JP2003229143A - プロトン伝導性高分子膜及びそれからなる燃料電池 - Google Patents
プロトン伝導性高分子膜及びそれからなる燃料電池Info
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Abstract
た耐酸化性を有し、固体高分子形燃料電池の電解質とし
て有用なプロトン伝導性高分子膜を提供する。 【解決手段】芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳
香族環の一部分にスルホン酸基を有する(B)からなる
プロトン伝導性高分子膜であって、燐含有量(燐原子換
算)が0.001〜5重量%である(好ましくは、ホス
ホン酸基、ホスホン酸エステル基、ホスファイト基、リ
ン酸基から選択される少なくとも1種の官能基を含有す
る化合物、又は、リン含有ヘテロポリ酸を混合すること
で得られる)プロトン伝導性高分子膜及びそれからなる
燃料電池により達成される。
Description
分子膜に関する。
形燃料電池の主要な構成材料である。現在、固体高分子
形燃料電池は、将来の新エネルギー技術の柱の一つとし
て期待されている。高分子化合物からなるプロトン伝導
性膜を用いた固体高分子形燃料電池(PEFCまたはP
EMFC)は、低温作動、小型軽量等、他の燃料電池
(リン酸型、固体酸化物型、溶融炭酸塩型)にない特徴
を有することから、自動車などの移動体、民生用エレク
トロニクス機器、家庭用電源への適用が検討されてい
る。特に、固体高分子形燃料電池を搭載した燃料電池自
動車は究極のエコロジーカーとして社会的な関心が高ま
っている。
子膜としては、1950年代に開発されたスチレン系の
陽イオン交換膜があるが、燃料電池動作環境下における
安定性に乏しく、本膜を用いての実用上、充分な寿命を
有する燃料電池を製造するには至っていない。実用的安
定性を有するプロトン伝導性高分子膜としては、ナフィ
オン(Nafion,デュポン社の登録商標。以下同
様)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜が
開発され、固体高分子形燃料電池を始めとし、他の電気
化学素子への応用が提案されている。しかしながら、パ
ーフルオロカーボンスルホン酸膜は、モノマーなどの使
用原料が高く、その製造方法も煩雑なため、非常に高価
であるのが現状である。そこで、膜抵抗の低減や原料の
使用量を減らすため、薄膜化が検討されているものの、
より安価なプロトン伝導性高分子膜が要求されているの
が現状である。
ために、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸膜に代
わり炭化水素系高分子化合物のプロトン伝導性高分子膜
も種々検討・提案されいる。その代表的なものとして
は、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6
−93114号公報など)、スルホン化ポリエーテルス
ルホン(特開平10―45913号公報など)、スルホ
ン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報な
ど)、スルホン化ポリフェニレンサルファイド(特表平
11−510198号公報など)やスルホン化ポリイミ
ド(特表2000−510511号公報など)などの耐
熱芳香族系高分子化合物のスルホン化物、また、特表平
10−503788号公報などには、安価で、機械的、
化学的に安定とされるSEBS(スチレン−(エチレン
−ブチレン)−スチレンの略)のスルホン化体からなる
ものなどが挙げられる。しかしながら、これらの炭化水
素系プロトン伝導性高分子膜は、パーフルオロカーボン
スルホン酸膜と比較して、プロトン伝導度が不充分であ
ること、耐加水分解性や耐酸化性などの化学的安定性が
不充分であり、実用化されていない。
を導入した電解質(特開2000−11755)などが
提案されている。しかしながら、燐官能基の導入反応が
複雑であり、いまだ実用化されるには至っていない。
プロトン伝導性を有し、優れた化学的安定性を有するプ
ロトン伝導性高分子膜を提供することである。
族環を有する高分子化合物(A)の芳香族環の一部分に
スルホン酸基を有する高分子化合物(B)からなるプロ
トン伝導性高分子膜であって、燐含有量(燐原子換算)
が0.001〜5重量%であるプロトン伝導性高分子膜
である。燐含有量(燐原子換算)が0.001〜5重量
%とするためには、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル
基、ホスファイト基、リン酸基から選択される少なくと
も1種の官能基を含有する化合物を配合することがで
き、或いは、リン含有ヘテロポリ酸を配合することもで
きる。
で表される繰り返し単位を構成成分とするものが好まし
い。
0〜2の整数] また、高分子化合物(A)は、下記一般式(2)で表さ
れる繰り返し単位を構成成分とするポリフェニレンサル
ファイドであるのがより好ましい。
される2価の芳香族単位]
の一部分は、下記一般式(6)で表されるスルホン化ポ
リフェニレンサルファイドであるのが好ましい。
であるのが好ましい。次に本発明の燃料電池は上記した
プロトン伝導性高分子膜を使用した固体高分子形燃料電
池である。
は、芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳香族環の
一部分にスルホン酸基を有する高分子化合物(B)から
なるプロトン伝導性高分子膜であって、燐含有量(燐原
子換算)が0.001〜5重量%であることが好まし
い。プロトン伝導性高分子膜として作用するには、膜中
にプロトン伝導性置換基あるいはプロトン伝導性物質を
含有している必要がある。プロトン伝導性置換基として
は、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、フェノー
ル性水酸基などが例示できるが、燃料電池用膜として有
効なプロトン伝導性を発現させるといった点から、スル
ホン酸基であることが好ましい。従って、本発明におい
ては、芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳香族環
の一部分にスルホン酸基が導入されているため、プロト
ン伝導性高分子膜として必要不可欠なプロトン伝導度が
発現することとなる。また、プロトン伝導性高分子膜に
燐が燐原子換算で0.001〜5重量%含まれているた
め、高分子化合物の主鎖骨格や芳香族環に導入されてい
るスルホン酸基の酸化劣化反応が抑制される。これによ
り、パーフルオロカーボンスルホン酸膜と同等の充分な
耐酸化性を有するプロトン伝導性高分子膜を得ることが
できる。
ては、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスル
ホン、ポリサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスル
フィドスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベン
ズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリフェニレ
ン、ポリフェニレンエーテル等が例示できるが、これに
限定されるものではない。これらは単独、あるいは、2
種以上の共重合体、あるいは、必要に応じて2種以上を
混合したものを使用しても良い。
記一般式(1)で表される繰り返し単位を構成成分とす
るもの、
0〜2の整数] さらに、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を構
成成分とするポリフェニレンサルファイドであることが
より好ましい。
される2価の芳香族単位]
を有する高分子化合物(B)の繰り返し単位の一部分
が、下記一般式(6)で表されるスルホン化ポリフェニ
レンサルファイドであることがより好ましい。
易さや、得られる膜の特性(プロトン伝導度、機械的特
性(強度・伸び)、化学的安定性、ガス遮断性など)が
優れ好ましい。
一部(10%以下、さらには5%以下)を必要に応じ
て、下記(イ)〜(ハ)の構造単位に置き換えても構わ
ない。 (イ)芳香族単位の水素原子の一部が炭素数1〜6のア
ルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ニトロ基、ハロ
ゲン基から選択された1種または2種以上で置換された
もの (ロ)3官能フェニルフルフィド単位(この場合、残っ
た結合手の1つはスルフィド単位を介して他の高分子鎖
と結合し、架橋・分岐分子構造をとる) (ハ)(ロ)以外の架橋あるいは分岐単位(この場合、
スルフィド単位以外の単位を介して他の高分子鎖と結合
し、架橋・分岐構造をとる) スルホン酸基の導入の方法としては、高分子化合物
(A)にスルホン酸基を導入した後、膜に加工する方法
や、高分子化合物(A)をフィルムに加工した後、スル
ホン酸基を導入する方法など種々のものが選択可能であ
る。使用する高分子化合物(A)や燐の添加方法や使用
する物質の物性を勘案して、所望の特性を発現するプロ
トン伝導性高分子膜が得られるように、適宜設定すれば
よい。
の公知のスルホン化方法が適用できる。一例として、公
知のスルホン化剤と高分子化合物(A)とを反応させる
方法があげられる。スルホン酸基の導入のし易さや工業
的入手の容易さなどを考慮すると、スルホン化剤はクロ
ロスルホン酸、三酸化硫黄−トリエチルフォスフェー
ト、濃硫酸、発煙硫酸、トリメチルシリルクロロサルフ
ェートから選択される少なくとも1種であることが好ま
しい。特に、本発明においては、スルホン酸基の導入の
し易さや得られた膜の化学的・物理的特性から、クロロ
スルホン酸を使用することが好ましい。
有量(燐原子換算)は、0.001重量%以上でかつ5
重量%以下であることが好ましい。具体的には、スルホ
ン酸基を有する高分子化合物と、燐を含有する化合物を
混合することによって、所定量の燐を含有したプロトン
伝導性高分子膜を得ることができる。燐含有量がこの範
囲よりも小さい場合は、酸化劣化反応の抑制効果が不充
分となる場合がある。また、燐含有量がこの範囲よりも
大きい場合は、高分子化合物の含有量が低下しすぎて、
プロトン伝導性高分子膜のプロトン伝導度やガス遮断
性、機械的強度などの特性が低下する場合がある。燐の
含有形態によって効果が異なるため、燐含有量は0.0
05〜2重量%であることがより好ましく、0.05〜
0.5重量%であることがさらに好ましい。
(P)を含むものであれば、いずれも使用可能である。
例えば、3価の燐および/または5価の燐を含む種々の
化合物、3価の燐および/または5価の燐を含む官能基
を有する種々の化合物、などが例示できる。より具体的
には、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、ホスファ
イト基、リン酸基から選択される少なくとも1種の官能
基を含有する化合物、あるいは、リン含有ヘテロポリ酸
であることが好ましい。
化性の付与といった点で、ポリビニルホスホン酸(燐含
有量:36重量%)等のホスホン酸基を有する化合物が
好ましい。また、耐酸化性の付与に加え、プロトン伝導
性も付与できる点から、燐原子を含むヘテロポリリン酸
類であるタングスト燐酸(H3(PW12O40)、燐含有
量:1.1重量%)も好ましい。
下記(I)〜(III)の方法などが例示できる。 (I)溶媒溶解性の芳香族環の少なくとも一部分にスル
ホン酸基が置換された高分子化合物を調製して、これの
有機溶媒溶液と燐を含む化合物を溶液混合して、支持体
上に流延塗布して、溶媒を除去し、プロトン伝導性高分
子膜を得る方法。 (II)芳香族環を有する高分子化合物と燐を含む化合物
を、高分子化合物の融点以上、燐を含む化合物の沸点、
分解温度以下で溶融混合し、これらの混合物のフィルム
を得た後、スルホン酸基を導入する方法。 (III)溶媒溶解性の芳香族環の少なくとも一部分にス
ルホン酸基が置換された高分子化合物からなるフィルム
を調製した後、燐を含む化合物をドープさせる方法。 これらの方法は、使用する高分子化合物や燐を含む化合
物の物性を考慮して、適宜設定すればよい。
ホン酸基に由来するイオン交換容量が1.0〜2.5ミ
リ当量/gであることが好ましい。この範囲よりも小さ
い場合は、プロトン伝導性置換基の導入量が少なくな
り、充分なプロトン伝導性が発現しない恐れがある。一
方、前記範囲よりも大きい場合には、膜の機械的強度が
低下したり、膜の吸水率が著しく増加して膨潤し易くな
り、ハンドリング性が低下する恐れがある。また、室温
におけるプロトン伝導度が、1.0×10-2S/cm以
上であることが好ましい。この範囲よりも小さい場合に
は、プロトン伝導性高分子膜として使用した場合、充分
な発電特性を発現しにくくなる傾向を生ずる。プロトン
伝導性高分子膜としては、プロトン伝導度が高いほど好
ましい。実際には機械的特性やガス遮断性等、プロトン
伝導度以外の他の特性を考慮して、適宜設定する必要が
ある。
的な機械的強度や燃料・酸化剤の遮断性を有する範囲
で、薄い程良い。イオン交換容量やプロトン伝導度が同
等であれば、厚みが薄くなるほど、膜としての抵抗値が
低くなるため、概ね5〜200μm、さらには20〜1
50μmの厚さであることが好ましい。
トン伝導性、化学的・熱的安定性、機械的特性を備えて
おり、固体高分子形燃料電池の電解質として好適に使用
される。実際に、固体高分子形燃料電池に使用する場
合、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスル
ホン酸膜で適用されている公知の方法で、本発明のプロ
トン伝導性高分子膜と触媒担持ガス拡散電極を接合した
膜−電極接合体を製造し、燃料および酸化剤の供給路を
備えた1対のセパレータ間に狭持して、固体高分子形燃
料電池セルを構成することで、燃料電池用膜として使用
することができる。燃料としては、純水素、メタノール
・天然ガス・ガソリンなどの改質ガス、メタノール、エ
タノール、ジメチルエーテル等の有機液体燃料等が使用
可能である。また、必要な出力を得るため、セルを複数
枚積層して、スタックを構成し、使用することもでき
る。
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではなく、その要旨を変更しない範囲において
適宜変更実施可能である。
化ナトリウム飽和水溶液に浸漬し、ウォーターバス中で
60℃、3時間反応させる。室温まで冷却した後、サン
プルをイオン交換水で充分に洗浄し、フェノールフタレ
イン溶液を指示薬として、0.01Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液で滴定し、イオン交換容量を算出した。
した試験体(10mm×40mm)を取り出し、試験体
表面の水をろ紙で拭き取る。電極間距離30mmで白金
電極間に試験体を装着し、2極非密閉系のテフロン(登
録商標)製のセルに設置した後、室温下で電圧0.2V
の条件で、交流インピーダンス法(周波数:42Hz〜
5MHz)により、試験体の膜抵抗を測定し、プロトン
伝導度を算出した。
K 7127の方法に準じて、試験体の引張強度およ
び破断伸びを測定した。
に、塩化第二鉄の濃度が20ppmになるように添加
し、フェントン試薬を調製した。フェントン試薬20m
Lに、約100mgの膜を添加し、60℃のウォーター
バス中で浸透させた。所定時間後の膜の重量変化を測定
し、耐酸化性を評価した。
フィルム(東レ製トレリナ、厚み:50μm)2.5g
を、クロロスルホン酸5.3gと塩化メチレン溶液10
56gの混合溶液にマヨネーズ瓶中で、20時間浸漬さ
せた。浸漬後、イオン交換水で満たした水槽で加水分解
を行って、洗浄液が中性になるまでイオン交換水を交換
しながら、洗浄した。23℃に調温した恒温恒湿器内に
設置し、98%RH、80%RH、60%RH、50%
RHの調湿下で、それぞれ30分間放置して、スルホン
化ポリフェニレンサルファイド膜を得た。このスルホン
化ポリフェニレンサルファイド膜の特性評価結果を表
1、2に示した。
ン化ポリエーテルスルホンを調製した。住友化学製ポリ
エーテルスルホン(PES5200P)を、減圧下、1
00℃で12時間乾燥する。2Lのセパラブルフラスコ
に、この乾燥したポリエーテルスルホン100gを秤量
する。濃硫酸を500mL滴下し、48時間室温で放置
し、均一に溶解させる。窒素気流下で攪拌しながら、ク
ロロスルホン酸192mLを滴下漏斗を使用して徐々に
滴下する。滴下完了後、室温で6時間攪拌する。ビーカ
ーにイオン交換水を3L入れて氷冷し、反応液を約1/
4程度徐々に滴下する。これを4回繰り替えし、反応液
の全量を滴下したら、沈殿物をろ過して回収する。回収
した沈殿物をろ液が中性になるまで、イオン交換水で洗
浄し、得られた固化物を減圧下、80℃で12時間乾燥
し、スルホン化ポリエーテルスルホンを得る。このスル
ホン化ポリエーテルスルホンの20重量%N−メチル−
2−ピロリドン溶液を調製し、フロートガラス上に30
0μmの厚みで塗布し、減圧下、80℃で12時間乾燥
し、約40μmのスルホン化ポリエーテルスルホンフィ
ルムを得た。このスルホン化ポリエーテルスルホン膜の
評価結果を表1、2に示した。
化ポリフェニレンサルファイド膜を使用して、下記の方
法でプロトン伝導性高分子膜を調製した。スルホン化ポ
リフェニレンサルファイド膜を、過剰量のポリビニルホ
スホン酸の10%水溶液に浸漬し、1時間加熱環流処理
した。処理後、室温で膜を水洗し、23℃に調温した恒
温恒湿器内に設置し、98%RH、80%RH、60%
RH、50%RHの調湿下で、それぞれ30分間放置し
て、ホリビニルホスホン酸を5重量%ドープしたスルホ
ン化ポリフェニレンサルファイド膜を得た。この膜の特
性評価結果を表1、2に示した。
ーテルスルホンを使用して、下記の方法でプロトン伝導
性高分子膜を調製した。スルホン化ポリエーテルスルホ
ンの20重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製
し、これにタングスト燐酸をスルホン化ポリフェニレン
サルファイド100重量部に対し、10重量部添加し、
均一になるまで混合した。この溶液をフロートガラス上
に300μmの厚みで塗布し、減圧下、80℃で12時
間乾燥し、約40μmのスルホン化ポリエーテルスルホ
ンフィルムを得た。このスルホン化ポリエーテルスルホ
ン膜の評価結果を表1、2に示した。
ーテルスルホンフィルムを使用して、下記の方法でプロ
トン伝導性高分子膜を調製した。スルホン化ポリエーテ
ルスルホンフィルムを、過剰量のポリビニルホスホン酸
の10%水溶液に浸漬し、1時間加熱環流処理した。処
理後、室温で膜を水洗し、減圧乾燥してポリビニルホス
ホン酸を5重量%ドープしたスルホン化ポリエーテルス
ルホン膜を得た。この膜の特性評価結果を表1、2に示
した
較例2と実施例2,3の比較から、本発明の燐を含有し
たプロトン伝導性高分子膜は、燐を含有させてもプロト
ン伝導度の低下がなく、10-2S/cm以上の高いプロ
トン伝導度を発現することが明らかとなった。また、比
較例2と実施例2の比較からタングスト燐酸を使用する
ことによって、プロトン伝導度が2倍以上向上し、本発
明のプロトン伝導性高分子膜が有効であることが示され
た。
較例2と実施例2,3の比較から、本発明の燐を含む化
合物を含有したプロトン伝導性高分子膜は、耐酸化性評
価において、高い重量保持率を示し、優れた耐酸化性を
有することが示された。
子化合物(A)の芳香族環の一部分にスルホン酸基を有
する高分子化合物(B)からなるプロトン伝導性高分子
膜であって、燐含有量(燐原子換算)が0.001〜5
重量%であるプロトン伝導性高分子膜は、高いプロトン
伝導度を発現しつつ、優れた耐酸化性を有する。
Claims (8)
- 【請求項1】芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳
香族環の一部分にスルホン酸基を有する高分子化合物
(B)からなるプロトン伝導性高分子膜であって、燐含
有量(燐原子換算)が0.001〜5重量%であるプロ
トン伝導性高分子膜。 - 【請求項2】芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳
香族環の一部分にスルホン酸基を有する高分子化合物
(B)と、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、ホス
ファイト基、リン酸基から選択される少なくとも1種の
官能基を含有する化合物の混合物からなる請求項1記載
のプロトン伝導性高分子膜。 - 【請求項3】芳香族環を有する高分子化合物(A)の芳
香族環の一部分にスルホン酸基を有する高分子化合物
(B)と、リン含有ヘテロポリ酸の混合物からなる請求
項1記載のプロトン伝導性高分子膜。 - 【請求項4】高分子化合物(A)が、下記一般式(1)で
表される繰り返し単位を構成成分とする請求項1〜3の
いずれかに記載のプロトン伝導性高分子膜。 【化1】 [式中、Ar1は2価の芳香族単位、Xは0〜2の整
数] - 【請求項5】高分子化合物(A)が、下記一般式(2)
で表される繰り返し単位を構成成分とするポリフェニレ
ンサルファイドである請求項1〜4のいずれかに記載の
プロトン伝導性高分子膜。 【化2】 [式中、Ar2は下記(3)〜(5)で表される2価の
芳香族単位] 【化3】 - 【請求項6】芳香族環の一部分にスルホン酸基を有する
高分子化合物(B)の繰り返し単位の一部分が、下記一
般式(6)で表されるスルホン化ポリフェニレンサルフ
ァイドである請求項1〜5のいずれかに記載のプロトン
伝導性高分子膜。 【化4】 [式中、nは1〜4の整数] - 【請求項7】イオン交換容量が、1.0〜2.5ミリ当
量/gである請求項1〜6のいずれかに記載のプロトン
伝導性高分子膜。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のプロトン
伝導性高分子膜を使用した固体高分子形燃料電池。
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JP2002029044A JP2003229143A (ja) | 2002-02-06 | 2002-02-06 | プロトン伝導性高分子膜及びそれからなる燃料電池 |
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