JP4737455B2 - コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品及びその製造方法に関する。
トランスポンダや、誘導コイル等に用いられるコイル部品として、従来より種々のタイプのものが提案され、実用に供されている。そのうち、トランスポンダの例としては、自動車のドアの遠隔開閉や、車輪、空気圧遠隔発信に用いられるアンテナコイルが知られており、また、誘導コイルの例としては、補聴器の用途が知られている。このような用途では、コイル部品の組み込みに許容されるスペースが狭小であるため、コイル部品としても、当然に小型化が要求される。コイル部品において、その小型化の要求だけを考えるならば、コアやコイルボビン等のコイル支持体を持たないコイルだけの空芯コイル構造にすればよい。
しかし、コイル部品としての機能上、単に小型化すればよいというものではなく、小型化されても、コイル部品としては、充分な磁気特性を発揮できるものではなければならないし、また、小型化されたために信頼性に欠けるようなことがあってはならない。更に、この種のコイル部品は、回路基板上に実装するに当たり、通常、真空吸着して、回路基板上に搬送され実装されるから、真空吸着に対応できる外形構造を持たなければならない。
コアやコイルボビン等のコイル支持体を持たないコイルだけの空芯構造では、コイルに損傷を生じやすいし、充分な磁気特性を確保できない。さらには、真空吸着によって保持することもできない。特許文献1は、コイル巻回部をケース内に収納すると共に、コイル巻回部の2本のリード部を、ケース蓋の切欠部を通してケース外部に引き出した空芯コイルを開示している。この特許文献1に記載された技術によれば、ケース及びケース蓋によって、コイル巻回部の損傷を回避でき、また、真空吸着によって保持することもできる。
しかし、コア等のコイル支持体を持たないコイルだけの空芯構造であるので、電磁気特性の向上に限界がある。
もう一つの重要な問題として、接着剤に起因する問題がある。即ち、ケースを用いる場合は、ケースとコイルとの間に接着剤を供給して両者を固定する必要がある。ところが、巻回されたコイルは、その巻表面が、線径による凹凸や、巻きピッチの乱れなどにより、凹凸表面となり易い。このため、接着剤の内部に気泡が残り、接着剤の乾燥工程や、熱硬化処理などにおいて、気泡が熱膨張を起こし、ケースを変形させるなどの問題を生じるおそれがあった。
実願平3−86976号(実開平5−31210号)
本発明の課題は、コイル損傷を受け難くいコイル部品を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、真空吸着による自動実装の可能なコイル部品を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、ケース変形を生じにくいコイル部品、及び、その製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係るコイル部品は、コイル組立体と、収納ケースとを含む。前記コイル組立体は、コイル支持体と、コイルとを含んでおり、前記コイルは、前記コイル支持体によって支持されている。前記収納ケースは、底部と、前記底部の全周に立つ側壁と、前記底部と対向する開口部とを有し、前記底部及び前記側壁の少なくとも1つとの前記開口部側から前記コイル組立体に被せられ、接着剤により前記コイル組立体に接着されている。
更に、前記収納ケースは、前記底部、及び、前記側壁の少なくとも1つに、前記底部の内面から前記側壁の内面に沿って延びるリブによって囲まれた接着剤流入阻止部が設けられており、前記接着剤流入阻止部は前記側壁の端縁を通して外部に連なる。
上述したように、本発明に係るコイル部品は、コイル組立体と、収納ケースとを含み、収納ケースは、底部と、前記底部の全周に立つ側壁と、前記底部と対向する開口部とを有し、前記開口部側から前記コイル組立体に被せられているから、収納ケースにより、コイル組立体のコイルを、組立時及び実装後の使用状態における損傷から保護することができる。しかも、収納ケースを真空吸着することができるので、回路基板などへの実装に当たり、真空吸着による自動実装の適用が可能になる。
コイル組立体は、コイルを含んでおり、前記コイルは、前記コイル支持体によって支持されているから、コイル支持体を、例えば、フェライトなどでなるコアによって構成することにより、空芯コイルの場合と比較して、磁気特性を向上させることができる。
本発明に係るコイル部品は、特徴的な構成として、前記収納ケースが、前記底部、及び、前記側壁の少なくとも1つに、前記底部の内面から前記側壁の内面に沿って延びるリブによって囲まれた接着剤流入阻止部が設けられており、前記接着剤流入阻止部は前記側壁の端縁を通して外部に連なる。接着剤流入阻止部は、底部の内面から側壁の内面に沿って延びるリブによって囲まれているから、ケースの底部において、接着剤流入阻止部の外側に接着剤を塗布する限り、接着剤は接着剤流入阻止部には流入しない。接着剤流入阻止部は、空間的なスペースとなる。
しかも、接着剤流入阻止部は側壁の端縁を通して外部に連なる。このため、収納ケースをコイル組立体に被せて接着固定する際に、接着剤の押出し等に伴って生じた空気が、リブによって囲まれた接着剤流入阻止部の内部を通って、収納ケースの外部に排気される。従って、接着剤の内部に気泡が滞留することがなくなり、気泡の膨張による収納ケースの変形や、接着力の劣化や特性の変動が抑制される。
以上述べたように、本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(a)コイル損傷を受け難くいコイル部品を提供することができる。
(b)真空吸着による自動実装の可能なコイル部品を提供することができる。
(c)ケース変形を生じにくいコイル部品及びその製造方法を提供することができる。
図1は本発明に係るコイル部品の斜視図、図2は図1に示したコイル部品の部分破断面図、図3は図1に示したコイル部品に用いられているコイル組立体の斜視図、図4は図1、図2に示したコイル部品の拡大正面部分断面図、図5は図4に示したコイル部品の底部図、図6は図5の6−6線に沿った拡大断面図である。これらの図を参照すると、本発明に係るコイル部品は、コイル組立体1と、収納ケース2と、2つの金属端子31、32とを含む。
まず、コイル組立体1について説明する。コイル組立体1は、コイル支持体11と、コイル12とを含む。コイル支持体11は、この実施の形態では、フェライトなどでなるコアであり、長さ方向Xで見た両端につば部111、112を有し、つば部111、112の間に巻線部113が備えられている。つば部111、112のそれぞれは、高さ方向Zで見た一端面が、最も高位置にある第1平坦面13、この第1平坦面13から高さが減少する方向に傾斜する傾斜面14及び傾斜面14に連なる第2平坦面15を有する形状となっている。もっとも、このような面形状に限定される必要はない。また、コイル支持体11は、コアを組み合わせたボビンであってもよいし、特に磁気特性を向上させる必要がなければ、コアを持たないボビンであってもよい。
巻線部113は、つば部111、112よりは断面径が小さくなっている。その断面形状は、円形状、角形状又はそれらの組み合わせなど、任意の形状をとり得る。巻線部113とつば部111、112との間に生じる段差は、巻線部113に巻装されるコイル12の厚さと同じか、又は、若干大きくなるように設定される。
コイル12は、コイル支持体11によって支持されている。具体的には、巻線部113の全長にわたって必要なターン数となるように巻装されている。コイル12の線種、線径などは設計的事項に属する。一般には、Cuを主成分とする心線を絶縁被覆した線材が用いられ、必要なインダクタンスを考慮したターン数で巻装したとき、コイル層厚が巻線部113とつば部111、112との間に生じる段差内に収まるような線径が選択される。
金属端子31、32は、コイル支持体11の長さ方向Xの両端に、例えば接着等の手段によって取り付けられ、コイル12の端末121、122が接続されている。金属端子31、32は、例えばCu等のように、溶融温度が低く、はんだ付性に優れ、しかも電気抵抗の低い金属板材で構成することが好ましい。その表面には、実装時のはんだ付性や、使用時の耐久性を向上させるため、単層又は複層の保護層が設けられていてもよい。
金属端子31、32の詳細は、図4〜図7、特に図7に明示されている。こられの図を参照すると、金属端子31、32は、コイル支持体11を基準にして、その長さ方向Xに延びる第1面33と、この第1面33の一端から高さ方向Zに延びる第2面とを有する。第1面33は、コイル支持体11に備えられたつば部111、112の下面に沿っており、第2面34は、つば部111、112の端面に添接して、高さ方向Zに延びている。第1面33は単純な平坦面となっているが、第2面34はそれよりも若干複雑な平面形状を有する。これは、第1面33は、回路基板の一面上に形成された導体パターン(図示しない)に面接触してはんだ付されることから、平面性が要求されるのに対し、第2面34はコイル12の端末接続や、収納ケース2との位置決め結合に供されるという役割を担っていることに由来する。
第2面34は、隅部にコイル12の端末121、122を接続する接続片35を有する。この接続片35は、第2面34の主要部から斜め方向に舌状に延びており、その先端部に球形状の接続部351を有する突片となっていて、接続部351にコイル12の端末121、122が溶着などの手段によって接続されている。コイル12の端末121、122は、つば部111、112の傾斜面14及び第2面15を通って、接続片35に導かれる。
コイル12の端末121、122の接続に当たっては、図7に図示するように、接続片35に端末121、122を任意回数巻きつけた後、端末121、122の先端を接続部351の一部溶融によって溶着させるなどの手段をとることができる。接続部351の先端は、コイル組立体1の主輪郭からはみだしている。実施例において、コイル組立体1の主輪郭は、その長さと、つば部111、112の幅及び高さによってほぼ定まる
第2面34は、また、少なくとも1つの位置決め片341を有する。この実施の形態では、位置決め片341は、第2面34の幅方向Yの両辺に合計2つ設けられている。2つの位置決め片341、341のそれぞれは、第2面34の高さ方向Zの中間部において、幅方向Yの両辺から突出している。位置決め片341は、収納ケース2との間で位置決め機構を構成する。
2つの位置決め突片341は、同一形態であってもよいし、異なる形態であってもよい。異なる形態の一例としては、2つの位置決め突片341の一方は、コイル支持体11の長さ方向Xに沿うように折り曲げ、他方は折り曲げずに、幅方向Yに単に突出させる構造などが考えられる。図示実施例は、後者の異なる形態の一例を示している。即ち、図6において、左側の位置決め突片341は、幅方向Yの両辺から突出し、コイル支持体11の長さ方向Xに沿うように、折り曲げて形成されているのに対し、右側の位置決め突片341は、幅方向Yの両辺から突出しているに留まる。
2つの位置決め突片341を、互いに異なる形態にすることの利点は、2つ位置決め突片341の位置を、コイル12の巻き始め及び巻き終わりに対応させ、コイル極性の判定に用いることができる点にある。
第2面34は、更に、幅方向Yの少なくとも一辺に、抜け防止用突片342を有する。抜け防止用突片342は、位置決め片341から、高さ方向Zに若干の距離をおいて配置されている。抜け防止用突片342は、収納ケース2の占有領域内に設けられる。その先端は弧状であることが好ましい。
上述した金属端子31、32は、位置決め片341、341によって、コイル支持体11のつば部111、112を、幅方向Yの両側から挟みこむようにして、つば部111、112に添設されている。
収納ケース2は、底部21(または天面)と、底部21の全周に立つ側壁22〜25と、底部21と対向する開口部26とを有する、5面閉塞のいわゆる有底箱型であって、開口部26の側からコイル組立体1に被せられている。収納ケース2は、合成樹脂などの電気絶縁材料からなる。収納ケース2の形状及び構造は、図1、図2、図4〜図6に図示されているほか、図8に更に明確に示されている。図8は、コイル組立体1と収納ケース2との関係を分解して示す正面部分断面図である。図8を参照すると、収納ケース2の底部21の内面には、金属端子31、32の接続片35及び接続部351と対応する隅部に、第1凹部211が設けられている。第1凹部211は、コイル支持体11の長さ方向Xの両端に取り付けられた金属端子31、32の接続部351に対する「逃げ」のための空間を構成する。
収納ケース2の底部21の内面、及び、側壁25の内面には、底部21の内面から側壁25の内面に沿って延びる接着剤流入阻止部27が設けられている。接着剤流入阻止部27は、底部21の内面の幅方向Yの中間部で、長さ方向Xに延びる第1リブ271と、この第1リブ271の長さ方向Xの両端から、幅方向Yにある側壁25に向かって間隔をおいて延び、更に、連続して側壁25に沿って立ち上がり、開口端縁261まで達する第2リブ272及び第3リブ273とを含む。従って、収納ケース2の底部21の内面及び側壁25の内面には、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270が生じる。第2リブ272及び第3リブ273は、側壁25だけでなく、側壁22に設けることも可能である。
また、収納ケース2の側壁22、25の内面には、金属端子31、32の抜け防止用突片342と対応する位置に、第2凹部212が設けられている。更に、長さ方向Xの両端に位置する2つの側壁23、24の内面には、開口端縁261から底部21の内面に沿って、条状に延びる第4リブ274が突設されている。
収納ケース2を、その開口部26の側からコイル組立体1に被せると、収納ケース2の開口端縁261が、金属端子31、32に備えられた位置決め片341の上辺に突き当たり、コイル組立体1に対し、収納ケース2が位置決めされる。この状態では、収納ケース2の底部21の内面が、コイル組立体1の巻線部113に巻かれたコイル12から間隔を隔てる。また、金属端子31、32の接続片35の最先端にある接続部351は、第1凹部211によって形成される「逃げ」のための空間に位置し、収納ケース2に対して接触しない。
上述したように、図示のコイル部品は、コイル組立体1と、収納ケース2とを含み、収納ケース2は、底部21と、底部21の全周に立つ側壁22〜25と、底部21と対向する開口部26とを有し、開口部26の側からコイル組立体1に被せられているから、収納ケース2により、コイル組立体1のコイル12を、組立時及び実装後の使用状態における損傷から保護することができる。しかも、収納ケース2を真空吸着することができるので、回路基板などへの実装に当たり、真空吸着による自動実装の適用が可能になる。
コイル組立体1は、コイル12を含んでおり、コイル12は、コイル支持体11によって支持されているから、コイル支持体11を、例えば、フェライトなどの磁性体によって構成することにより、空芯コイルの場合と比較して、磁気特性を向上させることができる。
実施例において、コイル組立体1は金属端子31、32を含んでおり、金属端子31、32は、コイル支持体11の長さ方向Xの両端に取り付けられ、コイル12の端末121、122が接続されているから、回路基板への実装に当たり、金属端子31、32を回路基板上の導体にはんだ付などすることにより、当該コイル部品を、回路基板上に安定に実装することができる。
収納ケース2とコイル組立体1は、両者間に存在する接着剤41によって固定される。接着剤41は、領域270を除き、収納ケース2の内面の全領域に存在していてもよい。この接着構造は、本発明の特徴部分である。次に、この点について、詳細に説明する。
収納ケース2とコイル組立体1を、両者間に存在する接着剤41によって固定する接着構造をとる場合において、収納ケース2の内面と、コイル組立体1との間に生じる隙間を小さくして小型化を図ろうとすると、接着剤41の押出しに伴って排出されるべき空気が外部に排気できにくくなり、空気が接着剤41の内部に気泡として滞り、接着剤の乾燥工程や、熱硬化処理などにおいて、気泡が熱膨張を起こし、ケースを変形させるなどの問題を生じるおそれがある。
その対策として、本発明では、収納ケース2における底部21の内面及び側壁25に、底部21の内面から側壁25の内面に沿って延びる接着剤流入阻止部27を設ける。この接着剤流入阻止部27は、具体的には、底部21の内面の幅方向Yの中間部で、長さ方向Xに延びる第1リブ271と、この第1リブ271の長さ方向Xの両端から、幅方向Yにある側壁25に向かって間隔をおいて延び、その間隔を保ったままで、側壁25に沿って立ち上がり、開口端縁261まで達する第2リブ272及び第3リブ273とを含む。
従って、収納ケース2の底部21の内面及び側壁25の内面には、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270が生じる。接着剤41は、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270の外部に供給され、領域270の内部は、空間として維持されている。このため、収納ケース2をコイル組立体1に被せて接着固定する際に、接着剤41の押出しに伴って生じた空気が、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270の内部を通って、収納ケース2の外部に排気される。従って、接着剤41の内部に気泡が滞留することがなくなり、接着剤の乾燥工程や、熱硬化処理などにおいて、気泡が熱膨張を起こし、ケースを変形させるなどの問題を回避することができる。
この点について、図9〜図12に図示した組み立て製造工程図を参照し、更に詳しく説明する。図9は、収納ケース2の底部21の内面に接着剤41を供給した後、コイル組立体を組み合わせる工程を示す正面部分断面図、図10は図9の工程を平面視した図、図11は図9及び図10に示した工程の後の工程を示す図、図12は、図11の工程を平面視した図である。
図9及び図10に図示するように、収納ケース2とコイル組立体1との接着にあたっては、収納ケース2の接着剤流入阻止部70の外部に位置する底部内面に接着剤41を供給する。接着剤41は、全体として連続するように供給してもよいし、第2リブ272の側と、第3リブ273の側とで、互いに独立するように供給してもよい。接着剤41は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
次に、図11及び図12に図示するように、開口部26を通して、収納ケース2の内部にコイル組立体1を挿入し押し付ける。接着剤41は、自己の流動性と、押し付けによる強制力により、底部21の内面上で流動拡散する。
このとき、接着剤41は、第1リブ271〜第3リブ273による流動障害を受けるから、接着剤41は、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270の内部には入りえず、領域270の外部でのみ流動拡散し、領域270の内部は、空間として維持されている。このため、収納ケース2をコイル組立体1に被せて接着固定する際に、接着剤41の押出しに伴って生じた空気が、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270の内部を通って、矢印F1で示すように、収納ケース2の外部に排気される。
この後、収納ケース2及びコイル組立体1を接着したコイル部品は、接着剤の乾燥工程や、熱硬化処理工程に付される。上述したように、接着剤41は、第1リブ271〜第3リブ273によって囲まれた領域270の内部には入りえず、領域270の外部でのみ流動拡散し、領域270の内部は空間として維持されており、接着剤41の内部に気泡が滞留することがないから、接着剤41の乾燥工程や、熱硬化処理などにおいて、気泡が熱膨張を起こし、収納ケース2を変形させるなどの問題を回避することができる。
次に、図1〜8に図示されたコイル部品の有する作用効果について、更に詳しく説明する。まず、金属端子31、32と、収納ケース2との間に、少なくともコイル12が収納ケース2に接触するのを阻止する位置決め機構が形成される。これにより、収納ケース2がコイル12に接触することによる磁気特性の変動、断線等を回避することができる。
位置決め機構の具体的な形態として、金属端子31、32のそれぞれは、少なくとも1つの位置決め片341(実施例では2つ)を有しており、位置決め片341は、コイル支持体11の幅方向Yの側壁22、25に沿い高さ方向Zの中間部に位置させてある。収納ケース2をコイル組立体1に被せたとき、開口部26を取り囲む開口端縁261が、位置決め片341に突き当たり位置決めされる。この構造によれば、収納ケース2の開口端縁261を、コイル支持体11の長さ方向Xの両端において、コイル支持体11の高さ方向Zの中間位置で、安定的に位置決めすることができる。
金属端子31、32を、位置決め機構の構成に供する実施例では、金属端子31、32とは別の位置決め部材が不要となるので、部品点数の削減、及び、それによる小型化、低コスト化が可能にある。もっとも、位置決め部材は、金属端子31、32から独立した部材であっても、一向に差支えがない。
図示実施例では、金属端子31、32は、端末121、122を接続する接続片35及びその先の接続部351が、コイル組立体1の主輪郭からはみだしている。この場合は、金属端子31、32は、コイル12のみならず、接続部351についても、収納ケース2に接触するのを阻止することになる。図示実施例の場合、収納ケース2は、接続部351と対応する位置に、第1凹部211を有しているので、第1凹部211が接続部351の逃げ部となる。このため、収納ケース2の厚み増大を招くことなく、接続部351が収納ケース2に接触するのを阻止することができる。
また、図示実施例では、収納ケース2の側壁22、25の内面に、金属端子31、32の抜け防止用突片342と対応する位置に、第2凹部212が設けられているから、図11、図12に図示するように、コイル組立体1に収納ケース2を被せた場合、位置決め片341と開口端縁261との間に位置決め機構が構成されるのと同時に、抜け防止用突片342が、収納ケース2の有する材料的弾力性を受けながら、第2凹部212内に滑り込む。このため、コイル組立体1と収納ケース2との間の組立工程を、簡単、かつ、確実に行なうことができると共に、組立後に収納ケース2がコイル組立体1から脱落するなどの不具合を回避することができる。
しかも、位置決め片341と開口端縁261との間に位置決め機構が構成されるのと同時に、抜け防止用突片342が、収納ケース2の有する材料的弾力性を受けながら、第2凹部212内に滑り込むので、いわゆる「パッチン」と、はめ込まれるような装着感が生まれ、収納ケース2とコイル組立体1とが正しく結合したことを、感覚的に知ることができる。
更に、長さ方向Xの両端に位置する2つの側壁23、24の内面には、開口端縁261から底部21の内面に沿って、条状に延びる第4リブ274が突設されているから、第4リブ274を利用して、収納ケース2の内部におけるコイル組立体1の長さ方向への位置ズレを規制することができる。
また、接着剤41が第4リブ274のある位置まで充填された場合は、第4リブ274によるアンカー効果が生まれるので、収納ケース2の内部におけるコイル組立体1の位置ズレが更におきにくくなる。この種のコイル部品が、振動や衝撃を受けやすい自動車のドアの遠隔開閉や、車輪、空気圧遠隔発信のアンテナコイルに用いられる場合があることを思い返す(背景技術の欄参照)と、コイル組立体1に対する収納ケース2の位置ズレ防止機能が重要なファクタとなることは明らかである。
コイル12の端末121、122は、つば部111、112の傾斜面14及び第2面15を通って、接続片35に導かれる。収納ケース2の底部21の内面は、もっとも高い位置にある第1平坦面13によって位置規制を受けるから、収納ケース2の底部21の内面が、傾斜面14及び第2平坦面15を通るコイル12の端末121、122を押し付けることがない。このため、収納ケース2の組込み作業、及び、その後の組立構造において、コイル12の端末121、122がダメージを受けるのを回避することができる。
位置決め機構は、コイル組立体1と収納ケース2との間に構成されればよい。その具体的構成として、上記実施例では、コイル組立体1の一部である金属端子31、32を利用する構成を示した。そのほか、金属端子31、32とは別の位置決め部材を設ける構成、及び、収納ケース2の一部を利用する構成などが考えられる。
金属端子31、32とは別の位置決め部材を用いる場合の具体的な形態としては、2つの位置決め部材を用意し、それぞれをコイル支持体11の長さ方向Xの両端に取り付ける。この位置決め部材は、端末121、122を接続する接続片35及び接続部351を持たないという限りにおいて、上述した金属端子31、32と同様の構造をとることができる。即ち、位置決め部材のそれぞれは、少なくとも1つの位置決め片を有し、位置決め片は、コイル支持体の幅方向Yの側壁に沿い高さ方向Zの中間部に位置させる。そして、収納ケース2の開口部26を取り囲む開口端縁261を、位置決め片に突き当て、位置決めする構造とする。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係るコイル部品の斜視図である。 図1に示したコイル部品の部分破断面図である。 図1に示したコイル部品に用いられているコイル組立体の斜視図である。 図1、図2に示したコイル部品の拡大正面部分断面図である。 図4に示したコイル部品の底部図である。 図5の6−6線に沿った拡大断面図である。 金属端子に対する端末の接続状態を示す図である。 本発明に係るコイル部品について、コイル組立体と収納ケースとの関係を分解して示す正面部分断面図である。 収納ケースの底部の内面に接着剤を供給した後、コイル組立体を組み合わせる工程を示す正面部分断面図である。 図9の工程を平面視した図である。 図9及び図10に示した工程の後の工程を示す図である。 図11の工程を平面視した図である。
符号の説明
1 コイル組立体
11 コイル支持体
111、112 つば部
113 巻線部
12 コイル
121、122 端末
2 収納ケース
21 底部
22〜25 側壁
26 開口部
261 開口端縁
31、32 金属端子
341 位置決め片
41 接着剤

Claims (4)

  1. コイル組立体と、収納ケースとを含むコイル部品であって、
    前記コイル組立体は、コイル支持体と、コイルとを含んでおり、
    前記コイルは、前記コイル支持体によって支持されており、
    前記コイル支持体は、前記コイルを外部の回路基板に電気的に接続するための金属端子が下面に設けられており、
    前記収納ケースは、底部と、前記底部の全周に立つ側壁と、前記底部と対向する開口部とを有し、前記開口部が前記コイル支持体の高さ方向の中間部に位置するように、上方から前記コイル組立体に被せられ、前記底部に供給された接着剤により前記コイル組立体の上部に接着されており、
    更に、前記収納ケースは、前記底部、及び、前記側壁の少なくとも1つに、前記底部の内面から前記側壁の内面に沿って延びるリブによって囲まれた接着剤流入阻止部が設けられており、前記接着剤流入阻止部は前記側壁の端縁を通して外部に連なる、
    コイル部品。
  2. 請求項1に記載されたコイル部品であって、前記接着剤流入阻止部は、前記底部の内面の幅方向Yの中間部で、長さ方向Xに延びる第1リブと、前記第1リブの長さ方向Xの両端から、幅方向Yの一端側にある前記側壁に向かって間隔をおいて延び、更に、連続して前記側壁に沿って立ち上がり、前記側壁の開口端縁まで達する第2リブ及び第3リブを含む、
    コイル部品。
  3. 請求項2に記載されたコイル部品であって、前記第1リブ〜第3リブは、U状配置である、コイル部品。
  4. コイル組立体と、収納ケースとを含むコイル部品の製造方法であって、
    前記コイル組立体は、コイル支持体と、コイルとを含んでおり、
    前記コイルは、前記コイル支持体によって支持されており、
    前記コイル支持体は、前記コイルを外部の回路基板に電気的に接続するための金属端子が下面に設けられており、
    前記収納ケースは、底部と、前記底部の全周に立つ側壁と、前記底部と対向する開口部とを有し、前記開口部が前記コイル支持体の高さ方向の中間部に位置するように、上方から前記コイル組立体に被せられ、前記底部に供給された接着剤により前記コイル組立体の上部に接着されており、
    更に、前記収納ケースは、前記底部、及び、前記側壁の少なくとも1つに、前記底部の内面から前記側壁の内面に沿って延びるリブによって囲まれた接着剤流入阻止部が設けられており、前記接着剤流入阻止部は前記側壁の端縁を通して外部に連なっており、
    前記コイル部品の製造に当たり、前記底部において前記収納ケースの前記接着剤流入阻止部の外部に接着剤を供給し、
    次に、前記収納ケースと前記コイル組立体とを組み合わせる、
    工程を含む製造方法。
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