注入して中子によりケーブル挿通穴を螺旋状に
    成形した後、前記中子を回転しながら脱型し、管体ユニ
    ットを製造する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003083476A (ja) * 2001-06-28 2003-03-19 Kubota Corp 電力ケーブル用保護管
JP2005136677A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Alpha Corp アンテナ

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