JPH05239333A - ポリカーボネート組成物の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート組成物の製造方法

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JPH05239333A
JPH05239333A JP4146992A JP4146992A JPH05239333A JP H05239333 A JPH05239333 A JP H05239333A JP 4146992 A JP4146992 A JP 4146992A JP 4146992 A JP4146992 A JP 4146992A JP H05239333 A JPH05239333 A JP H05239333A
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JP
Japan
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compound
polycarbonate
acid
additive
polycarbonate composition
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Application number
JP4146992A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sakashita
下 健 阪
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
Kimiyoshi Miura
浦 公 義 三
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、成形時の熱安定性、色相安定性な
どの滞留安定性に優れるとともに、耐水性、透明性およ
び外観にも優れた成形体を形成しうるポリカーボネート
を効率よく製造することができるポリカーボネート組成
物の製造方法を提供することを目的としている。 【構成】 本発明に係るポリカーボネート組成物の製造
方法は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
を触媒の存在下に溶融重縮合させた後、反応生成物であ
る[A]ポリカーボネートが溶融状態にある間に、
[B]添加剤を添加し、減圧下で混練することを特徴と
するポリカーボネート組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリカーボネート組成物
の製造方法に関し、さらに詳しくは、製造時の熱劣化が
少なく、成形時の熱安定性、色相安定性などの滞留安定
性に優れるとともに、耐水性、透明性および外観にも優
れたポリカーボネート組成物を製造しうるポリカーボネ
ート組成物の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車部
品などの用途に広く用いられている。ところで従来のポ
リカーボネートでは、溶融成形する際に、その一部が熱
分解して分子量が低下したり、着色したりすることがあ
り、滞留安定性に欠けることがあった。
【0003】このため、通常、製造後一旦ペレットなど
に成形されたポリカーボネートを再溶融し、耐熱安定剤
などを添加して熱安定性を向上させている。しかしなが
ら、この方法では、熱安定性が低い状態でポリカーボネ
ートに加熱処理を施すことになるとともに、ポリカーボ
ネートが受ける熱履歴回数を増加させることになり、製
造工程において分子量が低下したり、着色したりするこ
とがある。
【0004】また、上記耐熱安定剤の添加によって、ポ
リカーボネートの耐水性が低下することがあり、このよ
うなポリカーボネートから得られる成形体では、使用中
に透明性が低下してしまうことがあった。また耐熱安定
剤として低沸点化合物や熱分解しやすい化合物などを用
いると、得られるポリカーボネートは成形時に発泡する
ことがあり、外観に劣る成形体が得られることがある。
【0005】このため、製造工程における熱劣化が少な
く、溶融時の熱安定性、色相安定性などの滞留安定性に
優れるとともに、耐水性、透明性および外観にも優れた
成形体を形成しうるポリカーボネートを効率よく製造す
ることができるポリカーボネートの製造方法の出現が望
まれている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、製造工程における熱劣化が少
なく、成形時の熱安定性、色相安定性などの滞留安定性
に優れるとともに、耐水性、透明性および外観にも優れ
た成形体を形成しうるポリカーボネート組成物を効率よ
く製造することができるポリカーボネート組成物の製造
方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るポリカーボネート組成物の
製造方法は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを触媒の存在下に溶融重縮合させた後、反応生成物
である[A]ポリカーボネートが溶融状態にある間に、
[B]添加剤を添加し、減圧下で混練することを特徴と
している。
【0008】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
によれば、製造時に受ける熱履歴回数の少ないポリカー
ボネート組成物を製造することができる。また本発明に
よれば、反応生成物である[A]ポリカーボネートが溶
融状態にある間に[B]添加剤を添加し、減圧下で混練
しているため、[B]添加剤の熱分解生成物あるいは低
沸点物が除去され、したがって[B]添加剤の熱分解生
成物や低沸点物を含有しないポリカーボネート組成物を
製造することができ、成形時の熱安定性、色相安定性な
どの滞留安定性に優れるとともに、耐水性、透明性およ
び外観にも優れたポリカーボネート組成物を効率よく製
造することができる
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリカーボネ
ート組成物の製造方法について具体的に説明する。ま
ず、本発明では、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
ステルとを、触媒の存在下に溶融重縮合させてポリカー
ボネートを製造する。
【0010】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、特に限定されないが、下記式[I]で示される化
合物が挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】R1 およびR2 は水素原子または1価の炭
化水素基であり、R3 は2価の炭化水素基である。また
4 およびR5 は、ハロゲン原子または1価の炭化水素
基であり、これらは、同一であっても異なっていてもよ
い。pおよびqは0〜4の整数を表す。)上記芳香族ジ
ヒドロキシ化合物としては、具体的には、以下に示す化
合物を挙げることができる ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシ-1- メチルフェニル)プロパン、1,1-
ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2
-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'
-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリー
ルエーテル類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
フィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,
4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'- ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどの
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-
ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリ
ールスルホン類。
【0013】これらのうちでは、特に2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。ま
た、芳香族ジヒドロキシ化合物として、下記一般式[I
I]で表される化合物を用いることもできる。
【0014】
【化2】
【0015】式中、R6 は、それぞれ炭素数1〜10の
炭化水素基またはそのハロゲン化物、またはハロゲンで
あり、同一であっても異なっていてもよい。nは0〜4
の整数である。上記一般式[II]で表される芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、具体的に、レゾルシンおよび
3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピル
レゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシ
ン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,
4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロム
レゾルシンなどの置換レゾルシン、カテコール、ハイド
ロキノンおよび3-メチルハイドロキノン、3-エチルハイ
ドロキノン、3-プロピルハイドロキノン、3-ブチルハイ
ドロキノン、3-t-ブチルハイドロキノン、3-フェニルハ
イドロキノン、3-クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テト
ラメチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハ
イドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロハイドロキノ
ン、2,3,5,6-テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハ
イドロキノンを挙げることができる。
【0016】また、本発明では芳香族ジヒドロキシ化合
物として、下記一般式で表される2,2,2',2'-テトラヒド
ロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ-[IH-イン
デン]-6,6'-ジオールを用いることもできる。
【0017】
【化3】
【0018】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独であるいは組み合わせて用いることができる。また炭
酸ジエステルとしては、具体的には、ジフェニルカーボ
ネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニ
ル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチ
ルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチル
カーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙
げられる。
【0019】これらのうち特にジフェニルカーボネート
が好ましく用いられる。これらの炭酸ジエステルは、単
独であるいは組み合わせて用いられる。また上記のよう
な炭酸ジエステルは、好ましくは50モル%以下、さら
に好ましくは30モル%以下の量で、ジカルボン酸ある
いはジカルボン酸エステルを含有していてもよい。
【0020】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなど
の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェ
ニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル
などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボ
ン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタ
ンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,
3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン
酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類が挙げられる。
【0021】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルは、単独であるいは組合せて用いられても
よい。
【0022】上記のような炭酸ジエステルは、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して、通常、0.90〜
1.30モル、好ましくは0.95〜1.20モルの量で
用いられることが望ましい。炭酸ジエステルおよび芳香
族ジヒドロキシ化合物を、上記範囲で調節して用いるこ
とにより、所望する末端水酸基濃度を有するポリカーボ
ネートが容易に製造できる。
【0023】また本発明ではポリカーボネートを製造す
るに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の官能基
を有する多官能化合物とを用いることもできる。このよ
うな多官能化合物としては、フェノール性水酸基または
カルボキシル基を有する化合物が好ましく、特にフェノ
ール性水酸基を3個含有する化合物が好ましい。具体的
には、たとえば、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル) エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)
ジイソプロピルベンゼン、α-メチル-α,α',α'-トリ
ス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチルベンゼン、α,
α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリ
イソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6-ジメチル
-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン-2、1,
3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル) ベンゼン、2,2-ビス
-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-シクロヘキシ
ル]-プロパン、トリメリット酸、1,3,5-ベンゼントリ
カルボン酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
【0024】これらのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル) エタン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好
ましく用いられる。多官能化合物は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物1モルに対して、通常は0.03モル以下好ま
しくは0.001〜0.02モルさらに好ましくは0.0
01〜0.01モルの量で用いられる。
【0025】本発明では、まず上記のような芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、触媒の存在下に
溶融重縮合させてポリカーボネート[A]を製造する。
本発明では、触媒として、(a) アルカリ金属化合物およ
び/またはアルカリ土類金属化合物が用いられることが
好ましい。このような(a) アルカリ金属化合物およびア
ルカリ土類金属化合物としては、具体的には、アルカリ
金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸
化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが
好ましく挙げられる。
【0026】より具体的には、アルカリ金属化合物とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステ
アリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホ
ウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、
二カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。
【0027】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的に、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが挙げられる。
【0028】これら化合物は単独で、あるいは組み合わ
せて用いられる。このような(a) アルカリ金属化合物お
よび/またはアルカリ土類金属化合物は、上記芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して好ましくは1×10-8
〜1×10-3モル、さらに好ましくは1×10-7〜2×
10-6モルの量で用いられる。 (a) アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物
の使用量が、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して
1×10-8〜1×10-3モルの量であると、重合活性を
高く維持できるとともに、得られるポリカーボネートの
性質に悪影響を及ぼさない量で酸性化合物(後述する)
を添加して、これら化合物が示す塩基性を充分に中和す
るかあるいは弱めることができる。
【0029】本発明では、触媒として、上記のような
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物とともに、(b) 塩基性化合物および/または
(c) ホウ酸化合物を用いることもできる。このような
(b) 塩基性化合物としては、たとえば高温で易分解性あ
るいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的
には、以下のような化合物が挙げられる。
【0030】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2 (式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボ
ロハイドライド(Bu4NBH4 )、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチル
アンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)など
の塩基性塩。
【0031】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用い
られる。触媒として(b) 塩基性化合物が用いられるとき
は、(b) 塩基性化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して、通常1×10-6〜1×10-1モル、好ま
しくは1×10-5〜1×10-2モルの量で用いられる。
【0032】また、(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸
および下記一般式で示されるホウ酸エステルなどが挙げ
られる。 B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
【0033】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。触媒として、(c) ホウ酸
またはホウ酸エステルが用いられるときは、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物1モルに対して、通常1×10-8〜1×
10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モル、
さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量で用
いられる。
【0034】これらは、たとえば、(a) アルカリ金属化
合物および/またはアルカリ土類金属化合物 および
(b) 含窒素塩基性化合物を組合せて、さらに、(a) アル
カリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物、(b) 含窒素塩基性化合物 および(c) ホウ酸または
ホウ酸エステルの三者を組合せて、好ましく用いること
ができる。
【0035】このように上記のような使用量で、(a) ア
ルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物と、(b) 含窒素塩基性化合物とを組合せた触媒は、重
縮合反応を十分な速度で進行させ、高分子量のポリカー
ボネートを高い重合活性で生成させることができるため
好ましい。さらに上記のような使用量で、三者を組合せ
た触媒は、熱老化後に分子量低下を起こしにくいポリカ
ーボネートを製造することができるため好ましい。
【0036】このような触媒の存在下、芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知
られている重縮合反応条件と同様な条件下で行なうこと
ができる。具体的には、80〜250℃、好ましくは1
00〜230℃、さらに好ましくは120〜190℃の
温度で、0〜5時間、好ましくは0〜4時間、さらに好
ましくは0〜3時間、常圧下、芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとを反応させる。次いで反応系を減
圧にしながら反応温度を高めて、芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとの反応を行ない、最終的には5
mmHg以下、好ましくは1mmHg以下の減圧下で、24
0〜320℃で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとの重縮合反応を行なう。
【0037】上記のような重縮合反応は、連続式で行な
ってもよく、バッチ式で行なってもよいが、本発明では
連続式で行なうことが、より低コストで安定した品質の
ポリカーボネートを製造できて好ましい。また上記の反
応を行なうに際して用いられる反応装置は、槽型であっ
ても管型であっても塔型であってもよい。上記のように
して得られる反応生成物であるポリカーボネート[A]
は、20℃塩化メチレン中で測定した極限粘度が、通常
0.10〜1.0dl/g、好ましくは0.30〜0.65dl
/gである。
【0038】上記のように本発明に係る製造方法は、ポ
リカーボネートの溶融重縮合に際して、毒性物質である
ホスゲンや塩化メチレンなどを用いないので、環境衛生
上好ましい。本発明では、上記のようにして得られる反
応生成物であるポリカーボネート[A]を冷却すること
なく重縮合反応後ただちに、[B]添加剤を添加して混
練する。この際、混練は減圧下に行なわれる。すなわ
ち、重縮合反応が終了して得られる溶融状態にある反応
器内または押出機内の反応生成物であるポリカーボネー
ト[A]が溶融状態にある間に、直接、[B]添加剤と
を添加して、減圧下に混練する。
【0039】このような[B]添加剤としては、具体的
に、(イ)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合
物および/または該酸性化合物から形成される誘導体、
(ロ)リン化合物、(ハ)エポキシ化合物、(ニ)フェ
ノ−ル系安定剤などが挙げられる。
【0040】上記のような(イ)pKa値が3以下であ
るイオウ含有酸性化合物および該酸性化合物から形成さ
れる誘導体としては、具体的に、亜硫酸、硫酸、スルフ
ィン酸系化合物、スルホン酸系化合物およびこれらの誘
導体が挙げられる。より具体的には、亜硫酸誘導体とし
ては、ジメチル亜硫酸、ジエチル亜硫酸、ジプロピル亜
硫酸、ジブチル亜硫酸、ジフェニル亜硫酸などが挙げら
れる。
【0041】硫酸誘導体としては、ジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジフェニル
硫酸などが挙げられる。スルフィン酸系化合物として
は、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ナ
フテレンスルフィン酸などが挙げられる。
【0042】また、スルホン酸系化合物およびこの誘導
体としては、下記一般式[III]で表わされる化合物や
それらのアンモニウム塩が挙げられる。
【0043】
【化4】
【0044】式中、R7 は炭素数1〜50の炭化水素基
(炭化水素基はハロゲンで置換されていてもよい)であ
り、R8 は水素または炭素数1〜50の炭化水素基(炭
化水素基はハロゲンで置換されていてもよい)であり、
nは0〜3の整数である。
【0045】このようなスルホン酸系化合物およびこの
誘導体としては、以下のような化合物が挙げられる。ベ
ンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸
エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン
酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p-トルエン
スルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-ト
ルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸オクチ
ル、p-トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エ
ステル、p-トルエンスルホン酸アンモニウムなどのスル
ホン酸アンモニウム塩。
【0046】さらに上記一般式[III]で表されるスル
ホン酸化合物以外にも、トリフルオロメタンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、
アクリル酸メチル-スルホン化スチレン共重合体などの
スルホン酸化合物が挙げられる。
【0047】これらの化合物は、単独であるいは組み合
わせて用いられる。本発明では、(イ)イオウ含有酸性
化合物および該酸性化合物から形成される誘導体とし
て、上記一般式[III]で表されるスルホン酸系化合物
およびこの誘導体が好ましく用いられる。さらに、上記
一般式[III]において、R7 、R8が炭素数1〜10の
置換脂肪族炭化水素基であり、nが0〜1の整数である
化合物が好ましく用いられる。具体的には、ベンゼンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸ブチル、p-トルエンスル
ホン酸、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスル
ホン酸ブチルが好ましく用いられる。本発明では、p-ト
ルエンスルホン酸ブチルが特に好ましく用いられる。
【0048】本発明では、[B]添加剤として上記のよ
うな(イ)pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合
物および/または該酸性化合物から形成される誘導体を
用いるときは、該(イ)化合物は上記[A]ポリカーボ
ネートに対して、通常0.1〜10ppm 、好ましくは0.
1〜8ppm 、特に好ましくは0.1〜5ppm の量で用い
られる。
【0049】また(ロ)リン化合物としては、リン酸、
亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン
酸エステルおよび亜リン酸エステルを用いることができ
る。このようなリン酸エステルとしては、具体的に、た
とえば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート、トリデシルホスフェート、トリオクタデシルホス
フェート、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェ
ート、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス
(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリアル
キルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェートな
どのトリシクロアルキルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスフェート、2-エチルフェニルジフェニ
ルホスフェートなどのトリアリールホスフェートなどが
挙げられる。
【0050】また、亜リン酸エステルとしては、下記一
般式で表される化合物が挙げられる。 P(OR)3 (式中、Rは脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基また
は芳香族炭化水素基を表す。これらは同一であっても異
なっていてもよい。)このような式で表される化合物と
して、たとえば、トリメチルホスファイト、トリエチル
ホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオクチル
ホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルホ
スファイト、トリス(2-クロロエチル)ホスファイト、
トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスファイトなどのト
リアルキルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファ
イトなどのトリシクロアルキルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス
(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホス
ファイトなどのトリアリールホスファイト、フェニルジ
デシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、
ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオ
クチルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホス
ファイトなどのアリールアルキルホスファイトなどが挙
げられる。
【0051】さらに亜リン酸エステルとして、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4-ジ
-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイ
トなどが挙げられる。
【0052】これらは、単独であるいは組み合わせて用
いられる。これらのうち、(ロ)リン化合物として、上
記一般式で表される亜リン酸エステルが好ましく、さら
に芳香族亜リン酸エステルが好ましく、特にトリス(2,
4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく用い
られる。
【0053】本発明では、[B]添加剤として(ロ)リ
ン化合物が用いられるときは、該(ロ)リン化合物は
[A]ポリカーボネートに対して、通常10〜1000
ppm 、好ましくは50〜500ppm の量で用いられる。
【0054】また(ハ)エポキシ化合物としては、1分
子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられ
る。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ
油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4-エ
ポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘ
キシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシク
ロヘキシルメチル-3',4'-エポキシ-6'-メチルシクロヘ
キシルカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキシル
メチル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレー
ト、4-(3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシル)ブチ
ル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、
3,4-エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロ
ヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-
6'- メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノ
ール−Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノール−Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジ
ルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエス
テル、ビス-エポキシジシクロペンタジエニルエーテ
ル、ビス-エポキシエチレングリコール、ビス-エポキシ
シクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、
テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシ
タレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-
1,2-エポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2-エポ
キシシクロヘキサン、3-メチル-5-t-ブチル-1,2-エポキ
シシクロヘキサン、オクタデシル-2,2-ジメチル-3,4-エ
ポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2,2
-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレー
ト、シクロヘキシル-2-メチル-3,4-エポキシシクロヘキ
シルカルボキシレート、N-ブチル-2-イソプロピル-3,4-
エポキシ-5-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、
オクタデシル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート、2-エチルヘキシル-3',4'-エポキシシクロヘキ
シルカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3-エポキシシ
クロヘキシル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3-
t-ブチル-4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジ
エチル4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボ
キシレート、ジ-n-ブチル-3-t-ブチル-4,5-エポキシ-シ
ス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレートなどが挙げ
られる。
【0055】これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好
ましく用いられ、特に3,4-エポキシシクロヘキシルメチ
ル-3',4'-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが
好ましく用いられる。
【0056】これらは単独であるいは2種以上組み合わ
せて用いられる。本発明では、[B]添加剤としてこの
ような(ハ)エポキシ化合物が用いられるときは、該
(ハ)エポキシ化合物は上記[A]ポリカーボネートに
対して、通常1〜2000ppm の量で、好ましくは10
〜1000ppm の量で用いられる。
【0057】また(ニ)フェノール系安定剤としては、
具体的に、n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3',5'-ジ-
t-ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチ
レン-3-(3',5'-ジ-t- ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-
ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニル)ブタン、ジステアリ
ル(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチル)ベンジルマロ
ネート、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジーt-ブチルフェノ
ール等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上
組み合わせて用いられる。
【0058】本発明では、[B]添加剤として(ニ)フ
ェノール系安定剤が用いられるときには、(ニ)フェノ
ール系安定剤は[A]ポリカーボネートに対して、通常
10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppm
の量で用いられる。上記のような(イ)、(ロ)、
(ハ)および(ニ)からなる群から選ばれる添加剤は、
単独で用いられても、複数で用いられてもよい。添加剤
が複数で用いられるときは、これらは別々に添加されて
もあるいは同時に添加されてもよく、また添加する順序
は限定されない。
【0059】上記のような[B]添加剤のうち、(イ)
pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物および/
または該酸性化合物から形成される誘導体、(ロ)リン
化合物または(ニ)フェノール系安定剤を用いると、ポ
リカーボネート組成物中に残存するアルカリ性触媒が中
性化あるいは弱められるため好ましい。また、上記
(イ)または(ロ)化合物とともに(ハ)エポキシ化合
物を添加すると、(イ)または(ロ)化合物が過剰に残
存しても、これらが(ハ)エポキシ化合物と反応して中
性化され、溶融時の滞留安定性が向上され、より品質の
向上されたポリカーボネート組成物が得られる。
【0060】本発明では、ポリカーボネート組成物を製
造するに際して、重縮合直後の溶融状態にある反応生成
物である[A]ポリカーボネートに、上記のような
[B]添加剤を添加して、減圧下に混練する。この際、
減圧条件は特に限定されるものではないが、通常0.1
mmHg〜730mmHg、好ましくは5mmHg〜7
00mmHg、さらに好ましくは20mmHg〜600
mmHgの圧力条件で行なわれる。
【0061】このような減圧下の混練は、減圧装置付押
出機などで行なわれる。減圧装置付押出機としては、ベ
ント付きの一軸押出機、二軸押出機などが用いられる。
このように[B]添加剤が添加されたポリカーボネート
組成物は、通常、ペレタイズされてペレットとして得ら
れる。具体的には、たとえば、反応器内にある重縮合反
応で得られた[A]ポリカーボネートに、[B]添加剤
を添加してポリカーボネート組成物を製造した後、ベン
ト付きの減圧可能な押出機を通して、減圧下ペレタイズ
することができる。また、重縮合反応で得られた[A]
ポリカーボネートが反応器から押出機を通ってペレタイ
ズされる間に、[B]化合物を添加して、これらを減圧
下、混練してポリカーボネート組成物とすることもでき
る。
【0062】本発明では、反応生成物である[A]ポリ
カーボネートが溶融状態にある間に、上記[B]添加剤
を添加して、減圧下に混練することによりポリカーボネ
ート組成物を製造しているため、製造時に熱劣化したり
することなく、また製造時に受ける熱履歴回数を少な
く、着色の少ないポリカーボネート組成物を生産効率よ
く製造することができる。
【0063】またこのように減圧処理を施すと、たとえ
ば添加された[B]添加剤が低沸点化合物を含有してい
たり、あるいは熱分解により熱分解生成物が生成して
も、これらが減圧処理によって排除され、得られるポリ
カーボネート組成物中には含有されなくなる。このよう
にして得られるポリカーボネート組成物は、成形時に発
泡したりすることがなく、外観に優れた成形体を形成し
うる。
【0064】従来ではポリカーボネートは、製造後に一
旦ペレタイズされる。そして使用時に、このペレットを
再溶融して耐熱安定剤などの種々添加剤を配合して使用
している。これに対して、本発明で得られるポリカーボ
ネート組成物は、上記のように添加剤がすでに含有され
ているため、溶融時の熱安定性などの滞留安定性が向上
しており、上記以外の各種添加剤を配合したり、成形す
るに際して、該ポリカーボネート組成物からなるペレッ
トを再溶融しても、特にポリカーボネートの熱分解が抑
制され、分子量が低下しにくい。また、該ポリカーボネ
ート組成物は、溶融しても着色しにくい。
【0065】本発明では、ポリカーボネート組成物を製
造するに際して、本発明の目的を損なわない範囲で、以
下に示すような通常の耐熱安定剤、紫外線吸収剤、離型
剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有
機系充填剤、無機系充填剤などの他の添加剤[C]を添
加してもよい。このような他の添加剤[C]は、上記の
ような[B]添加剤とともに溶融状態にある[A]ポリ
カーボネートに添加することもできるし、また一旦ペレ
タイズされたポリカーボネート組成物を再溶融して添加
することもできる。なお再溶融は減圧下で行なうことが
好ましい。本発明では、前者の方法が好ましく、[C]
他の添加剤を減圧下で添加混練を行なうとさらに好まし
い。以下に[C]他の添加剤を具体的に例示する。
【0066】このような耐熱安定剤としては、具体的に
は、たとえば、有機チオエーテル系安定剤、ヒンダード
アミン系安定剤などが挙げられる。チオエーテル系安定
剤としては、たとえば、ジラウリル・チオジプロピオネ
ート、ジステアリル・チオジプロピオネート、ジミリス
チル-3,3'-チオジプロピオネート、ジトリデシル-3,3'-
チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラ
キス-(β-ラウリル-チオプロピオネート)などが挙げら
れる。
【0067】これらは単独で用いても2種以上混合して
用いてもよい。またヒンダードアミン系安定剤として
は、たとえば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-
ピペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]-4-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6-テトラメチルピペ
リジン、8-ベンジル-7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル
-1,2,3-トリアザスピロ[4,5]ウンデカン-2,4-ジオ
ン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリ
ジン、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2
-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピ
ペリジル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピ
ペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートなど
が挙げられる。
【0068】これらは単独で用いても2種以上混合して
用いてもよい。これらの耐熱安定剤は、ポリカーボネー
ト100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ま
しくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.
01〜0.3重量部の量で用いられることが望ましい。
このような耐熱安定剤は、固体状で添加してもよく、液
体状で添加してもよい。
【0069】このような耐熱安定剤は、[A]ポリカー
ボネートが最終重合器から冷却されてペレタイズされる
間の溶融状態にある間に添加することが好ましく、この
ようにするとポリカーボネート組成物が受ける熱履歴回
数が少なくなる。また、押出成形やペレタイズなど再び
加熱処理をする際には、ポリカーボネート組成物は分解
生成物や低沸点物を含まず、耐熱安定剤が従来の効果を
発揮して熱分解を抑制することができる。
【0070】また紫外線吸収剤としては、一般的な紫外
線吸収剤でよく、特に限定されないが、たとえば、サリ
チル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリ
レート系紫外線吸収剤などが挙げられる。サリチル酸系
紫外線吸収剤としては、具体的には、フェニルサリシレ
ート、p-t-ブチルフェニルサリシレートが挙げられる。
【0071】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4- メトキ
シベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキ
シベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2'-カル
ボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-ス
ルホベンゾフェノントリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n
-オクトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベ
ンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メ
トキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベ
ンゾフェノン-5-スルホン酸などが挙げられる。
【0072】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル-フェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル-フ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t
-ブチル-5'-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリア
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル-フェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ
-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラ
ヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]ベン
ゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テ
トラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イ
ル)フェノール]などが挙げられる。
【0073】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリ
レート、エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート
などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上
混合して用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は、
[A]ポリカーボネート100重量部に対して、通常
0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1.0重
量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で用
いることができる。
【0074】さらに、離型剤としては、一般的な離型剤
でよく、特に限定されない。たとえば、炭化水素系離型
剤としては、天然、合成パラフィン類、ポリエチレンワ
ックス類、フルオロカーボン類などが挙げられる。脂肪
酸系離型剤としては、ステアリン酸、ヒドロキシステア
リン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪酸類などが挙げら
れる。
【0075】脂肪酸アミド系離型剤としては、ステアリ
ン酸アミド、エチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸
アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類などが挙げられ
る。アルコール系離型剤としては、ステアリルアルコー
ル、セチルアルコールなどの脂肪族アルコール、多価ア
ルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール類などが
挙げられる。
【0076】脂肪酸エステル系離型剤としては、ブチル
ステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレー
トなどの脂肪族酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価
アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル類
などが挙げられる。シリコーン系離型剤としては、シリ
コーンオイル類などが挙げられる。これらは単独で用い
ても、2種以上混合して用いてもよい。
【0077】これらの離型剤は、[A]ポリカーボネー
ト100重量部に対して、通常、0.001〜5重量
部、好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましく
は0.01〜0.5重量部の量で用いることができる。さ
らに、着色剤としては、顔料であってもよく、染料であ
ってもよい。着色剤には、無機系と有機系の着色剤があ
るが、どちらを使用してもよく、また、組み合わせて用
いてもよい。
【0078】無機系着色剤として、具体的には、二酸化
チタン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなど
の水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青
などのフェロシアン化物、ジンククロ メート、モリブ
デンレッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸
塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、
マンガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラッ
クなどの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉などの金属
粉着色剤などが挙げられる。
【0079】有機系着色剤としては、具体的には、ナフ
トールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエロ
−Sなどのニトロ系、リソールレッドやボルドー10
B、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどの
アゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルー
などのフタロシアニン系、インダントロンブルーやキナ
クソドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなど
の縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0080】これらの着色剤は、単独で用いても組み合
わせて用いてもよい。これらの着色剤は、[A]ポリカ
ーボネート100重量部に対して、通常1×10-6〜5
重量部、好ましくは1×10-5〜3重量部、さらに好ま
しくは1×10-5〜1重量部の量で用いることができ
る。本発明に係るポリカーボネート組成物の製造方法に
よれば、製造時に受ける熱履歴回数が少なくすることが
できるとともに、製造工程における熱老化が少なくポリ
カーボネート組成物を効率よく製造することができる。
本発明で得られるポリカーボネート組成物は、添加剤の
熱分解生成物や低沸点物を含有していない。
【0081】本発明で得られるポリカーボネート組成物
は、溶融時の熱安定性、色相安定性などの滞留安定性に
優れており、成形時に熱分解しにくく、分子量が低下し
にくく、使用時においても長期間に亘って外観安定性に
優れた成形体を形成しうる。また、本発明で得られるポ
リカーボネート組成物は、成形時に発泡したりすること
がなく、外観に優れた成形体を形成しうる。
【0082】
【発明の効果】本発明に係るポリカーボネート組成物の
製造方法によれば、製造時に受ける熱履歴回数が少な
く、製造工程における熱劣化の少ないポリカーボネート
組成物を製造することができる。また[B]添加剤の熱
分解生成物や低沸点物を含有しないポリカーボネート組
成物を製造することができる。
【0083】本発明によれば、成形時の熱安定性、色相
安定性などの滞留安定性に優れるとともに、耐水性、透
明性および外観にも優れた成形体を形成しうるポリカー
ボネート組成物を効率よく製造することができる。以下
本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
【0084】
【実施例】本明細書において、ポリカーボネートの極限
粘度〔IV〕は、以下のようにして測定される。 [極限粘度〔IV〕]塩化メチレン中、20℃でウベロ
ーデ粘度計を用いて測定した。
【0085】[外観]3mm厚の射出成形板を成形し、
目視にて測定した。
【0086】
【実施例1】ビスフェノールA(日本ジーイープラスチ
ックス(株)製)0.44キロモルと、ジフェニルカー
ボネート(エニィ社製)0.449キロモルとを第1の
250リットル槽型攪拌槽に仕込み、140℃で溶解
し、このレベルを保つようにビスフェノールA、ジフェ
ニルカーボネートをそれぞれ毎時0.16キロモル、
0.163キロモルずつフィードしながら、この混合溶
液を毎時ビスフェノールA換算で0.16キロモルずつ
第2の50リットル槽型攪拌槽に送液する。この槽型攪
拌槽の温度は180℃に保った。
【0087】触媒としてテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシドを毎時0.04モルおよび水酸化ナトリウムを
毎時0.00016モル(1×10-6モル/モル−ビス
フェノールA)添加し、滞留時間が30分となるようレ
ベルを調整し攪拌した。次に、この反応溶液を毎時ビス
フェノールA換算で0.16キロモルずつ次の第3の温
度210℃、圧力200mmHgの50リットル槽型攪拌
槽に送液した。滞留時間が30分となるようレベルを調
整しフェノールを留出除去させながら攪拌した。
【0088】次に、この反応溶液を毎時ビスフェノール
A換算で0.16キロモルずつ次の第4の温度240
℃、圧力15mmHgの50リットル槽型攪拌槽に送液し
た。滞留時間が30分となるようレベルを調整しフェノ
ールを留出除去させながら攪拌する。反応が定常になっ
て得られた反応物の極限粘度[η]は0.15dl/g
であった。
【0089】次にこの反応物をギヤポンプで昇圧し、毎
時ビスフェノールA換算で0.16キロモルずつ遠心式
薄膜蒸発機に送入し、反応を進めた。薄膜蒸発機の温
度、圧力はそれぞれ270℃、2mmHgにコントロール
した。蒸発機下部よりギヤポンプにて290℃、0.2
mmHgにコントロールされた二軸横型攪拌重合槽(L/
D=3、攪拌翼回転直径220mm、内容積80リット
ル)に毎時ビスフェノールA換算で0.16キロモル
(約40kg/時間)ずつ送り込み滞留時間30分にて重
合させた。このときの、ポリマーの極限粘度〔IV〕は
0.49dl/gであった。
【0090】次に、溶融状態のままで、このポリマーを
ギヤポンプにてベント付き2軸押出機(L/D=17.
5、バレル温度285℃)に毎時ビスフェノールA換算
で0.16キロモル(約40kg/時間)ずつ送入し、ポ
リカーボネートに対して、p-トルエンスルホン酸ブチル
1.8ppm 、トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ホス
ファイト(マーク 2112 :アデカアーガス社製)300
ppm 、nーオクタデシルー3ー(4ーヒドロキシー3',5'-ジーt-
ブチルフェニル)プロピオネート(マークAO50 :ア
デカアーガス社製)300ppm、3,4-エポキシシクロヘ
キシルメチル-3,'4'-エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート(セロキサイド 2021P:ダイセル化学社製)3
00ppm 、シリコ−ンオイル(TSF437:東芝シリ
コ−ン社製)5000ppmを連続して混練し、500
mmHgの減圧を施し、ダイを通してストランド状と
し、カッターで切断してペレットとした。
【0091】得られたペレットを、280℃で成形する
と外観の美しい成形板が得られた。
【0092】
【比較例1】実施例1において、減圧せずにポリマーを
ストランド状として抜き出し、カッターで切断してペレ
ットとした。
【0093】得られたペレットを、280℃で成形する
と所々に泡の発生がみられる成形板が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/13 KKJ 7167−4J 5/15 KKJ 7167−4J 5/41 KKL 7167−4J 5/521 KKM 7167−4J 5/524 KKM 7167−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
    ルとを触媒の存在下に溶融重縮合させた後、反応生成物
    である[A]ポリカーボネートが溶融状態にある間に、
    [B]添加剤を添加し、減圧下で混練することを特徴と
    するポリカーボネート組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】0.1mmHg〜730mmHgの減圧下
    で混練することを特徴とする請求項1に記載のポリカー
    ボネート組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】[B]添加剤が、(イ)pKa値が3以下
    であるイオウ含有酸性化合物および/または該酸性化合
    物から形成される誘導体、(ロ)リン化合物、(ハ)エ
    ポキシ化合物および(ニ)フェノール系安定剤からなる
    群から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記
    載のポリカーボネート組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】触媒として、(a) アルカリ金属化合物およ
    び/またはアルカリ土類金属化合物を芳香族ジヒドロキ
    シ化合物1モルに対して、1×10-8〜1×10-3モル
    の量で用いること特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のポリカーボネート組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】溶融重縮合を連続的に行なうことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート
    組成物の製造方法。
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