JP2008037983A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の反応器を接続した製造装置で高融点化物が低減された芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供すること。
【解決手段】芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、好ましくは竪型反応器を含む複数の反応器を用いて芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、少なくとも1基の反応器における反応液温度T(℃)と、この反応器に続く反応器における反応液温度T(℃)とがT<T(式1)を満たす芳香族ポリカーボネートの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関し、より詳しくは、異物の発生を低減した芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
従来、芳香族ポリカーボネートの製造方法としては、ビスフェノールA等のビスフェノール類とホスゲンとを直接反応させる方法(界面法)、ビスフェノールA等のビスフェノール類とジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合反応させる方法(溶融法)が知られている。中でも、エステル交換反応による溶融法は、界面法と比較して安価に芳香族ポリカーボネートを製造することができるという利点を有している。
エステル交換反応による溶融法は、通常、予め調製された原料混合物を、エステル交換反応触媒の存在下、複数の反応器を用いて多段階の重縮合工程を経て行われる(特許文献1参照)。
溶融法による芳香族ポリカーボネートはこれまでも多くの例が報告されている。例えば、反応器におけるポリマー温度と加熱媒体の温度差を、生成した芳香族ポリカーボネートの極限粘度[η]が0.2以下のときは100℃以下とし、[η]が0.2を越え0.35以下のときは80℃以下とし、[η]が0.35を越えるときは50℃以下とする方法(特許文献2参照)、最終反応器出口のポリマー粘度を測定値に基づき、反応器の温度や圧力を予め組み込まれたプログラムに従い変化させて自動制御する方法(特許文献3参照)、高分子量の溶融ポリマーを移送する配管の外壁面温度と重合器内の溶融ポリマーの温度との差が、−3℃以上50℃以下の範囲にあるようにする方法(特許文献4参照)が挙げられる。
また、不活性ガスを用いて真空置換された芳香族ジヒドロキシ化合物及びジアリールカーボネートを115〜220℃に加熱した原料溶解混合槽に移送して反応率を5〜95%の範囲に調整し、その後に、後工程に移送して重合する方法(特許文献5、特許文献6参照)、ポリカーボネートプレポリマーを調製後、複数のプレポリマーの水酸基末端比率を制御する工程を経て、さらに後重合工程で複数の分子量の異なるポリカーボネートを同時に連続製造する方法(特許文献7参照)、1つの前期重合工程と複数の後期重合工程とを組み合わせる製造方法(特許文献8参照)が挙げられる。
さらに、反応器材の表面温度を230℃以上の温度にし、重縮合反応の途中段階で生成するポリカーボネートの低次重縮合物の結晶化を抑制する製造方法(特許文献9参照)等が挙げられる。
特開平05−239334号公報 特開平06−065365号公報 特開平06−065366号公報 特開平10−330474号公報 特開2003−034719号公報 特開2003−034720号公報 特開2003−192782号公報 特開2004−026916号公報 特開2000−198839号公報
ところで、複数の竪型反応器を接続した製造装置を用いて芳香族ポリカーボネートを製造する際には、長期間の連続運転中に、還流量減少により自己洗浄性が不足するためか、後段に接続した反応器において、反応器気相部等に飛散・付着したポリマーが熱履歴を受けて高融点化物が生成することがある。
このような高融点化物が反応液中に混入すると、反応液を抜き出すギヤポンプが閉塞したり、芳香族ポリカーボネート製品中に異物が混入したり等のトラブルが発生する原因となることから、対策が必要とされている。
本発明は、このような溶融法による芳香族ポリカーボネートの製造における課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、溶融法による芳香族ポリカーボネートの製造において、高融点化物が低減された芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供することにある。
かくして本発明によれば、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、複数の反応器を用いて芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、少なくとも1基の反応器における反応液温度T(℃)と反応器に続く反応器における反応液温度T(℃)とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法が提供される。
<T 式(1)
ここで、かかる芳香族ポリカーボネートの製造方法において、複数の反応器の少なくとも1基が竪型反応器であることが好ましい。
また、反応液温度がT(℃)の反応器が竪型反応器であることが好ましい。
さらに、かかる芳香族ポリカーボネートの製造方法において、反応液温度T(℃)と反応液温度T(℃)とが、さらに下記式(2)を満たすことが好ましい。
260℃<T<T<280℃ 式(2)
また上述した反応液温度T(℃)の反応器におけるポリマーの粘度平均分子量が4,000〜14,000であることが好ましい。
さらに、複数基の反応器を接続する場合、竪型反応器が、直列に接続した複数基の反応器の中の最後尾に接続するものであり、この竪型反応器に続く反応器が横型反応器であることが好ましい。
本発明によれば、高融点化物が低減された芳香族ポリカーボネートを製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(芳香族ポリカーボネート)
本発明において、芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応に基づく溶融重縮合により製造される。
以下、原料として芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを用い、エステル交換触媒の存在下、連続的に溶融重縮合反応を行うことにより、芳香族ポリカーボネートを製造する方法について説明する。
(芳香族ジヒドロキシ化合物)
本実施の形態において使用する芳香族ジヒドロキシ化合物としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008037983
ここで、一般式(1)において、Aは、単結合または置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO−で示される2価の基である。X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。p及びqは、0又は1の整数である。尚、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノ−ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」、以下、BPAと略記することがある。)が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(炭酸ジエステル)
本実施の形態において使用する炭酸ジエステルとしては、下記一般式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008037983
ここで、一般式(2)中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基である。2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。
なお、A’上の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などが例示される。
炭酸ジエステルの具体例としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。
これらの中でも、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと略記することがある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。
代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを含む。以下同じ。)は、ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられる。
即ち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、炭酸ジエステル1.01〜1.30、好ましくは1.02〜1.20のモル比で用いられる。モル比が過度に小さいと、得られる芳香族ポリカーボネートの末端OH基が多くなり、樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。また、モル比が過度に大きいと、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有する芳香族ポリカーボネートの生産が困難となる傾向となる他、樹脂中の炭酸ジエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となることがあり、好ましくない。
(エステル交換触媒)
本実施の形態において使用するエステル交換触媒としては、通常、エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際に用いられる触媒が挙げられ、特に限定されない。一般的には、例えば、アルカリ金属化合物、ベリリウム又はマグネシウム化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。
これらのエステル交換触媒の中でも、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。これらのエステル交換触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
エステル交換触媒の使用量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10−9〜1×10−1モル、好ましくは1×10−7〜1×10−2モルの範囲で用いられる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物;アルカリ金属のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機アルカリ金属化合物等が挙げられる。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。
これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが好ましい。
ベリリウム又はマグネシウム化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物;これらの金属のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。ここで、アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。
塩基性ホウ素化合物としては、ホウ素化合物のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。ここで、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
(芳香族ポリカーボネートの製造方法)
次に、芳香族ポリカーボネートの製造方法について説明する。
芳香族ポリカーボネートの製造は、原料である芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル化合物の混合物を調製し(原調工程)、これらの化合物を、エステル交換反応触媒の存在下、溶融状態で複数の反応器を用いて多段階で重縮合反応をさせる(重縮合工程)ことによって行われる。反応方式は、バッチ式、連続式、又はバッチ式と連続式の組合せのいずれでもよい。反応器は、複数基の竪型反応器及びこれに続く少なくとも1基の横型反応器が用いられる。通常、これらの反応器は直列に設置され、連続的に処理が行われる。
重縮合工程後、反応を停止させ重合反応液中の未反応原料や反応副生物を脱揮除去する工程や、熱安定剤、離型剤、色剤等を添加する工程、芳香族ポリカーボネートを所定の粒径のペレットに形成する工程などを適宜追加してもよい。
次に、製造方法の各工程について説明する。
(原調工程)
芳香族ポリカーボネートの原料として使用する芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとは、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、バッチ式、半回分式または連続式の撹拌槽型の装置を用いて、溶融混合物として調製される。溶融混合の温度は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを用い、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを用いる場合は、通常20℃〜180℃、好ましくは125℃〜160℃の範囲から選択される。
この際、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの割合は、炭酸ジエステルが過剰になるように調整され、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルは通常1.01モル〜1.30モル、好ましくは1.02モル〜1.20モルの割合になるように調整される。
(重縮合工程)
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル交換反応による重縮合は、通常、2段階以上、好ましくは3段〜7段の多段方式で連続的に行われる。具体的な反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜0.01Torr(1.3Pa)、平均滞留時間:5分〜150分の範囲である。
多段方式の各反応器においては、重縮合反応の進行とともに副生するフェノールをより効果的に系外に除去するために、上記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。尚、得られる芳香族ポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、短滞留時間の設定が好ましい。
重縮合工程を多段方式で行う場合は、通常、竪型反応器を含む複数基の反応器を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量を増大させる。反応器は通常3基〜6基、好ましくは4基〜5基設置される。
ここで、反応器としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等が用いられる。
竪型反応器の撹拌翼の形式としては、例えば、タービン翼、パドル翼、ファウドラー翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼(日立製作所(株)製)等が挙げられる。
また、横型反応器とは、攪拌翼の回転軸が横型(水平方向)であるものをいう。横型反応器の攪拌翼としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの撹拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、あるいはメガネ翼、格子翼(日立製作所(株)製)等の二軸タイプの撹拌翼が挙げられる。
尚、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との重縮合に使用するエステル交換触媒は、通常、予め水溶液として準備される。触媒水溶液の濃度は特に限定されず、触媒の水に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整される。また、水に代えて、アセトン、アルコール、トルエン、フェノール等の他の溶媒を選択することもできる。
触媒の溶解に使用する水の性状は、含有される不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましく用いられる。
(製造装置)
次に、図面に基づき、本実施の形態が適用される芳香族ポリカーボネートの製造方法の一例を具体的に説明する。
図1は、芳香族ポリカーボネートの製造装置の一例を示す図である。図1に示す製造装置において、芳香族ポリカーボネートは、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル化合物を調製する原調工程と、これらの原料を溶融状態で複数の反応器を用いて重縮合反応させる重縮合工程とを経て製造される。
その後、反応を停止させ重合反応液中の未反応原料や反応副生物を脱揮除去する工程(図示せず)や、熱安定剤、離型剤、色剤等を添加する工程(図示せず)、芳香族ポリカーボネートを所定の粒径のペレットに形成する工程(図示せず)を経て、芳香族ポリカーボネートのペレットが成形される。
原調工程においては、直列に接続した第1原料混合槽2a及び第2原料混合槽2bと、調製した原料を重縮合工程に供給するための原料供給ポンプ4aとが設けられている。第1原料混合槽2aと第2原料混合槽2bとには、例えばアンカー型攪拌翼3a,3bがそれぞれ設けられている。
また、第1原料混合槽2aには、DPC供給口1a−1から、炭酸ジエステルであるジフェニルカーボネート(以下、DPCと記載することがある。)が溶融状態で供給され、BPA供給口1bからは、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノールA(以下、BPAと記載することがある。)が粉末状態で供給され、溶融したジフェニルカーボネートにビスフェノールAが溶解する。
次に、重縮合工程においては、直列に接続した第1竪型反応器6a、第2竪型反応器6b及び第3竪型反応器6cと、第3竪型反応器6cの後段に直列に接続した第4横型反応器9aとが設けられている。第1竪型反応器6a、第2竪型反応器6b及び第3竪型反応器6cには、マックスブレンド翼7a,7b,7cがそれぞれ設けられている。また、第4横型反応器9aには、攪拌翼10aが設けられている。
尚、4基の反応器には、それぞれ重縮合反応により生成する副生物等を排出するための留出管8a,8b,8c,8dが取り付けられている。留出管8a,8b,8c,8dは、それぞれ凝縮器81a,81b,81c,81dに接続し、また、各反応器は、減圧装置82a,82b,82c,82dにより、所定の減圧状態に保たれる。
図1に示す芳香族ポリカーボネートの製造装置において、窒素ガス雰囲気下、所定の温度で調製されたDPC溶融液と、窒素ガス雰囲気下計量されたBPA粉末とが、それぞれDPC供給口1a−1とBPA供給口1bから第1原料混合槽2aに連続的に供給される。第1原料混合槽2aの液面が移送配管中の最高位と同じ高さを超えると、原料混合物が第2原料混合槽2bに移送される。
次に、原料混合物は、原料供給ポンプ4aを経由して第1竪型反応器6aに連続的に供給される。また触媒として、水溶液状の炭酸セシウムが、原料混合物の移送配管途中の触媒供給口5aから連続的に供給される。
第1竪型反応器6aでは、窒素雰囲気下、例えば、温度220℃、圧力13.33kPa(100Torr)、マックスブレンド翼7aの回転数を160rpmに保持し、副生したフェノールを留出管8aから留出させながら平均滞留時間60分になるように液面レベルを一定に保ち、重縮合反応が行われる。
次に、第1竪型反応器6aより排出された重合反応液は、引き続き、第2竪型反応器6b、第3竪型反応器6c、第4横型反応器9aに順次連続供給され、重縮合反応が進行する。各反応器における反応条件は、重縮合反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるようにそれぞれ設定される。重縮合反応の間、各反応器における平均滞留時間は、例えば、60分程度になるように液面レベルを制御し、また各反応器においては、副生するフェノールが留出管8b,8c,8dから留出される。
尚、本実施の形態においては、第1竪型反応器6aと第2竪型反応器6bとにそれぞれ取り付けられた凝縮器81a,81bからは、フェノール等の副生物が連続的に液化回収される。また、第3竪型反応器6cと第4横型反応器9aとにそれぞれ取り付けられた凝縮器81c,81dにはコールドトラップ(図示せず)が設けられ、副生物が連続的に固化回収される。
本実施の形態では、図1に示す製造装置において、直列に接続した3基の竪型反応器(第1竪型反応器6a,第2竪型反応器6b,第3竪型反応器6c)の中、少なくとも、最後尾に接続した第3竪型反応器6cと、これに続く第4横型反応器9aにおける重縮合の際に、以下の式(1)の関係を満たす条件で芳香族ポリカーボネートの製造が行われる。
<T 式(1)
式(1)において、Tは第3竪型反応器6cにおける反応液温度である(単位:℃)。また、Tは第4横型反応器9aにおける反応液温度である(単位:℃)。
ここで、第3竪型反応器6cにおける反応液温度Tを第4横型反応器9aにおける反応液温度Tより高温(T<T)に設定することにより、第3竪型反応器6cにおける高融点化物の発生を低減し、安定した製造運転を行うことができる。また、最終的に得られる芳香族ポリカーボネート製品中に混入する異物が大幅に低減される。
このとき、第3竪型反応器6cにおける反応液温度Tは、通常、240℃〜300℃、好ましくは、260℃〜280℃である。第4横型反応器9aにおける反応液温度Tは、通常、240℃〜300℃、好ましくは、260℃〜280℃である。
即ち、第3竪型反応器6cと、これに続く第4横型反応器9aにおける重縮合の際に、さらに以下の式(2)の関係を満たす条件で芳香族ポリカーボネートの製造を行うことが好ましい。
260℃<T<T<280℃ 式(2)
ここで、第3竪型反応器6cにおける反応液温度Tが過度に高温の場合は、得られるポリマーの色調が悪化(黄着色)する傾向がある。また、第4横型反応器9aにおける反応液温度Tが過度に低温の場合は、ポリマーの溶融粘度が高いため、流動性が悪化し、反応器内部での長期滞留・付着が起こりやすくなり、結晶化異物の生成が多くなる傾向がある。
この場合、第3竪型反応器6cにおいて生成するポリマーの粘度平均分子量(Mv)は、4,000〜14,000程度である場合に、第3竪型反応器6c及び第4横型反応器9aにおける芳香族ポリカーボネートの運転を、上述した式(1)または式(2)の条件を満たすように行うことが望ましい。反応液の粘度平均分子量(Mv)が上述した範囲内である場合、第3竪型反応器6cにおける高融点化物の発生を低減する効果が大きい。
ここで、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃で測定した極限粘度[η](単位:dl/g)に基づき、以下の式より求められる。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
尚、極限粘度「η」は、20℃における塩化メチレン希釈溶液の比粘度(ηsp/C)と、塩化メチレン希釈溶液の濃度(C)と、をプロットして得られた直線の濃度(C)を0に外挿した切片である。
上述した製造条件を満たすことにより、最終的に、粘度平均分子量(Mv)が15,000程度の、色相に優れ、且つ光学用ポリカーボネートとして有用な芳香族ポリカーボネートを製造することができる。
尚、ここでは、図1に示す芳香族ポリカーボネートの製造装置において、第3竪型反応器6c及び第4横型反応器9aにおける式(1)または式(2)の適用について詳細に説明したが、式(1)または式(2)の関係は、この反応器の組み合わせに限定されず、例えば、第1竪型反応器6aと第2竪型反応器6b、第2竪型反応器6bと第3竪型反応器6cにおける重縮合反応にも適用することができる。
尚、本実施の形態が適用される芳香族ポリカーボネートの製造方法では、図1に示すように、重縮合工程で攪拌機を備えた複数の竪型反応器と横型反応器を直列に接続した製造装置を使用する場合、3基の竪型反応器の中でも、少なくとも最後尾に接続した第3竪型反応器6cとこれに続く第4横型反応器9aにおいて、前述した式(1)または式(2)の関係を満たす条件で芳香族ポリカーボネートの製造を行うことが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で使用する芳香族ポリカーボネートの分析は、以下の測定法により行った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
溶媒として塩化メチレンを使用し、20℃でウベローデ粘度計を用いて測定した芳香族ポリカーボネート(試料)の極限粘度[η]に基づき以下の式より求めた。
(ηsp/C)=〔η〕×(1+0.28ηsp
〔η〕=1.23×10−4×(Mv)0.83
(式中、ηspは芳香族ポリカーボネートの塩化メチレン溶液について20℃で測定した比粘度であり、Cは塩化メチレン溶液の濃度である。塩化メチレン溶液としては、芳香族ポリカーボネートの濃度0.6g/dlのものを用いる。)
尚、極限粘度「η」は、20℃における比粘度(ηsp/C)の測定値と塩化メチレン希釈溶液の濃度(C)とをプロットして得られた直線の濃度(C)を0に外挿した切片である。
(2)色相(YI)
130℃で、5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート(試料)を用いて、射出成形機により280℃で長さ100mm×幅100mm×厚さ3mmのプレスシートを成形した。
次に、このプレスシートについてカラーテスター(スガ試験機株式会社製SC−1−CH)で、色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、次の関係式により黄色度の指標であるYI値を計算した。
YI=(100/Y)×(1.28×X−1.06×Z)
このYI値が大きいほど黄色に着色していることを示す。
(実施例1)
ジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)とを、窒素ガス雰囲気下、一定のモル比(DPC/BPA=1.060)に混合した溶融液を調製した。
次に、図1で説明したように、攪拌器を備えた3基の竪型反応器と1基の横型反応器とを直列に接続した製造装置により、芳香族ポリカーボネートを製造した。
先ず、前述した混合溶融液を88.7kg/時の流量で、原料導入管を介して、220℃、1.33×10Paに制御した容量100Lの第1竪型反応器内に連続供給した。第1竪型反応器内では、平均滞留時間が60分になるように、反応器底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
また、第1竪型反応器内に上記溶融液の供給を開始すると同時に、触媒として、1重量%の炭酸セシウム水溶液をビスフェノールA1モルに対し、0.4μモルの割合で連続供給した。
第1竪型反応器の底から排出された反応液は、引き続き、第2、第3竪型反応器(容量100L)及び第4横型反応器(容量150L)に順次連続供給され、第4横型反応器底部のポリマー排出口から溶融状態のポリマーを抜き出した。
次に、この溶融状態のポリマーを2軸押出機に送入し、p−トルエンスルホン酸ブチル(触媒として使用した炭酸セシウムに対して4倍モル量)を連続供給して混練し、続いてダイを通してストランド状に成形して、カッターで切断してペレット(芳香族ポリカーボネート製品)を得た。
なお、第2竪型反応器における反応条件(反応液温度、圧力、攪拌数)は(250℃、2.00×10Pa、75rpm)である。
また、第2竪型反応器から排出されたポリマーの粘度平均分子量は、Mv=3,800であった。
次に、3基の竪型反応器の最後尾に位置する第3竪型反応器における反応液温度T(℃)と、これに続く第4横型反応器における反応液温度T(℃)とを、T<Tとなるように、それぞれ以下の通りに設定した。反応条件は、(反応液温度(℃)、圧力(Pa)、攪拌数(rpm))の順に示した。
第3竪型反応器(T:272℃、67Pa、75rpm)
第4横型反応器(T:265℃、140Pa、5rpm)
尚、各反応器における平均滞留時間が60分となるように液面レベルの制御を行い、また、同時に副生するフェノールを留去した。
以上の条件下で1ヶ月間の製造運転を継続したところ、高融点化物の生成やこれに基づく排出ギヤポンプの閉塞・停止等の運転上のトラブルが発生しなかった。
また、第3竪型反応器から排出されたポリマーの粘度平均分子量は、Mv=7,000であった。
尚、最終的に得られた芳香族ポリカーボネート製品の粘度平均分子量は、Mv=15,000であった。色調は、YI=1.3であり、異物の混入は見られなかった。
(実施例2)
第3竪型反応器の反応条件を(T:282℃、100Pa、75rpm)、第4横型反応器の反応条件を(T:275℃、180Pa、5rpm)にそれぞれ設定し、それ以外は、実施例1と同様の条件で芳香族ポリカーボネートを製造した。
以上の条件下で1ヶ月間の製造運転を継続したところ、実施例1の場合と同様に、運転上のトラブルは発生せず、安定した製造運転を行えた。
また、第3竪型反応器から排出されたポリマーの粘度平均分子量は、Mv=7,400であった。
尚、最終的に得られた芳香族ポリカーボネート製品の粘度平均分子量は、Mv=15,200であった。色調は、YI=1.8であり、異物の混入は見られなかった。
(比較例1)
第3竪型反応器における反応液温度Tを第4横型反応器における反応液温度Tより低温になる(T>T)ように設定し、その他の条件は実施例1と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。
第3竪型反応器及び第4横型反応器の反応条件(反応液温度(℃)、圧力(Pa)、攪拌数(rpm))は以下のとおりである。
第3竪型反応器(T:258℃、67Pa、75rpm)
第4横型反応器(T:265℃、100Pa、5rpm)
以上の条件下で1ヶ月間の製造運転を継続したところ、第3竪型反応器において高融点化物が生成した。この高融点化物が反応液に混入したため、第3竪型反応器の排出ギヤポンプが2度停止した。また、製造した芳香族ポリカーボネートに未溶融物(異物)が観察された。
また、第3竪型反応器から排出されたポリマーの粘度平均分子量は、Mv=6,100であった。
尚、最終的に得られた芳香族ポリカーボネート製品の粘度平均分子量は、Mv=14,900、色調は、YI=1.3であった。
(比較例2)
第3竪型反応器における反応液温度Tと第4横型反応器における反応液温度Tとが等しく(T=T)なるように設定し、その他の条件は実施例1と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。
第3竪型反応器及び第4横型反応器の反応条件(反応液温度(℃)、圧力(Pa)、攪拌数(rpm))は以下のとおりである。
第3竪型反応器(T:265℃、67Pa、75rpm)
第4横型反応器(T:265℃、100Pa、5rpm)
以上の条件下で1ヶ月間の製造運転を継続したところ、第3竪型反応器において高融点化物が生成した。この高融点化物が反応液に混入したため、第3竪型反応器の排出ギヤポンプが1度停止した。また、製造した芳香族ポリカーボネートに未溶融物(異物)が観察された。
また、第3竪型反応器から排出されたポリマーの粘度平均分子量は、Mv=6,600であった。
尚、最終的に得られた芳香族ポリカーボネート製品の粘度平均分子量は、Mv=15,300、色調は、YI=1.3であった。実施例1,2及び比較例1,2の結果を表1に示す。
Figure 2008037983
以上、本実施例で説明したように、ジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)とを原料とし、3基の竪型反応器と1基の横型反応器とを直列に接続して芳香族ポリカーボネートを製造する際、3基の竪型反応器の最後尾に位置する第3竪型反応器における反応液温度T(℃)を、これに続く第4横型反応器における反応液温度T(℃)より高くする(T<T)ことにより、第3竪型反応器における高融点化物の発生を低減できることが分かる。
このとき、第3竪型反応器におけるポリマーの粘度平均分子量(Mv)が、4,000〜14,000である場合、第3竪型反応器における高融点化物の発生を低減できる効果が大きい。
さらに、このような条件で製造した芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)は15,000程度であり、色調を示すYI値が小さいので、光学用ポリカーボネートとして好適に使用することができる。
芳香族ポリカーボネートの製造装置の一例を示す図である。
符号の説明
2a…第1原料混合槽、2b…第2原料混合槽、3a,3b…アンカー型攪拌翼、4a…原料供給ポンプ、5a…触媒供給口、6a…第1竪型反応器、6b…第2竪型反応器、6c…第3竪型反応器、7a,7b,7c…マックスブレンド翼、8a,8b,8c,8d…留出管、9a…第4横型反応器、10a…攪拌翼、11…出口配管、81a,81b,81c,81d…凝縮器、82a,82b,82c,82d…減圧装置

Claims (6)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、複数の反応器を用いて芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、
    少なくとも1基の反応器における反応液温度T(℃)と当該反応器に続く反応器における反応液温度T(℃)とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
    <T 式(1)
  2. 前記複数の反応器の少なくとも1基が竪型反応器であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  3. 前記反応液温度がT(℃)の反応器が竪型反応器であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  4. 前記反応液温度T(℃)と前記反応液温度T(℃)とが、さらに下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
    260℃<T<T<280℃ 式(2)
  5. 前記反応液温度T(℃)の反応器におけるポリマーの粘度平均分子量が4,000〜14,000であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  6. 前記竪型反応器が、直列に接続した複数基の反応器の中の最後尾に接続するものであり、当該竪型反応器に続く前記反応器が横型反応器であることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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