JP2003068327A - 燃料電池用膜 - Google Patents

燃料電池用膜

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JP2003068327A
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film
cell membrane
radiation
sulfonic acid
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Hidetoshi Kuromatsu
秀寿 黒松
Kiyoyuki Minamimura
清之 南村
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型軽量化の要求が強い民生用携帯機器用途に
おける、固体高分子形燃料電池用膜として、プロトン伝
導度等に代表される特性を向上させた有用な燃料電池用
膜を提供する。 【解決手段】スルホン酸基を含有する高分子化合物から
なるフィルムに、放射線を照射することにより得られる
燃料電池用膜であり、前記高分子化合物として好ましく
は、パーフルオロカーボン、ポリイミド、ポリエーテル
スルホンから選択される少なくとも1種が用いられ、放
射線が電子線であり、前記放射線の加速電圧が、0.0
1〜5.0MeVの範囲で、さらに放射線の照射線量が
10〜1000kGyで処理された燃料電池用膜により
達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子形燃料
電池用膜に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池用膜は、固体高分子形燃料電池
の主要な構成材料である。現在、固体高分子形燃料電池
は、将来の新エネルギー技術の柱の一つとして期待され
ている。高分子化合物からなるプロトン伝導性膜を用い
た固体高分子形燃料電池(PEFCまたはPEMFC)
は、低温作動、小型軽量等、他の燃料電池(リン酸形、
固体酸化物形、溶融炭酸塩形)にない特徴を有すること
から、自動車などの移動体、民生用エレクトロニクス機
器、家庭用電源への適用が検討されている。特に、固体
高分子形燃料電池を搭載した燃料電池自動車は究極のエ
コロジーカーとして社会的な関心が高まっている。
【0003】高分子化合物からなる燃料電池用膜として
は、1950年代に開発された、スチレン系の陽イオン
交換膜があるが、燃料電池動作環境下における安定性に
乏しく、本膜を用いての実用上、充分な寿命を有する燃
料電池を製造するには至っていない。実用的安定性を有
する燃料電池用膜としては、ナフィオン(Nafio
n,デュポン社の登録商標。以下同様)に代表されるパ
ーフルオロカーボンスルホン酸膜が開発され、固体高分
子形燃料電池を始めとし、他の電気化学素子への応用が
提案されている。
【0004】現在、パーフルオロカーボンスルホン酸膜
は非常に高価なため、固体高分子形燃料電池が広く普及
する上での障害となっている。従って、この主要部材で
ある膜コストをできる限り下げることは、固体高分子形
燃料電池の普及にとって非常に重要である。また、高出
力が要求される自動車用途や、小型軽量化の要求が強い
民生用携帯機器用途では、高出力や膜使用量を低減する
ために、プロトン伝導度等に代表される特性の更なる向
上が求められている。
【0005】より安価な燃料電池用膜を得るために、従
来のパーフルオロカーボンスルホン酸膜に代わり炭化水
素系高分子化合物の燃料電池用膜も種々検討・提案され
いる。その代表的なものとしては、スルホン化ポリエー
テルエーテルケトン(特開平6−93114号公報な
ど)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10―
45913号公報など)、スルホン化ポリスルホン(特
開平9−245818号公報など)やスルホン化ポリイ
ミド(特表2000−510511など)などの耐熱芳
香族系高分子化合物のスルホン化物、また、特表平10
−503788号公報などには、安価で、機械的、化学
的に安定とされるSEBS(スチレン−(エチレン−ブ
チレン)−スチレンの略)のスルホン化体からなるもの
などが挙げられる。これらの炭化水素系高分子化合物か
らなる燃料電池用膜は、使用原料が安価で製造が容易な
ため、低コスト化が可能とされている。しかしながら、
高いプロトン伝導度と高耐久性が要求される燃料電池用
膜としては、プロトン伝導度が不充分なことが指摘され
ている。また、それを改善するために、スルホン酸基な
どのプロトン伝導性置換基の導入量を増やすと、水溶性
になったり、膜の吸水率が上昇して、著しく膨潤し、機
械的強度が低下するなどハンドリング性が著しく損なわ
れる点も指摘されている。また、燃料電池用膜として、
使用可能な化学的・熱的安定性も不充分な場合が多く、
実用化には至っていない。
【0006】これらの炭化水素系膜についても、先にパ
ーフルオロカーボンスルホン酸膜について示したのと同
様の理由から、プロトン伝導度等に代表される特性の更
なる向上が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題を解決し、固体高分子形燃料電池用膜として有用な
高いプロトン伝導度を発現しうる燃料電池用膜を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ス
ルホン酸基を含有する高分子化合物からなるフィルム
に、放射線を照射することにより得られる燃料電池用膜
であり、前記放射線が、電子線であるのが好ましい。
【0009】前記放射線の加速電圧は、0.01〜5.
0MeVであるのが好ましく放射線の照射線量は、10
〜1000kGyであるのが好ましい。
【0010】前記高分子化合物は、パーフルオロカーボ
ンであることができ、前記高分子化合物は、ポリイミ
ド、ポリエーテルスルホンから選択される少なくとも1
種であることもできる。
【0011】前記フィルムの膜厚は、5〜200μmで
あるのが好ましく、燃料電池用膜のイオン交換容量は、
0.5〜2.5ミリ当量/gであるのが好ましい。さら
に前記燃料電池用膜の室温におけるプロトン伝導度は、
1.0×10-2S/cm以上であるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用膜の製造方法
は、スルホン酸基を含有する高分子化合物からなるフィ
ルムに、放射線を照射するが好ましい。本発明に従っ
て、スルホン酸基を含有する高分子化合物からなるフィ
ルムに、放射線を照射することによって、スルホン酸基
を介した構造的変化が生じ、優れたプロトン伝導度を発
現しうる燃料電池用膜が得られる。また、使用する高分
子化合物によっては、主鎖骨格の架橋、分岐等が生じ、
機械的強度や化学的安定性の向上し、好ましい。使用可
能な放射線としては、γ線、電子線、イオンビーム等が
例示できる。特に、本発明においては、放射線量、材料
への透過性、照射時間(工業的な連続照射)、等の点か
ら、電子線であることが好ましい。
【0013】放射線の照射雰囲気は、空気中、無酸素雰
囲気、真空雰囲気のいずれの場合も選択可能である。放
射線照射によりフィルムの劣化が生じない雰囲気を適宜
選択すればよい。また、放射線照射によるフィルムの改
質を効率的に実施するため、照射雰囲気やフィルムを加
熱してもよい。この際も、フィルム材料の劣化が生じな
い条件を適宜設定すればよい。
【0014】放射線の加速電圧は、0.01〜5.0M
eVであることが好ましい。加速電圧が低いと、材料へ
の放射線の透過度が低くなり、材料内部まで均質な膜を
得るのが困難になる。また、必要な照射線量を確保する
のに長時間の照射が必要となり、生産性が低下する恐れ
がある。この範囲よりも大きい場合は、装置が必要以上
に大がかりになったり、材料劣化を促進する恐れがあ
る。
【0015】放射線の照射線量は、10〜1000kG
yであることが好ましい。この範囲よりも照射線量が少
ない場合は、充分な照射効果が発現しない恐れがある。
また、この範囲よりも照射線量が多い場合は、照射効果
が飽和したり、照射時間が長くなったり、材料劣化や特
性低下を導く恐れがある。
【0016】スルホン酸基を含有する高分子化合物とし
ては、公知のものが使用可能である。具体的には、デュ
ポン社製のナフィオン、旭化成製のアシプレックス、旭
硝子製のフレミオン、ゴアテックス社製のゴアセレクト
等に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸、ダイ
ス社製のスルホン化SEBS(スチレン−(エチレン−
ブチレン)−スチレンの略)等が例示できる。また、高
分子化合物として、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルスルホン、ポリサルホン、ポリイミド、ポリフ
ェニレンスルフィドスルホン、ポリベンズイミダゾー
ル、ポリベンズオキサゾール、ポリカーボネート、ポリ
アリレート等を使用して、公知の芳香族高分子化合物の
スルホン化方法によってスルホン酸基を含有させたもの
が例示できる。スルホン酸基を含有する高分子化合物か
らなるフィルムの製造方法としては、(1)スルホン酸
基を含有するモノマー成分を使用して、スルホン酸基含
有高分子化合物を重合し、フィルムに加工する方法、
(2)所定の高分子化合物をスルホン化処理して、スル
ホン酸基含有高分子化合物を調製し、フィルムに加工す
る方法、(3)所定の高分子化合物からなるフィルムを
スルホン化処理する方法、等が例示できる。
【0017】本発明においては、プロトン伝導度や化学
的安定性、工業的入手の容易さ等の点から、高分子化合
物として、パーフルオロカーボン、ポリイミド及びポリ
エーテルスルホンから選択される少なくとも1種である
ことが好ましい。これらの高分子化合物を使用する場合
の一例を下記に例示する。
【0018】例えば、パーフルオロカーボンであれば、
スルホン化されたフィルム(パーフルオロカーボンスル
ホン酸)が一般的に入手可能である。また、ポリイミド
を使用する場合には、上記(1)に記載した方法で、ス
ルホン酸基含有ポリイミドフィルムを調製することがで
きる。具体的には、非プロトン性極性溶媒中で、スルホ
ン酸基含有ジアミンと酸二無水物を共重合させて、スル
ホン酸基含有ポリイミドやポリイミド前駆体であるポリ
アミド酸を重合し、その溶液をガラス等の支持体上に流
延塗布し、溶媒を除去する方法で、スルホン酸基含有ポ
リイミドフィルムを調製することができる。また、上記
(3)に記載した方法でも、スルホン酸基含有ポリイミ
ドフィルムを調製することができる。具体的には、芳香
族単位を有するモノマー成分より製造された芳香族系ポ
リイミドフィルムを、所定濃度のスルホン化剤(クロロ
スルホン酸、発煙硫酸等)の有機溶媒(塩化メチレン、
n−ヘキサン等)溶液に浸漬させる方法でも、スルホン
酸基含有ポリイミドフィルムを調製することができる。
【0019】また、例えばポリエーテルスルホンを使用
する場合には、上記(2)に記載した方法で、スルホン
酸基含有ポリエーテルスルホンを調製することができ
る。具体的には、所定溶媒中でスルホン化剤(クロロス
ルホン酸、濃硫酸等)と反応させてスルホン酸基含有ポ
リエーテルスルホンを調製した後、この高分子の有機溶
媒溶液を調製して、ガラス等の支持体上に流延塗布し、
溶媒を除去する方法で、スルホン酸基含有ポリエーテル
スルホンを調製することができる。
【0020】本発明において、スルホン酸基を含有する
高分子化合物から成るフィルムの膜厚は、5〜200μ
mであることが好ましく、更には20〜150μmであ
ることがより好ましい。フィルムの膜厚としては、燃料
電池用膜とした場合の、機械的強度や水素、メタノール
等の燃料、空気、酸素等の酸化剤の遮断性を有する範囲
で、薄いほど好ましい。前記範囲よりも薄い場合には、
機械的強度が低くなり、膜が破断しやすくなったり、燃
料や酸化剤が透過して、燃料電池の性能が低下する恐れ
がある。また、前記範囲よりも厚い場合には、膜抵抗が
増大したり、燃料電池作動時の膜中の水分濃度が不均一
になり易くなる恐れがある。但し、これらのスルホン酸
基含有高分子化合物からなるフィルムは、親水性のスル
ホン酸基を有するため、保管状態によっては大気中の水
分を吸収して、膜の膨潤などが生じて、経時的に厚み変
化が生じる恐れがあることを付記しておく。
【0021】本発明の燃料電池用膜は、イオン交換容量
が0.5〜2.5ミリ当量/gであることが好ましい。
この範囲よりも小さい場合は、スルホン酸基の導入量が
少なくなり、充分なプロトン伝導性が発現しない恐れが
ある。一方、前記範囲よりも大きい場合には、膜の機械
的強度が低下したり、溶媒溶解性があがったりして膜と
して使用するのが困難になる恐れがある。
【0022】本発明の燃料電池用膜は、室温におけるプ
ロトン伝導度が、1.0×10-2S/cm以上であるこ
とが好ましい。この範囲よりも小さい場合には、燃料電
池用膜として使用した場合、充分な発電特性を発現しに
くくなる恐れがある。
【0023】本発明の燃料電池用膜は、プロトン伝導
性、化学的・熱的安定性を備えており、固体高分子形燃
料電池用膜として好適に使用される。実際に、固体高分
子形燃料電池に使用する場合、従来のナフィオンに代表
されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜で適用されて
いる公知の方法で、本発明の燃料電池用膜と触媒担持ガ
ス拡散電極を接合した膜−電極接合体を製造し、燃料お
よび酸化剤の供給路を備えた1対のセパレータ間に狭持
して、固体高分子形燃料電池セルを構成する。これに、
燃料および酸化剤を供給することによって、固体高分子
形燃料電池を作動させることができる。燃料としては、
純水素、メタノール・天然ガス・ガソリンなどの改質ガ
ス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の有
機液体燃料等が使用可能である。また、必要な出力を得
るため、セルを複数枚積層して、スタックを構成し、使
用することもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではなく、その要旨を変更しない範囲において
適宜変更実施可能である。
【0025】(イオン交換容量の測定方法)試験体を塩
化ナトリウム飽和水溶液に浸漬し、ウォーターバス中で
60℃、3時間反応させる。室温まで冷却した後、サン
プルをイオン交換水で充分に洗浄し、フェノールフタレ
イン溶液を指示薬として、0.01Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液で滴定し、イオン交換容量を算出する。
【0026】(プロトン伝導度)イオン交換水中に保管
した試験体(10mm×40mm)を取り出し、試験体
表面の水をろ紙で拭き取る。電極間距離30mmで白金
電極間に試験体を装着し、2極非密閉系のテフロン(登
録商標)製のセルに設置した後、室温下で電圧0.2V
の条件で、交流インピーダンス法(周波数:42Hz〜
5MHz)により、試験体の膜抵抗を測定し、プロトン
伝導度を算出する。
【0027】(比較例1)燃料電池用膜として、パーフ
ルオロカーボンスルホン酸膜(デュポン社製ナフィオン
115)を使用した。この膜の評価結果(イオン交換容
量、プロトン伝導度)を表1に示した。
【0028】(実施例1)ナフィオン115に、加速電
圧4.6MeV、照射線量500kGyの電子線を照射
し、パーフルオロカーボンスルホン酸膜からなる本発明
の燃料電池用膜を調製した。この燃料電池用膜の評価結
果を表1に示した。
【0029】(比較例2)以下の方法に従って、スルホ
ン化ポリイミドフィルムを調製した。0.5Lのセパラ
ブルフラスコに2,2’−ベンジジンスルホン酸を4.
30g(0.0125mol)、フェノールを105
g、p−クロロフェノールを70g、トリエチルアミン
を15.18g(0.15mol)とり、窒素気流下で
室温で0.5時間攪拌した。次に、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物を6.70g(0.
025mol)、9,9−ビス(4−アミノフルオレ
ン)を4.36g(0.0125mol)一気に加え、
トルエンを50g加えた。窒素気流下で150℃で5時
間攪拌した。このとき、生成する水はトルエンで共沸さ
せながら除去した。このとき、生成水を0.9mL回
収、除去した。次いでトルエンを環流除去し、セパラブ
ルフラスコを氷冷し、反応液を室温まで冷却した。塩酸
を26.1gとメタノールを1Lの混合溶液を激しく攪
拌しながら、上記反応液を徐々に滴下した。このとき、
線状の茶色沈殿物が生成した。得られた沈殿物をメタノ
ール0.5Lで2回洗浄したのち、減圧下で120℃、
3時間乾燥し、スルホン酸基含有ポリイミドを得た。
【0030】得られたポリイミドの20wt%N−メチ
ル−2−ピロリドン溶液を調製し、フロートガラス上に
300μmの厚みで塗布し、減圧下で、50℃、100
℃、150℃、200℃の温度でそれぞれ0.5時間溶
媒を除去し、約40μmのスルホン化ポリイミドフィル
ムを得た。このスルホン化ポリイミドフィルムの評価結
果を表1に示した。
【0031】(実施例2)比較例2で得られたスルホン
化ポリイミドフィルムに、加速電圧4.6MeV、照射
線量500kGyの電子線を照射し、スルホン化ポリイ
ミドフィルムからなる本発明の燃料電池用膜を調製し
た。この燃料電池用膜の評価結果を表1に示した。
【0032】(比較例3)以下の方法に従って、スルホ
ン化ポリエーテルスルホンを調製した。住友化学製ポリ
エーテルスルホン(PES5200P)を、減圧下、1
00℃で12時間乾燥する。2Lのセパラブルフラスコ
に、この乾燥したポリエーテルスルホン100gを秤量
する。濃硫酸を500mL滴下し、48時間室温で放置
し、均一に溶解させる。窒素気流下で攪拌しながら、ク
ロロスルホン酸192mLを滴下漏斗を使用して徐々に
滴下する。滴下完了後、室温で6時間攪拌する。ビーカ
ーにイオン交換水を3L入れて氷冷し、反応液を約1/
4程度徐々に滴下する。これを4回繰り替えし、反応液
の全量を滴下したら、沈殿物をろ過して回収する。回収
した沈殿物をろ液が中性になるまで、イオン交換水で洗
浄し、得られた固化物を減圧下、80℃で12時間乾燥
し、スルホン化ポリエーテルスルホンを得る。このスル
ホン化ポリエーテルスルホンの20重量%N−メチル−
2−ピロリドン溶液を調製し、フロートガラス上に30
0μmの厚みで塗布し、減圧下、80℃で12時間乾燥
し、約40μmのスルホン化ポリエーテルスルホンフィ
ルムを得た。このスルホン化ポリエーテルスルホンフィ
ルムの評価結果を表1に示した。
【0033】(実施例3)比較例3で得られたスルホン
化ポリエーテルスルホンフィルムに、加速電圧4.6M
eV、照射線量500kGyの電子線を照射し、スルホ
ン化ポリエーテルスルホンフィルムからなる本発明の燃
料電池用膜を調製した。この燃料電池用膜の評価結果を
表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1と比較例1、実施例2と比較例
2、実施例3と比較例3のそれぞれの比較より、スルホ
ン酸基を含有する高分子化合物からなるフィルムに、電
子線を照射した本発明の燃料電池用膜は、電子未照射の
ものと比較して、プロトン伝導度が向上し、本発明の有
効性が示された。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、スルホン酸基を含有す
る高分子化合物からなるフィルムに、電子線に代表され
る放射線を照射した燃料電池用膜は、固体高分子形燃料
電池用膜として有用な高いプロトン伝導度を発現する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸基を含有する高分子化合物から
    なるフィルムに、放射線を照射することにより得られる
    燃料電池用膜。
  2. 【請求項2】前記放射線が、電子線である請求項1記載
    の燃料電池用膜。
  3. 【請求項3】前記放射線の加速電圧が、0.01〜5.
    0MeVである請求項1または2記載の燃料電池用膜。
  4. 【請求項4】前記放射線の照射線量が、10〜1000
    kGyである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池
    用膜。
  5. 【請求項5】前記高分子化合物が、パーフルオロカーボ
    ンである請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用
    膜。
  6. 【請求項6】前記高分子化合物が、ポリイミド、ポリエ
    ーテルスルホンから選択される少なくとも1種である請
    求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用膜。
  7. 【請求項7】前記フィルムの膜厚は、5〜200μmで
    ある請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用膜。
  8. 【請求項8】前記燃料電池用膜のイオン交換容量が、
    0.5〜2.5ミリ当量/gである請求項1〜7のいず
    れかに記載の燃料電池用膜。
  9. 【請求項9】前記燃料電池用膜の室温におけるプロトン
    伝導度が、1.0×10-2S/cm以上である請求項1
    〜8のいずれかに記載の燃料電池用膜。
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