JP3755427B2 - コイル装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスやチョークコイルとして機能するコイル装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図8(a)にはコイル装置の一例が分解状態で示され、図8(b)には図8(a)に示すコイル装置のA−A部分の断面図が示されている。これら図8(a)、(b)に示されるコイル装置1は、電子部品搭載用基板2と、この電子部品搭載用基板2に形成されたコイルパターン部3と、一対のコア部材4(4a,4b)と、コア組み合わせ部材5とを有して構成されている。
【0003】
電子部品搭載用基板2は回路を構成する電子部品が搭載されると共に回路パターンが形成されるものであり、複数の基板が積層形成された多層基板である。例えば、その電子部品搭載用基板2を構成している複数の基板にはそれぞれコイルパターン7が中心軸を同軸上にして配置形成されている。これら複数のコイルパターン7によってコイルパターン部3が構成されている。なお、このコイル装置1がトランス装置と成す場合には、複数のコイルパターン7のうちの少なくとも1つは一次コイルを構成し、残りは二次コイルを構成している。
【0004】
対を成すコア部材4a,4bは両方共にフェライト等の磁性材料粉末を押圧し焼結成型して作製されたものであり、平板状の天板部8と、該天板部8の中央部および左右両端部に立設しているコア足9(9a,9b,9c)とを有する断面がE字形状のE型コア部材である。
【0005】
電子部品搭載用基板2にはコイルパターン部3の形成領域(コイルパターン部3の中心部に位置する基板部位およびコイルパターン部3の外側の基板部位)にコア足挿通用貫通孔10(10a,10b,10c)がそれぞれ設けられている。これらコア足挿通用貫通孔10a,10b,10cには、それぞれ、電子部品搭載用基板2の表裏両側からそれぞれコア部材4a,4bの各コア足9(9a,9b,9c)が挿通され、それら表面側のコア部材4aのコア足9と、裏面側のコア部材4bのコア足9とが突き合わされる。
【0006】
コア組み合わせ部材5は、対を成すコア部材4a,4bを嵌め込んで組み合わせるものであり、金属板を折り曲げ加工して基面部12と足部13と爪部14を形成して作製される。つまり、コア部材4の天板部8を覆う基面部12の左右両端側がそれぞれコア部材4のコア足9に沿う起立方向に折り曲げられて足部13が形成される。さらに、その足部13の先端側が内向きに折り曲げられて爪部14が形成されている。
【0007】
基面部12と爪部14間の間隔は、表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足9とが突き合わされている状態でコア部材4aの天板部8の天面8aからコア部材4bの天板部8の天面8aに至るまでの距離hとほぼ等しくなっている。このため、コア組み合わせ部材5と、突き合わせ状態のコア部材4a,4bとを嵌め合わせることで、基面部12と爪部14が表裏両側から突き合わせ状態のコア部材4a,4bの左右両端側を挟持する。この際、コア部材4a,4bは相対的に前後方向(図8(a)に示すα方向)に移動可能な状態と成している。なお、各コア足挿通用貫通孔10の前後方向の長さWは、コア部材4が前後方向に移動することができるようにコア部材4のコア足9の幅よりも長くなっている。
【0008】
このようなコイル装置1は次に示すように組み立てられる。例えば、まず、コイルパターン部3およびコア足挿通用貫通孔10が形成されている電子部品搭載用基板2の表面側にコア部材4aを、また、裏面側にコア部材4bをそれぞれ配置する。そして、表面側のコア部材4aの各コア足9を電子部品搭載用基板2の表面側からそれぞれ対応するコア足挿通用貫通孔10に挿通する。また同様に、裏面側のコア部材4bの各コア足9を電子部品搭載用基板2の裏面側からそれぞれ対応するコア足挿通用貫通孔10に挿通する。これにより、表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足9とを突き合わせる。
【0009】
その後、突き合わせ状態のコア部材4a,4bに上方側からコア組み合わせ部材5を嵌め合わせる。このとき、コア組み合わせ部材5の左側の足部13aは左側のコア足挿通用貫通孔10aにコア部材4のコア足9(9a)よりも外側位置に挿入し、かつ、コア組み合わせ部材5の右側の足部13bは右側のコア足挿通用貫通孔10cにコア部材4のコア足9(9c)よりも外側位置に挿入する。
【0010】
これにより、一対のコア部材4a,4bはコア組み合わせ部材5によって組み合わされて電子部品搭載用基板2に組み込まれる。換言すれば、コア部材4a,4bは、コイルパターン部3の一部分を電子部品搭載用基板2の表裏両面側から挟み込む形態でコイルパターン部3に装着される。
【0011】
然る後に、組み合わされた一対のコア部材4a,4bを相対的に前後方向に摺動移動させて、コア部材4a,4bの当接部位、つまり、突き合わされているコア足9の先端面同士を擦り合わせる。このようにコア足9の先端面同士の擦り合わせ(コアの擦り合わせ)を行うことによって、次に示すような効果を得ることができる。
【0012】
つまり、コア部材4a,4bは磁性材料粉末を焼結成型して成るものであるために、そのコア部材4のコア足9の先端面は粗面である。また、コア部材4a,4bの組み合わせ作業時に、突き合わされているコア足9の先端面間にゴミが入り込んでしまう。これらのことから、そのままでは、突き合わされているコア足9の先端面同士の密着性は低いものである。これに対して、コアの擦り合わせを行ってコア足9の先端面同士を擦り合わせることによって、コア足9の先端面が研磨されて平滑となり、かつ、コア足9の先端面間に入り込んだゴミが擦り潰されて除去されるので、表面側のコア部材4aのコア足9の先端面と、裏面側のコア部材4bのコア足9の先端面とを密着させることができる。このように、コア部材4a,4bを密着させることによって、コイルのインダクタンス値の低下を防止することができ、コイル装置の性能悪化を回避することができるというものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の構成では、必然的に、コア部材4(4a)の天板部8の内面8bと、電子部品搭載用基板2の基板面とは接触した状態となってしまう。このために、コアの擦り合わせを行う際に、電子部品搭載用基板2の基板面がコア部材4(天板部8の内面8b)によって擦られてしまって、電子部品搭載用基板2の表面に形成されているレジスト等の保護用部材に傷が付いたり、保護用部材が剥がれてしまう事態が発生する場合がある。そのように保護用部材が損傷した場合には、高湿環境下に長い時間置かれたときに、電子部品搭載用基板2に形成されている銅等による回路パターンが腐食してしまったり、耐電圧の性能が低くなってしまう等の問題が生じる。
【0014】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、コイル装置を組み立て作製する際のコアの擦り合わせ時に、コア部材の移動によって電子部品搭載用基板の表面に形成されている保護用部材が損傷することを回避することができ、信頼性を向上させることが可能なコイル装置およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明のコイル装置は、電子部品搭載用基板に形成されているコイルパターン部と;このコイルパターン部の一部分を電子部品搭載用基板の表裏両側から挟み込む形態でコイルパターン部に装着される一対のコア部材と;コイルパターン部の形成領域に設けられ上記一対のコア部材の少なくとも一方に設けられるコア足を挿通させるためのコア足挿通用貫通孔と;このコア足挿通用貫通孔を利用して電子部品搭載用基板の表面側のコア部材と裏面側のコア部材の左右両側の側部を電子部品搭載用基板の表裏両側から挟持し上記対を成すコア部材を前後方向に相対的に移動可能に組み合わせるコア組み合わせ部材と;を有するコイル装置であって、コア足挿通用貫通孔にはコア組み合わせ部材を外側から保持するカバー部材の足部が挿通され該足部は電子部品搭載用基板に固定されており、上記カバー部材はコア組み合わせ部材を介してコア部材を電子部品搭載用基板と非接触な状態で保持する構成と成していることを特徴として構成されている。
【0016】
第2の発明のコイル装置は、第1の発明の構成を備え、コア組み合わせ部材は、基面部と、この基面部の両端に一体的に設けられた足部とを有する略コ字形状に形成されており、前記基面部には、組み合わされた一対のコア部材の一方の天面を押圧する突出部が設けられ、前記足部の先端側には、前記組み合わされた一対のコア部材の他方の天面に係止される爪部が設けられており、前記基面部の突出部と爪部との高さ方向の間隔は、前記組み合わされた一対のコア部材の厚みよりも短く形成され、コア部材の天面に爪部を係止してコア組み合わせ部材を前記組み合わされた一対のコア部材に嵌め合わせた際に、コア組み合わせ部材の基面部の突出部が押し上げられて前記足部の基端側が外側に移動して前記足部が傾斜する構成と成し、カバー部材は、基面部と、この基面部の両端に一体的に設けられた足部とを有する略コ字形状に形成されており、このカバー部材の互いに対向する各足部の内側面にはコア組み合わせ部材の足部の外側傾斜面に当接してコア組み合わせ部材を持ち上げる向きの傾斜を持つ傾斜部が形成されていることを特徴として構成されている。
【0017】
第3の発明のコイル装置は、第2の発明の構成を備え、コア組み合わせ部材は電子部品搭載用基板の表面側と裏面側のうちの一方側から取り付けられ、カバー部材は、電子部品搭載用基板の他方側から取り付けられていることを特徴として構成されている。
【0018】
第4の発明のコイル装置は、第1又は第2又は第3の発明の構成を備え、カバー部材は略コ字形状と成し、この略コ字形状のカバー部材の基面部上面はコイル装置の最表面と成し、このカバー部材の基面部上面は、部品搬送用の吸着ノズルによって吸着されるノズル吸着面と成していることを特徴として構成されている。
【0019】
第5の発明のコイル装置は、第1〜第4の発明の何れか1つの発明の構成を備え、コア部材は電子部品搭載用基板に接着剤により固定されていることを特徴として構成されている。
【0020】
第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか1つの発明のコイル装置の製造方法であって、電子部品搭載用基板の表面側と裏面側のそれぞれに対を成すコア部材を配置し、コア組み合わせ部材によって上記一対のコア部材を組み合わせて該コア部材をコイルパターン部に装着し、その後に、カバー部材によって上記コア組み合わせ部材を持ち上げ保持して上記カバー部材を電子部品搭載用基板に固定し、コア部材を電子部品搭載用基板と非接触な状態とし、然る後に、電子部品搭載用基板の表面側のコア部材と裏面側のコア部材を相対的に摺動移動させて上記表面側のコア部材と裏面側のコア部材との当接部位を擦り合わせ該表面側のコア部材と裏面側のコア部材との当接部位を密着させることを特徴として構成されている。
【0021】
本発明において、カバー部材は、コア組み合わせ部材を保持することにより、このコア組み合わせ部材を介してコア部材を電子部品搭載用基板から持ち上げて、コア部材と電子部品搭載用基板面を非接触な状態としている。
【0022】
このため、コイル装置を組み立て作製する際のコアの擦り合わせ時に、摺動移動しているコア部材によって、電子部品搭載用基板の表面が擦られることを回避することができる。このことにより、電子部品搭載用基板の表面に形成されている保護用部材がコアの擦り合わせ作業に起因して損傷してしまうことを防止することができて、保護用部材の損傷に起因した電子部品搭載用基板の回路パターンの腐食や耐電圧低下問題を回避することができる。これにより、信頼性が高いコイル装置を提供することができる。
【0023】
なお、この明細書中に示す左右・前後の向きは電子部品搭載用基板を水平に配置した状態での向きであるが、電子部品搭載用基板の姿勢は水平状態に限定されるものではなく、電子部品搭載用基板の姿勢状態によっては、左右・前後の向きは実際に見た場合の向きと異なる場合がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1(a)には本発明に係るコイル装置の第1実施形態例が断面図により模式的に示されている。なお、この第1実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0026】
この第1実施形態例に示すコイル装置1は、従来例と同様に、電子部品搭載用基板2と、コイルパターン部3と、一対のコア部材4a,4bと、コア組み合わせ部材5とを有すると共に、この第1実施形態例において特有なカバー部材20を有して構成されている。図1(b)には、そのカバー部材20を上方側から見た平面図が示され、また、図1(c)にはカバー部材20の側面が模式的に示されている。
【0027】
この第1実施形態例では、コア組み合わせ部材5は、従来例と同様に、金属板を折り曲げ加工して作製されるものであるが、図2(a)の斜視図に示すような従来例とは異なる形状と成し、図2(b)に示すように、対を成すコア部材4a,4bを組み合わせる。つまり、コア組み合わせ部材5の基面部12は弾性を持たせるために折り曲げ加工されて中央部に突出部が形成されている。その基面部12の突出部はコア部材4の天板部8の天面8aに当接して押圧するための押圧部12aと成している。この押圧部12aと爪部14間の高さ方向の間隔Hは、突き合わされた一方側のコア部材4aの天板部8の天面8aから他方側のコア部材4bの天板部8の天面8aまでの距離(厚み)hよりも僅かに短くなっている。
【0028】
このため、突き合わせ状態のコア部材4a,4bと、コア組み合わせ部材5とを嵌め合わせた状態では、コア部材4(4b)の天面8aにコア組み合わせ部材5の爪部14(14a,14b)が係止され、コア組み合わせ部材5の基面部12の押圧部12aがコア部材4a,4bにより押し上げられて各足部13a,13bの基端側が外側に移動して各足部13a,13bは先端側から基面部12側に向かうに従ってコア部材4から離れる外向き(換言すれば、基面部12側から先端側に向かうに従って内向き)に傾いている。かつ、コア組み合わせ部材5の基面部12の押圧部12aは図の下向きの押し付け力をコア部材4aに加える。コア組み合わせ部材5の基面部12の押圧部12aと爪部14によって、突き合わせ状態のコア部材4a,4bは相対的に前後方向に移動可能な状態で挟持されて組み合わされる。
【0029】
この第1実施形態例において最も特徴的なカバー部材20はプラスチック等によって形成され、コア組み合わせ部材5に被さるようにして電子部品搭載用基板2に固定配設されるものである。このカバー部材20は、基面部21と、この基面部21の左右の両端側にそれぞれ立設する足部22a,22bとを有して構成され略コ字形状と成している。各足部22a,22bにはそれぞれ前方下部側に切除部23が設けられて基板当接面23aが構成されている。また、各足部22a,22bの外側面の下方側には爪部24が外向きに突出形成されている。
【0030】
この第1実施形態例では、基板当接面23aと爪部24の基板当接部24aとの高さ間隔Dは電子部品搭載用基板2の基板厚さとほぼ等しくなっている。また、一方側の足部22aの外側面と他方側の足部22bの外側面との間隔gは図8(a)に示すコア足挿通用貫通孔10aとコア足挿通用貫通孔10c間の間隔Gとほぼ等しくなっている。さらに、足部22a,22bの下端部の前後方向の長さwは各コア足挿通用貫通孔10の前後方向の長さWとほぼ等しくなっている。
【0031】
このため、電子部品搭載用基板2の表面側からカバー部材20の足部22aをコア足挿通用貫通孔10aに、また、足部22bをコア足挿通用貫通孔10cにそれぞれ挿入していくと、足部22a,22bは、爪部24の突出によって、下方側が内側に傾いた状態でコア足挿通用貫通孔10a,10cに挿入される。さらに引き続いて足部22a,22bを挿入させていくと、足部22a,22bの基板当接面23aが電子部品搭載用基板2の表面に当接する。それと同時に、爪部24がコア足挿通用貫通孔10を通り抜けて足部22a,22bの下端部の傾き状態が無くなって爪部24の基板当接部24aが電子部品搭載用基板2の裏面に当接する。これにより、基板当接面23aと爪部24の基板当接部24aとによって電子部品搭載用基板2が挟持された状態となり、カバー部材20は電子部品搭載用基板2に、がたつきなく固定されることとなる。
【0032】
カバー部材20の各足部22a,22bの内側面にはそれぞれ内向きに突出したリブ26(26a,26b,26c,26d)が形成されている。この第1実施形態例では、そのリブ26は、図1(d)の斜視図に示されるような三角錐の形状と成している。
【0033】
この第1実施形態例では、コア組み合わせ部材5の上方側からカバー部材20を被せた際に、コア組み合わせ部材5の足部13の外側面(傾斜面)に、リブ26の三角斜面26aと三角斜面26bの稜線部27が当接するように構成されている。その稜線部27にはコア組み合わせ部材5を持ち上げる向きの傾きが付けられている。つまり、この第1実施形態例では、稜線部27によって、コア組み合わせ部材5の足部13の外側面(傾斜面)に当接してコア組み合わせ部材5を持ち上げる向きの傾斜を持つ傾斜部が構成されている。
【0034】
この第1実施形態例では、カバー部材20をコア組み合わせ部材5の上方側から被せて電子部品搭載用基板2に固定することによって、そのカバー部材20により、コア組み合わせ部材5は保持され、このコア組み合わせ部材5を介して、一対のコア部材4a,4bは電子部品搭載用基板2から持ち上げられた状態で保持されることとなる。つまり、コア部材4(4a)の天板部8の内面8bと電子部品搭載用基板2の対向面間に間隙Sが形成され、コア部材4と電子部品搭載用基板2を非接触な状態にすることができる。
【0035】
ところで、コイル装置1や電子部品を搭載した電子部品搭載用基板2は、図3に示されるように、吸着ノズル18によって吸着されて、例えば部品収容トレー17等から搬送される場合がある。この第1実施形態例では、カバー部材20の基面部21の上面はコイル装置1の最表面と成しており、このカバー部材20の基面部21の上面は平坦な面に形成されてノズル吸着面と成している。これにより、この第1実施形態例では、そのコイル装置1のノズル吸着面を吸着ノズル18によって吸着して、電子部品搭載用基板2を搬送することができる。
【0036】
このような構成とすることによって、電子部品搭載用基板2の表面に吸着ノズル18の吸着専用の無駄な空きスペースを設ける必要が無くなって、電子部品搭載用基板2の部品実装密度を高めることができる。また、電子部品搭載用基板2の小型化を図ることが可能となる。
【0037】
この第1実施形態例に示すコイル装置1は上記のように構成されている。このコイル装置1の製造工程の一例を簡単に説明する。まず、従来例と同様に、電子部品搭載用基板2の表面側と裏面側のそれぞれに対を成すコア部材4a,4bを配置して、それらコア部材4a,4bをコア組み合わせ部材5によって組み合わせる。
【0038】
次に、コア組み合わせ部材5の上方側からカバー部材20の足部22a,22bをそれぞれ対応するコア足挿通用貫通孔10a,10cに挿入させる。この際、カバー部材20の左側の足部22aはコア組み合わせ部材5の左側の足部13aよりも左外側位置に、また、カバー部材20の右側の足部22bはコア組み合わせ部材5の右側の足部13bよりも右外側位置に挿入される。また、足部22a,22bのリブ26の下端部がコア組み合わせ部材5の足部13の外側面に当接する。なお、この第1実施形態例では、リブ26の下方側には三角傾面26cが形成されているために、カバー部材20はリブ26が引っ掛かることなく、スムーズに足部22a,22bをコア足挿通用貫通孔10の内部に挿入させていくことができる。
【0039】
カバー部材20の各足部22a,22bの挿入を進めていくに従って、カバー部材20のリブ26の稜線部(傾斜部)27がコア組み合わせ部材5の足部13の外側面に当接し始めて、カバー部材20の稜線部27からコア組み合わせ部材5の足部13に持ち上げる方向の力が作用して、コア組み合わせ部材5は持ち上がっていく。これにより、コア部材4(4a)の天板部8の内面8bと電子部品搭載用基板2の対向面間に間隙Sが生じる。このようにコア組み合わせ部材5が持ち上げられてコア部材4と電子部品搭載用基板2が非接触となった状態で、カバー部材20が電子部品搭載用基板2に固定される。
【0040】
然る後に、従来例と同様に、コアの擦り合わせを行って、表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足9とを密着させる。
【0041】
以上のようにして、この第1実施形態例に示すコイル装置1を組み立て作製することができる。
【0042】
この第1実施形態例によれば、カバー部材20によって、コア組み合わせ部材5を持ち上げ保持して、コア部材4と電子部品搭載用基板2の基板面との対向面間に間隙Sを形成しコア部材4と電子部品搭載用基板2の基板面とを非接触な状態とする構成とした。このため、コイル装置1を組み立て作製する際のコアの擦り合わせ時に、コア部材4が電子部品搭載用基板2の表面を擦ることが無くなり、電子部品搭載用基板2の表面の保護用部材が破損してしまうことを防止することができる。これにより、保護用部材破損に起因した電子部品搭載用基板2の回路パターンの腐食や、耐圧性能悪化等の問題を回避することができ、信頼性の高いコイル装置1を提供することができる。
【0043】
また、この第1実施形態例では、カバー部材20の各足部22a,22bのそれぞれに複数のリブ26が間隔を介して点在配設されているので、カバー部材20によりコア組み合わせ部材5を持ち上げ保持した際の安定性を向上させることができる。
【0044】
さらに、リブ26の傾斜部(稜線部)27とコア組み合わせ部材5の足部13の外側面とは線状に当接するので、その当接面積は非常に狭く、少ない力でカバー部材20を取り付けることができ、作業性を向上させることができる。
【0045】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0046】
この第2実施形態例は第1実施形態例とほぼ同様な構成を備えているが、異なる特徴的なことは、図4(d)に示すようなコア組み合わせ部材5の足部13と爪部14間の折り曲げ部31に対応するコア部材4bの角部30に、図4(a)に示すような丸みを付けるか、あるいは、図4(b)に示すように、角部30をコーナーカットされた形状にしたことである。
【0047】
ところで、コア組み合わせ部材5は前記したように金属板を折り曲げ加工して図4(c)に示すような形状に作製されるものである。このことから、足部13と爪部14間の折り曲げ部31はクラック発生を防止するために、金属板の板厚tに応じた曲率半径R(例えば、R≧(t/2))を持たせている。これに対して、コア部材4はフェライト等の磁性材料の粉末を押圧して焼結成型するので、コア部材4の角部30の断面を直角形状に形成することができる。この場合には、そのようなコア部材4bの角部30とコア組み合わせ部材5の折り曲げ部31の内周面とは、直角形状の断面の頂点で線接触することとなる。
【0048】
このような一箇所だけの線接触は、コア組み合わせ部材5によるコア部材4a,4bの組み合わせに大きな支障を生じさせるものではないが、コア部材4bの角部30にコア組み合わせ部材5側から大きな力が作用して該角部30が欠けてしまう場合がある。また、コア組み合わせ部材5の爪部14とコア部材4bとの間に隙間sが生じてコア部材4a,4bの組み合わせ状態に僅かに悪影響を与える虞もある。
【0049】
そこで、この第2実施形態例では、前記したように、コア部材4bの角部30に丸みを付けるか、あるいは、コーナーカットして、コア部材4bの角部30の殆どをコア組み合わせ部材5の折り曲げ部31の内周面に面接触させるか、あるいは、角部30を折り曲げ部31の内周面に複数箇所で面接触又は線接触させる構成とした。
【0050】
具体的には、例えば、角部30に丸みを付ける場合には、角部30はその曲率半径R’がコア組み合わせ部材5の折り曲げ部31の曲率半径R以上の大きな曲率半径(R’≧R)となるように形成する。また、角部30をコーナーカットする場合には、その角部30は、図4(a)に示されるような曲率半径R’を持つ丸み部分が大きくカットされた形状に形成される。
【0051】
この第2実施形態例によれば、第1実施形態例と同様な優れた効果を奏することができる。しかも、この第2実施形態例では、コア部材4bの角部30に丸みを付けるか、あるいは、コーナーカットして、角部30の殆どをコア組み合わせ部材5の折り曲げ部31の内周面に面接触させるか、あるいは、角部30を折り曲げ部31の内周面に複数箇所で面接触又は線接触させる構成を備えた。これにより、コア部材4bの角部30の欠けを確実に防止することができるし、コア組み合わせ部材5の爪部14とコア部材4との隙間sを無くすことができて、コア組み合わせ部材5によって、非常に良好な状態にコア部材4a,4bを組み合わせることができることとなる。これにより、コイル装置1の性能の信頼性をより一層高めることができる。
【0052】
以下に、第3実施形態例を説明する。この第3実施形態例において特徴的なことは、図5に示すように、コア部材4を電子部品搭載用基板2に固定する固定手段34を設けたことである。それ以外の構成は第1や第2の実施形態例と同様であり、この第3実施形態例の説明において、第1又は第2の実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0053】
ところで、電子部品搭載用基板2のコア足挿通用貫通孔10における前後方向の長さWは、コアの擦り合わせを行うことができるようにコア部材4a,4bの前後方向の長さよりも長くなっている。このため、例えば、電子部品搭載用基板2にコイル装置1を組み込み終えた後に、その電子部品搭載用基板2を搬送する際に、コア部材4a,4bが位置ずれを起こす虞がある。この第3実施形態例では、より一層の性能の信頼性の向上を図るために、コア部材4a,4bを電子部品搭載用基板2に固定する手段を設けた。
【0054】
すなわち、この第3実施形態例では、コア部材4a,4bの擦り合わせが終了した後に、コア部材4a,4bを設定位置に配置し、コア部材4a,4bの前端面と後端面を固定手段である接着剤34によって電子部品搭載用基板2に接着固定する。接着剤34としては、例えば、樹脂(例えば、シリコンやエポキシ)がある。なお、コア部材4a,4bの前端面と後端面のうちの一方側のみを接着剤34によって電子部品搭載用基板2に接着固定してもよいが、より安定した固定状態を得るためには、この第3実施形態例の如くコア部材4a,4bの前端面と後端面の両方を電子部品搭載用基板2に接着固定した方が好ましい。
【0055】
この第3実施形態例によれば、コアの擦り合わせが終了した後に、コア部材4a,4bを接着剤34によって電子部品搭載用基板2に接着固定する構成とした。このため、コイル装置1を電子部品搭載用基板2に組み込み終えた後の電子部品搭載用基板2の搬送時に、コア部材4a,4bの位置ずれを確実に防止することができる。これにより、コイルのインダクタンス値が低下する等の問題をより確実に防止することができて、より一層の性能の信頼性の向上を図ることができる。
【0056】
以下に、第4実施形態例を説明する。この第4実施形態例の説明において、第1〜第3の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0057】
この第4実施形態例では、図6に示されるように、コア組み合わせ部材5は電子部品搭載用基板2の裏面側から取り付けられている。また、カバー部材20は電子部品搭載用基板2の表面側から取り付けられている。それ以外の構成は、第1〜第3の各実施形態例と同様である。
【0058】
このように電子部品搭載用基板2の裏面側からコア組み合わせ部材5を一対のコア部材4a,4bに嵌め合わす構成とし、カバー部材20は電子部品搭載用基板2の表面側から装着する構成としても、コア部材4a,4bは電子部品搭載用基板2から持ち上げられた状態となるので、この第4実施形態例においても、第1〜第3の各実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0059】
その上、この第4実施形態例では、次に示すような効果を奏することができる。例えば、第1〜第3の各実施形態例では、表面側のコア部材4aの上側には、コア組み合わせ部材5の基面部12が配置され、その上側にさらにカバー部材20の基面部21が配置される構成であった。これに対して、この第4実施形態例では、表面側のコア部材4aの上側にはカバー部材20の基面部21が配置されるだけであるので、電子部品搭載用基板2の表面から上側に突出するコイル装置1の高さfを第1〜第3の各実施形態例の構成のものよりも低く抑えることができることとなる。
【0060】
特に、各実施形態例に示されるコア組み合わせ部材5は、基面部12に凹凸を折曲形成してスプリング性を持たせる構成である。このため、第1〜第3の各実施形態例の如く、コア組み合わせ部材5と、コア部材4a,4bとを嵌め合わせた際には、基面部12の一部分が出っ張ることとなる。そのコア組み合わせ部材5の出っ張り部分との当接を避けるために、第1〜第3の各実施形態例では、カバー部材20には、へこみが形成されている(図1参照)。このへこみを形成する分、カバー部材20の基面部20は肉厚となり、電子部品搭載用基板2の表面から上側に突出するコイル装置1の高さfが高くなり易い構造であった。
【0061】
これに対して、この第4実施形態例では、コア組み合わせ部材5は電子部品搭載用基板2の裏面側から、また、カバー部材20は電子部品搭載用基板2の表面側から取り付ける構成である。このため、コア組み合わせ部材5の基面部12と、カバー部材20の基面部21とが当接することはなく、これにより、カバー部材20の基面部21に、コア組み合わせ部材5の出っ張りを収容するためのへこみを形成する必要がない。よって、第1〜第3の各実施形態例の構成に比べて、カバー部材20の基面部21の肉薄化を図ることができて、コイル装置1の低背化を促進させることができる。
【0062】
また、第1〜第3の各実施形態例の構成では、カバー部材20の基面部21が上側から押されると、基面部21がコア組み合わせ部材5の基面部12を押し、これにより、コア組み合わせ部材5の足部13の先端側が広がる方向に変形する虞があった。そのように足部13が広がると、コア部材4a,4bの挟持力が弱まり、コイルのインダクタンス値が低くなってしまうことがあり、好ましくない。この問題を回避するために、コア組み合わせ部材5の基面部12と、カバー部材20の基面部21との間に隙間を形成すると、コイル装置1の高さfが、より高くなるという問題が生じる。
【0063】
これに対して、この第4実施形態例では、カバー部材20の基面部21が押されても、そのようなインダクタンス値低下を招く事態は発生しないので、カバー部材20をコア部材4aの上側に殆ど隙間無く配置することができる。これにより、インダクタンス値低下を防止しつつ、コイル装置1の低背化を促進させることが容易にできることとなる。
【0064】
また、そのようにカバー部材20の基面部21をコア部材4aの上側に殆ど隙間無く配置する構成とすることによって、コア組み合わせ部材5の爪部14がカバー部材20の基面部21とコア部材4aとによって挟み込まれた形態となる。このため、仮に、コア組み合わせ部材5の足部13の先端側を広げる方向の力が加えられたとしても、足部13は殆ど変形せず、コア部材4a,4bの挟持力の弱まりに起因したコイルのインダクタンス値の低下を防止することができる。
【0065】
なお、第4実施形態例では、コア組み合わせ部材5の基面部12を電子部品搭載用基板2の裏面側に配置したので、電子部品搭載用基板2の裏面よりも下側に出っ張るコイル装置1の突出量は、第1〜第3の各実施形態例よりも僅かに多くなる。しかし、図3に示されるように電子部品搭載用基板2には下向きの端子35が配設される場合が多く、この場合には、コイル装置1の下向き突出量はその端子35の長さよりも格段に小さいので、コイル装置1の下向きの出っ張り量が僅かに増えても大きな支障は生じない。
【0066】
なお、この発明は第1〜第4の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、各実施形態例では、リブ26は三角錐形状と成していたが、コア組み合わせ部材5の足部13の外側面(傾斜面)に当接して該コア組み合わせ部材5を持ち上げる向きの傾斜が付けられている傾斜部が形成されていれば、リブ26の形状は三角錐形状に限定されるものではなく、様々な形態を採り得る。
【0067】
また、各実施形態例では、リブ26はカバー部材20の足部22a,22bのそれぞれに2個ずつ形成されていたが、各足部22a,22bのそれぞれにリブ26を1個ずつ形成してもよいし、また、3個以上形成してもよく、数に限定されるものではない。
【0068】
さらに、各実施形態例では、カバー部材20の各足部22a,22bに内側に突出形成されるリブ26を形成して、コア組み合わせ部材5を持ち上げ保持するための傾斜を持つ傾斜部が構成されていたが、リブ26を設けずに、例えば、足部22a,22bの内側面自体にコア組み合わせ部材5を持ち上げ保持するための傾斜を付けてもよい。
【0069】
さらに、各実施形態例では、対を成すコア部材4a,4bは両方共にE型コア部材であったが、例えば、図7(a)に示すように、対を成す一方のコア部材4はE型コア部材とし、他方側のコア部材4は断面がI字形状のI型コア部材としてもよい。また、図7(b)に示すように、中央部のコア足9bが円柱状であるEER型コア部材4を用いてもよい。さらに、図7(c)に示すように、断面がU字形状で、かつ、2本のコア足9のうちの一方は四角柱状と成し、他方のコア足9が円柱状と成しているUR型コア部材4を用いてもよい。このUR型コア部材4をコイルパターン部3に装着する際には、2本のコア足9のうちの一方のコア足9は電子部品搭載用基板2に形成されたコイルパターン部3の中央部に配置され、他方のコア足9はコイルパターン部3よりも外側に配置されることとなる。
【0070】
さらに、第2実施形態例では、コア部材4bの角部30をコーナーカットする場合に角部30のカット面は1つであったが、例えば、図4(e)に示すように、複数のカット面が形成されるように角部30をコーナーカットしてもよい。この場合には、図4(a)に示すような曲率半径R’を持つ角部30の丸み形状に近付けることができる。
【0071】
さらに、第4実施形態例では、コア組み合わせ部材5は電子部品搭載用基板2の裏面側から、また、カバー部材20は電子部品搭載用基板2の表面側から取り付けられていたが、逆に、カバー部材20を電子部品搭載用基板2の裏面側から、また、コア組み合わせ部材5を電子部品搭載用基板2の表面側から取り付けられていてもよい。
【0072】
【発明の効果】
この発明のコイル装置によれば、カバー部材を設け、該カバー部材によって、コア部材と電子部品搭載用基板を非接触な状態にすることができる構成としたので、本発明のコイル装置の製造方法を用いてコイル装置を製造する際に、優れた効果を発揮することができる。
【0073】
つまり、カバー部材によって、コア部材と電子部品搭載用基板を非接触な状態とし、この状態で、対を成すコア部材を相対的に前後方向に摺動移動させて表面側のコア部材と裏面側のコア部材との当接部位を擦り合わせるので、コア部材が電子部品搭載用基板の表面を擦ってしまうのを防止することができる。これにより、コア部材と電子部品搭載用基板の表面との摩擦に起因した電子部品搭載用基板表面の保護用部材の損傷を回避することができて、電子部品搭載用基板に形成されている回路パターン等の破損を防止することができるし、保護用部材損傷に起因した耐圧性能悪化を回避することができ、コイル装置の信頼性を高めることができる。
【0074】
略コ字形状のコア組み合わせ部材の足部は先端側から基端側に向かうに従って外側に向かって傾斜し、カバー部材の足部の内側面にはコア組み合わせ部材の足部の外側傾斜面に当接してコア組み合わせ部材を持ち上げる向きの傾斜を持つ傾斜部が形成されているものにあっては、簡単な構成で、カバー部材によって、コア組み合わせ部材を持ち上げ保持させてコア部材と電子部品搭載用基板を非接触な状態とすることが可能となる。
【0075】
略コ字形状のコア組み合わせ部材は電子部品搭載用基板の表面側と裏面側のうちの一方側から取り付けられ、カバー部材は、電子部品搭載用基板の他方側から取り付けられているものにあっては、コア組み合わせ部材の基面部の上側にカバー部材の基面部を配置する構成のものに比べて、電子部品搭載用基板の表面よりも突出するコイル装置の高さを低く抑えることができる。
【0076】
カバー部材の基面部上面がノズル吸着面と成しているものにあっては、電子部品搭載用基板の表面に、吸着ノズルの吸着専用の空きスペースを形成する必要が無くなって、電子部品搭載用基板の部品の実装密度を高めることができる。また、電子部品搭載用基板の小型化を図ることができる。
【0077】
コア部材は電子部品搭載用基板に接着剤により固定されているものにあっては、コア部材の擦り合わせ工程が終了した後に、コア部材を電子部品搭載用基板に接着固定することによって、例えば、電子部品搭載用基板の搬送の際に、コア部材の位置ずれが生じることを確実に防止することができて、コイル装置のより一層の性能の信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル装置の第1実施形態例を示す説明図である。
【図2】第1実施形態例のコイル装置を構成するコア組み合わせ部材を説明するための図である。
【図3】第1実施形態例のコイル装置を搭載した電子部品搭載用基板を吸着ノズルによって搬送する際の状態を模式的に示したモデル図である。
【図4】第2実施形態例のコイル装置において特有な構成を説明するための図である。
【図5】第3実施形態例のコイル装置において特有な構成を説明するための図である。
【図6】第4実施形態例のコイル装置において特有な構成を説明するための図である。
【図7】コア部材のその他の形態例を示す説明図である。
【図8】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コイル装置
2 電子部品搭載用基板
3 コイルパターン部
4 コア部材
5 コア組み合わせ部材
9 コア足
10 コア足挿通用貫通孔
13 足部
20 カバー部材
26 リブ
27 傾斜部
34 接着剤

Claims (6)

  1. 電子部品搭載用基板に形成されているコイルパターン部と;このコイルパターン部の一部分を電子部品搭載用基板の表裏両側から挟み込む形態でコイルパターン部に装着される一対のコア部材と;コイルパターン部の形成領域に設けられ上記一対のコア部材の少なくとも一方に設けられるコア足を挿通させるためのコア足挿通用貫通孔と;このコア足挿通用貫通孔を利用して電子部品搭載用基板の表面側のコア部材と裏面側のコア部材の左右両側の側部を電子部品搭載用基板の表裏両側から挟持し上記対を成すコア部材を前後方向に相対的に移動可能に組み合わせるコア組み合わせ部材と;を有するコイル装置であって、コア足挿通用貫通孔にはコア組み合わせ部材を外側から保持するカバー部材の足部が挿通され該足部は電子部品搭載用基板に固定されており、上記カバー部材はコア組み合わせ部材を介してコア部材を電子部品搭載用基板と非接触な状態で保持する構成と成していることを特徴としたコイル装置。
  2. コア組み合わせ部材は、基面部と、この基面部の両端に一体的に設けられた足部とを有する略コ字形状に形成されており、前記基面部には、組み合わされた一対のコア部材の一方の天面を押圧する突出部が設けられ、前記足部の先端側には、前記組み合わされた一対のコア部材の他方の天面に係止される爪部が設けられており、前記基面部の突出部と爪部との高さ方向の間隔は、前記組み合わされた一対のコア部材の厚みよりも短く形成され、コア部材の天面に爪部を係止してコア組み合わせ部材を前記組み合わされた一対のコア部材に嵌め合わせた際に、コア組み合わせ部材の基面部の突出部が押し上げられて前記足部の基端側が外側に移動して前記足部が傾斜する構成と成し、カバー部材は、基面部と、この基面部の両端に一体的に設けられた足部とを有する略コ字形状に形成されており、このカバー部材の互いに対向する各足部の内側面にはコア組み合わせ部材の足部の外側傾斜面に当接してコア組み合わせ部材を持ち上げる向きの傾斜を持つ傾斜部が形成されていることを特徴とした請求項1記載のコイル装置。
  3. コア組み合わせ部材は電子部品搭載用基板の表面側と裏面側のうちの一方側から取り付けられ、カバー部材は、電子部品搭載用基板の他方側から取り付けられていることを特徴とした請求項2記載のコイル装置。
  4. カバー部材は略コ字形状と成し、この略コ字形状のカバー部材の基面部上面はコイル装置の最表面と成し、このカバー部材の基面部上面は、部品搬送用の吸着ノズルによって吸着されるノズル吸着面と成していることを特徴とした請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコイル装置。
  5. コア部材は電子部品搭載用基板に接着剤により固定されていることを特徴とした請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のコイル装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のコイル装置の製造方法であって、電子部品搭載用基板の表面側と裏面側のそれぞれに対を成すコア部材を配置し、コア組み合わせ部材によって上記一対のコア部材を組み合わせて該コア部材をコイルパターン部に装着し、その後に、カバー部材によって上記コア組み合わせ部材を持ち上げ保持して上記カバー部材を電子部品搭載用基板に固定し、コア部材を電子部品搭載用基板と非接触な状態とし、然る後に、電子部品搭載用基板の表面側のコア部材と裏面側のコア部材を相対的に摺動移動させて上記表面側のコア部材と裏面側のコア部材との当接部位を擦り合わせ該表面側のコア部材と裏面側のコア部材との当接部位を密着させることを特徴としたコイル装置の製造方法。
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