JP2003034720A - 芳香族ポリカーボネートの連続製造法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの連続製造法Info
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Abstract
ールを使用しても微小異物が少なく色相の良好な芳香族
ポリカーボネートを得る。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物およびジアリ
ールカーボネートとして不活性ガスを用いて真空置換さ
れた芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トを115〜220℃に加熱された原料溶解混合槽槽に
移送後、該原料溶解混合槽での反応率を5〜95%の範
囲で調整した後に、鉄含有量20%以上の材質からなる
絶対濾過精度1μm以下のフィルターで濾過し、後工程
に移送し重合する。
Description
ネートの製造方法に関するものである。
性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプ
ラスチックスとして、多くの分野において幅広く用いら
れている。特に最近は、光ディスクの基板材料としての
用途を急速に拡大しつつある。この芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法については、従来種々の重合法の研究が
行われている。その中で、有機溶媒の存在下、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物、例えば2,2′−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAとい
う。)のアルカリ水溶液とホスゲンを反応させる界面重
縮合法は公知である。この方法で用いる有機溶媒はハロ
ゲン系有機溶媒であり、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼンなどが用いられるが、特に塩化メチレンが主に用
いられる。
マーから該有機溶媒を完全に除去することが難しく、残
留する有機溶媒由来のハロゲンによる金型腐食や着色な
どが起こり、後の用途に好ましくない影響を与える。特
に光ディスクの基板として芳香族ポリカーボネートを用
いる場合には、残留するハロゲンは記録膜を腐食しエラ
ーの原因になるという点で致命的な問題となる。その
為、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トとから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法が研
究されている。例えば、ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートを溶融状態でエステル交換し、副生するフ
ェノールを抜き出しながら重合する溶融重縮合法が公知
である。しかしながら、溶融重縮合法は、界面重縮合法
と異なり、溶媒を使用しないなどの利点がある一方、着
色のない良好なカラーのポリマーを得ることが難しい上
に、溶融ポリマーの粘度が高いため、重合後のポリマー
から異物、特に光学的な微小異物を除去することが困難
であるという問題があった。この様な光学的な微小異物
は、光学用途、特に光ディスク等に使用する際、エラー
の原因となるため好ましくない。その為、多くの提案が
なされている。
ポリマーが接する反応容器の材質や反応雰囲気と密接に
関係していることが知られており、特に反応容器として
ステンレススチール製のリアクターを用いた場合、着色
が免れ得ないことが指摘されていた。これを改良するた
めに、例えば、米国特許第4383092号明細書に
は、この着色を防止するために、リアクターの材質とし
てタンタル、ニッケル、またはクロムを用いることが提
案されている。また、特開平4−72327号公報、特
開平4−88017号公報では、各々クロムまたはニッ
ケルを85重量%以上含むリアクター材質、及び鉄が2
0重量%以下のリアクター材質が提案されている。
の着色を改善するものの、ステンレススチールに比べて
入手しにくかったり、施工しにくい等の問題を有してい
る。この様な問題を低減するため、特開平6−3458
60号公報では、反応液と接触する材質として前重合工
程では鉄含量20重量%以下、後重合工程では鉄含量2
0重量%超の材質を用いる方法が開示されている。該公
報の方法により、鉄含量20重量%以下の材質の使用量
は相対的に低下するものの、未だ前重合工程に鉄含量2
0重量%以下の材質を用いている為、前述の問題は完全
には改善されていない。
チールを用いる方法も提案されている。例えば、特開平
4−7328号公報では、ステンレススチールをバフ仕
上げする方法が、特開平4−7329号公報では酸洗す
る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法
では、原料溶解槽を予め加熱しておいた場合には、ポリ
カーボネートの着色や微小異物の生成を充分に防止する
ことはできていなかった。工業的には加熱された溶解槽
や反応槽に原料を移送することが一般に行われており、
これら方法では十分対応できなかった。また、本発明者
は、特開平6−56984号公報において芳香族ヒドロ
キシ化合物を含有する液で洗浄処理したステンレススチ
ール製のリアクターを用いる方法を提案した。このよう
なリアクターにより製品着色の少ない芳香族ポリカーボ
ネートを製造することが可能となったが、20μm以下
の大きさの微小異物の低減に関しては未だ不完全であっ
た。すなわち、反応容器の材質だけでは、溶融重縮合法
での着色と微小異物の両方を低減するという課題は解決
されていないのが現状である。
の着色を防止する方法としては、特開平7−26010
号公報において、エステル交換反応の雰囲気を酸素濃度
を2ppm以下にする方法も提案されている。しかしな
がら、該公報では反応容器としてニッケル製反応器(即
ち鉄含量20重量%以下の材質からなる)を使用してお
り、該原料溶解混合槽を115〜220℃に加熱してポ
リカーボネートを連続的に製造した場合、十分な色相や
微小異物の改良は見られなかった。また、特開平6−3
2887号公報では粉末状の芳香族ジヒドロキシ化合物
と溶融した炭酸ジエステルを酸素の実質的不存在下に溶
融混合する方法が提案されているが、この方法を用い
て、予め115〜220℃に加熱された鉄含量20重量
%以下の材質からなる原料溶解混合槽によってポリカー
ボネートを連続的に製造した場合、十分な色相や微小異
物の改良は見られなかった。
ポリカーボネートを製造するための方法も提案されてい
る。例えば特開平5−239334号公報には、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを触媒の存在下に
溶融重縮合させた後、反応生成物であるポリカーボネー
トが溶融状態にある間に、添加剤を添加し混練し、場合
によっては混練後ポリマーフィルターで濾過することに
よって異物の少ない光学用ポリカーボネートを製造でき
ることが記載されている。しかしながら、芳香族ジヒド
ロキシ化合物とジアリールカーボネートとを溶融混合す
る容器の材質としてステンレススチールを用いた場合、
ポリマーフィルターの目詰まりが頻繁に発生するという
問題があった。また、特開2000−80159号公報
には、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートとの溶融混合物の微小異物を除去するため、フィル
ター材質としてフッ素系樹脂を用いる方法が提案されて
いる。しかしながら、フッ素樹脂系フィルターを用いた
場合には、溶融混合物の温度を170℃以上に挙げられ
ないという問題や、微量の酸性物質が溶出するためその
後の重縮合に影響を与える等の問題があった。
テンレススチールを用いた場合にポリカーボネートの着
色や微小異物を低減する方法が未だないのが現状であ
り、その出現が求められていた。
法により芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、芳
香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートと混
合する溶融混合槽の材質として、特殊な材質を用いるこ
となく汎用のステンレススチールを用いても、着色が少
なく、微小異物も少ない高品質の芳香族ポリカーボネー
トを製造する方法を提供する事を目的とする。
カーボネートの工業的な連続製造法における上記課題を
解決するために、溶融混合槽の材質としてステンレスス
チールを用いた場合の着色と微小異物の生成挙動につい
て鋭意検討を進めた。その結果、着色と微小異物が、予
め加熱されたステンレス製溶融混合槽に芳香族ジヒドロ
キシ化合物とジアリールカーボネートを投入することで
発生し、該発生は予め該溶解混合槽を窒素置換しておい
ても防止することができないことが明らかになった。
ろ、粉体状の芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカ
ーボネートが保持している酸素と予め加熱されている溶
融混合槽のステンレス表面とが着色や微小異物の生成に
深く関わっていること、そして該微小異物がその後の溶
融重縮合過程で成長してより大きな微小異物となり得ら
れたポリカーボネートの品質低下やポリマーフィルター
の寿命を低下させているという驚くべき事実を見い出
し、本発明に到達した。
ロキシ化合物とジアリールカーボネートから、原料溶解
混合槽及び1基以上の重合器を用い溶融状態で重合して
芳香族ポリカーボネートを連続製造するに際し、(a)
原料溶解混合槽及び重合器の接液部が鉄含量20%以上
の材質からなり、(b)芳香族ジヒドロキシ化合物およ
びジアリールカーボネートとして不活性ガスを用いて真
空置換された芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカ
ーボネートを115〜220℃に加熱された原料溶解混
合槽槽に移送後、(c)該原料溶解混合槽での芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートのエステル
交換反応の反応率を5〜95%の範囲で調整した後に、
(d)該溶融混合物を鉄含有量20%以上の材質からな
る絶対濾過精度1μm以下のフィルターで濾過した後、
重合することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの連
続製造法、(2)芳香族ジヒドロキシ化合物として不活
性ガスを用いて真空置換された芳香族ジヒドロキシ化合
物を、ジアリールカーボネートとして溶融状態のジアリ
ールカーボネートを用いることを特徴とする上記(1)
記載の芳香族ポリカーボネートの連続製造法、(3)芳
香族ジヒドロキシ化合物及びジアリールカーボネートと
して、それぞれ溶融状態の芳香族ジヒドロキシ化合物と
ジアリールカーボネートを用いることを特徴とする上記
(1)記載の芳香族ポリカーボネートの連続製造法、
(4)フィルターの絶対濾過精度が0.5μm以下であ
る上記(1)〜(3)記載の芳香族ポリカーボネートの
連続製造法、(5)フィルターの材質がステンレス鋼で
ある上記(1)〜(4)記載の芳香族ポリカーボネート
の連続製造法を提供するものである。
発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、HO−
Ar−OHで示される化合物である(式中、Arは2価
の芳香族基を表す。)。芳香族基Arは、好ましくは例
えば、−Ar1−Y−Ar2−で示される2価の芳香族基
である(式中、Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ
炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳
香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアル
カン基を表す。)。2価の芳香族基Ar1、Ar2におい
て、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない
他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、
アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっ
ても良い。
は、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄
原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。2価の芳香
族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換のフェニ
レン、置換又は非置換のビフェニレン、置換または非置
換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述
のとおりである。2価のアルカン基Yは、例えば、下記
化1で示される有機基である。
に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキ
ル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素
数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜1
1の整数を表し、R5およびR6は、各Xについて個々に
選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6の
アルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2、
R3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反
応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロ
ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によ
って置換されたものであっても良い。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
化2で示されるものが挙げられる。
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびn
は1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれ
ぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4
の場合には各R8はそれぞれ同一でも異なるものであっ
てもよい。) さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1−Z−Ar2−
で示されるものであっても良い。 (式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Zは単結合又は
−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−
COO−、−CON(R1)−などの2価の基を表す。
ただし、R1は前述のとおりである。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
化3で示されるものが挙げられる。
とおりである。) さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換ま
たは非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレ
ン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。本
発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一種
類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキシ
化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げら
れる。本発明で用いられるジアリールカーボネートは、
下記化4で表される。
香族基を表す。) Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族
基を表すが、このAr 3、Ar4において、1つ以上の水
素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニト
ロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar
3とAr4は同じものであっても良いし、異なるものであ
っても良い。
しては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリ
ジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上
の置換基で置換されたものでも良い。好ましいAr3及
びAr4としては、それぞれ例えば、下記化5などが挙
げられる。
ては、下記化6で示される置換または非置換のジフェニ
ルカーボネート類を挙げる事ができる。
原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜
10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜
5の整数で、pが2以上の場合には、各R9はそれぞれ
異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には、
各R10は、それぞれ異なるものであっても良い。) このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフ
ェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t
−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置
換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカー
ボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジア
リールカーボネートである非置換のジフェニルカーボネ
ートが好適である。
で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良
い。芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重
合温度その他の重合条件によって異なるが、ジアリール
カーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
て、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜
2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割
合で用いられる。
ネートの数平均分子量は、通常5000〜100000
の範囲であり、好ましくは5000〜30000の範囲
である。本発明の芳香族ポリカーボネートの製法は、上
記のような芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカー
ボネートとから、原料溶解混合槽及び1基以上の重合器
を用いて、触媒の存在もしくは不存在下で、減圧下およ
び/または不活性ガスフロー下で加熱しながら溶融状態
でエステル交換反応にて重縮合する連続製造方法であ
る。その際、(a)原料溶解混合槽及び重合器の接液部
が鉄含量20%以上の材質からなり、(b)芳香族ジヒ
ドロキシ化合物およびジアリールカーボネートとして不
活性ガスを用いて真空置換された芳香族ジヒドロキシ化
合物とジアリールカーボネートを115〜220℃に加
熱された原料溶解混合槽槽に移送後、(c)該原料溶解
混合槽での反応率を5〜95%の範囲で調整した後に、
(d)該溶融混合物を鉄含有量20%以上の材質からな
る絶対濾過精度1μm以下のフィルターで濾過した後、
重合することを特徴としている。
できるものであれば特にその形式は限定されないが、例
えば攪拌槽型反応器が好ましく用いられる。重合器とし
て例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸
発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反
応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多
孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合
するワイヤー付き多孔板型反応器等を用い、これらを単
独もしくは組み合わせた重合器が用いられる。
は、少なくとも接液部の材質が鉄含量20重量%以上の
材質であり、ステンレス鋼便覧13〜21頁(日刊工業
新聞社発行、第5版)に定義、分類されるような通常ク
ロムを10〜30重量%含む、マルテンサイト系、フェ
ライト系、オーステナイト系、フェライト・オーステナ
イト系等のステンレス鋼や、該便覧547頁の表に示さ
れるようなFe基超合金等があげられる。具体例として
は、SUS201、SUS202、SUS304、SU
S304L、SUS316、SUS316L、SUS3
47、SUS405、SUS430、SUS403、S
US410、SUS431、SUS440C、SUS6
30、インコロイ800、インコロイ801、インコロ
イ802、インコロイ807、インコロイ901、LC
N155、W545、V57、W545、D979、C
G27、S590等があげられる。好ましい具体例とし
てはSUS304、SUS304L、SUS316、S
US316L等があげられ、特に好ましくはSUS31
6Lがあげられる。これら鉄含量20重量%以上の材質
は1種類を用いても構わないが、いくつかを組み合わせ
て用いても良い。
1基以上の重合器を組み合わせた連続製造方法である
が、原料溶解混合槽を複数個用いてバッチ式で溶解し、
切り替えながら連続的に製造する方法も可能である。原
料の芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トは、計量後、予め加温された原料溶解混合槽に移送さ
れるが、芳香族ジヒドロキシ化合物およびジアリールカ
ーボネートとして粉体状のものを使用する際には、予め
不活性ガスを用いて真空置換しておくことが必要であ
る。不活性ガスとしては窒素、アルゴン、炭酸ガス等が
使用できるが、窒素が容易に入手でき好ましい。不活性
ガスによる真空置換回数は、特に限定されないが、芳香
族ジヒドロキシ化合物およびジアリールカーボネートを
保有する容器を真空にした後不活性ガスを投入する操作
を一般に1〜10回程度繰り返して実施される。好まし
くは2〜5回である。また、芳香族ジヒドロキシ化合物
及びジアリールカーボネートのどちらか一方を、もしく
は両方を酸素が除去された溶融状態で原料溶解混合槽に
移送する方法も好ましい。特に芳香族ジヒドロキシ化合
物もしくはジアリールカーボネートの製造工場が隣接す
る場合、配管等で接続して直接原料溶解混合槽に移送す
ることが好ましい。
溶融状態で、粉体状芳香族ジヒドロキシ化合物を不活性
ガスで真空置換した後原料溶解混合槽に移送する方法
が、より低温で溶解でき好ましい。また、本工程で触媒
を添加してもよい。不活性ガス置換が未実施の場合や、
不活性ガス置換が不十分な場合、粉体から微量の酸素が
持ち込まれ、リアクター表面の材質との相互作用によっ
て微小異物が多く発生したり着色が増大して好ましくな
い。原料溶解混合槽での微小異物の増大は後工程のフィ
ルターの寿命を大幅に低下させるため好ましくない。
るが、好ましくは120〜200℃、さらに好ましくは
140〜190℃の範囲にある。該温度は原料移送から
排出まで一定温度に調節してもよいし、原料移送時に低
温にしておき、その後昇温してもよい。工業的な連続製
造を実施する場合には、特に一定温度に保持することが
好ましい。上記温度より低い場合には溶解に時間がかか
ると共に反応率の上昇が少なく好ましくない。上記温度
より高い場合には着色と微小異物が増大し好ましくな
い。また、原料溶解混合槽での微小異物の増大は後工程
のフィルターの寿命を大幅に低下させるため好ましくな
い。
シ化合物とジアリールカーボネートとを単に溶解混合す
るだけでなく、エステル交換反応させることが必要であ
る。反応率としては5〜95%の範囲で調整し、好まし
くは30〜92%、特に好ましくは50〜90%の範囲
で調整した後、後工程、すなわち貯槽や第1重合器に移
送する。反応率が上記範囲より低い場合には、未反応の
芳香族ジヒドロキシ化合物やジアリールカーボネートが
後重合工程で飛散しやすくなり、末端基比率や分子量の
コントロールが難しくなり好ましくない。上記範囲より
高い場合には、粘度が高くなるため、原料溶解混合槽か
らの抜き出しが難しくなり好ましくない。また、後工程
でのフィルターの圧損が大きくなるためフィルターの寿
命が低下して好ましくない。また、反応の進行にともな
って、芳香族モノヒドロキシ化合物が生成してくるが、
本原料溶解混合槽では積極的に除去しない方が好まし
い。その場合、原料溶解混合槽での反応率が飽和するの
で、反応率の調節が容易となり好ましい。
後工程に移送されて連続的に芳香族ポリカーボネートに
重合される前に鉄含有量20%以上の材質からなる絶対
濾過精度1μm以下のフィルターで濾過することが必要
である。フィルターは、一般的に補集機構上、フィルタ
ー内の開孔部に粒子などの固形分を接触付着して補集す
るデプスタイプとフィルター表面でのふるい分けにより
固形分を補集するスクリーンタイプに分類される。一般
に、フッ素系樹脂メンブレンフィルターに代表されるス
クリーンタイプのフィルターは補修面が表面しかないた
め寿命が短い欠点があり、本発明においては焼結フィル
ターやリーフフィルター、キャンドルタイプ等のデプス
タイプが好ましく用いられる。材質としてはステンレス
鋼が好ましい。
(孔径)は、原料溶解混合槽で生成した微小異物がその
後の重合工程で大きな異物に成長して最終製品の品質を
低下したり、重合後の最終フィルターの寿命を低下させ
たりする影響するので、1.0μm以下であることが必
要である。特に、濾過精度0.5μm以下、好ましくは
特に0.2μm以下のフィルターを用いることが望まし
い。本発明において、重合温度は、通常100〜350
℃、好ましくは150〜290℃の温度の範囲で選ばれ
る。反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化
合物が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事に
よって反応速度が高められる。従って、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応
に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、生成し
てくる該芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに
同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法な
どが好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、分子量
によっても異なり、重合初期には10mmHg〜常圧の
範囲が好ましく、重合後期には、20mmHg以下、特
に10mmHg以下が好ましく、2mmHg以下とする
ことが更に好ましい。
る事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて
触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野
で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化
ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニ
ウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシ
ウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素
化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシ
ド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシ
ド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(A
rはアリール基)などのアルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシ
ウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜
鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ
酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリ
ブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1R2R3R4)NB
(R1R2R3R4)で表されるアンモニウムボレート類、
(R1R2R3R4)PB(R1R2R3R4)で表されるホス
ホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記化1の
説明通りである。)などのホウ素の化合物類;酸化ケイ
素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラ
アリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素
などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲ
ルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフ
ェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、
ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレ
ート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアル
コキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、
有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸
鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシ
ドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アン
モニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウ
ム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸ア
ンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、
炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物
類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロ
キシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸
化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリ
ーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジル
コニウム化合物類などの触媒を挙げる事ができる。
けで用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても
良い。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジ
ヒドロキシ化合物100重量部に対して、通常10-8〜
1重量部、好ましくは10-7〜10-1重量部の範囲で選
ばれる。本発明において、原料溶融混合物や重合途中ま
たは重合終了後の溶融ポリマーを移送する配管の接液部
の材質は特に限定されないが、重合器と同様に、入手の
容易さ、施工の容易さから鉄含量20重量%以上である
事が好ましい。
ポンプ等の接液部は、使用前にAr 4OHで示される芳
香族モノヒドロキシ化合物を含有する液で洗浄処理され
ていることが好ましい(式中、Ar4は、前記Ar2、A
r3と同じである。)。好ましいAr4の具体例として
は、前記化5等が挙げられる。特に最も簡単な構造であ
るフェノールが好適である。芳香族モノヒドロキシ化合
物を含有する液とは、芳香族モノヒドロキシ化合物を重
量で10ppm〜100%、好ましくは100ppm〜
100%、更に好ましくは1000ppm〜100%含
有する液である。配管を洗浄する温度に特に制限はない
が、通常20〜300℃、好ましくは100〜250℃
である。また、配管を洗浄する時間にも特に制限はない
が、通常数分〜数100時間、好ましくは1〜100時
間の範囲である。洗浄処理する圧力は減圧、常圧、加圧
のいずれも可能である。洗浄処理はバッチ方式、連続方
式のいずれでも実施できる。このような洗浄処理が、配
管の接液部だけでなく重合器の接液部にも施されること
は、特に好ましい方法である。
ボネートの異物を低減させるためのフィルターは必ずし
も必要ではないが、設置しても構わない。特に好ましい
のは数平均分子量があまり高まっていない状態の溶融ポ
リマー中の異物をフィルターによって除去する方法であ
る。製造された数平均分子量の高い芳香族ポリカーボネ
ート中の異物をポリマーフィルター等によって除去して
も構わないが、押出機の負荷を高めない範囲で実施する
ことが好ましい。本発明の方法によれば異物の発生量を
低減させることができるので、フィルターの寿命を伸ば
したり押出機の負荷を高めたりさせない事が可能であ
る。また、重合後、芳香族ポリカーボネートが溶融状態
にある間に安定剤、添加剤等を添加するための装置とし
て、押出機やポリマーミキサー等を重合器と組み合わせ
て用いることも好ましい方法である。
に説明する。なお、分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量
(以下、Mnと略す。)である。カラーは、CIELA
B法により試験片厚み3.2mmで測定し、黄色度をb
*値で示した。0.2μmから20μmの範囲の微小異
物の量は、ハイアックロイコ社製の異物測定器により測
定した。芳香族ポリカーボネートプレポリマー中の芳香
族ジヒドロキシ化合物の反応率は、該プレポリマー中の
芳香族ジヒドロキシ化合物濃度を、高速液体クロマトグ
ラフィーにより測定することによって求めた。
カーボネートを製造した。原料溶解混合槽3a、3bは
バッチ的に交互に運転し、貯槽10以降は連続的に運転
した。原料溶解混合槽3a、3b及び撹拌槽型重合器1
7、26は、いずれも攪拌翼を備えており、接液部の材
質はSUS316Lである。貯槽10の接液部の材質も
SUS316Lである。フィルター52は絶対濾過精度
が0.2μmのSUS316製フィルター(富士フィル
ター製ラインフィルター60mmφ×260mm、濾過
面積0.12m2)である。横型二軸攪拌型重合器35
は、L/D=6で回転直径140mmの二軸の攪拌羽根
を有しており、接液部の材質はSUS316Lである。
ワイヤ付多孔板型重合器42は、孔径5mmの孔を50
個有する多孔板43を備えており、接液部の材質はSU
S316Lである。孔の中心から鉛直に1mm径のSU
S316L製ワイヤ44を重合器下部の液溜まで垂らし
てあり、落下する高さは8mである。各溶融混合槽及び
重合器間をつなぐ移送配管7、13、15、24、3
3、40、50の接液部の材質はいずれもSUS316
Lである。各混合槽、重合器、貯槽、フィルター及び全
ての移送配管の接液部は重合に先立ちフェノールで15
0℃で洗浄されている。
80℃、反応圧力常圧、シール窒素(酸素濃度0.5p
pm)ガス流量1リットル/hrの条件である。原料溶
解混合槽3aに、50mmHgで真空窒素置換を5回し
たビスフェノールA粉体とジフェニルカーボネート粉体
(対ビスフェノールAモル比1.10)を80Kgと、
水酸化ナトリウム7mgを仕込み5時間溶融混合し、溶
融混合物を全量、移送配管7aから移送貯槽10に移送
した。溶融混合物は数平均分子量が350の溶融ポリマ
ーであり、反応率は82%であった。同様に原料溶解混
合槽3bで原料を溶解混合し、貯槽10の溶融ポリマー
がなくなる前に貯槽10に移送した。原料溶解混合槽3
a,3bは交互に溶解混合及び移送を繰り返した。貯槽
10は、常圧、180℃に保たれている。貯槽10に移
送された溶融ポリマーは、10kg/hrで、180℃
に保たれているフィルターを経由して連続に攪拌槽型第
1重合器17に供給した。
6℃、反応圧力100mmHgの条件であり、溶融ポリ
マーの液容量が20リットルに達したら、液容量20リ
ットルを一定に保つように攪拌槽型第2重合器26に数
平均分子量850の溶融ポリマーを連続に供給した。攪
拌槽型第2重合器26は、反応温度250℃、反応圧力
6mmHgの条件であり、溶融ポリマーの液容量が20
リットルに達したら、液容量20リットルを一定に保つ
ように横型二軸攪拌型重合器35に数平均分子量240
0の溶融ポリマーを連続に供給した。横型二軸攪拌型重
合器35では、反応温度265℃、反応圧力1.0mm
Hgの条件であり、溶融ポリマーの液容量が10リット
ルに達したら、液容量10リットルを一定に保つように
ワイヤ付多孔板型重合器42に数平均分子量4500の
溶融ポリマーを供給した。ワイヤ付多孔板型重合器42
では、反応温度260℃、反応圧力0.8mmHgの条
件であり、重合器下部の溶融ポリマーの液容量が20リ
ットルに達したら、液容量20リットルを保つように、
移送配管50を経て抜き出し口51より数平均分子量7
000の芳香族ポリカーボネートを抜き出した。運転開
始から300時間後、ワイヤ付多孔板型重合器42から
排出された芳香族ポリカーボネートのカラーb*値は、
2.8と良好であり、0.2μmから20μmの範囲の
微小異物の量は2540個/gと少なかった。また、運
転は3000時間継続したが、フィルターの目詰まりも
なく数平均分子量7000±50の芳香族ポリカーボネ
ートを安定して製造できた。
カーボネートを真空窒素置換しない以外は、実施例1と
全く同様に芳香族ポリカーボネートを製造した。300
時間安定に運転できたが、300時間後にワイヤ付多孔
板型重合器42から排出された芳香族ポリカーボネート
の分子量が6900,カラーb*値は4.1、及び0.
5μmから20μmの範囲の微小異物量は20200個
/gであり、低品質のものであった。また、連続運転8
00時間でフィルターの目詰まりが発生した。
以外は、実施例1と全く同様に芳香族ポリカーボネート
を製造した。溶融混合物の反応率は4%であった。30
0時間運転を継続したが、ワイヤ付多孔板型重合器42
から排出された芳香族ポリカーボネートのカラーb*値
は、2.8と良好であり、0.2μmから20μmの範
囲の微小異物の量は3360個/gと少なかったが、数
平均分子量が2500〜7700の間で変動し、安定に
は運転できなかった。
以外は、実施例1と全く同様に芳香族ポリカーボネート
を製造した。溶融混合物の反応率は90%であった。3
00時間安定に運転できたが、300時間後にワイヤ付
多孔板型重合器42から排出された芳香族ポリカーボネ
ートの分子量は7100、カラーb*値は3.5、及び
0.5μmから20μmの範囲の微小異物量は1860
0個/gであり、低品質のものであった。また、約60
0時間後にフィルターの目詰まりが発生した。
ボネート製造工程の貯槽から溶融状態のまま配管で原料
溶解混合槽3a,3bに供給する以外は、実施例1と全
く同様に芳香族ポリカーボネートを製造した。300時
間後にワイヤ付多孔板型重合器42から排出された芳香
族ポリカーボネートの分子量は7050,カラーb*値
は2.7と良好であり、0.5μmから20μmの範囲
の微小異物の量は1200個/gと少なかった。また、
運転は3000時間継続したが、フィルターの目詰まり
もなく安定して芳香族ポリカーボネートを製造できた。
工程から、ジフェニルカーボネートをジフェニルカーボ
ネート製造工程の貯槽から溶融状態のまま配管で原料溶
解混合槽3a,3bに供給する以外は、実施例1と全く
同様に芳香族ポリカーボネートを製造した。300時間
後にワイヤ付多孔板型重合器42から排出された芳香族
ポリカーボネートの分子量は6900,カラーb*値
は、2.8と良好であり、0.5μmから20μmの範
囲の微小異物の量は、1250個/gと少なかった。ま
た、運転は3000時間継続したが、フィルターの目詰
まりもなく安定して芳香族ポリカーボネートを製造でき
た。
−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンを用いる他は、実施例1と全く同様に
して芳香族ポリカーボネートを製造した。300時間後
にワイヤ付多孔板型重合器42から排出された芳香族ポ
リカーボネートの数平均分子量は6500,カラーb *
値は3.0と良好であり、0.2μmから20μmの範
囲の微小異物の量は3180個/gと少なかった。ま
た、運転は3000時間継続したが、フィルターの目詰
まりもなく安定して芳香族ポリカーボネートを製造でき
た。
と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。30
0時間後にワイヤ付多孔板型重合器42から排出された
芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は7000,カ
ラーb*値は3.0と良好であったが、0.2μmから
20μmの範囲の微小異物の量は131800個/gと
多かった。
ッ素樹脂製メンブレンフィルター(日本ポール製濾過面
積0.12m2)を使用する以外は実施例1と同様にし
て芳香族ポリカーボネートを製造した。開始後50時間
までは分子量が上昇せず、不安定な運転であった。ま
た、240時間後にはフィルターが目詰まりしたため運
転を停止した。
以外は、実施例1と全く同様に芳香族ポリカーボネート
を製造した。溶融混合物の反応率は48%であった。3
00時間運転を継続したが、ワイヤ付多孔板型重合器4
2から排出された芳香族ポリカーボネートのカラーb*
値は、2.9と良好であり、0.2μmから20μmの
範囲の微小異物の量は2700個/gと少なかった。ま
た、運転は3000時間継続したが、数平均分子量の変
動が7200±150とやや大きいものもの、フィルタ
ーの目詰まりもなく芳香族ポリカーボネートを製造でき
た。
の芳香族ポリカーボネートを、特殊な配管材質を用いず
に製造する事ができる。
送配管 8、16、25、34、41 供給口 10 貯槽 14、23、32、38、49 移送ポンプ 17 攪拌槽型第1重合器 22、31、45 ガス供給口 26 攪拌槽型第2重合器 35 横型二軸攪拌型重合器 42 ワイヤ付多孔板型重合器 43 多孔板 44 ワイヤ 51 製品排出口 52 フィルター
Claims (5)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール
カーボネートから、原料溶解混合槽及び1基以上の重合
器を用い溶融状態で重合して芳香族ポリカーボネートを
連続製造するに際し、(a)原料溶解混合槽及び重合器
の接液部が鉄含量20%以上の材質からなり、(b)芳
香族ジヒドロキシ化合物およびジアリールカーボネート
として不活性ガスを用いて真空置換された芳香族ジヒド
ロキシ化合物とジアリールカーボネートを115〜22
0℃に加熱された原料溶解混合槽槽に移送後、(c)該
原料溶解混合槽での芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリ
ールカーボネートのエステル交換反応の反応率を5〜9
5%の範囲で調整した後に、(d)該溶融混合物を鉄含
有量20%以上の材質からなる絶対濾過精度1μm以下
のフィルターで濾過した後に重合することを特徴とする
芳香族ポリカーボネートの連続製造法。 - 【請求項2】 芳香族ジヒドロキシ化合物として不活性
ガスを用いて真空置換された芳香族ジヒドロキシ化合物
を、ジアリールカーボネートとして溶融状態のジアリー
ルカーボネートを用いることを特徴とする請求項1記載
の芳香族ポリカーボネートの連続製造法。 - 【請求項3】 芳香族ジヒドロキシ化合物及びジアリー
ルカーボネートとして、それぞれ溶融状態の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とジアリールカーボネートを用いること
を特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの
連続製造法。 - 【請求項4】 フィルターの絶対濾過精度が0.5μm
以下である請求項1〜3記載の芳香族ポリカーボネート
の連続製造法。 - 【請求項5】 フィルターの材質がステンレス鋼である
請求項1〜4記載の芳香族ポリカーボネートの連続製造
法。
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