JP2003025978A - 自動二輪車のブレーキ制御方法及び装置 - Google Patents
自動二輪車のブレーキ制御方法及び装置Info
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Abstract
るブレーキペダルの操作感覚を向上させること。 【解決手段】 前輪マスタシリンダと、該前輪マスタシ
リンダと液接続可能とされる前輪ホイールシリンダと、
後輪マスタシリンダと、該後輪マスタシリンダと液接続
可能とされる後輪ホイールシリンダと、液圧ポンプとを
備えた自動二輪車のブレーキ制御方法において、前記前
輪マスタシリンダのみを作動させた時には、前記前輪ホ
イールシリンダにブレーキ圧液を供給すると共に、前記
液圧ポンプを駆動させて、該液圧ポンプの吐出圧液を前
記後輪ホイールシリンダに供給するようにしたこと。
Description
キ制御方法及び装置に関する。
報に記載の「自動二輪車用ブレーキ制御装置」において
は、前輪マスタシリンダは通常は開なる電磁切替弁を介
して前輪ホイールシリンダ及び後輪ホイールシリンダに
接続されている。従って、前輪マスタシリンダを作動さ
せた時には、前輪ホイールシリンダ及び後輪ホイールシ
リンダにブレーキ液を供給するために多量のブレーキ液
を必要とする。このためにマスタシリンダの口径を大と
しなければならず、通常ブレーキ時の前輪マスタシリン
ダの作動をさせるために、ブレーキレバーへの大きい入
力が要求される欠点が生じる。
「自動二輪車用ブレーキ制御装置」によれば、後輪マス
タシリンダのみを作動させると、前輪マスタシリンダか
ら液圧ポンプの駆動によりブレーキ液が排出されて、前
輪ホイールシリンダにもブレーキ液が供給される。この
ような時に、前輪マスタシリンダを作動させるべくブレ
ーキレバーを操作すると、既にブレーキ液が排出されて
いるためにレバーストロークは、前輪マスタシリンダの
みを作動させた時よりも小となる。すなわち、ブレーキ
レバーのストロークのバラツキが大きい。よってブレー
キレバーの手に与える感覚が良好でない。
鑑みてなされ、前輪マスタシリンダを操作するブレーキ
レバーの操作感覚を常に良好としながら、選択的に、一
方のマスタシリンダを操作することにより、他方のホイ
ールシリンダをも作動せしめる前後連動ブレーキ作動を
行うことができる自動二輪車のブレーキ制御方法及び装
置を提供することを課題とする。
タシリンダと、該前輪マスタシリンダと液接続可能とさ
れる前輪ホイールシリンダと、後輪マスタシリンダと、
該後輪マスタシリンダと液接続可能とされる後輪ホイー
ルシリンダと、液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブレ
ーキ制御方法において、前記前輪マスタシリンダのみを
作動させた時には、前記前輪ホイールシリンダにブレー
キ圧液を供給すると共に、前記液圧ポンプを駆動させ
て、該液圧ポンプの吐出圧液を前記後輪ホイールシリン
ダに供給するようにし、前記後輪マスタシリンダのみを
作動させた時には、前記後輪ホイールシリンダのみにブ
レーキ圧液を供給するようにしたことを特徴とする自動
二輪車のブレーキ制御方法、又は前輪マスタシリンダ
と、該前輪マスタシリンダと液接続可能とされる前輪ホ
イールシリンダと、後輪マスタシリンダと、該後輪マス
タシリンダと液接続可能とされる後輪ホイールシリンダ
及び前輪連動用ホイールシリンダと、液圧ポンプとを備
えた自動二輪車のブレーキ制御方法において、前記前輪
マスタシリンダのみを作動させた時には、前記前輪ホイ
ールシリンダにブレーキ圧液を供給すると共に、前記液
圧ポンプを駆動させて、該液圧ポンプの吐出圧液を前記
後輪ホイールシリンダに供給するようにし、前記後輪マ
スタシリンダのみを作動させた時には、前記後輪ホイー
ルシリンダ及び前記前輪連動用ホイールシリンダにブレ
ーキ圧液を供給されるようにしたことを特徴とする自動
二輪車のブレーキ制御方法、又は前輪マスタシリンダと
前輪ホイールシリンダとを結ぶ第1管路に第1電磁切替
弁装置を設け、後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリ
ンダとを結ぶ第2管路に第2電磁切替弁装置を設け、前
記第1、第2電磁切替弁装置の制御により前記前輪ホイ
ールシリンダ及び後輪ホイールシリンダより排出される
ブレーキ液を貯蔵するリザーバに吸込口を接続させ、吐
出口を前記前輪マスタシリンダ側及び後輪マスタシリン
ダ側に接続させた液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブ
レーキ液圧制御装置において、前記第2管路内の前記後
輪マスタシリンダと前記液圧ポンプの吐出口側との間に
設けられ、通常は連通位置を取る第1連動用電磁切替弁
と、前記第1連動用電磁切替弁の上流側の前記第2管路
と前記液圧ポンプの吸込口側とを接続する第3管路内に
設けられ、通常は遮断位置を取る第2連動用電磁切替弁
を設け、前記前輪マスタシリンダを作動させると、前記
第1及び第2連動用電磁切替弁をそれぞれ連通位置から
遮断位置へ、及び遮断位置から連通位置へと切り換え、
前記液圧ポンプを駆動させるようにしたことを特徴とす
る自動二輪車のブレーキ制御装置、又は前輪マスタシリ
ンダと少なくとも1個の前輪ホイールシリンダとを結ぶ
第1管路に設けられ、通常は前記前輪ホイールシリンダ
を前記前輪マスタシリンダと連通し、前輪用リザーバと
遮断する第1電磁切替弁装置と、後輪マスタシリンダと
後輪ホイールシリンダとを結ぶ第2管路に設けられ、通
常は前記後輪ホイールシリンダを前記後輪マスタシリン
ダと連通し、後輪用リザーバと遮断する第2電磁切替弁
装置と、前記前輪用及び後輪用リザーバに吸込口を接続
し、吐出口を前記前輪マスタシリンダ側及び後輪マスタ
シリンダ側に接続する液圧ポンプとを備えた自動二輪車
のブレーキ制御装置において、前記後輪マスタシリンダ
と、前記前輪ホイールシリンダとは別個の前輪ホイール
シリンダとを結ぶ第3管路に設けられ、通常は前記別個
の前輪ホイールシリンダと前記後輪マスタシリンダとを
連通させるが、前記後輪用リザーバとは遮断する第3電
磁切替弁装置と、前記第2管路内の前記後輪マスタシリ
ンダと前記液圧ポンプの吐出口側との間に設けられ、通
常は連通位置を取る第1連動用電磁切替弁と、前記第1
連動用電磁切替弁の上流側の前記第2管路と前記液圧ポ
ンプの吸込口側とを接続する第4管路内に設けられ、通
常は遮断位置を取る第2連動用電磁切替弁とを設け、前
記前輪マスタシリンダを作動させると、前記第1及び第
2連動用電磁切替弁をそれぞれ連通位置から遮断位置
へ、及び遮断位置から連通位置へと切り換え、前記液圧
ポンプを駆動させるようにしたことを特徴とする自動二
輪車のブレーキ制御装置、又は前輪マスタシリンダと少
なくとも1個の前輪ホイールシリンダとを結ぶ第1管路
に設けられ、通常は前記前輪ホイールシリンダを前記前
輪マスタシリンダと連通し、前輪用リザーバと遮断する
第1電磁切替弁装置と、後輪マスタシリンダと後輪ホイ
ールシリンダとを結ぶ第2管路に設けられ、通常は前記
後輪ホイールシリンダを前記後輪マスタシリンダと連通
し、後輪用リザーバと遮断する第2電磁切替弁装置と、
前記前輪用及び後輪用リザーバに吸込口を接続し、吐出
口を前記前輪マスタシリンダ側及び後輪マスタシリンダ
側に接続する液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブレー
キ制御装置において、前記後輪マスタシリンダと、前記
前輪ホイールシリンダとは別個の前輪ホイールシリンダ
とを結ぶ第3管路に設けられ、通常は前記別個の前輪ホ
イールシリンダを前記後輪マスタシリンダと遮断すると
共に、前記後輪用リザーバとも遮断する第3電磁切替弁
装置と、前記第2管路内の前記後輪マスタシリンダと前
記液圧ポンプの吐出口側との間に設けられ、通常は連通
位置を取る第1連動用電磁切替弁と、前記第1連動用電
磁切替弁の上流側の前記第2管路と前記液圧ポンプの吸
込口側とを接続する第4管路内に設けられ、通常は遮断
位置を取る第2連動用電磁切替弁とを設け、前記前輪マ
スタシリンダを作動させると、前記第1及び第2連動用
電磁切替弁をそれぞれ連通位置から遮断位置へ、及び遮
断位置から連通位置へと切り換え、前記液圧ポンプを駆
動させるようにしたことを特徴とする自動二輪車のブレ
ーキ制御装置、によって解決される。
き、図1を参照して説明する。自動二輪車には公知のよ
うに手で操作される前輪マスタシリンダ10及び足で操
作される後輪マスタシリンダ20が設けられており、こ
れらはそれぞれレバー11及びペダル21を設けてい
る。これらマスタシリンダ10、20からの圧液は、電
磁切替弁装置V(一点鎖線で区画される)、管路cを介
して一対の前輪ホイールシリンダ12a、12bに圧液
を供給し、また管路fを介して後輪ホイールシリンダ2
2に供給する。電磁切替弁装置Vは、点線で区分けして
示されるように左側の前輪用電磁切替弁装置部Vaと、
右側の後輪用電磁切替弁装置部Vbとで成っており、前
輪用電磁切替弁装置Vaは供給弁13と排出弁14とか
ら成っている。他方、後輪用電磁切替弁装置部Vbは供
給弁23、排出弁24及び第1連動用電磁切替弁26及
び第2連動用電磁切替弁27から成っている。なお、図
示しないが、一対の前輪ホイールシリンダ12a、12
b間に、前輪が配設されている。
タシリンダ10からの管路aから分岐する管路bに供給
弁13の入り口が接続されており、この出口は排出弁1
4の入り口及び前輪ホイールシリンダ12a、12bに
接続されている。排出弁14の出口は低圧リザーバ15
に接続されている。他方、後輪用電磁切替弁装置部Vb
では、管路dに第1連動用電磁切替弁26の入り口側が
接続され、この出口側は管路eを介して供給弁23の入
り口側及びその出口側は排出弁24の入り口側に接続さ
れ、この出口側は低圧リザーバ25に接続されている。
低圧リザーバ15、25はそれぞれ逆止弁32a及び3
3a、33bを介して液圧ポンプ30の吸い込み側に接
続され、この吐出側はそれぞれ逆止弁32b及び33c
を介して管路a、b及び第1連動用電磁切替弁26の出
口側及び管路eに接続されている。第2連動用電磁切替
弁27の入り口側は管路dに接続され、この出口側は管
路g(第3管路…管路dと管路gとで成る)を介して液
圧ポンプ30の吸い込み側に接続される逆止弁33a、
33bの結合点に接続される。供給弁13、23、排出
弁14、24は公知の2ポート、2位置電磁切替弁であ
り、そのソレノイドSを励磁することにより、連通位置
または遮断位置をとる。第1連動用電磁切替弁26は通
常は連通位置を取り、ソレノイドSが励磁されると、リ
リーフ弁位置をとる。その開弁圧力は充分に高いもので
ある。第2連動用電磁切替弁27は、通常は遮断位置を
取り、ソレノイドSが励磁すると連通位置をとる。な
お、電磁切替弁13、14、23、24、27は連通位
置では綴り連通とされる。またqは逆止弁である。
たが、次にこの作用について説明する。
る。今、前輪側マスタシリンダ10のハンドレバー11
を操作し、かつ後輪側マスタシリンダ20のフットペダ
ル21を踏み込んだとする。これらのマスタシリンダ1
0、20で発生した圧液は、管路a、b及び今、電磁切
替弁装置Vにおいてそれぞれ図示の状態にある供給弁1
3を介して、前輪ホイールシリンダ12a、12bに圧
液を供給して前輪にブレーキをかけると共に第1連動用
電磁切替弁26及び第2連動用電磁切替弁27は図示の
状態にあり、後輪マスタシリンダ20からの圧液も、第
1連動用電磁切替弁26、管路e、供給弁23、管路f
を通って後輪ホイールシリンダ22に圧液が供給され、
後輪にもブレーキがかけられる。
バー11は操作するが、後輪マスタシリンダ20のフッ
トペダル21は踏み込まない場合について説明する。前
輪マスタシリンダ10からの圧液は管路a及び供給弁1
3及び管路cを通って前輪ホイールシリンダ12a、1
2bに圧液が供給され、前輪にブレーキがかけられる。
一方、前輪マスタシリンダ10にはブレーキスイッチB
LS(図示せず)が設けられているので、これがON
し、かつ管路b内の圧力を検出する図示しない液圧セン
サの出力が得られることにより第1連動用電磁切替弁2
6のソレノイドS及び第2連動用電磁切替弁27のソレ
ノイドSが励磁され、これらはそれぞれ遮断位置(リリ
ーフ弁機能を有するが、本明細書では遮断位置と称す
る)及び連通位置をとる。そして液圧ポンプ30が駆動
される。よって後輪マスタシリンダ20からの吸い込ま
れたブレーキ圧液は管路d、第2連動用電磁切替弁2
7、管路gを通って逆止弁33a、33bの結合点に供
給される。逆止弁33b、33cを開弁させて液圧ポン
プ30の吐出口から発生する圧液を管路e、供給弁23
を通って、更に管路fを通って後輪ホイールシリンダ2
2に圧液を供給する。よって後輪にもブレーキがかけら
れる。すなわち、前輪のブレーキ作用に連動して後輪に
もブレーキがかけられたことになる。なお、この後輪へ
のブレーキ作用中にブレーキペダル21を踏み込むと、
既にこの後輪マスタシリンダ20からブレーキ液が排出
されているので、ブレーキペダル21の踏み込みはやや
浅くなるが、この操作は履物を履いた足で踏み込むの
で、手で操作する場合よりも感覚は鈍く、従って多少の
ブレーキペダルのストロークの変化は何ら感覚的に問題
にならない。
リンダ液圧に応じて、前後連動ブレーキ液圧を可変にす
るのが好ましい。例えば、ドライバーによる少しのブレ
ーキ作動時、連動ブレーキ液圧も小さくする。これは例
えば、第2連動用切替弁27の開弁時間を調整すること
によって達成できる。
LSと液圧センサの出力により、前輪ホイールシリンダ
の作動を検出するようにしたが、液圧センサの出力に代
えて前車輪のスリップを検出するようにしてもよい。ブ
レーキスイッチBLSで確かにドライバがブレーキレバ
ーを操作したことを確認し、これに液圧センサ又はスリ
ップ検出を加えて、確実に前輪にブレーキをかけている
ことを確認する。
後輪マスタシリンダ20のみを操作する場合について説
明する。ブレーキペダル21を踏み込むと、このマスタ
シリンダ20からのブレーキ液は管路d、第1連動用電
磁切替弁26、管路e、供給弁23、管路fを通って、
後輪ホイールシリンダ22に圧液が供給されブレーキが
かけられる。なお、この場合前輪ホイールシリンダ12
a、12bには、前輪マスタシリンダ10に後輪側のよ
うに第1、第2連動用電磁切替弁が設けられておらず、
よって連動してブレーキがかけられることはない。すな
わち、前輪マスタシリンダ10からブレーキ液が排出さ
れることはない。従って、ブレーキペダル21を踏み込
みながら後で、前輪マスタシリンダ10のブレーキレバ
ー11を操作するとしてもそれまでにマスタシリンダか
ら何らブレーキ液が排出されていないので、手に対する
感覚は良好であり、所望のブレーキを違和感なく前輪に
かけることができる。
ンサが設けられており、この出力を受けて図示しないコ
ントロールユニットが公知のロジックによって、ブレー
キを弛めるべきか、保持すべきか、増大すべきかを判断
し、この判断に応じて電磁切替弁13、14、及び2
6、27、23、24のソレノイドSを励磁及び非励磁
とする。これにより、ホイールシリンダ12a、12b
及び22に供給される液圧は公知のように保持、低下、
増大され、公知のアンチスキッド作用を行う。
駆動スリップが生じたとコントロールユニットが判断す
ると、第1連動用電磁切替弁26及び第2連動用電磁切
替弁27のソレノイドを励磁し、また液圧ポンプ30を
駆動して後輪マスタシリンダ20からブレーキ液を吸い
込み、液圧ポンプの吐出圧は管路e、供給弁23を通
り、後輪ホイールシリンダ22に供給され、よって駆動
スリップを低下させる。もしくは最適化させる(この場
合には、供給弁23及び排出弁24も励磁、非励磁とさ
れる)ものである。公知のように自動二輪車において
は、後輪が駆動輪である。
動力配分が行われる。すなわち、図3で示すように、前
輪ブレーキ力と後輪ブレーキ力との間には、車体減速度
g1、g2 、・・・に応じて図示するような割合で変化
すべく制動力が配分される。すなわち、後輪のホイール
シリンダの液圧を制御する電磁切替弁23、24、26
及び27のソレノイド部Sがそれぞれアンチスキッド制
御時及び駆動スリップ制御時には上述したようにそれぞ
れ励磁、非励磁とされるのであるが、後輪のブレーキ力
は前輪のブレーキ力に対して車体減速度がg3 の値まで
は45度すなわち同等に変化させられる。g3 を越える
とg4 、g5 、g6 と増大するにしたがって減少し、つ
いには後輪のブレーキ力はゼロへと減少していくのであ
るが、このために供給用電磁切替弁23のソレノイド部
Sが励磁とされた場合には保持、更に排出用電磁切替弁
24のソレノイド部Sが励磁された場合には低下する。
よってブレーキ力を増大させる時には図示しない電子制
動力配分制御器に記憶されているパターンにしたがっ
て、後輪のブレーキ力を図3に示すパターンで減少させ
る。
図1の実施の形態に対応する部分については同一の符号
を付し、その詳細な説明は省略する。
切替弁装置V’の装置部Vbにおいては後輪マスタシリ
ンダ20に接続される管路dに分岐管路として管路h
(第3管路)が設けられ、これに2ポート2位置の供給
弁41を配設し、この出口側は遅れ弁(ディレーバルブ
とも言う)42を介して一方の前輪ホールシリンダ12
bに接続される。更に前輪ホイールシリンダ12bから
排出されるブレーキ液を通す排出弁40が新たに設けら
れ、これは一方のリザーバ25に供給される。なお、2
ポート2位置の供給弁41と排出弁40とにより第3の
電磁切替弁装置を構成する。本実施の形態は以上のよう
に構成されるが、次にこの作用について説明する。な
お、本実施の形態では第2連動用電磁切替弁27を設け
ている管路は第4管路である。
ダ10及び後輪マスタシリンダ20を同時に作動させた
場合には前輪ホイールシリンダ12aには、前輪マスタ
シリンダ10からブレーキ圧液を供給され、他方の前輪
ホイールシリンダ12b(前輪連動用ホイールシリン
ダ)には、後輪マスタシリンダ20からのブレーキ液を
管路d、h、電磁切替弁41及び遅れ弁42を介して供
給される。遅れ弁42を設けている理由は前輪のブレー
キ力のほうが大きく設定されており、ドライバーによっ
ては細い道や一本橋を走行する時には、その車体の姿勢
を安定するために後輪のブレーキだけを少しかけたい
(いわゆるちょいがけをしたい)場合がある。この場合
には前輪にブレーキをかけることなく後輪のみにブレー
キをかけたいがためである。
態と同様に前輪マスタシリンダ10を作動させるブレー
キレバー11の操作は従来のように感覚を不良とせず、
手先のフィーリング良く、ブレーキ操作をすることがで
きる。レバーストロークは安定している。
チスキッド制御は供給弁13、排出弁14の他に新たに
設けられた供給弁41、排出弁40の制御によっても行
われる。連動制御及び駆動スリップ制御については、第
1の実施の形態と同じである。
が、上記第2の実施の形態と対応する部分については同
一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。すなわ
ち、本実施の形態では、図2における供給弁41の代わ
りに遮断弁51が設けられ、通常は遮断状態であり、ソ
レノイド部Sが励磁されると連通状態となる。これは前
輪ホイールシリンダ12bの一方の小ポート12bbに
接続される。他方の大ポート12baには前輪マスタシ
リンダ10からの管路cが接続されている。
シリンダ10と液圧ポンプ30の吐出側との間の管路に
液圧センサFSが接続される。また、後輪マスタシリン
ダ20側に接続される供給弁23の出口側と後輪ホイー
ルシリンダ22との間の管路に液圧センサRSが接続さ
れている。これらにより、それぞれ前輪マスタシリンダ
10の発生液圧及び後輪ホイールシリンダ22に加えら
れる液圧が測定される。後輪マスタシリンダ20を作動
させて供給弁23を介して後輪ホイールシリンダ22に
圧液が加えられると、一方の液圧センサRSがこの液圧
を検知する。この検知信号により電磁切替弁51のソレ
ノイド部Sが励磁される。よって連通状態となり、後輪
マスタシリンダ20の液圧は前輪ホイールシリンダ12
の小ポート12bbに加えられる。よって前輪マスタシ
リンダ10を作動せずとも後輪マスタシリンダ20から
ブレーキ液圧が供給されて、前車輪にもブレーキがかか
る。なお、後輪マスタシリンダ20に設けられている図
示しないBLSスイッチにより、同マスタシリンダ20
を作動させたことを検知し、該検知信号で切替弁51の
ソレノイド部Sを励磁するようにしてもよい。
ンサに断線が生じたり、電磁切替弁装置のコイル断線が
生じたり、装置の電源電圧が低下した時はシステム異常
と判断され、これにより全ての電磁切替弁のソレノイド
Sへの連通は解かれる。よってアンチスキッド制御や駆
動スリップ制御は行われなくなる。上述の第2の実施の
形態では、供給弁41は通常は連通状態である。すなわ
ち、ソレノイド部Sが励磁されない時が連通状態である
ために、前輪側と後輪側とで独立してブレーキをかけた
いのであるが、後輪マスタシリンダ20からのブレーキ
圧液が前輪ホイールシリンダ12bに加えられるため
に、今、アンチスキッド制御を行っていないので前輪側
をロックする恐れがある。然るに本実施の形態では、切
替弁51は通常は遮断状態であるので、前輪と後輪とは
独立してブレーキがかけられ、このような恐れはない。
は、液圧センサFS及びRSが配設されているが、後輪
液圧センサRSの出力を前輪液圧センサFSの出力に応
じて所定の比例状態を保つように制御することができ
る。すなわち、第1連動用電磁切替弁26のソレノイド
部S及び第2の連動用電磁切替弁27のソレノイド部S
をオン・オフするか、液圧ポンプ30の電動機Mのオン
・オフにより後輪マスタシリンダ20から吸込まれるブ
レーキ液の量を制御することにより、後輪のブレーキ液
圧を所望の割合に制御することができる。勿論、前輪液
圧センサFSの出力によって第1、第2連動用電磁切替
弁26、27のソレノイド部Sを励磁することができ
る。
たが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本
発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
シリンダ10に接続される第1の電磁切替弁装置Vaは
供給弁13と排出弁14とから成るとしたが、これに代
えて1個の3ポート3位置電磁切替弁のみでブレーキ力
を増大させたり、保持させたり、減少させるようにして
もよい。後輪マスタシリンダ20に接続される第2の電
磁切替弁装置Vbにおいても同様である。またホイール
シリンダは図示の形態に限ることなく、例えば特開20
00−71962号公報に開示されている「ホイールシ
リンダ」のように3個の入力ポートを持った前輪ホイー
ルシリンダを用い、これら3個のポートにそれぞれ前輪
マスタシリンダ10をブレーキ管路を介して接続するよ
うにしてもよい。この場合、第2の実施の形態に対して
は、1つのポートを連動用のポートとして用い、他の2
つは前輪マスタシリンダ10とを直接接続させるように
すればよい。
スタシリンダ10は図4における上方の前輪ホイールシ
リンダ12aと下方の前輪ホイールシリンダ12bの両
方に接続しているが、第2の実施の形態と同様に、図に
おける上方の前輪ホイールシリンダ12aとのみ接続す
るようにしてもよい。
タシリンダ20と第2連動用電磁切替弁27との間の管
路に液圧センサを追加してもよい。そうすれば、前輪マ
スタシリンダ10のみを操作し、後輪に連動ブレーキが
かけられている場合、すなわち、第1連動用電磁切替弁
26が遮断位置、第2連動用電磁切替弁27が連通位置
で液圧ポンプ30が駆動中である時に、後輪マスタシリ
ンダ20も操作した場合、後輪マスタシリンダ20と第
2連動用電磁切替弁27との間の液圧と、第2電磁切替
弁装置(切替弁23、24)と、後輪ホイールシリンダ
22との間の液圧(液圧センサRSの出力)を比較し、
同圧になった時点、又は同圧に近づいた時点で、第1、
第2連動用電磁切替弁を通常の位置(第1連動用電磁切
替弁が連通位置、第2連動用切替弁が遮断位置)に切り
替えると、後輪マスタシリンダ20の操作が滑らかとな
る。
ブレーキ制御方法及び装置によれば、自動二輪車におい
て前輪マスタシリンダを操作するハンドブレーキの操作
感覚を従来より大幅に向上させながらマスタシリンダの
口径と、必要なブレーキ液量との均衡を設定するのに何
ら困難な問題を生じさせない。
ブレーキ液圧制御装置の配管系統図である。
ーキ液圧制御装置の配管系統図である。
明するチャートである。
ブレーキ制御装置の配管系統図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 前輪マスタシリンダと、該前輪マスタシ
リンダと液接続可能とされる前輪ホイールシリンダと、
後輪マスタシリンダと、該後輪マスタシリンダと液接続
可能とされる後輪ホイールシリンダと、液圧ポンプとを
備えた自動二輪車のブレーキ制御方法において、前記前
輪マスタシリンダのみを作動させた時には、前記前輪ホ
イールシリンダにブレーキ圧液を供給すると共に、前記
液圧ポンプを駆動させて、該液圧ポンプの吐出圧液を前
記後輪ホイールシリンダに供給するようにし、前記後輪
マスタシリンダのみを作動させた時には、前記後輪ホイ
ールシリンダのみにブレーキ圧液を供給するようにした
ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ制御方法。 - 【請求項2】 前輪マスタシリンダと、該前輪マスタシ
リンダと液接続可能とされる前輪ホイールシリンダと、
後輪マスタシリンダと、該後輪マスタシリンダと液接続
可能とされる後輪ホイールシリンダ及び前輪連動用ホイ
ールシリンダと、液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブ
レーキ制御方法において、前記前輪マスタシリンダのみ
を作動させた時には、前記前輪ホイールシリンダにブレ
ーキ圧液を供給すると共に、前記液圧ポンプを駆動させ
て、該液圧ポンプの吐出圧液を前記後輪ホイールシリン
ダに供給するようにし、前記後輪マスタシリンダのみを
作動させた時には、前記後輪ホイールシリンダ及び前記
前輪連動用ホイールシリンダにブレーキ圧液を供給され
るようにしたことを特徴とする自動二輪車のブレーキ制
御方法。 - 【請求項3】 前記前輪マスタシリンダの作動を検出す
ることにより、前記液圧ポンプを駆動させるようにした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車の
ブレーキ制御方法。 - 【請求項4】 前記前輪マスタシリンダ及び前記後輪マ
スタシリンダと、前記前輪ホイールシリンダ及び前記後
輪ホイールシリンダとの間に配設される電磁切替弁装置
の制御により前記前輪ホイールシリンダ及び/又は前記
後輪ホイールシリンダのブレーキ圧液をアンチスキッド
制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の
いずれかに記載の自動二輪車のブレーキ制御方法。 - 【請求項5】 前記電磁切替弁装置の制御により、前記
後輪ホイールシリンダのブレーキ圧液の駆動スリップ制
御を前記液圧ポンプの駆動により行えるようにしたこと
を特徴とする請求項4に記載の自動二輪車のブレーキ制
御方法。 - 【請求項6】 前輪マスタシリンダと前輪ホイールシリ
ンダとを結ぶ第1管路に第1電磁切替弁装置を設け、後
輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとを結ぶ第2
管路に第2電磁切替弁装置を設け、前記第1、第2電磁
切替弁装置の制御により前記前輪ホイールシリンダ及び
後輪ホイールシリンダより排出されるブレーキ液を貯蔵
するリザーバに吸込口を接続させ、吐出口を前記前輪マ
スタシリンダ側及び後輪マスタシリンダ側に接続させた
液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装
置において、前記第2管路内の前記後輪マスタシリンダ
と前記液圧ポンプの吐出口側との間に設けられ、通常は
連通位置を取る第1連動用電磁切替弁と、前記第1連動
用電磁切替弁の上流側の前記第2管路と前記液圧ポンプ
の吸込口側とを接続する第3管路内に設けられ、通常は
遮断位置を取る第2連動用電磁切替弁を設け、前記前輪
マスタシリンダを作動させると、前記第1及び第2連動
用電磁切替弁をそれぞれ連通位置から遮断位置へ、及び
遮断位置から連通位置へと切り換え、前記液圧ポンプを
駆動させるようにしたことを特徴とする自動二輪車のブ
レーキ制御装置。 - 【請求項7】 前輪マスタシリンダと少なくとも1個の
前輪ホイールシリンダとを結ぶ第1管路に設けられ、通
常は前記前輪ホイールシリンダを前記前輪マスタシリン
ダと連通し、前輪用リザーバと遮断する第1電磁切替弁
装置と、 後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとを結ぶ第
2管路に設けられ、通常は前記後輪ホイールシリンダを
前記後輪マスタシリンダと連通し、後輪用リザーバと遮
断する第2電磁切替弁装置と、 前記前輪用及び後輪用リザーバに吸込口を接続し、吐出
口を前記前輪マスタシリンダ側及び後輪マスタシリンダ
側に接続する液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブレー
キ制御装置において、 前記後輪マスタシリンダと、前記前輪ホイールシリンダ
とは別個の前輪ホイールシリンダとを結ぶ第3管路に設
けられ、通常は前記別個の前輪ホイールシリンダと前記
後輪マスタシリンダとを連通させるが、前記後輪用リザ
ーバとは遮断する第3電磁切替弁装置と、 前記第2管路内の前記後輪マスタシリンダと前記液圧ポ
ンプの吐出口側との間に設けられ、通常は連通位置を取
る第1連動用電磁切替弁と、 前記第1連動用電磁切替弁の上流側の前記第2管路と前
記液圧ポンプの吸込口側とを接続する第4管路内に設け
られ、通常は遮断位置を取る第2連動用電磁切替弁とを
設け、 前記前輪マスタシリンダを作動させると、前記第1及び
第2連動用電磁切替弁をそれぞれ連通位置から遮断位置
へ、及び遮断位置から連通位置へと切り換え、前記液圧
ポンプを駆動させるようにしたことを特徴とする自動二
輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項8】 前記前輪マスタシリンダの作動を検出す
ることにより、前記液圧ポンプを駆動させ、かつ前記第
1、第2連動用電磁切替弁を制御して前記後輪ホイール
シリンダにブレーキ液を供給するようにしたことを特徴
とする請求項6又は7に記載の自動二輪車のブレーキ制
御装置。 - 【請求項9】 前記第1、第2電磁切替弁装置の制御に
より前記前輪ホイールシリンダ及び/又は前記後輪ホイ
ールシリンダのブレーキ圧液をアンチスキッド制御する
ようにしたことを特徴とする請求項6又は8に記載の自
動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項10】 前記第1、第2、第3電磁切替弁装置
の制御により前記前輪ホイールシリンダ及び/又は前記
後輪ホイールシリンダのブレーキ圧液をアンチスキッド
制御するようにしたことを特徴とする請求項7又は8に
記載の自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項11】 前記第2電磁切替弁装置の制御と前記
液圧ポンプの駆動により、前記後輪ホイールシリンダの
ブレーキ圧液の駆動スリップ制御を行えるようにしたこ
とを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の自
動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項12】 前輪マスタシリンダと少なくとも1個
の前輪ホイールシリンダとを結ぶ第1管路に設けられ、
通常は前記前輪ホイールシリンダを前記前輪マスタシリ
ンダと連通し、前輪用リザーバと遮断する第1電磁切替
弁装置と、 後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとを結ぶ第
2管路に設けられ、通常は前記後輪ホイールシリンダを
前記後輪マスタシリンダと連通し、後輪用リザーバと遮
断する第2電磁切替弁装置と、 前記前輪用及び後輪用リザーバに吸込口を接続し、吐出
口を前記前輪マスタシリンダ側及び後輪マスタシリンダ
側に接続する液圧ポンプとを備えた自動二輪車のブレー
キ制御装置において、 前記後輪マスタシリンダと、前記前輪ホイールシリンダ
とは別個の前輪ホイールシリンダとを結ぶ第3管路に設
けられ、通常は前記別個の前輪ホイールシリンダを前記
後輪マスタシリンダと遮断すると共に、前記後輪用リザ
ーバとも遮断する第3電磁切替弁装置と、 前記第2管路内の前記後輪マスタシリンダと前記液圧ポ
ンプの吐出口側との間に設けられ、通常は連通位置を取
る第1連動用電磁切替弁と、 前記第1連動用電磁切替弁の上流側の前記第2管路と前
記液圧ポンプの吸込口側とを接続する第4管路内に設け
られ、通常は遮断位置を取る第2連動用電磁切替弁とを
設け、 前記前輪マスタシリンダを作動させると、前記第1及び
第2連動用電磁切替弁をそれぞれ連通位置から遮断位置
へ、及び遮断位置から連通位置へと切り換え、前記液圧
ポンプを駆動させるようにしたことを特徴とする自動二
輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項13】 前記後輪マスタシリンダを作動させる
と、前記第3電磁切替弁装置を、前記後輪マスタシリン
ダと前記別個の前輪ホイールシリンダとが連通する状態
に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項12に
記載の自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項14】 前記第1、第2、第3電磁切替弁装置
のいずれかの制御により前記前輪及び/又は後輪をアン
チスキッド制御するようにしたことを特徴とする請求項
12又は13に記載の自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項15】 前記第2電磁切替弁装置及び前記第
1、第2連動用電磁切替弁の制御と前記液圧ポンプの駆
動により、前記後輪の駆動スリップ制御をするようにし
たことを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記
載の自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項16】 前後制動力配分制御を行うようにした
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載
の自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 【請求項17】 システム異常時は、前記第1、第2、
第3電磁切替弁装置及び前記第1、第2連動用電磁切替
弁への通電を遮断するようにしたことを特徴とする請求
項12乃至16のいずれかに記載の自動二輪車のブレー
キ制御装置。
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