JP3696412B2 - 光学用ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、無機または有機不純物などから形成される微粒子が少ない色相の優れた高品質の光学用ポリカーボネートを製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリカーボネートは、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などに優れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車部品などの用途に広く用いられている。特にメモリー用光ディスク、光ファイバー、レンズなどの光学用途への期待が大きく、種々の研究が盛んになされている。
【0003】
このようなポリカーボネートの製造方法としては、ビスフェノールAなどのビスフェノール類とホスゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビスフェノールAなどのビスフェノール類とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融重縮合反応(エステル交換反応)させる方法などが知られている。
【0004】
現在一般に実施されているホスゲンを用いる界面法は、塩化メチレンなどの溶媒を大量に使用するため、塩素の除去が非常に難しく、光学用ポリカーボネートとしては好ましくない。
【0005】
一方、溶融重縮合反応法は、界面法と比較して安価にポリカーボネートを製造することができるという利点を有している。またホスゲンのような毒性物質を使用せず、さらに塩化メチレンなどの溶媒も必要としないため、光学用ポリカーボネートの製造方法として期待されている。
【0006】
一般的に商業プラントにおいて生産されるポリカーボネートは、1gあたりサブミクロンサイズの微粒子が5000〜100000個含まれており、なかには微粒子が10000個以上含まれていることもある。また、このポリカーボネート中の微粒子数の変動も大きい。
【0007】
ポリカーボネートを光ディスク等の光学用途に用いる場合、ポリカーボネート中にμm単位の微粒子が混入していると、光の散乱源となるため、光学的には不均一となり、ノイズ発生の原因となることがある。このため、光ディスク用ポリカーボネートは、とくに高精度の異物の除去が要求される。この除去法としては、フィルターによる除去が一般的である。しかしながら、溶融重縮合反応法では、得られたポリカーボネートは溶融粘度が高く、直接フィルターを用いて、高精度ろ過を行う場合、フィルターの差圧等の関係上、限界があり、サブミクロンサイズの微粒子の除去は困難であった。一方、ポリカーボネートの製造原料であるビスフェノール類から微粒子を除去することによって、ポリカーボネート中の微粒子を減少させる方法もある。例えば、ビスフェノール類を濾過する際に、フッ素系樹脂製メンブレンフィルターを用いると、化学安定性、濾過精度の点で優れた結果が得られることが知られている。
【0008】
しかしながら、フッ素系樹脂製メンブレンフィルターを用いて溶融ビスフェノール類を濾過する際には、ビスフェノール類の表面張力が大きく通液しにくいという問題点がある。このためフッ素系樹脂製フィルターメンブレンフィルターを、予め表面張力の小さい液で表面を濡らしたのちビスフェノール類に置換するという煩雑な操作が必要となるが、この操作を行った場合でも融点の高いビスフェノール類を長期的に効率よく濾過することは困難であった。
【0009】
本発明者らは、このような諸問題を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、重縮合段階で反応器中に生成する異物は粒径が比較的大きく、サブミクロンサイズの微粒子はビスフェノール類や炭酸ジエステル等の原料中に含まれていた無機性、有機性不純物等の異物によるものであることを発見し、これらの異物を効率的に取り除くことにより、目的とする微粒子の少ない高品質の光学用ポリカーボネートを製造することが可能なことを発見した。さらにビスフェノール類と炭酸ジエステルの溶融混合物の表面張力が、ビスフェノール類単独よりも小さいことに着目して、ビスフェノール類と炭酸ジエステルの溶融混合物をフッ素系樹脂製メンブレンフィルターで高精度濾過したところ、前処理することなく驚くべき精度でサブミクロンサイズの微粒子を除くことに成功し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、微粒子含有量の少ない高品質の光学用ポリカーボネートの製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る光学用ポリカーボネートの製造方法は、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶融重縮合してに際して、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物を、フッ素系樹脂製メンブレンフィルターで濾過したのち、溶融重縮合を行うことを特徴としている。
【0012】
前記フッ素系樹脂製メンブレンフィルターは、絶対濾過精度1.0μm以下のものが好ましい。
また、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物が、
溶融状態にあるビスフェノール類および溶融状態にある炭酸ジエステルを、予め濾過した後、混合したものが好ましい。
【0013】
さらにまた、本発明では、溶融重縮合後、反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間に、さらに濾過することが好ましい。
本発明で使用するビスフェノール類は、ビスフェノールAであることが好ましい。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る光学用ポリカーボネートの製造方法について具体的に説明する。
【0015】
本発明に係る光学用ポリカーボネートの製造方法では、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶融重縮合してに際して、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物を、フッ素系樹脂製メンブレンフィルターで濾過したのち、溶融重縮合を行う。
【0016】
溶融混合物の調製
本発明に係る光学用ポリカーボネートでは、まずビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物を調製する。
【0017】
本発明で使用されるビスフェノール類としては、特に限定されないが、たとえば下記式[I]で示される。
【0018】
【化1】
【0019】
上記のような式[I]で示されるビスフェノール類としては、具体的には、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールA)、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類などが挙げられる。
【0020】
また本発明では、上記式中、Xが−O−、−S−、−SO−または−SO2−であるようなビスフェノール類も挙げられ、たとえば
4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホン類などを挙げることもできる。
【0021】
またビスフェノール類として下記式[II]で示される化合物も挙げられる。
【0022】
【化2】
【0023】
(式中、Rf はハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。nが2以上のとき、Rf は同一であっても異なっていてもよい。)
この式[II]で示されるビスフェノール類としては、具体的に、
レゾルシンおよび3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシンなどの置換レゾルシン、
カテコール、
ハイドロキノンおよび3-メチルハイドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プロピルハイドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-ブチルハイドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハイドロキノンを挙げることができる。
【0024】
ビスフェノール類としては、さらに下記式で示される2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ-[IH-インデン]-6,6'-ジオールを用いることもできる。
【0025】
【化3】
【0026】
これらのうちでも、上記式[I]で示されるビスフェノール類が好ましく、特にビスフェノールAが好ましい。
本発明では、これらのビスフェノール類は、予め溶融状態にあるうちに、フィルターで濾過処理されていてもよい。このような濾過処理によって、原料ビスフェノール中に含まれる微粒子などが濾過され、後述するフッ素系樹脂メンブレンフィルターの交換頻度を少なくすることができる。
【0027】
このようなビスフェノール類の濾過処理に使われるフィルターとしては、特に限定されるものではなく、通常汎用されているものが用いられる。具体的には、フラットタイプ、シリンダータイプ、キャンドルタイプ等のフィルターが使用される。このようなフィルターは、絶対濾過精度(孔径)が20μm以下、さらに好ましくは5μm以下のものが好ましい。絶対濾過精度が20μmを越えるもので濾過を行うと、ビスフェノール不純物が多く残存し、後述する溶融混合物をフッ素系樹脂メンブレンフィルターで濾過する際に、フッ素系樹脂メンブレンフィルターがすぐに目詰まりを起こることがある。
【0028】
また、本発明で使用される炭酸ジエステルとして、具体的には、
ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどを用いることができ、これらを2種以上併用することもできる。これらのうちでも特にジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0029】
本発明で用いられる炭酸ジエステル中には、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルが含有されていてもよい。具体的に、炭酸ジエステルは、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量で含有していてもよい。
【0030】
このようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルとしては、
テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの芳香族ジカルボン酸類、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルなどの脂肪族ジカルボン酸類、
シクロプロパンジカルボン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、
シクロプロパンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。炭酸ジエステルは、これらのジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを2種以上含有していてもよい。
【0031】
本発明では、これらの炭酸ジエステルは、予め溶融状態にあるうちに、フィルターで濾過処理されていてもよい。このような濾過処理によって、原料炭酸ジエステル中に含まれる微粒子などが濾過され、後述するフッ素系樹脂メンブレンフィルターの交換頻度を少なくすることができる。
【0032】
このような炭酸ジエステルの濾過処理に使われるフィルターとしては、前記ビスフェノール類を濾過する際にしようされたものと同様のものが使用される。
本発明では、上記のような炭酸ジエステルとビスフェノール類とを、炭酸ジエステルがビスフェノール類1モルに対して、通常1.0〜1.30モル、好ましくは1.01〜1.20モルとなるように混合する。
【0033】
このとき、炭酸ジエステルとビスフェノール類との混合液中に、溶融重縮合触媒が含まれていてもよい。
溶融重縮合触媒としては、通常、(a)アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物(以下(a) アルカリ(土類)金属化合物ともいう)が使用される。
【0034】
(a) アルカリ(土類)金属化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく用いられる。
【0035】
具体的には、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノール類のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合物を2種以上併用することもできる。
【0036】
このようなアルカリ(土類)金属化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1×10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6モル、さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量で、溶融重縮合反応中に含まれていることが望ましい。また、溶融重縮合反応の原料であるビスフェノール類中に予めアルカリ(土類)金属化合物が含まれている場合、溶融重縮合反応時に存在するアルカリ(土類)金属化合物の量が、ビスフェノール類1モルに対して、前記範囲となるように添加量を制御することが望ましい。
【0037】
また、溶融重縮合触媒として、上記のような(a) アルカリ(土類)金属化合物に加えて(b) 塩基性化合物を併用することもできる。
このような(b) 塩基性化合物としては、たとえば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的には、以下のような化合物を挙げることができる。
【0038】
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類、
R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)で示される二級アミン類、
RNH2(式中Rは上記と同じである)で示される一級アミン類、
4-ジメチルアミノピリジン、4-ジエチルアミノピリジン、4-ピロリジノピリジンなどのピリジン類、
2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性塩。
【0039】
これらのうち、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用いられる。
【0040】
上記のような(b) 含窒素塩基性化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-6〜1×10-1モル好ましくは1×10-5〜1×10-2モルの量で用いることができる。
【0041】
またさらに触媒として、(c) ホウ酸化合物を用いることもできる。
このような(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸およびホウ酸エステルなどを挙げることができる。
【0042】
ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示されるホウ酸エステルを挙げることができる。
B(OR)n(OH)3-n
式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルなどのアリールなどであり、nは1,2または3である。
【0043】
このようなホウ酸エステルとしては、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなどが挙げられる。
【0044】
このような(c) ホウ酸またはホウ酸エステルは、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モル、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量で用いることができる。
【0045】
本発明では、溶融重縮合触媒としては、たとえば(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを組合せて、さらには(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と(c)ホウ酸またはホウ酸エステルとの三者を組合せて用いることが好ましい。
【0046】
触媒として、上記のような量の(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを組合せて用いると、重縮合反応を十分な速度で進行させることができるとともに、高分子量のポリカーボネートを高い重合活性で生成させることができて好ましい。
【0047】
なお、(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを併用する場合、あるいは(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と(c)ホウ酸またはホウ酸エステルとを併用する場合、各触媒成分を混合したものを、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよく、また、個別にビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよい。
【0048】
なお、これらの溶融重縮合触媒は、予めフッ素系樹脂メンブレンフィルターで濾過処理する前のビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加されていてもよいが、濾過処理した後のビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加されてもよい。さらにまた、溶融重縮合触媒の一部を、予めフッ素系樹脂メンブレンフィルターで濾過処理する前のビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加し、残りの溶融重縮合触媒の一部を、濾過処理した後のビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよい。重縮合が多段で行われる場合、触媒成分(a)〜(c)の合計量が上記範囲にあれば、重縮合触媒を数回に分けて添加することもできる。
【0049】
溶融混合物の濾過処理
次に、本発明では、上記のようにして調製した溶融混合液を濾過し、混合液中の微粒子などの不純物を除去する。具体的には、溶融状態のビスフェノール類と炭酸ジエステルを原料のミキシング用の攪拌槽に連続的に供給し、一定時間攪拌混合した液を濾過処理する。なお、ビスフェノールAの表面張力は32dyn/cm2(180℃)であるのに対して、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートの1:1の混合物の表面張力は22dyn/cm2(160℃)ある。
【0050】
本発明では、濾過処理をフッ素系樹脂メンブレンフィルターを用いて行う。
フィルターは、一般的に補集機構上、フィルター内の開孔部に粒子などの固形分を接触付着して補集するデプスタイプとフィルター表面でのふるい分けにより固形分を補集するスクリーンタイプに分類されるが、本発明で用いられるフッ素系樹脂メンブレンフィルターは、通常スクリーンタイプに分類される。
【0051】
このようなフィルターを構成するフッ素系樹脂は、1個以上のフッ素原子を含有する単量体から得られる重合体またはこの単量体を主な構成成分とする共重合体からなる樹脂であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、PFA樹脂に更に微量のヘキサフルオロプロピレンを共重合したEPE樹脂、エチレン−ヘキサフルオロエチレン樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)等が挙げられる。これらのうち、テフロン(デュポン社製商品名)として広く知られているPTFEが好ましい。このようなフッ素系樹脂メンブランフィルターの工業的に使用できる代表例としては、フルオライト(日本メムテック社製商品名)、スーパーケミート(日本ポール社製商品名)等のカートリッジ式フィルターが挙げられる。
【0052】
本発明で用いられるフッ素系樹脂メンブレンフィルターの濾過精度(孔径)は、処理液に含まれる微粒子の粒径、含有数、フィルターの圧損などによっても異なるが、微粒子除去効率から1.0μm以下であることが好ましい。
【0053】
特に、1.0μm以下の微粒子を高精度に除去する必要がある場合には、濾過精度0.5μm、好ましくは特に0.2μmのフィルターを用いることが望ましい。
【0054】
濾過は、処理液の粘度などによっても異なるが、通常、フィルター1m2あたり、15〜60kg/分の流量で通液させることが望ましい。
重縮合工程
濾過後の溶融混合液を用いて、溶融重縮合触媒の存在下で、溶融重縮合を行う。
【0055】
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知られている重縮合反応条件と同様な条件下で行なうことができる。
具体的には、第一段目の反応を80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0〜4時間、さらに好ましくは0〜3時間、常圧下、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを反応させる。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高めて、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの反応を行ない、最終的には5mmHg以下、好ましくは1mmHg以下の減圧下で、240〜320℃でビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合反応を行なう。
【0056】
上記のような重縮合反応は、連続式で行なってもよく、バッチ式で行なってもよい。また上記の反応を行なうに際して用いられる反応装置は、槽型であっても管型であっても塔型であってもよい。
【0057】
また本発明では、ポリカーボネートを製造するに際して、上記のようなビスフェノール類と炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の官能基を有する多官能化合物を用いることもできる。多官能化合物としては、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が好ましい。このような多官能化合物としては、たとえば1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α-メチル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチルベンゼン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル) ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
【0058】
これらのうちでは、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好ましく用いられる。
【0059】
このような多官能化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、通常0.03モル以下、好ましくは0.001〜0.02モル、さらに好ましくは0.001〜0.01モルの量で用いることができる。
【0060】
本発明では、ポリカーボネートを製造するに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとともに、末端封止剤を使用してもよい。
本発明では、末端封止剤として、得られるポリカーボネートの分子末端に下記一般式[I]で表わされる末端基を導入しうるアリロキシ化合物が用いられる。
【0061】
ArO− …[I]
式中、Arは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基を表す。芳香族炭化水素基は特に限定されず、フェニル基およびナフチル基、アンスラニル基などの縮合環であってもよく、さらにこれら芳香環と飽和炭化水素および/または複素原子とで環を形成していてもよい。また、これらの芳香族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
【0062】
このような式[I]で表わされる末端基としては、具体的に、たとえば、下記各式で表わされるような骨格を有するフェノキシ基、p-tert-ブチルフェノキシ基、p-クミルフェノキシ基(p-フェニルイソプロピルフェノキシ基)、クロマニルフェノキシ基などを挙げることができる。
【0063】
【化4】
【0064】
で表わされるフェノキシ基、
【0065】
【化5】
【0066】
で表わされるp-tert-ブチルフェノキシ基、
【0067】
【化6】
【0068】
で表わされるp-クミルフェノキシ基(p-フェニルイソプロピルフェノキシ基)、
【0069】
【化7】
【0070】
で表わされるクロマニルフェノキシ基。
本発明では、得られるポリカーボネート分子に上記のような末端基を導入しうる化合物として、具体的に以下のような化合物を挙げることができる。なお、以下に例示する化合物では、芳香族環または脂肪族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜9のアルキルで置換されていてもよい。
【0071】
上記式[IV]で表されるフェノキシ基を導入しうる化合物としては、たとえば、フェノールおよびジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
上記式[V]で表されるp-tert-ブチルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、たとえば、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-ブチルフェニルフェニルカーボネート、p-tert-ブチルフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0072】
上記式[VI]で表されるp-クミルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、たとえば、p-クミルフェノール、p-クミルフェニルフェニルカーボネートおよびp-クミルフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0073】
また、一般式[VII]で表わされるクロマニルフェノキシ基としては、さらに詳しくは下記のようなクロマニルフェノキシ基を挙げることができる。
【0074】
【化8】
【0075】
このような式[VIII]で表わされるクロマニルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以下に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0076】
2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4,6-テトラメチル-4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル-2-エチル-4-(3-ノニル-4-ヒドロキシフェニル)-7-ノニル-クロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,2,4,6,8-ペンタメチル-4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4-トリエチル-3-メチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6,8-ジブロモクロマンなどを挙げることができる。
【0077】
これらのうちでは、特に2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。
また、上記のような式[IX]で表わされるクロマニルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以下に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0078】
2,2,3-トリメチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,3,6-テトラメチル-3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル-2-エチル-3-(3-ノニル-4-ヒドロキシフェニル)-7-ノニル・クロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)-6-エチル-クロマン、2,2,3,
6,8-ペンタメチル-3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル) クロマン、2,3,3-トリエチル-3メチル-3-(4-ヒドロキシフェニル) クロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6,8-ジブロモクロマンなどを挙げることができる。
【0079】
これらのうちでは、特に、2,2,3-トリメチル-3(4- ヒドロキシフェニル) クロマンが好ましい。
また、上記のような式[X]で表わされるクロマニルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以下に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0080】
2,4,4-トリメチル-2-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-2-(3,5ージメチル-2-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル-4-エチル-2-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)-7-ノニル-クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5ージメチルー2ーヒドロキシフェニル)-6-エチル-クロマン、2,4,4,6,8-ペンタメチル-2-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3-ブロモー2ーヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5ージブロモー2ーヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5-ジブロモー2-ヒドロキシフェニル)-6,8-ジブロモクロマンなどを挙げることができる。
【0081】
これらのうちでは、特に2,2,4-トリメチル-2-(2-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。
さらに上記のような式[XI]で表わされるクロマニルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、2,4,4-トリメチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリエチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル-4-エチル-2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-7-ノニル-クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)-6-エチル-クロマン、2,4,4,6,8-ペンタメチル-2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチルー2ー(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6,8-ジブロモクロマンなどのクロマン化合物を挙げることができる。
【0082】
これらのうちでは、特に2,4,4-トリメチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。
上記のような一般式[I]で表される末端基を導入しうる各化合物は、単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。
【0083】
本発明において、上記のようなアリロキシ化合物は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.2モル、好ましくは0.02〜0.15モル、さらに好ましくは0.02〜0.1モルの量で用いられる。
【0084】
末端封止剤としてアリロキシ化合物をこのような量で用いることにより、得られるポリカーボネートの分子末端は、1〜95%、好ましくは10〜95%、さらに好ましくは20〜90%の割合で、上記一般式[I]で表される末端基で封止されうる。
【0085】
上記のように、一般式[I]で表される末端基が、上記割合で導入されたポリカーボネートは、耐熱性に優れるとともに、低分子量でも耐衝撃性などの機械的特性に優れる。
【0086】
本発明では、末端封止剤として、上記ようなアリロキシ化合物とともに、必要に応じて下記一般式[XII]で表される脂肪族炭化水素ユニットを導入可能な脂肪族モノカルボキシ化合物を用いてもよい。
【0087】
【化9】
【0088】
式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキルであり、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、またハロゲンで置換されてもよい。
ポリカーボネート分子の末端に、上記式[XII]で表わされる脂肪族炭化水素ユニット(脂肪族カルボキシル基)を導入しうる化合物としては、具体的に、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸エステルを挙げることができる。
【0089】
このような化合物として、具体的には、
ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ヘネイコサノイック酸、トリコサノイック酸、メリシック酸などのアルキルモノカルボン酸、
ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸フェニルなどの上記アルキルモノカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、フェニルエステルなどのアルキルモノカルボン酸エステルを挙げることができる。
【0090】
これらは、単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、ステアリン酸、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸フェニルなどが好ましく用いられる。
【0091】
上記のような脂肪族モノカルボキシ化合物は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.20モルの量で、好ましくは0.02〜0.15モルの量で、さらに好ましくは0.02〜0.10モルの量で用いることができる。
【0092】
上記のようなアリロキシ化合物を含有する末端封止剤は、これら合計で芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.2モル以上の量で用いると、重合速度が低下する傾向にある。
【0093】
本発明では、上記のような末端封止剤を用いて、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重縮合させる。この溶融重縮合は、以下のような(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含有する触媒の存在下に行なわれる。
【0094】
必要に応じて使用される多官能化合物および末端封止剤は、溶融混合物調製時に添加されていてもよく、また濾過後の溶融混合物に重縮合工程で添加されてもよい。
【0095】
以上のようにして得られる反応生成物であるポリカーボネートの20℃塩化メチレン中で測定した極限粘度は、通常0.10〜1.0dl/g好ましくは0.30〜0.65dl/gである。
【0096】
このようなポリカーボネートのメルトフローレートは、高粘度品では、温度300℃、荷重1.2kgで測定して1〜70g/10分、好ましくは2〜50g/10分であり、低粘度品では同様に測定して5〜20g/10分、好ましくは8〜16g/10分であることが望ましい。
【0097】
上記のような本発明によれば、初期色相に優れた反応生成物であるポリカーボネート(以下ポリカーボネート[A])が得られる。
本発明では、上記のようにして得られる反応生成物である[A]ポリカーボネートを冷却することなく重縮合反応後ただちに、下記のような[B]pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物および/または該酸性化合物から形成される誘導体(以下[B]酸性化合物ということもある)を添加することが好ましい。
【0098】
さらに[B]酸性化合物とともに[C]特定量の水を添加することが好ましい。
本発明では、[B]イオウ含有酸性化合物および該酸性化合物から形成される誘導体としては、亜硫酸、硫酸、スルフィン酸系化合物、スルホン酸系化合物およびこれらの誘導体を挙げることができる。具体的に、
亜硫酸誘導体としては、ジメチル亜硫酸、ジエチル亜硫酸、ジプロピル亜硫酸、ジブチル亜硫酸、ジフェニル亜硫酸などを挙げることができる。
【0099】
硫酸誘導体としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジフェニル硫酸などを挙げることができる。
スルフィン酸系化合物としては、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ナフテレンスルフィン酸などを挙げることができる。
【0100】
またスルホン酸系化合物およびこの誘導体としては、下記一般式[XIII]で表わされる化合物またはそのアンモニウム塩を挙げることができる。
【0101】
【化10】
【0102】
式中、Rg は炭素数1〜50の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、Rh は水素原子または炭素数1〜50の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。
【0103】
このようなスルホン酸系化合物およびこの誘導体としては、たとえば
ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、
p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸オクチル、p-トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル、
p-トルエンスルホン酸アンモニウムなどのスルホン酸アンモニウム塩が挙げられる。
【0104】
さらにトリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル-スルホン化スチレン共重合体などのスルホン酸化合物を用いてもよい。
【0105】
これらを2種以上併用することもできる。
本発明では、[B]酸性化合物として、上記一般式[XIII]で表されるスルホン酸系化合物およびこの誘導体が好ましく用いられる。
【0106】
特に上記一般式[XIII]において、Rg は炭素数1〜6の置換脂肪族炭化水素基、Rh は炭素数1〜8の置換脂肪族炭化水素基、nは0〜3の整数で表されるエステル化合物が好ましく用いられ、具体的に、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスルホン酸ブチルなどが好ましく用いられる。
【0107】
これらのうちでも、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスルホン酸ブチルが特に好ましく用いられる。
これらを2種以上併用することもできる。
【0108】
本発明では、上記のような[B]酸性化合物を、上記[A]ポリカーボネートの反応に用いられた(a) アルカリ(土類)金属化合物の量に対して1〜20モル倍、好ましくは1〜10モル倍、1〜8モル倍の量で含んでいることが好ましい。
【0109】
このような量で酸性合物[B]を反応生成物(ポリカーボネート)[A]に添加することにより、ポリカーボネート中に残存するアルカリ性金属化合物が中和されあるいは弱められて、最終的に滞留安定性および耐水性がさらに向上されたポリカーボネートを得ることができる。
【0110】
また本発明では、上記の[B]酸性化合物とともに[C]水を添加することが好ましく、ポリカーボネート[A]に対して5〜1000ppm 好ましくは10〜500ppm さらに好ましくは20〜300ppm の量で添加することが望ましい。
【0111】
このように[B]酸性化合物とともに[C]水を添加すると、[B]酸性化合物によるとともに[A]ポリカーボネート中の塩基性触媒の中和効率が高められ、溶融時の滞留安定性に優れ、色相、透明性、耐水性および耐候性に優れたポリカーボネートが得られる。
【0112】
なお水を1000ppm より多く添加すると、ポリカーボネートの加水分解が起こり易くなって、ポリカーボネートの物性が低下してしまうことがある。
本発明では、反応生成物である[A]ポリカーボネートに、上記[B]酸性化合物と、少量の[C]水とを添加して、混練することによりポリカーボネートを得ることが好ましい。
【0113】
[A]ポリカーボネートと[B]酸性化合物と[C]水との混練は、一軸押出機、二軸押出機、スタティックミキサ−などの通常の混練機により行われ、これらの混練機はベント付きでもベントなしでも有効に使用される。
【0114】
具体的には、重縮合反応により得られる[A]ポリカーボネートが反応器内または押出機内で溶融状態にある間に、[B]酸性化合物と[C]水とを添加することが好ましい。この[B]酸性化合物と[C]水とは、別々に添加してもよいし、あるいは同時に添加してもよく、添加順序は限定されないが、同時に添加するのが好ましい。
【0115】
より具体的に[A]ポリカーボネートと[B]酸性化合物と[C]水とからポリカーボネートを製造するには、たとえば、反応器内にある重縮合反応で得られた[A]ポリカーボネートに、[B]酸性化合物と[C]水を添加してポリカーボネートを形成した後、押出機を通してペレタイズしてもよく、また重縮合反応で得られた[A]ポリカーボネートが反応器から押出機を通ってペレタイズされる間に、[B]酸性化合物と[C]水を添加して、これらを混練してポリカーボネートとすることもできる。
【0116】
一般的にポリカーボネートを使用する時にはポリカーボネートペレットを再溶融して耐熱安定剤などの種々添加剤を配合している。本発明で得られるポリカーボネートペレットは、各種添加剤の配合時あるいは成形時に溶融しても、熱安定性が向上され、溶融時の滞留安定性に優れているので、溶融による熱分解が特に抑制されて分子量が低下しにくく、着色しにくい。
【0117】
さらに本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリカーボネート[A]には上記[B]酸性化合物、[C]水とともに[D]添加剤を添加することが望ましい。
【0118】
このような[D]添加剤は、溶融状態にある[A]ポリカーボネートに[B]酸性化合物および[C]水と同時に添加することもできるし、別々に添加することもできる。本発明では、以下に示すような[D]添加剤のうちでも、反応性の添加剤は、[B]酸性化合物および[C]水を添加した後に添加することが好ましい。
【0119】
本発明で用いられる[D]添加剤としては、具体的に、使用目的に応じて一般的にポリカーボネートに添加される添加剤を広く挙げることができ、耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを挙げることができる。
【0120】
これらのうちでも、以下に示すような耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤などが好ましく用いられる。これらを2種以上併用することもできる。
【0121】
本発明で用いられる耐熱安定剤としては、具体的にはたとえば、リン化合物、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤などを挙げることができる。
【0122】
リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸エステルおよび亜リン酸エステルを用いることができる。
このようなリン酸エステルとしては、たとえば、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェート、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、
トリシクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2-エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェートなどを挙げることができる。
【0123】
また亜リン酸エステルとしては、下記一般式で表される化合物を挙げることができる。
P(OR)3
(式中、Rは脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。これらは同一であっても異なっていてもよい。)
このような式で表される化合物としては、たとえば、
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリス(2-クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト、
トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト、
トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイト、
フェニルジデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのアリールアルキルホスファイトなどを挙げることができる。
【0124】
さらに亜リン酸エステルとしては、たとえば、ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトなどを挙げることができる。これらを2種以上併用することもできる。
【0125】
これらのうちでは、上記一般式で表される亜リン酸エステルが好ましく、さらに芳香族亜リン酸エステルが好ましく、特にトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく用いられる。
【0126】
またフェノール系安定剤としては、たとえばn-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチル)ベンジルマロネート、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ-t-ブチルフェノールなどが挙げられる。
【0127】
チオエーテル系安定剤としては、たとえばジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-(β-ラウリル-チオプロピオネート)などが挙げられる。
【0128】
またヒンダードアミン系安定剤としては、たとえばビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-4-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,2,3-トリアザスピロ[4,5 ]ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。
【0129】
これらの化合物を2種以上併用することもできる。
これらの耐熱安定剤は、ポリカーボネート100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部の量で用いることができる。
【0130】
また耐熱安定剤は、固体状で添加してもよく、液体状で添加してもよい。
このような耐熱安定剤を、[B]または[C]と同様に[A]ポリカーボネートが溶融状態にある間に添加すると、製造時の熱履歴回数が少ないポリカーボネートを製造することができて好ましく、得られたポリカーボネートペレットは耐熱安定剤を含有しているので、再溶融時の熱分解を抑制することができる。
【0131】
またエポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。具体的には、
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシ-6'-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4-(3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシル)ブチル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-6'-メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス-エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス-エポキシエチレングリコール、ビス-エポキシシクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3-メチル-5-t-ブチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、オクタデシル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル-2-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2-イソプロピル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2-エチルヘキシル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3-エポキシシクロヘキシル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3-t-ブチル-4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5-エポキシ- シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ-n-ブチル-3-t-ブチル-4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレートなどを挙げることができる。
【0132】
これらを2種以上併用することもできる。
これらのうち、脂環族エポキシ化合物、特に3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましく用いられる。
【0133】
このようなエポキシ化合物は、上記[A]ポリカーボネートに対して、1〜2000ppm 、好ましくは10〜1000ppm の量で添加することができる。
特に[D]添加剤としてエポキシ化合物が用いられる場合には、エポキシ化合物を[B]酸性化合物および[C]水の添加後に添加して、過剰に添加された[B]酸性化合物を中和することが好ましい。このように過剰な[B]酸性化合物をエポキシ化合物で中和しておくと、特に耐水性および透明性に優れたポリカーボネートが得られる。
【0134】
また紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収剤でよく、特に限定されないが、たとえば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0135】
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体的には、フェニルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサリシレートが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2'-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5- スルホベンゾフェノントリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸などが挙げられる。
【0136】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル- フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]などが挙げられる。
【0137】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。これらを2種以上併用することもできる。
【0138】
紫外線吸収剤は、[A]ポリカーボネート100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1.0重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で用いることができる。
【0139】
また離型剤としては、一般的に離型剤として知られているものが、特に限定されることなく広く用いられる。
たとえば天然、合成パラフィン類、ポリエチレンワックス類、フルオロカーボン類などの炭化水素系離型剤、
ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪酸類などの脂肪酸系離型剤、
ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類などの脂肪酸アミド系離型剤、
ステアリルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール類などのアルコール系離型剤、
ブチルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどの脂肪族酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル類などの脂肪酸エステル系離型剤、
シリコーンオイル類などのシリコーン系離型剤を用いることができ、これらを2種以上併用することもできる。
【0140】
離型剤は、[A]ポリカーボネート100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で用いることができる。
【0141】
着色剤としては、顔料であってもよく、染料であってもよく、また無機系着色剤、有機系着色剤のいずれを用いてもよく、これらを併用してもよい。
無機系着色剤として具体的には、二酸化チタン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなどの水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青などのフェロシアン化物、ジンククロメート、モリブデンレッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、マンガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラックなどの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉などの金属粉着色剤などが挙げられる。
【0142】
有機系着色剤としては、具体的には、ナフトールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエローSなどのニトロ系、リソールレッドやボルドー10B、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどのアゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルーなどのフタロシアニン系、インダントロンブルーやキナクリドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなどの縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0143】
着色剤は、[A]ポリカーボネート100重量部に対して、通常1×10-6〜5重量部、好ましくは1×10-5〜3重量部、さらに好ましくは1×10-5〜1重量部の量で用いることができる。
【0144】
以上のような[B]酸性化合物、[C]水および[D]添加剤は、上述したように溶融状態にあるポリカーボネート[A]に添加されることが望ましい。
本発明では、生成したポリカーボネートが溶融状態にある間に、ポリカーボネートをフィルターで濾過処理してもよい。このような濾過処理によって、重縮合反応中に生成するゲルなどの異物を除去することができる。
【0145】
なお、ポリカーボネートに、[B]酸性化合物、[C]水および[D]添加剤を添加する場合、このような濾過処理は、これらの添加剤を添加し、混練したものを濾過してもよい。
【0146】
このようなビスフェノール類の濾過処理に使われるフィルターとしては、特に限定されるものではなく、通常汎用されているものが用いられる。具体的には、キャンドルタイプ、プリーツタイプ、リーフタイプ等のフィルターが使用される。このようなフィルターは、絶対濾過精度(孔径)が50μm以下、さらに好ましくは20μm以下のものが好ましい。このようなフィルターを使用すると、濾過時のポリカーボネートの滞留時間を少なくすることが可能であり、ポリカーボネートの熱劣化を防止することができる。また、フィルターも長い寿命で使用することができる。
【0147】
このようにして製造されたポリカーボネートは、必要に応じてペレタイズされ、各用途に用いられる。本発明に係る製造方法で得られたポリカーボネートは、ミクロンオーダーの微粒子を含んでいないため、光学用材料とくに光ディスク成形材料として好適である。
【0148】
【発明の効果】
本発明に係るポリカーボネートの製造方法によれば、透明性、色相、耐熱性、耐水性などに優れたポリカーボネートを得ることができる。
【0149】
このような本発明の方法により製造されたポリカーボネートは、一般の成形材料はもとより、シートなどの建築材料、自動車用ヘッドランプレンズ、眼鏡等の光学用レンズ類、光学用記録材料等に好適に用いられ、特に光ディスク用成形材料として好適である。
【0150】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0151】
なお、本明細書において、実施例で製造されたポリカーボネート中の微粒子数およびMFRは、下記の方法で測定した。
微粒子の測定
ポリカーボネートを、0.2μmメンブレンフィルターで濾過したクロロホルムで希釈した後、微粒子計測器(リオン(Rion)社製KL−20)により0.5〜1.0μm、1.0〜2.0μm、2.0μm以上の微粒子数を測定した。結果をポリカーボネート1gあたりの個数で示す。
MFR
JIS K−7210の方法に準拠して、温度250℃、荷重1.2kgで測定した。
【0152】
【実施例1】
ポリカーボネートの重縮合装置は、原料のミキシング用の攪拌槽を一基、前重合槽を二基、横型攪拌重合槽を二基、二軸押出機を一基備え、フルオロライトFLTR200(PTFE製メンブレンフィルター、日本メムテック社製)のカートリッジフィルターを、原料のミキシング用の攪拌槽と前重合槽Aの間に設置されたものを使用した。各々の反応条件は下記の通りである。
【0153】
【表1】
【0154】
まず、10μmフィルターで濾過された溶融状態のビスフェノールA(供給速度36.0kg/hr)と、蒸留後に直接配管にて送液されてきた10μmフィルターで濾過された溶融状態のジフェニルカーボネート(供給速度34.7kg/hr)とを、上記の温度に保った原料のミキシング用の攪拌槽に連続して供給し、触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.11モル(2.5×10-4モル/モル‐ビスフェノールA)と水酸化ナトリウムを0.00044モル(1×10-6モル/モル‐ビスフェノールA)の割合で添加して、均一溶液を製造した。
【0155】
次いで、該溶液を撹拌槽出口に設置した絶対濾過精度(1.0μm)のフッ素系樹脂メンブレンフィルターで濾過した後、上記表1の反応条件で重合を行った。2時間ごとに測定されるMFRを見ながら、横型攪拌重合槽Aと横型攪拌重合槽Bの圧力を調整して、できるだけ目標のMFR(11.0g/10分)を外れないよう運転し、二軸押出機で添加剤を添加し混練した後、20μmフィルターで最終濾過し、ペレットとした。
【0156】
こうして製造されたポリカーボネート中の微粒子数とフィルターの使用可能期間(フィルター寿命)を表2に示す。
【0157】
【実施例2】
実施例1において、フッ素系樹脂メンブレンフィルターとして、PTFE製メンブレンフィルター、絶対濾過精度0.5μmのカートリッジフィルターを使用した以外は、実施例1と同様に操作し、ポリカーボネートペレットを作製し、評価した。
【0158】
結果を表2に示す。
【0159】
【実施例3】
実施例1において、フッ素系樹脂メンブレンフィルターとして、PTFE製メンブレンフィルター、絶対濾過精度0.2μmのカートリッジフィルターを使用した以外は、実施例1と同様に操作し、ポリカーボネートペレットを作製し、評価した。
【0160】
結果を表2に示す。
【0161】
【実施例4】
実施例1において、フッ素系樹脂メンブレンフィルターとして、PTFE製メンブレンフィルター、絶対濾過精度0.1μmのカートリッジフィルターを使用した以外は、実施例1と同様に操作し、ポリカーボネートペレットを作製し、評価した。
【0162】
結果を表2に示す。
【0163】
【実施例5】
フィルターで濾過されていない溶融状態のビスフェノールA(供給速度36.0kg/hr)と、蒸留後に直接配管にて送液されてきたフィルターで濾過されていないた溶融状態のジフェニルカーボネート(供給速度34.7kg/hr)とを、上記の温度に保った原料のミキシング用の攪拌槽に連続して供給した。
【0164】
次に、該溶液を撹拌槽出口に設置した絶対濾過精度(0.2μm)のフッ素系樹脂メンブレンフィルターで濾過した後、実施例1と同様の反応条件で重合を行い、同様に20μmフィルターで最終濾過して、ペレットとした。
【0165】
結果を表2に示す。
【0166】
【比較例1】
実施例1において、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートの溶融混合物の濾過処理を行わなかった以外は実施例1と同様に操作し、ポリカーボネートペレットを作製し、評価した。
【0167】
結果を表2に示す。
【0168】
【比較例2】
実施例1において、フッ素系樹脂メンブレンフィルターの代わりにSUS製キャンドルフィルター(絶対濾過精度20μm)を使用した以外は実施例1と同様に操作し、ポリカーボネートペレットを作製し、評価した。
【0169】
結果を表2に示す。
【0170】
【表2】
Claims (7)
- ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶融重縮合してポリカーボネートを製造するに際して、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物を、フッ素系樹脂製メンブレンフィルターで濾過したのち、溶融重縮合を行うことを特徴とする光学用ポリカーボネートの製造方法。 - 前記フッ素系樹脂製メンブレンフィルターが、絶対濾過精度1.0μm以下のものであることを特徴する請求項1に記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。
- ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物が、
溶融状態にあるビスフェノール類および溶融状態にある炭酸ジエステルを、予め濾過した後、混合したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。 - 溶融状態にあるビスフェノール類および溶融状態にある炭酸ジエステルの濾過を絶対濾過精度が20μm以下のフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項3に記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。
- 溶融重縮合後、反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間に、さらに濾過することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。
- 反応生成物であるポリカーボネートの濾過を、絶対濾過精度が50μm以下のフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項5に記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。
- ビスフェノール類がビスフェノールAであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学用ポリカーボネートの製造方法。
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