JP3646977B2 - 低温高速硬化型ポリアミック酸樹脂組成物 - Google Patents

低温高速硬化型ポリアミック酸樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低温高速硬化型のポリアミック酸樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子コーティング用のポリアミック酸樹脂は、溶剤に溶解したワニス状態で半導体素子等に塗布した後、硬化させてポリイミド樹脂膜を形成することで、耐熱性、絶縁性に優れた保護膜として利用されている。この溶剤としては非プロトン性極性溶剤が用いられ、主に N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N一ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジグライム、トリグライム、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が知られており、特にこの中で樹脂の溶解性や毒性において有利なN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等が主流となっている。しかし、ポリアミック酸樹脂組成物を硬化してなるポリイミド樹脂硬化被膜のガラス転移温度が高い場合、加熱硬化時にこれらの高沸点溶剤の揮発およびイミド化に伴う脱水が十分に進行せず、膜内に揮発成分が残存することが多い。これを回避するには高温での加熱硬化が必要になるが、すると半導体素子に熱的損傷を与える恐れがある。この対策として樹脂溶液の状態で既に脱水閉環された溶剤可溶型ポリイミドが開発されているが、得られる硬化被膜が、耐溶剤性、電気特性等の点でポリアミック酸樹脂を塗布後に硬化させて得られるポリイミド硬化被膜に比して劣る。さらに別の問題として、使用される非プロトン性極性溶剤は表面張力が比較的大きいために、塗布時に塗膜にはじきが出たり膜厚が不均一になったり、さらには加熱硬化の際に収縮が起きやすいなどの欠点を有している。このため、半導体素子用保護膜として硬化被膜を形成しても基板上に保護膜が形成されない箇所が発生し、素子の信頼性が低下するといった問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、基材に塗布時の耐はじき性および広がり性に優れ、比較的低温短時間の加熱で十分硬化が進行し、収縮の無い表面平坦性を有するポリイミド硬化被膜が得られるポリアミック酸樹脂組成物を提供することになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らがポリアミック酸樹脂組成物でありながら比較的低温でも硬化が進行し易いものを鋭意検討した結果、ポリアミック酸樹脂において原料となるジアミン成分として所定量のジアミノポリシロキサンを含有させ、さらに特定の溶剤を採用することにより上記の目的を達成することができることを見出した。
即ち、本発明は、上記の目的を達成する手段として、
(A)一般式(1):
【0005】
【化4】
Figure 0003646977
[ここで、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数、そしてYは以下の構造式(2):
【0006】
【化5】
Figure 0003646977
(式中、R1は炭素原子数3〜9の二価の有機基、R2およびR3は各々独立に炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1〜100の整数)
で表される二価の有機基を1〜50モル%含む]
で表されるポリアミック酸樹脂と、
(B)一般式(3):
【0007】
【化6】
Figure 0003646977
(ここで、R4,R5,R6は同種又は異種の一価の炭化水素基)
で表される化合物5〜50重量%と該化合物以外の非プロトン性極性溶剤95〜50重量%を含有する混合溶剤
を含有するポリアミック酸樹脂組成物及びこれを硬化してなるポリイミド硬化被膜を提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
[(A)ポリアミック酸樹脂]
一般式(1)で表されるポリアミック酸は下記構造式(4):
【0009】
【化7】
Figure 0003646977
(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(5):
【0010】
【化8】
Figure 0003646977
(ただし、Yは上記と同様の意味を示す)
で表されるジアミンとを常法に従って、ほぼ等モルで有機溶剤中で反応させることによって得られる。
【0011】
なお、上記式(1)においてnは1〜300の整数、好ましくは2〜300の整数、特には5〜300の整数であるが、この様な繰り返し数を有するポリアミック酸は、上記の方法により容易に得ることができる。
ここで、上記式(4)で表される四価の有機基X及びテトラカルボン酸二無水物の例を具体的に示すと、
【0012】
【化9】
Figure 0003646977
などであり、テトラカルボン酸二無水物として好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物である。ただし、これらに限定されるものではない。
【0013】
上記式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物は所望により1種単独でも2種以上の組み合わせとしても用いることができる。
上記式(5)で表されるジアミンのうち1〜50モル%は下記構造式(6):
【0014】
【化10】
Figure 0003646977
(ここで、R1、R2、R3及びmは前記の通りである)
で表されるジアミノシロキサン化合物である。
【0015】
一般式(6)で表されるシロキサンジアミン(又はα,ω−ジアミノシロキサン)において、R1で表される炭素原子数3〜9の二価の有機基としては、例えば、
−(CH23−, −(CH24−, −CH2CH(CH3)−
−(CH26−, −(CH28−等のアルキレン基、
【0016】
【化11】
Figure 0003646977
等のアリーレン基、これらを組み合せたアルキレン・アリーレン基、
−(CH23−O−, −(CH24−O−等のオキシアルキレン基、
【0017】
【化12】
Figure 0003646977
等のオキシアリーレン基やこれらを組み合せた、
【0018】
【化13】
Figure 0003646977
等のオキシアルキレン・アリーレン基などの、エーテル酸素原子を含んでもよい二価炭化水素基が挙げられる。
【0019】
2,R3で表される炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル等のアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等のアルケニル基、フェニル、トリル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェニルエチル等のアラルキル基、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、中でも、メチル基及びフェニル基が好ましい。mは1〜100の整数であり、好ましくは1〜39の整数、より好ましくは、1〜9の整数である。
一般式(6)で表されるシロキサンジアミンの例としては、下記の式で表されるものが挙げられる。
【0020】
【化14】
Figure 0003646977
(p,qはp≧0,q≧1,1≦p+q≦99の整数であり、繰り返し単位の配列はブロックでもランダムでもよい。)
【0021】
【化15】
Figure 0003646977
(p,qは上記と同じ)
具体的には、例えば、
【0022】
【化16】
Figure 0003646977
【0023】
【化17】
Figure 0003646977
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの上記式(6)で表されるジアミノシロキサン化合物は所望により1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
【0024】
上記式(6)のジアミノシロキサン化合物はジアミン成分のうち、1〜50モル%、好ましくは20〜40モル%である。1モル%未満では樹脂の低弾性率化による硬化性向上の効果が低下し、また50モル%を超えると得られるポリイミド樹脂のガラス転移温度が低下し、耐熱性の低下をもたらす。
さらに上記式(5)で表されるジアミンのうち上記式(6)で表されるジアミノシロキサン化合物以外のジアミンとしては、二価の有機基Yとして、例えば
【0025】
【化18】
Figure 0003646977
【0026】
【化19】
Figure 0003646977
【0027】
等の通常、炭素数6〜30の芳香族環含有ジアミン残基を有する分子中にシロキサン構造を有さないジアミン化合物が挙げられ、
具体的に例示すると、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含有ジアミン等が挙げられ、好ましくはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等である。もちろん、これらに限定されるものではない。また、これらのジアミン化合物も所望により1種単独でも2種以上の組み合わせとしても使用することができる。
【0028】
[(B)混合溶剤]
(B)成分の混合溶剤は、前記式(3)で表されるエステル化合物を溶剤として5〜50重量%含有することが不可欠であり、好ましくは20〜40重量%である。この溶剤が5重量%未満では得られる組成物の塗布性向上および溶剤の揮発性向上の効果が低く、また50重量%を超えると(A)成分であるポリアミック酸樹脂に対する溶解性が低下し、樹脂が析出しやすい。
ここでR4,R5,R6,は同種又は異種の一価炭化水素基であり、好ましくは、炭素原子数1〜4の一価炭化水素基であり、それぞれ、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル等アルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等のアルケニル基、等が挙げられ、好ましくは、それぞれメチル基、エチル基である。上記式(3)の化合物の具体例としては、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、プロピレングリコール−1−エチルエーテル−2−アセタートなどを挙げることができる。
【0029】
その他の非プロトン性極性溶剤は混合溶剤に95〜50重量%含まれることになる。このような非プロトン性極性溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドンである。もちろん、これらに限定されるものではない。これらの非プロトン性極性溶剤も所望により1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
なお、本発明の樹脂溶液組成物の樹脂固形分は、塗布の作業性の点から3〜50重量%とすることが望ましく、より好ましくは5〜40重量%である。
【0030】
この樹脂組成物には、本発明の効果を損わない範囲内で酸化防止剤、熱安定剤、無機質充填剤(例えばシリカ、アルミナ等)、顔料、染料等の着色剤などを目的に応じて添加することができる。
【0031】
[被膜の形成]
この硬化性樹脂溶液組成物を基材に塗布した後、通常100℃以上、好ましくは150℃以上の温度で0.5〜10時間加熱することにより、水分および溶剤が除去される。塗布した際に塗膜にはじきが発生せず、表面が平坦で均一なポリイミド硬化被膜を形成することができる。
【0032】
本発明の組成物の硬化により得られる硬化被膜はイミド環を有し、耐熱性、機械的特性、電気的特性、基材に対する接着性および耐溶剤性に優れている為、各種方法により各種基材、例えば半導体装置、具体的には半導体素子表面のパッシベーション膜、保護膜、ダイオード、トランジスタ等の接合部のジャンクション保護膜、VLSIのα線遮蔽膜、層間絶縁膜、イオン注入マスク等のほか、プリントサーキットボードのコンフォーマルコート、液晶表面素子の配向膜、ガラスファイバーの保護膜、太陽電池の表面保護膜、さらに該硬化性樹脂組成物に無機フィラーを配合した印刷用ペースト組成物、導電性充填剤を配合した導電性ペースト組成物といったペースト組成物など幅広い範囲にわたり利用することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
攪拌機、温度計および窒素置換装置を具備したフラスコ内に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.22g(0.1mol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン13.88g(0.07mol)、および1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7.46g(0.03mol)、並びにN-メチル−2−ピロリドン122gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート52gの混合溶媒を仕込み、室温で16時間攪拌してポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、はじきは認められず、良好な広がり性を示した。続いて、こうして塗膜を形成したシリコン素子をオーブン中にて200℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜には収縮が認められず、非常に良好な表面平坦性を示した。
さらに、同様に形成した硬化被膜について残存揮発性分量を測定したところ、1重量%未満であった。これは、溶剤および水分の揮発が十分に進行したことを意味し、良好な膜物性が得られたことが確認された。
【0034】
(実施例2)
実施例1と同様の装置に、ピロメリット酸二無水物21.81g(0.1mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル14.01g(0.07mol)、および1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7.46g(0.03mol)、並びにN,N−ジメチルアセトアミド122gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート52gとの混合溶媒を仕込み、室温で16時間攪拌してポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、はじきは認められず良好な広がり性を示した。続いて、こうして塗膜を形成したシリコン素子をオーブン中にて200℃で2時間加熱して硬化させ膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜には収縮が認められず、非常に良好な表面平坦性を示した。さらに、同様に形成した硬化被膜について残存揮発成分量を測定したところ、1重量%未満であった。溶剤および水分の揮発が十分に進行し、良好な膜物性が得られたことが確認された。
【0035】
(実施例3)
実施例1と同様の装置に、ピロメリット酸二無水物10.91g(0.05mol)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11g(0.05mol)、p−フェニレンジアミン3.24g(0.03mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル6.01g(0.03mol)、および1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン9.94g(0.04mol)、並びにN−メチル−2−ピロリドン145gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート40gとの混合溶媒を仕込み、室温で16時間攪拌してポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、はじきは認められず、良好な広がり性を示した。続いて、オーブン中にて200℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜には収縮が認められず、非常に良好な表面平坦性を示した。さらに、同様の硬化被膜について残存揮発成分量を測定したところ、1重量%未満であった。溶剤および水分の揮発が十分に進行し、良好な膜物性が得られたことが確認された。
【0036】
(比較例1)
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン174gのみを使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、チップ上ではじきを生じた。また、同様にオーブンにて200℃、2時間硬化して膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜は収縮がみられ、、素子が剥き出しの部分が確認された。さらに硬化被膜の残存揮発成分量は約2重量%であり、十分な揮発分除去が進行していないことが確認された。
【0037】
(比較例2)
溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド174gのみを使用した以外は実施例2と同様にして、ポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、チップ上ではじきを生じた。また、同様にオーブンにて200℃、2時間硬化して膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜は収縮がみられ、素子が剥き出しの部分が確認された。さらに硬化被膜の残存揮発成分量は約3重量%であり、十分な揮発分除去が進行していないことが確認された。
【0038】
(比較例3)
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン68gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート106gの混合溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を合成したが、樹脂が再沈して均一な溶液が得られなかった。
【0039】
(比較例4)
溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド68gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート106gの混合溶媒を使用した以外は実施例2と同様にして、ポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を合成したが、樹脂が再沈して均一な溶液が得られなかった。
【0040】
(比較例5)
実施例1と同様の装置で、ピロメリツト酸二無水物10.91g(0.05mol)および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11g(0.05mol)およびp−フェニレンジアミン5.40g(0.05mol)および4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10.01g(0.05mol)をN-メチル−2−ピロリドン145gとプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート40gの混合溶媒中、室温で16時間攪拌させ、ポリアミック酸型硬化性樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をシリコン素子上に塗布したところ、はじきもみられず良好な広がり性を示した。続いて、オーブンにて200℃、2時間硬化して膜厚20μmの硬化被膜を形成した。この硬化被膜は収縮がみられず、非常に良好な表面平坦性を示した。さらに、同様の硬化被膜について残存揮発成分量を測定したところ、5重量%であり、十分な揮発分除去が進行していないことが確認された。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によるポリアミック酸樹脂組成物は、基材に塗布時の耐はじき性および広がり性に優れ、比較的低温短時間の加熱で十分硬化が進行し、収縮の無い表面平坦性を有する硬化被膜が得られる。

Claims (4)

  1. (A)一般式(1):
    Figure 0003646977
    [ここで、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数、そしてYは以下の構造式(2):
    Figure 0003646977
    (式中、R1は炭素原子数3〜9の二価の有機基、R2およびR3は各々独立に炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1〜100の整数)
    で表される二価の有機基を1〜50モル%含む]
    で表されるポリアミック酸樹脂と、
    (B)一般式(3):
    Figure 0003646977
    (ここで、R4,R5,R6は同種又は異種の一価の炭化水素基)
    で表される化合物5〜50重量%と該化合物以外の非プロトン性極性溶剤95〜50重量%を含有する混合溶剤
    とを含有するポリアミック酸樹脂組成物。
  2. 前記R 4 ,R 5 ,R 6 がそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基またはアルケニル基である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記R 4 ,R 5 ,R 6 がそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を基材に塗布した後、加熱し、硬化させることにより硬化被膜を形成する方法。
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