JPH04345618A - ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物およびこれらの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物およびこれらの製造方法

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JPH04345618A
JPH04345618A JP11761191A JP11761191A JPH04345618A JP H04345618 A JPH04345618 A JP H04345618A JP 11761191 A JP11761191 A JP 11761191A JP 11761191 A JP11761191 A JP 11761191A JP H04345618 A JPH04345618 A JP H04345618A
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JP
Japan
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compound
polycarbonate
aromatic dihydroxy
mol
acid
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Pending
Application number
JP11761191A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sakashita
阪 下   健
Kotaro Kishimura
岸 村  小太郎
Shuichi Uchimura
内 村  修 一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、複屈折率が低く、耐熱性
、色相などに優れたポリカーボネート、ポリカーボネー
ト組成物ならびにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、広く用いられている。
【0003】このようなポリカーボネートの製造方法と
しては、ビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化
合物とホスゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あ
るいはビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを
溶融状態でエステル交換反応(重縮合反応)させる方法
などが知られている。
【0004】界面法とエステル交換法とを比較すると、
エステル交換法では、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸
ジエステルとのエステル交換反応によってポリカーボネ
ートを製造する際に、通常、触媒としてアルカリ性化合
物を用い、減圧下に加熱しながら溶融状態でエステル交
換反応させているため、前述の界面法と比較して安価に
ポリカーボネートを製造することができ、しかも原料と
してホスゲンなど環境汚染を招くような物質が用いられ
ていないという利点を有している。
【0005】しかしながら、上記いずれの方法において
も、芳香族ジヒドロキシ化合物として、ビスフェノール
Aなどの二水酸基化合物だけを用いてなるポリカーボネ
ートでは、ガラス転移温度(Tg)が150℃程度しか
なく、例えば自動車用ヘッドランプなど高温に晒される
用途に用いるには、耐熱性が不十分である。
【0006】また、かかるポリカーボネートを、記録用
光ディスクなどの光記録媒体を製造する際に、基板など
として用いるには複屈折率が充分低くはない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、優れた耐熱性
および色相を有し、その上複屈折率が低いポリカーボネ
ート、ポリカーボネート組成物およびこれらの製造方法
を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明のポリカーボネートは、下記式[
I]で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導さ
れる成分単位と下記式[II]で表わされる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物(2,2,2’,2’ーテトラヒドロー
3,3,3’,3’ーテトラメチルー1,1’ースピロ
ビー[1Hーインデン]ー6,6’ージオール)から誘
導される成分単位と、炭酸ジエステルから誘導される成
分単位とからなることを特徴としている。
【0009】
【化4】
【0010】・・・[I] (上記式[I]において、Xは
【0011】
【化5】
【0012】であり、記号X中のR3およびR4は水素
原子または1価の炭化水素基であり、R5は2価の炭化
水素基である。また、R1およびR2は、炭素数1〜1
0の炭化水素基、あるいは少なくともその1部がハロゲ
ンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基、あるいは
ハロゲンであり、R1およびR2は同一であっても異な
っていてもよい。
【0013】また、mおよびnは、置換基数を表わし0
〜4の整数である。)
【0014】
【化6】
【0015】・・・[II] 本発明に係るポリカーボネートの製造方法は、上記芳香
族ジヒドロキシ化合物[I]と上記芳香族ジヒドロキシ
化合物[II](2,2,2’,2’ーテトラヒドロー
3,3,3’,3’ーテトラメチルー1,1’ースピロ
ビー[1Hーインデン]ー6,6’ージオール)と、炭
酸ジエステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶
融重縮合させることを特徴としている。
【0016】本発明の好ましい態様においては、上記芳
香族ジヒドロキシ化合物[I]と上記式[II]で表わ
される芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮合させ、得ら
れた反応生成物に、酸性化合物を添加することが望まし
い。
【0017】また本発明では、上記のような重縮合反応
生成物に、酸性化合物とともにエポキシ化合物を添加す
ることが好ましい。さらに本発明では、上記のような重
縮合反応生成物に、酸性化合物と、必要に応じてエポキ
シ化合物を添加した後、この反応生成物に減圧処理を施
すことが好ましい。
【0018】本発明に係るポリカーボネートは、芳香族
ジヒドロキシ化合物成分単位として、上記式[I]で表
わされる芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される成分
単位と、上記式[II]で表わされる芳香族ジヒドロキ
シ化合物から誘導される成分単位とが組み合わせて含ま
れているので、優れた耐熱性および色相を有し、その上
複屈折率が低い。
【0019】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、芳香族ジヒドロキシ化合物として、上記芳香族ジ
ヒドロキシ化合物[I]と上記芳香族ジヒドロキシ化合
物[II]とを組み合わせて用いているので、優れた耐
熱性および色相を有し、その上複屈折率が低いポリカー
ボネートを得ることができる。
【0020】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
によれば、溶融重縮合により得られた反応生成物に必要
に応じて酸性化合物を添加しているため、得られたポリ
カーボネート中に残存するアルカリ性化合物が中和ある
いは弱められ、したがってこのアルカリ化合物による悪
影響を抑えることができ、さらに必要に応じて加えられ
るエポキシ化合物は過剰に添加された酸性化合物と反応
し、中性化することができるので、耐熱性、成形滞留安
定性、耐水性および耐候性に優れ、かつ長時間溶融状態
においた場合の安定性にも優れたポリカーボネートを得
ることができる。
【0021】さらに必要に応じて減圧処理を行なうこと
により、ポリマー中の残留モノマーやオリゴマーを低減
することができ、成形時の金型汚れを低減し、さらに耐
熱性、成形滞留安定性、耐水性、成形安定性などにも優
れたポリカーボネートを得ることができる。
【0022】また、本発明に係るポリカーボネート組成
物は、上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と上記芳香
族ジヒドロキシ化合物[II]と炭酸ジエステルとを、
アルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重縮合させて得ら
れる芳香族系ポリカーボネートと、酸性化合物と、必要
に応じて含まれるエポキシ化合物とからなっている。
【0023】この(芳香族系)ポリカーボネート組成物
は、上記のような優れた特性を有している。
【0024】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリカーボネ
ート、ポリカーボネート組成物ならびにこれらの製造方
法を具体的に説明する。
【0025】本発明に係るポリカーボネートは、下記式
[I]で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導
される成分単位と下記式[II]で表わされる芳香族ジ
ヒドロキシ化合物から誘導される成分単位と、炭酸ジエ
ステルから誘導される成分単位とからなる。
【0026】本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物[I]は下記式[I]で表わされる。
【0027】
【化7】
【0028】・・・[I] (上記式[I]において、Xは
【0029】
【化8】
【0030】であり、X中のR3およびR4は水素原子
または1価の炭化水素基であり、R5は2価の炭化水素
基である。また、R1およびR2は、炭素数1〜10の
炭化水素基、あるいは少なくともその1部がハロゲンで
置換された炭素数1〜10の炭化水素基、あるいはハロ
ゲンであり、R1およびR2は同一であっても異なって
いてもよい。
【0031】また、mおよびnは、置換基数を表わし0
〜4の整数である。)このような芳香族ジヒドロキシ化
合物[I]としては、具体的には、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル
)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オ
クタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t
−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類
、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4
’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテ
ルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなど
のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどの
ジヒドロキシジアリールスルホン類などが用いられる。
【0032】これらのうちでは、特に2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンすなわちビスフェノー
ルAが好ましい。本発明では、下記式[II]で表わさ
れる芳香族ジヒドロキシ化合物(芳香族ジヒドロキシ化
合物[II]ともいう)、すなわち2,2,2’,2’
ーテトラヒドロー3,3,3’,3’ーテトラメチルー
1,1’ースピロビー[1Hーインデン]ー6,6’ー
ジオールが用いられる。
【0033】
【化9】
【0034】・・・[II] 本発明に係るポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ
化合物成分単位として、上記式[I]で表わされる芳香
族ジヒドロキシ化合物から誘導される成分単位と、上記
式[II]で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物から
誘導される成分単位とが組み合わせて含まれているので
、優れた耐熱性および色相を有し、その上複屈折率が低
い。
【0035】本発明においては、このような芳香族ジヒ
ドロキシ化合物[I]と[II]とからそれぞれ誘導さ
れる成分単位のモル比([I]/[II])が、98/
2〜0/100であることが好ましく、さらに好ましく
は、95/5〜15/85、特に好ましくは90/10
〜20/80であることが望ましい。
【0036】このような芳香族ジヒドロキシ化合物[I
]と[II]とからそれぞれ誘導される成分単位のモル
比([I]/[II])が、98/2を超えると、あま
り耐熱性および色相が改善されず、複屈折率の低いポリ
カーボネートが得られない傾向がある。
【0037】本発明では、炭酸ジエステルとしては、具
体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボ
ネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−ク
レジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(
ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボ  ネート
、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシ
クロヘキシルカーボネートなどが用いられる。
【0038】これらのうち特にジフェニルカーボネート
が好ましい。また上記のような炭酸ジエステルは、好ま
しくは50モル%以下さらに好ましくは30モル%以下
の量のジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを含
有していてもよい。このようなジカルボン酸あるいはジ
カルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジフェ
ニル、イソフタル酸ジフェニル、セバシン酸ジフェニル
、ドデカン二酸ジフェニルなどが用いられる。
【0039】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルを炭酸ジエステルと併用した場合には、ポ
リエステルポリカーボネートが得られる。本発明に係る
ポリカーボネートは、それぞれ上記のような量で芳香族
ジヒドロキシ化合物[I]および[II]と、炭酸ジエ
ステルと必要に応じて上記のような多官能化合物とをア
ルカリ化合物触媒の存在下に溶融重縮合させることによ
り製造することができる。
【0040】このようなポリカーボネートを製造するに
際して、上記のような炭酸ジエステルは、芳香族ジヒド
ロキシ化合物[I]と[II]との合計1モルに対して
、1.0〜1.30モル好ましくは1.01〜1.20
モルさらに好ましくは1.01〜1.10モルの量で用
いられることが望ましい。
【0041】また本発明では、ポリカーボネートを製造
するに際して、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[I
I]と炭酸ジエステルと、1分子中に3個以上の官能基
を有する多官能化合物とを用いることもできる。
【0042】このような多官能化合物としては、フェノ
ール性水酸基またはカルボキシル基を1分子中に3個以
上有する化合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を
3個含有する化合物が好ましい。具体的には、たとえば
、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、α−メチル −α,α’,α’−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、α,α
’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3
,5− トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキ
シフェニル)−ヘプタン−2、1,3,5−トリ(4−
ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,2−ビス−4,4
−(4,4’−ジヒドロキシフェニル)−シクロヘキシ
ルプロパン、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼント
リカルボン酸、ピロメリット酸などが挙げられ、これら
のうち、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル
)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,3,5− トリイソプロピルベンゼンな
どが好ましく用いられる。
【0043】このような多官能化合物は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物[I]と[II]との合計1モルに対して
、通常は0.03モル以下好ましくは0.001〜0.
02モルさらに好ましくは0.001〜0.01モルの
量で用いられることが望ましい。
【0044】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、触媒として、アルカリ性化合物が用いられる。こ
のようなアルカリ性化合物としては、特にアルカリ金属
化合物および/またはアルカリ土類金化合物が挙げられ
る。
【0045】このような化合物としては、アルカリ金属
およびアルカリ土類金属などの金属の有機酸塩、無機酸
塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラート
などが好ましく用いられ、これら化合物は単独あるいは
組み合わせて用いることができる。
【0046】このようなアルカリ金属化合物としては、
具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム
、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安
息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウ
ム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナト
リウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが用いられる。
【0047】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシ
ウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム
、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチ
ウムなどが用いられる。
【0048】このようなアルカリ金属化合物またはアル
カリ土類金属化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物[I
]と[II]の合計1モルに対して10−8〜10−3
モルの量で、さらに好ましくは10−7〜10−5モル
の量で、特に好ましくは10−7〜3×10−6モルの
量で用いられる。
【0049】アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金
属化合物の量が、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[
II]との合計1モルに対して10−8〜10−3モル
であると、重合活性を維持できるとともに、ポリカーボ
ネートの性質に悪影響を及ぼさない量で酸性化合物(後
述する)を添加することにより、これら化合物が示す塩
基性を充分に中和あるいは弱めることができ、色相、耐
熱性、耐水性および耐候性に優れ、かつ長時間の溶融安
定性に優れたポリカーボネートが得られる傾向がある。
【0050】本発明では、触媒として、このようなアル
カリ性化合物とともに、他の塩基性化合物およびホウ酸
化合物を用いることができる。このような塩基性化合物
としては、たとえば高温で易分解性あるいは揮発性の含
窒素化合物、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモ
ニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、トリメチルベン
ジルアンモニウムヒドロキシド(フェニル−CH2(M
e)3NOH)などのアルキル、アリール、アルアリー
ル基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類、R2N
H(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニル
、トルイルなどのアリール基などである)で示される二
級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同じである)で
示される一級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、あるいは
アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライ
ド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロ
ハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモ
ニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、
テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(M
e4NBPh4)などの塩基性塩などが用いられる。
【0051】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましい。ま
た、触媒として用いるホウ酸化合物としては、ホウ酸お
よびホウ酸エステルなどを挙げることができる。
【0052】ホウ酸エステルとしては、一般式B(OR
)n(OH)3−n (式中Rは、メチル、エチルなどのアルキル、フェニル
などのアリールなどであり、nは1,2または3である
)で示されるホウ酸エステルが用いられる。
【0053】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル
、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリ
ナフチルなどが用いられる。
【0054】このように本発明では、具体的には、(a
) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と、からなる
触媒が好ましく用いられる。
【0055】この際、(a) アルカリ金属化合物およ
び/またはアルカリ土類金属化合物は上記したような量
で用いられ、(b) 含窒素塩基性化合物は、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物[I]と[II]との合計1モルに対
して、10−6〜10−1モル好ましくは10−5〜1
0−2モルの量で用いられる。
【0056】(b)含窒素塩基性化合物の量が芳香族ジ
ヒドロキシ化合物[I]と[II]との合計1モルに対
して10−6〜10−1モルであると、エステル交換反
応、重合反応が十分な速度で進行し、さらに色相、耐熱
性などに優れたポリカーボネートが得られる点で好まし
い。
【0057】このように(a) アルカリ金属化合物ま
たはアルカリ土類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性
化合物とを組合せた触媒は、高い重合活性を有して高分
子量のポリカーボネートを生成させることができ、しか
も得られるポリカーボネートは、さらに耐熱性に優れ、
その上色調が改良され、透明性に優れている。
【0058】また本発明では、(a)   アルカリ金
属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物と、(
c)   ホウ酸またはホウ酸エステルと、からなる触
媒が好ましく用いられ、さらに(a)   アルカリ金
属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物と、(
b)   含窒素塩基性化合物と、(c)   ホウ酸
またはホウ酸エステルとからなる触媒が好ましく用いら
れる。
【0059】このような(a) アルカリ金属化合物ま
たはアルカリ土類金属化合物および(b)含窒素塩基性
化合物は、上記したような量で用いられることが好まし
い。また(c) ホウ酸またはホウ酸エステルは、芳香
族ジヒドロキシ化合物[I]と[II]との合計1モル
に対して、10−8〜10−1モル好ましくは10−7
〜10−2モルさらに好ましくは10−6〜10−4モ
ルの量で用いられる。
【0060】(c) ホウ酸またはホウ酸エステルの量
が、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[II]との合
計1モルに対して10−8〜10−1モルであると、熱
老化後の分子量の低下が起こりにくく、さらに色相、耐
熱性などに優れたポリカーボネートが得られる点で好ま
しい。
【0061】特に(a) アルカリ金属化合物またはア
ルカリ土類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物
と、(c) ホウ酸またはホウ酸エステルとからなる三
者を組合せた触媒は、高い重合活性を有して高分子量の
ポリカーボネートを生成させることができ、しかも得ら
れるポリカーボネートは、さらに耐熱性などに優れ、そ
の上色調がさらに改良され、透明性に優れている。
【0062】このような触媒を用いた芳香族ジヒドロキ
シ化合物[I]、[II]と炭酸ジエステルと必要に応
じて多官能化合物との重縮合反応は、従来知られている
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合
反応条件と同様な条件下で行なうことができるが、具体
的には、第一段目の反応を80〜250℃好ましくは1
00〜230℃さらに好ましくは120〜190℃の温
度で0〜5時間好ましくは0〜4時間さらに好ましくは
0〜3時間常圧で、芳香族系二水酸基化合物[I]、[
II]と炭酸ジエステルとを反応させる。
【0063】次いで反応系を0.1〜760mmHg、
好ましくは0.1〜10mmHgに減圧にしながら反応
温度を240〜320℃、好ましくは260〜300℃
の温度で、1分〜5時間、好ましくは30分〜3時間、
芳香族ジヒドロキシ化合物[I]、[II]と炭酸ジエ
ステルとの重縮合反応を行なう。
【0064】上記のような重縮合反応は、溶融状態で行
われるが、連続式で行なってもよくまたバッチ式で行な
ってもよい。また上記の反応を行なうに際して用いられ
る反応装置は、槽型であっても押出機型であってもよい
【0065】本発明に係る芳香族ポリカーボネートの製
造方法では、このようにして得られた反応生成物、すな
わちポリカーボネートに、酸性化合物を添加している。 また本発明では、上記のようにして得られる反応生成物
すなわちポリカーボネートに、酸性化合物とともにエポ
キシ化合物を添加している。
【0066】本発明で用いられる酸性化合物は、触媒と
して用いられたアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物などのアルカリ性化合物を中和することができれ
ば、ルイス酸化合物であってもブレンステッド酸化合物
あるいはイオウ原子を含む強酸のエステルであってもよ
い。
【0067】また、特にブレンステッド酸化合物は、2
5℃の水溶液中でのpKaが5以下、好ましくは3以下
である。pKaがこのような値を示す酸性化合物を用い
ることにより、触媒として用いられたアルカリ金属また
はアルカリ土類金属を中和でき、得られるポリカーボネ
ートを安定化させることができるという利点がある。
【0068】ルイス酸化合物としては、具体的には、

0069】
【化10】
【0070】ホウ酸亜鉛、リン酸ホウ素などのホウ素化
合物、B(OCH3 )3 、B(OEt)3 、B(
OPh)3 などのホウ酸エステル、ステアリン酸アル
ミニウム、ケイ酸アルミニウムなどのアルミニウム化合
物、炭酸ジルコニウム、アルコキシドジルコニウム、ヒ
ドロキシカルボン酸ジルコニウムなどのジルコニウム化
合物、リン化ガリウム、アンチモン化ガリウムなどのガ
リウム化合物、酸化ゲルマニウム、有機ゲルマニウムな
どのゲルマニウム化合物、テトラおよびヘキサオルガノ
スズ、
【0071】
【化11】
【0072】酸化アンチモン、アルキルアンチモンなど
のアンチモン化合物、酸化ビスマス、アルキルビスマス
などのビスマス化合物、ステアリン酸亜鉛などの亜鉛化
合物、アルコキシチタン、酸化チタンなどのチタン化合
物などを挙げることができる。
【0073】なお、上記式中、Phはフェニル基、Et
はエチル基、Buはブチル基を表わす。また、ブレンス
テッド酸化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホウ酸、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン二酸、L−アスコルビン酸、アスパラギ
ン酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸
、サリチル酸、ニコチン酸、フマル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸
およびベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸
、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル− スル
ホン化スチレン共重合体などのスルホン酸類の化合物等
を挙げることができる。
【0074】イオウ原子を含む酸のエステルとしては、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸
のメチル、エチル、ブチル、オクチルあるいは  フェ
ニルエステル、ベンゼンスルホン酸のメチル、エチル、
ブチル、オクチル、フェニルエステルなどの酸残基部分
のpKaが3以下の化合物が用いられる。
【0075】このような酸性化合物のうち、イオウ原子
、リン原子などを含有する酸性化合物が好ましく、特に
イオウ原子を含有する酸性化合物が好ましい。反応生成
物に加えられる酸性化合物は、反応生成物として得られ
たポリカーボネートに加えることにより、残存するアル
カリ性化合物による影響を中和あるいは弱めることがで
きる量で用いられる。たとえばポリカーボネート中に残
存するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類
金属化合物1モルに対して、0.01〜500モル、好
ましくは0.1〜100モル、さらに好ましくは0.1
〜50モル、特に好ましくは0.5〜30モルの量で用
いられる。
【0076】特に酸性化合物がルイス酸または3より大
きいpKaを有するブレンステッド酸である場合には、
0.01〜500モル好ましくは0.1〜50モルさら
に好ましくは0.1〜30モルの量で用いられ、また酸
性化合物が3以下のpKaを有するブレンステッド酸あ
るいはイオウ原子を含む酸のエステルである場合には、
0.01〜500モル好ましくは0.1〜15モルさら
に好ましくは  0.1〜7モルの量で用いられる。
【0077】本発明では、エポキシ化合物としては、1
分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられ
、その使用量は特に規制されないが、通常はポリカーボ
ネート100重量部に対して0.0001〜0.2重量
部、好ましくは0.001〜0.1重量部の量で用いら
れる。
【0078】このようなエポキシ化合物として、具体的
には、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t
−ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシルメチル3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキサンカルボキシレート、2,3−エポキシシクロ
ヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、4−(3,4−エポキシ−5−メチルシク
ロヘキシル)ブチル3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
レンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘ
キサンカルボキシレート、ビスフェノール−Aジグリシ
ジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−Aグリシ
ジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキ
サヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス− エ
ポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス− エポ
キシエチレングリコール、ビス− エポキシシクロヘキ
シルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェ
ニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、
エポキシ化ポリブタジエン、3,4−ジメチル−1,2
−エポキシシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2
−エポキシシクロヘキサン、3−メチル−5−t−ブチ
ル−1,2−エポキシシクロヘキサン、オクタデシル−
2,2− ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート、N−ブチル−2,2−ジメチル−3
,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、シク
ロヘキシル−2− メチル−3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロピ
ル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカル
ボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、2−エチルヘキシル−3’
,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4
,6−ジメチル−2,3−エポキシシクロヘキシル−3
’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3−t−
ブチル−4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、
ジエチル4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキ
サンジカルボキシレート、ジ−n−ブチル−3−t− 
ブチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキ
サンジカルボキシレート等が挙げられ、これらを単独で
用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0079】このようにして酸性化合物と同時にエポキ
シ化合物を添加すると、過剰に残存する酸性化合物がエ
ポキシ化合物と反応して中性化するので色調、耐熱性な
どの優れたポリカーボネートが得られる。
【0080】本発明に係る芳香族ポリカーボネートの製
造方法では、反応生成物として得られたポリカーボネー
トに、酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物を加え
る方法に特に限定はなく、たとえば溶融状態にあるポリ
カーボネートに酸性化合物そして必要に応じてエポキシ
化合物を加え混練してもよく、ポリカーボネートの溶液
に酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物を加え攪拌
してもよい。酸性化合物およびエポキシ化合物を加える
方法としては、さらに具体的には、重縮合反応が終了し
て得られる、溶融状態にある反応器内または押出機内の
ポリカーボネートに直接、酸性化合物と必要に応じてエ
ポキシ化合物を別々にあるいは同時に加え混練する方法
、得られたポリカーボネートをペレット化し、このペレ
ットを酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物ととも
に一軸または二軸押出機などに供給して溶融混練する方
法、得られたポリカーボネートを適当な溶媒、たとえば
塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロ
フランなどに溶解させて溶液を調製し、この溶液に酸性
化合物と必要に応じてエポキシ化合物を別々にまたは同
時に加え攪拌する方法などを挙げることができる。
【0081】またポリカーボネートに酸性化合物とエポ
キシ化合物とを添加する順序は、酸性化合物が先であっ
ても、エポキシ化合物が先であってもよい。本発明では
、得られたポリカーボネートに、酸性化合物およびエポ
キシ化合物に加えて、通常の耐熱安定剤、チヌビン系紫
外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチ
ブロッキング剤、滑剤、防曇剤、染料、顔料、天然油、
合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを
本発明の目的を損なわない範囲で配合できる。
【0082】上記のような耐熱安定剤としては、具体的
には、たとえば、フェノール系安定剤、有機チオエーテ
ル系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、ヒンダードア
ミン系安定剤、エポキシ系安定剤などを挙げることがで
きる。
【0083】フェノール系安定剤としては、たとえば、
n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4−ヒドロ
キシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネー
ト、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以
上混合して用いてもよい。
【0084】チオエーテル系安定剤としては、たとえば
、ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・
チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオ
ジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプ
ロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(
β−ラウリル−チオプロピオネート)等が挙げられ、こ
れらを単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0085】また、リン系安定剤としては、たとえば、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リチルジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト
、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソ
オクチルホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニル
ホスファイト等のアリールアルキルホスファイト;トリ
メチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブ
チルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノ
ニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオク
タデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチ
ルジホスファイト、トリス(2−クロロエチル)ホスフ
ァイト、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファ
イト等のトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシ
ルホスファイト等のトリシクロアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト
、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2
,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシ
フェニル)ホスファイト等のトリアリールホスファイト
;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、
トリデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェー
ト、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェート、
トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2
,3−ジクロロプロピル)ホスフェート等のトリアルキ
ルホスフェート;トリシクロヘキシルホスフェート等の
トリシクロアルキルホスフェート;トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニル
ホスフェート等のトリアリールホスフェート等が挙げら
れ、これらを単独で用いても2種以上混合して用いても
よい。
【0086】またヒンダードアミン系安定剤としては、
たとえば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
 ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4− ピペリジル)セバケート、1−
[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4− ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テト
ラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ
[4,5]ウンデカン−2,4− ジオン、4−ベンゾ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6
,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げ
られ、これらを単独で用いても2種以上混合して用いて
もよい。
【0087】これらの耐熱安定剤は、ポリカーボネート
100重量部に対して、0.001〜5重量部、好まし
くは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.
01〜0.3重量部の量で用いられることが望ましい。
【0088】このような耐熱安定剤は、固体状で添加し
てもよく、液体状で添加してもよい。このような耐熱安
定剤は、ポリカーボネートが最終重合器から冷却されて
ペレタイズされる間の溶融状態にある間に添加すること
が好ましく、このようにするとポリカーボネートが受け
る熱履歴回数が少ない。また、押出成形やペレタイズな
ど再び加熱処理をする際には、ポリカーボネートは耐熱
安定剤を含有しているので、熱分解を抑制することがで
きる。
【0089】また上記のような耐熱安定剤を添加するに
際して、同時に紫外線吸収剤を添加することもできる。 このような紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収
剤でよく、特に限定されないが、たとえば、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0090】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体
的には、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニ
ルサリシレートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロ
キシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデ
シロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−
ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)
メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
−5−スルホン酸などが挙げられる。
【0091】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル
)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’
,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5
’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6
”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチル
フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール
]などを挙げることができる。
【0092】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレートなどを挙げることができる。
【0093】これらを単独で用いても、2種以上混合し
て用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は、ポリカーボ
ネート100重量部に対して、通常0.001〜5重量
部、好ましくは0.005〜1.0重量部、さらに好ま
しくは0.01〜0.5重量部の量で用いられる。
【0094】本発明においては、上記のような耐熱安定
剤を添加するに際して、同時に離型剤を添加することも
できる。このような離型剤としては、一般的な離型剤で
よく、特に限定されないが、たとえば、炭化水素系離型
剤としては、天然、合成パラフィン類、ポリエチレンワ
ックス類、フルオロカーボン類などを挙げることができ
、脂肪酸系離型剤としては、ステアリン酸、ヒドロキシ
ステアリン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪酸類などを
挙げることができ、脂肪酸アミド系離型剤としては、ス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミドなどの
脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類などを挙
げることができ、アルコール系離型剤としては、ステア
リルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロ
ール類などを挙げることができ、脂肪酸エステル系離型
剤としては、ブチルステアレート、ペンタエリスリトー
ルテトラステア  レートなどの脂肪族酸低級アルコー
ルエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポ
リグリコールエステル類などを挙げることができ、シリ
コーン系離型剤としては、シリコーンオイル類などを挙
げることができる。
【0095】これらは、単独で用いても、2種以上混合
して用いてもよい。これらの離型剤は、ポリカーボネー
ト100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、
好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましくは0
.01〜0.5重量部の量で用いられる。
【0096】さらに上記のような耐熱安定剤を添加する
に際して、同時に着色剤を添加することもできる。この
ような着色剤としては、顔料であってもよく、染料であ
ってもよい。着色剤には、無機系と有機系の着色剤があ
るが、どちらを使用してもよく、また、組み合わせて用
いてもよい。
【0097】無機系着色剤として、具体的には、二酸化
チタン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなど
の水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青
などのフェロシアン化物、ジンククロメート、モリブデ
ンレッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩
、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、マ
ンガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラック
などの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉などの金属粉
着色剤などが挙げられる。
【0098】有機系着色剤としては、具体的には、ナフ
トールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエロ
ーSなどのニトロ系、リソールレッドやボルドー10B
、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどのア
ゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルーな
どのフタロシアニン系、インダントロンブルーやキナク
ソドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなどの
縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0099】これらの着色剤は、単独で用いても組み合
わせて用いてもよい。これらの着色剤は、ポリカーボネ
ート100重量部に対して、通常1×10−6〜5重量
部、好ましくは1×10−5〜3重量部、さらに好まし
くは1×10−5〜1重量部の量で用いられる。
【0100】また本発明では、重縮合反応によって得ら
れたポリカーボネートに、酸性化合物と必要に応じてエ
ポキシ化合物を添加した後に、このポリカーボネートに
減圧処理を施すことが好ましい。
【0101】このような減圧処理をするに際しては、処
理装置は特に限定されないが、たとえば、減圧装置付反
応器が用いられてもよく、減圧装置付押出機が用いられ
てもよい。
【0102】反応器が用いられる際は、縦型槽型反応器
、横型槽型反応器いずれでもよく、好ましくは横型槽型
反応器が好ましく用いられる。減圧処理を上記のような
反応器において行なう際は、圧力0.05〜750mm
Hg好ましくは0.05〜5mmHgの条件下で行なわ
れる。
【0103】このような減圧処理は、押出機を用いて行
なう場合には、10秒〜15分間程度、また反応器を用
いる場合には、5分〜3時間程度の時間で行なうことが
好ましい。また減圧処理は、240〜350℃程度の温
度で行なうことが好ましい。
【0104】また減圧処理が押出機においてなされる際
は、ベント付の一軸押出機、二軸押出機いずれが用いら
れてもよく、押出機で減圧処理をしながらペレタイズす
ることもできる。
【0105】減圧処理が押出機においてなされる際は、
減圧処理は、圧力1〜750mmHg好ましくは5〜7
00mmHgの条件下で行なわれる。このようにしてポ
リカーボネートに酸性化合物と必要に応じてエポキシ化
合物を添加した後に、このポリカーボネートに減圧処理
を施すと、残留モノマーやオリゴマーを低減させたポリ
カーボネートを得ることができる。このため成形時の滞
留安定性や成形品の耐熱性、色相に優れ、複屈折率が低
いだけでなく、金型成形しても金型汚れが少なく、成形
品質に優れたポリカーボネート成形品が得られる。また
、金型取替頻度を低減することもできる。
【0106】さら使用時においても、長時間に亘って色
相安定性に優れたポリカーボネートの成形品を提供しう
るので、シートやレンズ、コンパクトディスクなどの光
学用用途や自動車等の屋外で使用される用途および各種
機器のハウジング等のあらゆる用途に使用できる。
【0107】特に本発明の方法により得られるポリカー
ボネートは優れた色相と低複屈折率が要求される記録用
ディスクなどの用途、耐熱性が要求される自動車用ヘッ
ドランプカバーなどの用途に好適に用いられる。
【0108】次に本発明に係る芳香族系ポリカーボネー
ト組成物について説明する。本発明に係る第1のポリカ
ーボネート組成物は、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]
と[II]と炭酸ジエステルとを、アルカリ性化合物触
媒の存在下に溶融重縮合させて得られるポリカーボネー
トと、酸性化合物とからなっている。
【0109】また本発明に係る第2のポリカーボネート
組成物は、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[II]
と炭酸ジエステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下
に溶融重縮合させて得られるポリカーボネートと、酸性
化合物と、エポキシ化合物とからなっている。
【0110】上記のような酸性化合物は、上述したよう
に、ポリカーボネート中に触媒として含まれるアルカリ
金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の合
計1モルに対して0.001〜500モル、好ましくは
0.1〜100モル、さらに好ましくは0.1〜50モ
ル、特に好ましくは0.1〜7モルの量で、ポリカーボ
ネート組成物中に含まれる。
【0111】またエポキシ化合物は、上述したように、
ポリカーボネート100重量部に対して0.0001〜
0.2重量部、好ましくは0.001〜0.1重量部の
量で、ポリカーボネート組成物中に含まれる。
【0112】なお本発明に係る(芳香族系)ポリカーボ
ネート組成物には、上述したような耐熱安定剤、紫外線
吸収剤などを含むことができる。
【0113】
【発明の効果】本発明のポリカーボネートは、優れた耐
熱性および色相を有し、その上複屈折率が低い。
【0114】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[II]と炭
酸ジエステルとをアルカリ性化合物触媒の存在下で溶融
重縮合させているので、優れた耐熱性および色相を有し
、その上複屈折率が低いポリカーボネートが得られる。
【0115】また、必要により、得られた反応生成物(
ポリカーボネート)に、酸性化合物と、必要に応じてエ
ポキシ化合物とを添加しているため、ポリカーボネート
中に残存する塩基性化合物による影響が中和あるいは弱
められる。
【0116】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約され
るものではない。以下の実施例において得られたポリカ
ーボネート組成物およびその成形体の物性は、下記のよ
うにして測定した。
【0117】得られた結果は、表1に示した。 極限粘度(IV);塩化メチレン中(0.5g/dl)
、20℃でウベローデ粘度計を用いて測定した。
【0118】黄色度(YI);3mm厚のプレスシート
について、日本電色工業(株)のColor and 
Defference Meter ND−1001 
DP を用い透過法で測定したX値、Y値、Z値から、
次式によって算出した。   YI  =  (100/Y)  ×  (1.2
77X  −  1.060Z) 光線透過率;3mm
厚のプレスシートについて、日本電色工業(株)の N
DH−200を用いて測定した。
【0119】ヘイズ;3mm厚のプレスシートについて
、日本電色工業(株)の NDH−200を用いて測定
した。 ガラス転移温度(Tg);パーキンエルマー社製 MO
DEL DSC−2 示差走査熱量計を用いて、10℃
/min の昇温速度で樹脂の示差熱分析を行って求め
た。
【0120】複屈折率;1mm厚の射出試験片について
、エリプソメーター(ダブルパルス)を用いて測定した
。 熱変形温度(HDT);0.5×0.5×5インチの射
出試験片について、264 psiの荷重をかけて測定
した。
【0121】
【実施例1】ニッケル(Ni)製攪拌翼を取り付けた5
00mlのガラスリアクター中に、ビスフェノールA(
BPA)82g(0.36モル)と、前記式[II]の
化合物(2,2,2’,2’ーテトラヒドロー3,3,
3’,3’ーテトラメチルー1,1’ースピロビー[1
Hーインデン]ー6,6’ージオール)74g(0.2
4モル)、ジフェニルカーボネート144g(0.67
モル)とホウ酸0.93mgを採り、N2雰囲気下、1
80℃で加熱し、30分間攪拌した。
【0122】その後、テトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイドの15%水溶液136.5mg(2.5×
10−4 モル/芳香族ジヒドロキシ化合物1モル)と
水酸化ナトリウム0.024mg(0.01×10−4
 モル/芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と[II]の
合計1モル)を加えて、さらにN2 雰囲気下、180
℃で30分間加熱し、エステル交換反応を行なった。
【0123】その後、210℃に昇温し、徐々に200
mmHgまで減圧し1時間、さらに240℃まで昇温し
、200mmHgで20分、除々に150mmHgまで
減圧し20分、さらに100mmHgまで減圧し20分
、15mmHgまで減圧し30分間反応させた後、27
0℃に昇温し、最終的に0.5mmHgまで減圧して2
.5時間反応させ、極限粘度(IV)が0.50dl/
gのポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネー
トの黄色度(YI)は、2.2であった。
【0124】得られたポリマーのガラス転移温度(Tg
)は185℃であった。
【0125】
【実施例2】実施例1において、ビスフェノールA(B
PA)を103g(0.45モル)を用い、式[II]
の化合物を46g(0.15モル)使用する他は実施例
1と同様に行なった。
【0126】極限粘度(IV)が0.52dl/g、黄
色度(YI)が2.1のポリカーボネートを得た。得ら
れたポリマーのガラス転移温度(Tg)は170℃であ
った。
【0127】
【実施例3】実施例1において、ビスフェノールA(B
PA)を34g(0.15モル)を用い、式[II]の
化合物を138g(0.45モル)使用する他は実施例
1と同様に行なった。
【0128】極限粘度(IV)が0.45dl/g、黄
色度(YI)が3.1のポリカーボネートを得た。得ら
れたポリマーのガラス転移温度(Tg)は215℃であ
った。
【0129】
【比較例1】実施例1において、ビスフェノールA(B
PA)137g(0.6モル)を用い、式[II]の化
合物を使用しない他は実施例1と同様に行なった。
【0130】極限粘度(IV)が0.55dl/g、黄
色度(YI)が1.9のポリカーボネートを得た。得ら
れたポリマーのガラス転移温度(Tg)は149℃であ
った。
【0131】
【表1】

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表わされる芳香族ジヒドロ
    キシ化合物から誘導される成分単位と、下記式[II]
    で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される
    成分単位と、炭酸ジエステルから誘導される成分単位と
    からなることを特徴とするポリカーボネート。芳香族ジ
    ヒドロキシ化合物[I]: 【化1】 ・・・[I] (上記式[I]において、Xは 【化2】 であり、記号X中のR3およびR4は水素原子または1
    価の炭化水素基であり、R5は2価の炭化水素基である
    。 また、R1およびR2は、炭素数1〜10の炭化水素基
    、あるいは少なくともその1部がハロゲンで置換された
    炭素数1〜10の炭化水素基、あるいはハロゲンであり
    、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよい
    。また、mおよびnは、置換基数を表わし0〜4の整数
    である。)芳香族ジヒドロキシ化合物[II]:【化3
    】 ・・・[II]
  2. 【請求項2】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と上
    記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]とからそれぞれ誘
    導される成分単位のモル比([I]/[II])が、9
    8/2〜0/100であることを特徴とする請求項1記
    載のポリカーボネート。
  3. 【請求項3】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と上
    記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、炭酸ジエステ
    ルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮合さ
    せることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]と上
    記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]との合計1モルに
    対して (a)10ー6〜10ー1モルの含窒素塩基性化合物、
    (b)10ー8〜10ー3モルのアルカリ金属化合物ま
    たはアルカリ土類金属化合物からなる触媒を用いること
    を特徴とする請求項3に記載のポリカーボネートの製造
    方法。
  5. 【請求項5】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合物
    と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]との合計1モ
    ルに対して (a)10ー6〜10ー1モルの含窒素塩基性化合物、
    (b)10ー8〜10ー3モルのアルカリ金属化合物ま
    たはアルカリ土類金属化合物、(c)10ー8〜10ー
    1モルのホウ酸またはホウ酸エステル、からなる触媒を
    用いることを特徴とする請求項3に記載のポリカーボネ
    ートの製造方法。
  6. 【請求項6】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合物
    と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、炭酸ジエ
    ステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮
    合させ、得られた反応生成物に、酸性化合物を添加する
    ことを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  7. 【請求項7】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合物
    と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と炭酸ジエス
    テルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮合
    させ、得られた反応生成物に、酸性化合物およびエポキ
    シ化合物を添加することを特徴とするポリカーボネート
    の製造方法。
  8. 【請求項8】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合物
    と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、炭酸ジエ
    ステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮
    合させ、得られた反応生成物に、酸性化合物を添加した
    後、該反応生成物に減圧処理を施すことを特徴とするポ
    リカーボネートの製造方法。
  9. 【請求項9】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合物
    と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と炭酸ジエス
    テルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮合
    させ、得られた反応生成物に、酸性化合物およびエポキ
    シ化合物を添加した後、該反応生成物に減圧処理を施す
    ことを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  10. 【請求項10】前記酸性化合物が、ブレンステッド酸、
    ルイス酸または酸残基がpKaで3以下のイオウ原子を
    含む酸のエステルであることを特徴とする請求項6〜9
    のいずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
  11. 【請求項11】前記酸性化合物が、ルイス酸の場合は、
    前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
    属化合物の合計1モルに対して、0.1〜30モルの量
    で、ブレンステッド酸またはイオウ原子を含む酸のエス
    テルの場合は、0.1〜7モルの量で用いられることを
    特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のポリカー
    ボネートの製造方法。
  12. 【請求項12】前記酸性化合物の25℃の水溶液中にお
    けるpKaが、3以下であることを特徴とする請求項6
    〜9のいずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
  13. 【請求項13】前記酸性化合物が、イオウ原子またはリ
    ン原子を含むことを特徴とする請求項6〜9のいずれか
    に記載のポリカーボネートの製造方法。
  14. 【請求項14】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合
    物と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、炭酸ジ
    エステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重
    縮合させて得られるポリカーボネートと、酸性化合物と
    からなり、該酸性化合物が、ポリカーボネート中に含ま
    れるアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
    属化合物の合計1モルに対して0.1〜50モルの量で
    存在していることを特徴とするポリカーボネート組成物
  15. 【請求項15】前記酸性化合物が、ポリカーボネート中
    に含まれるアルカリ金属化合物および/またはアルカリ
    土類金属化合物の合計1モルに対して0.1〜7モルの
    量で存在していることを特徴とする請求項14に記載の
    ポリカーボネート組成物。
  16. 【請求項16】上記芳香族ジヒドロキシ化合物[I]合
    物と上記芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、炭酸ジ
    エステルとを、アルカリ性化合物触媒の存在下に溶融重
    縮合させて得られるポリカーボネートと、酸性化合物と
    、エポキシ化合物とからなり、該酸性化合物がポリカー
    ボネート中に含まれるアルカリ金属化合物および/また
    はアルカリ土類金属化合物の合計1モルに対して0.1
    〜50モルの量で存在し、該エポキシ化合物がポリカー
    ボネート100重量部に対して0.001〜0.1重量
    部の量で存在することを特徴とするポリカーボネート組
    成物。
  17. 【請求項17】前記酸性化合物が、ブレンステッド酸、
    ルイス酸またはイオウ原子を含む酸のエステルであるこ
    とを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載のポ
    リカーボネート組成物。
  18. 【請求項18】イオウ原子を含む酸のエステルは、その
    酸残基のpKaが3以下であることを特徴とする請求項
    16に記載のポリカーボネート組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08113638A (ja) * 1994-10-18 1996-05-07 Mitsui Toatsu Chem Inc 芳香族ポリカーボネートの製造方法
JPH1135672A (ja) * 1997-07-10 1999-02-09 General Electric Co <Ge> ポリ(アリールカーボネート)の改良された製造法
JP2002275368A (ja) * 2001-03-19 2002-09-25 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族ポリカーボネート
JP2006131788A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Teijin Chem Ltd 低複屈折性芳香族ポリカーボネート共重合体、及びそれより形成された光ディスク基板

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