JP2003064174A - ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。 - Google Patents

ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。

Info

Publication number
JP2003064174A
JP2003064174A JP2001255190A JP2001255190A JP2003064174A JP 2003064174 A JP2003064174 A JP 2003064174A JP 2001255190 A JP2001255190 A JP 2001255190A JP 2001255190 A JP2001255190 A JP 2001255190A JP 2003064174 A JP2003064174 A JP 2003064174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
opening polymerization
carbon atoms
catalyst
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001255190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4770092B2 (ja
Inventor
Keigo Aoi
啓悟 青井
Nobuyoshi Nomura
信嘉 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya Industrial Science Research Institute
Original Assignee
Nagoya Industrial Science Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya Industrial Science Research Institute filed Critical Nagoya Industrial Science Research Institute
Priority to JP2001255190A priority Critical patent/JP4770092B2/ja
Publication of JP2003064174A publication Critical patent/JP2003064174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4770092B2 publication Critical patent/JP4770092B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的安定性が十分に高いステレオコンプレッ
クスを簡易に製造可能なラクトンの開環重合用触媒を提
供することを目的とする。 【解決手段】 一般式(1)で示されるサレン型金属錯
体を含有してなるラクトンの開環重合用触媒である。 【化1】 (式中R、R、R、R、R、Rは、水素、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ
基、ハロゲン基、核炭素数6〜18のアリール基、又は
メトキシメチル基を表し、R、Rは、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン
基、核炭素数6〜18のアリール基、又はメトキシメチ
ル基を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は
炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R10は、炭素数
2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、Mは、Al、
Fe、又はYを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクトンの開環重
合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラクトンの開環重合による高分子は数多
く知られ、例えばポリラクチド(ポリ乳酸)は生分解
性、生体適応性が高く、環境保全材料や生医学材料とし
て注目されている。このポリラクチドは、L体とD体の
光学異性体が存在するラクチドを原料として合成される
ため、ポリラクチドには、主としてL体からなるポリ
(L−ラクチド)(PLLA)と、主としてD体からな
るポリ(D―ラクチド)(PDLA)と、ラセミ体のラ
ンダム重合体であるポリ(DL―ラクチド)(PDLL
A)とが知られている。そして、これらのポリラクチド
のうちPLLA及びPDLAが、結晶性が高く熱的性質
に優れており有用である。
【0003】近年、さらに熱的性質を改良したステレオ
コンプレックス(ラセミ結晶)が注目されている。これ
は、PLLAとPDLAとを1:1でブレンドして、光
学異性体同士の強い相互作用を利用して形成されたもの
である。この相互作用によって、ステレオコンプレック
スは単一のPLLA又はPDLAよりも融点(Tm)が
上昇して、熱的安定性が向上しているのである。
【0004】このステレオコンプレックスの製造方法と
して、例えば、特開2000−17163には、次の製
造方法が開示されている。すなわち、L体ラクチドから
触媒を用いて開環重合によりPLLAを合成し、同様に
してD体ラクチドからPDLAを合成して、その後PL
LAとPDLAとを溶融ブレンドする方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法では複数の工程を経由するため煩雑であるという
問題点があった。
【0006】一方、近年アキラルなサレン配位子を有す
るアルミニウム錯体を触媒として、ラセミ体ラクチドか
らイソタクチック選択的な重合によってステレオコンプ
レックスを製造する方法が報告されている(Wisinewsk
i,M.;Borgen,L.A.;Spassky,N.,Macromol.Chem.Phys.199
7,198,1227)。
【0007】ところが、この製造方法では、モノマー転
化率が高くなると選択率が低下してしまうため熱的安定
性が十分に高いステレオコンプレックスを得ることは困
難であった。
【0008】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、熱的安定性が十分に高いステ
レオコンプレックスを簡易に製造可能なラクトンの開環
重合用触媒を提供し、この触媒を使ったポリエステルの
製造方法、及びブロック共重合体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決し得るラクトンの開環重合用触媒、この触媒
を使ったポリエステルの製造方法、及びブロック共重合
体の製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、特定の置換基を有するサレン型配位子を持つ触媒を
存在させると、ラクトンが立体選択的に開環重合される
ことを見出した。本発明はこの知見に基づいてなされた
ものである。
【0010】ここで本発明の原理を、アキラルなサレン
型配位子Lをもつアルミニウム錯体(L−Al−
R)を触媒とし、ラセミ体ラクチド(rac−LA)を
開環重合する場合を一例として、図1を参照しつつ説明
する。まず、開始反応においては、触媒としてのアルミ
ニウム錯体(L−Al−R)がD体ラクチド(DL
A)又はL体ラクチド(LLA)と反応し、DLA又は
LLA由来の不斉を有する複合体となる。
【0011】そして、成長反応においては、次々とモノ
マーが反応してポリマーが成長するが、反応するモノマ
ーは、ポリマー生長端に位置するモノマー由来の不斉に
よって、立体選択されつつ反応していく。すなわち、ポ
リマー生長端が、例えばDLA由来である場合には、次
に反応するモノマーもこれと同じDLAが立体選択され
て反応していく。つまり、開始反応でアルミニウム錯体
(L−Al−R)とDLAが反応すると、成長反応に
おいてもラセミ体ラクチド中のDLAが次々と反応し、
PDLAを生成する。同様にして、開始反応でアルミニ
ウム錯体(L−Al−R)とLLAが反応すると、成
長反応においてもラセミ体ラクチド中のLLAが次々と
反応し、PLLAを生成する。このようにして、ラセミ
体ラクチド(rac−LA)を原料として、一段階で、
PDLA及びPLLAが合成されるのである。以上のよ
うに本発明の原理は、末端鎖制御による立体選択的な反
応を行わせるものである。なお、この触媒は立体選択的
な開環重合のみならず、光学異性体を持たないラクトン
にも幅広くその開環重合用触媒として使用できる。
【0012】本発明は以上の原理に基づいてなされたも
のであり、請求項1の発明は、一般式(1)で示される
サレン型金属錯体を含有してなるラクトンの開環重合用
触媒である。
【化2】 (式中R、R、R、R、R、Rは、水素、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ
基、ハロゲン基、核炭素数6〜18のアリール基、又は
メトキシメチル基を表し、R、Rは、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン
基、核炭素数6〜18のアリール基、又はメトキシメチ
ル基を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は
炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R10は、炭素数
2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、Mは、Al
(アルミニウム)、Fe(鉄)、又はY(イットリウ
ム)を表す。)
【0013】なお、この触媒において、R、Rは、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ
基、ハロゲン基、核炭素数6〜18のアリール基、又は
メトキシメチル基を表しているが、このR、Rの有
する立体的な効果により本触媒の選択性が向上している
と考えられる。これに対して、従来の触媒では、このR
、Rに相当する置換基が水素であったため選択性が
低かったと考えられる。
【0014】また、請求項2の発明は、R及びR
が、tert−ブチル基又はフェニル基であることを
特徴とする請求項1に記載のラクトンの開環重合用触媒
である。
【0015】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
に記載の開環重合用触媒の存在下にラクトンを開環重合
することを特徴とするポリエステルの製造方法である。
【0016】また、請求項4の発明は、ラクトンがラセ
ミ体ラクチドである請求項3に記載のポリエステルの製
造方法である。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項1又は2
に記載の開環重合用触媒の存在下にラクトンを開環重合
してポリエステルブロックを生成するとともに、このラ
クトン以外のモノマーを重合して他のブロックを生成す
ることを特徴とするブロック共重合体の製造方法であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、一般式(1)で示さ
れる不斉配位子を持たないサレン型金属錯体を含有して
なるラクトンの開環重合用触媒を用いる。
【化3】
【0019】ここで、置換基R、R、R、R
、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン基、核炭素数6〜1
8のアリール基、又はメトキシメチル基を表し、炭素数
1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基等が好適であり、炭素数1〜6
のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、
n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が好適である。
ハロゲン基は、フッ素,塩素,臭素又はヨウ素であるこ
とが好適である。
【0020】核炭素数6〜18のアリール基としては、
例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フ
ェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらは
炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
基、ハロゲン置換アルキル基で置換されていてもよい。
また、R、R、R、R、R、Rは互いに同
一であっても異なっていてもよい。
【0021】置換基R、Rは、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン基、核
炭素数6〜18のアリール基、又はメトキシメチル基を
表し、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が好適であり、
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−
ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が
好適である。ハロゲン基は、フッ素,塩素,臭素又はヨ
ウ素であることが好適である。
【0022】核炭素数6〜18のアリール基としては、
例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フ
ェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらは
炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
基、ハロゲン置換アルキル基で置換されていてもよい。
また、R、Rは互いに同一であっても異なっていて
もよい。
【0023】置換基Rは、炭素数1〜6のアルキル
基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、炭素数1
〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基等が好適であり、炭素数1〜6のア
ルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n
−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が好適である。
【0024】R10は、炭素数2〜6の二価の脂肪族炭
化水素基を表し、例えば、エチレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、
及びこれらの基に更に炭素数1〜4のアルキル基、炭素
数1〜4のアルコキシ基が置換した置換基であってもよ
い。
【0025】また、式(1)中、Mは、Al(アルミニ
ウム)、Fe(鉄)、又はY(イットリウム)のいずれ
かの元素を表す。なお、触媒は、二種以上のサレン型金
属錯体を含有してもよいし、あるいはサレン型金属錯体
以外の添加剤を含有してもよい。
【0026】本発明の触媒の製造方法としては、特に限
定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例え
ば、図2に示すように、所定のジアミン10と所定の置
換基R11及びR12を有するヒドロキシベンズアルデ
ヒド11とを反応させて、所定の配位子12を合成す
る。次にこの配位子12と所定の有機金属化合物13と
を反応させることによって触媒14を得ることができ
る。また、この触媒14と所定のアルコール15とを反
応させて、16のようにアルコキシ基を導入することも
可能である。
【0027】次にサレン型金属錯体の存在下にラクトン
を開環重合することを特徴とするポリエステルの製造方
法、及びサレン型金属錯体の存在下にラクトンを開環重
合してポリエステルブロックを生成するとともに、この
ラクトン以外のモノマーを重合して他のブロックを生成
することを特徴とするブロック共重合体の製造方法につ
いて説明する。
【0028】本発明のポリエステルの製造方法及びブロ
ック共重合体の製造方法ではラクトンの開環重合が行わ
れるが、ここでラクトンとは環内に−C(=O)−O−
を含む環式化合物をいい、特に限定されず、例えば、L
−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、meso
−ラクチド等のラクチド、グリコリド、ジエチルグリコ
リド等のグリコリド、ε−カプロラクトン、δ−バレロ
ラクトン、プロピオラクトン、β−ブチロラクトン等が
挙げられる。
【0029】また、ブロック共重合体を製造する場合に
は、上記ラクトンのうち一のラクトンが開環重合してポ
リエステルブロックを生成するとともに、このラクトン
以外のモノマーを重合して他のブロックを生成する。こ
こで、このラクトン以外のモノマーとは、上記ラクトン
のうち選択されなかった他のラクトン、又はラクトン以
外のモノマーである例えばメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステル等のビニルモノマー、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラハイドロフ
ラン等の環状エーテル等を示す。なお、ラクトンに光学
異性体が存在する場合にはそれぞれの異性体をモノマー
としてブロック共重合体を製造してもよい。
【0030】ここで、ブロック共重合体の製造方法の原
理を以下に説明する。すなわち、サレン型金属錯体の存
在する系に一のモノマーを加えると、このモノマーが重
合してブロックが形成される。このように形成したブロ
ックは、生長端が活性を持ち続けている高分子、すなわ
ちリビングポリマーである。このため、引き続き他の一
のモノマーを反応系に加えて他のブロックを生成させる
ことができる。このようにして、ブロック共重合体が製
造される。
【0031】本発明のポリエステルの製造方法及びブロ
ック共重合体の製造方法では、重合方法については特に
制限はなく、例えば溶液重合法、スラリー重合法、塊状
重合法等を採用することができる。また、重合溶媒を用
いる場合、その溶媒は特に限定されず、例えば炭素数5
〜18の脂肪族炭化水素や環式炭化水素、炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素等の不活性溶媒、具体的には、トル
エン、n−ヘプタン、イソペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシ
レン、エチルベンゼン等が使用される。これらは、一種
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに反応温度については特に制限されないが、通常0
〜200℃、好ましくは50〜100℃、特に好ましく
は65〜80℃の範囲で選ばれる。また、反応時間は、
触媒の種類及び反応させるモノマー種に応じて適宜選択
される。
【0032】なお、触媒量は、特に制限されないが、原
料モノマーのモル数、又はブロック共重合体の場合には
原料モノマーのモル数の和に対して、10〜1/100
00モル、好ましくは5〜1/700モル、特に好まし
くは1/1〜1/100モルで使用される。
【0033】本発明の製造方法によれば、ラクトンを開
環重合させてポリエステルを製造することができる。さ
らに立体選択的に開環重合を行うことができる。例え
ば、ラセミ体ラクチド(rac−LA)から、一段階で
簡易に、PDLA及びPLLAが合成されるのである。
そしてこれらのPDLA及びPLLAは、ステレオコン
プレックス(ラセミ結晶)を形成するため、ポリマーの
熱的安定性を向上させることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0035】<実施例1> (触媒の調製)攪拌子を入れた試験管に、3,5−ジ−
tert−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド239
mg(1.02mmol)を入れ、ジクロロメタン0.
5mLを加え攪拌して溶解させた。この溶液に1,3−
ジアミノプロパン36.5mg(0.49mmol)を
ゆっくり滴下し、50℃で10分間加熱攪拌した後に、
溶媒を留去して黄色の粗生成物を得た。精製は再沈殿操
作(良溶媒;ジクロロメタン、貧溶媒;エタノール)に
よって行った。このようにして配位子179mg(収率
72%)を得た。
【0036】次に、別のフラスコを窒素置換した。そし
て、配位子25.8mg(0.051mmol)及びト
ルエン0.50mLをこのフラスコに入れ配位子を溶解
させた。この溶液を0℃に冷却後、0.10Mのトリメ
チルアルミニウムのトルエン溶液0.50mL(0.0
50mmol)を加え、30分攪拌後、室温にして1時
間攪拌し、0.050Mの触媒21溶液を調製した。
【化4】
【0037】(ラクチドの開環重合)次に、窒素置換し
た試験管にラセミ体ラクチド144mg(1.01mm
ol)を入れ、これにトルエン1.0mLを加えて攪拌
し、ラセミ体ラクチドを溶解した。この溶液に、上述の
ように調製した0.050Mの触媒溶液1mL(0.0
50mmol)を加え、75(±5)℃に加熱すること
でラクチドの開環重合を開始した。なお、反応時間は2
4時間とした。
【0038】(核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定)Var
ian製JEMINI-2000型フーリエ変換核磁気共鳴装置を使用
して、触媒の配位子及び反応により得られたポリラクチ
ドのH−NMRスペクトル(CDCl中、TMS基
準(0.00ppm))を測定した。
【0039】(サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の
測定)東ソー(株)製高速液体クロマトグラフDP-8020
を使用した。カラムとして、TSK-gelG2000HXL,G3000HX
L,及びG5000HXLを使用し、溶出液としてクロロホルム
(38℃、流速1.0mL/min)を使用してM(数平均分
子量)、及びM/M(重量平均分子量/数平均分子
量)を測定した。
【0040】(融点(Tm)の測定)融点は、セイコーイン
スツルメンツ製示差走査熱量計DSC-6200を使用して測定
した。
【0041】(モノマー転化率(Monomer conversion)
の測定)モノマー転化率は、ラクチドの開環重合の途中
でサンプリングして、H−NMR測定により求めた。
【0042】(X線回折の測定)反応により得られたポ
リラクチドのX線回折を島津製作所製X線回折装置XD
―D1によって測定した。
【0043】<実施例2> (触媒の調製)攪拌子を入れた試験管に、3−フェニル
−2−ヒドロキシベンズアルデヒド201mg(1.0
1mmol)を入れ、ジクロロメタン0.5mLを加え
攪拌して溶解させた。この溶液に1,3−ジアミノプロ
パン36.5mg(0.49mmol)をゆっくり滴下
し、50℃で10分間加熱攪拌した後に、溶媒を留去し
て黄色の粗生成物を得た。精製は再沈殿操作(良溶媒;
ジクロロメタン、貧溶媒;エタノール)によって行っ
た。このようにして配位子210mg(収率98%)を
得た。
【0044】次に、別のフラスコを窒素置換した。そし
て、配位子22.7mg(0.052mmol)及びト
ルエン0.50mLをこのフラスコに入れ配位子を溶解
させた。この溶液を0℃に冷却後、0.10Mのトリメ
チルアルミニウムのトルエン溶液0.50mL(0.0
50mmol)を加え、30分攪拌後、室温にして1時
間攪拌し、0.050Mの触媒22溶液を調製した。
【化5】
【0045】(ラクチドの開環重合)次に、窒素置換し
た試験管にラセミ体ラクチド150mg(1.05mm
ol)を入れ、これにトルエン1.0mLを加えて攪拌
し、ラセミ体ラクチドを溶解した。この溶液に、上述の
ように調製した0.050Mの触媒溶液1mL(0.0
50mmol)を加え、75(±5)℃に加熱すること
でラクチドの開環重合を開始した。なお、反応時間は2
4時間とした。そして、触媒の配位子及び反応により得
られたポリラクチドのH−NMRスペクトル、M
/M、融点(Tm)、及びX線回折を実施例1と同様
にして測定した。
【0046】<実施例3> (触媒の調製)攪拌子を入れた試験管に、3−イソプロ
ピル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド169mg
(1.02mmol)を入れ、ジクロロメタン0.5m
Lを加え攪拌して溶解させた。この溶液に1,3−ジア
ミノプロパン36.5mg(0.49mmol)をゆっ
くり滴下し、50℃で10分間加熱攪拌した後に、溶媒
を留去して黄色の粗生成物を得た。精製は再沈殿操作
(良溶媒;ジクロロメタン、貧溶媒;エタノール)によ
って行った。このようにして配位子192mg(収率1
00%)を得た。
【0047】次に、別のフラスコを窒素置換した。そし
て、配位子18.7mg(0.052mmol)及びト
ルエン0.50mLをこのフラスコに入れ配位子を溶解
させた。この溶液を0℃に冷却後、0.10Mのトリメ
チルアルミニウムのトルエン溶液0.50mL(0.0
50mmol)を加え、30分攪拌後、室温にして1時
間攪拌し、0.050Mの触媒23溶液を調製した。
【化6】
【0048】(ラクチドの開環重合)次に、窒素置換し
た試験管にラセミ体ラクチド145mg(1.02mm
ol)を入れ、これにトルエン1.0mLを加えて攪拌
し、ラセミ体ラクチドを溶解した。この溶液に、上述の
ように調製した0.050Mの触媒溶液1mL(0.0
50mmol)を加え、75(±5)℃に加熱すること
でラクチドの開環重合を開始した。なお、反応時間は2
4時間とした。そして、触媒の配位子及び反応により得
られたポリラクチドのH−NMRスペクトル、M
/M、融点(Tm)、及びX線回折を実施例1と同様
にして測定した。
【0049】<実施例4> (触媒の調製)攪拌子を入れた試験管に、3−フェニル
−2−ヒドロキシベンズアルデヒド206mg(1.0
4mmol)を入れ、ジクロロメタン0.5mLを加え
攪拌して溶解させた。この溶液にエチレンジアミン3
0.6mg(0.51mmol)をゆっくり滴下し、5
0℃で10分間加熱攪拌した後に、溶媒を留去して黄色
の粗生成物を得た。精製は再沈殿操作(良溶媒;ジクロ
ロメタン、貧溶媒;エタノール)によって行った。この
ようにして配位子166mg(収率77%)を得た。
【0050】次に、別のフラスコを窒素置換した。そし
て、配位子24.0mg(0.057mmol)及びト
ルエン0.50mLをこのフラスコに入れ配位子を溶解
させた。この溶液を0℃に冷却後、0.10Mのトリメ
チルアルミニウムのトルエン溶液0.50mL(0.0
50mmol)を加え、30分攪拌後、室温にして1時
間攪拌し、0.050Mの触媒24溶液を調製した。
【化7】
【0051】(ラクチドの開環重合)次に、窒素置換し
た試験管にラセミ体ラクチド144mg(1.01mm
ol)を入れ、これにトルエン1.0mLを加えて攪拌
し、ラセミ体ラクチドを溶解した。この溶液に、上述の
ように調製した0.050Mの触媒溶液1mL(0.0
50mmol)を加え、75(±5)℃に加熱すること
でラクチドの開環重合を開始した。なお、反応時間は2
4時間とした。そして、触媒の配位子及び反応により得
られたポリラクチドのH−NMRスペクトル、M
/M、融点(Tm)、及びX線回折を実施例1と同様
にして測定した。
【0052】<比較例1> (ラクチドの開環重合)窒素置換した試験管にラセミ体
ラクチド299.2mg(2.11mmol)を入れ、
これにトルエン0.8mLを加えて攪拌し、ラセミ体ラ
クチドを溶解した。この溶液に、0.10MのAl(O
Pr)のトルエン溶液0.2mL(0.02mmo
l)を加え、75(±5)℃に加熱することでラクチド
の開環重合を開始した。なお、反応時間は48時間とし
た。そして、反応により得られたポリラクチドのH−
NMRスペクトル、M、M/M、融点(Tm)、及び
X線回折分析を実施例1と同様にして測定した。
【0053】<比較例2> (ラクチドの開環重合)窒素置換した試験管にL体ラク
チド299.2mg(2.11mmol)を入れ、これ
にトルエン0.8mLを加えて攪拌し、L体ラクチドを
溶解した。この溶液に、0.10MのAl(OPr)
のトルエン溶液0.2mL(0.02mmol)を加
え、75(±5)℃に加熱することでラクチドの開環重
合を開始した。なお、反応時間は48時間とした。そし
て、反応により得られたポリラクチドのH−NMRス
ペクトル、M、M/M、融点(Tm)、及びX線回折
を実施例1と同様にして測定した。
【0054】<比較例3> (触媒の調製)攪拌子を入れた試験管に、2−ヒドロキ
シベンズアルデヒド126mg(1.03mmol)を
入れ、ジクロロメタン0.5mLを加え攪拌して溶解さ
せた。この溶液にエチレンジアミン28.8mg(0.
48mmol)をゆっくり滴下し、50℃で10分間加
熱攪拌した後に、溶媒を留去して黄色の粗生成物を得
た。精製は再沈殿操作(良溶媒;ジクロロメタン、貧溶
媒;エタノール)によって行った。このようにして配位
子145mg(収率100%)を得た。
【0055】次に、別のフラスコを窒素置換した。そし
て、配位子124mg(0.46mmol)及びトルエ
ン4.1mLをこのフラスコに入れ配位子を溶解させ
た。この溶液を0℃に冷却後、0.93Mのトリメチル
アルミニウムのトルエン溶液0.50mL(0.47m
mol)を加え、30分攪拌後、室温にして1時間攪拌
し、0.050Mの触媒25溶液を調製した。
【化8】
【0056】(ラクチドの開環重合)次に、窒素置換し
た試験管にラセミ体ラクチド145mg(1.02mm
ol)を入れ、これにトルエン1.0mLを加えて攪拌
し、ラセミ体ラクチドを溶解した。この溶液に、上述の
ように調製した0.050Mの触媒溶液1mL(0.0
50mmol)を加え、75(±5)℃に加熱すること
でラクチドの開環重合を開始した。なお、反応時間は4
8時間とした。そして、反応により得られたポリラクチ
ドのH−NMRスペクトル、M、M/M、融点
(Tm)、及びX線回折を実施例1と同様にして測定した。
【0057】<触媒の配位子のH−NMRスペクトル
測定結果>触媒21の配位子のH−NMRスペクトル
測定結果を次に示す。13.83ppm (一重線, OH, 2H), 8.4
0ppm (一重線,CH=N, 2H),7.39ppm, 7.09ppm (芳香族プ
ロトン, 2H+2H), 3.71ppm (三重線, NCH2,4H), 2.13ppm
(五重線, N-C-CH2, 2H),1.46ppm, 1.31ppm (一重線, t
-Bu,18H+18H) 触媒22の配位子のH−NMRスペクトル測定結果を
次に示す。 14.06ppm (一重線, OH, 2H), 8.43ppm (一重線, CH=N,
2H),7.65-6.95ppm (芳香族プロトン, 16H), 3.72ppm
(三重線, NCH2, 4H), 2.13ppm (五重線,N-C-CH2, 2H) 触媒23の配位子のH−NMRスペクトル測定結果を
次に示す。13.78ppm(一重線, OH, 2H), 8.39ppm (一重
線, CH=N, 2H), 7.28ppm (二重線, 芳香族プロトン, 2
H), 7.12ppm (二重線, 芳香族プロトン,2H), 6.84ppm
(三重線, 芳香族プロトン, 2H), 3.74ppm (三重線, NCH
2, 4H), 3.39ppm (七重線,CH(i-Pr), 2H), 2.14ppm (五
重線, N-C-CH2,2H), 1.25ppm (二重線, CH3(i-Pr), 12
H) 触媒24の配位子のH−NMRスペクトル測定結果を
次に示す。13.82ppm (一重線, OH, 2H), 8.41ppm (一重
線,CH=N,2H),7.62-6.93ppm(芳香族プロトン,16H), 3.9
4ppm (一重線, CH2CH2, 4H)
【0058】<ポリラクチドのH−NMRスペクトル
測定結果>比較例1、実施例4、及び比較例2のメチン
域のH−NMRスペクトルを図3に示す。また、これ
らのスペクトルをデカップリングしたものをそれぞれ右
側に示す。これらのスペクトルから比較例1のポリラク
チドは、アタクチック構造のランダム重合体であること
が確認され、比較例2のポリラクチドは、イソタクチッ
ク構造の重合体であることが確認された。これに対し
て、実施例4の場合には比較例1と同様にラセミ体ラク
チドを用いたにもかかわらずに、比較例2と同様にイソ
タクチック構造の重合体であることが確認された。
【0059】なお、D体ラクチドから得られたポリラク
チド(PDLA)のH−NMRスペクトルは、エナン
チオマーであるL体ラクチドから得られたポリラクチド
(PLLA)のスペクトルと同じことが知られている。
また、実施例4のポリラクチドはラセミ体ラクチドから
得られたことを考慮すると、実施例4のポリラクチドは
PDLA及びPLLAの混合物であることが分かる。
【0060】なお、実施例1〜実施例3についても実施
例4と同様のH−NMRスペクトルが観測されたが、
イソタクチック構造の比較例2に最も近いスペクトル
は、実施例1であり、次いで実施例2、次いで実施例3
の順であった。一方、比較例3については、アタクチッ
ク構造の比較例1に近いH−NMRスペクトルが観察
された。
【0061】以上の結果から、立体選択性の高さは、上
述の一般式(1)で示されるサレン型金属錯体のR
がtert−ブチル基の場合(実施例1)が一番で
あり、フェニル基の場合(実施例2)が二番で、イソプ
ロピル基の場合(実施例3)が三番であることが分かっ
た。また、R、Rが水素の比較例3の場合には、R
、Rの有する立体的な効果が認められないため、選
択性が低下することが分かった。
【0062】<サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)及
び融点(Tm)の測定結果>M、M/M、及び融点(T
m)の測定結果を表1に示す。
【表1】
【0063】分子量Mの値から、実施例1〜実施例4
のいずれの場合においても、開環重合反応は進行してい
ることが確認された。また、実施例1〜実施例4で得ら
れたポリラクチドの融点(Tm)は、いずれも単一のキラル
なポリマーである比較例2の場合と同等又はそれ以上で
あった。特に実施例1及び実施例2で得られたポリラク
チドの融点(Tm)は、比較例2の場合よりも非常に上昇
し、熱的安定性がかなり向上していることが確認され
た。これは、触媒のR、Rがtert−ブチル基又
はフェニル基であり、これらの置換基の有する立体的な
効果に起因すると考えられる。以上のことから実施例1
〜実施例4のいずれの場合にもステレオコンプレックス
(ラセミ結晶)が形成されていることが確認された。こ
れに対して、比較例1の場合には、アモルファスなポリ
マーであるため融点(Tm)を示さなかった。また、比較例
3の場合にも、同様に、アモルファスなポリマーである
ため融点(Tm)を示さなかった。
【0064】<モノマー転化率(Monomer conversion)
の測定結果>実施例1におけるモノマー転化率(Monome
r conversion)に対するMの関係を図4に示す。図
4に示すようにモノマー転化率に対して、Mは直線的
に増加したことから、この反応はリビング的な開環重合
反応であることが確認された。また、これは表1に示す
ようにM/Mの値が小さく、分子量分布が狭いこと
からも確認された。
【0065】<X線回折の測定結果>次に実施例1で得
られたポリラクチドのX線回折の測定結果を図5に示
す。ここで、ポリラクチドのステレオコンプレックス
は、2θ=12°、21°、及び24°に特有のピーク
が検出されることが知られており(Ikada,Y.;Jamshidi,
K.;Tuji,H.;Hyon,S.H.Macromolecules 1987,20,904)、
この点に着目して、図5を見ると、12°、21°、及
び24°のピークが観察されることから、実施例1で得
られたポリラクチドは、ステレオコンプレックスを形成
していることが確認された。図示しないが、実施例2、
実施例3、及び実施例4についても同様に12°、21
°、及び24°にピークが観察され、ステレオコンプレ
ックスを形成していることが確認された。一方、比較例
1、比較例2、及び比較例3は、いずれもこれらのピー
クを観察することはできずステレオコンプレックスを形
成していなかった。このX線回折の結果は、上述のポリ
ラクチドのH−NMRスペクトルの測定結果及びポリ
ラクチドの融点(Tm)の測定結果と一致するものであっ
た。
【0066】本発明は上記記述及び図面によって説明し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができ
る。
【0067】
【発明の効果】本発明の触媒によれば、ラクトンの開環
重合を行ってポリエステルを製造することができ、特に
上述の触媒を使うことによって立体選択的な開環重合を
行うことができる。例えば、ラセミ体ラクチド(rac
−LA)から、一段階で、PDLA及びPLLAが合成
されるのである。そしてこれらのPDLA及びPLLA
は、ステレオコンプレックス(ラセミ結晶)を形成する
ため、ポリマーの熱的安定性を向上させることができ
る。そして、このステレオコンプレックスは、生分解性
の汎用樹脂として、生分解性の工業用プラスチック製品
の素材として、さらに生分解性のエンジニアプラスチッ
クとして、また医療材料等としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す概念図
【図2】触媒の製造方法の一例を示す反応式
【図3】メチン領域のH−NMRスペクトルを示す図
【図4】モノマー転化率(Monomer conversion)に対す
る分子量の関係を示すグラフ
【図5】X線回折の測定結果を示す図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるサレン型金属錯
    体を含有してなるラクトンの開環重合用触媒。 【化1】 (式中R、R、R、R、R、Rは、水素、
    炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ
    基、ハロゲン基、核炭素数6〜18のアリール基、又は
    メトキシメチル基を表し、R、Rは、炭素数1〜6
    のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン
    基、核炭素数6〜18のアリール基、又はメトキシメチ
    ル基を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は
    炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R10は、炭素数
    2〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表し、Mは、Al、
    Fe、又はYを表す。)
  2. 【請求項2】 R及びRが、tert−ブチル基又
    はフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の
    ラクトンの開環重合用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の開環重合用触媒
    の存在下にラクトンを開環重合することを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ラクトンがラセミ体ラクチドである請求
    項3に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の開環重合用触媒
    の存在下にラクトンを開環重合してポリエステルブロッ
    クを生成するとともに、このラクトン以外のモノマーを
    重合して他のブロックを生成することを特徴とするブロ
    ック共重合体の製造方法。
JP2001255190A 2001-08-24 2001-08-24 ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。 Expired - Fee Related JP4770092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001255190A JP4770092B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001255190A JP4770092B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003064174A true JP2003064174A (ja) 2003-03-05
JP4770092B2 JP4770092B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=19083211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001255190A Expired - Fee Related JP4770092B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4770092B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100395276C (zh) * 2005-12-19 2008-06-18 南开大学 羧酸肌酐胍催化合成聚丙交酯及聚丝氨酸吗啉二酮
JP2010260969A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Nagoya Univ 高分子配位子、アルミニウム錯体及びポリラクチドの製造方法
WO2011030766A1 (ja) 2009-09-10 2011-03-17 国立大学法人群馬大学 ポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶の製造方法、ポリ乳酸、その成形体、合成繊維、多孔体およびイオン伝導体
WO2011158905A1 (ja) * 2010-06-17 2011-12-22 日立造船株式会社 ポリ乳酸の製造方法
WO2012065711A1 (en) * 2010-11-18 2012-05-24 Saudi Basic Industries Corporation Process for preparing a polyester
JP2012520322A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 ネーチャーワークス エルエルシー メソラクチド流からの乳酸等価体の回収
US8304490B2 (en) 2004-07-22 2012-11-06 Teijin Limited Polylactic acid and manufacturing process thereof
WO2013039266A1 (en) 2011-09-12 2013-03-21 Hitachi Zosen Corporation Method to produce semi-crystalline polylactides
CN105143303A (zh) * 2013-03-18 2015-12-09 沙特基础工业公司 制备共聚物的方法
CN107033193A (zh) * 2017-06-08 2017-08-11 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱铁化合物、其制备方法及其作为催化剂的应用
CN107417739A (zh) * 2017-06-08 2017-12-01 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱铁化合物、其制备方法及其作为催化剂的应用
CN108912010A (zh) * 2018-08-01 2018-11-30 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱锰化合物、其制备方法及其应用
CN111748085A (zh) * 2020-07-03 2020-10-09 中国科学院长春应用化学研究所 一种生物降解材料多嵌段聚酯及其制备方法
CN113549202A (zh) * 2021-08-24 2021-10-26 濮阳市盛源石油化工(集团)有限公司 一种共聚聚乳酸及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10954335B2 (en) 2018-01-11 2021-03-23 Colorado State University Research Foundation Synthesis of crystalline polymers from cyclic diolides

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05247184A (ja) * 1992-03-03 1993-09-24 Daicel Chem Ind Ltd ラクトン重合体の製造方法
JPH0873574A (ja) * 1994-09-09 1996-03-19 Toyobo Co Ltd 脂肪族ポリエステルおよび/またはその共重合体
JPH0952885A (ja) * 1995-08-09 1997-02-25 Nissan Chem Ind Ltd 光学活性エポキシ化合物の製造方法
JP2000017163A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Shimadzu Corp ポリ乳酸ステレオコンプレックスポリマー組成物
JP2001031615A (ja) * 1999-06-25 2001-02-06 Basf Ag 3,5,5−トリメチルシクロヘキセ−2−エン−1,4−ジオンの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05247184A (ja) * 1992-03-03 1993-09-24 Daicel Chem Ind Ltd ラクトン重合体の製造方法
JPH0873574A (ja) * 1994-09-09 1996-03-19 Toyobo Co Ltd 脂肪族ポリエステルおよび/またはその共重合体
JPH0952885A (ja) * 1995-08-09 1997-02-25 Nissan Chem Ind Ltd 光学活性エポキシ化合物の製造方法
JP2000017163A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Shimadzu Corp ポリ乳酸ステレオコンプレックスポリマー組成物
JP2001031615A (ja) * 1999-06-25 2001-02-06 Basf Ag 3,5,5−トリメチルシクロヘキセ−2−エン−1,4−ジオンの製造方法

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8304490B2 (en) 2004-07-22 2012-11-06 Teijin Limited Polylactic acid and manufacturing process thereof
CN100395276C (zh) * 2005-12-19 2008-06-18 南开大学 羧酸肌酐胍催化合成聚丙交酯及聚丝氨酸吗啉二酮
JP2012520322A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 ネーチャーワークス エルエルシー メソラクチド流からの乳酸等価体の回収
JP2010260969A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Nagoya Univ 高分子配位子、アルミニウム錯体及びポリラクチドの製造方法
WO2011030766A1 (ja) 2009-09-10 2011-03-17 国立大学法人群馬大学 ポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶の製造方法、ポリ乳酸、その成形体、合成繊維、多孔体およびイオン伝導体
US9045601B2 (en) 2009-09-10 2015-06-02 National University Corporation Gunma University Method for producing stereo complex crystals of polylactic acid, polylactic acid, and molded body, synthetic fiber, porous body and ion conductor comprising same
US9056946B2 (en) 2010-06-17 2015-06-16 Hitachi Zosen Corporation Method for producing polylactic acid
JP2012001634A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Hitachi Zosen Corp ポリ乳酸の製造方法
CN103097432A (zh) * 2010-06-17 2013-05-08 日立造船株式会社 聚乳酸的制备方法
WO2011158905A1 (ja) * 2010-06-17 2011-12-22 日立造船株式会社 ポリ乳酸の製造方法
US20120136134A1 (en) * 2010-11-18 2012-05-31 Saudi Basic Industries Corporation Process for preparing a polyester
WO2012065711A1 (en) * 2010-11-18 2012-05-24 Saudi Basic Industries Corporation Process for preparing a polyester
US8933190B2 (en) 2010-11-18 2015-01-13 Saudi Basic Industries Corporation Process for preparing a polyester
CN103282403A (zh) * 2010-11-18 2013-09-04 沙特基础工业公司 制备聚酯的方法
JP2013543037A (ja) * 2010-11-18 2013-11-28 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション ポリエステルを調製するプロセス
EP2756023A1 (en) * 2011-09-12 2014-07-23 Hitachi Zosen Corporation Method to produce semi-crystalline polylactides
EP2756023A4 (en) * 2011-09-12 2015-04-15 Hitachi Shipbuilding Eng Co PROCESS FOR PREPARING SEMICRISTALLINE POLYLACTIDES
JP2013060502A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Hitachi Zosen Corp 半結晶性ポリラクチドの製造方法
WO2013039266A1 (en) 2011-09-12 2013-03-21 Hitachi Zosen Corporation Method to produce semi-crystalline polylactides
US9284403B2 (en) 2011-09-12 2016-03-15 Hitachi Zosen Corporation Method to produce semi-crystalline polylactides
CN105143303A (zh) * 2013-03-18 2015-12-09 沙特基础工业公司 制备共聚物的方法
JP2016512857A (ja) * 2013-03-18 2016-05-09 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション コポリマーを調製する方法
CN107033193A (zh) * 2017-06-08 2017-08-11 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱铁化合物、其制备方法及其作为催化剂的应用
CN107417739A (zh) * 2017-06-08 2017-12-01 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱铁化合物、其制备方法及其作为催化剂的应用
CN107033193B (zh) * 2017-06-08 2019-11-15 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱铁化合物、其制备方法及其作为催化剂的应用
CN108912010A (zh) * 2018-08-01 2018-11-30 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱锰化合物、其制备方法及其应用
CN108912010B (zh) * 2018-08-01 2021-04-06 中国科学院长春应用化学研究所 一种希夫碱锰化合物、其制备方法及其应用
CN111748085A (zh) * 2020-07-03 2020-10-09 中国科学院长春应用化学研究所 一种生物降解材料多嵌段聚酯及其制备方法
CN111748085B (zh) * 2020-07-03 2021-09-21 中国科学院长春应用化学研究所 一种生物降解材料多嵌段聚酯及其制备方法
CN113549202A (zh) * 2021-08-24 2021-10-26 濮阳市盛源石油化工(集团)有限公司 一种共聚聚乳酸及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4770092B2 (ja) 2011-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4770092B2 (ja) ラクトンの開環重合用触媒、ポリエステルの製造方法、及びブロック共重合体の製造方法。
Amgoune et al. Highly active, productive, and syndiospecific yttrium initiators for the polymerization of racemic b-butyrolactone
CN104370951B (zh) 一种四齿氮氧配体的甲基铝配合物及其应用
Liu et al. Ring‐opening polymerization of β‐butyrolactone catalyzed by efficient magnesium and zinc complexes derived from tridentate anilido‐aldimine ligand
CN112079999B (zh) 一种锌催化剂催化环酯开环聚合的方法
Ebrahimi et al. Highly active chiral zinc catalysts for immortal polymerization of β-butyrolactone form melt processable syndio-rich poly (hydroxybutyrate)
Bai et al. β-Pyridylenolate zinc catalysts for the ring-opening homo-and copolymerization of ε-caprolactone and lactides
EP2825526A1 (en) Salen indium catalysts and methods of manufacture and use thereof
CN103936618B (zh) 手性四齿氮锌配合物及其制备方法和应用
Ouyang et al. Synthesis and characterization of dinuclear salan rare-earth metal complexes and their application in the homo-and copolymerization of cyclic esters
JP2016521772A (ja) ポリエステルを調製する方法
JPWO2007145195A1 (ja) ポリ乳酸合成のための有機酸系触媒
CN102268030B (zh) 含氮双酚氧基配体双核铝化合物及其制备方法和应用
CN108137795A (zh) 化合物在聚合反应中的用途
Izzo et al. “Tree‐Shaped” Copolymers Based on Poly (ethylene glycol) and Atactic or Isotactic Polylactides: Synthesis and Characterization
Tian et al. Synthesis of N-methyl-o-phenylenediamine-bridged bis (phenolato) lanthanide alkoxides and their catalytic performance for the (co) polymerization of rac-butyrolactone and L-lactide
Yuan et al. Synthesis and characterization of star polylactide by ring-opening polymerization of L-lactic acid O-carboxyanhydride
Kernbichl et al. Synthesis of lewis acidic, aromatic aminotroponiminate zinc complexes for the ring-opening polymerization of cyclic esters
CN104837888A (zh) 聚合方法
WO2013128175A1 (en) Aluminum salen and salan catalysts for ring-opening polymerisation of cyclic esters
JP5990179B2 (ja) スターポリマーの製造方法
CN101759712A (zh) 新型不对称双脒基铝化合物及其制备方法和应用
Lamberti et al. Ring‐opening polymerization of cyclic esters by pincer complexes derived from alkaline earth metals
EP1948710B1 (fr) Procede de preparation de polyhydroxyalkanoates, polymeres ainsi obtenus, compositions les comprenant, et leurs utilisations
EP1373357A1 (en) Method for preparing biodegradable polyester and itself prepared thereby

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20011214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070706

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070706

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071010

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110606

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4770092

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees