JP2003003066A - 液状樹脂組成物及びこれを硬化してなる半導体装置保護用材料 - Google Patents

液状樹脂組成物及びこれを硬化してなる半導体装置保護用材料

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JP2003003066A
JP2003003066A JP2001183708A JP2001183708A JP2003003066A JP 2003003066 A JP2003003066 A JP 2003003066A JP 2001183708 A JP2001183708 A JP 2001183708A JP 2001183708 A JP2001183708 A JP 2001183708A JP 2003003066 A JP2003003066 A JP 2003003066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化物が良好な耐熱性、電気特性および低応力
性を有し、半導体装置の保護用材料として好適に用いら
れるポリイミド樹脂系液状組成物を提供する。 【解決手段】(イ)ポリアミック酸または可溶性ポリイ
ミド、(口)シリコーンゴム球状粒子がポリオルガノシル
セスキオキサン樹脂で被覆されてなるシリコーン微粒子
および(ハ)有機溶剤を含有する液状樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体パッケージ
の熱的ストレスによるチップクラックや熱劣化等を効率
的に解消することができ、半導体装置の保護用材料とし
て好適なポリイミド樹脂硬化皮膜を形成し得る液状樹脂
組成物及び半導体装置保護用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、耐熱性、難燃性、機
械特性、電気絶縁性などに優れるため、半導体の層間絶
縁膜または表面保護膜用の樹脂ワニスとして広く使用さ
れている。通常、溶剤に溶解したワニス状態で半導体素
子等に直接、あるいは絶縁膜を介して塗布した後、硬化
させてポリイミド樹脂からなる保護膜を形成し、さらに
エポキシ樹脂等の成型材料で封止する。これらのパッケ
ージは素子、基板、封止材料といった構成要素の膨張率
が異なる為、後工程での樹脂封止工程やIRリフロー時
あるいは信頼性試験のヒートサイクル時において熱的ス
トレスが発生し、チップクラックや封止樹脂の熱劣化等
を引き起こすといった問題が生じている。
【0003】この為ポリイミド樹脂保護膜の低弾性率化
による応力の吸収が求められている。その方法として、
ポリイミド樹脂骨格中にシロキサン結合を導入して低弾
性率化を図るという提案がなされているが、その結果硬
化膜のガラス転移温度(Tg)が低下し、樹脂の耐熱性が落
ちるという問題があった。また、ポリイミド樹脂にシリ
一ンゴム微粒子を混合する方法も提案されている(特公
平7−91475号公報)が、シリコーンゴム微粒子は
凝集性が強く、樹脂への分散性が悪いために、応力の吸
収効果が十分に得られず、また硬化樹脂の強度を低下さ
せるという問題があった。
【0004】また別の問題として、近年の半導体デバイ
スの高速化に伴い、層間絶縁膜や半導体素子表面あるい
はPN接合部等の保護膜に用いられるポリイミド樹脂の
誘電率が無視できなくなっており、いっそうの低誘電率
化の要求が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、半
導体装置に層間絶縁膜等の保護材料として用いた場合
に、後工程や信頼性試験等において熱的ストレスが発生
する際でも、チップクラックや封止樹脂の熱劣化等を引
き起こすことなく、また、樹脂の耐熱性を維持しつつ、
低誘電率化されたポリイミド系樹脂組成物を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決したものであり、下記(イ)、(口)および(ハ)成分を含
有してなるポリアミック酸液状樹脂組成物及びこれを硬
化してなる有機溶剤を含まない樹脂組成物を提供する。 (イ)一般式(1):
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む
四価の有機基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数)
で表されるポリアミック酸樹脂、(口)平均粒径が0.1〜1
00μmのシリコーンゴム球状微粒子100重量部にポリオル
ガノシルセスキオキサン樹脂1〜500重量部を被覆したシ
リコーン微粒子、(ハ)有機溶剤。
【0009】また、本発明は、下記(イ')、(口)および
(ハ)成分を含有してなるポリイミド樹脂液状樹脂組成
物およびこれを硬化してなる有機溶剤を含まない樹脂組
成物を提供するものである。 (イ')一般式(3):
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む
四価の有機基、Yは二価の有機基、n’は1〜300の整
数)で表されるものであって溶剤可溶型のポリイミド樹
脂、(口)平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状
微粒子100重量部にポリオルガノシルセスキオキサン樹
脂1〜500重量部を被覆したシリコーン微粒子、(ハ)有
機溶剤。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [(イ)成分、(イ')成分]一般式(1)で表されるポリ
アミック酸樹脂は下記構造式(4):
【0013】
【化7】
【0014】(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)で
表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式
(5): HN−Y−NH (5) (ただし、Yは上記と同様の意味を示す)で表されるジ
アミンとを常法に従って、ほぼ等モルで有機溶剤中で反
応させることによって得られる。なお、上記式(1)に
おいてnは1〜300の整数、好ましくは2〜300の整数、
特には5〜300の整数であるが、このような繰り返し数
を有するポリアミック酸樹脂は、前記の方法により容易
に得ることができる。
【0015】さらに一般式(2)で表されるポリイミド
樹脂は、上記一般式(1)で表されるポリアミック酸樹
脂を常法により脱水、閉環することで得られる。
【0016】ここで、上記式(4)で表されるテトラカ
ルボン酸二無水物の例を具体的に示すと、
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】等であるが、これらに限定されるものでは
ない。また、脂肪族環を含むものとしては、
【0022】
【化12】
【0023】等が挙げられる。なお、上記式(3)のテ
トラカルボン酸二無水物は所望により上記のものの1種
または2種以上を用いても良い。
【0024】上記式(5)表されるジアミンのうち好ま
しくは1〜80モル%、さらに好ましくは1〜50モル%は下
記構造式(6):
【0025】
【化13】
【0026】(式中、Rは炭素原子数3〜9の二価の有
機基、RおよびRは各々独立に炭素原子数1〜8の
非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1〜200の整数)
で表されるジアミノシロキサン化合物であることが基材
に対する接着性、柔軟性、後述するシリコーン微粒子の
分散性の点から好ましい。一般式(6)で表されるシロ
キサンジアミン(または、α,ω−ジアミノシロキサン)
において、Rで表される炭素原子数3〜9の二価の有
機基としては、例えば、 −(CH−, −(CH−, −CH
H(CH)− −(CH−, −(CH− 等のアルキレ
ン基、
【0027】
【化14】 等のアリーレン基、これらを組み合せたアルキレン・ア
リーレン基、−(CH−O−、 −(CH
−O− 等のオキシアルキレン基、
【0028】
【化15】 等のオキシアリーレン基やこれらを組み合せた、
【0029】
【化16】 等のオキシアルキレン・アリーレン基などの、エーテル
酸素原子を含んでもよい二価炭化水素基が挙げられる。
【0030】R、Rで表される炭素原子数1〜8の
非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−
エチルヘキシル、オクチル等のアルキル基、ビニル、ア
リル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、ヘキセニル等のアルケニル基、フェニル、トリ
ル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェニルエチ
ル等のアラルキル基、これらの基の炭素原子に結合した
水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロ
ゲン原子等で置換された基、例えばクロロメチル基、ブ
ロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハ
ロゲン置換アルキル基等が挙げられ、中でも、メチル基
及びフェニル基が好ましい。mは1〜200の整数であ
り、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは、1〜8
0の整数である。一般式(6)で表されるシロキサンジ
アミンの例としては、具体的には、
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの上記式(6)で表されるジアミノシ
ロキサン化合物は所望により1種単独でも2種以上の組
み合わせても使用することができる。さらに上記式
(5)で表されるジアミンのうち上記式(6)で表され
るジアミノシロキサン化合物以外のジアミンとしては、
例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,2'−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−
ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルチオエー
テル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルチオエ
ーテル)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−
クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ
タン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジ
メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス
[3−メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フェニル]メタ
ン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含
有ジアミン等が挙げられ、好ましくはp−フェニレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、1,
4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メ
チル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等
である。もちろん、これらに限定されるものではない。
また、これらのジアミン化合物も所望により1種単独で
も2種以上の組み合わせとしても使用することができ
る。
【0035】ポリアミック酸樹脂の生成反応について具
体的な例を挙げると、上述の出発原料を、不活性な雰囲
気下で溶媒に溶かし、通常、80℃以下、好ましくは0〜
40℃で反応させて、ポリアミック酸樹脂を合成する。さ
らに得られたポリアミック酸樹脂を、通常、100〜200
℃、好ましくは150〜200℃に昇温させることにより、ポ
リアミック酸樹脂の酸アミド部分を脱水閉環させ、目的
とするポリイミド樹脂を合成することができる。上記反
応に使用する有機溶媒は、得られるポリアミック酸に不
活性なものであれば、前記出発原料を完全に溶解できる
ものでなくともよい。例えば、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドお
よびジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは非プ
ロトン性極性溶媒、特に好ましくは、N−メチルピロリ
ドン、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンであ
る。これらの溶剤は、1種または2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0036】上記の脱水閉環を容易にするためには、ト
ルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を用いるのが望まし
い。なお、樹脂の分子量を調整するために、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸などのジカルボン酸無水物および/
またはアニリン、n−ブチルアミンなどのモノアミンを
添加することもできる。ただし、ジカルボン酸無水物の
添加量は、式(4)のテトラカルボン酸二無水物100重
量部当たり、通常、0〜2重量部であり、モノアミンの
添加量は、式(5)のジアミン100重量部当たり、通
常、0〜2重量部である。
【0037】[(ロ)成分]本発明で用いられる上記(口)
成分であるシリコーン微粒子は、平均粒径がO.1〜100μ
mのシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセス
キオキサン樹脂(即ち、三次元網状構造のシリコーン樹
脂)を被覆してなるものであり、この製造方法として
は、平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒
子の水分散液に、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶
液とオルガノトリアルコキシシランを添加し、オルガノ
トリアルコキシシランを加水分解縮合反応させるとよ
く、この方法で本発明に好適なものを製造することがで
きる。このシリコーンゴム球状微粒子は、分子構造式中
に一般式(7): −(R SiO)a− (7)
【0038】(ここにRはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリ
ル基などのアリール基、ビニル基、アリル基などのアル
ケニル基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピ
ル基などのアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基などの1価ハロゲン化炭化水素
基、並びにエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アク
リロキシ基、メタクリロキシ基などの反応性基を含有す
る有機基(例えば
【0039】
【化20】
【0040】など)からなる群から選択される1種また
は2種以上の炭素数1〜20の1価の基である。Rの90
モル%以上がメチル基であることが好ましい。aは5未
満では線状オルガノポリシロキサンの特徴が十分に出な
いため、内部応力低下および潤滑性向上の効果が十分に
得られなくなるし、aの最大値は特に定めるものではな
いが、実際に5,000より大きいとシリコーンゴム球状微
粒子の製造が困難となるために、aは5〜5,000、好ま
しくは10〜1,000の整数である。)で示される線状オルガ
ノポリシロキサンブロックを有する分子の、ゴム弾性を
もつ球状の硬化物からなるものである。
【0041】また、このシリコーンゴム球状微粒子はそ
の粒子中にシリコーンオイル、オルガノシラン、無機系
粉末、有機系粉末などを含有していてもよいが、この球
状微粒子は平均粒径がO.1μm未満では粒子の流動性が低
くなり、凝集性も高くなるし、100μmを超えるとポリイ
ミド樹脂の成形性、ポリイミド樹脂の特性を損なう恐れ
があるので、これは平均粒径が0.1〜100μmのものとす
ることが必要であり、好ましい範囲は1〜30μmである。
このシリコーンゴム球状微粒子の製造における架橋方式
としては、メトキシシリル基(≡SiOCH3)とヒドロキシシ
リル基(≡SiOH)などとの縮合反応、メルカプトシリル基
(≡SiSH)とビニルシリル基(≡SiCH=CH2)との、また、ビ
ニルシリル基(≡SiCH=CH2)と≡SiH基とのマイケル付加
反応によるものなどが例示されるが、反応性、反応工程
上の点からは、ビニルシリル基(≡SiCH=CH2)と≡SiH基
との付加反応によるものが好ましい。これには(a)ビ
ニル基含有オルガノポリシロキサンと(b)オルガノハ
ノドロジェンポリシロキサンを(c)白金系触媒の存在
下で付加反応させて硬化させることができる組成物を用
いることが好ましい。上記(a)成分はシリコーンゴム
球状微粒子を与えるオルガノポリシロキサンの主成分で
あり、(c)成分の触媒作用により(b)成分と付加反
応して硬化する成分である。(a)成分は1分子中にけ
い素原子に結合したビニル基を少なくとも2個有するこ
とが必要であり、このビニル基は分子のどの部分に存在
してもよいが、少なくとも分子の末端に存在することが
好ましい。ビニル基以外のけい素原子に結合した有機基
としては前述のRと同様の1価の有機基から選択され
るものが挙げられるが、その90モル%以上がメチル基で
あることが望ましい。また、このものの分子構造は直鎖
状であっても少量の分岐が混在したものであってもよ
く、本成分の分子量も特に限定されるものではない。こ
の(a)成分としては、例えば下記の一般式
【0042】
【化21】 (ここでb及びcは0,1,2または3、且つb+c=3
であり、dは正の整数、eは0または正の整数、且つ2
b+e≧2である。)、
【0043】
【化22】 (ここでfは2以上の整数、gは0または正の整数、且
つ(f+g)は4〜8である。)、
【0044】
【化23】 (ここでhは1、2または3、iは0、1または2、且
つ(h+i)=3であり、j,k及びlは正数であ
る。)などで示されるものが挙げられる。
【0045】つぎに上記の成分(b)は成分(a)の架
橋剤であり、本成分中のけい素原子に結合した水素原子
が成分(c)の触媒作用により成分(a)中のビニル基
と付加反応して架橋を形成する。従ってこの(b)成分
は1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少なくと
も2個有することが必要であり、この水素原子以外のけ
い素原子に結合した有機基は前述のRと同様の1価の
有機基から選択されるものであるが、その90モル%以上
がメチル基であることが好ましい。この(b)成分の分
子構造は特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐状
または環状の何れでも、またはこれらの混在したもので
あってもよい。分子量にも特に限定はないが、成分
(a)との相溶性を良好にするために、25℃の粘度を1
〜10,000cPとすることが好ましい。また、この成分の
添加量は(a)成分中のビニル基1個に対し本成分のけ
い素原子に結合した水素原子が0.5個未満となるような
量の場合には良好な硬化性を得にくく、水素原子が20個
を超えるような量の場合には硬化後のゴムの物理的性質
が低下するので、この水素原子がO.5〜20個、好ましく
はO.5〜5個となる量とすればよい。この成分(b)とし
ては、例えば下記の一般式
【0046】
【化24】 (但し、Rは前記のとおりであり、pは0または1,s
は2または3、且つp+s=3であり、qは0または正
の整数、rは0または正の整数、且つ2q+r≧2であ
る。)、
【0047】
【化25】 (但し、Rは前記のとおりであり、tは2以上の整
数、uは0または正の整数、且っ(t+u)は4〜8で
ある。)、
【0048】
【化26】 (但し、Rは前記のとおりであり、xは1,2または
3,vは0,1または2、且っ(x+v)=3であり、
α、β及びγは正の整数である。)などで示されるもの
が挙げられる。
【0049】成分(c)はけい素原子に結合したビニル
基と、けい素原子に結合した水素原子とを付加反応させ
る触媒であり、例えば白金担持カーボンあるいはシリ
カ、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコ
ール錯体、白金−リン錯体、白金配位化合物等が挙げら
れる。この成分の使用量は、成分(a)に対し白金原子
の量で1ppm未満では硬化が遅くなるうえ触媒毒の影響
も受けやすい一方、100ppmを超えても特に硬化速度の向
上等を期待することができず経済性の面で好ましくない
ので、1〜100ppmとなる範囲が好ましい。
【0050】シリコーンゴム球状微粒子は、上記した
(a)成分を(c)成分の存在下で(b)成分と反応さ
せて硬化させる際に、球状微粒子とすることにより製造
できるが、これには(a)成分、(b)成分及び(c)
成分の混合物を高温のスプレードライ中で硬化させる方
法、有機溶媒中で硬化させる方法、エマルジョン状の混
合物としたのち硬化させる方法などがある。これらの中
では、本発明に用いられるシリコーン微粒子の製造にお
いてシリコーンゴム球状微粒子を水分散液として使用す
るとよいことから、エマルジョン状の混合物としたのち
エマルジョン粒子中で硬化させる方法が好ましい。この
方法においては、まず上記した(a)成分としてのビニ
ル基含有オルガノポリシロキサンと(b)成分としての
オルガノハイドロジエンポリシロキサンの所定量を混合
してオルガノポリシロキサン混合物を調製し、次いで得
られた混合物に水と界面活性剤を添加した上で、市販の
ホモミキサーなどを用いてこれをエマルジョン化する。
ここに使用する界面活性剤は、硬化反応に悪影響を及ぼ
すことの少ないポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン
脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤から選択す
ることが好ましい。
【0051】界面活性剤の添加量はエマルジョン100重
量部に対してO.01重量部より少ないと微細な粒子とする
ことができず、20重量部より多くすると後記する後工程
でのポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆させる
ことが困難となるので、0.01〜20重量部の範囲とするこ
とが必要であるが、好ましい範囲は0.05〜10重量部であ
る。
【0052】また、このエマルジョン中における上記し
た(a)成分としてのビニル基含有オルガノポリシロキ
サンと(b)成分としてのオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの含有量は、これらがエマルジョン100重量
部中に1重量部より少ないと効率的に不利となるし、80
重量部より多くすると独立した硬化粒子のエマルジョン
とすることができなくなるので、1〜80重量部の範囲、
より好ましくは10〜60重量部の範囲とするのがよい。な
お、このシリコーンゴム球状微粒子中にシリコーンオイ
ル、シラン、無機系粉末、有機系粉末などを含有させる
場合には、このエマルジョン化をする際に(a)成分と
(b)成分からなるオルガノポリシロキサン混合物中に
これらを混合しておけばよい。
【0053】このようにして調製されたエマルジョン
は、ついで(c)成分の白金系触媒を添加してオルガノ
ポリシロキサンを硬化させることによりシリコーンゴム
硬化物粒子の分散体とする。この白金系触媒には公知の
反応制御剤を添加してもよいし、白金系触媒及び反応制
御剤が水に分散し難いものである場合には界面活性剤を
用いて水分散が可能となるようにしてから添加してもよ
い。このように触媒で硬化させることにより平均粒径が
0.1〜100μmであるシリコーンゴム球状微粒子の水性分
散液を得ることができる。
【0054】本発明に用いられるシリコーン微粒子はこ
のシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキ
オキサン樹脂が被覆されたものである。このポリオルガ
ノシルセスキオキサンは実質的につぎの一般式(8) RSiO3/2 (8) で示されるシロキサン単位を主要な構成単位とする樹脂
状(即ち、三次元網状構造)の重合物である。この式中の
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
のアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、β−フェ
ニルエチル基、β−フェニルプロピル基などのアラルキ
ル基、クロロメチル基、3,3,3−トリプルオロプロピル
基などの1価ハロゲン化炭化水素基、並びにエポキシ
基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタク
リロキシ基などの反応性基を有する1価の有機基(例え
ば、
【0055】
【化27】
【0056】など)から選択される1種または2種以上
からなる炭素数1〜20個の有機基である。なお、このR
はその50モル%以上がメチル基であることが好まし
く、上記したRSiO3/2単位の他にその被覆性を損
なわない範囲で少量のR SiO2 /2単位、R 3SiO
1/2単位、Si02単位が含有されていてもよい。
【0057】このポリオルガノシルセスキオキサン樹脂
はシリコーンゴム球状微粒子の表面全面を均一に被覆し
ていてもよいし、表面の一部を被覆していてもよいが、
このポリオルガノシルセスキオキサン樹脂の量はこれが
シリコーンゴム球状微粒子の100重量部に対し1重量部未
満では得られるシリコーン微粒子の流動性、分散性およ
び本発明の樹脂組成物への分散性が乏しくなり、500重
量部より多くなるとシリコーンゴム球状微粒子の特性つ
まり低応力化効果が十分に発揮されなくなるので、1〜5
00重量部とすることが必要であるが、好ましくは5〜100
重量部とすれぱよい。
【0058】以上のようにして得られた(口)シリコーン
微粒子の配合量は(イ)ポリアミック酸樹脂あるいは
(イ')ポリイミド樹脂100重量部に対して0.1〜500重量部
が好ましく、より望ましくは1〜200重量部である。この
配含量が少なすぎるとシリコーン微粒子の添加効果、即
ち硬化皮膜への熱時ストレスの緩和効果および低誘電性
が付与されにくく、また500重量部を超えるとポリイミ
ド樹脂本来の硬化膜特性を損なうからである。
【0059】[(ハ)成分](ハ)有機溶剤は、組成物の粘
度を下げ、基板などへの塗布性および作業性を改善する
ために用いられる。該有機溶剤として、前記ポリアミッ
ク酸樹脂の合成時に用いた溶媒のほか、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素系、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン系、ジオキサンなど
のエーテル系、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル−2−アセタートなどのエステル系溶媒
を、樹脂の溶解性を損なわない範囲で用いることができ
る。本発明の組成物において、(ハ)成分の配合量は、得
られる組成物の25℃における粘度が、通常、1〜100,00
0mPa・sになる量でよく、好ましくは5〜50,O00mPa・s
になる量である。具体的には、(イ)および(口)成分の樹
脂固形分が、通常、1〜60重量%、好ましくは2〜50重量
%となる量である。
【0060】[その他の成分]さらに、本発明の液状樹
脂組成物には、上述のシリコーン微粒子成分以外に、本
発明の効果を損ねない範囲内で酸化防止剤、熱安定剤、
無機質充填剤(例えばシリカ、アルミナ等)、顔料、染料
等の着色剤などを目的に応じて添加することができる。
【0061】この液状樹脂組成物を基材に塗布した後、
通常100℃以上、好ましくは150℃以上の温度でO.5〜10
時間加熱することにより、水分および溶剤が除去され、
表面が平坦で均一なポリイミド硬化被膜を形成すること
ができる。本発明の組成物の硬化により得られる硬化被
膜はイミド環を有し、耐熱性、機械的特性、電気的特
性、基材に対する接着性および耐溶剤性に優れている
上、低弾性率および低誘電率を有している為、各種方法
により各種基材、例えば半導体装置、具体的には半導体
素子表面のパッシベーション膜、保護膜、ダイオード、
トランジスタ等の接合部のジャンクション保護膜、VL
SIのα線遮蔽膜、層間絶縁膜、イオン注入マスク等の
ほか、プリントサーキットボードのコンフォーマルコー
ト、液晶表面素子の配向膜、ガラスファイバーの保護
膜、太陽電池の表面保護膜、さらに樹脂組成物に無機フ
ィラーを配合した印刷用ぺ一スト組成物、導電性充填剤
を配合した導電性ぺ一スト組成物といったぺ一スト組成
物など幅広い範囲にわたり利用することができる。
【0062】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、これらの実施例に限定されるものではない。この実
施例で使用する原料化合物を下記の省略記号で示す。 PMDA:ピロメリット酸二無水物 BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物 BTDA:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物 DPE:4,4'−ジアミノジフェニルエーテル BAPP:2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン APM:1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン
【0063】[合成例1]撹拌機、温度計及び窒素置換
装置を具備したフラスコ内にテトラカルボン酸二無水物
成分としてBTDA9.66g(O.03モル)とN−メチル−2−
ピロリドン30gを仕込み、これにジアミン成分としてD
PE6.OOg(0.03モル)を含有するN−メチル−2−ピロリ
ドン溶液17.0gを反応系の温度が50℃を超えないように
調整しつつ徐々に滴下した。滴下終了後、更に室温で12
時間攪拌し、反応を促進させ、黄褐色透明のポリアミッ
ク酸の溶液を得た。これをポリアミック酸−1とする。
【0064】[合成例2]合成例1と同様の装置にPM
DA32.72g(O.15モル)、APM1.86g(0.O075モル)およ
びDPE28.3g(0.1425モル)をN−メチル−2−ピロリド
ン188.6g中、12時間室温で反応させてポリアミック酸樹
脂溶液を得た。これをポリアミック酸−2とする。
【0065】[合成例3]合成例1と同様の装置にBP
DA29.42g(0.10モル)、APM7.46g(O.03モル)および
BAPP28.73g(O.07モル)をN−メチル−2−ピロリドン
196.8g中、室温で12時間反応させて、ポリアミック酸溶
液を得た。得られたポリアミック酸溶液に、トルエン30
gを加え、200℃で3時間反応させて、ポリイミド樹脂溶
液を合成した。これをポリイミド−1とする。
【0066】[合成例4]合成例1と同様の装置にBT
DA9.66g(0.03モル)、DPE4.210g(0.021モル)と下記
【0067】
【化28】
【0068】で表されるジアミノシロキサン7.56g(0.00
9モル)をN−メチル−2−ピロリドン64.26g中、室温で12
時間反応させて、ポリアミック酸樹脂溶液を得た。これ
をポリアミック酸−3とする。
【0069】[合成例5]下記式
【化29】 で示される粘度が600cStのメチルビニルシロキサン500g
と、式
【0070】
【化30】
【0071】で示される粘度が30cStのメチルハイドロ
ジェンポリシロキサン20gを、容量1リットルのガラス
ビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで攪
拌混合したのち、ポリオキシエチレン(付加モル数=9
モル)オクチルフェニルエーテル1g、水150gを加えて6,
000rpmで攪拌を継続したところ、転相が起り増粘が認め
られたが、さらにそのままで2,000rpmで攪拌を行いなが
ら水329gを加えたところ、O/W型エマルジョンが得ら
れた。
【0072】ついで、このエマルジョンを錨型攪拌翼を
備えた攪拌装置の付いたガラスフラスコに移し、室温で
攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液
(白金含有量0.05%)1gとポリオキシエチレン(付加モル
数=9モル)オクチルフェニルエーテル1gの混合物を添
加し、12時間反応を行ったところ、分散液(以下シリコ
ーンゴム球状微粒子水分散液−1と称する)が得られた
が、この分散液中の粒子の平均粒径をコールターカウン
ター(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定し
たところ15μmであった。
【0073】3リットルのガラスフラスコに水2,290g、
上記で得られたシリコーンゴム球状微粒子水分散液−1
を580g、およびアンモニア水(濃度28重量%)60gを仕込
み、水温を10℃とし、翼回転数200rpmの条件で錨型攪拌
翼により攪拌を行った。このときの液のpHは11.2であ
ったが、この液にメチルトリメトキシシラン65gを20分
かけて滴下し、この間液温を5〜15℃に保ち、さらに4
時間攪拌を行ったのち、55〜60℃まで加熱し、引き続き
1時間攪拌を行い、得られた液を加圧ろ過器を用いて水
約30%のケーキ状物とした。
【0074】ついで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機
中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解
砕した。得られた微粒子を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、これは球状微粒子であることが確認された。これに
ついては界面活性剤を用いて水に分散させてその平均粒
径をコールターカウンターを用いて測定したところ15μ
mであった。また、このシリコーン微粒子は重量分析に
より、シリコーンゴム球状微粒子100重量部に対してポ
リオルガノシルセスキオキサン樹脂が10重量部被覆され
たものであった。また、後記方法に従って流動性および
分散性をしらべたところ表1に示した結果となった。得
られたシリコーン微粒子をシリコーン微粒子−1と称す
る。
【0075】[合成例6]合成例5で得られたシリコー
ンゴム球状微粒子水分散液−1を90℃まで加熱して微粒
子の分散を不安定化させたのち、加圧ろ過器を用いて水
約30%のケーキ状物とし、さらに乾燥機中で105℃の温度
で乾燥してシリコーンゴム微粒子を得た。得られたシリ
コーンゴム微粒子を光学顕微鏡で観察したところ、これ
は球状微粒子であることが確認されたが、これについて
は界面活性剤を用いて水に分散させてその平均粒径をコ
ールターカウンターを用いて測定したところ15μmであ
った。また、流動性および分散性についてしらべたとこ
ろ表1に示した結果となった。得られたシリコーンゴム
微粒子をシリコーンゴム微粒子−1と称する。
【0076】[実施例1]ポリアミック酸−1 100重
量部に対してシリコーン微粒子−1 30重量部を均一に
混合し、23℃での粘度を測定した。支持板に塗布後、25
0℃で4時間硬化したところ膜厚約60μmの表面平滑な硬
化膜が得られた。ヤング率および誘電率の結果を表1に
示す。
【0077】[実施例2]ポリアミック酸−2 100重
量部に対してシリコーン微粒子−1 10重量部を均一に
混合し、23℃での粘度を測定した。支持板に塗布後、25
0℃で4時間硬化したところ膜厚約60μmの表面平滑な硬
化膜が得られた。ヤング率および誘電率の結果を表1に
示す。
【0078】[実施例3]ポリイミド−1 100重量部
に対してシリコーン微粒子−1 20重量部を均一に混合
し、23℃での粘度を測定した。支持板に塗布後、250℃
で4時間硬化したところ膜厚約60μmの表面平滑な硬化
膜が得られた。ヤング率および誘電率の結果を表1に示
す。
【0079】[比較例1]ボリアミック酸−1を支持板
に塗布後、250℃で4時間硬化したところ膜厚約60μmの
表面平滑な硬化膜が得られた。ヤング率および誘電率の
結果を表1に示す。
【0080】[比較例2]ポリアミック酸−3を支持板
に塗布後、250℃で4時間硬化したところ膜厚約60μmの
表面平滑な硬化膜が得られた。ヤング率および誘電率の
結果を妻1に示す。
【0081】[比較例3]ポリアミック酸−1 100重
量部に対してシリコーンゴム微粒子−1 30重量部を混
合したところ、シリコーンゴム微粒子−1の凝集が確認
された。支持板に塗布後、250℃で4時間硬化したところ
表面が粗く不均一な硬化膜が得られた。ヤング率および
誘電率の測定は不可能であった。
【0082】[比較例4]ポリアミック酸−2 100重
量部に対してシリコーンゴム微粒子−1 10重量部を混
合したところ、シリコーンゴム微粒子−1の凝集が確認
された。支持板に塗布後、250℃で4時間硬化したところ
表面が粗く不均一な硬化膜が得られた。ヤング率および
誘電率の測定は不可能であった。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明のポリアミック酸樹脂系及びポリ
イミド樹脂系液状樹脂組成物は、半導体装置の層間絶縁
膜などとして用いたときに熱的ストレスによるチップク
ラックや熱劣化等を効率的に防止し、かつ耐熱性にも優
れた樹脂皮膜を形成する。こうして得られる皮膜は低誘
電率であり、半導体装置の保護用材料として好適であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(イ)、(口)および(ハ)成分を含有して
    なる液状樹脂組成物。 (イ)一般式(1): 【化1】 (式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機
    基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数)で表される
    ポリアミック酸樹脂、(口)平均粒径が0.1〜100μmのシ
    リコーンゴム球状微粒子100重量部と、その表面の少な
    くとも一部を被覆するポリオルガノシルセスキオキサン
    樹脂1〜500重量部とからなるシリコーン微粒子、(ハ)
    有機溶剤。
  2. 【請求項2】上記一般式(1)のYが下記構造式
    (2): 【化2】 (式中、Rは炭素原子数3〜9の二価の有機基、R
    およびRは各々独立に炭素原子数1〜8の非置換又は
    置換の一価炭化水素基、mは1〜200の整数)で表される
    二価の有機基を1〜80モル%含む請求項1記載の液状樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】下記(イ')、(口)および(ハ)成分を含有す
    る液状樹脂組成物。 (イ')一般式(3): 【化3】 (式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機
    基、Yは二価の有機基、n’は1〜300の整数)で表され
    るものであって溶剤可溶型のポリイミド樹脂、(口)平均
    粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子100重量
    部にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂1〜500重量
    部を被覆したシリコーン微粒子、(ハ)有機溶剤。
  4. 【請求項4】上記一般式(3)のYが下記構造式
    (2): 【化4】 (式中、Rは炭素原子数3〜9の二価の有機基、R
    およびRは各々独立に炭素原子数1〜8の非置換又は
    置換の一価炭化水素基、mは1〜200の整数)で表される
    二価の有機基を1〜80モル%含む請求項3記載の液状樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成
    物を硬化させることにより得られる有機溶剤を含まない
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成
    物を硬化させることにより得られる有機溶剤を含まない
    樹脂組成物からなる半導体装置保護用材料。
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