JP3433636B2 - 車両の旋回制御装置 - Google Patents
車両の旋回制御装置Info
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Description
圧を制御して車両の旋回挙動を安定させることができる
車両の旋回制御装置に関する。
車両の旋回時、所望の車輪間に制動力差を与え、この制
動力差を利用して車両の旋回挙動を安定化させるもので
あって、ブレーキペダルにより作動されるマスタシリン
ダとは別に各車輪のホィールブレーキにブレーキ液を供
給可能な圧液供給源と、各車輪のホィールブレーキ内の
圧力、即ち、そのブレーキ圧を制御する制御バルブを備
えている。従って、車両の旋回を制御すべき状況にある
とき、旋回制御装置は圧液供給源から各車輪のホィール
ブレーキに向けて圧液を供給する一方、各ホィールブレ
ーキと組をなす入口及び出口バルブの開閉制御によって
車輪のブレーキ圧を調整し、所望の車輪間に制動力差を
与えることができる。
回制御装置の場合、圧液供給源がリザーバからマスタシ
リンダを介してブレーキ液を吸い込んで吐出するポンプ
から構成されていると、低温時にはブレーキ液の粘性が
増加するこからマスタシリンダ内でのブレーキ液の流動
抵抗が大となり、制御の応答性が極端に悪化してしま
う。
リザーバから直接ブレーキ液を吸い込み、吐出したブレ
ーキ液をアキュムレータに蓄えるプリチャージポンプを
使用した旋回制御装置や、また、マスタシリンダをアキ
ュムレータからブレーキ液の供給を受ける液圧ブレーキ
ブースタを介して作動させるようにし、各車輪のホィー
ルブレーキにはアキュムレータから液圧ブレーキブース
タを介して供給するようにした旋回制御装置も知られて
いる。
あってはプリチャージポンプ、アキュムレータ及び液圧
ブレーキブースタ自体が高価であるとともにその構成も
複雑なものとなってしまう。一方、公知の旋回制御装置
にあってはその制動制御を行う際、ホィールシリンダ側
の液圧回路からマスタシリンダを液圧的に遮断してしま
うため、ブレーキペダルによる制動時の場合とその非制
動時の場合とで、旋回制御の制御ロジックを別々に用意
し、制動時及び非制動時に応じて制御ロジックの切り替
えを行う必要がある。
場合には、マスタシリンダ内にて立ち上げられた圧力を
考慮した上で、各車輪におけるホィールブレーキのブレ
ーキ圧を調整して旋回制御を行うことが考えられるが、
この場合にはマスタシリンダ圧の検出に圧力センサを必
要とし、構成の複雑化を招く。また、ブレーキペダルに
よる制動に加えて旋回制御を行う場合には、加圧すべき
車輪のホィールブレーキに液圧回路内の圧液供給源から
供給される最大の圧力を付与し、この後、その車輪のロ
ック傾向を検出したとき、ロック傾向を解消すべくホィ
ールシリンダ内のブレーキ圧をアンチスキッドブレーキ
制御と同様にして制御することが考えられる。この場
合、マスタシリンダ圧検出用の圧力センサは不要となる
ものの、加圧車輪のブレーキ圧が高くなり過ぎることか
ら、高μ路では車両に過大なヨーモーメントや減速度を
与えてしまい、運転者が受ける違和感も顕著になる。
たもので、その目的とするところは、簡単な構成且つ制
御則でもって車両の旋回挙動を効果的に安定させること
ができる車両の旋回制御装置を提供することにある。
ける請求項1の車両の旋回制御装置により達成される。
態を検出する走行状態検出手段と、この走行状態検出手
段にて検出された車両の走行状態から、その車両の旋回
動向が基準状態を越えているか否かを判定する旋回判定
手段と、この旋回判定手段の判定結果に基づき、ブレー
キ圧を付与すべき加圧車輪及びブレーキ圧を減少させる
べき減圧車輪を選択する車輪選択手段と、この車輪選択
手段により選択された加圧車輪及び減圧車輪に関してブ
レーキペダルによる制動時及び非制動時に拘わらず、加
圧車輪には一定のブレーキ圧を付与するとともに減圧車
輪にあってはそのブレーキ圧を零にすべく減少する駆動
手段とを備えている。
回制御が実施されるときにブレーキペダルによる制動時
及び非制動時に拘わらず、車両の旋回動向に基づいて選
択された加圧車輪及び減圧車輪に関し、その加圧車輪に
は一定のブレーキ圧が付加される一方、減圧車輪のブレ
ーキ圧は零となり、この結果、これら加圧車輪と減圧車
輪間に制動力差が与えられ、その旋回挙動の安定化が図
られる。
減圧車輪のブレーキ圧が零にされることで、加圧車輪と
減圧車輪との間の制動力差は最大となる。請求項3の旋
回制御装置において、その旋回判定手段は、車両の旋回
動向として車両のスピン動向を判定するスピン判定手段
を含んでおり、この場合、選択された車輪のブレーキ圧
が制御されて、車両のスピン動向が解消される。
回判定手段は、車両の旋回動向として車両のステア動向
を判定するステア判定手段を含んでおり、この場合、選
択された車輪のブレーキ圧が制御されて、車両のオーバ
ステア又はアンダステアが解消される。
を含む車両のブレーキシステムが概略的に示されてい
る。ブレーキシステムはタンデム型のマスタシリンダ1
を備えており、このマスタシリンダ1は真空ブレーキブ
ースタ2を介してブレーキペダル3に接続されている。
マスタシリンダ1は一対の圧力室を有し、これら圧力室
はリザーバ4にそれぞれ接続されている。
インブレーキ管路5,6が延びており、これらメインブ
レーキ管路5,6は液圧回路7を介して各車輪のホィー
ルブレーキに接続されている。詳しくはメインブレーキ
管路5は一対の分岐ブレーキ管路8,9に分岐されてお
り、これら分岐ブレーキ管路8,9は左前輪FWL及び
右後輪RWRのホィールブレーキ(図示しない)にそれ
ぞれ接続されている。一方、メインブレーキ管路6もま
た一対の分岐ブレーキ管路10,11に分岐されてお
り、これら分岐ブレーキ管路10,11は右前輪FWR
及び左後輪RWLのホィールブレーキ(図示しない)に
それぞれ接続されている。即ち、この場合、各車輪のホ
ィールブレーキはいわゆるクロス配管形式にしてマスタ
シリンダ1に接続されている。
バルブユニットがそれぞれ介挿されており、各バルブユ
ニットは入口バルブ12と出口バルブ13とからなって
いる。なお、これら入口及び出口バルブ12,13は電
磁開閉弁である。また、分岐ブレーキ管路9,11にお
いて、後輪RWのホィールブレーキと入口バルブ12と
の間にはプロポーショナルバルブPVが介挿されてい
る。
において、それらの出口バルブ13は戻り管路14を介
してリザーバ4に接続されており、また、分岐ブレーキ
管路10,11のバルブユニットにおいて、それらの出
口バルブ13は戻り管路15を介してリザーバ4に接続
されている。メインブレーキ管路5,6にはその分岐ブ
レーキ管路よりも上流側にてポンプ16,17の吐出口
が接続されており、これら吐出口と対応するメインブレ
ーキ管路との間には逆止弁が介挿されている。一方、ポ
ンプ16,17の吸い込み口は戻り管路14,15に逆
止弁を介して接続されている。なお、ポンプ16,17
はそれらのポンプ軸が共通のモータ18により駆動され
るものとなっている。
ンプ16,17の吐出口とマスタシリンダ1との間に位
置して電磁開閉弁からなるカットオフバルブ19,20
がそれぞれ介挿されているとともに、これらカットオフ
バルブ19,20をバイパスするバイパス管路が設けら
れており、これらバイパス管路にはリリーフバルブ22
1がそれぞれ介挿されている。リリーフバルブ21はマ
スタシリンダ1側に向けてのみ開く逆止弁からなり、そ
のリリーフ圧は車両のヨーモーメント制御にとって十分
な圧力値例えば2.5Mpaに設定されている。なお、カ
ットオフバルブ19,20及び一対のリリーフバルブ2
1はカットオフバルブユニット22を構成している。
12,13、カットオフバルブ19,20及びモータ1
8は電子制御ユニット(ECU)23に電気的に接続さ
れている。ECU23は図示しないけれども、マイクロ
プロセッサ、RAM,ROMなどの記憶装置、また、入出力イ
ンタフェースから構成されており、バルブ12,13,
19,20及びモータ18はECU23の出力インタフ
ェースに接続されている。一方、ECU23の入力イン
タフェースには車輪毎に設けられた車輪速センサ24が
それぞれ接続されている。なお、図1においては作図の
都合上、ECU23を複数に分けて示してある。
は車両の旋回制御を実施するにあたって各種のセンサが
電気的に接続されており、これらセンサは図2に示され
ている。これらのセンサには横加速度(横G)センサ2
6、ヨーレイトセンサ28、車速センサ30及びハンド
ル角センサ32が含まれている。横Gセンサ26及びヨ
ーレイトセンサ28は車両に加わる横加速度Gy及びヨ
ーレイトYを検出し、これら横加速度Gy及びヨーレイ
トYはECU23に供給される。車速センサ30及びハ
ンドル角センサ32は車速V及びステアリングハンドル
の操舵角、即ち、ハンドル角θをそれぞれ検出し、これ
ら車速V及びハンドル角θもまたECU23に供給され
る。
けて車両の走行状態、つまり、その走行時における旋回
動向として、例えば車両のスピン動向やステア動向を判
定し、そして、その判定結果に基づいて旋回制御を実施
する。具体的にはECU23は、車両のスピン動向を判
定するためのスピン判定部34及び車両のステア動向、
つまり、そのオーバステア動向又はアンダステア動向を
判定するステア判定部36をそれぞれ備えている。スピ
ン判定部34は横加速度Gy、ヨーレイトY及び車速V
の供給を受けて車両のスピン動向を判定し、そして、ス
テア判定部36は車速V、ヨーレイトY及びハンドル角
θの供給を受けて車両のステア動向を判定する。
36からの判定結果は加圧制御車輪選択部38に供給さ
れ、この加圧制御車輪選択部38はそれらの判定結果に
基づきブレーキ圧を加圧制御すべき車輪を選択し、ブレ
ーキ圧制御部40に制御信号を出力する。そして、ブレ
ーキ圧制御部40は選択された加圧車輪に一定のブレー
キ圧を付加し、車両の旋回制御を実行する。ここで、ブ
レーキ圧制御部40は前述した各車輪のホィールブレー
キと組をなす入口及び出口バルブ12,13、カットオ
フバルブ19,20、モータ18及びECU23を含ん
だものである。
え、公知のように各種センサからのセンサ信号に基づき
アンチスキッドブレーキ制御及びトラクションコントロ
ール制御をも実行する機能を有することは言うまでもな
い。前述したスピン判定部34、ステア判定部36及び
加圧制御車輪選択部38内にて実行される判定ルーチ
ン、また、選択ルーチンの詳細は図3〜図5にそれぞれ
示されており、これら判定及び選択ルーチンについて以
下に順次説明する。
車速V及び横加速度Gyが入力され(ステップS1)、
これら車速V及び横加速度Gyに基づき、車両の旋回中
心周りにおける公転加速度ωの絶対値が計算される(ス
テップS2)。ここで、横加速度Gyは車両が右旋回の
とき正の値、左旋回のとき負の値をとり、また、車両の
公転加速度ωは車速V及び横加速度Gyから求められる
計算ヨーレイトを示すものとなる。
ヨーレイト許容値|Ya|が計算される(ステップS
3)。なお、ヨーレイト許容値|Ya|とは前記計算ヨ
ーレイトに所定値を付加した値の絶対値である。そし
て、スピン判定部34はセンサ28からのヨーレイトY
を入力し(ステップS4)、実際のヨーレイトYの絶対
値がヨーレイト許容値|Ya|よりも大であるか否かを
判別する(ステップS5)。ここでの判別結果が真(Ye
s)の場合には横加速度Gyが0よりも大であるか否かが
判別される(ステップS6)。ここでも、その判別結果
が真となる場合、車両はその右旋回中スピン傾向にある
と判定できるから、この場合、制御フラグF1Lにオンが
セットされる(ステップS7)。これに対し、ステップ
S6の判別結果が偽(No)となる場合、車両はその左旋
回中にスピン傾向にあると判定でき、この場合には制御
フラグF1Rにオンがセットされる(ステップS8)。な
お、ステップS5の判別結果が偽の場合にはステップS
1以降のステップが繰り返して実施される。
車速V及びハンドル角θが入力され(ステップS1
1)、これら車速V及びハンドル角θに基づき車両の目
標ヨーレイトYtが計算される(ステップS12)。こ
の後、センサ28からのヨーレイトYが入力され(ステ
ップS13)、そして、目標ヨーレイトYtと実際のヨ
ーレイトYとの間の偏差、つまり、ヨーレイト偏差ΔY
(=Yt−Y)が計算される(ステップS14)。
ΔYが所定の閾値α(正の値)よりも大きいか否かが判
別され、この判別結果が真の場合、車両の右旋回でアン
ダステア傾向、車両の左旋回でオーバステア傾向にある
と判定できるから、この場合には制御フラグF2Rにオン
がセットされる(ステップS16)。一方、ステップS
15の判別結果が偽の場合にあっては、ヨーレイト偏差
ΔYが閾値−αよりも小さいか否かが判別される(ステ
ップS17)、ここでの判別結果が真になると、車両の
右旋回でオーバステア傾向、車両の左旋回でアンダステ
ア傾向にあると判定できるから、この場合には制御フラ
グF2Lにオンがセットされる(ステップS18)。な
お、ステップS15,S17での判別結果が何れも偽と
なる場合にあっては、ステップS11以降のステップが
繰り返して実施される。
先ず制御フラグF1L,F1Rが入力され(ステップS2
1)、制御フラグF1Lがオンであるか否かが判別される
(ステップS22)。ここでの判別結果が真の場合、左
前輪FWLが加圧車輪として選択される(ステップS2
3)。逆に、ステップS22の判別結果が偽の場合、制
御フラグF1Rがオンであるか否かが判別され(ステップ
S24)、ここでの判別結果が真の場合、右前輪FWR
が加圧車輪として選択される(ステップS25)。
れらの判別結果が偽の場合には制御フラグF2L,F2Rが
入力され(ステップS26)、制御フラグF2Lがオンで
あるか否かが判別される(ステップS27)。ここでの
判別結果が真の場合、左前輪FWLが加圧車輪として選
択される(ステップS28)。逆に、ステップS27の
判別結果が偽の場合、制御フラグF2Rがオンであるか否
かが判別され(ステップS29)、ここでの判別結果が
真の場合、右前輪FWRが加圧車輪として選択される
(ステップS30)。これに対し、ステップS29の判
別結果が偽の場合、制御フラグFの全てはオフにリセッ
トされる(ステップS31)。
車輪が選択されると、ブレーキ圧制御部40はその対応
した制御フラグFがオンに維持されている限り、加圧車
輪に一定のブレーキ圧を付与する。例えば、加圧車輪が
左前輪FWLであるとすると、ブレーキ圧制御部40は
以下の表1に示す如くバルブ及びモータの駆動を制御す
る。
車輪として選択されると、モータ18がオンとなって駆
動され、ポンプ16,17からブレーキ液が吐出され
る。モータ18の駆動と同時に一方のカットオフバルブ
19のみが閉じられるので、ポンプ17からのブレーキ
液の吐出によりメインブレーキ管路5内、即ち、分岐ブ
レーキ管路8,9内の圧力が立ち上げられる。これに対
し、他方のカットオフバルブ20は開かれた状態に維持
されているので、ポンプ16からブレーキ液が吐出され
ても、このブレーキ液はメインブレーキ管路6及びマス
タシリンダ1内を通じてリザーバ4に戻されるから分岐
ブレーキ管路10,11内に圧力が立ち上げられること
はない。
れた圧力は左前輪FWLの入口バルブ12を通じて、そ
のホィールブレーキに供給される結果、左前輪FWLに
一定のブレーキ圧が付加される。ここで、左前輪FWL
に付加されるブレーキ圧はカットオフバルブ19に対し
て並列に介挿されたリリーフバルブ21のリリーフ圧
(2.5Mpa)によって決定される。
ブレーキにもその入口バルブ12を介してブレーキ圧が
付与可能であるが、右後輪RWRに関してはその入口バ
ルブ12が閉じられているので、分岐ブレーキ管路9内
にて立ち上げられたブレーキ圧が後輪RWRに付与され
ることはない。このとき、ブレーキペダル3による制動
がなされていなければ、図6及び図7に示されているよ
うに左前輪FWLのみに一定のブレーキ圧PRが付加され
る。なお、図7中ブレーキ圧PRはハッチングを施した
矢印で示されている。それ故、右旋回時にあって車両の
旋回動向がスピン傾向やオーバステア傾向を示す場合、
左前輪FWLに一定のブレーキ圧PRが付加されること
で、左右前輪間の制動力差を利用して車両に復元モーメ
ントが与えられ、この結果、そのスピン傾向が及びオー
バステア傾向が解消され、旋回挙動の安定化が図られる
ことになる。これに対し、左旋回時にあって車両の旋回
動向がアンダステア傾向を示す場合にも、左前輪FWL
に一定のブレーキ圧PRが付与されるので、車両に回頭
モーメントが与えられ結果、アンダステア傾向が解消さ
れ、その旋回挙動の安定化が図られる。
ンにあっては先ず、制御フラグF1L,F1Rに基づき加圧
車輪の選択を行うようにしているから、車両の旋回動向
としてはそのステア動向よりもスピン動向の方が優先的
に解消されることになり、車両の旋回挙動を安定化させ
る上で好適したものとなる。また、左前輪FWLに一定
のブレーキ圧が付加されるとき、表1に示されているよ
うに右後輪RWRの出口バルブ13は開かれており、そ
のホィールブレーキはリザーバ4側(低圧側)に連通し
た状態にある。従って、この場合、その旋回制御の直前
に右後輪RWRのブレーキ圧が立ち上がってれば、この
ブレーキ圧は低圧側に逃がされて零となる。このこと
は、左前輪FWLが加圧車輪として選択されている場
合、右後輪RWRは減圧車輪として選択されていること
を意味している。
的低い圧力であるため、左前輪FWLにブレーキ圧が過
度に付加されることはなく、車両に付与するヨーモーメ
ントや減速度が適度に抑えられ、運転者に違和感を与え
ることなく車両の旋回挙動を安定化させることが可能と
なる。この結果、その旋回制御によって車輪にロック傾
向が発生し、アンチスキッドブレーキ制御が頻繁に作動
するようなこともない。
スピン傾向やオーバステア傾向を示すか、また、右旋回
にあって車両の旋回挙動がアンダステア傾向を示す状況
にあっては右前輪FWRが加圧車輪として選択され、こ
の右前輪FWRに一定のブレーキ圧が付加される。この
場合のモータ18及び各バルブの駆動モードは以下の表
2に示されている。
バルブ19,20のうちカットオフバルブ20のみが閉
じられる一方、左後輪RWLの入口バルブが閉じて、そ
の出口バルブが開かれることにより、同様にして車両の
旋回挙動の安定化が図られる。上述の例は何れもブレー
キペダル(BP)3による制動、つまり、フットブレー
キングが行われていない場合について説明したが、その
フットブレーキング時にあっても、車両の旋回制御は同
様にして実施される。今、フットブレーキング中、左前
輪FWLが加圧車輪として選択された場合、図8に示さ
れているように左前輪FWLにはマスタシリンダ1内の
マスタシリンダ圧PM/Cに加えて一定のブレーキ圧PRが
更に付加される。この場合、カットオフバルブ19と組
をなすリリーフバルブ21の開弁圧はマスタシリンダ圧
PM/Cに前記ブレーキ圧(リリーフ圧)PRを加えた値と
なるから、分岐ブレーキ管路8内に立ち上げられる圧
力、即ち、左前輪FWLに付加される全ブレーキ圧PWは
下式に示される。
れていると、図8に示されているように右後輪RWRに
加わるマスタシリンダ圧PM/Cは零に減少される。な
お、前述したように後輪側の分岐ブレーキ管路9,11
にはプロポーショナルバルブがそれぞれ介挿されている
から、ブレーキング中、後輪のホィールブレーキに供給
されるブレーキ圧は実際には、マスタシリンダ圧PM/C
よりも低い値となる。
及び減圧制御されている過程にて、フットブレーキング
が開始されると、この場合にあっても図9から明かなよ
うに左前輪FWLに供給される全ブレーキ圧PWは前式で
示される値となる。なお、このとき、右後輪RWRに関
し、その入口及び出口バルブ13はそれそれ閉及び開状
態にあるから、右後輪RWRのブレーキ圧は立ち上げら
れることはない。図10を参照すると、左前輪FWLに
対しては白抜きの矢印で示したマスタシリンダ圧PM/C
とブレーキ圧PRが付与され、これに対し、右後輪RWR
に対しては白抜き矢印のマスタシリンダ圧がハッチング
を施した矢印の減圧により打ち消されている。
圧車輪は左右前輪の何れかの1車輪に限らず、その個数
を3車輪に増加することもでき、この場合、前記表1及
び表2において、開状態にあるカットオフバルブもまた
閉じられることになる。図11には非フットブレーキン
グ時、左前輪FWLに加えて右前輪FWR及び左後輪RW
Lが加圧車輪としてそれぞれ加えられていることが示さ
れており、そして、図12にはフットブレーキング時、
左前輪FWLに加えて右前輪FWR及び左後輪RWLが加
圧車輪としてそれぞれ加えられ、そして、右後輪FWR
が減圧車輪となっている。なお、右前輪FWRが基準の
場合、図11及び図12において、左右の後輪RWでの
制御が逆になる。
れれば、旋回制御に加えて減速効果が得られ旋回中のオ
ーバスピードを抑制し、より安全性を向上できる。この
発明は上述した実施例に制約されるものではなく種々の
変形が可能である。例えば加圧車輪の選択にあたって
は、車両におけるアクセルペダルの踏み込みのオンオフ
を考慮することもできる。具体的にはアクセルペダルが
オフであってアンダステア傾向が強い場合には旋回外側
の後輪を除く3車輪に一定のブレーキ圧を付加して回頭
性及び自動減速の促進を図り、これに対し、アクセルペ
ダルがオンであってアンダステア傾向が強い場合には旋
回前輪の1車輪のみに一定のブレーキ圧を付加するよう
にしてもよい。
回制御装置によれば、フットブレーキングの有無に拘わ
らず、車両の旋回動向に基づいて選択した加圧車輪には
一定のブレーキ圧を付加し、これに対して、減圧車輪に
あってはそのブレーキ圧を零にすべく減圧するだけの簡
単な構成により、所望の車輪間に発生する制動力差を利
用して車両の旋回挙動を安定させることができる。そし
て、フットブレーキング時にあっては加圧車輪には前記
一定のブレーキ圧とマスタシリンダ圧に基づく圧力とが
単に機械的に加算されて与えられることから、その旋回
制御にあたり制御則をフットブレーキングの有無によっ
て変更する必要もなく、制御則を容易に得ることができ
る。また、ブレーキスイッチの信号無しで旋回制御が可
能である。
その旋回制御にあたり、加圧車輪と減圧車輪との間に最
大の制動力差を与えることができるので、車両の旋回挙
動をより効果的に安定化させることができる。請求項2
の旋回制御装置によれば、車両のスピン動向を判定して
旋回制御を行うので、そのスピン傾向を確実に解消する
ことができ、そして、請求項3の旋回制御装置によれ
ば、車両のステア動向を判定して旋回制御を行うので、
車両のアンダステア傾向やオーバステア傾向を効果的に
解消することができる。
示した概略構成図である。
のブロック図である。
ある。
ある。
ートである。
シリンダ圧と各車輪のブレーキ圧変化を示したグラフで
ある。
輪のブレーキ圧状態を示した図である。
シリンダ圧と各車輪のブレーキ圧変化を示したグラフで
ある。
場合でのマスタシリンダ圧と各車輪のブレーキ圧変化を
示したグラフである。
輪のブレーキ圧状態を示した図である。
輪のブレーキ圧状態を示した図である。
輪のブレーキ圧状態を示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両の走行状態を検出する走行状態検出
手段と、 前記走行状態検出手段にて検出された前記車両の走行状
態から前記車両の旋回動向が基準状態を越えているか否
かを判定する旋回判定手段と、 前記旋回判定手段の判定結果に基づき、ブレーキ圧を付
与すべき加圧車輪及びブレーキ圧を減少させるべき減圧
車輪を選択する車輪選択手段と、 前記車輪選択手段により選択された前記加圧車輪及び前
記減圧車輪に関してブレーキペダルによる制動時及び非
制動時に拘わらず、前記加圧車輪には一定のブレーキ圧
を付与するとともに前記減圧車輪にあってはそのブレー
キ圧を零にすべく減少する駆動手段とを具備したことを
特徴とする車両の旋回制御装置。 - 【請求項2】 前記旋回判定手段は、前記車両の旋回動
向として車両のスピン動向を判定するスピン判定手段を
含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の旋回制御
装置。 - 【請求項3】 前記旋回判定手段は、前記車両の旋回動
向として車両のステア動向を判定するステア判定手段を
含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の旋回制御
装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00161197A JP3433636B2 (ja) | 1997-01-08 | 1997-01-08 | 車両の旋回制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP00161197A JP3433636B2 (ja) | 1997-01-08 | 1997-01-08 | 車両の旋回制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10194101A JPH10194101A (ja) | 1998-07-28 |
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Family Applications (1)
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