JP7335237B2 - ブラスト処理用養生シート - Google Patents

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Description

本発明は、ブラスト処理用養生シートに関する。
本願は、2018年5月30日に、日本に出願された特願2018-103854号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
橋梁等の構造物の塗膜の塗り替えの際、ブラスト処理により旧塗膜を一度除去し、新たに塗装することが行われている。ブラスト処理では、塗膜の粉塵が発生する。塗膜にはポリ塩化ビフェニルや鉛等の有害物質が含まれていることがあるため、ブラスト処理を実施する際には、作業環境を密閉し、粉塵の飛散防止に努める必要がある。
粉塵の飛散防止には一般に、パネルによって作業環境と外部とを区画するとともに、パネルの内側を養生シートで覆う手法が採られている。養生シートとしては、一般的な建築工事用シートが利用されている。前記建築工事用シートは、フラットヤーンからなる織布の表面に樹脂をコーティングしたものであり、樹脂としてはポリエチレンやポリ塩化ビニルが用いられている(例えば特許文献1)。
特開平3-36367号公報
しかし、前記建築工事用シートをブラスト処理の養生シートとして用いた場合、ブラスト処理時に、被処理面から跳ね返った切削材によって穴が空くことがある。特に、冬期等、低温環境下でブラスト処理を行うと、穴が空きやすい。養生シートに穴が空くと、有害物質を含む粉塵が外部に漏洩することが懸念される。
本発明は、ブラスト処理時に穴が空きにくいブラスト処理用養生シートを提供することを目的とする。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>塩化ビニル樹脂と可塑剤とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物からなり、
流れ方向におけるヤング率が5~200MPa、破断時伸びが100~500%である、ブラスト処理用養生シート。
<2>厚さが50~400μmである、前記<1>のブラスト処理用養生シート。
<3>防炎性を有する、前記<1>又は<2>のブラスト処理用養生シート。
<4>ぜい化温度が-15℃以下である、前記<1>~<3>のいずれかのブラスト処理用養生シート。
本発明のブラスト処理用養生シートは、ブラスト処理時に穴が空きにくい。
実施例におけるブラスト試験を説明する模式図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「流れ方向」(Machine Direction)は、シートの成形時における流れ方向、すなわち長手方向である。
「ヤング率」は、JIS K 7161-1:2014に規定された方法で測定される引張弾性率である。測定条件は、温度(23±2)℃、湿度(50±10)%RH、試験速度100mm/分とする。
「破断時伸び」は、JIS K 7161-1:2014に規定された方法で測定される引張破壊ひずみである。測定条件は、温度(23±2)℃、湿度(50±10)%RH、試験速度100mm/分とする。
「ぜい化温度」は、東洋精機製作所社製、恒温槽付きフィルムインパクトテスタ(振り子式衝撃試験機)を用いて測定される、ぜい化による割れが生じない最低温度の値である。詳しい測定方法は実施例に記載のとおりである。
「防炎性を有する」とは、JIS Z 2150:1996のB法による防炎性試験にて防炎2級以上の防炎性を示すことを意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<ブラスト処理用養生シート>
本発明のブラスト処理用養生シート(以下、「本養生シート」とも記す。)は、軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる。
軟質塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂と可塑剤とを含む。
軟質塩化ビニル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて塩化ビニル樹脂及び可塑剤以外の成分(以下、「他の成分」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
(塩化ビニル樹脂)
塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体等が挙げられる。塩化ビニルを主体とする共重合体としては、エチレン-塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、塩化ビニル-ハロゲン化オレフィン共重合体等が挙げられる。また、これらの塩化ビニル樹脂を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等)とのブレンド物も含まれる。塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル単位の割合は、全樹脂成分に対し、80質量%以上が好ましい。塩化ビニル樹脂の重合方法は特に限定されず、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法等の常用の重合方法が挙げられる。これらの塩化ビニル樹脂はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は、800~2500が好ましく、1000~2000がより好ましい。平均重合度が前記範囲の下限値以上であれば、引張った際に伸びすぎず、ハンドリング性を損なわない。平均重合度が前記範囲の上限値以下であれば、硬すぎず、ブラスト処理時に穴が開きにくくなる。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等の芳香族二塩基酸エステル系可塑剤;ジ-n-ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジブチルセバケート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、ジエチルサクシネート、ジ-n-ブチルマレート、モノブチルイタコネート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;トリ-n-ブチルシトレート等の脂肪族三塩基酸エステル系可塑剤;ブチルオレエート等の脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤;グリセリンモノリシノレート等の多価アルコール誘導体系可塑剤;リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤は、塩化ビニル樹脂への相溶性の点から、芳香族二塩基酸エステル系可塑剤、及び脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の可塑剤(以下、「可塑剤A」とも記す。)を含むことが好ましい。
可塑剤は、本養生シートの防炎性の点から、リン酸エステル系可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤は、可塑剤Aと、リン酸エステル系可塑剤とを含むことが特に好ましい。
可塑剤としてリン酸エステル系可塑剤を含む場合、軟質塩化ビニル樹脂組成物は、後述する金属水酸化物をさらに含むことが好ましい。
本養生シートが低温環境(例えば0℃以下)でのブラスト処理に用いられる場合、可塑剤Aとしては、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤を用いることが好ましい。
可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~60質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、本養生シートの流れ方向におけるヤング率を200MPa以下、破断時伸びを100%以上としやすい。可塑剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、本養生シートのハンドリング性がより優れる。
可塑剤が可塑剤Aを含む場合、可塑剤Aの含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して5~60質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましい。
可塑剤がリン酸エステル系可塑剤を含む場合、リン酸エステル系可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~30質量部が好ましく、10~25質量部がより好ましい。
可塑剤がリン酸エステル系可塑剤を含み、さらに金属水酸化物を含む場合、リン酸エステル系可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、1~30質量部が好ましく、5~15質量部がより好ましい。
本養生シートが低温環境でのブラスト処理に用いられるものであって、可塑剤として脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤を含む場合、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、20~60質量部が好ましく、25~50質量部がより好ましい。
本養生シートが低温環境でのブラスト処理に用いられるものである場合、可塑剤Aにおける芳香族二塩基酸エステル系可塑剤と脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤の質量比(芳香族二塩基酸エステル系可塑剤:脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤)は50:50~0:100であることが好ましい。
(他の成分)
他の成分としては、安定剤、金属水酸化物、滑剤、難燃剤、難燃助剤、ブロッキング防止剤、ゴム、エラストマ等が挙げられる。
安定剤としては、例えばビスフェノールAグリシジルエーテル等のエポキシ系安定剤、バリウム-亜鉛系複合安定剤、カルシウム-亜鉛系複合安定剤等が挙げられる。これらの安定剤はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
安定剤は、塩化ビニル樹脂との相溶性、成形加工性、低毒性の点から、エポキシ系安定剤とバリウム-亜鉛系複合安定剤とを含むことが好ましい。バリウム-亜鉛系複合安定剤は、液状でもよく粉末状でもよい。
安定剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して1~10質量部が好ましく、3~8質量部がより好ましい。
金属水酸化物は、防炎性の向上のために用いられる。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マンガン、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化亜鉛、水酸化銅(II)、水酸化ランタン、水酸化鉄(II)等が挙げられる。これらの金属水酸化物はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟質塩化ビニル樹脂組成物が金属水酸化物を含む場合、金属水酸化物の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して5~30質量部が好ましく、10~20質量部がより好ましい。
可塑剤Aとリン酸エステル系可塑剤と金属水酸化物との質量比(可塑剤A:リン酸エステル系可塑剤:金属水酸化物)は、6~10:0.5~4:1~5の範囲とすることが好ましい。この配合比の範囲とすることによって、ハンドリング性や施工性を損なうことなく、防炎効果を高めることができる。
可塑剤A:リン酸エステル系可塑剤(質量比)は、6:4~10:0.5が好ましく、7:3~8:2がより好ましい。
リン酸エステル系可塑剤:金属水酸化物(質量比)は、0.5:5~4:1が好ましく、2:3~3:2がより好ましい。
滑剤としては、エチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、ステアリン酸等が挙げられる。これらの滑剤はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟質塩化ビニル樹脂組成物が滑剤を含む場合、滑剤の含有量は、例えば、塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.1~1.0質量部である。
難燃剤としては、リン-窒素複合系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物;ZnS、ホウ酸亜鉛等の金属化合物;有機金属錯体等が挙げられる。
ブロッキング防止剤としては、架橋塩化ビニル樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粉末、脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのブロッキング防止剤はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟質塩化ビニル樹脂組成物がブロッキング防止剤を含む場合、ブロッキング防止剤の含有量は、例えば、塩化ビニル樹脂100質量部に対して1~10質量部である。
軟質塩化ビニル樹脂組成物の好ましい一態様は、塩化ビニル樹脂と、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤と、リン酸エステル系可塑剤と、金属水酸化物とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物である。本態様の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなるシートは、ブラスト処理時に穴が空きにくく、さらに防炎性及び耐寒性に優れる。そのため、幅広い温度環境で使用可能であり、特に低温環境で使用する場合に有用である。
本態様において、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤及び金属水酸化物の好ましい含有量は、前記のとおりである。
本態様の軟質塩化ビニル樹脂組成物は、安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、難燃助剤、ゴム、エラストマ等をさらに含むことできる。
軟質塩化ビニル樹脂組成物の他の好ましい一態様は、塩化ビニル樹脂と、芳香族二塩基酸エステル系可塑剤と、リン酸エステル系可塑剤とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物である。本態様の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなるシートは、ブラスト処理時に穴が空きにくく、さらに防炎性に優れる。また、前記した態様の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなるシートに比べて耐寒性には劣るものの、シートの生産性の点で優れる。そのため、低温環境以外の環境で使用する場合に有用である。
本態様において、芳香族二塩基酸エステル系可塑剤の好ましい含有量は、前記した可塑剤Aの好ましい含有量と同様である。リン酸エステル系可塑剤の好ましい含有量は前記のとおりである。
本態様の軟質塩化ビニル樹脂組成物は、安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、難燃助剤、ゴム、エラストマ等をさらに含むことできる。
(ブラスト処理用養生シート)
本養生シートの流れ方向におけるヤング率は、5~200MPaであり、5~100MPaが好ましく、5~50MPaがより好ましく、10~30MPaがさらに好ましい。ヤング率が前記範囲の下限値以上であれば、シートの生産性及び施工性が良好である。ヤング率が前記範囲の上限値以下であれば、ブラスト処理時に穴が空きにくい。
ヤング率は、軟質塩化ビニル樹脂組成物中の可塑剤の含有量、塩化ビニル樹脂の重合度等によって調整できる。例えば可塑剤の含有量が多いほど、ヤング率が小さい傾向がある。
また、本養生シートの流れ方向における破断時伸びは、100~500%であり、150~450%が好ましく、200~400%がより好ましい。破断時伸びが前記範囲の下限値以上であれば、ブラスト処理時に穴が空きにくい。破断時伸びが前記範囲の上限値以下であれば、シートの生産性及び施工性が良好である。
破断時伸びは、軟質塩化ビニル樹脂組成物中の可塑剤の含有量、塩化ビニル樹脂の重合度等によって調整できる。例えば可塑剤の含有量が多いほど、破断時伸びが大きい傾向がある。
本養生シートの厚さは、50~400μmが好ましく、80~300μmがより好ましい。厚さが前記範囲の下限値以上であれば、ブラスト処理時に穴が開きにくい。厚さが前記範囲の上限値以下であれば、ハンドリング性及び施工性が良好である。
本養生シートは、防炎性を有することが好ましい。
本養生シートの防炎性を高める方法としては、軟質塩化ビニル樹脂組成物にリン酸エステル系可塑剤を含有させる方法、軟質塩化ビニル樹脂組成物に金属水酸化物を含有させる方法、リン-窒素複合系難燃剤を含有させる方法、ハロゲン系難燃剤を含有させる方法、三酸化アンチモン等の鉱石を含有させる方法等が挙げられる。また、上記方法の2以上を併用してもよい。
本養生シートが低温環境でのブラスト処理に使用される場合、本養生シートのぜい化温度は、0℃以下が好ましく、-15℃以下がより好ましく、-25℃以下がさらに好ましい。ぜい化温度が前記上限値以下であれば、本養生シートの耐寒性が優れ、低温環境でのブラスト処理においても、本養生シートに穴が空きにくい。
本養生シートのぜい化温度は低いほど好ましく、ぜい化温度の下限は特に限定されないが、例えば-40℃である。
ぜい化温度を低くする方法としては、軟質塩化ビニル樹脂組成物に脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤を含有させる方法、ゴムを含有させる方法、エラストマを含有させる方法等が挙げられる。また、上記方法の2以上を併用してもよい。
本養生シートは、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて各種機能を付与するための機能層を有していてもよい。機能層としては、加飾層、ブロッキング防止層、耐候性層等が挙げられる。
本養生シートは、例えば、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物をシート状に成形することによって製造できる。
前記軟質塩化ビニル樹脂組成物は、例えば、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、必要に応じて他の成分とを混合することによって調製できる。
前記軟質塩化ビニル樹脂組成物の成形方法としては、押出成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法等が挙げられる。前記軟質塩化ビニル樹脂組成物を成形する際の温度は、例えば170~190℃である。
本養生シートは、無延伸であってもよく、延伸されていてもよい。
(用途)
本養生シートは、ブラスト処理用である。
ブラスト処理では、構造物の被処理面に対し、切削材を吹き付ける。これにより、被処理面の塗膜等が粉塵となって除去される。本養生シートは、ブラスト処理時に発生する粉塵が、作業環境から外部に飛散することを防止するために用いられる。
本養生シートの具体的な使用方法は、従来、ブラスト処理に用いられている養生シートの使用方法と同様であってよい。例えば、構造物の被処理面及びブラスト処理を行うための足場を囲んだパネルの内側に、パネル間の隙間やパネルと足場との間の隙間から粉塵が外部に飛散しないように、本養生シートを配置することができる。
構造物の被処理面と本養生シートとの間の距離は、例えば10~200cm程度である。
構造物としては、例えば橋梁、すべり台等の遊具等の金属製建築・構築物;プレス機、ガスボンベ等の金属製機械及び装置が挙げられる。
切削材としては、例えばプラスチック系、砂系、スチール系が挙げられる。
(作用機序)
以上説明した本養生シートにあっては、塩化ビニル樹脂と可塑剤とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物からなり、流れ方向におけるヤング率が200MPa以下、破断時伸びが100%以上であるため、ブラスト処理によって構造物の被処理面に吹き付けられた切削材が被処理面から跳ね返って養生シートに当たったときに、穴が空きにくい。
穴が空きにくい理由としては、本養生シートが柔らかいため、切削材が当たったときに容易に変形し、衝撃が緩和されることが考えられる。従来、養生シートとして用いられていた建築工事用シートは硬いため、穴が空きやすかったと考えられる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例1は参考例である。
(破断時伸び及びヤング率)
JIS K 7161-1:2014に規定された方法に従って、養生シートの破断時伸び(%)及びヤング率(MPa)を測定した。
(ブラスト試験)
養生シートを5cm×5cmの大きさにカットしてサンプルとした。
図1に示すように、サンプル1を6cm×6cmのアルミニウム板2に両面テープで固定し、下記のブラスト装置のノズル3から下記の研削材4を、下記の吹き付け距離、吹き付け圧力及び吹き付け時間にてサンプル1に吹き付けた。その後、サンプルの外観を目視で観察し、下記の評価基準で評価した。
<ブラスト処理条件>
ブラスト装置:Sablux社製 ユニクリーンUCL-95。
研削材:Sablux社製 ユニクリーンK800S、プラスチック系研削材。
吹き付け距離:100mm。
吹き付け圧力:0.45MPa。
吹き付け時間:5秒。
<評価基準>
○:貫通孔がみられない。
×:貫通孔が生じる。
(防炎性)
JIS Z 2150:1996のB法による防炎性試験を行った。測定結果から以下の評価基準で防炎性を評価した。
<評価基準>
○:防炎2級を満足する。
×:防炎2級を満足しない。
(耐寒性)
上記にて得られたシートを幅10cmの帯状に切り取って測定用サンプルとした。東洋精機社製、恒温槽付きフィルムインパクトテスタを用いて、恒温槽中において一定温度にしたサンプルを、外形が15cm×10cm、中央に設けられた直径5cmの孔を有する固定板にて固定し、先端が直径1cmの半球状の衝撃子を有する振り子式ハンマーにより、衝撃エネルギー3Jにてサンプルを打撃した(衝撃試験)。
恒温槽の温度は-35℃から5℃刻みで昇温し、各温度にて上記衝撃試験をし、割れが発生しない最低温度を養生シートのぜい化温度とした。測定したぜい化温度から、下記評価基準で養生シートの耐寒性を評価した。
<評価基準>
○:ぜい化温度が0℃以下。
×:ぜい化温度が0℃を超える。
(実施例1~3)
以下の各材料を、表1に示す配合(質量部)に従って混合し、テストロール機(2本ロールミル)にて180℃にて、5分間混練し、厚さ200μmの養生シートを成形した。
塩化ビニル樹脂:平均重合度1400のポリ塩化ビニル(PVC)。
芳香族二塩基酸エステル系可塑剤:ジオクチルフタレート(DOP)。
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:ジオクチルアジペート。
リン酸エステル系可塑剤:トリキシレニルホスフェート。
金属水酸化物:水酸化マグネシウム。
エポキシ系安定剤:ADEKA社製「EP-13」、ビスフェノールAグリシジルエーテル。
液状安定剤:勝田化工社製「BZ-360L」、バリウム-亜鉛系複合安定剤。
粉末安定剤:日東化成工業社製「PSL-708G」、バリウム-亜鉛系複合安定剤。
ブロッキング防止剤:カネカ社製「XEL-C」、架橋塩化ビニル樹脂粒子。
滑剤:日油社製「H-50S」、エチレンビスステアリン酸アミド。
(比較例1)
市販の防炎シート(ポリエステル製フラットヤーンの両面をPVCで被覆したシート)を比較例1の養生シートとした。
実施例1~3及び比較例1の養生シートについて、ブラスト試験、破断時伸び、ヤング率、防炎性、耐寒性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007335237000001
Figure 0007335237000002
実施例1~3の養生シートは、ブラスト試験で貫通孔が空かなかった。また、防炎性を有していた。また、実施例2、3の養生シートは、耐寒性に優れていた。中でも実施例2の養生シートは極めて優れた耐寒性を示した。
一方、破断時伸びが100%未満、ヤング率が200MPa超である比較例1の養生シートは、ブラスト試験で貫通孔が空いた。
1 サンプル
2 アルミニウム板
3 ノズル
4 研削材

Claims (6)

  1. 塩化ビニル樹脂と可塑剤と金属水酸化物とを含む軟質塩化ビニル樹脂組成物からなり、
    前記可塑剤が脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤とリン酸エステル系可塑剤とを含み、
    前記脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して20~60質量部であり、
    流れ方向におけるヤング率が5~200MPa、破断時伸びが100~500%である、ブラスト処理用養生シート。
  2. 前記リン酸エステル系可塑剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して1~30質量部である、請求項に記載のブラスト処理用養生シート。
  3. 前記金属水酸化物の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して5~30質量部である、請求項1又は2に記載のブラスト処理用養生シート。
  4. 厚さが50~400μmである、請求項1~のいずれか一項に記載のブラスト処理用養生シート。
  5. 防炎性を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のブラスト処理用養生シート。
  6. ぜい化温度が-15℃以下である、請求項1~のいずれか一項に記載のブラスト処理用養生シート。
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