JP2003012970A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JP2003012970A
JP2003012970A JP2001194821A JP2001194821A JP2003012970A JP 2003012970 A JP2003012970 A JP 2003012970A JP 2001194821 A JP2001194821 A JP 2001194821A JP 2001194821 A JP2001194821 A JP 2001194821A JP 2003012970 A JP2003012970 A JP 2003012970A
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pigment
colorant
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JP2001194821A
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English (en)
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Takahiro Horiuchi
貴洋 堀内
Yorihisa Tsubaki
頼尚 椿
Tomoko Inoue
朋子 井上
Momomi Aoki
百美 青木
Keiichi Kikawa
敬一 紀川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い色濃度での記録、鮮やかな色再現を可能
とし、かつ普通紙での滲みや裏写りがなく、分散安定
性、保存性の優れた記録液を得ることを課題とする。 【解決手段】 ブラッグ角4〜40°(2θ±0.2
°)のX線回折スペクトルにおいて、最大回折線の1/
10以上のピーク値をもつ回折線の数をn(nは1以上
の整数)とすれば、ブラッグ角4〜15°の最大回折線
の積分値とブラッグ角4〜40°の全ての回折線の積分
値との比が90/√(n+1)%以上である色剤と、少
なくとも水とを含むことを特徴とする記録液により、上
記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式をはじめ、印刷・記録に好適な色剤を含む記録液
に関する。本発明の記録液は、各種マーキング用具や各
種器具の接着剤としても好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の機構
により記録液の小滴を吐出させ、その小滴をメディア上
に付着させ、ドットを形成することにより画像記録を行
う方式である。このため記録時の騒音が少ない、カラー
化が容易である、現像及び定着工程が不要である、高速
記録が可能であるというような特長を有している。近
年、インクジェット記録方式は、ディスプレイなどに表
示された画像、各種図面、原稿などを印刷する方法とし
て注目され、急速に普及している。
【0003】インクジェット記録方式に用いられる記録
液には、メディア上では速やかに乾燥定着し、記録装置
のノズル内では乾燥しにくく、ノズル詰まりを起こしに
くいという相矛盾した特性が要求される。また、基本性
能として、保存安定性や安全性も要求される。またその
一方で、インクジェット記録方式は、メディアの種類に
より記録液の浸透・吸収状態が大きく異なるため、使用
できる紙が制限されるという問題がある。特に、近年で
は、オフィスで一般に使用されているコピー用紙、レポ
ート用紙、ノート、便箋などのいわゆる普通紙に対して
も良好な記録を行えることが要求され、上記の問題につ
いての早急な改善が望まれている。
【0004】記録液は、着色剤としての染料及び/又は
顔料と、それらを溶解又は分解させるための溶媒とを主
成分とする組成物であり、必要に応じて各種添加剤を含
ませることができる。着色剤として顔料を用いた記録液
は、オフィス、パーソナル分野向けに一般に多用されて
いる水溶性染料を用いた記録液よりも、耐水性、耐光性
に優れており、デザイン、ディスプレイ市場向けの大判
印刷の分野において実用化が進んでいる。しかしなが
ら、多種多様なメディアに高画質の出力が求められるよ
うなオフィス、パーソナル分野向けに応用するには未だ
困難な状況にある。
【0005】このような記録液としては、例えば、顔料
として比較的極性の高い多孔質のカーブンブラックを用
いたもの(特開平8−3498号公報及び特表平10−
510862号公報)や、マイクロカプセル化有機顔料
を用いたもの(特開平9−151342号公報及び特開
平10−140065号公報)等があるが、これらの記
録液は、彩度、乾燥速度、耐擦過性などの点で、いずれ
も未だ十分とは言えない。
【0006】また、着色剤として顔料を用いた記録液で
は、溶媒中に顔料を長期間安定に分散させること(保存
安定性)、ノズルの目詰まりがなくメディア上で滲みの
ないことが特に求められている。
【0007】例えば、特開平6−212106号公報で
は、高分子分散剤、界面活性剤などの分散剤等を用いて
溶媒中に顔料を分散させる技術が開示されている。しか
しながら、一般に分散剤を添加することは、記録液を泡
立たせる原因となり、記録液の吐出過程に影響を及ぼす
ため、印字ムラを引き起こすという問題がある。
【0008】また、特許第3000672号公報には、
分散質としての着色成分(着色剤)の粒子径並びに分散
媒の表面張力特性を特定の範囲に制御することにより、
滲みの発生を抑えたインクジェット記録用記録液が開示
されている。このような記録液においては、用いる顔料
を選択することで記録液に耐水性・耐光性をもたせるこ
とができるものの、インクジェット記録方式の記録液と
しては、吐出安定性、保存安定性、メディアへの定着性
に関して未だ十分に満足できるものではない。また、高
い色濃度での印刷性及び耐擦過性は不充分で、1次色と
してシアン顔料、マゼンダ顔料、イエロー顔料の3色を
基本とすると、高彩色な記録を実現できていないのが現
状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題に対
して、本発明は、優れた吐出安定性、保存安定性、耐水
性、耐光性、耐擦過性などを有し、普通紙記録におい
て、滲みや裏写りがなく、高い色濃度の高品質(高精
細、高彩度)記録を可能とする記録液を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、特定のX線回折スペクトルを示す色剤と、
少なくとも水とを含む記録液により、上記の課題が解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】かくして本発明によれば、ブラッグ角4〜
40°(2θ±0.2°)のX線回折スペクトルにおい
て、最大回折線の1/10以上のピーク値をもつ回折線
の数をn(nは1以上の整数)とすれば、ブラッグ角4
〜15°の最大回折線の積分値とブラッグ角4〜40°
の全ての回折線の積分値との比が90/√(n+1)%
以上である色剤と、少なくとも水とを含むことを特徴と
する記録液が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の記録液は、例えばCuK
α線を用いることによるブラッグ角4〜40°(2θ±
0.2°)のX線回折スペクトルにおいて、最大回折線
の1/10以上のピーク値をもつ回折線の数をn(nは
1以上の整数)とすれば、ブラッグ角4〜15°の最大
回折線の積分値と、ブラッグ角4〜40°の全ての回折
線の積分値との比が90/√(n+1)%以上である色
剤と、少なくとも水とを含むことを特徴とする。なお、
回折線の数(n)における回折線は、最大回折線をも含
むものである。また、単に「最大回折線」というとき
は、ブラッグ角4〜40°の最大回折線のことを意味す
る。
【0013】本発明に用いることのできる色剤は、上記
の条件を備えるものであれば、水系のもの又は非水系の
ものいずれであってもよく、特に限定されないが、例え
ば、印刷記録液、トナー、塗料などに通常用いられる顔
料などを改質処理したものが挙げられる。
【0014】顔料としては、改質処理において耐性を有
するものであれば特に限定されず、例えばイエロー顔
料、マゼンタ顔料及びシアン顔料の3原色が挙げられ
る。イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメン
トイエロー3、74、165などのアゾ顔料、C.I.
ピグメントイエロー151、180、194などのベン
ズイミダゾロン顔料などが挙げられる。
【0015】マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントレッド122、202、209などのキナク
リドン顔料、C.I.ピグメントレッド149、19
0、224などのペリレン顔料、C.I.ピグメントレ
ッド2、5、23、112、184、185、206等
のナフトールアゾ−ベンズイミダゾロン顔料などが挙げ
られる。
【0016】シアン顔料としては、例えば、C.I.ピ
グメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:
3、C.I.ピグメントブルー15:4などの銅フタロ
シアニン顔料や、シアニンブルーA−13R、13Y
[山陽色素(株)社製]等のアルミフタロシアニン顔料
などのフタロシアニン顔料が挙げられる。これらの顔料
は、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用
いてもよい。
【0017】改質処理は、上記の顔料を親水性に、又は
容易に水に分散することのできる自己分散性にすること
であり、例えば、上記の顔料に、赤外線吸収スペクトル
が1000〜1400cm-1の波長領域に吸収ピークを
有するようなスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸
基及びこれらの誘導基からなる群から選ばれた1種又は
複数種の官能基を導入する方法が挙げられる。
【0018】顔料に官能基を導入する方法としては、特
に限定されないが、酸処理(例えば、大気下、湿式で、
発煙硫酸、クロロスルホン酸又は硫酸で顔料を処理する
方法)が操作簡便で、かつ顔料が均一に処理されやすい
ため望ましい。また、酸素雰囲気での紫外線照射[例え
ば、酸素ガス雰囲気中で、顔料に低圧水銀ランプ(λ:
185nm)を照射する方法]、反応性プラズマガス中
での暴露(例えば、真空下で、顔料を低圧酸素ガスのグ
ロー放電プラズマ中に暴露する方法)などの化学的処理
又は物理的処理などが挙げられる。
【0019】上記の改質処理では、顔料の耐性が求めら
れる。つまり、用いられる顔料によっては改質処理中に
分解又は変色することもあるので、通常、改質処理は、
処理条件を最適化するとともに耐性のある顔料を適宜選
択して行われる。
【0020】色剤は、透明性が向上するとともに記録液
の分散安定性がさらに向上するという点で、一次粒子幾
何平均径が、可視光吸収スペクトルの主ピークを示す波
長の1/24〜1/4の範囲にあるのが好ましい。ま
た、その幾何標準偏差は1.5以下であるのが好まし
く、これにより色剤同士の凝集を防止でき、優れた保存
安定性と安定した吐出特性を有する記録液を得ることが
できる。
【0021】一次粒子幾何平均径が上記波長の1/4以
下であると記録液の透明性が向上する。これは色重ねを
行ったときに高品質(高精細、高彩度)の記録を実現す
るために特に重要な特性となる。一次粒子幾何平均径が
上記波長の1/4を上回ると、記録液の保存性及び色重
ねを行ったときの記録性(高精細、高彩度)が低くなる
ので好ましくない。また、上記波長の1/24を下回る
と、光散乱がほとんどないレイリー散乱領域となり、記
録液の紙面上での滲みが大きくなりやすく、高精細な記
録が難しくなるので好ましくない。
【0022】以上のことから色剤の一次粒子幾何平均径
は、粒子のブラウン運動による分散液中での安定性をも
考慮すると、20〜200nm程度が好ましく、より優
れた滲み防止特性、裏写り防止特性、保存安定性を示す
という点で、40〜100nm程度がさらに好ましい。
【0023】本発明の記録液は、上記の色剤を単独で、
又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
その含有量は1〜10重量%が好ましく、2〜5重量%
がより好ましい。色剤の含有量が1重量%を下回ると、
印字濃度が低くなるので好ましくない。また、色剤の含
有量が10重量%を上回ると、粘度が高くなるとともに
粒子間の相互作用が大きくなり、分散安定性が低下する
ので好ましくない。
【0024】本発明の記録液は、本発明の効果を阻害し
ない範囲で、例えばpH調整剤、目詰まり防止剤、湿潤
剤、浸透剤などを含んでいてもよい。pH調整剤又は目
詰まり防止剤としては、例えば、尿素、2−ピロリド
ン、N−メチル2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミ
ダゾリジノン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等の含窒素有機溶剤が挙げられる。本発明の記録液
には、上記のpH調整剤又は目詰まり防止剤をそれぞれ
単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用いることがで
きる。それらの含有量は、いずれも通常1〜10重量%
程度である。
【0025】湿潤剤は、記録液の保存安定性、記録特性
及びメディアに対する定着性の向上にも寄与する。ま
た、記録装置内のノズルやオリフィスでの目詰まり防止
にも役立つ。このような湿潤剤としては、例えば、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペン
タエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘ
プタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へ
キサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
などが挙げられる。
【0026】本発明の記録液には、上記の湿潤剤をそれ
ぞれ単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用いること
ができる。その含有量は、通常0.5〜40重量%程度
である。なお、記録液が湿潤剤を含有する場合は、低沸
点有機溶剤も含有されているのが好ましい。低沸点有機
溶剤としては、一価のアルコールが好ましく、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペン
タノールなどが挙げられる。
【0027】本発明の記録液には、上記の低沸点有機溶
剤をそれぞれ単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用
いることができる。その含有量は、通常0.5〜10重
量%程度であり、好ましくは1.5〜6重量%である。
【0028】浸透剤は、メディア上での記録液の乾燥を
速くするだけでなく、メディア表面に色剤を効率的に定
着させること、及び普通紙での滲み防止にも重要な役割
を果たす。そのような浸透剤としては、表面張力を低下
させる機能をもつものであれば特に限定されず、例え
ば、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールn−ブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエー
テル等のグリコールエーテル類や、アニオン型であるパ
ーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸カリウム塩、パーフルオロア
ルキルカルボン酸カリウム塩、あるいはノニオン型であ
るパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノー
ル、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素化
アルキルエステル等のフッ素系界面活性剤等が挙げられ
る。
【0029】本発明の記録液には、上記の浸透剤をそれ
ぞれ単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用いること
ができる。その含有量は、通常0.1〜5重量%程度で
ある。なお、浸透剤の含有量がこの範囲外であると、滲
み防止効果、乾燥性が低下するので好ましくない。
【0030】さらに、本発明の記録液は、浸透性を制御
するための界面活性剤を含んでいてもよい。そのような
界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル型、ア
ルキルエステル型、ソルビタンエステル型、ソルビタン
エステルエーテル型などのノニオン性界面活性剤や、ア
ルキルエーテル硫酸型、メチルタウリン酸塩型、エーテ
ルスルホン酸塩型、エーテルカルボン酸塩型、スルホコ
ハク酸型などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0031】さらに、本発明の記録液は、記録液の諸物
性を改善するために、例えば粘度調整剤や防腐剤等の公
知の物性調整剤を含んでいてもよい。本発明の記録液
は、上記の構成成分を適宜、適当な方法で水に分散ある
いは混合することによって調製することができる。分散
方法としては、ダイノミル分散法、ペイントシェーカー
分散法、ボールミル分散法、アトライター分散法、サン
ドミル分散法、ビーズミル分散法、超音波分散法等の通
常の方法を採用することができる。本発明の記録液によ
れば、高い色濃度で記録を実現すると同時に、鮮やかな
色再現(高彩度)を可能とし、かつ普通紙での滲みや裏
写りがなく、記録液の分散安定性、保存性も向上する。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定され
るものではない。実施例、比較例で得られた記録液の特
性は、それぞれ以下に示した方法で測定・評価し、その
結果を表1に示した。
【0033】<粒子径>色剤の粒子径は、大塚電子
(株)社製の電気泳動光散乱光度計(商品名:ELS−
8000)で測定する。
【0034】<X線回折>X線回折スペクトルは、マッ
クサイエンス社製の粉末X線回折装置(商品名:MXP
−18、X線源CuKα=0.15405nm)を用い
て測定する。
【0035】<反射濃度>記録液を一定量(1.0m
l)採取し、専用コート紙上にアプリケーター塗布した
ものを乾燥後、マクベス社製の濃度計(商品名:RD−
918)で測定する。測定値の高い方が好ましく、1.
4以上であれば鮮やかな印字が可能と評価する。
【0036】<裏写り>反射濃度測定用サンプルと同様
に、普通紙に塗布したものの裏面の反射濃度を測定する
ことで裏写りの程度を評価する。測定値が0.12以下
であれば、裏写りがなく、両面印刷が可能と評価する。
【0037】<色特性>反射濃度測定用サンプルを用い
て、日本平版機材(株)社製のX−Rite938(商
品名)で、L***表色系における色特性[明度
(L*)、色度(a**)]を求める。得られた色度
を、以下の式に代入することにより、色の鮮やかさ[彩
度(c*)]を求める。得られる値が大きいほど彩度に
優れているものと評価する。 彩度(c*)=√[(a*2+(b*2
【0038】<滲み防止特性>マイクロシリンジで一定
量(0.7μl)の記録液を普通紙(SF−4AM3)
面に付着させ、紙面上での広がり(ドット径)を測定す
る。ドット径が1.5mm以下のものを「◎」、1.5
mm超え2.5mm以下のものを「○」、2.5mmよ
り大きいものを「×」と評価する。また、その真円度の
基準として標準偏差を求める。標準偏差が0.2以上と
なるものは、真円度が悪いものとして括弧つきの記号を
設けて「(△)」と表わす。
【0039】<保存安定性>記録液をラボランスクリュ
管瓶に入れ、60℃で1ヶ月放置した後、色剤粒子径の
変化率を大塚電子(株)社製のELS8000(商品
名)で測定する。この変化率が15%以下のものを
「◎」、15%超え20%以下のものを「○」、20%
超え30%未満のものを「△」、30%以上のものを
「×」として評価する。
【0040】[色剤の調製]実施例1 10℃前後に冷却した濃硫酸(98%)中で、C.I.
ピグメントイエロー180を2時間攪拌した後、0℃の
水中に急速に滴下攪拌することにより色剤を得た。この
色剤のX線回折スペクトルを図1に示す。図1に示され
るように、この色剤では5.5°付近をピークとした最
大回折線が記録され、この最大回折線の1/10以上の
ピーク値をもつ回折線の数は、最大回折線を含めて合計
3つであった。また、この色剤のブラッグ角4〜15°
(2θ±0.2°)の最大回折線の積分値と、ブラッグ
角4〜40°の全ての回折線の積分値との比(以下、
「積分値の比」という)は約64%であり、計算値[9
0/√(3+1)%=45%]より大きかった。
【0041】また、この色剤の赤外線吸収(IR)スペ
クトルを図2に示す。このIRスペクトルからスルホン
基のものと思われる1000〜1400cm-1付近のピ
ークが確認された。また、色剤の一次粒子幾何平均径は
76nmであり、幾何標準偏差は1.24であった。色
剤の可視光吸収スペクトルの主ピークを示す波長が40
0nmであることから、色剤の一次粒子幾何平均径は、
前記波長の1/5であることが分かる。
【0042】実施例2 50℃に加熱した濃硫酸中で、C.I.ピグメントレッ
ド185を攪拌した以外は、実施例1と同様にして色剤
を得た。この色剤のX線回折スペクトルを図3に示す。
図3に示されるように、この色剤では6°付近をピーク
とした最大回折線が記録され、この最大回折線の1/1
0以上のピーク値をもつ回折線の数は、最大回折線のみ
の1つであった。また、この色剤の積分値の比は約88
%であり、計算値[90/√(1+1)%≒64%]よ
り大きかった。
【0043】また、この色剤のIRスペクトルを図4に
示す。このIRスペクトルからスルホン基のものと思わ
れる1000〜1400cm-1付近のピークが確認され
た。また、色剤の一次粒子幾何平均径は64nmであ
り、幾何標準偏差は1.22であった。色剤の可視光吸
収スペクトルの主ピークを示す波長が520nmである
ことから、色剤の一次粒子幾何平均径は、前記波長の1
/8であることが分かる。
【0044】実施例3 150℃に加熱した濃硫酸中で、C.I.ピグメントブ
ルー15:3を攪拌した以外は、実施例1と同様にして
色剤を得た。この色剤のX線回折スペクトルを図5に示
す。図5に示されるように、この色剤では6°付近をピ
ークとした最大回折線が記録され、この最大回折線の1
/10以上のピーク値をもつ回折線の数は、最大回折線
のみの1つであった。また、この色剤の積分値の比は約
95%であり、計算値[90/√(1+1)%≒64
%]より大きかった。
【0045】また、この色剤のIRスペクトルを図6に
示す。このIRスペクトルからスルホン基のものと思わ
れる1000〜1400cm-1付近のピークが確認され
た。また、色剤の一次粒子幾何平均径は53nmであ
り、幾何標準偏差は1.25であった。色剤の可視光吸
収スペクトルの主ピークを示す波長が650nmである
ことから、色剤の一次粒子幾何平均径は、前記波長の1
/8であることが分かる。
【0046】比較例1 実施例1と同様にして、C.I.ピグメントイエロー1
2、13、15、17、81、83、110若しくは1
55、又はC.I.ピグメントレッド254若しくは2
64を用いて色剤を調製しようとしたが、改質処理によ
って変/退色、又は耐光性が劣化したため、本発明に用
いることのできる色剤を得ることはできなかった。
【0047】 [記録液の製造] 実施例4 実施例1の色剤(改質C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー180) 2.5重量% ジエチレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% トリエチレングリコールn−ブチルエーテル 8重量% n−プロパノール 3重量% 尿素 5重量% ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 0.2重量% イオン交換水 残量
【0048】まず、色剤とイオン交換水を混合し、ペイ
ントコンディショナー装置(レッドレベル社製)によ
り、直径0.8mmのジルコニアビーズと共に8時間分
散処理を施した。この分散液からジルコニアビーズを除
去した後、残りの構成成分を混合し、0.45μmのメ
ンブレンフィルタで濾過することにより記録液を得た。
【0049】 実施例5 実施例2の色剤(改質C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛185) 2.5重量% ジエチレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% トリエチレングリコールn−ブチルエーテル 8重量% n−プロパノール 3重量% 尿素 5重量% ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 0.2重量% イオン交換水 残量 以上の構成成分を用いた以外は、実施例4と同様にして
記録液を得た。
【0050】 実施例6 実施例3の色剤(改質C.I.ヒ゜ク゛メントフ゛ルー15:3) 2.5重量% ジエチレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% トリエチレングリコールn−ブチルエーテル 8重量% n−プロパノール 3重量% 尿素 5重量% ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 0.2重量% イオン交換水 残量 以上の構成成分を用いた以外は、実施例4と同様にして
記録液を得た。
【0051】 比較例2 顔料C.I.ピグメントイエロー180 4.5重量% ソルスパース27000 3重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% イオン交換水 残量
【0052】まず、顔料、ソルスパース27000及び
イオン交換水を混合し、ペイントコンディショナー装置
により、直径0.8mmのガラスビーズと共に8時間分
散処理を施した。この分散液からガラスビーズを除去し
た後、残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブ
レンフィルタで濾過することにより記録液を得た。な
お、用いた顔料のX線回折スペクトルを図7に示す。図
7に示されるように、この顔料では13°付近をピーク
とした最大回折線が記録され、この最大回折線の1/1
0以上のピーク値をもつ回折線の数は、最大回折線を含
めて合計8つであった。また、顔料の積分値の比は約2
3%であり、計算値[90/√(8+1)%=30%]
より小さかった。また、顔料のIRスペクトルを図2に
示す。顔料の一次粒子幾何平均径は89nmであり、幾
何標準偏差は1.36であった。顔料の可視光吸収スペ
クトルの主ピークを示す波長が420nmであることか
ら、色剤の一次粒子幾何平均径は、前記波長の1/5で
あることが分かる。
【0053】 比較例3 顔料C.I.ピグメントレッド185 4.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% イオン交換水 残量
【0054】以上の構成成分を用いた以外は、比較例2
と同様にして記録液を得た。なお、顔料のX線回折スペ
クトルを図8に示す。図8に示されるように、この顔料
では8.5°付近をピークとした最大回折線が記録さ
れ、この最大回折線の1/10以上のピーク値をもつ回
折線の数は、最大回折線を含めて合計3つであった。ま
た、顔料の積分値の比は約24%であり、計算値[90
/√(3+1)%=45%]より小さかった。
【0055】また、顔料のIRスペクトルを図4に示
す。顔料の一次粒子幾何平均径は78nmであり、幾何
標準偏差は1.40であった。顔料の可視光吸収スペク
トルの主ピークを示す波長が580nmであることか
ら、色剤の一次粒子幾何平均径は、前記波長の1/7で
あることが分かる。
【0056】 比較例4 顔料C.I.ピグメントブルー15:3 4.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% イオン交換水 残量
【0057】以上の構成成分を用いた以外は、比較例2
と同様にして記録液を得た。なお、顔料のX線回折スペ
クトルを図9に示す。図9に示されるように、この顔料
では7°付近をピークとした最大回折線が記録され、こ
の最大回折線の1/10以上のピーク値をもつ回折線の
数は、最大回折線を含めて合計9つであった。顔料の積
分値の比は約28%であり、計算値[90/√(9+
1)%≒28.5%]より小さかった。
【0058】また、顔料のIRスペクトルを図6に示
す。また、顔料の一次粒子幾何平均径は94nmであ
り、幾何標準偏差は1.37であった。顔料の最大回折
線のピークを示す波長が620nmであることから、色
剤の一次粒子幾何平均径は、前記波長の1/7であるこ
とが分かる。
【0059】
【表1】
【0060】以上の結果から明らかなように、特定のX
線回折スペクトルを示す色剤を含む本発明の記録液(実
施例4〜6)は、従来用いられてきた顔料を含むもの
(比較例2〜4)に比べて、反射濃度と彩度の値が大き
いことから、色鮮やかな印字品位を有することが分か
る。また、普通紙に対する裏写りがなく、滲み防止特性
及び保存安定性にも優れていることが分かる。
【0061】
【発明の効果】本発明の記録液によれば、従来の記録液
の欠点であったくすんだ色しか再現できないという課題
が克服できる。また、普通紙での滲みや裏写りが少な
く、保存安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のX線回折スペクトル
【図2】実施例1及び比較例2の赤外線吸収スペクトル
【図3】実施例2のX線回折スペクトル
【図4】実施例2及び比較例3の赤外線吸収スペクトル
【図5】実施例3のX線回折スペクトル
【図6】実施例3及び比較例4の赤外線吸収スペクトル
【図7】比較例2のX線回折スペクトル
【図8】比較例3のX線回折スペクトル
【図9】比較例4のX線回折スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/22 C09B 67/48 B 67/48 Z 67/50 Z 67/50 B41J 3/04 101Y (72)発明者 井上 朋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 青木 百美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 紀川 敬一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC01 2H086 BA55 BA60 BA62 4J039 BC16 BC19 BC33 BC39 BC51 BC54 BC56 BC60 BC65 BC68 BC69 BE01 CA03 CA06 EA15 EA16 EA17 EA35 EA36 EA38 EA42 EA44 EA46 EA47 EA48 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラッグ角4〜40°(2θ±0.2
    °)のX線回折スペクトルにおいて、最大回折線の1/
    10以上のピーク値をもつ回折線の数をn(nは1以上
    の整数)とすれば、ブラッグ角4〜15°の最大回折線
    の積分値とブラッグ角4〜40°の全ての回折線の積分
    値との比が90/√(n+1)%以上である色剤と、少
    なくとも水とを含むことを特徴とする記録液。
  2. 【請求項2】 色剤が、スルホン酸基、カルボン酸基、
    ホスホン酸基及びこれらの誘導基からなる群から選ばれ
    る1種又は複数種の官能基を有する請求項1に記載の記
    録液。
  3. 【請求項3】 色剤の一次粒子幾何平均径が、可視光吸
    収スペクトルの主ピークを示す波長の1/24〜1/4
    の範囲にあり、その幾何標準偏差が1.5以下である請
    求項1又は2に記載の記録液。
  4. 【請求項4】 色剤が、イエローを呈し、ベンズイミダ
    ゾロン顔料及び/又はアゾ顔料からなる請求項1〜3の
    いずれかに記載の記録液。
  5. 【請求項5】 色剤が、マゼンタを呈し、キナクリドン
    顔料、ナフトールアゾ−ベンズイミダゾロン顔料及び/
    又はペリレン顔料からなる請求項1〜3のいずれかに記
    載の記録液。
  6. 【請求項6】 色剤が、シアンを呈し、フタロシアニン
    顔料からなる請求項1〜3のいずれかに記載の記録液。
  7. 【請求項7】 色剤が、酸処理を行ったものである請求
    項1〜6のいずれかに記載の記録液。
  8. 【請求項8】 色剤の含有量が1〜10重量%である請
    求項1〜7のいずれかに記載の記録液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007119774A (ja) * 2005-09-30 2007-05-17 Dainippon Ink & Chem Inc 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物

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