JP2003017105A - 燃料電池の冷却装置 - Google Patents
燃料電池の冷却装置Info
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Abstract
る。 【解決手段】 水素ガスと空気を反応ガスとして発電を
行う燃料電池1と、燃料電池1に供給される前記反応ガ
スを加湿する加湿器3,7と、ウォーターポンプ15に
より冷却液を燃料電池1と放熱器11との間で循環さ
せ、燃料電池1内で冷却液を前記反応ガスと略同一方向
に流して燃料電池1を冷却し、放熱器11で冷却液から
熱を外部に放熱する冷却液回路12と、燃料電池1から
排出された冷却液によって加湿器3,7を加熱する加熱
手段(3d,7d)と、燃料電池1の冷却液出口温度と
冷却液入口温度との間に所定の温度差が確保されるよう
にウォーターポンプ15を制御する制御手段と、を備え
る。
Description
装置に関するものであり、特に、液冷式の冷却装置に関
するものである。
には、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体
高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み
込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタッ
クからなり、燃料ガスとして水素ガスが供給される水素
ガス通路と、酸化剤ガスとして酸素を含む空気が供給さ
れる空気通路と、冷却液が供給される冷却液通路とを備
えたものがある。以下、燃料ガスと酸化剤ガスを総称し
て反応ガスという。この燃料電池においては、アノード
で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電
解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸
素と電気化学反応を起こして発電し、その際に水が生成
される。
が、燃料電池には作動温度範囲があるため燃料電池が上
限温度以上に昇温しないように冷却する必要がある。そ
のため、燃料電池の前記冷却液通路に冷媒を流して熱を
奪い燃料電池を冷却する冷却装置が設けられている。こ
の燃料電池の冷却装置には、特開平10−340734
号公報に開示されているように、冷媒としての冷却液を
循環ポンプにより燃料電池と放熱器(ラジエータ)との
間で循環させるようにしたものがある。この冷却装置で
は、燃料電池から熱を奪って熱せられた冷却液が放熱器
を流れる際に、冷却液の熱を外気に放熱して冷却液を冷
却している。
は燃料電池の内部温度が均一になるように冷却するのが
システム上、好ましいとされており、そのため、燃料電
池の冷却液出口温度と冷却液入口温度との温度差を極力
少なくなるように、冷却液の循環量を制御していた。
うに燃料電池の冷却液出口温度と冷却液入口温度との温
度差を少なくするということは、冷却液出口温度を下げ
る方向にすることであり、したがって、冷却液の循環量
を増大することとなり、循環ポンプの消費電力が増大す
るので、エネルギーマネージメント上、不利であった。
際して水が生成されるが、この水は未反応の反応ガス、
すなわちオフガス中に水蒸気として気相で存在するもの
もあれば、液体となってオフガスから分離し液相で存在
するものもある。水蒸気としてオフガス中に存在する水
分はオフガスとともに燃料電池から排出されるので問題
となることはないが、液状のものは場合によっては反応
ガス路の一部を塞ぐ虞があり好ましい形態とは言えな
い。そこで、生成水等の水分の排出という観点からする
と、燃料電池の内部温度が高い方が露点を上げることが
でき、水分を気相(水蒸気)でオフガス中に多く含ませ
ることができ、オフガスとともに排出できる水分量を増
大できるので好ましい。しかしながら、従来は、前述し
たように、燃料電池の冷却液出口温度と冷却液入口温度
との温度差を少なくして冷却液出口温度を下げる方向に
制御しているので、オフガス中の水分が液相になり易
く、水分の排出性という点では改良の余地があった。
電池では、固体高分子電解質膜のイオン導電性を所定の
状態に確保して良好な発電状態を維持するために、燃料
電池に供給される反応ガス(水素ガスおよび空気)を加
湿器で加湿しており、この加湿された反応ガスが燃料電
池内で凝縮して固体高分子電解質膜に付着することによ
り、固体高分子電解質膜のイオン導電性を向上させてい
る。このように燃料電池に対する加湿という観点からす
ると、燃料電池の内部温度は低い方が反応ガス中の水蒸
気が凝結し易く好ましいこととなる。このような事情か
ら、燃料電池に対する加湿性と前述した水分の排出性を
両立させて燃料電池の内部温度を制御するのは、極めて
困難であった。
流れ方向が略同一方向にされた構造の燃料電池における
内部温度分布に積極的に温度差を確保することにより、
燃料電池における水分の排出性に優れた燃料電池の冷却
装置を提供するものである。また、この発明は、反応ガ
スと冷却液の流れ方向が略同一方向にされた構造の燃料
電池における内部温度分布に積極的に温度差を確保する
ことにより、燃料電池における水分の排水性の向上と固
体高分子電解質膜に対する加湿性の向上の両立を図るこ
とができる燃料電池の冷却装置を提供するものである。
に、請求項1に記載した発明は、燃料ガス(例えば、後
述する各実施の形態における水素ガス)と酸化剤ガス
(例えば、後述する各実施の形態における空気)を反応
ガスとして発電を行う燃料電池(例えば、後述する各実
施の形態における燃料電池1)と、循環ポンプ(例え
ば、後述する各実施の形態におけるウォーターポンプ1
5)により冷却液を前記燃料電池と放熱器(例えば、後
述する各実施の形態におけるラジエータ11)との間で
循環させ、前記燃料電池内で冷却液を前記反応ガスと略
同一方向に流して該燃料電池を冷却し、前記放熱器で冷
却液から熱を外部に放熱する冷却手段(例えば、後述す
る各実施の形態における冷却液回路12)と、前記燃料
電池の冷却液出口温度と冷却液入口温度との間に所定の
温度差が確保されるように前記循環ポンプを制御する制
御手段(例えば、後述する第1の実施の形態におけるス
テップS103,105,106、および、第2の実施
の形態におけるステップS208,209,210、お
よび、第4の実施の形態におけるステップS305,3
07,308)と、を備えることを特徴とする燃料電池
の冷却装置である。
手段による循環ポンプの制御で、燃料電池の冷却液出口
温度と冷却液入口温度との間に所定の温度差が確保され
るので、冷却液出口温度が高めに制御されることとな
り、さらに、燃料電池内では反応ガスと冷却液が略同一
方向に流れることから、未反応の反応ガス(以下、オフ
ガスという)の燃料電池出口温度を高くすることがで
き、その結果、オフガスの露点を高くすることができ、
オフガス中に気相(水蒸気)で存在する水分量を増大さ
せることが可能になる。また、冷却液出口温度を高めに
制御するようになることから、冷却液の循環量を減少さ
せることができる。
えば、後述する各実施の形態における水素ガス)と酸化
剤ガス(例えば、後述する各実施の形態における空気)
を反応ガスとして発電を行う燃料電池(例えば、後述す
る各実施の形態における燃料電池1)と、前記燃料電池
に供給される前記反応ガスを加湿する加湿器(例えば、
後述する各実施の形態におけるカソード加湿器3および
アノード加湿器7)と、循環ポンプ(例えば、後述する
各実施の形態におけるウォーターポンプ15)により冷
却液を前記燃料電池と放熱器(例えば、後述する各実施
の形態におけるラジエータ11)との間で循環させ、前
記燃料電池内で冷却液を前記反応ガスと略同一方向に流
して該燃料電池を冷却し、前記放熱器で冷却液から熱を
外部に放熱する冷却手段(例えば、後述する各実施の形
態における冷却液回路12)と、前記燃料電池から排出
された前記冷却液によって前記加湿器を加熱する加熱手
段(例えば、後述する第1,第2の実施の形態における
第2室3d,7d、および、第3の実施の形態における
ウォータージャケット3e,7e)と、前記燃料電池の
冷却液出口温度と冷却液入口温度との間に所定の温度差
が確保されるように前記循環ポンプを制御する制御手段
(例えば、後述する第1の実施の形態におけるステップ
S103,105,106、および、第2の実施の形態
におけるステップS208,209,210、および、
第4の実施の形態におけるステップS305,307,
308)と、を備えることを特徴とする燃料電池の冷却
装置である。
手段による循環ポンプの制御で、燃料電池の冷却液出口
温度と冷却液入口温度との間に所定の温度差が確保され
るので、冷却液出口温度が高めに制御されることとな
り、さらに、燃料電池内では反応ガスと冷却液が略同一
方向に流れることから、オフガスの燃料電池出口温度を
高くすることができ、その結果、オフガスの露点を高く
することができ、オフガス中に気相(水蒸気)で存在す
る水分量を増大させることが可能になる。
ているので、燃料電池に供給される反応ガスの温度が高
まり、加湿器における反応ガスに対する加湿が促進され
る。しかも、燃料電池の冷却液出口温度と冷却液入口温
度との間に所定の温度差が確保され、燃料電池内では反
応ガスと冷却液が略同一方向に流れることから、前記加
湿器で加熱・加湿された反応ガスは燃料電池に供給され
た直後に冷却液によって冷却され、反応ガス中の蒸気が
凝結して液状になり易くなり、燃料電池を加湿し易くな
る。さらに、冷却液出口温度を高めに制御するようにな
ることから、冷却液の循環量を減少させることができ
る。
は請求項2に記載の発明において、前記燃料電池の出力
に応じて前記温度差の目標値を変更することを特徴とす
る。このように構成することにより、燃料電池が低出力
のときには、冷却液出口温度と冷却液入口温度との温度
差を小さく設定して、燃料電池を流れる冷却液流量を増
加させることが可能になり、一方、燃料電池が高出力の
ときには、冷却液出口温度と冷却液入口温度との温度差
を大きく設定して、燃料電池を流れる冷却液流量を減少
させることが可能になる。
冷却装置(単に冷却装置ということもある)の実施の形
態を図1から図10の図面を参照して説明する。なお、
以下に説明する実施の形態は、燃料電池自動車に搭載さ
れる燃料電池の冷却装置に適用した態様である。
電池の冷却装置の第1の実施の形態を図1から図5の図
面を参照して説明する。図1は冷却装置の概略構成図で
ある。初めに、冷却対象となる燃料電池1について説明
する。燃料電池1は固体高分子電解質膜型の燃料電池で
あり、図2に示すように、例えば固体ポリマーイオン交
換膜等からなる固体高分子電解質膜51をアノード52
とカソード53とで両側から挟み込み、さらにその外側
を一対のセパレータ54,54で挟持して形成されたセ
ル55を複数積層して構成されたスタックからなり、燃
料ガスとして水素ガスが供給される水素ガス通路56
と、酸化剤ガスとして酸素を含む空気が供給される空気
通路57と、冷却液が供給される冷却液通路58とを備
えている。そして、アノード52で触媒反応により発生
した水素イオンが、固体高分子電解質膜51を通過して
カソード53まで移動して、カソード53で酸素と電気
化学反応を起こして発電し、その際に水が生成される。
また、この発電に伴う発熱により燃料電池1が上限温度
を越えないように、前記冷却液通路58を流れる冷却液
で熱を奪い冷却するようになっている。
ス通路56と空気通路57と冷却液通路58が互いに平
行して設けられている。図3は、これら通路56,5
7,58を模式的に示した斜視図であり、これら通路5
6,57,58はいずれも、セル55の左上部の入口か
ら右下部の出口まで同一形態に蛇行して設けられてい
る。したがって、この実施の形態では、水素ガス通路5
6と空気通路57と冷却液通路58はその全長に亘って
それぞれの流体の流れ方向を同一方向にされている。
明する。外気はエアコンプレッサ2によって加圧され、
カソード加湿器3で加湿されて燃料電池1の空気通路5
7に供給され、この空気中の酸素が酸化剤として発電に
供された後、燃料電池1から空気オフガスとして排出さ
れ、圧力制御弁4を介して大気に放出される。エアコン
プレッサ2は、燃料電池1に要求されている出力に応じ
た質量の空気が燃料電池1に供給されるように回転数制
御され、また、圧力制御弁4は、燃料電池1への空気の
供給圧が燃料電池1の運転状態に応じた圧力値となるよ
うに開度制御される。
部が水蒸気透過膜3bによって上下二室に離隔されてお
り、上側の第1室3cにエアコンプレッサ2および燃料
電池1の空気通路57入口が接続され、下側の第2室3
dには後述するように燃料電池1から排出された冷却液
が循環するようになっている。水蒸気透過膜3bは、該
水蒸気透過膜3bを境にして水蒸気圧の高い方から水蒸
気圧の低い方へ水蒸気だけを透過させる機能を有するも
のである。
された水素ガスは燃料供給制御弁5により減圧された
後、エゼクタ6を通り、アノード加湿器7で加湿されて
燃料電池1の水素ガス通路56に供給される。この水素
ガスは発電に供された後、未反応の水素ガスは燃料電池
1から水素オフガスとして排出され、水素オフガス回収
路8を通ってエゼクタ6に吸引され、前記高圧水素タン
クから供給される水素ガスと合流し再び燃料電池1に供
給されるようになっている。
圧力制御弁からなり、エアコンプレッサ2から供給され
る空気の圧力を信号圧として空気信号導入路9を介して
入力され、燃料供給制御弁5出口の水素ガスの圧力が前
記信号圧に応じた所定圧力範囲となるように減圧制御す
る。水素オフガス回収路8はパージ弁10を備えてお
り、パージ弁10は所定条件が満たされたときに開弁制
御されて、燃料電池1の水素ガス通路56に水が溜まら
ないように外部へ排水する。
同様の構造をなしており、ケーシング7aの内部が水蒸
気透過膜7bによって上下二室に離隔されており、上側
の第1室7cにエゼクタ6およびおよび燃料電池1の水
素ガス通路56入口が接続され、下側の第2室7dには
後述するように燃料電池1から排出された冷却液が循環
するようになっている。ここで、前記カソード加湿器3
は水蒸気透過膜3bを透過した冷却液の蒸気により空気
を加湿し、加湿した空気を燃料電池1に供給し、また、
アノード加湿器7は水蒸気透過膜7bを透過した冷却液
の蒸気により水素ガスを加湿し、加湿した水素ガスを燃
料電池1に供給する。これにより、燃料電池1の固体高
分子電解質膜のイオン導電性が所定の状態に確保され
る。
は、循環ポンプであるウォーターポンプ(WP)15に
よって昇圧されてラジエータ(放熱器)11に供給さ
れ、ラジエータ11において外部に放熱することにより
冷却液は冷却され、その後、燃料電池1に供給され、燃
料電池1内の冷却液通路58を通る際に燃料電池1から
熱を奪って燃料電池1を冷却し、これにより熱せられた
冷却液はウォーターポンプ15を介して再びラジエータ
11に戻り冷却されるようになっている。すなわち、冷
却液は、燃料電池1とウォーターポンプ15とラジエー
タ11とを閉回路に接続する冷却液回路(冷却手段)1
2を循環するようになっている。
ォーターポンプ15に向かう冷却液主流路(すなわち、
燃料電池1の下流であってウォーターポンプ15の上流
に位置する冷却液流路)12aには制限オリフィス13
が設けられている。冷却液主流路12aにおいてオリフ
ィス13の上流(すなわち、燃料電池1寄り)および下
流(すなわち、ラジエータ11寄り)はそれぞれ冷却液
副流路14a,14bによってカソード加湿器3の第2
室3dに接続されるとともに、冷却液副流路14c,1
4dによってアノード加湿器7の第2室7dに接続され
ている。これにより、冷却液主流路12aを流れる冷却
液の一部は冷却液副流路14a,14cを通ってカソー
ド加湿器3の第2室3dおよびアノード加湿器7の第2
室7dに導入され、冷却液副流路14b,14dを通っ
て冷却液主流路12aに戻るようになっている。なお、
この第1の実施の形態においてカソード加湿器3の第2
室3dとアノード加湿器7の第2室7dは加熱手段を構
成する。
の入口側には、燃料電池1に供給される冷却液の温度
(以下、冷却液入口温度という)を検出する入口温度セ
ンサ(TI)16が設けられており、冷却液回路12に
おいて燃料電池1の出口側には、燃料電池1から排出さ
れる冷却液の温度(以下、冷却液出口温度という)を検
出する出口温度センサ(TI)17が設けられている。
電子制御ユニット(以下、ECUと略す)20は、これ
ら温度センサ16,17の出力信号に基づいてウォータ
ーポンプ15の出力を制御する。
発電電流を計測する発電電流計測装置18を介して、走
行用モータやエアコンプレッサ2を駆動するモータ等の
電気負荷19に接続されている。
電池の冷却装置の作用を説明する。この実施の形態にお
ける冷却装置では、燃料電池1の冷却液出口温度が冷却
液入口温度よりも所定温度だけ高くなるように、換言す
れば、冷却液出口温度と冷却液入口温度との間に所定温
度差が確保されるように、ウォーターポンプ15の出力
を制御する。図4は、冷却液入口温度の上限温度を80
゜Cとし、冷却液出口温度と冷却液入口温度との目標温
度差を10degree(以下、「deg」と略す)と
した場合における冷却液の温度制御フローチャートを示
しており、これに従って温度制御処理を説明する。
サ17で検出した冷却液入口温度T1と冷却液出口温度
T2を読み込み(ステップS101)、冷却液入口温度
T1が上限温度(80゜C)よりも低いか否かを判定す
る(ステップS102)。判定結果が「NO」(冷却液
入口温度T1が80゜C以上)である場合は、ウォータ
ーポンプ15の出力を増大して(ステップS103)、
本ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、冷却液
の循環量が増大し、冷却液入口温度T1は下げる方向に
制御されることとなる。
ES」(冷却液入口温度T1が80゜C未満)である場
合は、冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1の温度
差ΔTを算出し(ステップS104)、算出された温度
差ΔTが目標温度差(10deg)よりも小さいか否か
判定する(ステップS105)。判定結果が「NO」
(温度差ΔTが10deg以上)である場合は、ウォー
ターポンプ15の出力を増大して(ステップS10
3)、本ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、
冷却液の循環量が増大し、温度差ΔTは小さくなる方向
に制御されることとなる。
ES」(温度差ΔTが10deg未満)である場合は、
ウォーターポンプ15の出力を低減して(ステップS1
06)、本ルーチンの実行を一旦終了する。これによ
り、冷却液の循環量が減少し、温度差ΔTは大きくなる
方向に制御されることとなる。以上の温度制御処理を実
行することにより、冷却液入口温度T1は80゜C以下
に収束するようになり、且つ、温度差ΔTは目標温度差
(10deg)に収束するようになる。また、このよう
に冷却液温度を制御すると、冷却液入口温度T1が上限
温度を超えない範囲で冷却液出口温度T2が高めに制御
されることとなる。
ら熱を奪って温度上昇した冷却液がカソード加湿器3の
第2室3dに供給されるので、カソード加湿器3の第1
室3c内の空気が加熱され、該空気の相対湿度が下が
り、該空気の露点を上げることができる。その結果、第
2室3d内の冷却液の一部が水蒸気となって水蒸気透過
膜3bを透過し、第1室3c内の空気に対する加湿を促
進する。
と冷却液入口温度T1との間に所定の温度差(目標温度
差10deg)が確保されるように温度制御されてお
り、燃料電池1における冷却液入口位置と空気入口位置
が同一でその流れ方向が同一方向であるので、カソード
加湿器3で加熱・加湿された空気は燃料電池1に供給さ
れた直後に冷却液によって冷却されることとなり、該空
気中の蒸気が凝結して液状になり易くなる。その結果、
燃料電池1の固体高分子電解質膜51を加湿し易くな
る。
燃料電池1から排出された冷却液がアノード加湿器7の
第2室7dに供給されることにより、第1室7c内の空
気に対する加湿が促進される。そして、アノード加湿器
7で加熱・加湿された水素ガスは燃料電池1に供給され
た直後に冷却液によって冷却されるので、水素ガス中の
蒸気が凝結して液状になり易くなり、固体高分子電解質
膜51を加湿し易くなる。したがって、固体高分子電解
質膜51のイオン導電性が所定の状態に確実に確保され
るようになり、燃料電池1に対する加湿性が向上する。
えない範囲で冷却液出口温度T2が高めに制御され、さ
らに、燃料電池1内では水素ガス及び空気と冷却液が同
一方向に流れながら熱交換が行われるので、水素オフガ
スおよび空気オフガスの燃料電池1出口での温度を高く
することができる。その結果、これらオフガスの露点を
高くすることができ、オフガス中に気相(水蒸気)で存
在する水分量を増大させることができる。したがって、
燃料電池1における水分の排出性が向上し、水素ガス通
路56および空気通路57において水閉塞が起こり難く
なる。
ていることから、冷却液の循環量を減少させることがで
き、ウォーターポンプ15の消費電力を減少させること
ができる。
6、空気通路57、冷却液通路58の配置は図3に示す
形態に限るものではない。例えば、図5に示すように、
水素ガス通路56はセル55の左上部の入口から右下部
の出口に向かって蛇行して設けられ、空気通路57はセ
ル55の右上部の入口から左下部の出口に向かって蛇行
して設けられ、冷却液通路58はセル55の上部から下
部に向かって直線的に設けられていてもよい。この場
合、水素ガスと空気は蛇行しながらもセル55の上位か
ら下位に向かって流れているので、その流れ方向は、上
から下に向かって流れる冷却液の流れ方向と略同一方向
であると言うことができる。
る燃料電池の冷却装置の第2の実施の形態を図6および
図7の図面を参照して説明する。第2の実施の形態にお
ける冷却装置が第1の実施の形態のものと相違する点は
以下の通りである。冷却液回路12には、ラジエータ1
1の下流であって入口温度センサ16の上流に、流量制
御弁V1が設けられている。また、冷却液回路12に
は、ウォーターポンプ15の下流と入口温度センサ16
の上流とを接続しラジエータ11および流量制御弁V1
を迂回するバイパス通路21が設けられており、バイパ
ス通路21には流量制御弁V2が設けられている。その
他の構成については第1の実施の形態のものと同じであ
るので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略す
る。
CU20は、入口温度センサ16と出口温度センサ17
の出力信号に基づいて、ウォーターポンプ15の出力
と、流量制御弁V1,V2の開度を制御する。図7は、
冷却液入口温度の上限温度を80゜Cとし、冷却液入口
温度の目標温度(以下、目標冷却液入口温度という)を
65゜Cとし、冷却液出口温度と冷却液入口温度との目
標温度差を10degとした場合における冷却液の温度
制御フローチャートを示している。
温度センサ16と出口温度センサ17で検出した冷却液
入口温度T1と冷却液出口温度T2を読み込み(ステッ
プS201)、冷却液入口温度T1が上限温度(80゜
C)よりも低いか否かを判定する(ステップS20
2)。判定結果が「NO」(冷却液入口温度T1が80
゜C以上)である場合は、ウォーターポンプ15の出力
を増大し、流量制御弁V1の開度を増大し、流量制御弁
V2の開度を減少させて(ステップS203)、本ルー
チンの実行を一旦終了する。このようにすると、燃料電
池1を循環する冷却液の流量が増大し、ラジエータ11
を通過する冷却液の流量が増大し、バイパス通路21を
通過する冷却液の流量が減少するので、冷却液入口温度
T1は急速に下がる方向に制御されることとなる。
ES」(冷却液入口温度T1が80゜C未満)である場
合は、冷却液入口温度T1が目標冷却液入口温度(65
゜C)よりも大きいか否かを判定する(ステップS20
4)。判定結果が「NO」(冷却液入口温度T1が65
゜C以下)である場合は、流量制御弁V1の開度を減少
し、流量制御弁V2の開度を増大させる(ステップS2
05)。このようにすると、ラジエータ11を通過する
冷却液の流量が減少し、バイパス通路21を通過する冷
却液の流量が増大するので、冷却液入口温度T1は上が
る方向に制御されることとなる。
ES」(冷却液入口温度T1が65゜Cより高い)であ
る場合は、流量制御弁V1の開度を増大し、流量制御弁
V2の開度を減少させる(ステップS206)。このよ
うにすると、ラジエータ11を通過する冷却液の流量が
増大し、バイパス通路21を通過する冷却液の流量が減
少するので、冷却液入口温度T1は下がる方向に制御さ
れることとなる。すなわち、ステップS205あるいは
ステップS206の処理を実行することにより、冷却液
入口温度T1は目標冷却液入口温度(65゜C)に収束
すべく制御されることとなる。
6の後、ステップS207に進み、冷却液出口温度T2
と冷却液入口温度T1の温度差ΔTを算出し、算出され
た温度差ΔTが目標温度差(10deg)よりも小さい
か否か判定する(ステップS208)。判定結果が「N
O」(温度差ΔTが10deg以上)である場合は、ウ
ォーターポンプ15の出力を増大して(ステップS20
9)、本ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、
冷却液の循環量が増大し、温度差ΔTは小さくなる方向
に制御されることとなる。
ES」(温度差ΔTが10deg未満)である場合は、
ウォーターポンプ15の出力を低減して(ステップS2
10)、本ルーチンの実行を一旦終了する。これによ
り、冷却液の循環量が減少し、温度差ΔTは大きくなる
方向に制御されることとなる。以上の温度制御処理を実
行することにより、冷却液入口温度T1は65゜Cに収
束するようになり、且つ、温度差ΔTは目標温度差(1
0deg)に収束するようになる。この第2の実施の形
態の冷却装置においても、第1の実施の形態と同様の作
用があり、したがって、燃料電池1に対する加湿性の向
上、燃料電池1における水分排出性の向上、ウォーター
ポンプ15の消費電力の減少を実現することができる。
る燃料電池の冷却装置の第3の実施の形態を図8の図面
を参照して説明する。なお、以下の説明は、第3の実施
の形態と第1の実施の形態との相違点だけに留め、第1
の実施の形態のものと同一構成部分については図中、同
一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。第3の
実施の形態では、カソード加湿器3が空気供給経路と空
気オフガス経路に跨って設けられており、アノード加湿
器7が水素ガス供給経路と水素オフガス経路に跨って設
けられている。詳述すると、カソード加湿器3は、空気
供給経路においてはエアコンプレッサ2の下流であり、
空気オフガス経路においては圧力制御弁4の上流に設け
られている。アノード加湿器7は、水素ガス供給経路に
おいてはエゼクタ6の下流であり、水素オフガス経路に
おいてはパージ弁10の上流に設けられている。
部が水蒸気透過膜3bによって上下二室に離隔されてい
る点において第1の実施の形態のカソード加湿器3と同
一構成であるが、第3の実施の形態では、下側の第2室
3dにエアコンプレッサ2および燃料電池1の空気通路
57入口が接続され、上側の第1室3cに燃料電池1の
空気通路57出口および圧力制御弁4が接続されてい
る。したがって、エアコンプレッサ2から供給された空
気はカソード加湿器3の第2室3dを通って燃料電池1
の空気通路57に供給され、燃料電池1から排出された
空気オフガスはカソード加湿器3の第1室3cを通って
圧力制御弁4から大気に排出されることとなる。また、
第3の実施の形態のカソード加湿器3は、ケーシング3
aの外側にウォータージャケット3eを形成するアウタ
ーケーシング3fを備えている。そして、このウォータ
ージャケット3eに冷却液副流路14a,14bが接続
されており、燃料電池1から排出された冷却液がウォー
タージャケット3eを循環可能になっている。
ード加湿器3においては、燃料電池1から熱を奪って温
度上昇した冷却液がウォータージャケット3eを循環す
ることにより、第2室3d内の空気と第1室3c内の空
気オフガスが加熱される。第2室3d内の空気が加熱さ
れると、該空気の相対湿度が下がり、該空気の露点を上
げることができ、第2室3d内の空気は加湿され易い状
態となる。一方、第1室3c内の空気オフガスが加熱さ
れると、空気オフガスに含まれている液状の水の蒸発を
促進することができ、この蒸発によって発生した蒸気と
空気オフガスに元々気相として含まれていた水蒸気が水
蒸気透過膜3bを透過して第2室3d内に移動し、第2
室3d内の空気を加湿する。すなわち、ウォータージャ
ケット3eに温度の高い冷却液を循環することにより、
第2室3d内の空気に対する加湿を促進することができ
る。
3と同様に構成されており、下側の第2室7dにエゼク
タ6および燃料電池1の水素ガス通路56入口が接続さ
れ、上側の第1室7cに燃料電池1の水素ガス通路56
出口および水素オフガス回収路8が接続されている。し
たがって、エゼクタ6から供給された水素ガスはアノー
ド加湿器7の第2室7dを通って燃料電池1の水素オフ
ガス通路56に供給され、燃料電池1から排出された水
素オフガスはアノード加湿器7の第1室7cを通って水
素オフガス回収路8に排出されることとなる。そして、
ケーシング7aとアウターケーシング7fの間に設けら
れたウォータージャケット7eに冷却液副流路14c,
14dが接続され、燃料電池1から排出された冷却液が
ウォータージャケット7eを循環可能になっている。
ード加湿器7においては、燃料電池1から熱を奪って温
度上昇した冷却液がウォータージャケット7eを循環す
ることにより、第2室7d内の水素ガスと第1室7c内
の水素オフガスが加熱される。第2室7d内の水素ガス
が加熱されると、該水素ガスの相対湿度が下がり、該水
素ガスの露点を上げることができ、第2室7d内の水素
ガスは加湿され易い状態となる。一方、第1室7c内の
水素オフガスが加熱されると、水素オフガスに含まれて
いる液状の水の蒸発を促進することができ、この蒸発に
よって発生した蒸気と水素オフガスに元々気相として含
まれていた水蒸気が水蒸気透過膜7bを透過して第2室
7d内に移動し、第2室7d内の空気を加湿する。すな
わち、ウォータージャケット7eに温度の高い冷却液を
循環することにより、第2室7d内の水素ガスに対する
加湿を促進することができる。なお、この第3の実施の
形態においてカソード加湿器3のウォータージャケット
3eとアノード加湿器7のウォータージャケット7eは
加熱手段を構成する。
においても、第1の実施の形態の場合と同様に、燃料電
池1の冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1との間
に所定の温度差(例えば、目標温度差10deg)が確
保されるように温度制御する。このようにすると第3の
実施の形態の冷却装置によっても第1の実施の形態の冷
却装置と同様の作用・効果を得ることができる。
2と冷却液入口温度T1との間に所定の温度差(目標温
度差10deg)が確保されるように温度制御されてお
り、燃料電池1における冷却液入口位置と反応ガス入口
位置が同一でその流れ方向が同一方向であるので、カソ
ード加湿器3およびアノード加湿器7で加熱・加湿され
た反応ガスは燃料電池1に供給された直後に冷却液によ
って冷却されることとなり、該反応ガス中の蒸気が凝結
して液状になり易くなる。その結果、燃料電池1の固体
高分子電解質膜51を加湿し易くなる。
えない範囲で冷却液出口温度T2が高めに制御され、さ
らに、燃料電池1内では水素ガス及び空気と冷却液が同
一方向に流れながら熱交換が行われるので、水素オフガ
スおよび空気オフガスの燃料電池1出口での温度を高く
することができる。その結果、これらオフガスの露点を
高くすることができ、オフガス中に気相(水蒸気)で存
在する水分量を増大させることができる。したがって、
燃料電池1における水分の排出性が向上し、水素ガス通
路56および空気通路57において水閉塞が起こり難く
なる。
していることから、冷却液の循環量を減少させることが
でき、ウォーターポンプ15の消費電力を減少させるこ
とができる。
る燃料電池の冷却装置の第4の実施の形態を図9および
図10の図面を参照して説明する。前述した各実施の形
態の冷却装置では、冷却液出口温度T2と冷却液入口温
度T1の温度差ΔTの目標温度差(目標値)を一定(例
えば、10deg)にしているが、第4の実施の形態の
冷却装置では、温度差ΔTの目標温度差を可変にし、燃
料電池1の出力(発電量)に応じて目標温度差を変化さ
せるようにする。
いて説明する。燃料電池1の発熱量は燃料電池1の出力
(発電電流)に応じて異なり、低出力(発電電流が小さ
い)領域では発熱量が小さく、高出力(発電電流が大き
い)領域では発熱量が大きい。そのため、低出力領域で
は燃料電池1を冷却する冷却液の流量は少なくて済み、
高出力領域では冷却液の流量が多く必要になる。
が少なくなると、燃料電池1における冷却液流路構造の
ばらつきや燃料電池1におけるセル位置の関係により、
全セルに対して均一な冷却状態の確保が困難になり、セ
ル間あるいはセル位置に対する温度ばらつきが発生し、
部分的に高温領域(ヒートポイント)が生じ、固体高分
子電解質膜51などを痛める虞がある。したがって、燃
料電池1の低出力領域においては、冷却液出口温度T2
と冷却液入口温度T1との温度差ΔTを小さく設定して
冷却液流量を増加させた方が、ヒートポイントを生じに
くくなり、燃料電池1にとって好ましい。
多くなると、燃料電池1における冷却液流路構造のばら
つきがあっても、各セルでほぼ均一な冷却状態が確保で
きるのでヒートポイントが発生することはない。しかし
ながら、冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1との
温度差ΔTを燃料電池1の低・中出力領域のときと同じ
温度差ΔTに確保しようとすると、冷却液流量が大きく
なるためウォーターポンプ15の出力が大きくなって、
ウォーターポンプ15の消費電力が大きくなってしま
う。ここで、ウォーターポンプ15の電力は燃料電池1
の発電によって賄われることから、結果的に発電効率が
低下することとなる。したがって、燃料電池1の高出力
領域においては、冷却液出口温度T2と冷却液入口温度
T1との温度差ΔTを大きく設定して冷却液流量を減少
させた方が、ウォーターポンプ15の消費電力を減少さ
せることができ、エネルギーマネージメント上、好まし
い。そこで、この第4の実施の形態の冷却装置では、燃
料電池1の出力に応じて目標温度差を変化させて、冷却
液の温度制御を実行することにした。
て具体的に説明する。以下の説明では、冷却装置の構成
については図1に示すものと同じとしてその説明は省略
する。図9は、冷却液入口温度の上限温度を80゜Cと
し、冷却液出口温度と冷却液入口温度との目標温度差を
燃料電池1の出力に応じた目標温度差ΔTαにする場合
における冷却液の温度制御フローチャートを示してお
り、これに従って温度制御処理を説明する。
ために、発電電流計測装置18で検出した燃料電池1の
発電電流を読み込む(ステップS301)。次に、冷却
液出口温度T2と冷却液入口温度T1との目標温度差Δ
Tαを燃料電池1の発電電流に応じて算出する(ステッ
プS302)。目標温度差ΔTαは、例えば図10に示
すような目標温度差マップを参照して算出してもよい
し、あるいは、発電電流と目標温度差ΔTαとの関係式
に基づいて計算により算出してもよい。
て説明すると、発電電流がIA1以下では目標温度差Δ
TαはΔT1で一定であり、発電電流がIA1を越えて
IA2以下では目標温度差ΔTαはΔT1からΔT2ま
で漸次大きくなり、発電電流がIA2を越えてIA3未
満では目標温度差ΔTαはΔT2からΔT3まで漸次大
きくなり、発電電流がIA3以上では目標温度差ΔTα
はΔT3で一定になっている。なお、発電電流がIA1
〜IA2における目標温度差ΔTαの上昇率は、発電電
流がIA2〜IA3における目標温度差ΔTαの上昇率
よりも大きく設定されている。
じた目標温度差ΔTαを算出した後、入口温度センサ1
6と出口温度センサ17で検出した冷却液入口温度T1
と冷却液出口温度T2を読み込み(ステップS30
3)、冷却液入口温度T1が上限温度(80゜C)より
も低いか否かを判定する(ステップS304)。判定結
果が「NO」(冷却液入口温度T1が80゜C以上)で
ある場合は、ウォーターポンプ15の出力を増大して
(ステップS305)、本ルーチンの実行を一旦終了す
る。これにより、冷却液の循環量が増大し、冷却液入口
温度T1は下げる方向に制御されることとなる。
ES」(冷却液入口温度T1が80゜C未満)である場
合は、冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1の温度
差ΔTを算出し(ステップS306)、算出された温度
差ΔTが目標温度差ΔTαよりも小さいか否か判定する
(ステップS307)。判定結果が「NO」(温度差Δ
Tが目標温度差ΔTα以上)である場合は、ウォーター
ポンプ15の出力を増大して(ステップS305)、本
ルーチンの実行を一旦終了する。これにより、冷却液の
循環量が増大し、温度差ΔTは小さくなる方向に制御さ
れることとなる。
ES」(温度差ΔTが目標温度差ΔTα未満)である場
合は、ウォーターポンプ15の出力を低減して(ステッ
プS308)、本ルーチンの実行を一旦終了する。これ
により、冷却液の循環量が減少し、温度差ΔTは大きく
なる方向に制御されることとなる。以上の温度制御処理
を実行することにより、冷却液入口温度T1は80゜C
以下に収束するようになり、且つ、温度差ΔTは燃料電
池1の出力に応じた目標温度差ΔTαに収束するように
なる。
には、冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1との温
度差ΔTが小さい温度差に制御されるようになり、その
結果、燃料電池1に流れる冷却液流量を比較的に大きく
することができるようになって、ヒートポイントを生じ
にくくすることができ、燃料電池1の損傷を防止するこ
とができる。一方、燃料電池1の出力が高いときには、
冷却液出口温度T2と冷却液入口温度T1との温度差Δ
Tが大きい温度差に制御されるようになり、その結果、
燃料電池1に流れる冷却液流量を比較的に小さくするこ
とができるようになって、ウォーターポンプ15の消費
電力を減少させることができ、燃料電池1の発電効率が
向上する。
おいても、第1の実施の形態と同様の作用があり、した
がって、燃料電池1に対する加湿性の向上、燃料電池1
における水分排出性の向上、ウォーターポンプ15の消
費電力の減少を実現することができる。また、上述のよ
うに燃料電池1の出力に応じて目標温度差を変えて実行
する冷却液の温度制御は、図6あるいは図8に示される
構成の冷却装置にも適用可能である。
た発明によれば、オフガスの燃料電池出口温度を高くす
ることができ、その結果、オフガスの露点を高くするこ
とができ、オフガス中に気相(水蒸気)で存在する水分
量を増大させて、これをオフガスとともに燃料電池から
排出することができるので、燃料電池における水分の排
出性が向上するという優れた効果が奏される。さらに、
請求項1に記載した発明によれば、冷却液出口温度を高
めに制御するようになることから、冷却液の循環量を減
少させることができるので、循環ポンプの消費電力を減
少させることができるという効果もある。
オフガスの燃料電池出口温度を高くすることができ、そ
の結果、オフガスの露点を高くすることができ、オフガ
ス中に気相(水蒸気)で存在する水分量を増大させて、
これをオフガスとともに燃料電池から排出することがで
きるので、燃料電池における水分の排出性が向上すると
いう優れた効果が奏される。
加熱手段が冷却液で加湿器を加熱しているので、燃料電
池に供給される反応ガスの温度が高まり、加湿器におけ
る反応ガスに対する加湿が促進され、しかも、加熱・加
湿された反応ガスは燃料電池に供給された直後に冷却液
によって冷却され、反応ガス中の蒸気が凝結して液状に
なり易くなり、燃料電池を加湿し易くなるので、燃料電
池に対する加湿性が向上するという優れた効果が奏され
る。
ば、冷却液出口温度を高めに制御するようになることか
ら、冷却液の循環量を減少させることができるので、循
環ポンプの消費電力を減少させることができるという効
果もある。
池が低出力のときには、冷却液出口温度と冷却液入口温
度との温度差を小さく設定して、燃料電池を流れる冷却
液流量を増加させることができるので、燃料電池内にヒ
ートポイントを生じにくくすることができ、燃料電池の
損傷を防止することができ、一方、燃料電池が高出力の
ときには、冷却液出口温度と冷却液入口温度との温度差
を大きく設定して、燃料電池を流れる冷却液流量を減少
させることができるので、循環ポンプの消費電力を減少
させることができ、燃料電池の発電効率が向上するとい
う優れた効果が奏される。
第1の実施の形態の概略構成図である。
面図である。
ス通路および冷却液通路の模式図である。
フローチャートである。
他の例を示す模式図である。
第2の実施の形態の概略構成図である。
フローチャートである。
第3の実施の形態の概略構成図である。
第4の実施の形態の冷却液温度制御フローチャートであ
る。
プの一例である。
Claims (3)
- 【請求項1】 燃料ガスと酸化剤ガスを反応ガスとして
発電を行う燃料電池と、 循環ポンプにより冷却液を前記燃料電池と放熱器との間
で循環させ、前記燃料電池内で冷却液を前記反応ガスと
略同一方向に流して該燃料電池を冷却し、前記放熱器で
冷却液から熱を外部に放熱する冷却手段と、 前記燃料電池の冷却液出口温度と冷却液入口温度との間
に所定の温度差が確保されるように前記循環ポンプを制
御する制御手段と、 を備えることを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 【請求項2】 燃料ガスと酸化剤ガスを反応ガスとして
発電を行う燃料電池と、 前記燃料電池に供給される前記反応ガスを加湿する加湿
器と、 循環ポンプにより冷却液を前記燃料電池と放熱器との間
で循環させ、前記燃料電池内で冷却液を前記反応ガスと
略同一方向に流して該燃料電池を冷却し、前記放熱器で
冷却液から熱を外部に放熱する冷却手段と、 前記燃料電池から排出された前記冷却液によって前記加
湿器を加熱する加熱手段と、 前記燃料電池の冷却液出口温度と冷却液入口温度との間
に所定の温度差が確保されるように前記循環ポンプを制
御する制御手段と、 を備えることを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 【請求項3】 前記燃料電池の出力に応じて前記温度差
の目標値を変更することを特徴とする請求項1または請
求項2に記載の燃料電池の冷却装置。
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