JP2003068534A - コイル装置 - Google Patents

コイル装置

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JP2003068534A
JP2003068534A JP2001256283A JP2001256283A JP2003068534A JP 2003068534 A JP2003068534 A JP 2003068534A JP 2001256283 A JP2001256283 A JP 2001256283A JP 2001256283 A JP2001256283 A JP 2001256283A JP 2003068534 A JP2003068534 A JP 2003068534A
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靖生 大橋
Shuichi Honda
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能の良いコイル装置を提供する。 【解決手段】 コア留め部材20の表面側留め部材21
と裏面側留め部材22は両方共に、基面部24と、この
基面部24の両側部にそれぞれ設けられた腕部25a,
25bと、各腕部25a,25bの先端部に設けられた
爪部26a,26bとを有する。表面側留め部材21と
裏面側留め部材22の各基面部24によって回路基板2
の表裏両側から一対のコア部材4a,4bを挟持する。
左側の腕部25a同士は同じコア足挿通孔10aに並列
に挿通し、同様に右側の腕部25b同士は同じコア足挿
通孔10cに並列に挿通し、各腕部25の先端部の爪部
26は回路基板2の基板面に係止する。これにより、表
面側留め部材21と裏面側留め部材22が回路基板2に
固定し、基面部24による一対のコア部材4a,4bの
挟持状態を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスやチョー
クコイルとして機能するコイル装置に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】図12(a)にはコイル装置の従来例が分
解状態で示され、図12(b)には図12(a)に示す
コイル装置のA−A部分の断面図が示されている。この
コイル装置1はDC−DCコンバータ等の回路に組み込
まれてトランスやチョークコイルとして機能するもので
あり、回路基板2と、この回路基板2に形成されたコイ
ルパターン部3と、一対のコア部材4(4a,4b)
と、コア組み合わせ部材5とを有して構成されている。
【0003】回路基板2には回路を構成する電子部品が
搭載されると共に回路パターンが形成される。また、こ
の回路基板2は、例えば複数の基板が積層形成された多
層基板であり、例えば、その回路基板2を構成している
複数の基板にはそれぞれコイルパターン7が中心軸を同
軸上にして配置形成されている。これら複数のコイルパ
ターン7によってコイルパターン部3が構成されてい
る。なお、このコイル装置1がトランス装置と成す場合
には、複数のコイルパターン7のうちの少なくとも1つ
は一次コイルを構成し、残りは二次コイルを構成してい
る。
【0004】この従来例では、対を成すコア部材4a,
4bは両方共にフェライト等の磁性材料粉末を押圧し焼
結成型して作製されたものであり、平板状の天板部8
と、この天板部8の中央部および左右両側部に立設して
いるコア足9(9a,9b,9c)とを有する断面がE
字形状のE型コア部材である。
【0005】回路基板2には、コイルパターン部3の中
心部に位置する基板部位およびコイルパターン部3より
も外側となる基板部位にコア足挿通孔10(10a,1
0b,10c)がそれぞれ設けられている。これらコア
足挿通孔10a,10b,10cには、それぞれ、回路
基板2の表裏両側からそれぞれコア部材4a,4bの各
コア足9(9a,9b,9c)が挿通され、それら表面
側のコア部材4aのコア足9と、裏面側のコア部材4b
のコア足9とが突き合わされている。
【0006】コア組み合わせ部材5は、対を成すコア部
材4a,4bを嵌め込み、それらコア部材4a,4bを
組み合わせるものであり、金属板の折り曲げ加工により
天板12と足部13と爪部14が形成されて成る。天板
12はコア部材4aの天板部8の天面8aを覆うもので
ある。足部13(13a,13b)は、天板12の左右
側部側がそれぞれ起立方向に折り曲げられて形成されて
おり、コア部材4a,4bのコア足9a,9cの外側面
に沿って配置される。爪部14(14a,14b)は足
部13(13a,13b)の先端側が内向きに折り曲げ
られて形成されており、コア部材4bの天板部8の天面
8aに当接する。
【0007】表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側
のコア部材4bのコア足9とが突き合わされている状態
でのコア部材4aの天板部8の天面8aからコア部材4
bの天板部8の天面8aに至るまでの距離hと、天板1
2と爪部14間の間隔とはほぼ等しくなっている。これ
により、コア組み合わせ部材5と、突き合わせ状態のコ
ア部材4a,4bとを嵌め合わせることで、天板12と
爪部14が表裏両側から突き合わせ状態のコア部材4
a,4bの左右両側部を挟持する。
【0008】このようなコア組み合わせ部材5を利用す
ることにより、コア部材4a,4bは相対的に前後方向
(α方向)に移動可能な状態で組み合わされる。なお、
各コア足挿通孔10の前後方向の長さWは、コア部材4
を前後方向に移動させることができるようにコア部材4
のコア足9の幅wよりも長くなっている。
【0009】コイル装置1は次に示すように組み立てら
れる。例えば、まず、コイルパターン部3およびコア足
挿通孔10が形成されている回路基板2の表面側にコア
部材4aを、また、裏面側にコア部材4bをそれぞれ配
置する。そして、表面側のコア部材4aの各コア足9を
回路基板2の表面側からそれぞれ対応するコア足挿通孔
10に挿通する。また同様に、裏面側のコア部材4bの
各コア足9を回路基板2の裏面側からそれぞれ対応する
コア足挿通孔10に挿通する。これにより、表面側のコ
ア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足
9とを突き合わせる。
【0010】そして、その突き合わせ状態のコア部材4
a,4bの上方側からコア組み合わせ部材5の左側の足
部13aを左側のコア足挿通孔10aに、また、コア組
み合わせ部材5の右側の足部13bを右側のコア足挿通
孔10cにそれぞれコア部材4のコア足9よりも外側位
置に挿入する。
【0011】これにより、コア組み合わせ部材5の天板
12をコア部材4aの天板部8の天面8aに当接させる
と共に、コア組み合わせ部材5の爪部14a,14bを
コア部材4bの天板部8の天面8aに当接させて、突き
合わせ状態のコア部材4a,4bと、コア組み合わせ部
材5とを嵌め合わす。これにより、コア部材4a,4b
はコア組み合わせ部材5によって組み合わされて回路基
板2に組み込まれる。また同時に、コア部材4a,4b
は、コイルパターン部3の一部分を回路基板2の表裏両
側から挟み込むこととなる。
【0012】然る後に、組み合わされたコア部材4a,
4bを相対的に前後方向に摺動移動させて、コア部材4
a,4bの当接部位、つまり、突き合わされているコア
足9の先端面同士を擦り合わせる。このように、コア足
9の先端面同士の擦り合わせ(コアの擦り合わせ)を行
うことによって、次に示すような効果を得ることができ
る。
【0013】つまり、コア部材4は磁性材料粉末を焼結
成型して成るものであるために、そのコア部材4のコア
足9の先端面は、研削加工を施したとしても、粗さが残
ってしまう。また、コア部材4a,4bの組み合わせ作
業時に、突き合わされるコア足9の先端面間にゴミが入
り込んでしまう。これらのことにより、そのままでは、
突き合わされているコア足9の先端面同士の密着性は低
いものである。これに対して、コアの擦り合わせを行っ
てコア足9の先端面同士を擦り合わせることによって、
コア足9の先端面が研磨されて鏡面に近い状態となる。
かつ、コア足9の先端面間に入り込んだゴミが擦り潰さ
れて除去されるので、表面側のコア部材4aのコア足9
の先端面と、裏面側のコア部材4bのコア足9の先端面
とを密着させることができる。このように、コア部材4
a,4bを密着させることによって、インダクタンス値
の低下を防止することができて、コイル装置1の性能悪
化を回避することができるというものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コア部材4
a,4bの配置位置によって、コイル装置1のインダク
タンス値が変化する。このため、コア部材4a,4bの
擦り合わせが終了した後には、予め定められたインダク
タンス値を持つことができるようにコア部材4a,4b
の配置位置を調節する。そして、その状態を維持したま
ま、コア組み合わせ部材5を接着剤により回路基板2に
固定することで、コア組み合わせ部材5と共にコア部材
4a,4bを回路基板2に保持固定している。
【0015】しかしながら、一般的に、接着剤は硬化す
る際に収縮などして体積変化を起こすので、この接着剤
の体積変化に起因してコア組み合わせ部材5がコア部材
4a,4bと共に位置ずれしてしまう。このため、所望
のインダクタンス値を得ることができるようにコア部材
4a,4bの位置調整を行ったのにも拘わらず、所望の
インダクタンス値を得ることができないという問題が発
生する。
【0016】また、加熱により硬化するタイプの接着剤
を用いる場合には、接着剤を硬化させるために過熱槽が
必要となる。また、接着剤の硬化には時間がかかること
から、コイル装置1の製造時間が長くなるという問題が
生じる。さらに、接着剤が回路基板2の指定された場所
以外の部分に付着してしまうと、製品の不良を招くこと
があり、歩留まりが低下する虞がある。
【0017】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、一対のコア部材を簡単に組
み合わせることができ、しかも、接着剤を用いずに基板
に容易に固定することができるコア留め部材を備えたコ
イル装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第1の発明は、回路基板
に形成されているコイルパターン部と、このコイルパタ
ーン部の一部を回路基板の表裏両側から挟み込む一対の
コア部材と、コイルパターン部の形成領域に設けられて
前記コア部材のコア足が挿通されるコア足挿通孔と、前
記一対のコア部材を回路基板の表裏両側から挟持して回
路基板に保持するコア留め部材とを有するコイル装置で
あって、コア留め部材は表面側留め部材と裏面側留め部
材を有して構成されており、表面側留め部材と裏面側留
め部材は両方共にそれぞれ、基面部と、この基面部の両
側部にそれぞれ立設されている腕部と、各腕部の先端部
に設けられている爪部とを有し、表面側留め部材の基面
部と裏面側留め部材の基面部によって前記一対のコア部
材が表裏両側から挟持され、表面側留め部材と裏面側留
め部材の両側部のうちの同じ側の腕部同士は同じコア足
挿通孔、又は回路基板に別途設けた腕部挿通孔に並列に
挿通され、各腕部の先端部の爪部が回路基板の基板面に
係止し表面側留め部材と裏面側留め部材が回路基板に固
定されて、前記基面部による一対のコア部材の挟持状態
が保持されていることを特徴としている。
【0019】第2の発明は、第1の発明の構成を備え、
表面側留め部材と裏面側留め部材の各腕部はその幅が基
面部の幅よりも狭く形成され、表面側留め部材と裏面側
留め部材の各基面部の両側部にはそれぞれ腕部無し領域
が形成されており、表面側留め部材と裏面側留め部材の
一方側の腕部が他方側の腕部無し領域に入り込んで、表
面側留め部材の腕部と裏面側留め部材の腕部が並列して
同じコア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通されていること
を特徴としている。
【0020】第3の発明は、第1又は第2の発明の構成
を備え、表面側留め部材と裏面側留め部材の各基面部に
はコア部材側に張り出した張り出し部が設けられてお
り、この張り出し部からコア部材に押圧力が加えられる
構成と成していることを特徴としている。
【0021】第4の発明は、第1又は第2又は第3の発
明の構成を備え、表面側留め部材と裏面側留め部材の各
腕部の根元部分はばね性を有し、このばね性による復元
力によって、コア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通された
腕部は表面側留め部材および裏面側留め部材を回路基板
に固定する方向の押圧力を挿通孔の内壁面に加える構成
と成していることを特徴としている。
【0022】第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか
1つの発明の構成を備え、同じコア足挿通孔又は腕部挿
通孔に挿通された表面側留め部材と裏面側留め部材の腕
部は前後方向に並列されており、これら腕部と、コア足
挿通孔又は腕部挿通孔の内壁面との間には前後方向の遊
嵌間隙が形成されており、表面側留め部材と裏面側留め
部材がコア部材と共に相対的に前後方向に移動可能に形
成されていることを特徴としている。
【0023】第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか
1つの発明の構成を備え、回路基板の基板面と、当該基
板面に対向する各コア部材の基板面対向部位との間には
間隙が形成されていることを特徴としている。
【0024】第7の発明は、第1〜第6の発明の何れか
1つの発明の構成を備え、表面側留め部材と裏面側留め
部材は同一形状と成していることを特徴としている。
【0025】この発明では、コア留め部材は表面側留め
部材と裏面側留め部材を有し、表面側留め部材の基面部
と裏面側留め部材の基面部によって、一対のコア部材を
回路基板の表裏両側から挟持している。そして、表面側
留め部材と裏面側留め部材の各腕部がコア足挿通孔又は
腕部挿通孔に挿通し当該腕部の先端部の爪部が回路基板
の基板面に係止することで、表面側留め部材と裏面側留
め部材が回路基板に固定されて、基面部による一対のコ
ア部材の挟持状態が保持されている。
【0026】このように、この発明では、接着剤を用い
ずに、コア留め部材の表面側留め部材と裏面側留め部材
を回路基板に簡単に固定することができる構成を備えて
いるので、接着剤に起因した問題、つまり、接着剤の体
積変化に起因してコア部材の位置ずれが生じるという問
題や、接着剤を硬化させるための大掛かりな装置が必要
であるという問題や、接着剤が不適切な部分に付着して
製品の不良を招くという問題などを回避することが可能
となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づいて説明する。
【0028】図1(a)には第1実施形態例のコイル装
置が分解状態により模式的に示されている。図2(a)
には一対のコア部材がコア留め部材によって組み合わさ
れて回路基板に保持されている状態が模式的に示され、
図2(b)には図2(a)に示す左側から見たコア留め
部材によるコア部材の保持状態が模式的に示され、図2
(c)には図2(a)に示す右側から見たコア留め部材
によるコア部材の保持状態が模式的に示されている。
【0029】この第1実施形態例では、コア部材を回路
基板に保持するコア留め部材に特徴がある。それ以外の
構成は従来例とほぼ同様であり、この第1実施形態例の
説明では、従来例と同一構成部分には同一符号を付し、
その共通部分の重複説明は省略する。
【0030】この第1実施形態例において特徴的なコア
留め部材20は、表面側留め部材21と、裏面側留め部
材22とを有して構成されている。この第1実施形態例
では、それら表面側留め部材21と裏面側留め部材22
は同一形状に形成されており、配置の向きによって表面
側留め部材21となったり、裏面側留め部材22とな
る。表面側留め部材21、裏面側留め部材22は、基面
部24と、この基面部24の左右両側部にそれぞれ立設
している腕部25(25a,25b)とを有して構成さ
れている。
【0031】腕部25a,25bは、それぞれ、コア足
挿通孔10(10a,10c)にコア足9の外側に沿っ
て挿通されるものであり、それら各腕部25a,25b
の先端部には外向きの爪部26(26a,26b)が形
成されている。
【0032】この第1実施形態例では、表面側留め部材
21の左側の腕部25aと、裏面側留め部材22の左側
の腕部25aとは同じコア足挿通孔10aに挿通され
る。かつ、表面側留め部材21の爪部26aは回路基板
2の裏面に係止され、また、裏面側留め部材22の爪部
26aは回路基板2の表面に係止される構成と成す。
【0033】表面側留め部材21の右側の腕部25bと
裏面側留め部材22の右側の腕部25bに関しても同様
に、それら表面側留め部材21と裏面側留め部材22の
右側の各腕部25bは同じコア足挿通孔10cに挿通さ
れ、表面側留め部材21の爪部26bは回路基板2の裏
面に係止され、裏面側留め部材22の爪部26bは回路
基板2の表面に係止される構成と成す。
【0034】すなわち、この第1実施形態例では、基面
部24の左右の腕部25a,25bのうちの一方側は基
面部24の側部の前方側に配置形成され、他方側は基面
部24の側部の後方側に配置形成されるという如く、腕
部25a,25bは互い違いに配置されている。換言す
れば、この第1実施形態例では、表面側留め部材21
(裏面側留め部材22)は、中心部Oを通り且つ回路基
板2の基板面に略直交する中心軸O’を対称軸とした軸
対称な形状と成している。
【0035】それら各腕部25a,25bの前後方向の
幅hは、基面部24の前後方向の幅Hの1/2よりも狭
くなっている(h<(H/2)(図2(c)参照))。
これにより、表面側留め部材21と裏面側留め部材22
の各基面部24の両側部には、それぞれ、腕部無し領域
が形成されている。この第1実施形態例では、表面側留
め部材21と裏面側留め部材22の一方側の腕部25が
他方側の腕部無し領域に入り込んで、表面側留め部材2
1の腕部25と、裏面側留め部材22の腕部25とは、
同じコア足挿通孔10の内部で前後方向に並ぶことがで
きる。
【0036】これにより、表面側留め部材21と裏面側
留め部材22の腕部25を同じコア足挿通孔10に挿通
しても、それら表面側留め部材21の腕部25と裏面側
留め部材22の腕部25との各先端部の爪部26を両方
共に回路基板2の基板面に係止させることができる。
【0037】また、この第1実施形態例では、腕部25
a,25bはそれぞれ外向きに僅かに傾いており、表面
側留め部材21(裏面側留め部材22)が回路基板2か
ら外れている状態では、それら腕部25a,25bの先
端部の左右方向の幅dはコア足挿通孔10aの左端部か
らコア足挿通孔10cの右端部までの左右方向の長さD
よりも長くなっている。また、腕部25a,25bの外
向きの傾きを補正する方向に腕部25a,25bを内向
きに変位させることができ、かつ、そのように内向きに
変位した際に各腕部25a,25bの根元部分にばね性
を持たせることができる剛性を、各腕部25a,25b
の根元部分は有している。
【0038】このため、左右両側の腕部25a,25b
をコア足挿通孔10(10a,10c)に挿通する際に
は、それら腕部25a,25bの先端部間を閉じる方向
に腕部25a,25bを変位させることができて、腕部
25a,25bの両方をそれぞれ対応するコア足挿通孔
10a,10cに挿通させることができる。かつ、各腕
部25a,25bがそれぞれコア足挿通孔10a,10
cに挿通されている状態では、各腕部25a,25bの
根元部分のばね性による復元力によって、表面側留め部
材21、裏面側留め部材22を固定する方向の押圧力が
腕部25a,25bからコア足挿通孔10a,10cの
内壁面に加えられる。この腕部25からコア足挿通孔1
0の内壁面への押圧力と、腕部25の先端部の爪部26
が回路基板2の基板面に係止することとによって、表面
側留め部材21、裏面側留め部材22を回路基板2にし
っかりと固定することができる。
【0039】さらに、この第1実施形態例では、各腕部
25の前後方向の幅hはコア足挿通孔10の前後方向の
幅H’よりも狭くなっている(h<(H’/2))。こ
のため、コア足挿通孔10に挿通されている表面側留め
部材21と裏面側留め部材22の各腕部25と、コア足
挿通孔10の内壁面との間には前後方向の遊嵌間隙が形
成されている。これにより、表面側留め部材21と裏面
側留め部材22は、腕部25がコア足挿通孔10に挿通
されている状態でも、コア部材4a,4bと共に前後方
向に相対的に移動可能となっている。この構成は、コイ
ル装置1の製造工程においてコア部材4a,4bの擦り
合わせを行い易くすることができる。
【0040】表面側留め部材21と裏面側留め部材22
の各基面部24は、表面側留め部材21および裏面側留
め部材22が上記のように腕部25と爪部26によって
回路基板2に固定されているときに、コア部材4a,4
bを回路基板2の表裏両側から挟持するものである。
【0041】この第1実施形態例では、表面側留め部材
21と裏面側留め部材22の各基面部24には、それぞ
れ、コア部材4a,4b側に張り出した張り出し部28
が形成されている。この張り出し部28は、腕部25の
根元部分のばね性を利用して、コア部材4の天板部8に
押圧力を加える。この張り出し部28を設けたことによ
り、コア部材4には部分的に基面部24側から押圧力が
加えられるので、基面部24の全体がコア部材4の天板
部8に当接して押圧力を加える場合に比べて、強い押圧
力をコア部材4に加えることができる。
【0042】また、コア部材4a,4bは磁性材料粉末
を焼結成型して成るものであり、製品の寸法精度は良い
ものではないが、この第1実施形態例では、腕部25の
根元部分のばね性を利用して、基面部24がコア部材4
に押圧力を加える構成と成すために、寸法ばらつきがあ
るコア部材4a,4bをしっかりと挟持することができ
る。
【0043】この第1実施形態例では、表面側のコア部
材4aと裏面側のコア部材4bの各コア足9の長さの合
計Lは回路基板2の厚みよりも長くなっている(図2
(a)参照)。換言すれば、回路基板2の表面に対向す
る表面側のコア部材4aの基板面対向部位Taと、回路
基板2の裏面に対向する裏面側のコア部材4bの基板面
対向部位Tbとの間の間隔Lは回路基板2の厚みよりも
長くなっている。
【0044】また、この第1実施形態例では、表面側留
め部材21と裏面側留め部材22は同じ構成を持つもの
であり、表面側留め部材21の基面部24からコア部材
4aに加える押圧力と、裏面側留め部材22の基面部2
4からコア部材4bに加える押圧力とがほぼ等しく、バ
ランスを取ることが容易な構成となっている。この構成
と、前記コア足9の寸法構成とによって、この第1実施
形態例では、コア部材4a,4bの両方共に、回路基板
2の基板面に対向する部位Ta,Tbと、基板面との間
に間隙が形成されており、非接触な状態となっている。
【0045】この第1実施形態例のコイル装置1は上記
のように構成されている。以下に、このコイル装置1の
製造工程を図3に基づき簡単に説明する。
【0046】まず、コイルパターン部3およびコア足挿
通孔10が形成されている回路基板2と、コア部材4
a,4bと、コア留め部材20とをそれぞれ用意する。
そして、図3(a)に示すように、表面側のコア部材4
aと裏面側のコア部材4bの一方側(ここでは、説明を
容易にするために表面側のコア部材4aとする)を回路
基板2の表面側に配置して、そのコア部材4aのコア足
9(9a,9b,9c)をそれぞれ対応するコア足挿通
孔10(10a,10b,10c)に挿入する。
【0047】次に、図3(b)に示すように、そのコア
部材4aに上側からコア留め部材20の表面側留め部材
21を被せ、表面側留め部材21の腕部25a,25b
をそれぞれコア足挿通孔10a,10cにコア足9の外
側に沿って挿入し、腕部25a,25bの先端部の爪部
26a,26bを回路基板2の裏面に係止させる。これ
により、表面側留め部材21は回路基板2に固定される
と共に、表面側留め部材21の基面部24からコア部材
4aに押圧力が加えられてコア部材4aは回路基板2に
押し付けられて固定された状態となる。
【0048】その後、上記同様に、図3(c)に示すよ
うに、裏面側のコア部材4bを回路基板2の裏面側の設
定位置に配置する。そして、図3(d)に示すように、
その裏面側のコア部材4bに被せるようにして裏面側留
め部材22を回路基板2に固定し、この裏面側留め部材
22によって裏面側のコア部材4bを回路基板2に保持
固定する。このとき、この第1実施形態例では、表面側
留め部材21からコア部材4aへの押圧力と、裏面側留
め部材22からコア部材4bへの押圧力とのバランスが
とれていることから、コア部材4a,4bの両方共に、
回路基板2の基板面に対向する部位Ta,Tbは、回路
基板2の基板面から浮いた状態となる。
【0049】然る後に、コアの擦り合わせを行う。この
第1実施形態例では、コア部材4a,4bは両方共に回
路基板2と非接触な状態であるので、コアの擦り合わせ
の際に、コア部材4a,4bが回路基板2の基板面上を
摺動することを防止できる。これにより、コア部材4
a,4bが回路基板2の基板面を擦って当該基板面上の
保護膜を損傷させてしまうという問題を回避することが
できる。
【0050】また、コアの擦り合わせを行う際には、コ
ア部材4a,4bを相対的に前後方向に移動させる。こ
の第1実施形態例では、表面側留め部材21と裏面側留
め部材22の各腕部25と、コア足挿通孔10の内壁面
との間には、前後方向の遊嵌間隙が形成されている。こ
のため、表面側留め部材21と裏面側留め部材22の各
腕部25がコア足挿通孔10に挿通されている状態で
も、表面側留め部材21と裏面側留め部材22を相対的
に前後方向に移動させることが可能である。
【0051】このことから、表面側留め部材21と裏面
側留め部材22をコア部材4a,4bと一体的に前後方
向に相対的に移動させて、コアの擦り合わせを行うこと
ができる。このように表面側留め部材21と裏面側留め
部材22をも前後方向に相対的に移動させてコアの擦り
合わせを行う場合には、コア部材4a,4bのみを相対
的に前後方向に移動させてコアの擦り合わせを行う場合
に比べて、コアの擦り合わせを容易にすることができ
る。
【0052】このようなコアの擦り合わせの後には、コ
イル装置1のインダクタンス値が予め定めたインダクタ
ンス値となるように、表面側のコア部材4aと裏面側の
コア部材4bの配置位置を調整する。
【0053】以上のようにして、コイル装置1を製造す
ることができる。
【0054】この第1実施形態例によれば、表面側留め
部材21と裏面側留め部材22の各基面部24によって
コア部材4a,4bを回路基板2の表裏両側から挟持
し、各腕部25の先端部の爪部26が回路基板2の基板
面に係止して表面側留め部材21と裏面側留め部材22
が回路基板2に固定されると共に、基面部24によるコ
ア部材4a,4bの挟持状態を保持する構成とした。こ
の構成では、接着剤を用いて表面側留め部材21と裏面
側留め部材22を回路基板2に固定する必要はなく、接
着剤の利用に起因した問題、つまり、接着剤の体積変化
に起因したコア部材4a,4bの位置ずれの問題や、接
着剤を硬化させるための大掛かりな装置や、長い時間が
必要であるという問題や、接着剤が不適切な部分に付着
して製品の不良を招き歩留まりを悪化させるという問題
を回避することができる。
【0055】また、接着剤の塗布工程および硬化工程が
不要となるので、製造工程の工程数を削減することがで
きて、コイル装置1の製造効率を高めることができる。
【0056】さらに、この第1実施形態例では、表面側
留め部材21と裏面側留め部材22は同一形状としたの
で、1種の部品を表面側留め部材21として用いたり、
裏面側留め部材22として用いることができることか
ら、部品管理が容易となる。
【0057】さらに、従来では、コア部材4a,4bを
回路基板2に取り付ける際には、表面側のコア部材4a
を回路基板2の表面側の設定位置に配置すると共に、裏
面側のコア部材4bをも回路基板2の裏面側の設定位置
に配置して、それらコア部材4a,4bを組み合わせ、
この状態を維持して、それらコア部材4a,4bにコア
組み合わせ部材5を嵌め込んで、コア部材4a,4bを
回路基板2に取り付けていた。
【0058】これに対して、この第1実施形態例では、
例えば、コア部材4aを表面側留め部材21によって回
路基板2に取り付けた後に、コア部材4bを裏面側留め
部材22によって回路基板2に取り付けるというよう
に、コア部材4aとコア部材4bを別々に回路基板2に
取り付けることができる。これにより、例えば、コア部
材4a,4bのうちの一方側のみを交換するという作業
を容易に行うことができる。
【0059】以下に、第2実施形態例を説明する。な
お、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態
例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の
重複説明は省略する。
【0060】この第2実施形態例では、図4(a)に示
されるように、回路基板2には、コア足挿通孔10(1
0a,10c)の近傍に、腕部挿通孔30(30a,3
0b)が形成されている。コア留め部材20の表面側留
め部材21と裏面側留め部材22の各腕部25は、コア
足挿通孔10に挿通するのではなく、腕部挿通孔30に
挿通されている。この第2実施形態例においても、第1
実施形態例と同様に、表面側留め部材21と裏面側留め
部材22の各左側の腕部25aは左側の同じ腕部挿通孔
30aに並列に挿通され、また、表面側留め部材21と
裏面側留め部材22の各右側の腕部25bは右側の同じ
腕部挿通孔30bに並列に挿通されている。
【0061】この第2実施形態例では、各腕部25の先
端部の爪部26は内向きに形成され、また、各腕部25
は内向きの傾きが付けられており、第1実施形態例と同
様に、各腕部25の根元部分にはばね性を有する構成と
成している。
【0062】上記以外の構成は第1実施形態例と同様で
ある。
【0063】この第2実施形態例によれば、第1実施形
態例と同様に、接着剤を用いずに、コア留め部材20の
表面側留め部材21と裏面側留め部材22は回路基板2
に固定することができる構成であることから、接着剤の
利用に起因した問題発生を回避することができる。
【0064】また、この第2実施形態例に示した表面側
留め部材21および裏面側留め部材22は、回路基板2
から外れ難いという効果を得ることができる。それとい
うのは、表面側留め部材21と裏面側留め部材22はそ
れぞれ張り出し部28からコア部材4a,4bに押圧力
を加える。これに対して、コア部材4a,4bから張り
出し部28に反作用の力、つまり、図4(b)に示すよ
うな基面部24を押し上げる方向の力Fuが加えられ
る。この反作用の力Fuと、腕部25の根元部分のばね
性とによって、各腕部25には、当該腕部25をより内
側に傾ける力が加えられることとなり、各腕部25を腕
部挿通孔30の内壁面に押し付け固定する力が強くな
る。このため、表面側留め部材21と裏面側留め部材2
2は回路基板2から外れ難くなる。
【0065】なお、この発明は第1と第2の各実施形態
例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り
得るものである。例えば、第1と第2の実施形態例で
は、表面側留め部材21と裏面側留め部材22は、基面
部24の左右両側部にそれぞれ1本ずつ腕部25が形成
されていたが、左右の両側部にそれぞれ設ける腕部25
の本数は2本以上であってもよい。また、左側の腕部2
5の本数と、右側の腕部25の本数とが異なっていても
よい。例えば、表面側留め部材21と裏面側留め部材2
2を、図5に示すような形態としてもよい。この図5の
例では、基面部24の左右のうちの一方側には2本の腕
部25が間隔を介して形成され、また、他方側には1本
の腕部25が間隔を介して形成されている。
【0066】この例では、表面側留め部材21と裏面側
留め部材22は同一形状となっており、配置の向きを変
えることにより、表面側留め部材21として機能した
り、裏面側留め部材22として機能するものである。こ
の例では、表面側留め部材21の並設している2本の腕
部25a1,25a2間の腕部無し領域に、裏面側留め部材
22の腕部25bが入り込み、それら腕部25a1,25
a2,25bは並列にコア足挿通孔10又は腕部挿通孔3
0に挿通することができる。同様に、表面側留め部材2
1の腕部25bは、裏面側留め部材22の腕部25a1,
25a2間の腕部無し領域に入り込み、それら腕部25a
1,25a2,25bは並列にコア足挿通孔10又は腕部
挿通孔30に挿通することができる。
【0067】また、第1と第2の各実施形態例では、表
面側留め部材21と裏面側留め部材22は、中心軸O’
を対称軸とした軸対称な形状であったが、例えば、図6
に示すように、表面側留め部材21と裏面側留め部材2
2は、それぞれ、中心部を通り且つ基面部24の両側部
間の中心線を通る対称基準面O''に対して面対称な形状
であってもよい。図6に示す例では、表面側留め部材2
1と裏面側留め部材22は同一形状となっており、基面
部24の左右両側部には前方側部位と後方側部位の一方
側に寄って腕部25が1本ずつ形成されている。このよ
うに、基面部24の両側部には、それぞれ、腕部25と
腕部無し領域が形成されており、腕部無し領域の前後方
向の幅は腕部25の幅よりも広くなっている。
【0068】なお、もちろん、図5に示すように、表面
側留め部材21と裏面側留め部材22は、対称基準面
O''に対して非対称な形状であってもよい。
【0069】さらに、第1と第2の各実施形態例では、
基面部24の張り出し部28は面でもってコア部材4の
天板部8に当接して押圧力を加えていたが、図7に示す
ように、曲面の張り出し部28を設け当該張り出し部2
8とコア部材4の天板部8とを線接触させて張り出し部
28からコア部材4に押圧力を加える構成としてもよ
い。また、張り出し部28の形状は特に限定されるもの
ではなく、例えば、図8(a)に示されるような四角柱
状の凸部32により張り出し部28を構成してもよい
し、また、図8(b)に示されるような半円筒状の凸部
32により張り出し部28を構成してもよいし、さら
に、図8(c)に示されるような三角柱状の凸部32に
より張り出し部28を構成してもよい。さらにまた、図
9に示すように、基面部24の一部分が内側に凸な構成
と成し、この凸部位がコア部材4に押圧力を加える張り
出し部28を構成してもよい。
【0070】なお、図7乃至図9に示す、表面側留め部
材21、裏面側留め部材22は、樹脂の成形技術によっ
て形成したものであるが、これに限られることなく、例
えば、折り曲げ加工が容易な金属板で形成してもよい
し、また、金属板と樹脂を一体的に成形したものでもよ
い。
【0071】さらに、前述した各例では、表面側留め部
材21と裏面側留め部材22は同一形状となっていた
が、図10に示すように表面側留め部材21と裏面側留
め部材22は互いに異なる形状であってもよい。この場
合には、例えば、表面側留め部材21の基面部24の左
右両側部における腕部無し領域に、裏面側留め部材22
の基面部24の左右両側の腕部25が入り込んで、表面
側留め部材21と裏面側留め部材22の各腕部25が並
列することができるように、表面側留め部材21と裏面
側留め部材22の各腕部25と腕部無し領域の配置位置
や幅などが適宜に設定されることとなる。
【0072】さらに、表面側留め部材21と裏面側留め
部材22の一方あるいは両方において、図11に示すよ
うに、基面部24の前端部と後端部の少なくとも一方に
爪部34を形成してもよい。この爪部34によって、表
面側留め部材21、裏面側留め部材22に対するコア部
材4の前後方向の配置位置を規制することができる。
【0073】さらに、各実施形態例では、コア部材4
a,4bは両方共にE型コア部材であったが、コア部材
4の形状は限定されるものではなく、例えば、コア部材
4a,4bの一方側がI型コア部材であり、他方側がE
型コア部材であってもよい。また、コア部材4として、
U型形状(C型形状)のものを用いてもよい。
【0074】
【発明の効果】この発明によれば、表面側留め部材と裏
面側留め部材は、コア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通さ
れた腕部の先端部の爪部が回路基板の基板面に係止する
ことで、回路基板に固定することができるので、従来の
ように、接着剤を用いて回路基板に固定する必要がな
い。このため、接着剤を用いることに起因した問題、つ
まり、接着剤の体積変化に起因したコア部材の位置ずれ
の問題や、接着剤を硬化させるための大掛かりな装置や
長い時間が必要となるという問題や、接着剤が不適切な
部分に付着して製品の不良を招いて歩留まりを悪化させ
てしまうという問題などを回避することができることと
なる。これにより、性能の良いコイル装置を安価で提供
することができる。
【0075】また、表面側留め部材と裏面側留め部材の
各基面部の両側部にはそれぞれ腕部が形成されると共に
腕部無し領域が形成されているものにあっては、表面側
留め部材と裏面側留め部材の一方側の腕部が他方側の腕
部無し領域に入り込んで、表面側留め部材の腕部と、裏
面側留め部材の腕部とを、同じコア足挿通孔又は腕部挿
通孔に並列させて挿通することができる。
【0076】さらに、基面部に張り出し部が形成されて
いるものにあっては、基面部の一部分がコア部材に当接
して押圧力を加えるので、表面側留め部材と裏面側留め
部材は、基面部の全面がコア部材に当接して押圧力を加
える場合よりも強い力でもって、一対のコア部材をしっ
かりと挟持することができる。
【0077】さらに、表面側留め部材と裏面側留め部材
の各腕部の根元部分がばね性を有し、このばね性による
復元力によって、コア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通さ
れた腕部は表面側留め部材と裏面側留め部材を回路基板
に固定する方向の押圧力を挿通孔の内壁面に加えるもの
にあっては、表面側留め部材と裏面側留め部材をしっか
りと回路基板に固定することができる。
【0078】さらに、同じコア足挿通孔又は腕部挿通孔
に挿通された表面側留め部材と裏面側留め部材の腕部は
前後方向に並列されており、これら腕部と、コア足挿通
孔又は腕部挿通孔の内壁面との間には前後方向の遊嵌間
隙が形成されているものにあっては、腕部がコア挿通孔
又は腕部挿通孔に挿通されていても、表面側留め部材と
裏面側留め部材をコア部材と共に前後方向に相対的に移
動させることができる。このため、コイル装置の製造工
程において、コア部材の擦り合わせを容易に行うことが
可能となる。
【0079】また、回路基板の基板面と、当該基板面に
対向するコア部材の基板面対向部位との間に、間隙が形
成されているものにあっては、コア部材の擦り合わせの
際に、コア部材が回路基板の基板面を擦ってしまうこと
を防止することができる。これにより、コアの擦り合わ
せ時に、回路基板の基板面上の保護膜を損傷させてしま
うという問題を回避することができる。
【0080】表面側留め部材と裏面側留め部材が同一形
状となっているものにあっては、表面側留め部材として
も裏面側留め部材としても使用することができる部品を
1種類用意すればよく、表面側留め部材と裏面側留め部
材の別々の部品を用意しなくて済む。このため、部品管
理の煩雑さを軽減することができる。また、コイル装置
の製造工程において、表面側留め部材と裏面側留め部材
を取り違えるというミスを無くすことができる。
【0081】また、表面側留め部材と裏面側留め部材
を、軸対称な形状としたり、面対称な形状とすることに
より、表面側留め部材と裏面側留め部材による一対のコ
ア部材の挟持力のバランスを良好にすることが容易とな
る。さらに、金属板を折り曲げ加工して表面側留め部材
と裏面側留め部材を形成することにより、表面側留め部
材と裏面側留め部材の薄型化を促進させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル装置の第1実施形態例を分
解状態により模式的に示した説明図である。
【図2】第1実施形態例のコイル装置におけるコア留め
部材によるコア部材の保持状態を説明するための図であ
る。
【図3】第1実施形態例のコイル装置を製造する手順を
説明するための図である。
【図4】第2実施形態例のコイル装置を説明するための
図である。
【図5】対称基準面に対して非対称な形状を持つ表面側
留め部材および裏面側留め部材の一形態例を説明するた
めの図である。
【図6】対称基準面に対して対称な形状を持つ表面側留
め部材および裏面側留め部材の一形態例を説明するため
の図である。
【図7】曲面の張り出し部を持つ表面側留め部材と裏面
側留め部材の一形態例を説明するための図である。
【図8】凸部から成る張り出し部を持つ表面側留め部材
と裏面側留め部材の一形態例を説明するための図であ
る。
【図9】さらに、表面側留め部材と裏面側留め部材のそ
の他の形態例を説明するための図である。
【図10】互いに異なる形状を持つ表面側留め部材と裏
面側留め部材により構成されたコア留め部材の一形態例
を説明するための図である。
【図11】表面側留め部材と裏面側留め部材のその他の
形態例を説明するための図である。
【図12】コイル装置の従来例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 コイル装置 2 回路基板 3 コイルパターン部 4 コア部材 10 コア足挿通孔 20 コア留め部材 21 表面側留め部材 22 裏面側留め部材 24 基面部 25 腕部 26 爪部 28 張り出し部 30 腕部挿通孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板に形成されているコイルパター
    ン部と、このコイルパターン部の一部を回路基板の表裏
    両側から挟み込む一対のコア部材と、コイルパターン部
    の形成領域に設けられて前記コア部材のコア足が挿通さ
    れるコア足挿通孔と、前記一対のコア部材を回路基板の
    表裏両側から挟持して回路基板に保持するコア留め部材
    とを有するコイル装置であって、コア留め部材は表面側
    留め部材と裏面側留め部材を有して構成されており、表
    面側留め部材と裏面側留め部材は両方共にそれぞれ、基
    面部と、この基面部の両側部にそれぞれ立設されている
    腕部と、各腕部の先端部に設けられている爪部とを有
    し、表面側留め部材の基面部と裏面側留め部材の基面部
    によって前記一対のコア部材が表裏両側から挟持され、
    表面側留め部材と裏面側留め部材の両側部のうちの同じ
    側の腕部同士は同じコア足挿通孔、又は回路基板に別途
    設けた腕部挿通孔に並列に挿通され、各腕部の先端部の
    爪部が回路基板の基板面に係止し表面側留め部材と裏面
    側留め部材が回路基板に固定されて、前記基面部による
    一対のコア部材の挟持状態が保持されていることを特徴
    としたコイル装置。
  2. 【請求項2】 表面側留め部材と裏面側留め部材の各腕
    部はその幅が基面部の幅よりも狭く形成され、表面側留
    め部材と裏面側留め部材の各基面部の両側部にはそれぞ
    れ腕部無し領域が形成されており、表面側留め部材と裏
    面側留め部材の一方側の腕部が他方側の腕部無し領域に
    入り込んで、表面側留め部材の腕部と裏面側留め部材の
    腕部が並列して同じコア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通
    されていることを特徴とした請求項1記載のコイル装
    置。
  3. 【請求項3】 表面側留め部材と裏面側留め部材の各基
    面部にはコア部材側に張り出した張り出し部が設けられ
    ており、この張り出し部からコア部材に押圧力が加えら
    れる構成と成していることを特徴とした請求項1又は請
    求項2記載のコイル装置。
  4. 【請求項4】 表面側留め部材と裏面側留め部材の各腕
    部の根元部分はばね性を有し、このばね性による復元力
    によって、コア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通された腕
    部は表面側留め部材および裏面側留め部材を回路基板に
    固定する方向の押圧力を挿通孔の内壁面に加える構成と
    成していることを特徴とした請求項1又は請求項2又は
    請求項3記載のコイル装置。
  5. 【請求項5】 同じコア足挿通孔又は腕部挿通孔に挿通
    された表面側留め部材と裏面側留め部材の腕部は前後方
    向に並列されており、これら腕部と、コア足挿通孔又は
    腕部挿通孔の内壁面との間には前後方向の遊嵌間隙が形
    成されており、表面側留め部材と裏面側留め部材がコア
    部材と共に相対的に前後方向に移動可能に形成されてい
    ることを特徴とした請求項1乃至請求項4の何れか1つ
    に記載のコイル装置。
  6. 【請求項6】 回路基板の基板面と、当該基板面に対向
    する各コア部材の基板面対向部位との間には間隙が形成
    されていることを特徴とした請求項1乃至請求項5の何
    れか1つに記載のコイル装置。
  7. 【請求項7】 表面側留め部材と裏面側留め部材は同一
    形状と成していることを特徴とした請求項1乃至請求項
    6の何れか1つに記載のコイル装置。
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