JP2000219737A - ポリカーボネート樹脂の製造方法および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法および成形品

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JP2000219737A JP2169399A JP2169399A JP2000219737A JP 2000219737 A JP2000219737 A JP 2000219737A JP 2169399 A JP2169399 A JP 2169399A JP 2169399 A JP2169399 A JP 2169399A JP 2000219737 A JP2000219737 A JP 2000219737A
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filtration
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acid
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Masahiro Murakami
雅裕 村上
Yuki Matsuoka
由記 松岡
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマーフィルターを用いて異物を効率よく
除去し、同時にフィルター内での着色、架橋、ゲルの発
生を抑制して、品質の優れたポリカーボネート樹脂およ
び成形品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 所定の保留粒子径のフィルターを用い、
所定の差圧、所定のフィルターの単位面積当たりのポリ
カーボネート樹脂処理量、所定のW(濾過ポリマー流
量)×1000/A(濾過容器内の最大ポリマー流路面
積)の比の範囲内で濾過を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、異物の少ないポ
リカーボネート樹脂の製造方法に関し、特にポリマーフ
ィルターを用いて異物の少ないポリカーボネート樹脂を
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリカーボネート樹脂の異物は、
原料および反応系外から混入する異物と、反応装置およ
び反応後の高粘度物質の流路内で発生する異物とに分類
でき、前者に対しては、原料異物濾過フィルターの設置
や、反応系の密閉性を向上させることにより異物混入防
止策がなされている。一方、後者に対しては、高粘度物
質を所望の形態に加工する直前において、濾過フィルタ
ーを用いることにより異物の除去がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被濾過
液の温度、粘度、濾過フィルターの保留粒子径、処理量
によっては、濾過フィルター内で着色、架橋、ゲル発生
等の滞留劣化をひきおこし、製品品質に多大な影響を生
じさせていた。
【0004】特に近年、DVD、MO、CDRなどの高
密度、高精度が必要な光学用途において使用されるポリ
カーボネート樹脂では、異物や着色の問題、ゲルの問題
は直接的に最終製品のブロックエラーレートなどの光学
特性および引張り、曲げ、靭性などの機械特性に影響を
及ぼすため、このような問題は深刻である。更に、ゲル
はその形状が変化する特性を持つため、フィルターの保
留粒子径以上の大きさのゲルであってもフィルターを通
過する場合があり極めて深刻な問題である。
【0005】本願発明の目的は、上記従来技術の問題点
を改善し、ポリマーフィルターを用いて異物を効率よく
除去し、同時にフィルター内での着色、架橋、ゲルの発
生を抑制して、品質の優れたポリカーボネート樹脂を製
造するための方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は以下の通りで
ある。 1. 粘度平均分子量が10000以上のポリカーボネ
ート樹脂を溶融状態で、保留粒子径が20μm以下のフ
ィルターを用いて20Kg/cm2以上の差圧で濾過す
ることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
【0007】2. 粘度平均分子量が10000以上の
ポリカーボネート樹脂を溶融状態で、保留粒子径が10
μm以下のフィルターを用いて40Kg/cm2以上の
差圧で濾過することを特徴とするポリカーボネート樹脂
の製造方法。
【0008】3. フィルターの単位面積当たりのポリ
カーボネート樹脂処理量を50Kg/m2/Hr以上と
することを特徴とする上記1または2記載のポリカーボ
ネート樹脂製造方法。
【0009】4. 濾過容器内容積V(L)と濾過ポリ
マー流量W(L/min)において、V/Wが0.2〜
10minの範囲内にあることを特徴とする上記1、
2、3記載のポリカーボネート樹脂製造方法。
【0010】5. 濾過容器内の最大ポリマー流路面積
A(cm2)と濾過ポリマー流量Wにおいて、W×10
00/Aが1cm/min〜10000cm/minで
あることを特徴とする上記1、2、3、4記載のポリカ
ーボネート樹脂製造方法。
【0011】6. ポリカーボネート樹脂が芳香族ジオ
ール化合物と炭酸ジエステル化合物とを触媒の存在若し
くは非存在下に重縮合せしめて製造したポリカーボネー
ト樹脂であることを特徴とする上記1〜5記載の製造方
法。
【0012】7. 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエス
テル化合物とを触媒の存在若しくは非存在下に重縮合せ
しめたポリカーボネート樹脂を、溶融状態で必要に応じ
て添加剤を添加した後、一旦冷却固化することなく直接
フィルターで濾過することを特徴とする上記1〜6記載
の製造方法。
【0013】8. 上記7記載の製造方法によって製造
されたポリカーボネート樹脂を、一旦冷却固化すること
なくそのまま直接所望の製品形態に加工することによっ
て成形されたポリカーボネート樹脂成形品。
【0014】本願発明で言う、芳香族ポリカーボネート
樹脂とは特に制限が無く、芳香族ジオール化合物とカー
ボネート前駆体とを反応させて得られる芳香族ポリカー
ボネート樹脂をも含み、例えば、芳香族ジオールのアル
カリ金属塩とホスゲンを反応させて得られる界面重合法
ポリカーボネート樹脂や芳香族ジオールと芳香族炭酸ジ
エステルを反応させて得られる溶融重合法ポリカーボネ
ート樹脂を挙げることができる。これらの芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の内、溶融重合法で得られるポリカーボ
ネート樹脂は重合槽から直接溶融状態で得ることがで
き、ポリマーの再溶融が不要であるため、本願発明の実
施には最も適している。
【0015】溶融重合でポリカーボネート樹脂を製造す
る方法とは、一般的には芳香族ジオール化合物と、炭酸
エステルとを塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物よ
りなるエステル交換触媒等のエステル交換触媒等の存在
下、溶融重縮合させる方法である。
【0016】このような芳香族ジオール化合物として
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、
p,p’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロ
ロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼ
ン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。
【0017】炭酸ジエステルとしては、具体的にはジフ
ェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカー
ボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0018】さらに、本願発明のポリカーボネート樹脂
には必要に応じて、脂肪族ジオールとして、例えば、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカンジオー
ル等を、ジカルボン酸類として、例えば、コハク酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸、テレフルタ酸等;オ
キシ酸類例えば、乳酸、P−ヒドロキシ安息香酸、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等を含有していても良い。
【0019】触媒として用いられるアルカリ金属化合物
としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化
物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シ
アン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホ
ウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。
【0020】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カ
リウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
リウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジ
カリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAの
ジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノ
ールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙
げられる。
【0021】触媒としてのアルカリ金属化合物は、当該
触媒中のアルカリ金属元素が芳香族ジオール化合物1モ
ル当り1×10-8〜5×10-5当量となる割合で好まし
く使用される。より好ましいのは同じ基準に対し5×1
-7〜1×10-5当量となる割合である。上記使用範囲
を逸脱すると、得られるポリカーボネート樹脂の諸物性
に悪影響を及ぼしたり、また、エステル交換反応が充分
に進行せず高分子量のポリカーボネート樹脂が得られな
い等の問題があり好ましくない。
【0022】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)な
どの塩基性塩を挙げることができる。
【0023】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が芳香族ジオール化合
物1モル当り1×10-5〜5×10-4当量となる割合で
用いるのが好ましい。より好ましいのは同じ基準に対し
2×10-5〜5×10-4当量となる割合である。特に好
ましいのは同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量
となる割合である。
【0024】本願発明においては所望により、触媒のア
ルカリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元
素のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表
第14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いるこ
とができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ
素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0025】これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十
分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合
反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反
応を低いレベルに抑えることができる。(a)周期率表
第14族元素のアート錯体のアルカリ金属塩としては、
特開平7−268091号公報に記載のものをいうが、
具体的には、ゲルマニウム(Ge)の化合物;NaGe
(OMe)5、NaGe(OEt)3、NaGe(OP
r)5、NaGe(OBu)5、NaGe(OPh)5
LiGe(OMe)5、LiGe(OBu)5、LiGe
(OPh)5を挙げることができる。
【0026】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn
(OEt)、NaS n(OPh)5、NaSnBu
2(OMe)3を挙げることができる。
【0027】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(sili
cic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(sta
nic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム
(II)酸(germanous acid)のアルカ
リ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙
げることができる。
【0028】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその
縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その
例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ
酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルト
ケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0029】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid)またはその縮
合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例
としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・C
2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩
(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0030】ゲルマニウム(II)酸(germano
us acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲル
マニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカ
リ金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナ
トリウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0031】ゲルマニウム(IV)酸(germani
c acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマ
ニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性
アルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニ
ウム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマ
ニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラ
ナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na
2Ge25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩
(Na2Ge49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウ
ム塩(Na2Ge511) を挙げることができる。
【0032】上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のア
ルカリ金属元素が芳香族ジオール化合物1モル当り1×
10-8〜5×10-5当量となる割合で好ましく使用され
る。より好ましいのは同じ基準に対し5×10-7〜1×
10-5当量となる割合である。
【0033】本願発明の重縮合反応には、上記触媒と一
緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸お
よび同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の助触媒を共存させることができる。
【0034】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時
における装置内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0035】周期律表第14族元素のオキソ酸として
は、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げるこ
とができる。
【0036】周期律表第14族元素の酸化物としては、
一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化ス
ズ、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこ
れらの縮合体を挙げることができる。
【0037】助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族
の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せ
しめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を
超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅く
なり好ましくない。
【0038】助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の
金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在
せしめるのがさらに好ましい。
【0039】これらの触媒系は、重縮合反応に用いるこ
とにより重縮合反応および末端封止反応を迅速かつ十分
に進めることができる利点を有する。また重縮合反応系
中に生成する分岐反応のような好ましくない副反応を低
いレベルに抑えることができる。
【0040】本願発明に使用するポリカーボネート樹脂
の分子量は特に制限が無いが、重合度が低いポリカーボ
ネート樹脂は物性が低く、その用途が極めて制限される
ことから、粘度平均分子量で10000以上のポリカー
ボネート樹脂を使用することが好ましい。また、分子量
が極めて高くなった場合はポリマーフィルターによる濾
過操作圧が高くなるため、粘度平均分子量は50000
以下が本願発明の実施に適している。
【0041】本願発明におけるフィルターとは、ポリカ
ーボネート樹脂中に存在する異物を濾過して除去するフ
ィルターであり、その形態は、一般にはキャンドル型、
プリーツ型、リーフディスク型等の公知の物が使用で
き、就中リーフディスク型が最も好ましい。
【0042】フィルターの材質は、重合して得られたポ
リカーボネート樹脂に不活性であり、かつ該ポリカーボ
ネート樹脂への溶出成分がなければ特に限定されるもの
ではないが、一般には金属、特にステンレスが用いら
れ、例えばSUS304、SUS316等が好ましく使
用される。
【0043】本願発明に於ける保留粒子径とは、異物を
球と仮定した場合、フィルターを通過する間に95%以
上を捕集することができる最小の粒子径(直径)を意味
する。
【0044】本願発明においては、ポリマーフィルター
の保留粒子径は20μ以下、好ましくは10μ以下、更
に好ましくは5μ以下である。ポリマーフィルターの保
留粒子径がこれよりも大きくなると、得られるポリカー
ボネート樹脂中の異物が増大し好ましくない。
【0045】保留粒子径の小さいフィルターを用いるこ
とにより異物の少ないポリマーが得られることは当然と
考えられがちであるが、実際には保留粒子を減少させて
行くと逆に得られるポリマーの品質が低下することが生
じる。
【0046】本願発明においてはポリマーフィルターを
使用する場合の差圧、ポリマーフィルターの単位面積当
たりの処理液量、ポリマーフィルターの平均滞留時間、
フィルター容器内のポリマー流速などを適正な値に管理
することが重要であり、かくすることにより初めて保留
粒子径の小さいポリマーフィルターを用いて優れた品質
のポリカーボネート樹脂を安定に製造することが可能に
なる。
【0047】本願発明における差圧とは高粘性物質を本
願発明のフィルターを用いて濾過する前と後の操作圧力
の差であり、保留粒子径が20μmのポリマーフィルタ
ーを使用した場合は20Kg/cm2以上の差圧で操作
することが好ましく、保留粒子径が10μm以下のポリ
マーフィルターを使用した場合は40Kg/cm2以上
の差圧で操作することが好ましい。この差圧以下で操作
した場合、得られるポリマーの品質は保留粒子径の低下
と共に向上せず、かえって悪化する場合があり、好まし
くない。なお、差圧の上限は通常、150〜200Kg
/cm2である。
【0048】ポリマーフィルターの操作圧力源としては
一般にはギヤポンプ、スクリュー式フィーダー、ルーダ
ー等があるが、本願発明ではその形態を限定するもので
はない。
【0049】本願発明におけるフィルター単位面積当た
りのポリカーボネート樹脂処理量とは使用するポリマー
フィルターの全濾過面積(m2)でポリマーフィルター
を通過させるポリマー量(Kg/Hr)を除した値であ
り、本願発明においては、この値を50Kg/m2/H
r以上とすることが好ましく、100Kg/m2/Hr
以上とすることが更に好ましく、150Kg/m2/H
r以上とすることが最も好ましい。フィルター単位面積
当たりのポリカーボネート樹脂処理量がこの値以下にな
ると得られるポリマーの品質悪化、特に色相の悪化やゲ
ルの増大、を招くため好ましくない。なお、単位面積当
たりのポリカーボネート樹脂処理量の上限は通常、15
00〜2000Kg/m2/Hrである。
【0050】本願発明においては、V/Wの値を0.2
〜10minにすることが好ましい。この値未満である
と濾過の操作圧が上昇し好ましくない。またこの値を越
えると得られるポリマーの色相が低下し好ましくなく、
極端な場合はゲルの増大を引き起こす場合もある。
【0051】本願発明におけるフィルター容器内のポリ
マー流速とはフィルター容器内の平均流速を表わし、濾
過容器内の最大ポリマー流路面積をA(cm2)、濾過
ポリマー流量をW(L)とした場合、W×1000/A
(cm/min)で表わされる値である。
【0052】本願発明においてはポリマー平均流速を1
〜10000cm/minの範囲に維持することが必要
であり、好ましくは10〜8000cm/min、更に
好ましくは50〜5000cm/minに維持すること
が必要である。ポリマー平均流速が1cm/min未満
になると得られるポリマーの品質が悪化するため好まし
くない。また10000cm/minを越えると濾過の
操作圧が極めて高くなり好ましくない。
【0053】以上のような本願発明の条件を満たすこと
により、細かい保留粒子径のフィルターを用いて、良好
な品質を有するポリカーボネート樹脂を製造することが
可能になる。この理由は定かではないが本願発明者等の
検討により次のように推察される。
【0054】一般にフィルターによるポリマー濾過を行
う場合、差圧が低い方がフィルターエレメント自体の強
度によって規定される最高使用圧力に対する余裕が大き
く、その分長期に亘る運転が可能となり、作業上有利で
ある。
【0055】しかしながら、同一のフィルターエレメン
トを用いた場合、差圧を低くすることは同時にフィルタ
ーの濾過面積を増大させることとなり、必然的に濾過時
間の増加を招くことになる。そして濾過時間が増大する
と、ゲル発生の原因となり、品質上問題のある製品とな
って本願発明の目的を喪失することとなる。
【0056】更に、濾過フィルターエレメント内におい
て、ポリマーは必ずしも均一な流速で流れているのでは
なく、部分的に流速が低下する偏流が生じていることが
解った。これは、フィルターエレメント表面の差圧が均
一でないことに起因しており、濾過後のフィルターを分
解点検すると、たとえばリーフディスク形フィルターで
は外周部にゲルが見られることから推察される。
【0057】このため、ポリマーフィルター内の流速
や、濾過の平均滞留時間、平均流速が濾過操作における
ポリカーボネート樹脂の局部滞留・熱履歴に密接に関与
し、これらを特定の範囲に維持することによって初めて
細かい保留粒子径を有するフィルターを使用して、良好
な品質のポリカーボネート樹脂が得られるものと考えら
れる。
【0058】本願発明に使用する触媒失活剤としては、
公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもス
ルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好まし
く、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
アンモニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸のアン
モニウム塩、ホスホニウム塩やパラトルエンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸
テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン
酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。
【0059】また、スルホン酸のエステルも好ましい触
媒失活剤である。スルホン酸のエステルとしては、ベン
ゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベ
ンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチ
ル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホ
ン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトル
エンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチ
ル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用い
られる。
【0060】なお、これらの中で最も好ましいのは、ド
デシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩
である。
【0061】これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金
属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選
ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割
合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ま
しくは0.8〜5モルの割合で、使用することができ
る。
【0062】また本願発明においては、本願発明の目的
を損なわない範囲でポリカーボネート樹脂にその他の添
加剤を添加することができる。
【0063】このような添加剤としては、例えば、加工
安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、金属不活性化剤、金属石鹸類、造核剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃
剤、離型剤、防黴剤、着色剤、防曇剤、天然油、合成
油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤、エポキシ
化合物をあげることができる。
【0064】これらの内でも耐熱安定剤、紫外線吸収
剤、離型剤、着色剤等が特に一般的に使用され、これら
は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0065】本願発明に用いられる加工安定剤、耐熱安
定剤、酸化防止剤等の目的のためには、例えば、燐化合
物、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、
ヒンダードアミン系安定剤等を挙げることができる。
【0066】光安定剤、紫外線吸収剤等としては、一般
的な紫外線吸収剤が用いられ、例えば、サリチル酸系紫
外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外
線吸収剤等を挙げることができる。
【0067】離型剤としては一般的に知られた離型剤を
用いることができ、例えば、パラフィン類などの炭化水
素系離型剤、ステアリン酸等の脂肪酸系離型剤、ステア
リン酸アミド等の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルア
ルコール、ペンタエリスリトール等のアルコール系離型
剤、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル系
離型剤、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤等を
挙げることができる。
【0068】着色剤としては有機系や無機系の顔料や染
料を使用することができる。
【0069】金属不活性化剤としては、例えばN、N´
−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等が、金属石鹸類と
しては例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ニ
ッケル等が挙げられる。
【0070】帯電防止剤としては、例えば(βーラウラ
ミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェ
ート等の第4級アンモニウム塩系、アルキルホスフェー
ト系化合物が挙げられる。
【0071】造核剤としては、例えばジ(4−t−ブチ
ルフェニル)ホスホン酸ナトリウム、ジベンジリデンソ
ルビトール、メチレンビス(2、4−ジ−t−ブチルフ
ェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩等のソル
ビトール系、リン酸塩系化合物が挙げられる。
【0072】滑剤としては、例えばエルカ酸アミド、ス
テアリン酸モノグリセリド、等が、難燃剤としては、例
えばトリス(2−クロロエチル)ホスフェートなどの含
ハロゲンリン酸エステル類、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、デカブロモフェニルオキサイドなどのハロゲン化
物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アル
ミニウムなどの金属無機化合物類、これらの混合物等が
挙げられる。
【0073】これらの触媒失活剤または他の添加剤は、
直接に、または適当な溶剤に溶解または分散させて、あ
るいはマスターペレットとして、溶融状態のポリカーボ
ネート樹脂に添加、混練する。このような操作を実施す
るのに用いられる設備に特に制限は無いが、例えば2軸
押出機等が好ましく、触媒失活剤または他の添加剤を溶
剤に溶解または分散させた場合はベント付きの2軸押出
機が特に好ましく使用される。
【0074】他の添加剤は、触媒失活剤と同時に、また
は別個に、溶融状態のポリカーボネート樹脂に添加する
ことが好ましい。
【0075】本願発明における所望の成形品製品形態と
しては、一般にはペレット、チップ、フィルム、シート
等があるが、本願発明のポリカーボネート樹脂ではその
形態を限定するものではなく、高粘度物質を一旦冷却固
化させて後再溶融することなく直接所望の製品形態に加
工することができる。
【0076】
【発明の効果】本願発明方法により、上記従来技術の問
題点が改善され、ポリマーフィルターを用いて異物を効
率よく除去し、同時にフィルター内での着色、架橋、ゲ
ルの発生を抑制して、品質の優れたポリカーボネート樹
脂および成形品を製造することができる。
【0077】
【実施例】以下に、本願発明の実施例を示す。なお、こ
の実施例は本願発明を例示するためのものであり、本願
発明はこの実施例によって制限されるものではない。
【0078】[実施例1]保留粒子径が20μm、濾過
面積0.5m2のSUS316製リーフディスクフィル
ターを、濾過容器内容積3.3Lのフィルター容器に装
着し、これにジフェニルカーボネートとビスフェノール
Aとを溶融重合して得た粘度平均分子量15200のポ
リカーボネート樹脂を、重合槽から直接、270℃の温
度と流量1.7L/minにて供給濾過した。このとき
フィルターの単位当たりのポリカーボネート樹脂処理量
は216kg/m2/Hr、濾過容器内容積V(L)と
濾過ポリマー流量W(L/min)におけるV/Wは
1.94min、W×1000/Aは10.8cm/m
inであった。
【0079】この条件で初期差圧は40kgf/cm2
であった。引き続き累積濾過ポリマー量が50000L
になるまで濾過したところ、濾過終了時の差圧は50k
gf/cm2であった。
【0080】濾過して得られたポリマー1Kgを10K
gのメチレンクロライドに溶解し、該溶液を20μの目
開きを有する濾布で濾過し、該濾布を紫外線照射下で顕
微鏡観察しゲルの含有量を測定した。この操作を繰り返
した結果、ゲル含有量は操作期間を通して、0〜2ケ/
Kgで安定していた。
【0081】濾過終了後、フィルター内部を分解点検し
たところ、リーフディスク外周部にわずかに紫外線によ
り発光するゲルがみられた。
【0082】[実施例2]濾過精度5μ、濾過面積0.
5m2のSUS316製リーフディスクフィルターを濾
過容器内容積3.3Lのフィルター容器に装着し、実施
例1と同様にして粘度平均分子量15200のポリカー
ボネート樹脂を重合槽から直接、270℃で流量1.7
L/minにて供給濾過した。このときフィルターの単
位当たりのポリカーボネート樹脂処理量は216kg/
2/Hr、濾過容器内容積V(L)と濾過ポリマー流
量W(L/min)におけるV/Wは1.94min、
W×1000/Aは10.8cm/minであった。こ
の条件で初期差圧は110kgf/cm2であった。引
き続き濾過ポリマー量が50000Lになるまで濾過し
たところ、濾過終了時の差圧は145kgf/cm2
あった。
【0083】濾過後のポリマーを実施例1と同様に処理
して、濾布を紫外線照射下で顕微鏡観察しゲルの含有量
を測定した結果、操作期間を通して、0〜1ケ/Kgで
安定していた。 濾過終了後、フィルター内部を分解点
検したところ、紫外線照射により発光するゲルはみられ
なかった。
【0084】[実施例3]濾過精度20μ、濾過面積
0.2m2のSUS316製リーフディスクフィルター
を濾過容器内容積2.8Lのフィルター容器に装着し、
これにビスフェノールAのナトリウム塩とホスゲンを反
応させて得られた粘度平均分子量15200のポリカー
ボネート樹脂をルーダーにて溶融させ、270℃で流量
1.7L/minにて供給濾過した。このときフィルタ
ーの単位当たりのポリカーボネート樹脂処理量は540
KG・m2/Hr、濾過容器内容積V(L)と濾過ポリ
マー流量W(L/min)におけるV/Wは1.65m
in、W×1000/Aは25.2cm/minであっ
た。この条件で初期差圧は100kgf/cm2であっ
た。引き続き濾過ポリマー量が50000Lになるまで
濾過したところ、濾過終了時の差圧は125kgf/c
2であった。
【0085】濾過後のポリマーを実施例1と同様に処理
して、濾布を紫外線照射下で顕微鏡観察しゲルの含有量
を測定した結果、操作期間を通して、0〜1ケ/Kgで
安定していた。濾過終了後、フィルター内部を分解点検
したところ、紫外線照射により発光するゲルはみられな
かった。
【0086】[実施例4]濾過精度20μ、濾過面積
0.5m2のSUS316製リーフディスクフィルター
を濾過容器内容積3.3Lのフィルター容器に装着し、
実施例1と同様にして粘度平均分子量15200のポリ
カーボネート樹脂を重合槽から直接、270℃で流量
4.5L/minにて供給濾過した。このときフィルタ
ーの単位当たりのポリカーボネート樹脂処理量は572
kg/m2/Hr、濾過容器内容積V(L)と濾過ポリ
マー流量W(L/min)におけるV/Wは0.73m
in、W×1000/Aは28.6cm/minであっ
た。この条件で初期差圧は100kgf/cm2であっ
た。引き続き濾過ポリマー量が50000Lになるまで
濾過したところ、濾過終了時の差圧は125kgf/c
2であった。
【0087】濾過後のポリマーを実施例1と同様に処理
して、濾布を紫外線照射下で顕微鏡観察しゲルの含有量
を測定した結果、操作期間を通して、0〜1ケ/Kgで
安定していた。濾過終了後、フィルター内部を分解点検
したところ、紫外線照射により発光するゲルはみられな
かった。
【0088】[比較例1]濾過精度20μ、濾過面積
1.4m2のSUS316製リーフディスクフィルター
を濾過容器内容積4.9Lのフィルター容器に装着し、
これに実施例1と同様にして粘度平均分子量15200
のポリカーボネート樹脂を270℃で0.75L/mi
nの流量にて供給濾過した。このときフィルターの単位
当たりのポリカーボネート樹脂処理量は68.7kg/
2/Hr、濾過容器内容積V(L)と濾過ポリマー流
量W(L/min)におけるV/Wは6.53min、
W×1000/Aは1.67cm/minであった。こ
の条件で初期差圧は10kgf/cm2であった。この
条件で、引き続き濾過ポリマー量が50000Lになる
まで濾過したところ、濾過終了時の差圧は12kgf/
cm2であった。
【0089】濾過後のポリマーを実施例1と同様に処理
して、濾布を紫外線照射下で顕微鏡観察しゲルの含有量
を測定した結果、操作期間を通して、1〜4ケ/Kgで
安定していた。濾過終了後、フィルター内部を分解点検
したところ、リーフディスク外周部の約1/5にわたっ
て、紫外線照射により発光するゲルがみられた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐脇 透 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA50 AA81 AG27 AG31 BA09 BB06 BC01 4J029 AA09 AB04 AC01 AD01 AE01 BB04A BB10A BB12A BB13A BF14A BG05X BG07X BG08X BG24X BH02 DB07 DB11 DB13 HC04A HC05A HC05B JA091 JA121 JA161 JA261 JA301 JB171 JB201 JC031 JC091 JC141 JC321 JC731 JF021 JF031 JF041 KH03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量が10000以上のポリ
    カーボネート樹脂を溶融状態で、保留粒子径が20μm
    以下のフィルターを用いて20Kg/cm2以上の差圧
    で濾過することを特徴とするポリカーボネート樹脂の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 粘度平均分子量が10000以上のポリ
    カーボネート樹脂を溶融状態で、保留粒子径が10μm
    以下のフィルターを用いて40Kg/cm2以上の差圧
    で濾過することを特徴とするポリカーボネート樹脂の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 フィルターの単位面積当たりのポリカー
    ボネート樹脂処理量を50Kg/m2/Hr以上とする
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポリカーボネ
    ート樹脂製造方法。
  4. 【請求項4】 濾過容器内容積V(L)と濾過ポリマー
    流量W(L/min)において、V/Wが0.2〜10
    minの範囲内にあることを特徴とする請求項1、2、
    3記載のポリカーボネート樹脂製造方法。
  5. 【請求項5】 濾過容器内の最大ポリマー流路面積A
    (cm2)と濾過ポリマー流量Wにおいて、W×100
    0/Aが1cm/min〜10000cm/minであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4記載のポリカ
    ーボネート樹脂製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート樹脂が芳香族ジオール
    化合物と炭酸ジエステル化合物とを触媒の存在若しくは
    非存在下に重縮合せしめて製造したポリカーボネート樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜5記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とを触媒の存在若しくは非存在下に重縮合せしめ
    たポリカーボネート樹脂を、溶融状態で必要に応じて添
    加剤を添加した後、一旦冷却固化することなく直接フィ
    ルターで濾過することを特徴とする請求項1〜6記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の製造方法によって製造さ
    れたポリカーボネート樹脂を、一旦冷却固化することな
    くそのまま直接所望の製品形態に加工することによって
    成形されたポリカーボネート樹脂成形品。
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