JP2005012978A - 作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント、並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業用ボックスへのケーブルの通線に際し、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続を簡単、確実でしかも短時間で行え、労力を大幅に軽減させる。
【解決手段】作業用ボックスへのケーブルの通線構造は、作業用ボックスの壁10のノックアウト孔12は、打抜き動作により略定型的に打ち抜かれる孔であり、この打抜き孔にノックアウトジョイント14が連結される。ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁10に一体化する嵌着部16と、ノックアウト孔12に対して貫通方向に配置され嵌着部16に一体的に接続された管路部18と、を含む。嵌着部の押し込み嵌合動作だけで作業用ボックスへのケーブル通線用管路の連結を完了し得る。
【選択図】 図1
【解決手段】作業用ボックスへのケーブルの通線構造は、作業用ボックスの壁10のノックアウト孔12は、打抜き動作により略定型的に打ち抜かれる孔であり、この打抜き孔にノックアウトジョイント14が連結される。ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁10に一体化する嵌着部16と、ノックアウト孔12に対して貫通方向に配置され嵌着部16に一体的に接続された管路部18と、を含む。嵌着部の押し込み嵌合動作だけで作業用ボックスへのケーブル通線用管路の連結を完了し得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に敷設される通信線や電力線ケーブル等の作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント、並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地中に敷設された通信線や送配電線等をマンホール、ハンドホール、フィンガーホール等の作業用ボックス内に引き入れて他の線条やケーブルとの接続、配管、分岐作業を行なうに際しては、作業用ボックスの壁に線条通係用の孔を形成させ、硬質合成樹脂製等のフレキシブル管路を配置させて、この内部に線条類を通係させ、他の線条との連結等を行なっている。従来の作業用ボックスの壁のケーブル等通係用孔の形成方法として、(イ)作業用ボックスの施工現場で線条類を通係させる位置に円形抜きカッタ等で直接に円状に切断し、そのコア部分を打抜いて孔を穿孔させる方法や、(ロ)線条類を通係させるべき位置に予めノックアウト部としてボックスの内部及び外部側に打抜きが簡単に行なえるように薄肉部を形成しておき、施工現場でこのノックアウト部を叩打して孔を形成する方法があった。上記の(イ)方法では、成形後の作業用ボックスの壁への円形切断作業に熟練を要し、このために専門の業者に依頼して穿孔を行なわねばならず、加工経費がかかってボックス全体の製造、施工コストが高くつくばかりでなく、コンクリート成形時に鉄筋を配筋して固化させているから、この鉄筋を切断する場合があり、強度上問題を生じさせる場合があった。また、(ロ)方法では、外部からの土圧、あるいは水圧を考慮してノックアウト部の肉圧を極端に薄肉に成形することができず、よって、作業現場ではこのノックアウト部を電動ピックあるいはタガネ等により、ハツリ作業により破壊して孔を形成させるから、どうしても孔の周縁までを破壊してしまい、よって、孔部分にケーブル保護の管路となる硬質ビニル管等を貫通状にセットし、さらに、コンパネ等により型枠を組み立て、破損部分にコンクリートを打設して別途修復する作業が必要であった。また、壁面にノックアウト用の凹部を予め複数形成している場合に、実際には管路通係用にすべてのノックアウト部分を用いない場合も多く、このような場合には、これらの複数の凹部が断面欠損としてみなされて埋め戻しを要求される場合もあり、作業用ボックスの施工効率が劣る等の問題があった。そして、ノックアウト部のハツリ作業が誰でも簡単にできるわけではなく、かなりの熟練を要し、作業者が限定され、人件コストがかかるうえ、型枠の製作、及びそのセット作業にも同様に熟練した技術が必要であり、さらに、型枠材料コストもかかるうえ、作業時間も掛かるものであった。特に、コンクリート打設後に2ないし3日の養生期間が必要であるから、夜間作業後、朝には道路を開放せねばならないような作業現場においてはマンホールと管路の接続作業自体がなかなか困難であり、昼間の道路封鎖等を余儀なくされるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、出願人は、特開2000−45309号において、合成樹脂製等の中空筒を端部が壁厚中途で止まる程度の深さで埋め込み配置させ、打ち抜き時の作業労力軽減、打ち抜き形状のある程度の均質性を確保し得る作業用ボックス構造を提案した。しかしながら、この文献の作業用ボックスは、製造コストが高くつき、また、ノックアウトしない状態での土圧、水圧等に耐える強度保持のために、壁内への埋め込み厚さをある程度残して該中空筒を壁に埋め込みさせるから、打抜き時にやはり必要以上にノックアウト用孔が拡大し、その補修作業が必要となる問題があった。この問題を解消すべく、出願人はさらに、特願2003−163109号において、簡単な方法、低廉なコストにより製作でき、また、打ち抜き作業労力がかからずしかも、不必要な孔の拡大を生じさせずに高精度にノックアウト孔を打ち抜くことができる作業用ボックスについて提案した。ところで、このような高精度のノックアウト孔の形成が可能となっても、その孔に管路を連通状に接続させる作業は、依然として変わらず、(1)管路の一端開口をノックアウト孔から作業用ボックス内部側に臨ませるように配置させて孔壁と管路との隙間部分にモルタルや、合成樹脂充填剤等をコテ等を用いて充填して行わねばならず、この部分の仕上げ補修作業が必要であり、(2)管路の端部側を支持した状態でのモルタル充填作業となるから作業時間がかかり、また労力が必要であった。また、(3)モルタル等の壁と管路との隙間部分に充填したモルタルの養生固化時間が必要であった。(4)さらに、管路内から引き出されるケーブル保護のために管路開口部分にベルマウスを作業用ボックス内部側から取りつけなければならず、それについても同様に作業時間がかかり、効率の向上を阻害する要因となっていた。
【特許文献1】特開2000−45309号公報(段落番号0016、図1)
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続を簡単、確実でしかも短時間で行え、労力を大幅に軽減できる作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、作業用ボックスの壁10のノックアウト孔12と、ノックアウト孔に連結されるノックアウトジョイント14と、を有し、
該ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁10に一体化する嵌着部16と、ノックアウト孔12に対して貫通方向に配置され嵌着部16に一体的に接続された管路部18と、を含む作業用ボックスへのケーブルの通線構造から構成される。管路部に一体化された嵌着部に接着剤を塗着してこれをノックアウト孔に押し込んで嵌着するだけで作業用ボックスへのケーブル通線用の管路の連通接続作業を完了し得る。ノックアウト孔の形状は断面円形、多角形、直筒形、段差を有する孔等任意に設定してよいが、好適には埋め込まれる打抜き型を考慮して外部からの土圧、水圧に強く、作業用ボックスの内側からの打撃離脱を容易にし得る円錐あるいは角錐台等の断面でいずれかの方向に拡大した立体空間形状の孔であるとよい。すなわち、ノックアウトされない状態で壁に埋め込み状に設置される打抜き型を上記のノックアウト孔に水密状に嵌着し得る略同一形状の立体物で構成するとよい。嵌着部16は、ノックアウト作業により打ち抜かれるべき打抜き型と略同一形状のブロック状立体物であり、例えば合成樹脂、セラミック、石、それらの加工物、その他の十分な強度を有する立体物であるとよい。好適には、モルタルやコンクリートの成型硬化体であるとなおよい。嵌着部は、断面円形、多角形、直筒形、段差を有する形状の立体物でもよいが、外部からの土圧、水圧に強い円錐あるいは角錐台等の断面でボックスの外側に向けて拡大した立体物であるよい。嵌着部と管路部とは例えば嵌着部のコンクリート成型時に一体的に固着してもよいし、嵌着部あるいはそれと管路部側に両者を嵌着させうる部位を形成して一体的に後付けで連結させてもよい。
【0006】
上記の通線構造のノックアウトジョイント14は、ジョイント管路部材20の一端にその通線開口を開放させる状態で嵌着部16に一体的に連結されて構成するとよい。
【0007】
また、嵌着部16は、ノックアウト孔12に対応して一方向に拡大した立体拡大体からなるようにするとよい。打抜き型とノックアウト孔と嵌着部は略同じ立体的形状で形成され、それらのすべてを例えば作業用ボックスの内側から外側に拡大した円錐台形状体から構成するとよい。
【0008】
その際、ノックアウトジョイント14は、ジョイント管路部材20の一端外周部に嵌着部16のコンクリート成型時に一体固着させて構成するとよい。
【0009】
さらに、ノックアウトジョイント14であって、ジョイント管路部材20の通線開口側にベルマウス部26を設けるとよい。ベルマウス部は、管路部自体の一端側に一体的に形成したものを嵌着部16に一体接続させてもよいし、その一体接続を成型硬化体を介して行ってもよいし、さらに、ベルマウス管を挿し込み、ねじ込み等により後付けで行ってもよい。
【0010】
また、嵌着部16と壁10とが密着する部分にはノックアウトジョイント14の抜け規制部48を設けるとよい。抜け規制部は、打抜き方向の力に抗する嵌着部とノックアウト孔との係合発生手段であり、例えばノックアウト孔側に設けた段差部とこの段差部に係合する嵌着部側に設けた突起があるが、さらに、相互に螺合するねじ山、ねじ溝を設けた構成、その他の係合力を発生させる構成とするとよい。
【0011】
さらにその際、抜け規制部48は、壁10側に設けた凹部50を含み、該凹部は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材62の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成されたものであるようにするとよい。形状保持材は、発泡性合成樹脂、発泡スチロール等が具体的には上げられる。
【0012】
さらに、該嵌着部16は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体(161,162)からなり、管路部18と一体的に接合した状態でノックアウト孔12へ嵌着接合させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、上記の請求項1ないし8のいずれかに記載の通線構造に用いられるノックアウトジョイント14から構成される。
【0014】
さらに、本発明は、作業用ボックスの壁の10ノックアウト孔12にケーブル通線に先立って該ノックアウト孔に保護用管路(18)を接続するに際し、該保護用管路の一端に取り付けられノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部16を備え、該嵌着部16は、組み付け時にノックアウト孔12に密着嵌合するように分割され、さらに保護用管路の一端外面に接合される複数の分割体(161,162)を含むことを特徴とする作業用ボックスヘのケーブルの通線構造から構成される。ケーブル通線用の管路であって、本体管路の先端側に直接に保護用管路の分割体を装着してノックアウト孔に嵌着させ、作業用ボックスに管路部を連結接続させる。
【0015】
また、本発明は、作業用ボックスの壁の打ち抜かれた後のノックアウト孔にケーブル保護用管路を連通接続するにあたり、ケーブル保護用管路の一端側であってノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結し、該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結した嵌着部を接着剤を介してノックアウト孔に嵌着接合させることを特徴とするノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法から構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図5は、本発明の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントの第1実施形態を示している。本発明の作業用ボックスへのケーブルの通線構造の主要な構成は、打ち抜かれた作業用ボックスの壁のノックアウト孔に対してノックアウトジョイントを外面側から嵌着させて作業用ボックスに管路を連通接合させる点であり、特に、精度良く打ち抜かれたノックアウト孔に対して適用する場合により好適に機能する。
【0017】
図1において、第1実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造は、作業用ボックスの壁10に打抜き形成されたノックアウト孔12と、該ノックアウト孔12に連結されるノックアウトジョイント14と、を備えている。作業用ボックスは、例えば図31に概念的に示されるように、鉄筋コンクリート製からなり、底壁及びそれに直角状に各々立設した四周側壁を有して中空立体矩形形状で一体的に成形して設けられている。天壁には例えば人の出入口となる開閉蓋が設けられ、適宜地中等への作業用ボックスの埋設時に冠設されて内部を閉鎖させる。この実施形態において、例えば人が内部に入って作業可能な程度の例えば1辺1m〜2m程度の立方体状のハンドホールあるいはマンホール等について適用した場合を示している。作業用ボックスは、地中に敷設される通信線や電力線ケーブル等の接続、分岐、中継あるいは配管、導通テストや修理を行なうに際し、地中に埋め込み配置されてそれらの諸作業を円滑に行なわせるための中継ボックス手段である。
【0018】
図1において、壁10は、作業用ボックスの四周側壁としての縦壁であり、所要の壁厚を有する鉄筋コンクリート製で構成されている。この壁10には電力線や通信線等のケーブル通線用のノックアウト部Kが設けられている。すなわち、ノックアウト部Kは、作業用ボックスの製作時には詳細な通線仕様が未決定でとりあえずある程度の通線条数を予定して確保しておく場合や、ボックス設置後に配線変えや新設により壁に孔を穿孔する必要が生じる場合等に対応するために予め必要に応じてノックアウトされることを見越して壁に設けられた部位であり、例えばノックアウトされる部分を他の壁厚より薄肉に設定したり、簡単に打抜きを行なえるような構造とされる。そして、必要が生じた場合に、図6に示すように、ハンマ等で該K部分を作業用ボックスの内側Nから外側Uに向けて打ち抜くことにより、ノックアウト孔12が形成される。本実施形態において、ノックアウト孔は、ハンマ等の器具等用いた打抜き動作により略一定の孔を安定的に打抜き可能な孔であり、例えばあらかじめ打抜き型を壁のノックアウト部に埋め込んだ状態とし、必要時のノックアウト動作によりその打抜き型が離脱して形成される孔であり、打抜き型形状やサイズ等を種々設定することにより所望のノックアウト孔を形成し得る。
【0019】
ノックアウトジョイント14は、管路部18と嵌着部16とを一体あるいは一体的に固着あるいは連結させ、その管路部18をノックアウト孔12に嵌着接合させてケーブル通線用の保護用管路の設置を行なわせるものであり、実施形態において、該ノックアウトジョイント14は、図2、4に示すように、管路部18と、嵌着部16と、を含む。
【0020】
嵌着部16は、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着一体化手段であり、予めノックアウト孔に密着して嵌着し得る外形形状に設定された立体物である。本実施形態では、予め形成されるノックアウト孔12に対応する形状の断面台形状の立体拡大体部材で構成されている。特に、この実施形態ではこの嵌着部16は、ノックアウト孔12に嵌着して表裏の壁面200、201と面一となる2つの面16a、16bを有して完全に壁の一部となる。本実施形態では、嵌着部16は、作業用ボックスの内側に臨むように配置される小径面16aと、外側に臨むように配置される大径面16bと、を含む円錐台形状で形成されている。さらに、本実施形態において、この嵌着部の円錐台部分は作業用ボックスと同じコンクリートを成型して構成されている。したがって、ノックアウト前において、壁に対して薄肉部分とすることなく土圧、水圧に十分に耐え得る強度のノックアウト部を形成し得る。後述するように、この嵌着部16は、実施形態では図3に示すようにコンクリート成型品を製造する際に管路部材と一体的に接合されて構成される。円錐台の小径面側が作業用ボックスの内側に面し、大径面側が外側に面して嵌着され、必要が生じた場合に小径面側から打ち抜き用器具で叩打して打ち抜かれる壁10への嵌着時には、ノックアウト孔に対応して断面台形状に拡大した立体拡大体から構成されているから内側からの打抜き作業労力の軽易性、欠け落ち等による不必要な孔の拡大の防止並びに外部からの土圧、水圧に耐え得る強度を保持し得る。
【0021】
管路部18は、嵌着部16に一体的に接続されて嵌着部16をノックアウト孔12へ連結するだけで作業用ボックスと連通接続される管路手段であり、本実施形態では作業用ボックスの内側Nに開口を臨ませた一端X1に対して、ボックスの外側Uに適宜長さで突出させて配置した他端X2を備えるジョイント管路部材20から構成されている。管路部18は、ノックアウト孔12に対してこれを貫通する方向に配置されて嵌着部に一体的に接続されており、したがって、実施形態では図2、4に示すように、嵌着部の円錐台の軸部分に貫通孔を設け、この貫通孔に連通するように管路部を連結させている。管路部18を構成するジョイント管路部材20は、例えば外周に凹凸を繰り返して設けた襞付きの硬質合成樹脂管や直管状の合成樹脂管等からなる例えばFEP管、VU管、PV管が用いられ、これとコンクリート製の嵌着部16とを、図3のように成型時に一体固着させている。
【0022】
図3は、ノックアウトジョイント12を形成する際の一工程を示しており、逆台形状あるいは鉢状の枠22の底壁中央部にベルマウス管24を装着させたジョイント管路部材20を立てて配置し、その状態で枠22と管路部材20との間隙にコンクリートを充填し、これを固化後脱型することにより嵌着部16と管路部18とを一体化させたノックアウトジョイント12が得られる。これにより形成されるノックアウトジョイント12は、図4に示すように、それ自体にベルマウス部26が形成され、このベルマウス部26がジョイント管路部材の通線開口、すなわち作業用ボックスの内側Nに臨んで配置されて内部に挿通されるケーブルの管路の口縁部分での摩擦による損耗を抑制する。
【0023】
一方、作業用ボックスの壁10のノックアウト部Kの構造は前記したように、作業用ボックス内側からの軽易な打抜き労力で打ち抜かれ、しかも予め予定した打抜き型の通りの打抜き孔が良好な精度で形成され得る構造であるのが好ましい。図7は、本実施形態のノックアウト部Kを有する作業用ボックスの形成方法について説明しており、この形成方法では、図8に示すように、予め中実固体からなる打抜き型28を用意しておき、この打抜き型28を作業用ボックス成形時に同時に埋め込み状に成形させる。この打抜き型28は、成形する作業用ボックスの壁厚と同じ高さを有する円錐台形状となるように、予めモルタルあるいはコンクリートにより成形されたものを準備する。そして、図7に示すように、底板30上面に箱形の内型枠32を固定し、その外部周側面を離隔して囲むように上面開口の外型枠34を固定させ、さらにこの外型枠34に形成した孔に取り付けたピン部材36を介して打抜き型28の大径部側を外型枠34の内面側に支持させる。そして、その小径側を内型枠32の外面に当着させて配置し、この状態で、両型枠の空隙にコンクリートを充填し、同時にあるいはその後振動を与えて締め固め、養生固化させる。これによって、ケーブル通線用のノックアウト孔として打ち抜かれるべき位置において、コンクリート製等の作業用ボックスの壁部分に該壁厚と略同じ厚さで密着一体化したノックアウト部が埋め込み形成される。
【0024】
そして、必要が生じた際に、このノックアウト部Kをボックスの内側から打ち抜き具としてのハンマ37で叩打して打ち抜くと、その打抜き型28と壁10との断層部分を外形輪郭とする図6のような、きわめて破損箇所の少ないノックアウト打抜き(後)孔12が形成される。そして、その孔にノックアウトジョイント14を挿入し、さらにその内部に図示しないケーブルを通係させるものである。この際、図5に示すように、断面台形状の拡大する孔壁や嵌着部16の立体拡大部材の表面に接着剤やモルタル等を充填してそのまま押し入れて嵌着するだけで工事が終了し、不必要な大きな叩打破損部分を生じさせることなく、作業が軽便、作業時間短縮、作業コスト低減に資する。さらに、本実施形態では、嵌着部への管路部18の接合時にベルマウス部26を形成させて一体化させているので、ノックアウト孔12への管路部の連結後に作業用ボックス内部からベルマウス管24を装着させて固定させる作業も不要となる。
【0025】
打抜き型28は、作業用ボックスの壁材に対して固体として別個のものを埋め込み配置したものであり、例えば壁材とその成形または加工方法、それらの時期あるいは材質自体を異にして予め成形されたものが用いられる。すなわち、作業用ボックスの壁部分といわば断層状に壁に埋め込み配置されている。打抜き型28は、作業用ボックスの外壁の一部として外面からの土圧や水圧に十分に耐え得る程度の強度を有する固体からなり、常時、壁に一体的に埋め込み嵌着されて必要に応じて作業用ボックスの内側からハンマ等で打撃されて打ち抜かれる。打抜き型28は、例えば、合成樹脂プラスチック、セラミック、金属、木、加工紙等でもよい。好ましくは、コンクリート内に埋め込み配置されて嵌着した状態でそれらの密着部分からの漏水を生じさせない水密性が確保でき、かつ十分な強度のものであるとよい。さらに、コンクリートの膨張収縮に対応してある程度の膨張収縮性を有する素材であるとなおよい。実施形態において、予めノックアウト用の孔形状と同一形状に成形硬化させたコンクリート硬化体から構成されている。したがって、同一素材であるから、割れ等が生じにくく、しかも打抜き孔形状の硬化体であるから、単純な成形型を用いて残コンクリート等の廃棄物を利用して製造し得る。なお、コンクリート硬化体は粗骨材を含まないモルタルにより成型したものでも良い。
【0026】
図9ないし図14は、嵌着部16に管路部18を一体的に接続させて構成されるノックアウトジョイント14の他の実施形態を示しており、図9の実施態様1−2のように、嵌着部16のコンクリート成型時に円錐台体の軸芯部に凹凸を繰り返し形成た連続する襞を形成しておき、この襞に後付けで合成樹脂製のジョイント管路部材20をねじ込みあるいは突き込んで嵌合一体化させるようにしてもよい。その際、ベルマウス管24を用いることなくコンクリート成型の段階でベルマウス状に広がる部分38をコンクリート成型体の通線開口側に設けるようにしてもよい。また、図10の実施形態1−3のように、第1実施形態と同様、鉢状枠22を用いて円錐台体とジョイント管路部材20を一体的に固着形成しているが、この実施形態では、ジョイント管路部材20自体がその一端側にラッパ状に広がるベルマウス部38を一体的に有する構造としている。また、図11の実施形態1−4のように、ベルマウス管を装着せずに嵌着部に管路部を一体的に固着させたノックアウトジョイント14に後付けでその嵌着部の通線開口側からベルマウス管24を装着させてもよい。さらに、図12の実施形態1−5のように、一端にベルマウス部を有し外面にねじ溝を設けた直管40を嵌着部の通線開口側から挿入し、突出端側をストッパ用ねじ止めリング42を介して螺着により締め付け固定させるようにしてもよい。また、図13の実施形態1−6のように、ベルマウス一体型直管44をコンクリート型枠成型時に一体的に固着させて構成してもよいし、また、図14の実施形態1−7のように、外側突出端に止水リング部46を取りつけてダクトスリーブタイプの通信用ケーブル通線用のノックアウトジョイント構成としても良い。なお、図15の実施形態1−8のように、嵌着部16は、壁の外面と面一状ではなく、壁外面からさらに突出する態様であってもよい。
【0027】
次に、図16ないし図18に基づいて、本発明の第2実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントを説明するが、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この実施形態では、嵌着部16と壁10とが密着する部分に、ノックアウトジョイント14の抜け規制部48が設けられている。抜け規制部48は、壁10のノックアウト孔12の孔壁と、ノックアウトジョイント14の嵌着部16と、に設けられて協働して該ノックアウトジョイントの抜脱を規制する機構であり、本実施形態において、該抜け規制部48は、壁側、すなわち孔壁に設けた凹部50と、嵌着部16に設けられて該凹部に嵌合する突起部52と、を備えている。
【0028】
図16において、孔壁に設けた凹部50は、作業用ボックスの内側からの打抜き方向(Sk)の力に抗する段差壁54を有しており、実施形態では、孔壁の壁厚中央位置で周状に凹設されている。一方、突起部52は、ジョイント管路部材20が配置される中央孔を有して形成される円錐台体のテーパ曲面から突出し凹部50の段差壁54に係合してノックアウトジョイントの抜脱を規制する部位であり、実施形態ではジョイント管路部材の一端部に補強リブ56を介して円錐台体のテーパ曲面から戻り鈎状に突出して構成される。突起部52は、例えばジョイント管路部材20と同様の硬質合成樹脂を所要の間隔で切り込んで環状に形成してあり、コンクリート成型体としての円錐台体に埋め込まれて一体的に形成されている。この抜け規制部48により、ノックアウト孔12に連結したノックアウトジョイントの抜脱を防止し、特に、地盤の埋め戻し時に管路に引張力が加わる場合等に安定してその連結状態を保持させる。
【0029】
図19は、抜け規制部48を設ける場合のノックアウト部、すなわち打ち抜かない状態での作業用ボックスの壁の構造を説明しており、例えば図示しない作業用ボックスの内型枠と外型枠を配置し、外型枠に打抜き型28を支持させ、その状態で内外両枠の間隙にコンクリートRを充填し、固化させることにより、図19(a)のような段差壁54を有する凹部50を打抜き後のノックアウト孔12に形成させ得る(図19(b)参照)打抜き型28を埋め込んだ作業用ボックスが得られる。
【0030】
図20ないし図23は、抜け規制部48の他の実施形態を示しており、この実施形態では、抜け規制部48は、壁側に設けた凹部50を含み、該凹部50は、形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成される。実施形態において、例えば、図22(a)のように鉢状の型枠60に図22(b)に示す中空台錐体状の形状保持材58を配置させた状態で型枠60内にコンクリートを充填し、固化後図23のような円錐台体のコンクリート型材59の周曲面に形状保持材58を固着させて一体化した打抜き型材62を形成する。これを図20のように図示しない内外型枠の間隙に支持させた状態で、同間隙内にコンクリートを充填して作業用ッボックスを成型する際に、ノックアウト部Kを形成させる。そして、図21のように、作業用ボックスの内側から打抜き叩打すると、凹部50を備えたノックアウト孔12を得る。この場合、形状保持材58は、コンクリート充填時には形状保持して中子のように機能し型枠内残部空隙にのみコンクリートを充填させるとともに、打抜き力で破壊される際には、固化した周縁のコンクリート壁の強度よりも弱いあるいは脆い素材で形成される。実施形態では、例えば合成樹脂発泡材が好適に用いられる。このように、本実施形態では、抜け規制部48の凹部50は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成される。すなわち、形状保持材58は、打抜き型を壁内に埋め込み状に嵌着配置させた状態では形状を保持して壁に一体化されており、ノックアウト時にはその打撃により破壊されて容易に打抜き型を外部に打抜きさせ、同時に破壊された跡を凹部として抜け規制部の一部を構成させる。特に打抜き型を一体成型するときには、モルタル、コンクリート等の流動硬化体の型枠内への充填に際しても形状保持させる。発泡スチロール、発泡性合成樹脂等でもよいが、その他同様の特性を保持し得る素材あるいは加工物であってもよい。
【0031】
次に、図24ないし図27に基づいて、本発明の第3実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントを説明するが、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この実施形態では、嵌着部16は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体からなり、管路部18と一体的に接合した状態でノックアウト孔12へ嵌着接合させるようになっている。図において、実施形態の嵌着部16は、台錐体を軸線を含む面で2分割した半割れ台錐体161、162からなり、例えば図25のように、鉢状型枠64に分割板66を付設した合成樹脂製等の管路部材68を立てて配置支持し、同管路部材68と型枠64との間隙にコンクリートを充填し脱係固化して図24のような半割れ台錐体を得る。半割れ台錐体は、それぞれの割れ面側に凹設する襞状溝が形成されている。そして、ノックアウト孔12への連結接続時には、例えば図26のように、管路部としての襞付き管の先端部において該管をそれぞれの襞状溝に嵌着させ中間に配して挟み付けるように該半割れ台錐体を接着剤等で、接合させ、さらに、それらの半割れ台錐体の外周曲面にも接着剤を塗着させた状態で図26のようにノックアウト孔12に押し込んで嵌着させることにより、ワンタッチでノックアウトジョイントを作業用ボックスに連結接合させることができる。また、嵌着部16を縦に複数に分割された分割体から構成することにより、具体的な現場のノックアウト孔の形状に対応してある程度の融通をもって軸方向へ変形接合させて構成し、孔に嵌着させ得る。なお、実施形態において、ノックアウトジョイント14の管路部18は、適宜1m程度の長さのジョイント管路部材となっており、接続スリーブ70等で本管路部72と接続されている。このように、嵌着部を複数に分割した分割体から構成する場合には、ジョイント管路部材を用いずに、先端に襞付き部分を形成した本管路の先端を直接に半割れ台錐体で挟装接着させて嵌着部を構成し、この状態で接着剤を表面に塗着させてノックアウト孔12に押し込み嵌着することとしてもよい。なお、上記のいずれの場合にも、図27のように、壁10の内面側からベルマウス管24を装着させてもよい。
【0032】
以上説明した作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント、並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、発明の本質を逸脱しない範囲における変更も本発明に含まれる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、作業用ボックスの壁のノックアウト孔と、ノックアウト孔に連結されるノックアウトジョイントと、を有し、該ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部と、ノックアウト孔に対して貫通方向に配置され嵌着部に一体的に接続された管路部と、を含む作業用ボックスへのケーブルの通線構造から構成されるから、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続に際しては単に嵌着部に接着剤を塗着してノックアウト孔に押し込むだけのワンタッチの動作で作業を終了させることができ、簡単、確実でしかも短時間で行え、また作業労力を大幅に軽減させることができる。また、予め、打抜き孔に密着して嵌着し得る形状の嵌着部を形成させるからノックアウト後の孔と嵌着部の成型や製造設計が容易である。
【0034】
また、その際、ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端にその通線開口を開放させる状態で嵌着部に一体的に連結されて構成されるから、ノックアウトジョイントの嵌着部をノックアウト孔に押し込み嵌着させる作業で管路部の作業用ボックスの連結作業を簡単に行なえる。
【0035】
また、嵌着部は、ノックアウト孔に対応して一方向に拡大した立体拡大体からなる構成とすることにより、例えば作業用ボックスの内側に小径面を、外側に大径面を配置させることにより、作業用ボックスの壁の外部からの土圧、水圧に対して十分な壁強度を保持し得る。
【0036】
また、ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端外周部に嵌着部のコンクリート成型時に一体固着させて構成することにより、嵌着部を作業用ボックスと同様のコンクリートを素材とし、これとジョイント管路部材との一体的な成型を具体的に行なえて製造を容易に行なわせ得る。また、ノックアウトジョイントの材料を建築やブロック製造時の残コンクリートあるいは戻りコンクリート等の廃棄物で形成でき、極めて低廉な材料コストで製造し得る。
【0037】
また、ノックアウトジョイントであって、ジョイント管路部材の通線開口側にベルマウス部が設けられた構成とすることにより、ノックアウト孔への管路のセット後、接着用モルタル塗着後に作業用ボックスの内側から別途にベルマウス管を装着させる必要がなく、単にベルマウス管を有するノックアウトジョイントをボックスの外側から押し込み接合させるだけで作業が終了し、接続作業時間短縮を図れる。
【0038】
また、嵌着部と壁とが密着する部分にはノックアウトジョイントの抜け規制部が設けられた構成であるから、何らかの原因で作業用ボックスの外部側に向けて引張する力が管路部に加わった場合にもノックアウトジョイントと壁との連結強度を保持してその抜脱を規制する。
【0039】
また、抜け規制部は、壁側に設けた凹部を含み、該凹部は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材の打ち抜き時の破壊により形成されたものである構成とすることにより、打抜き破壊時に現れるコンクリートその他の型成型による嵌着部及び壁側の凹部の形成を具体的に実現し得る。
【0040】
また、該嵌着部は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体からなり、管路部と一体的に接合した状態でノックアウト孔へ嵌着接合させる構成であるから、作業用ボックス外部からの管路部の連結作業を円滑に行なえる。
【0041】
また、本発明は、作業用ボックスの壁のノックアウト孔にケーブル通線に先立って該ノックアウト孔に保護用管路を接続するに際し、該保護用管路の一端に取り付けられノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を備え、該嵌着部は、組み付け時にノックアウト孔に密着嵌合するように分割され、さらに保護用管路の一端外面に接合される複数の分割体を含むことを特徴とする作業用ボックスヘのケーブルの通線構造から構成されるので、ケーブル通線用の本管あるいは長い接続管の先端に保護用管路を挟み付けるようにして分割体を取り付け、その状態で表面に接着剤等を塗着して押し込み嵌合させるだけで簡単に作業用ボックスへのケーブル通線用管路の連結接続作業を行なえる。
【0042】
また、本発明は、作業用ボックスの壁の打ち抜かれた後のノックアウト孔にケーブル保護用管路を連通接続するにあたり、ケーブル保護用管路の一端側であってノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結し、該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結した嵌着部を接着剤を介してノックアウト孔に嵌着接合させることを特徴とするノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法から構成されるから、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続に際しては単に嵌着部に接着剤を塗着してノックアウト孔に押し込むだけのワンタッチの動作で作業を終了させることができ、簡単、確実でしかも短時間で行え、また作業労力を大幅に軽減させることができる。また、予め、打抜き孔に密着して嵌着し得る形状の嵌着部を形成させるからノックアウト後の孔と嵌着部の成型や製造設計が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る作業用ボックスへのケーブル通線構造及びそれに用いられるノックアウトジョイントの概略断面構成説明図である。
【図2】図1のノックアウトジョイントの断面説明図である。
【図3】図1のノックアウトジョイントの成型工程の説明図である。
【図4】図1のノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図5】図1の状態からノックアウトジョイントを壁内に嵌着させて接続させた状態を示す図である。
【図6】図1のノックアウト孔の打抜き時の作用説明図である。
【図7】図1のノックアウト部を有する作業用ボックスの成型構成を示す概略断面説明図である。
【図8】(a)は、図7により成型した作業用ボックスのノックアウト部を有する縦壁の拡大断面説明図、(b)は、打抜き型の斜視説明図である。
【図9】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−2の説明図である。
【図10】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−3の説明図である。
【図11】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−4の説明図である。
【図12】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−5の説明図である。
【図13】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−6の説明図である。
【図14】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−7の説明図である。
【図15】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−8の説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントの断面説明図である。
【図17】図16のノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図18】図16のノックアウトジョイントの他の方角から見た斜視説明図である。
【図19】(a)は、抜け規制部を設ける場合であって、打抜き型を埋設した打ち抜かない状態での作業用ボックスの壁の断面説明図、(b)は、打抜き型を打ち抜いた後にノックアウト孔を形成した状態を示す断面説明図である。
【図20】第2実施形態の通線構造において、抜け規制部を形成する嵌着部を受け入れるノックアウト孔を形成させるための打抜き型を埋設した状態の壁の断面説明図である。
【図21】図20の打抜き型を打ち抜いた後のノックアウト孔を形成した状態を示す断面説明図である。
【図22】(a)は、図20の打抜き型成型の工程の説明図、(b)は、形状保持材の斜視説明図である。
【図23】図22の工程で成型されたノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図24】本発明の第3実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造に用いられる嵌着部の斜視説明図である。
【図25】図24の分割体の一成型工程の説明図である。
【図26】図24の分割体を用いて作業用ボックスのノックアウト孔に接続する状態を示す構成兼、作用説明図である。
【図27】図24の分割体を用いて作業用ボックスのノックアウト孔に接続する際の概念作用説明図である。
【符号の説明】
10 壁、12 ノックアウト孔、14 ノックアウトジョイント、16 嵌着部、16a 小径面、16b 大径面、20 ジョイント管路部材、24 ベルマウス管、26 ベルマウス部、28 打抜き型、38 ベルマウス部、48 抜け規制部、50 凹部、52 突起部、54 段差壁、58 形状保持部材、59円錐台体コンクリート型材、62 打抜き型材、200 表壁面、201 裏壁面、K ノックアウト部、N ボックス内側、U ボックス外側、Sk 打抜き方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に敷設される通信線や電力線ケーブル等の作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント、並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地中に敷設された通信線や送配電線等をマンホール、ハンドホール、フィンガーホール等の作業用ボックス内に引き入れて他の線条やケーブルとの接続、配管、分岐作業を行なうに際しては、作業用ボックスの壁に線条通係用の孔を形成させ、硬質合成樹脂製等のフレキシブル管路を配置させて、この内部に線条類を通係させ、他の線条との連結等を行なっている。従来の作業用ボックスの壁のケーブル等通係用孔の形成方法として、(イ)作業用ボックスの施工現場で線条類を通係させる位置に円形抜きカッタ等で直接に円状に切断し、そのコア部分を打抜いて孔を穿孔させる方法や、(ロ)線条類を通係させるべき位置に予めノックアウト部としてボックスの内部及び外部側に打抜きが簡単に行なえるように薄肉部を形成しておき、施工現場でこのノックアウト部を叩打して孔を形成する方法があった。上記の(イ)方法では、成形後の作業用ボックスの壁への円形切断作業に熟練を要し、このために専門の業者に依頼して穿孔を行なわねばならず、加工経費がかかってボックス全体の製造、施工コストが高くつくばかりでなく、コンクリート成形時に鉄筋を配筋して固化させているから、この鉄筋を切断する場合があり、強度上問題を生じさせる場合があった。また、(ロ)方法では、外部からの土圧、あるいは水圧を考慮してノックアウト部の肉圧を極端に薄肉に成形することができず、よって、作業現場ではこのノックアウト部を電動ピックあるいはタガネ等により、ハツリ作業により破壊して孔を形成させるから、どうしても孔の周縁までを破壊してしまい、よって、孔部分にケーブル保護の管路となる硬質ビニル管等を貫通状にセットし、さらに、コンパネ等により型枠を組み立て、破損部分にコンクリートを打設して別途修復する作業が必要であった。また、壁面にノックアウト用の凹部を予め複数形成している場合に、実際には管路通係用にすべてのノックアウト部分を用いない場合も多く、このような場合には、これらの複数の凹部が断面欠損としてみなされて埋め戻しを要求される場合もあり、作業用ボックスの施工効率が劣る等の問題があった。そして、ノックアウト部のハツリ作業が誰でも簡単にできるわけではなく、かなりの熟練を要し、作業者が限定され、人件コストがかかるうえ、型枠の製作、及びそのセット作業にも同様に熟練した技術が必要であり、さらに、型枠材料コストもかかるうえ、作業時間も掛かるものであった。特に、コンクリート打設後に2ないし3日の養生期間が必要であるから、夜間作業後、朝には道路を開放せねばならないような作業現場においてはマンホールと管路の接続作業自体がなかなか困難であり、昼間の道路封鎖等を余儀なくされるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、出願人は、特開2000−45309号において、合成樹脂製等の中空筒を端部が壁厚中途で止まる程度の深さで埋め込み配置させ、打ち抜き時の作業労力軽減、打ち抜き形状のある程度の均質性を確保し得る作業用ボックス構造を提案した。しかしながら、この文献の作業用ボックスは、製造コストが高くつき、また、ノックアウトしない状態での土圧、水圧等に耐える強度保持のために、壁内への埋め込み厚さをある程度残して該中空筒を壁に埋め込みさせるから、打抜き時にやはり必要以上にノックアウト用孔が拡大し、その補修作業が必要となる問題があった。この問題を解消すべく、出願人はさらに、特願2003−163109号において、簡単な方法、低廉なコストにより製作でき、また、打ち抜き作業労力がかからずしかも、不必要な孔の拡大を生じさせずに高精度にノックアウト孔を打ち抜くことができる作業用ボックスについて提案した。ところで、このような高精度のノックアウト孔の形成が可能となっても、その孔に管路を連通状に接続させる作業は、依然として変わらず、(1)管路の一端開口をノックアウト孔から作業用ボックス内部側に臨ませるように配置させて孔壁と管路との隙間部分にモルタルや、合成樹脂充填剤等をコテ等を用いて充填して行わねばならず、この部分の仕上げ補修作業が必要であり、(2)管路の端部側を支持した状態でのモルタル充填作業となるから作業時間がかかり、また労力が必要であった。また、(3)モルタル等の壁と管路との隙間部分に充填したモルタルの養生固化時間が必要であった。(4)さらに、管路内から引き出されるケーブル保護のために管路開口部分にベルマウスを作業用ボックス内部側から取りつけなければならず、それについても同様に作業時間がかかり、効率の向上を阻害する要因となっていた。
【特許文献1】特開2000−45309号公報(段落番号0016、図1)
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続を簡単、確実でしかも短時間で行え、労力を大幅に軽減できる作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、作業用ボックスの壁10のノックアウト孔12と、ノックアウト孔に連結されるノックアウトジョイント14と、を有し、
該ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁10に一体化する嵌着部16と、ノックアウト孔12に対して貫通方向に配置され嵌着部16に一体的に接続された管路部18と、を含む作業用ボックスへのケーブルの通線構造から構成される。管路部に一体化された嵌着部に接着剤を塗着してこれをノックアウト孔に押し込んで嵌着するだけで作業用ボックスへのケーブル通線用の管路の連通接続作業を完了し得る。ノックアウト孔の形状は断面円形、多角形、直筒形、段差を有する孔等任意に設定してよいが、好適には埋め込まれる打抜き型を考慮して外部からの土圧、水圧に強く、作業用ボックスの内側からの打撃離脱を容易にし得る円錐あるいは角錐台等の断面でいずれかの方向に拡大した立体空間形状の孔であるとよい。すなわち、ノックアウトされない状態で壁に埋め込み状に設置される打抜き型を上記のノックアウト孔に水密状に嵌着し得る略同一形状の立体物で構成するとよい。嵌着部16は、ノックアウト作業により打ち抜かれるべき打抜き型と略同一形状のブロック状立体物であり、例えば合成樹脂、セラミック、石、それらの加工物、その他の十分な強度を有する立体物であるとよい。好適には、モルタルやコンクリートの成型硬化体であるとなおよい。嵌着部は、断面円形、多角形、直筒形、段差を有する形状の立体物でもよいが、外部からの土圧、水圧に強い円錐あるいは角錐台等の断面でボックスの外側に向けて拡大した立体物であるよい。嵌着部と管路部とは例えば嵌着部のコンクリート成型時に一体的に固着してもよいし、嵌着部あるいはそれと管路部側に両者を嵌着させうる部位を形成して一体的に後付けで連結させてもよい。
【0006】
上記の通線構造のノックアウトジョイント14は、ジョイント管路部材20の一端にその通線開口を開放させる状態で嵌着部16に一体的に連結されて構成するとよい。
【0007】
また、嵌着部16は、ノックアウト孔12に対応して一方向に拡大した立体拡大体からなるようにするとよい。打抜き型とノックアウト孔と嵌着部は略同じ立体的形状で形成され、それらのすべてを例えば作業用ボックスの内側から外側に拡大した円錐台形状体から構成するとよい。
【0008】
その際、ノックアウトジョイント14は、ジョイント管路部材20の一端外周部に嵌着部16のコンクリート成型時に一体固着させて構成するとよい。
【0009】
さらに、ノックアウトジョイント14であって、ジョイント管路部材20の通線開口側にベルマウス部26を設けるとよい。ベルマウス部は、管路部自体の一端側に一体的に形成したものを嵌着部16に一体接続させてもよいし、その一体接続を成型硬化体を介して行ってもよいし、さらに、ベルマウス管を挿し込み、ねじ込み等により後付けで行ってもよい。
【0010】
また、嵌着部16と壁10とが密着する部分にはノックアウトジョイント14の抜け規制部48を設けるとよい。抜け規制部は、打抜き方向の力に抗する嵌着部とノックアウト孔との係合発生手段であり、例えばノックアウト孔側に設けた段差部とこの段差部に係合する嵌着部側に設けた突起があるが、さらに、相互に螺合するねじ山、ねじ溝を設けた構成、その他の係合力を発生させる構成とするとよい。
【0011】
さらにその際、抜け規制部48は、壁10側に設けた凹部50を含み、該凹部は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材62の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成されたものであるようにするとよい。形状保持材は、発泡性合成樹脂、発泡スチロール等が具体的には上げられる。
【0012】
さらに、該嵌着部16は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体(161,162)からなり、管路部18と一体的に接合した状態でノックアウト孔12へ嵌着接合させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、上記の請求項1ないし8のいずれかに記載の通線構造に用いられるノックアウトジョイント14から構成される。
【0014】
さらに、本発明は、作業用ボックスの壁の10ノックアウト孔12にケーブル通線に先立って該ノックアウト孔に保護用管路(18)を接続するに際し、該保護用管路の一端に取り付けられノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部16を備え、該嵌着部16は、組み付け時にノックアウト孔12に密着嵌合するように分割され、さらに保護用管路の一端外面に接合される複数の分割体(161,162)を含むことを特徴とする作業用ボックスヘのケーブルの通線構造から構成される。ケーブル通線用の管路であって、本体管路の先端側に直接に保護用管路の分割体を装着してノックアウト孔に嵌着させ、作業用ボックスに管路部を連結接続させる。
【0015】
また、本発明は、作業用ボックスの壁の打ち抜かれた後のノックアウト孔にケーブル保護用管路を連通接続するにあたり、ケーブル保護用管路の一端側であってノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結し、該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結した嵌着部を接着剤を介してノックアウト孔に嵌着接合させることを特徴とするノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法から構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図5は、本発明の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントの第1実施形態を示している。本発明の作業用ボックスへのケーブルの通線構造の主要な構成は、打ち抜かれた作業用ボックスの壁のノックアウト孔に対してノックアウトジョイントを外面側から嵌着させて作業用ボックスに管路を連通接合させる点であり、特に、精度良く打ち抜かれたノックアウト孔に対して適用する場合により好適に機能する。
【0017】
図1において、第1実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造は、作業用ボックスの壁10に打抜き形成されたノックアウト孔12と、該ノックアウト孔12に連結されるノックアウトジョイント14と、を備えている。作業用ボックスは、例えば図31に概念的に示されるように、鉄筋コンクリート製からなり、底壁及びそれに直角状に各々立設した四周側壁を有して中空立体矩形形状で一体的に成形して設けられている。天壁には例えば人の出入口となる開閉蓋が設けられ、適宜地中等への作業用ボックスの埋設時に冠設されて内部を閉鎖させる。この実施形態において、例えば人が内部に入って作業可能な程度の例えば1辺1m〜2m程度の立方体状のハンドホールあるいはマンホール等について適用した場合を示している。作業用ボックスは、地中に敷設される通信線や電力線ケーブル等の接続、分岐、中継あるいは配管、導通テストや修理を行なうに際し、地中に埋め込み配置されてそれらの諸作業を円滑に行なわせるための中継ボックス手段である。
【0018】
図1において、壁10は、作業用ボックスの四周側壁としての縦壁であり、所要の壁厚を有する鉄筋コンクリート製で構成されている。この壁10には電力線や通信線等のケーブル通線用のノックアウト部Kが設けられている。すなわち、ノックアウト部Kは、作業用ボックスの製作時には詳細な通線仕様が未決定でとりあえずある程度の通線条数を予定して確保しておく場合や、ボックス設置後に配線変えや新設により壁に孔を穿孔する必要が生じる場合等に対応するために予め必要に応じてノックアウトされることを見越して壁に設けられた部位であり、例えばノックアウトされる部分を他の壁厚より薄肉に設定したり、簡単に打抜きを行なえるような構造とされる。そして、必要が生じた場合に、図6に示すように、ハンマ等で該K部分を作業用ボックスの内側Nから外側Uに向けて打ち抜くことにより、ノックアウト孔12が形成される。本実施形態において、ノックアウト孔は、ハンマ等の器具等用いた打抜き動作により略一定の孔を安定的に打抜き可能な孔であり、例えばあらかじめ打抜き型を壁のノックアウト部に埋め込んだ状態とし、必要時のノックアウト動作によりその打抜き型が離脱して形成される孔であり、打抜き型形状やサイズ等を種々設定することにより所望のノックアウト孔を形成し得る。
【0019】
ノックアウトジョイント14は、管路部18と嵌着部16とを一体あるいは一体的に固着あるいは連結させ、その管路部18をノックアウト孔12に嵌着接合させてケーブル通線用の保護用管路の設置を行なわせるものであり、実施形態において、該ノックアウトジョイント14は、図2、4に示すように、管路部18と、嵌着部16と、を含む。
【0020】
嵌着部16は、ノックアウト孔12に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着一体化手段であり、予めノックアウト孔に密着して嵌着し得る外形形状に設定された立体物である。本実施形態では、予め形成されるノックアウト孔12に対応する形状の断面台形状の立体拡大体部材で構成されている。特に、この実施形態ではこの嵌着部16は、ノックアウト孔12に嵌着して表裏の壁面200、201と面一となる2つの面16a、16bを有して完全に壁の一部となる。本実施形態では、嵌着部16は、作業用ボックスの内側に臨むように配置される小径面16aと、外側に臨むように配置される大径面16bと、を含む円錐台形状で形成されている。さらに、本実施形態において、この嵌着部の円錐台部分は作業用ボックスと同じコンクリートを成型して構成されている。したがって、ノックアウト前において、壁に対して薄肉部分とすることなく土圧、水圧に十分に耐え得る強度のノックアウト部を形成し得る。後述するように、この嵌着部16は、実施形態では図3に示すようにコンクリート成型品を製造する際に管路部材と一体的に接合されて構成される。円錐台の小径面側が作業用ボックスの内側に面し、大径面側が外側に面して嵌着され、必要が生じた場合に小径面側から打ち抜き用器具で叩打して打ち抜かれる壁10への嵌着時には、ノックアウト孔に対応して断面台形状に拡大した立体拡大体から構成されているから内側からの打抜き作業労力の軽易性、欠け落ち等による不必要な孔の拡大の防止並びに外部からの土圧、水圧に耐え得る強度を保持し得る。
【0021】
管路部18は、嵌着部16に一体的に接続されて嵌着部16をノックアウト孔12へ連結するだけで作業用ボックスと連通接続される管路手段であり、本実施形態では作業用ボックスの内側Nに開口を臨ませた一端X1に対して、ボックスの外側Uに適宜長さで突出させて配置した他端X2を備えるジョイント管路部材20から構成されている。管路部18は、ノックアウト孔12に対してこれを貫通する方向に配置されて嵌着部に一体的に接続されており、したがって、実施形態では図2、4に示すように、嵌着部の円錐台の軸部分に貫通孔を設け、この貫通孔に連通するように管路部を連結させている。管路部18を構成するジョイント管路部材20は、例えば外周に凹凸を繰り返して設けた襞付きの硬質合成樹脂管や直管状の合成樹脂管等からなる例えばFEP管、VU管、PV管が用いられ、これとコンクリート製の嵌着部16とを、図3のように成型時に一体固着させている。
【0022】
図3は、ノックアウトジョイント12を形成する際の一工程を示しており、逆台形状あるいは鉢状の枠22の底壁中央部にベルマウス管24を装着させたジョイント管路部材20を立てて配置し、その状態で枠22と管路部材20との間隙にコンクリートを充填し、これを固化後脱型することにより嵌着部16と管路部18とを一体化させたノックアウトジョイント12が得られる。これにより形成されるノックアウトジョイント12は、図4に示すように、それ自体にベルマウス部26が形成され、このベルマウス部26がジョイント管路部材の通線開口、すなわち作業用ボックスの内側Nに臨んで配置されて内部に挿通されるケーブルの管路の口縁部分での摩擦による損耗を抑制する。
【0023】
一方、作業用ボックスの壁10のノックアウト部Kの構造は前記したように、作業用ボックス内側からの軽易な打抜き労力で打ち抜かれ、しかも予め予定した打抜き型の通りの打抜き孔が良好な精度で形成され得る構造であるのが好ましい。図7は、本実施形態のノックアウト部Kを有する作業用ボックスの形成方法について説明しており、この形成方法では、図8に示すように、予め中実固体からなる打抜き型28を用意しておき、この打抜き型28を作業用ボックス成形時に同時に埋め込み状に成形させる。この打抜き型28は、成形する作業用ボックスの壁厚と同じ高さを有する円錐台形状となるように、予めモルタルあるいはコンクリートにより成形されたものを準備する。そして、図7に示すように、底板30上面に箱形の内型枠32を固定し、その外部周側面を離隔して囲むように上面開口の外型枠34を固定させ、さらにこの外型枠34に形成した孔に取り付けたピン部材36を介して打抜き型28の大径部側を外型枠34の内面側に支持させる。そして、その小径側を内型枠32の外面に当着させて配置し、この状態で、両型枠の空隙にコンクリートを充填し、同時にあるいはその後振動を与えて締め固め、養生固化させる。これによって、ケーブル通線用のノックアウト孔として打ち抜かれるべき位置において、コンクリート製等の作業用ボックスの壁部分に該壁厚と略同じ厚さで密着一体化したノックアウト部が埋め込み形成される。
【0024】
そして、必要が生じた際に、このノックアウト部Kをボックスの内側から打ち抜き具としてのハンマ37で叩打して打ち抜くと、その打抜き型28と壁10との断層部分を外形輪郭とする図6のような、きわめて破損箇所の少ないノックアウト打抜き(後)孔12が形成される。そして、その孔にノックアウトジョイント14を挿入し、さらにその内部に図示しないケーブルを通係させるものである。この際、図5に示すように、断面台形状の拡大する孔壁や嵌着部16の立体拡大部材の表面に接着剤やモルタル等を充填してそのまま押し入れて嵌着するだけで工事が終了し、不必要な大きな叩打破損部分を生じさせることなく、作業が軽便、作業時間短縮、作業コスト低減に資する。さらに、本実施形態では、嵌着部への管路部18の接合時にベルマウス部26を形成させて一体化させているので、ノックアウト孔12への管路部の連結後に作業用ボックス内部からベルマウス管24を装着させて固定させる作業も不要となる。
【0025】
打抜き型28は、作業用ボックスの壁材に対して固体として別個のものを埋め込み配置したものであり、例えば壁材とその成形または加工方法、それらの時期あるいは材質自体を異にして予め成形されたものが用いられる。すなわち、作業用ボックスの壁部分といわば断層状に壁に埋め込み配置されている。打抜き型28は、作業用ボックスの外壁の一部として外面からの土圧や水圧に十分に耐え得る程度の強度を有する固体からなり、常時、壁に一体的に埋め込み嵌着されて必要に応じて作業用ボックスの内側からハンマ等で打撃されて打ち抜かれる。打抜き型28は、例えば、合成樹脂プラスチック、セラミック、金属、木、加工紙等でもよい。好ましくは、コンクリート内に埋め込み配置されて嵌着した状態でそれらの密着部分からの漏水を生じさせない水密性が確保でき、かつ十分な強度のものであるとよい。さらに、コンクリートの膨張収縮に対応してある程度の膨張収縮性を有する素材であるとなおよい。実施形態において、予めノックアウト用の孔形状と同一形状に成形硬化させたコンクリート硬化体から構成されている。したがって、同一素材であるから、割れ等が生じにくく、しかも打抜き孔形状の硬化体であるから、単純な成形型を用いて残コンクリート等の廃棄物を利用して製造し得る。なお、コンクリート硬化体は粗骨材を含まないモルタルにより成型したものでも良い。
【0026】
図9ないし図14は、嵌着部16に管路部18を一体的に接続させて構成されるノックアウトジョイント14の他の実施形態を示しており、図9の実施態様1−2のように、嵌着部16のコンクリート成型時に円錐台体の軸芯部に凹凸を繰り返し形成た連続する襞を形成しておき、この襞に後付けで合成樹脂製のジョイント管路部材20をねじ込みあるいは突き込んで嵌合一体化させるようにしてもよい。その際、ベルマウス管24を用いることなくコンクリート成型の段階でベルマウス状に広がる部分38をコンクリート成型体の通線開口側に設けるようにしてもよい。また、図10の実施形態1−3のように、第1実施形態と同様、鉢状枠22を用いて円錐台体とジョイント管路部材20を一体的に固着形成しているが、この実施形態では、ジョイント管路部材20自体がその一端側にラッパ状に広がるベルマウス部38を一体的に有する構造としている。また、図11の実施形態1−4のように、ベルマウス管を装着せずに嵌着部に管路部を一体的に固着させたノックアウトジョイント14に後付けでその嵌着部の通線開口側からベルマウス管24を装着させてもよい。さらに、図12の実施形態1−5のように、一端にベルマウス部を有し外面にねじ溝を設けた直管40を嵌着部の通線開口側から挿入し、突出端側をストッパ用ねじ止めリング42を介して螺着により締め付け固定させるようにしてもよい。また、図13の実施形態1−6のように、ベルマウス一体型直管44をコンクリート型枠成型時に一体的に固着させて構成してもよいし、また、図14の実施形態1−7のように、外側突出端に止水リング部46を取りつけてダクトスリーブタイプの通信用ケーブル通線用のノックアウトジョイント構成としても良い。なお、図15の実施形態1−8のように、嵌着部16は、壁の外面と面一状ではなく、壁外面からさらに突出する態様であってもよい。
【0027】
次に、図16ないし図18に基づいて、本発明の第2実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントを説明するが、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この実施形態では、嵌着部16と壁10とが密着する部分に、ノックアウトジョイント14の抜け規制部48が設けられている。抜け規制部48は、壁10のノックアウト孔12の孔壁と、ノックアウトジョイント14の嵌着部16と、に設けられて協働して該ノックアウトジョイントの抜脱を規制する機構であり、本実施形態において、該抜け規制部48は、壁側、すなわち孔壁に設けた凹部50と、嵌着部16に設けられて該凹部に嵌合する突起部52と、を備えている。
【0028】
図16において、孔壁に設けた凹部50は、作業用ボックスの内側からの打抜き方向(Sk)の力に抗する段差壁54を有しており、実施形態では、孔壁の壁厚中央位置で周状に凹設されている。一方、突起部52は、ジョイント管路部材20が配置される中央孔を有して形成される円錐台体のテーパ曲面から突出し凹部50の段差壁54に係合してノックアウトジョイントの抜脱を規制する部位であり、実施形態ではジョイント管路部材の一端部に補強リブ56を介して円錐台体のテーパ曲面から戻り鈎状に突出して構成される。突起部52は、例えばジョイント管路部材20と同様の硬質合成樹脂を所要の間隔で切り込んで環状に形成してあり、コンクリート成型体としての円錐台体に埋め込まれて一体的に形成されている。この抜け規制部48により、ノックアウト孔12に連結したノックアウトジョイントの抜脱を防止し、特に、地盤の埋め戻し時に管路に引張力が加わる場合等に安定してその連結状態を保持させる。
【0029】
図19は、抜け規制部48を設ける場合のノックアウト部、すなわち打ち抜かない状態での作業用ボックスの壁の構造を説明しており、例えば図示しない作業用ボックスの内型枠と外型枠を配置し、外型枠に打抜き型28を支持させ、その状態で内外両枠の間隙にコンクリートRを充填し、固化させることにより、図19(a)のような段差壁54を有する凹部50を打抜き後のノックアウト孔12に形成させ得る(図19(b)参照)打抜き型28を埋め込んだ作業用ボックスが得られる。
【0030】
図20ないし図23は、抜け規制部48の他の実施形態を示しており、この実施形態では、抜け規制部48は、壁側に設けた凹部50を含み、該凹部50は、形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成される。実施形態において、例えば、図22(a)のように鉢状の型枠60に図22(b)に示す中空台錐体状の形状保持材58を配置させた状態で型枠60内にコンクリートを充填し、固化後図23のような円錐台体のコンクリート型材59の周曲面に形状保持材58を固着させて一体化した打抜き型材62を形成する。これを図20のように図示しない内外型枠の間隙に支持させた状態で、同間隙内にコンクリートを充填して作業用ッボックスを成型する際に、ノックアウト部Kを形成させる。そして、図21のように、作業用ボックスの内側から打抜き叩打すると、凹部50を備えたノックアウト孔12を得る。この場合、形状保持材58は、コンクリート充填時には形状保持して中子のように機能し型枠内残部空隙にのみコンクリートを充填させるとともに、打抜き力で破壊される際には、固化した周縁のコンクリート壁の強度よりも弱いあるいは脆い素材で形成される。実施形態では、例えば合成樹脂発泡材が好適に用いられる。このように、本実施形態では、抜け規制部48の凹部50は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材58の打ち抜き時の破壊により形成される。すなわち、形状保持材58は、打抜き型を壁内に埋め込み状に嵌着配置させた状態では形状を保持して壁に一体化されており、ノックアウト時にはその打撃により破壊されて容易に打抜き型を外部に打抜きさせ、同時に破壊された跡を凹部として抜け規制部の一部を構成させる。特に打抜き型を一体成型するときには、モルタル、コンクリート等の流動硬化体の型枠内への充填に際しても形状保持させる。発泡スチロール、発泡性合成樹脂等でもよいが、その他同様の特性を保持し得る素材あるいは加工物であってもよい。
【0031】
次に、図24ないし図27に基づいて、本発明の第3実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントを説明するが、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この実施形態では、嵌着部16は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体からなり、管路部18と一体的に接合した状態でノックアウト孔12へ嵌着接合させるようになっている。図において、実施形態の嵌着部16は、台錐体を軸線を含む面で2分割した半割れ台錐体161、162からなり、例えば図25のように、鉢状型枠64に分割板66を付設した合成樹脂製等の管路部材68を立てて配置支持し、同管路部材68と型枠64との間隙にコンクリートを充填し脱係固化して図24のような半割れ台錐体を得る。半割れ台錐体は、それぞれの割れ面側に凹設する襞状溝が形成されている。そして、ノックアウト孔12への連結接続時には、例えば図26のように、管路部としての襞付き管の先端部において該管をそれぞれの襞状溝に嵌着させ中間に配して挟み付けるように該半割れ台錐体を接着剤等で、接合させ、さらに、それらの半割れ台錐体の外周曲面にも接着剤を塗着させた状態で図26のようにノックアウト孔12に押し込んで嵌着させることにより、ワンタッチでノックアウトジョイントを作業用ボックスに連結接合させることができる。また、嵌着部16を縦に複数に分割された分割体から構成することにより、具体的な現場のノックアウト孔の形状に対応してある程度の融通をもって軸方向へ変形接合させて構成し、孔に嵌着させ得る。なお、実施形態において、ノックアウトジョイント14の管路部18は、適宜1m程度の長さのジョイント管路部材となっており、接続スリーブ70等で本管路部72と接続されている。このように、嵌着部を複数に分割した分割体から構成する場合には、ジョイント管路部材を用いずに、先端に襞付き部分を形成した本管路の先端を直接に半割れ台錐体で挟装接着させて嵌着部を構成し、この状態で接着剤を表面に塗着させてノックアウト孔12に押し込み嵌着することとしてもよい。なお、上記のいずれの場合にも、図27のように、壁10の内面側からベルマウス管24を装着させてもよい。
【0032】
以上説明した作業用ボックスへのケーブルの通線構造、ノックアウトジョイント、並びにノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、発明の本質を逸脱しない範囲における変更も本発明に含まれる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、作業用ボックスの壁のノックアウト孔と、ノックアウト孔に連結されるノックアウトジョイントと、を有し、該ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部と、ノックアウト孔に対して貫通方向に配置され嵌着部に一体的に接続された管路部と、を含む作業用ボックスへのケーブルの通線構造から構成されるから、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続に際しては単に嵌着部に接着剤を塗着してノックアウト孔に押し込むだけのワンタッチの動作で作業を終了させることができ、簡単、確実でしかも短時間で行え、また作業労力を大幅に軽減させることができる。また、予め、打抜き孔に密着して嵌着し得る形状の嵌着部を形成させるからノックアウト後の孔と嵌着部の成型や製造設計が容易である。
【0034】
また、その際、ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端にその通線開口を開放させる状態で嵌着部に一体的に連結されて構成されるから、ノックアウトジョイントの嵌着部をノックアウト孔に押し込み嵌着させる作業で管路部の作業用ボックスの連結作業を簡単に行なえる。
【0035】
また、嵌着部は、ノックアウト孔に対応して一方向に拡大した立体拡大体からなる構成とすることにより、例えば作業用ボックスの内側に小径面を、外側に大径面を配置させることにより、作業用ボックスの壁の外部からの土圧、水圧に対して十分な壁強度を保持し得る。
【0036】
また、ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端外周部に嵌着部のコンクリート成型時に一体固着させて構成することにより、嵌着部を作業用ボックスと同様のコンクリートを素材とし、これとジョイント管路部材との一体的な成型を具体的に行なえて製造を容易に行なわせ得る。また、ノックアウトジョイントの材料を建築やブロック製造時の残コンクリートあるいは戻りコンクリート等の廃棄物で形成でき、極めて低廉な材料コストで製造し得る。
【0037】
また、ノックアウトジョイントであって、ジョイント管路部材の通線開口側にベルマウス部が設けられた構成とすることにより、ノックアウト孔への管路のセット後、接着用モルタル塗着後に作業用ボックスの内側から別途にベルマウス管を装着させる必要がなく、単にベルマウス管を有するノックアウトジョイントをボックスの外側から押し込み接合させるだけで作業が終了し、接続作業時間短縮を図れる。
【0038】
また、嵌着部と壁とが密着する部分にはノックアウトジョイントの抜け規制部が設けられた構成であるから、何らかの原因で作業用ボックスの外部側に向けて引張する力が管路部に加わった場合にもノックアウトジョイントと壁との連結強度を保持してその抜脱を規制する。
【0039】
また、抜け規制部は、壁側に設けた凹部を含み、該凹部は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材の打ち抜き時の破壊により形成されたものである構成とすることにより、打抜き破壊時に現れるコンクリートその他の型成型による嵌着部及び壁側の凹部の形成を具体的に実現し得る。
【0040】
また、該嵌着部は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体からなり、管路部と一体的に接合した状態でノックアウト孔へ嵌着接合させる構成であるから、作業用ボックス外部からの管路部の連結作業を円滑に行なえる。
【0041】
また、本発明は、作業用ボックスの壁のノックアウト孔にケーブル通線に先立って該ノックアウト孔に保護用管路を接続するに際し、該保護用管路の一端に取り付けられノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を備え、該嵌着部は、組み付け時にノックアウト孔に密着嵌合するように分割され、さらに保護用管路の一端外面に接合される複数の分割体を含むことを特徴とする作業用ボックスヘのケーブルの通線構造から構成されるので、ケーブル通線用の本管あるいは長い接続管の先端に保護用管路を挟み付けるようにして分割体を取り付け、その状態で表面に接着剤等を塗着して押し込み嵌合させるだけで簡単に作業用ボックスへのケーブル通線用管路の連結接続作業を行なえる。
【0042】
また、本発明は、作業用ボックスの壁の打ち抜かれた後のノックアウト孔にケーブル保護用管路を連通接続するにあたり、ケーブル保護用管路の一端側であってノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結し、該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結した嵌着部を接着剤を介してノックアウト孔に嵌着接合させることを特徴とするノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法から構成されるから、打ち抜き後のノックアウト孔へのケーブル保護用管路の接続に際しては単に嵌着部に接着剤を塗着してノックアウト孔に押し込むだけのワンタッチの動作で作業を終了させることができ、簡単、確実でしかも短時間で行え、また作業労力を大幅に軽減させることができる。また、予め、打抜き孔に密着して嵌着し得る形状の嵌着部を形成させるからノックアウト後の孔と嵌着部の成型や製造設計が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る作業用ボックスへのケーブル通線構造及びそれに用いられるノックアウトジョイントの概略断面構成説明図である。
【図2】図1のノックアウトジョイントの断面説明図である。
【図3】図1のノックアウトジョイントの成型工程の説明図である。
【図4】図1のノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図5】図1の状態からノックアウトジョイントを壁内に嵌着させて接続させた状態を示す図である。
【図6】図1のノックアウト孔の打抜き時の作用説明図である。
【図7】図1のノックアウト部を有する作業用ボックスの成型構成を示す概略断面説明図である。
【図8】(a)は、図7により成型した作業用ボックスのノックアウト部を有する縦壁の拡大断面説明図、(b)は、打抜き型の斜視説明図である。
【図9】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−2の説明図である。
【図10】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−3の説明図である。
【図11】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−4の説明図である。
【図12】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−5の説明図である。
【図13】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−6の説明図である。
【図14】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−7の説明図である。
【図15】第1実施形態の通線構造におけるノックアウトジョイントの他の実施形態1−8の説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造並びにそれに用いられるノックアウトジョイントの断面説明図である。
【図17】図16のノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図18】図16のノックアウトジョイントの他の方角から見た斜視説明図である。
【図19】(a)は、抜け規制部を設ける場合であって、打抜き型を埋設した打ち抜かない状態での作業用ボックスの壁の断面説明図、(b)は、打抜き型を打ち抜いた後にノックアウト孔を形成した状態を示す断面説明図である。
【図20】第2実施形態の通線構造において、抜け規制部を形成する嵌着部を受け入れるノックアウト孔を形成させるための打抜き型を埋設した状態の壁の断面説明図である。
【図21】図20の打抜き型を打ち抜いた後のノックアウト孔を形成した状態を示す断面説明図である。
【図22】(a)は、図20の打抜き型成型の工程の説明図、(b)は、形状保持材の斜視説明図である。
【図23】図22の工程で成型されたノックアウトジョイントの斜視説明図である。
【図24】本発明の第3実施形態の作業用ボックスへのケーブル通線構造に用いられる嵌着部の斜視説明図である。
【図25】図24の分割体の一成型工程の説明図である。
【図26】図24の分割体を用いて作業用ボックスのノックアウト孔に接続する状態を示す構成兼、作用説明図である。
【図27】図24の分割体を用いて作業用ボックスのノックアウト孔に接続する際の概念作用説明図である。
【符号の説明】
10 壁、12 ノックアウト孔、14 ノックアウトジョイント、16 嵌着部、16a 小径面、16b 大径面、20 ジョイント管路部材、24 ベルマウス管、26 ベルマウス部、28 打抜き型、38 ベルマウス部、48 抜け規制部、50 凹部、52 突起部、54 段差壁、58 形状保持部材、59円錐台体コンクリート型材、62 打抜き型材、200 表壁面、201 裏壁面、K ノックアウト部、N ボックス内側、U ボックス外側、Sk 打抜き方向
Claims (11)
- 作業用ボックスの壁のノックアウト孔と、
ノックアウト孔に連結されるノックアウトジョイントと、を有し、
該ノックアウトジョイントは、ノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部と、
ノックアウト孔に対して貫通方向に配置され嵌着部に一体的に接続された管路部と、を含む作業用ボックスへのケーブルの通線構造。 - ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端にその通線開口を開放させる状態で嵌着部に一体的に連結されて構成される請求項1記載の作業用ボックスへのケーブルの通線構造。
- 嵌着部は、ノックアウト孔に対応して一方向に拡大した立体拡大体からなる請求項1または2記載の記載の作業用ボックスへのケーブルの通線構造。
- ノックアウトジョイントは、ジョイント管路部材の一端外周部に嵌着部のコンクリート成型時に一体固着させて構成した請求項1ないし3のいずれかに記載の作業用ボックスへのケーブルの通線構造。
- ノックアウトジョイントであって、ジョイント管路部材の通線開口側にベルマウス部が設けられたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の作業用ボックスヘのケーブルの通線構造。
- 嵌着部と壁とが密着する部分にはノックアウトジョイントの抜け規制部が設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の作業用ボックスヘ のケーブルの通線構造。
- 抜け規制部は、壁側に設けた凹部を含み、
該凹部は、壁成型時に埋め込まれた別体製作の打ち抜き型材の外周部に配置された打ち抜き力で破壊される形状保持材の打ち抜き時の破壊により形成されたものであることを特徴とする請求項6記載の作業用ボックスヘのケーブルの通線構造。 - 該嵌着部は、通線方向に沿って縦に複数に分割された分割体からなり、管路部と一体的に接合した状態でノックアウト孔へ嵌着接合させることを特徴とする請求項1、2,3,5,6、7のいずれかに記載の作業用ボックスヘのケーブルの通線構造。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の通線構造に用いられるノックアウトジョイント。
- 作業用ボックスの壁のノックアウト孔にケーブル通線に先立って該ノックアウト孔に保護用管路を接続するに際し、
該保護用管路の一端に取り付けられノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を備え、
該嵌着部は、組み付け時にノックアウト孔に密着嵌合するように分割され、さらに保護用管路の一端外面に接合される複数の分割体を含むことを特徴とする作業用ボックスヘのケーブルの通線構造。 - 作業用ボックスの壁の打ち抜かれた後のノックアウト孔にケーブル保護用管路を連通接続するにあたり、
ケーブル保護用管路の一端側であってノックアウト孔に水密状に嵌着接合されて壁に一体化する嵌着部を該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結し、
該ケーブル保護用管路に一体的に固着あるいは連結した嵌着部を接着剤を介してノックアウト孔に嵌着接合させることを特徴とするノックアウト後の作業用ボックスと管路との接続方法。
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JP2007312579A (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Mirai Ind Co Ltd | 保護具 |
JP2015056927A (ja) * | 2013-09-10 | 2015-03-23 | 株式会社日本ネットワークサポート | 電線共同溝等の特殊部における管路材取付構造 |
JP2019190653A (ja) * | 2018-04-18 | 2019-10-31 | 株式会社パロマ | プラグカバー |
JP2021078232A (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-20 | 不二高圧コンクリート株式会社 | ケーブル設置・分岐用コンクリート製品 |
JP2021093905A (ja) * | 2019-11-28 | 2021-06-17 | 不二高圧コンクリート株式会社 | ケーブル収納・分岐用コンクリート製品 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003177418A patent/JP2005012978A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007312579A (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Mirai Ind Co Ltd | 保護具 |
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