JP2003010635A - ハロゲン単体とハロゲン化物との除去方法 - Google Patents
ハロゲン単体とハロゲン化物との除去方法Info
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Abstract
る一種以上のハロゲン単体と、BCl3、CCl4、S
iCl4、COCl2、COF2、SiF4、WF6及
びClF3からなる群より選ばれる一種以上のハロゲン
化物とを含有するガスとを、活性炭吸着法によることな
く、効率よく除去する方法の提供。 【解決手段】前記ガスを、Pd、Fe、Ni、Co、M
n及びCuからからなる群より選ばれる一種以上の元素
を含む触媒層に接触させ、次いで炭酸水素ナトリウム等
の炭酸水素塩の粒状物層に接触させる。
Description
びI2からなる群より選ばれる一種以上のハロゲン単体
(以下、特定ハロゲン単体という)を含有し、かつ、B
Cl3、CCl4、SiCl4、COCl2、CO
F2、SiF4、WF6及びClF3からなる群より選
ばれる一種以上のハロゲン化物(以下、特定ハロゲン化
物という)を含有するガス(以下、本ハロゲン系ガスと
いう)から特定ハロゲン単体と特定ハロゲン化物とをと
もに除去する方法に関する。
ゲン化物とを含有するドライエッチング排ガスやCVD
(化学気相蒸着法)チャンバ排ガス等から特定ハロゲン
単体と特定ハロゲン化物とをともに除去する処理方法と
して、設備の小型化及び操作の簡便化のため、活性炭等
の吸着剤を使用した乾式による処理方法等が採用されて
いる。しかし、活性炭等の吸着剤の吸着容量が小さいた
め長時間にわたる処理ができないこと、ガス吸着時の吸
着熱による発火のおそれがあること、使用済み吸着剤が
臭気を有し、かつ、固形廃棄物として別途処理を要する
こと、等の問題があった。
に鑑み、吸着剤を使用することを要せず、したがって、
吸着剤の発火の問題、使用済み吸着剤の臭気や固形廃棄
物処理の問題がなく、又は、低減され、かつ、除去能力
が高い、特定ハロゲン単体と特定ハロゲン化物との除去
方法を提供することを目的とする。
2及びI2からなる群より選ばれる一種以上のハロゲン
単体と、BCl3、CCl4、SiCl4、COC
l2、COF2、SiF4、WF6及びClF3からな
る群より選ばれる一種以上のハロゲン化物とを含有する
ガスを、Pd、Fe、Ni、Co、Mn及びCuからな
る群より選ばれる一種以上の元素(以下、特定金属元素
という)を含む触媒層に接触させ、次いで炭酸水素塩の
粒状物層に接触させて、前記ガスから前記ハロゲン単体
と前記ハロゲン化物とを除去する方法を提供する。
すなわち、特定ハロゲン単体と特定ハロゲン化物とを含
有するガスを処理して、処理後のガス中の特定ハロゲン
単体濃度及び特定ハロゲン化物をともに低減させる。低
減の程度としては、処理前の濃度に対して処理後の濃度
が、例えば1/10以下であれば、本発明の多くの場合
にあっては、特定ハロゲン単体濃度は0.1体積ppm
以下に、かつ、特定ハロゲン化物濃度は検出限界以下
に、低減する。さらに、本発明の多くの場合において、
処理前の本ハロゲン系ガス中に特定ハロゲン化物以外の
ハロゲン化合物ガスやF2ガスが含まれていても、含ま
れていなくても、処理後のガス中には、特定ハロゲン化
物以外のハロゲン化合物ガスやF2ガスが実質的に検出
されない。
ン単体は、Cl2、Br2及びI2からなる群より選ば
れる一種であってもよく、二種以上であってもよく、典
型例としてはCl2のみの場合が挙げられる。本ハロゲ
ン系ガス中に含まれる特定ハロゲン化物は、BCl3、
CCl4、SiCl4、COCl2、COF2、SiF
4、WF6及びClF3からなる群より選ばれる一種で
あってもよく、二種以上であってもよく、典型例として
はBCl3のみの場合が挙げられる。
特定ハロゲン化物とのみからなっていてもよく、特定ハ
ロゲン単体と特定ハロゲン化物とに加えて、さらに他の
ハロゲン化合物ガスやF2ガスを含んでいてもよく、不
活性ガス(例えば、アルゴンガス、N2ガス)やO2ガ
ス、空気、CO2ガス、H2Oガス等を含んでいてもよ
い。本発明において、炭酸水素塩としては、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等が使用できる。特に、大
量かつ安価に入手できることから工業的に適しているこ
とや、吸湿性が少なく、造粒物の製造や保存にあたって
使用しやすいことから、炭酸水素ナトリウムが好まし
い。一方、除去処理後の排ガス等へのナトリウムの混入
を防ぎたい場合は炭酸水素カリウムが好ましい。
に特定金属元素を含む触媒を充填して触媒層を形成し、
この触媒層の隣に炭酸水素塩の粒状物を充填して粒状物
層を形成し、本ハロゲン系ガスをまず触媒層内に流通せ
しめ、次いで粒状物層内に流通せしめる。触媒層と粒状
物層との間に空管や間仕切板を設けてもよい。触媒層が
反復利用できるのに対し、粒状物層は触媒層に比べて相
対的に短い時間で本ハロゲン系ガス処理能力を失うの
で、空管や間仕切板を設けてあると消耗した粒状物の交
換再充填に好都合なことがある。ただし、実用上の観点
からは、このような空管や間仕切板を設けることなく、
触媒層に接して粒状物層が形成されていても支障ない。
本発明における触媒層は粒状物層の反応性を向上させて
粒状物層の利用効率を高める効果を奏するが、その観点
からは触媒層と粒状物層とが接していることも好まし
い。
(例えば、活性炭やシリカゲル)に特定金属元素を担持
した触媒が好ましい。触媒中の特定金属元素は金属単体
の状態で存在するのが好ましいが、金属化合物の状態で
又は金属単体と金属化合物の混合物の状態で存在してい
てもよい。特定金属元素としては、Pd、Fe、Ni、
Co、Mn及びCuから選ばれる一種であってもよく、
二種以上を併用してもよい。
001〜10%(全触媒質量に対する、金属単体に換算
した全特定金属元素質量の割合)であることが好まし
い。含有量が0.0001%未満であると、粒状物層の
反応性向上の効果が不充分で好ましくなく、含有量が1
0%超であると、それ以上には粒状物層の反応性が向上
せず、不必要に特定金属元素を使用することになるので
好ましくない。含有量は0.1〜2%が特に好ましい。
ことが好ましいが、無孔質であっても使用できる。触媒
形状は、塊状、針状、片状等のいずれでもよい。触媒中
の特定金属元素成分の平均粒子径は、比表面積を大きく
して触媒活性を高めるために0.1μm以下が好まし
い。
好ましい。造粒物は、質量基準で炭酸水素塩を70%以
上含有することが好ましい。造粒物中において、炭酸水
素塩が70%未満であると、本ハロゲン系ガス処理剤と
してのガス処理容量が低下し、炭酸水素塩粒状物層の入
れ替え頻度が高くなるので好ましくない。炭酸水素塩の
含有量は、特に80%以上であることが好ましい。な
お、造粒物中に含まれうる他の物質としては、炭酸水素
塩以外の吸着剤、バインダー等が挙げられる。
10〜500μmの炭酸水素塩一次粒子の造粒物である
ことが好ましい。一次粒子の平均粒子径が10μm未満
であると、流動性が不充分で、ハンドリング等が難しく
なるので好ましくない。また、平均粒子径が500μm
超であると、造粒物を製造することから、技術的に困難
であり、コスト的に高くなるので好ましくない。なお、
一次粒子とは炭酸水素塩の単結晶であり、平均粒子径と
は重量基準による平均粒子径である。
は0.5〜20mmであることが好ましい。造粒物の平
均粒子径が0.5〜20mmであることにより、本ハロ
ゲン系ガス処理用に、従来から使用されている充填塔等
を使用できる。造粒物の平均粒子径が0.5mm未満で
あると、本ハロゲン系ガスが充填層等を通過する際の圧
力損失が高くなり好ましくなく、平均粒子径が20mm
を超えると、本ハロゲン系ガスと造粒物との接触面積が
低下し、本ハロゲン系ガス処理性能を低下させるため好
ましくない。造粒物の平均粒子径としては0.5〜10
mmが特に好ましい。
測定できる。造粒物の粒子径に対応した範囲の目開きの
篩を重ねあわせ、最下部に底皿を設置し、上から造粒物
を注ぎ、振とう機で振とうさせた後、各標準篩上残渣の
質量を測定し、各目開き値に対する篩上残渣質量の累計
を折れ線グラフに表し、篩上残渣質量の累計が50%の
ときの粒子径を平均粒子径とする。上下の篩の目開きの
差は、造粒物の粒子径にもよるが、0.5mmのピッチ
を使用することが好ましい。
拌式造粒法等の様々な方法により得ことができる。ここ
で、圧縮成形法は、工程が簡略なため工業的に簡便であ
り、バインダーを使用しなくても造粒物を得ることがで
きること、また、硬度が高く壊れにくく、ガス処理容量
の大きな造粒物を得ることができることから特に好まし
い。
えば、圧縮成形機を使用し、乾式で成形した後、粗粉砕
し、篩分ける方法が挙げられる。また、水溶性のバイン
ダーを使用して湿式の圧縮成形機で成形し、その後乾燥
させる方法も挙げられる。
ン系ガスを処理するために、中空筒状容器に充填されて
使用される場合、強度が低いと、粉化して充填層を通過
する際の圧力損失が上昇することがある。このため造粒
物の強度は高くすることが好ましい。
で、硬度とは、造粒物粒子の1個を上方より垂直に荷重
をかけて圧縮して破壊するに必要な力のことである。
物粒子を分級し、粒子径を揃えた粒子群について評価す
る。例えば、平均粒子径1.5mm以上2.0mm未満
の造粒物については、目開き1.5mmの篩と目開き
2.0mmの篩を使用して篩分け、1.5mm篩上かつ
2.0mm篩下の粒子を20個採取し、各粒子の硬度を
測定してその平均値を粒子強度の評価基準として採用す
る。
mm以上1.0mm未満の造粒物の場合は粒子径0.5
mm以上1.0mm未満の造粒物の平均硬度が1N以上
であること、平均粒子径1.0mm以上1.5mm未満
の造粒物の場合は粒子径1.0mm以上1.5mm未満
の造粒物の平均硬度が4N以上であること、平均粒子径
1.5mm以上2.0mm未満の造粒物の場合は粒子径
1.5mm以上2.0mm未満の造粒物の平均硬度が1
0N以上であること、平均粒子径2.0mm以上20m
m未満の造粒物の場合は粒子径2.0mm以上20mm
未満の造粒物の平均硬度が30N以上であること、が好
ましい。
ロゲン単体と特定ハロゲン化物を除去する。例えば、本
ハロゲン系ガスに該当するドライエッチング排ガス等を
処理して、該排ガス中の特定ハロゲン単体と特定ハロゲ
ン化物を除去する。その他にも、例えば、HCl、H
F、NF3、HBr等のハロゲン化合物又はF2を含ん
でもよい。
であると、効率的に除去処理できるので好ましい。本ハ
ロゲン系ガスの温度が0℃未満であると、反応速度が低
下するので好ましくない。また、100℃以下であれ
ば、充填塔等の設備を高価な耐熱材料又は構造とする必
要がなく、操作及び設備等を簡略化できる。
ゲン単体及び特定ハロゲン化物と反応し、水溶性の塩を
生成する。炭酸水素塩自身も水溶性であるために、本ハ
ロゲン系ガスの処理に使用した後、造粒物を水に溶解で
きる。また、後述のように、触媒層と炭酸水素塩粒状物
層と活性炭層との三者を併用した場合には活性炭層のみ
の場合に比べて固形廃棄物を大幅に減少できる。
特定ハロゲン単体又は特定ハロゲン化物が脱離して臭気
を発生することがないため、炭酸水素塩粒状体層の入れ
替え作業が容易にできる。また、炭酸水素塩自身に消火
性があるため発火の危険性がない。
触媒層と前記粒状物層とに接触させるのに加えて、さら
に、活性炭層に接触させることも好ましい。この場合に
も粒状物層は触媒層より下流に配置するが、活性炭層は
触媒層より上流、触媒層と粒状物層との中間、又は、粒
状物層より下流、のいずれの位置に配置してもよい。触
媒層、粒状物層に加えて活性炭層を配置して本ハロゲン
系ガスを接触させることにより、活性炭層のみによっ
て、本ハロゲン系ガスから特定ハロゲン単体と特定ハロ
ゲン化物を除去する場合に比べて活性炭層の負荷を大幅
に軽減でき、活性炭層からの臭気の発生も低減できる。
の木屋式デジタル硬度計KHT−20型を使用して測定
した。また、硬度は粒子の大きさにより異なるため篩分
けして粒子径を揃えたものについて測定した。
た。標準篩(内径:200mm、金網:ステンレス鋼
製)でそれぞれ目開き3.35mm、2.80mm、
2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.00
mmのものを重ねあわせ、最下部に底皿を設置した上
に、炭酸水素塩粉末の造粒物100gを注ぎ、飯田製作
所製ロータップシェーカー式振とう機(周波数60H
z、290回転/分、打数165回/分)で10分間振
とうさせた後、それぞれの標準篩上残渣の質量を測定
し、各目開き値に対する篩上残渣質量の累計を折れ線グ
ラフに表し、篩上残渣質量の累計が50%のときの粒子
径を平均粒子径とした。 [例1]一次粒子の平均粒子径が91μmの食品添加物
用炭酸水素ナトリウムの粉末(旭硝子社製)300kg
をロールプレス式圧縮成形機(ターボ工業社製、商品
名:ローラーコンパクターWP型、ロール外径230m
m、ロール長80mm)を使用して線圧36.8kN/
cmで圧縮成形し、フレーク状の炭酸水素ナトリウムの
粉末の成形体を得た。得られたフレーク状の成形体をフ
レークブレーカーで粗砕し、ロータリー式整粒機のメッ
シュ目開きを4.75mmに設定して全通させた後、回
転篩機(ターボ工業社製、商品名:ターボスクリーナー
TS型)を使用して、粒子径4.0mm以上の粒子と粒
子径1.0mm以下の粒子を除去し、平均粒子径が2.
3mmの炭酸水素ナトリウム粉末の造粒物を得た。この
造粒物はバインダーを含まず、炭酸水素ナトリウム含有
量は実質的に100%であった。
の粒子強度を測定した。すなわち得られた平均粒子径
2.3mmの造粒物を1.0mm、1.5mm、2.0
mm、2.5mmの目開きの篩で篩分け、各粒度の硬度
を20個測定し平均値を求めたところ、1.0〜1.5
mmの間の粒子の平均硬度が12N、1.5〜2.0m
mの間の粒子の平均硬度が23N、2.0〜2.5mm
の間の粒子の平均硬度が63Nであった。
m、長さ1300mmのフッ素樹脂ライニング付きステ
ンレス鋼製の充填容器に、充填物として、パラジウム触
媒を0.01%担持した活性炭を2kg充填し、その上
に前記造粒物を30kg充填した。本ハロゲン系ガスと
して、組成比がBCl3:20体積%、Cl2:60体
積%、アルゴン:20体積%の混合ガスを流量200c
m3/分、温度25℃、常圧下で、上記充填容器の底部
から注入した。充填容器の上部から流出したガスを分析
したところ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は0.
1体積ppm以下であった。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。この時点で造粒物を取り出したところ、造粒物粒子
の粉化や臭気の発生はなかった。また、この造粒物を水
中に投じたところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はな
かった。
ル、コバルト、マンガン、銅のいずれか一種以上の元素
を含む触媒にかえる以外は、例1と同様にして操作を行
うと、例1と同じ結果が得られる。 [例3(比較例)]パラジウム触媒を担持した活性炭を
充填しなかった以外は、例1と同様にして試験した。例
1と同様にして流出ガスを分析したところ、BCl3は
検出されず、Cl2濃度は0.1体積ppm以下であっ
た。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。この時点で造粒物を取り出したところ、造粒物粒子
の粉化や臭気の発生はなかった。また、この造粒物を水
中に投じたところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はな
かった。 [例4(比較例)]炭酸水素ナトリウム造粒物30kg
のかわりに活性炭30kgを使用した以外は、例1と同
様にして試験した。例1と同様にして流出ガスを分析し
たところ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は0.1
体積ppm以下であった。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。活性炭を取り出したところ、活性炭粒子の粉化はな
かったが、塩素臭気が認められた。
するに際して、除去能力がより高く、効率のよいハロゲ
ンガスの除去方法が得られる。また、本発明の方法は、
従来の活性炭を使用する充填塔等にそのまま適用でき
る。
Claims (4)
- 【請求項1】Cl2、Br2及びI2からなる群より選
ばれる一種以上のハロゲン単体と、BCl3、CC
l4、SiCl4、COCl2、COF2、SiF4、
WF6及びClF3からなる群より選ばれる一種以上の
ハロゲン化物とを含有するガスを、Pd、Fe、Ni、
Co、Mn及びCuからなる群より選ばれる一種以上の
元素を含む触媒層に接触させ、次いで炭酸水素塩の粒状
物層に接触させて、前記ガスから前記ハロゲン単体と前
記ハロゲン化物とを除去する方法。 - 【請求項2】前記炭酸水素塩の粒状物が、平均粒子径1
0〜500μmの炭酸水素塩一次粒子の造粒物であっ
て、造粒物の平均粒子径が0.5〜20mmである、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記造粒物が炭酸水素塩を70%以上含有
する、請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであ
る、請求項1、2又は3に記載の方法。
Priority Applications (6)
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