JPH0578466A - 共重合ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

共重合ポリカーボネートの製造方法

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JPH0578466A
JPH0578466A JP4035306A JP3530692A JPH0578466A JP H0578466 A JPH0578466 A JP H0578466A JP 4035306 A JP4035306 A JP 4035306A JP 3530692 A JP3530692 A JP 3530692A JP H0578466 A JPH0578466 A JP H0578466A
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Japan
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mol
aromatic dihydroxy
copolycarbonate
metal compound
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JP4035306A
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Takeshi Sakashita
下 健 阪
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
Koji Nagai
井 孝 司 長
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GE Plastics Japan Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/04Aromatic polycarbonates
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、機械的特性、耐熱性、透明性およ
び色相に優れるとともに、流動性および成形性がより一
層向上された共重合ポリカーボネートを製造しうる共重
合ポリカーボネートの製造方法を提供する。 【構成】 本発明に係る共重合ポリカーボネートの製造
方法は、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネート
を製造するに際して、(i) 芳香族ジヒドロキシ化合物と
して、該芳香族ジヒドロキシ化合物の合計量を100モ
ル%としたときに、レゾルシンおよび/または置換レゾ
ルシンを2〜90モル%の量で用いるとともに、(ii)
触媒として(a) アルカリ金属化合物および/またはアル
カリ土類金属化合物を用いることを特徴とする共重合ポ
リカーボネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は共重合ポリカーボネートの
製造方法に関し、さらに詳しくは、機械的特性、耐熱
性、透明性および色相に優れるとともに、特に成形時の
流動性および成形性が向上された共重合ポリカーボネー
トを製造しうる共重合ポリカーボネートの製造方法に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車用
部品などに広く用いられている。上記のような特性を有
する従来のポリカーボネートは、通常、ビスフェノール
Aなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲンとを直
接反応させる界面重合法によって製造されている。この
ようなポリカーボネートは、ガラス転移温度(Tg)が
高く、該ポリカーボネートをたとえば光学用ディスクな
どに溶融成形するに際しては、高温で溶融して流動性を
上げて用いている。
【0003】一般的に、ポリマー特にポリカーボネート
は高温における溶融時間が長い程、得られる成形品は透
明性あるいは色相が低下するなどの影響を受けやすい。
そこでもしポリカーボネートの流動性を向上させること
ができれば、溶融時間を短くすることができて成形時の
熱の影響が少ない成形品が得られるようになるととも
に、成形サイクルが早くなり、生産歩留りも上がるなど
成形性も向上する。このため、ポリカーボネートが本来
有する機械的特性、耐熱性、透明性および色相などの特
性を損なうことなく、しかも流動性、成形性に一層優れ
たポリカーボネートを製造しうる方法の出現が望まれて
いた。
【0004】本発明者らは、ポリカーボネートが本来有
する機械的特性、耐熱性、透明性および色相などの特性
を損なうことなく、しかも流動性、成形性に一層優れた
ポリカーボネートを製造しうる方法について鋭意研究し
た結果、レゾルシンおよび/または置換レゾルシンを含
む芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融
重縮合させると、上記のような優れた諸特性を有する共
重合ポリカーボネートが得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、機械的特性、耐熱性、透明性
および色相に優れるとともに、流動性および成形性がよ
り一層向上された共重合ポリカーボネートを製造しうる
共重合ポリカーボネートの製造方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る共重合ポリカーボネートの
製造方法は、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネ
ートを製造するに際して、(i) 芳香族ジヒドロキシ化合
物として、該芳香族ジヒドロキシ化合物の合計量を10
0モル%としたときに、レゾルシンおよび/または置換
レゾルシンを2〜90モル%の量で用いるとともに、(i
i) 触媒として(a) アルカリ金属化合物および/または
アルカリ土類金属化合物を用いることを特徴としてい
る。
【0007】本発明に係る共重合ポリカーボネートの製
造方法では、上記(a) アルカリ金属化合物および/また
はアルカリ土類金属化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合
物合計量1モルに対して、好ましくは1×10-8〜1×
10 -3モル、さらに好ましくは1×10-7〜2.5×1
-6モルの量で用いられることが望ましい。
【0008】また触媒として、(a) アルカリ金属化合物
および/またはアルカリ土類金属化合物とともに、(b)
含窒素塩基性化合物 および/または(c) ホウ酸または
ホウ酸エステルを用いることが好ましい。
【0009】さらに本発明に係る共重合ポリカーボネー
トの製造方法では、上記のように溶融重縮合させて得ら
れた反応生成物に、酸性化合物および必要に応じてエポ
キシ化合物を添加することが好ましく、これらの化合物
を添加した後、減圧処理を施すことが好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る共重合ポリカ
ーボネートの製造方法について具体的に説明する。本発
明では、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネート
を製造する。
【0011】このような芳香族ジヒドロキシ化合物の1
種として、レゾルシンおよび/または置換レゾルシンが
用いられる。本発明で用いられるレゾルシンおよび置換
レゾルシンは、下記一般式[I]で表される。
【0012】
【化1】
【0013】上記式[I]において、Rは炭素数1〜1
0の炭化水素基またはそのハロゲン化物、あるいはハロ
ゲン原子である。nは0〜4の整数であり、nが2以上
のとき、これらRは同一であっても異なっていてもよ
い。このような置換レゾルシンとして、具体的には、3-
メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレ
ゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシ
ン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,
4,5-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,5-テトラブロム
レゾルシンなどが挙げられる。
【0014】これらは、単独で用いられてもよいし、組
み合わせて用いられてもよい。これらのうちでは、レゾ
ルシンが好ましく用いられる。本発明では、共重合ポリ
カーボネートを製造するに際して、このようなレゾルシ
ンおよび/または置換レゾルシンは、芳香族ジヒドロキ
シ化合物の合計量を100モル%とするとき、2〜90
モル%、好ましくは5〜70モル%、さらに好ましくは
10〜60モル%の量で用いられる。
【0015】レゾルシンおよび/または置換レゾルシン
以外の芳香族ジヒドロキシ化合物は、98〜10モル
%、好ましくは95〜30モル%、さらに好ましくは9
0〜40モル%の量で用いられる。このようなレゾルシ
ンおよび/または置換レゾルシン以外の芳香族ジヒドロ
キシ化合物は、特に限定されないが、通常は、下記式
[II]で示される化合物、さらに下記式[II]中のフェ
ニル基が脂肪族基やハロゲン原子で置換された化合物な
どが挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】であり、R1 およびR2 は水素原子または
1価の炭化水素基であり、R3 は2価の炭化水素基であ
る。またR4 およびR5 は、ハロゲン原子または1価の
炭化水素基であり、これらは、同一であっても異なって
いてもよい。pおよびqは0〜4の整数である。)この
ような芳香族ジヒドロキシ化合物としては、たとえばビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブ
タン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ-1- メチルフェニル)プロパン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'
-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリー
ルエーテル類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
フィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,
4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'- ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどの
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-
ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリ
ールスルホン類などが挙げられる。
【0018】これらのうちでは、特に2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。また
炭酸ジエステルとしては、具体的には、ジフェニルカー
ボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェ
ニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、
ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが
用いられる。
【0019】これらのうち特にジフェニルカーボネート
が好ましく用いられる。また上記のような炭酸ジエステ
ル中には、50モル%以下、好ましくは30モル%以下
の量でジカルボン酸類が含有されていてもよい。このよ
うなジカルボン酸類としては、具体的には、テレフタル
酸、イソフタル酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン
二酸などのジカルボン酸、セバシン酸ジフェニル、テレ
フタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル、デカン
二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルなどのジカル
ボン酸エステル、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸
クロリド、セバシン酸クロリド、デカン二酸クロリド、
ドデカン二酸クロリドなどのジカルボン酸などのジカル
ボン酸ハロゲン化物が用いられる。
【0020】このようなジカルボン酸類を含有する炭酸
ジエステルと、前記芳香族ジヒドロキシ化合物とを重縮
合させた場合には、ポリエステルポリカーボネート単位
が得られる。本発明では、共重合ポリカーボネートを製
造するに際して、上記のような炭酸ジエステルは、芳香
族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対して、1.0〜
1.30モル好ましくは1.01〜1.20モルの量で用
いられることが望ましい。
【0021】また本発明では共重合ポリカーボネートを
製造するに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の
官能基を有する多官能化合物を用いることもできる。こ
のような多官能化合物としては、フェノール性水酸基ま
たはカルボキシル基を3個以上有する化合物が好まし
く、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が好
ましく用いられる。具体的には、たとえば、1,1,1-トリ
ス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリス(4-
ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α-メチ
ル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジ
エチルベンゼン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフ
ェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フロログリ
シン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニ
ル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)
ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニ
ル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、1,
3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが挙
げられる。
【0022】これらのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル) エタン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好
ましく用いられる。多官能化合物が用いられる時は、芳
香族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対して、通常
0.03モル以下、好ましくは0.001〜0.02モ
ル、さらに好ましくは0.001〜0.01モルの量で用
いられる。
【0023】本発明では、上記のようなレゾルシンおよ
び/または置換レゾルシンを含有する芳香族ジヒドロキ
シ化合物と、炭酸ジエステルとを、触媒の存在下に溶融
重縮合させて共重合ポリカーボネートを製造する。触媒
としては、(a) アルカリ金属化合物および/またはアル
カリ土類金化合物が用いられる。
【0024】このようなアルカリ金属化合物およびアル
カリ土類金属化合物(a) としては、具体的には、アルカ
リ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、
酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなど
が好ましく挙げられる。より具体的には、このようなア
ルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素
ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素
ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、
安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水
素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノール
Aの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フ
ェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など
が用いられる。
【0025】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシ
ウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが用いられる。
【0026】これら化合物は単独あるいは組み合わせて
用いることができる。このような(a) アルカリ金属化合
物および/またはアルカリ土類金属化合物は、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物合計量1モルに対して、通常(1×1
-2モル)以下好ましくは1×10-8〜1×10-3
ル、さらに好ましくは1×10-7〜1×10-5モル、特
に好ましくは1×10-7〜2.5×10-6モルの量で用
いられる。
【0027】(a) アルカリ金属化合物またはアルカリ土
類金属化合物の使用量が、芳香族ジヒドロキシ化合物合
計量1モルに対して1×10-8〜1×10-3モルである
と、重合活性を高く維持できるとともに、得られる共重
合ポリカーボネートの性質に悪影響を及ぼさない量で酸
性化合物(後述する)を添加して、これら化合物が示す
塩基性を充分に中和するかあるいは弱めることができ、
色相、耐熱性、耐水性および耐候性に優れ、かつ長時間
の溶融安定性に優れた共重合ポリカーボネートが得られ
る。
【0028】本発明では、触媒として、上記のような
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物とともに、(b) 塩基性化合物および/または
(c) ホウ酸化合物を用いることができる。このような
(b) 塩基性化合物としては、たとえば高温で易分解性あ
るいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的
には、以下のような化合物が挙げられる。
【0029】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2 (式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボ
ロハイドライド(Bu4NBH4 )、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチル
アンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)など
の塩基性塩。
【0030】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用い
られる。また、(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸およ
び下記一般式で示されるホウ酸エステルなどが挙げられ
る。
【0031】B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
このようなホウ酸エステルとしては、具体的には、ホウ
酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、
ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリ
フェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなど
が挙げられる。
【0032】本発明で触媒として用いられる好ましい組
合せとしては、(a)アルカリ金属化合物および/または
アルカリ土類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と
からなる組合せが挙げられる。この際、(a) アルカリ金
属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は上記
のような量で用いられ、(b) 含窒素塩基性化合物は、芳
香族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対して、1×1
-6〜1×10-1モル、好ましくは1×10-5〜1×1
-2モルの量で用いられる。(b) 含窒素塩基性化合物の
使用量が芳香族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対し
て1×10-6〜1×10-1モルであると、エステル交換
反応、重合反応が十分な速度で進行し、さらに色相、耐
熱性および耐水性などに優れた共重合ポリカーボネート
が得られる点で好ましい。
【0033】このように(a) アルカリ金属化合物および
/またはアルカリ土類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性
化合物とを組合せた触媒は、耐熱性および耐水性に優れ
るとともに色調が改良され、透明性に優れた高分子量の
共重合ポリカーボネートを、高い重合活性で生成させる
ことができる。また本発明では、(a) アルカリ金属化合
物および/またはアルカリ土類金属化合物と、(c) ホウ
酸またはホウ酸エステルとの組合せからなる触媒、さら
に、(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土
類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と、(c) ホウ
酸またはホウ酸エステルとの組合せからなる触媒が好ま
しく用いられる。
【0034】このような組合せからなる触媒において、
(a) アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物
および(b) 含窒素塩基性化合物は、上記したような量で
用いられることが好ましい。(c) ホウ酸またはホウ酸エ
ステルは、芳香族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対
して、1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×1
-7〜1×10-2モル、さらに好ましくは1×10-6
1×10-4モルの量で用いられる。
【0035】(c) ホウ酸またはホウ酸エステルの使用量
が、芳香族ジヒドロキシ化合物合計量1モルに対して1
×10-8〜1×10-1モルであると、熱老化後に分子量
の低下を起こしにくく、さらに色相、耐熱性および耐水
性に優れた共重合ポリカーボネートが得られる点で好ま
しい。特に(a) アルカリ金属化合物またはアルカリ土類
金属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と、(c) ホウ酸
またはホウ酸エステルとからなる触媒は、透明性、耐熱
性および耐水性に優れるとともに色調も改良され、高分
子量の共重合ポリカーボネートを、高い重合活性で生成
させることができる。
【0036】このような触媒を用いた、レゾルシンおよ
び/または置換レゾルシンを含む芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知られて
いる芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重
縮合反応条件と同様な条件下で行なうことができる。具
体的には、80〜250℃、好ましくは100〜230
℃、さらに好ましくは120〜190℃の温度で、0〜
5時間、好ましくは0〜4時間、さらに好ましくは0〜
3時間、常圧下、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
ステルとを反応させる。次いで反応系を減圧にしながら
反応温度を高めて、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとの反応を行ない、最終的には5mmHg以下好
ましくは1mmHg以下の減圧下で240〜320℃の温
度で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重
縮合反応を行なう。
【0037】上記のような重縮合反応は、連続式で行な
ってもよく、またバッチ式で行なってもよい。また上記
の反応を行なうに際して用いられる反応装置は、槽型で
あっても管型であっても塔型であってもよい。このよう
にして得られる共重合ポリカーボネートでは、通常、極
限粘度[IV]が0.2〜1.2dl/g、好ましくは
0.3〜1.0dl/gである。
【0038】本発明によれば、重縮合に用いられる芳香
族ジヒドロキシ化合物中のレゾルシンおよび/または置
換レゾルシンの割合が大きくなっても、極限粘度[I
V]の高い共重合ポリカーボネートを製造することがで
きる。本発明に係る共重合ポリカーボネートの製造方法
では、このようにして得られた反応生成物、すなわち共
重合ポリカーボネートに、酸性化合物および必要に応じ
てエポキシ化合物を添加することが好ましい。
【0039】本発明で用いられる酸性化合物は、触媒と
して用いられたアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物などのアルカリ性化合物を中和することができれ
ば、ルイス酸化合物であってもブレンステッド酸化合物
あるいはイオウ原子を含む強酸のエステルであってもよ
い。また、特にブレンステッド酸化合物は、25℃の水
溶液中でのpKaが5以下、好ましくは3以下である。
【0040】pKaがこのような値を示す酸性化合物を
用いることにより、触媒として用いられたアルカリ金属
またはアルカリ土類金属を中和でき、得られる共重合ポ
リカーボネートを安定化させることができるという利点
がある。ルイス酸化合物としては、具体的には、ホウ酸
亜鉛、リン酸ホウ素などのホウ素化合物、B(OC
33 、B(OEt )3 、B(OPh)3 などのホウ
酸エステル、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミ
ニウムなどのアルミニウム化合物、炭酸ジルコニウム、
アルコキシドジルコニウム、ヒドロキシカルボン酸ジル
コニウムなどのジルコニウム化合物、リン化ガリウム、
アンチモン化ガリウムなどのガリウム化合物、酸化ゲル
マニウム、有機ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合
物、テトラおよびヘキサオルガノスズ、PhOSn(B
u)2OSn(Bu)2OPhなどのスズ化合物、酸化ア
ンチモン、アルキルアンチモンなどのアンチモン化合
物、酸化ビスマス、アルキルビスマスなどのビスマス化
合物、(CH3COO)2Zn 、ステアリン酸亜鉛などの
亜鉛化合物、アルコキシチタン、酸化チタンなどのチタ
ン化合物などが挙げられる。
【0041】なお、上記式中、Phはフェニル基、Et
はエチル基、Buはブチル基を表わす。また、ブレンス
テッド酸化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホウ酸、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン酸、L-アスコルビン酸、アスパラギン
酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、
サリチル酸、ニコチン酸、フマル酸、マレイン酸、シュ
ウ酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸お
よびベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ス
ルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル- スルホン化
スチレン共重合体などのスルホン酸類の化合物等が挙げ
られる。
【0042】イオウ原子を含む酸のエステルとしては、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p-トルエンスルホン酸の
メチル、エチル、ブチル、オクチルあるいはフェニルエ
ステル、ベンゼンスルホン酸のメチル、エチル、ブチ
ル、オクチルなどの酸残基部分のpKaが3以下の化合
物が用いられる。このような酸性化合物のうち、イオウ
原子、リン原子などを含有する酸性化合物が好ましく、
特にイオウ原子を含有する酸性化合物が好ましい。
【0043】反応生成物に加えられる酸性化合物は、反
応生成物である共重合ポリカーボネートに加えることに
より、残存するアルカリ性化合物による影響を中和ある
いは弱めることができる量で用いられる。たとえば反応
生成物である共重合ポリカーボネート中に残存するアル
カリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物
1モルに対して、0.01〜500モル、好ましくは
0.1〜100モル、さらに好ましくは0.1〜50モ
ル、特に好ましくは0.5〜30モルの量で用いられ
る。
【0044】特に酸性化合物がルイス酸または3より大
きいpKaを有するブレンステッド酸である場合には、
0.01〜500モル、好ましくは0.1〜50モル、
さらに好ましくは0.1〜30モルの量で用いられ、ま
た酸性化合物が3以下のpKaを有するブレンステッド
酸あるいはイオウ原子を含む酸のエステルである場合に
は、0.01〜500モル、好ましくは0.1〜15モ
ル、さらに好ましくは0.1〜7モルの量で用いられ
る。
【0045】本発明では、エポキシ化合物として、1分
子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられ
る。その使用量は特に規制されないが、通常は、反応生
成物である共重合ポリカーボネート100重量部に対し
て、0.0001〜0.2重量部、好ましくは0.00
1〜0.1重量部の量で用いられる。このようなエポキ
シ化合物として、具体的には、エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリル
グリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエー
テル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6- メ
チルシクロヘキシルメチル3,4-エポキシ-6- メチルシク
ロヘキサンカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキ
シルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、4-(3,4-エポキシ-5- メチルシクロヘキシル)ブチ
ル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-
エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキ
シルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキシルメチル-6-
メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノー
ルAグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエス
テル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、
ビス- エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス
- エポキシエチレングリコール、ビス- エポキシシクロ
ヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラ
フェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレー
ト、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-1,2- エ
ポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2- エポキシシ
クロヘキサン、3-メチル-5-t- ブチル-1,2- エポキシシ
クロヘキサン、オクタデシル-2,2- ジメチル-3,4- エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、N-ブチル-2,2-
ジメチル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、シクロヘキシル-2-メチル-3,4- エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、N-ブチル-2- イソプロピル-
3,4- エポキシ-5- メチルシクロヘキサンカルボキシレ
ート、オクタデシル-3,4- エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート、2-エチルヘキシル-3',4'- エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3- エポ
キシシクロヘキシル-3',4'- エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル
酸、3-t-ブチル-4,5- エポキシ無水テトラヒドロフタル
酸、ジエチル4,5-エポキシ- シス-1,2- シクロヘキサン
ジカルボキシレート、ジ-n- ブチル-3-t- ブチル-4,5-
エポキシ- シス-1,2- シクロヘキサンジカルボキシレー
ト等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上混
合して用いてもよい。
【0046】このようにして反応生成物である共重合ポ
リカーボネートに、酸性化合物と同時にエポキシ化合物
を添加すると、過剰に残存する酸性化合物がエポキシ化
合物と反応して中性化され、色調、耐熱性、耐水性など
の優れた共重合ポリカーボネートが得られる。本発明に
係る共重合ポリカーボネートの製造方法では、反応生成
物として得られたポリカーボネートに、酸性化合物と必
要に応じてエポキシ化合物を加える方法に特に限定はな
く、たとえば溶融状態にある共重合ポリカーボネートに
酸性化合物および必要に応じてエポキシ化合物を加え混
練してもよく、共重合ポリカーボネートの溶液に酸性化
合物と必要に応じてエポキシ化合物を加え撹拌してもよ
い。
【0047】酸性化合物およびエポキシ化合物を加える
方法としては、さらに具体的には、重縮合反応が終了し
て得られる溶融状態にある反応器内または押出機内の反
応生成物である共重合ポリカーボネートに、直接酸性化
合物と必要に応じてエポキシ化合物を別々にあるいは同
時に加え混練する方法、得られた共重合ポリカーボネー
トをペレット化し、このペレットを酸性化合物と必要に
応じてエポキシ化合物とともに一軸または二軸押出機な
どに供給して溶融混練する方法、得られた共重合ポリカ
ーボネートを適当な溶媒、たとえば塩化メチレン、クロ
ロホルム、トルエン、テトラヒドロフランなどに溶解さ
せて溶液を調製し、この溶液に酸性化合物と必要に応じ
てエポキシ化合物を別々にまたは同時に加え撹拌する方
法などが挙げられる。
【0048】また共重合ポリカーボネートに酸性化合物
とエポキシ化合物とを添加する順序は、酸性化合物が先
であっても、エポキシ化合物が先であってもよい。本発
明では、得られた共重合ポリカーボネートに、酸性化合
物およびエポキシ化合物に加えて、通常の耐熱安定剤、
チヌビン系紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリッ
プ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系
充填剤などを本発明の目的を損なわない範囲で配合する
ことができる。
【0049】上記のような耐熱安定剤としては、具体的
には、たとえば、フェノール系安定剤、有機チオエーテ
ル系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、ヒンダードア
ミン系安定剤、エポキシ系安定剤などが挙げられる。フ
ェノール系安定剤としては、たとえば、n-オクタデシル
-3-(4-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)プロ
ピオネート、テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t- ブ
チル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、1,1,3-トリス(2-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチ
ルフェニル)ブタン、ジステアリル(4-ヒドロキシ-3-
メチル-5-t- ブチル)ベンジルマロネート、4-ヒドロキ
シメチル-2,6- ジ-t- ブチルフェノール等が挙げられ
る。これらは単独で用いても2種以上混合して用いても
よい。
【0050】チオエーテル系安定剤としては、たとえ
ば、ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル
・チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプ
ロピオネート、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール- テトラキス-(β- ラウリル
- チオプロピオネート)などが挙げられる。これらは単
独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0051】また、リン系安定剤としては、たとえば、
ビス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ペンタエリスリチル
ジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフ
ェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオクチ
ルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファ
イトなどのアリールアルキルホスファイト、トリメチル
ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホ
スファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホ
スファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシ
ルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチルジホ
スファイト、トリス(2-クロロエチル)ホスファイト、
トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスファイトなどのト
リアルキルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファ
イトなどのトリシクロアルキルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス
(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホス
ファイトなどのトリアリールホスファイト、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリデシルホ
スフェート、トリオクタデシルホスフェート、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスフェート、トリス(2-ク
ロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロ
ピル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、
トリシクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアル
キルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ェート、2-エチルフェニルジフェニルホスフェートなど
のトリアリールホスフェートなどが挙げられる。これら
は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0052】またヒンダードアミン系安定剤としては、
たとえば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピ
ペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]-4- {3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6- テトラメチルピペ
リジン、8-ベンジル-7,7,9,9- テトラメチル-3- オクチ
ル-1,2,3- トリアザスピロ[4,5] ウンデカン-2,4-ジオ
ン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
ジン、2-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)
-2-n- ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4
- ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート
などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上混
合して用いてもよい。
【0053】これらの耐熱安定剤は、共重合ポリカーボ
ネート100重量部に対して、0.001〜5重量部、
好ましくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましく
は0.01〜0.3重量部の量で用いられることが望ま
しい。このような耐熱安定剤は、固体状で添加してもよ
く、液体状で添加してもよい。
【0054】このような耐熱安定剤は、共重合ポリカー
ボネートが最終重合器から冷却されてペレタイズされる
間の溶融状態にある間に添加することが好ましく、この
ようにすると共重合ポリカーボネートが受ける熱履歴回
数が少ない。また、押出成形やペレタイズなど再び加熱
処理をする際には、共重合ポリカーボネートは耐熱安定
剤を含有しているので、熱分解を抑制することができ
る。
【0055】また上記のような耐熱安定剤を添加するに
際して、同時に紫外線吸収剤を添加することもできる。
このような紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収
剤でよく、特に限定されないが、たとえば、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0056】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体
的には、フェニルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサ
リシレートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキ
シ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-
4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メ
トキシ-2'-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4
- メトキシ-5- スルホベンゾフェノントリヒドレート、
2-ヒドロキシ-4-n- オクトキシベンゾフェノン、2,2',
4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキ
シ-2- ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル
-4- ヒドロキシ-2- メトキシフェニル)メタン、2-ヒド
ロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5- スルホン酸など
が挙げられる。
【0057】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル- フェニル)ベンゾ
トリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチ
ル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキ
シ-3'-t-ブチル-5'-メチル-フェニル)-5- クロロベン
ゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t-ブ
チル- フェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-
(2'- ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- アミルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'- ヒドロキシ -
3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-
5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'- メチ
レンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-
ベンゾトリアゾール-2- イル)フェノール]などが挙
げられる。
【0058】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアク
リレート、エチル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアクリレ
ートなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種
以上混合して用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は、
共重合ポリカーボネート100重量部に対して、通常
0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1.0
重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量
で用いられる。
【0059】本発明においては、上記のような耐熱安定
剤を添加するに際して、同時に離型剤を添加することも
できる。このような離型剤としては、一般的な離型剤で
よく、特に限定されない。たとえば、炭化水素系離型剤
としては、天然、合成パラフィン類、ポリエチレンワッ
クス類、フルオロカーボン類などが挙げられる。
【0060】脂肪酸系離型剤としては、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪
酸類などが挙げられる。脂肪酸アミド系離型剤として
は、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド
などの脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類な
どが挙げられる。アルコール系離型剤としては、ステア
リルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロ
ール類などが挙げられる。
【0061】脂肪酸エステル系離型剤としては、ブチル
ステアレート、ペンタエリスリトールテトラステア レ
ートなどの脂肪族酸低級アルコールエステル、脂肪酸多
価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル
類などが挙げられる。シリコーン系離型剤としては、シ
リコーンオイル類などが挙げられる。これらは単独で用
いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの離型
剤は、ポリカーボネート100重量部に対して、通常
0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1重量
部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で用
いられる。
【0062】さらに上記のような耐熱安定剤を添加する
に際して、同時に着色剤を添加することもできる。この
ような着色剤としては、顔料であってもよく、染料であ
ってもよい。着色剤には、無機系と有機系の着色剤があ
るが、どちらを使用してもよく、また組み合わせて用い
てもよい。無機系着色剤として、具体的には、二酸化チ
タン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなどの
水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青な
どのフェロシアン化物、ジンククロメート、モリブデン
レッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、
炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、マン
ガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラックな
どの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉などの金属粉着
色剤などが挙げられる。
【0063】有機系着色剤としては、具体的には、ナフ
トールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエロ
ーSなどのニトロ系、リソールレッドやボルドー10
B、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどの
アゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルー
などのフタロシアニン系、インダントロンブルーやキナ
クソドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなど
の縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0064】これらの着色剤は、単独で用いても組み合
わせて用いてもよい。これらの着色剤は、共重合ポリカ
ーボネート100重量部に対して、通常1×10-6〜5
重量部、好ましくは1×10-5〜3重量部、さらに好ま
しくは1×10-5〜1重量部の量で用いられる。また本
発明では、重縮合反応によって得られた共重合ポリカー
ボネートに、酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物
とを添加した後に、減圧処理を施すことが好ましい。
【0065】このような減圧処理をするに際しては、処
理装置は特に限定されないが、たとえば、減圧装置付反
応器が用いられてもよく、減圧装置付押出機が用いられ
てもよい。反応器が用いられる際は、縦型槽型反応器、
横型槽型反応器いずれでもよく、好ましくは横型槽型反
応器が好ましく用いられる。
【0066】減圧処理を上記のような反応器において行
なう際は、圧力0.05〜750mmHg好ましくは
0.05〜5mmHgの条件下で行なわれる。このような
減圧処理は、押出機を用いて行なう場合には、10秒〜
15分間程度、また反応器を用いる場合には、5分〜3
時間程度の時間で行なうことが好ましい。また減圧処理
は、240〜350℃程度の温度で行なうことが好まし
い。
【0067】また減圧処理が押出機においてなされる際
は、ベント付の一軸押出機、二軸押出機いずれが用いら
れてもよく、押出機で減圧処理をしながらペレタイズす
ることもできる。減圧処理が押出機においてなされる際
は、減圧処理は、1〜750mmHg好ましくは5〜70
0mmHgの圧力条件下で行なわれる。
【0068】このようにして反応生成物である共重合ポ
リカーボネートに、酸性化合物と必要に応じてエポキシ
化合物を添加した後に、減圧処理を施すと、残留モノマ
ーやオリゴマーを低減させたポリカーボネートを得るこ
とができる。上記のようにして得られる共重合ポリカー
ボネートでは、レゾルシンおよび/または置換レゾルシ
ンから誘導される構成単位は下記式[III]で表され、
レゾルシンおよび/または置換レゾルシン以外の芳香族
ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位は下記式
[IV]で表される。
【0069】
【化3】
【0070】なお上記式[III]中、Rおよびnは前記
式[I]中のRおよびと同様であり、また式[IV]中、
4 、R5 およびp、qは、式[II]中のR4 、R5
よびp、qと同様である。本発明で得られる共重合ポリ
カーボネートは、レゾルシンおよび/または置換レゾル
シンから誘導される構成単位を、芳香族ジヒドロキシ化
合物から誘導される構成単位を100モル%とすると
き、2〜90モル%、好ましくは5〜70モル%、さら
に好ましくは10〜60モル%の量で含有している。ま
たレゾルシンおよび/または置換レゾルシン以外から誘
導される構成単位を、98〜10モル%、好ましくは9
5〜30モル%、さらに好ましくは90〜40モル%の
量で含有している。
【0071】このような共重合ポリカーボネートでは、
レゾルシンおよび/または置換レゾルシンと炭酸ジエス
テルとから誘導される構成単位と、レゾルシンおよび/
または置換レゾルシン以外の芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとから誘導される構成単位とが、ラン
ダムに配列されている。また本発明で得られる共重合ポ
リカーボネートは、本発明の目的を損なわない範囲で前
述したポリエステルポリカーボネート単位を含有してい
てよく、具体的には、50モル%以下、好ましくは30
モル%以下の量で含有していてもよい。
【0072】さらに本発明で得られる共重合ポリカーボ
ネートは、本発明の目的を損なわない範囲で前述した多
官能化合物から誘導される構成単位を含有していてもよ
く、具体的には、共重合ポリカーボネート1モル中、通
常0.03モル以下、好ましくは0.001〜0.02モ
ル、さらに好ましくは0.001〜0.01モルの量で含
有していてもよい。
【0073】本発明で得られる共重合ポリカーボネート
は、ガラス転移温度(Tg)が、通常、100〜150
℃、好ましくは110〜135℃である。また熱分解温
度は、通常、350〜380℃、好ましくは360〜3
80℃である。さらに、JIS K 7210に準拠し
て、温度280℃、荷重1.2Kgの条件で測定したメル
トフローレート(MFR)は、通常、5〜30g/10
分、好ましくは8〜20g/10分である。
【0074】本発明で得られる共重合ポリカーボネート
は、機械的特性、耐熱性、透明性ならびに色相に優れる
とともに、特に溶融時の流動性、成形性に優れている。
このような共重合ポリカーボネートは、成形時の溶融時
間を短くすることができるため、成形時の熱の影響が少
ない成形品質に優れた共重合ポリカーボネート成形品を
形成しうるとともに、成形サイクルが早くなり、生産歩
留りも向上する。
【0075】またこの共重合ポリカーボネートは、上記
レゾルシンおよび/または置換レゾルシンから誘導され
る構成単位の含有割合が多くなると摺動特性に優れるよ
うになり、少なくなると溶融成形時の滞留安定性および
耐水性に優れるようになる。本発明で得られる共重合ポ
リカーボネートは、耐候性にも優れ、使用時においても
長時間に亘って色相安定性に優れた共重合ポリカーボネ
ートの成形品を提供しうるので、シート、レンズ、コン
パクトディスクなどの光学用用途や自動車などの屋外で
使用される用途および各種機器のハウジングなどのあら
ゆる用途に好適に使用できる。
【0076】さらに本発明で得られる共重合ポリカーボ
ネートでは、熱分解温度は通常のポリカーボネートと同
等に高いばかりでなく、ガソリンなどに対する耐薬品性
が特に優れている。したがって、特に自動車のエンジン
回りの部品などに成形して好適に使用できる。なお、レ
ゾルシンおよび/または置換レゾルシンを含有する芳香
族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲンとを直接反応させ
て、レゾルシンおよび/または置換レゾルシンから誘導
される構成単位を含有する共重合ポリカーボネートを製
造しようとすると、透明性あるいは色相が低下すること
がある。またこの界面重合法では、共重合に用いられる
芳香族ジヒドロキシ化合物中のレゾルシンおよび/また
は置換レゾルシンの割合が大きくなると、極限粘度[I
V]の高い共重合ポリカーボネートが得られにくくなる
傾向にある。
【0077】
【発明の効果】本発明に係る共重合ポリカーボネートの
製造方法によれば、レゾルシンおよび/または置換レゾ
ルシンから誘導される構成単位を2〜90モル%の量で
含有する共重合を製造することができる。本発明で得ら
れる共重合ポリカーボネートは、機械的特性、耐熱性、
耐薬品性、透明性ならびに色相に優れるとともに、流動
性および成形性がより一層向上されている。
【0078】さらに本発明に係る製造方法では、得られ
た反応生成物である共重合ポリカーボネートに、酸性化
合物および必要に応じてエポキシ化合物を加えて処理す
ると、共重合ポリカーボネート中に残存する触媒として
用いたアルカリ性化合物による影響が中和されるかある
いは弱めらるとともに、エポキシ化合物によって添加し
た酸性化合物の悪影響を低減できる。したがって、本発
明に係る共重合ポリカーボネートの製造方法によれば、
触媒による悪影響を抑えることができ、耐熱性、耐水性
および耐侯性に優れ、かつ長時間溶融状態においた場合
の安定性にも優れた共重合ポリカーボネートを製造する
ことができる。
【0079】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0080】
【実施例】物性測定法および試験法を以下に示す。 極限粘度(IV)[dl/g];塩化メチレン中、20℃
でウベローデ粘度計を用いて測定した。 メルトフローレート(MFR)[g/10分];JISK
−7210に準拠し、温度300℃、荷重1.2Kgで測
定した。
【0081】色相(YI);3mm厚の射出成形板を、シ
リンダー温度290℃、射出圧力1000Kg/cm2 、1
サイクル45秒、金型温度100℃で成形し、X,Y,
Z値を、日本電色工業(株)製Colorand Color Deffer
ence Meter ND-1001 DP を用いて透過法で測定し、黄色
度(YI)を測定した。
【0082】YI=100(1.277 X− 1.060Z)/Y 光線透過率;ASTM D 1003の方法に従い、色
相測定用の射出成形板を用いて測定した。 ヘイズ;日本電色工業(株)のNDH−200を用い、
色相測定用の射出成形板のヘイズを測定した。
【0083】滞留安定性;320℃の温度で15分間射
出成形機のシリンダー内に樹脂を滞留させた後、その温
度で射出成形を行った。この成形板のYI,MFRを測
定した。
【0084】
【実施例1】ビスフェノールA(日本ジーイープラスチ
ックス(株)製)0.300モルと、レゾルシン(三井
石油化学工業(株)製)0.300モルと、ジフェニル
カーボネート(エニイ社製)0.672モルとを、50
0mlのガラスリアクターに仕込み、窒素置換をした後
に、窒素雰囲気下において、180℃で加熱し、30分
間Ni攪拌棒で攪拌した。次いで、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド15%水溶液を91.2mg(2.5
×10-4モル/ビスフェノールA 1モル)および水酸
化ナトリウム0.1%水溶液19.2mg(0.004×
2.5×10-4モル/ビスフェノールA 1モル)添加
し、30分間攪拌してエステル交換反応を行なった。
【0085】次に、温度を210℃まで昇温させると同
時に除々に200mmHgまで下げて1時間保持し、さら
に温度を240℃まで昇温させて200mmHgで20
分、徐々に150mmHgまで減圧し20分、さらに10
0mmHgまで下げ20分、15mmHgまで下げて0.5
時間反応させた後、270℃に昇温し、最終的に0.5
mmHgまで減圧して、2時間反応させた。
【0086】2時間後、窒素雰囲気にしてp-トルエンス
ルホン酸ブチル5%トルエン溶液を5.472mg(0.
008×2.5×10-4モル/ビスフェノールA 1モ
ル)添加し、30分0.5mmHgで攪拌した後、共重合
ポリカーボネートのペレットを得た。得られたポリマー
の極限粘度(IV)は0.49dl/gであった。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】
【実施例2】実施例1において、ビスフェノル−A(日
本ジーイープラスチックス(株)製)0.450モル、
レゾルシン(三井石油化学工業(株)製)0.150モ
ルを用いた以外は、実施例1と同様の方法で共重合ポリ
カーボネートのペレットを得た。結果を表1に示す。
【0089】
【実施例3】ビスフェノールA(日本ジーイープラスチ
ックス(株)製)0.300モルと、レゾルシン(三井
石油化学工業(株)製)0.300モルと、ジフェニル
カーボネート(エニイ社製)0.672モルとホウ酸3
%水溶液3.0mg(0.1×2.5×10-4モル/ビス
フェノールA 1モル)を500mlのガラスリアクター
に仕込み、窒素置換をした後に、窒素雰囲気下におい
て、180℃で加熱し、30分間Ni攪拌棒で攪拌し
た。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド1
5%水溶液を91.2mg(2.5×10-4モル/ビスフ
ェノールA 1モル)および水酸化ナトリウム0.1%
水溶液19.2mg(0.004×2.5×10-4モル/
ビスフェノールA 1モル)添加し、30分間攪拌して
エステル交換反応を行なった。
【0090】次に、温度を210℃まで昇温させると同
時に除々に200mmHgまで下げて1時間保持し、さら
に温度を240℃まで昇温させて200mmHgで20
分、徐々に150mmHgまで減圧し20分、さらに10
0mmHgまで下げ20分、15mmHgまで下げて0.5
時間反応させた後、270℃に昇温し、最終的に0.5
mmHgまで減圧して、2時間反応させた。
【0091】得られた共重合ポリカーボネートの極限粘
度(IV)は0.48dl/gであった。結果を表1に示
す。
【0092】
【実施例4〜8】実施例1において安定剤として表1に
記載の化合物を表1に記載した量で用い、重合後に混練
した以外は実施例1と同様の方法によって共重合ポリカ
ーボネートのペレットを得た。結果を表1に示す。
【0093】
【比較例1】実施例1において、レゾルシンを使用する
ことなく、ビスフェノールA(日本ジーイープラスチッ
クス(株)製)0.600モル用いて、実施例1に記載
の方法と同様の方法でポリカーボネートを製造した。結
果を表1に示す。
【0094】
【比較例2】比較例1において、安定剤として表1に記
載の化合物を表1に記載した量用いた以外は比較例1に
記載の方法と同様の方法でポリカーボネートを製造し
た。結果を表1に示す。
【0095】
【比較例3】ビスフェノールAポリカーボネート(日本
ジーイープラスチックス(株)製;レキサンLS2−1
11)の物性を測定した。結果を表1に示す。
【0096】
【実施例9および10】実施例1において、ビスフェノ
ールAおよびレゾルシンを表1に記載した割合で仕込
み、最終重合時間を1.5時間とし、安定剤として表1
に記載の化合物を表1に記載した量で用いて重合後に混
練した以外は実施例1と同様の方法によって共重合ポリ
カーボネートのペレットを得た。結果を表1に示す。
【0097】
【実施例11】実施例1において水酸化ナトリウムの1
0%水溶液を、240mg(5×2.5×10-4モル/ビ
スフエノールA 1モル)添加し、最終的に0.5mmH
gまで減圧して、1時間反応させた以外は、実施例1と
同様の方法によって共重合ポリカーボネートのペレット
を得た。
【0098】
【比較例4】実施例1において、ビスフェノル−Aを表
1に記載した割合で仕込み、最終重合時間を1.5時間
とし、安定剤として表1に記載の化合物を表1に記載し
た量で用いて重合後に混練した以外は実施例1と同様の
方法によって共重合ポリカーボネートのペレットを得
た。結果を表1に示す。
【0099】
【比較例5】ビスフェノールAポリカーボネート(日本
ジーイープラスチックス(株)製;ハイフローグレー
ド)の物性を測定した。結果を表1に示す。
【0100】
【比較例6】5リットルの重合フラスコにビスフェノー
ルA 0.5モル、レゾルシン0.5モル、水酸化ナト
リウム114g、水1300ml、塩化メチレン1620
mlを仕込み、滴下ロートにNaOH 96g、水182
0ml、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド11
4mgを仕込んで、25℃に保たれた重合フラスコにホス
ゲンを吹き込み1200rpm で攪拌した。同時に、滴下
ロートより、上記の水溶液を反応混合物のpHが11に
なるように調整し、2時間反応させた。
【0101】反応の途中で析出物がみられた。反応終了
後、15分間窒素で重合フラスコ中に残存しているホス
ゲンを追い出し、分液ロートで析出物が混在している塩
化メチレン層を分離し、濃塩酸でpH1とした。つい
で、水で中性になるまで洗浄したのち、20リットルの
メタノール中に塩化メチレン層を入れ、ポリマーを析出
させた。
【0102】得られたポリマーのIVは0.30dl/g
と低く、物性測定不可能であった。なお表1において、
各種安定剤は次のものを使用した。 イルガホス−168;チバガイギー社製 マーク AO−50;アデカアーガス社製 サイアソルブUV−5411;サンケミカル社製 TSF 437;東芝シリコーン社製 Plast Violet 8840;バイエル社製
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
    酸ジエステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネ
    ートを製造するに際して、(i) 芳香族ジヒドロキシ化合
    物として、該芳香族ジヒドロキシ化合物の合計量を10
    0モル%としたときに、レゾルシンおよび/または置換
    レゾルシンを2〜90モル%の量で用いるとともに、(i
    i) 触媒として(a) アルカリ金属化合物および/または
    アルカリ土類金属化合物を用いることを特徴とする共重
    合ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
    酸ジエステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネ
    ートを製造するに際して、(i) 芳香族ジヒドロキシ化合
    物として、該芳香族ジヒドロキシ化合物の合計量を10
    0モル%としたときに、レゾルシンおよび/または置換
    レゾルシンを2〜90モル%の量で用いるとともに、(i
    i) 触媒として(a) アルカリ金属化合物および/または
    アルカリ土類金属化合物を用いて、 上記芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶
    融重縮合させ、得られた反応生成物に、酸性化合物およ
    び必要に応じてエポキシ化合物を添加することを特徴と
    する共重合ポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
    酸ジエステルとを溶融重縮合させて共重合ポリカーボネ
    ートを製造するに際して、(i) 芳香族ジヒドロキシ化合
    物として、該芳香族ジヒドロキシ化合物の合計量を10
    0モル%としたときに、レゾルシンおよび/または置換
    レゾルシンを2〜90モル%の量で用いるとともに、(i
    i) 触媒として(a) アルカリ金属化合物および/または
    アルカリ土類金属化合物を用いて、 上記芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶
    融重縮合させ、得られた反応生成物に、酸性化合物およ
    び必要に応じてエポキシ化合物を添加した後、該反応生
    成物に減圧処理を施すことを特徴とする共重合ポリカー
    ボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】触媒として、(a) アルカリ金属化合物およ
    び/またはアルカリ土類金属化合物とともに、(b) 含窒
    素塩基性化合物 および/または(c) ホウ酸またはホウ
    酸エステルを用いることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】(a) アルカリ金属化合物および/またはア
    ルカリ土類金属化合物を、芳香族ジヒドロキシ化合物合
    計量1モルに対して、1×10-8〜1×10-3モルの量
    で用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】(a) アルカリ金属化合物および/またはア
    ルカリ土類金属化合物を含む触媒を、芳香族ジヒドロキ
    シ化合物合計量1モルに対して1×10-7〜2.5×1
    -6モルの量で用いることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
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