JP2003002265A - 弾性クローラ及びその製造方法 - Google Patents
弾性クローラ及びその製造方法Info
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Abstract
ーラ本体に周方向に沿って埋設された有端の抗張力コー
ドの端部側同志をオーバーラップさせることで、抗張力
コードが無端状にジョイントされてなる弾性クローラに
おいて、この弾性クローラが駆動輪等に巻き掛けられて
湾曲した場合に、抗張力コードのオーバーラップジョイ
ント部の外周側の端部側部分に作用する引張り応力、内
周側の端部側部分に作用する圧縮応力を緩和し、疲労に
よる早期の破壊を防止できる弾性クローラを提供する。 【解決手段】 弾性クローラの、抗張力コード10のオ
ーバーラップジョイント部12に対応する部分を、成形
型16内で、クローラ外周側に凸となる円弧状となるよ
うに加硫成型することで、抗張力コード10のオーバー
ラップジョイント部12が、クローラ外周側に凸となる
円弧状となるように形成する。
Description
機や農業用作業機等の走行部として使用されるクローラ
式走行装置に採用される弾性クローラ及びその製造方法
に関するものである。
向前後一側に配置された駆動輪と、他側に配置されたア
イドラと、これら駆動輪とアイドラとの間に配置された
複数個の転輪と、これら駆動輪、アイドラ及び複数個の
転輪に亘って巻き掛けられるエンドレスの弾性クローラ
とから主構成されており、駆動輪を正転又は逆転駆動さ
せることにより、弾性クローラを周方向に循環回走させ
るように構成されている。
クローラは、図6に示すように、ゴム様弾性体によって
無端帯状に形成されたクローラ本体6を備え、このクロ
ーラ本体6の内周側には脱輪防止用の係合突起7が設け
られ、クローラ本体6の外周側にはラグ8が一体形成さ
れている。また、クローラ本体6内には、周方向Aに適
宜間隔をおいて配置された芯金25が埋設されていると
共に、弾性クローラ5に加えられる周方向Aの張力に耐
える機能を弾性クローラ5に持たせるために、抗張体9
が埋設されている。
に、周方向Aに沿って1周巻回状として埋設された有端
の抗張力コード10を、クローラ幅方向に適宜間隔をお
いて、並列状に配設されて構成されているものがある。
この種の抗張体9にあっては、各抗張力コード10は、
クローラ本体6の周方向A全長よりも長く形成され、こ
の抗張力コード10の端部側10a、10b同志を、ク
ローラ厚さ方向Bに関してオーバーラップさせる(重ね
合わせる)ことで、抗張力コード10が無端状に接合さ
れている。
ップさせることで無端状にジョイントするようにした弾
性クローラ5の製造方法として、以下の方法がある。先
ず、図7に示すように、最初、平板状の成形型27で一
次加硫して成型された有端帯状のクローラ形成体11を
形成する。この場合、この有端帯状に形成されたクロー
ラ形成体11の長さ方向(クローラ周方向Aに相当)の
一端側は、外周側が平坦面22に形成され、他端側は、
内周側が平坦面23に形成され、その他の部分には、係
合突起7及びラグ8が形成されている。
1の一端側と他端側の平坦面22,23同志を重ね合わ
せ、この重ね合わせ部分を、図6に示すように、平板状
の成形型28(直線状のキャビティを有する成形型2
8)で2次加硫することで、エンドレスの弾性クローラ
5を成型している。したがって、この従来の製造方法で
は、抗張力コード10のオーバーラップジョイント部1
2において、抗張力コード10の端部側10a,10b
同志の長さは同じ長さとされている。
ラ5にあっては、弾性クローラ5のオーバーラップジョ
イント部12に対応する部分を平板状の成形型28によ
って成型しているので(抗張体9のオーバーラップジョ
イント部12が直線状となる状態で、クローラ形成体1
1の重ね合わせ部分が加硫成型されているので)、弾性
クローラ5のオーバーラップジョイント部12に対応す
る部分が、駆動輪、アイドラ、転輪等に巻き掛けられて
湾曲状に撓んだ場合に、オーバーラップジョイント部1
2の、クローラ外周側の抗張力コード10の端部側10
bに引張り応力が作用し、オーバーラップジョイント部
12の、クローラ内周側の抗張力コード10の端部側1
0aに圧縮応力が作用する。
ョイント部12に対応する部分が、駆動輪等の巻掛け部
分から外れると、元の直線状に戻る。そして、弾性クロ
ーラ5が駆動されて周方向Aに循環回走されることで、
これ(湾曲状態と直線状態と)が繰り返されるので、弾
性クローラ5が過酷な条件下で、長期間使用された場
合、抗張力コード10の端部側10a,10b間におい
て、抗張力コード10と、クローラ本体6を構成する弾
性体との接着力が早期に劣化し、剥離(抗張力コード1
0から弾性体が剥がれる)に至ることがある。
ント部12とオーバーラップしていない部分との境目
で、抗張力コード10が切断する惧れもある。本発明
は、前記問題点に鑑みて、弾性クローラが湾曲した場合
における、抗張力コードのオーバーラップジョイント部
の、クローラ外周側に作用する引張り応力、クローラ内
周側に作用する圧縮応力の緩和を図ることで、オーバー
ラップジョイント部の疲労による早期の破壊を防止する
ことを企図した弾性クローラを提供することを目的とす
る。
決するために講じた技術的手段は、ゴム様弾性体から無
端帯状に形成されたクローラ本体を備え、このクローラ
本体内に周方向に沿って埋設された有端の抗張力コード
の端部側同志をオーバーラップさせることで、抗張力コ
ードが無端状にジョイントされてなる弾性クローラにお
いて、抗張力コードのオーバーラップジョイント部が、
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように形成され
ていることを特徴とする。
ーバーラップジョイント部に対応する部分を、成形型内
で、クローラ外周側に凸となる円弧状となるように加硫
成型してもよい。また、抗張力コードのオーバーラップ
ジョイント部の円弧の半径が、弾性クローラが巻き掛け
られる駆動輪の半径の、1〜2倍となるようにするのが
よい。また、他の技術的手段は、ゴム様弾性体から無端
帯状に形成されたクローラ本体を備え、このクローラ本
体内に周方向に沿って埋設された有端の抗張力コードの
端部側同志をオーバーラップさせることで、抗張力コー
ドが無端状にジョイントされてなる弾性クローラの製造
方法であって、有端帯状のクローラ形成体を成型した
後、このクローラ形成体の端部側同志を重ね合わせ、該
重ね合わせ部分を加硫成型することで無端帯状に形成さ
れる弾性クローラの製造方法において、前記クローラ形
成体の重ね合わせ部分を、成形型内で、クローラ外周側
に凸となる円弧状となるように加硫成型したことを特徴
とする。
ら無端帯状に形成されたクローラ本体を備え、このクロ
ーラ本体内に周方向に沿って埋設された有端の抗張力コ
ードの端部側同志をオーバーラップさせることで、抗張
力コードが無端状にジョイントされてなる弾性クローラ
の製造方法であって、有端帯状のクローラ形成体を成型
した後、このクローラ形成体の端部側同志を重ね合わ
せ、該重ね合わせ部分を加硫成型することで無端帯状に
形成される弾性クローラの製造方法において、前記クロ
ーラ形成体を重ね合わせるときに、該重ね合わせ部分を
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように予備成形
したことを特徴とする。
ら無端帯状に形成されたクローラ本体を備え、このクロ
ーラ本体内に周方向に沿って埋設された有端の抗張力コ
ードの端部側同志をオーバーラップさせることで、抗張
力コードが無端状にジョイントされてなる弾性クローラ
の製造方法であって、有端帯状のクローラ形成体を成型
した後、このクローラ形成体の端部側同志を重ね合わ
せ、該重ね合わせ部分を加硫成型することで無端帯状に
形成される弾性クローラの製造方法において、前記クロ
ーラ形成体を重ね合わせるときに、該重ね合わせ部分を
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように予備成形
した後、この予備成形した重ね合わせ部分を、成形型内
で、クローラ外周側に凸となる円弧状となるように加硫
成型したことを特徴とする。
円弧の半径が、弾性クローラが巻き掛けられる駆動輪の
半径の、1〜2倍となるようにするのがよい。
を参照して説明する。図2において、1はクローラ式走
行装置を示しており、このクローラ式走行装置1は、進
行方向前後一側に配置された駆動輪(スプロケット)2
と、他側に配置された誘導輪(アイドラ)3と、この駆
動輪2と誘導輪3との間に配置された複数の転輪4と、
これら駆動輪2、誘導輪3及び複数の転輪4に亘って巻
き掛けられるエンドレスの弾性クローラ(ゴムクロー
ラ)5を備えており、駆動輪2を正転又は逆転駆動させ
て、弾性クローラ5を周方向Aに循環回走させること
で、走行装置1を前後進させるように構成している。
ゴム)から無端帯状に形成されたクローラ本体6を備え
ており、このクローラ本体6の内周側には、脱輪防止用
の係合突起7が設けられ、クローラ本体の外周側(接地
面側)にはラグ8が一体形成されている。この弾性クロ
ーラ5としては、クローラ本体6内に、クローラ幅方向
に長い芯金25を周方向Aに適宜間隔をおいて埋設して
なる芯金入りタイプのもの、又は、この芯金25が埋設
されていない芯金無しタイプのどちらのタイプのもので
あってもよい。
は、係合突起7は駆動輪2から弾性クローラ5に駆動力
を伝達する機能を有する。クローラ本体6内には、弾性
クローラ5に加えられる周方向Aの張力に耐える機能を
該弾性クローラ5に持たせるために、抗張体9が埋設さ
れている。この抗張体9は、クローラ本体6内に、周方
向Aに沿って1周巻回状として埋設された有端の抗張力
コード10を、クローラ幅方向に適宜間隔をおいて、並
列状に配設されて構成されている。
周方向全長よりも長く形成されていて、抗張力コード1
0の端部側10a,10b同志を、クローラ厚さ方向に
関してオーバーラップさせる(重ね合わせる)ことで、
無端状に接合されている(図1、図7参照)。この抗張
体9をオーバーラップさせた部分のことを、オーバーラ
ップジョイント部12という(図1、図7参照)。な
お、この抗張力コード10としては、鋼製フィラメント
を数本撚ったものを、さらに数束撚り合わせたスチール
コードのほか、ナイロン、テトロン等のフィラメントか
ら構成されるナイロンコード、テトロンコード等、その
他の有機繊維コード、その他、アラミド繊維コード、ガ
ラス繊維コード等の引張り強度の高いコードが採用され
る。
合、最初、有端帯状のクローラ形成体11を成型し、そ
の後、このクローラ成形体11の端部側同志をクローラ
厚さ方向に重ね合わせ、該重ね合わせ部分を加硫成型す
ることで、クローラ成形体11の端部側同志が接合され
て無端帯状の弾性クローラ5とされる。そして、本発明
では、クローラ形成体11の重ね合わせ部分を、成形型
16内で、クローラ外周側に凸となる円弧状となるよう
に加硫成型することで、又は、クローラ形成体11を重
ね合わせるときに、該重ね合わせ部分をクローラ外周側
に凸となる円弧状となるように予備成形することで、抗
張力コード10のオーバーラップジョイント部12が、
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように形成され
ている。
いて具体的に説明する。先ず、第1の製造方法について
説明する。この方法にあっては、最初、弾性クローラ5
の、オーバーラップジョイント部12以外の部分、又
は、弾性クローラ5の、オーバーラップジョイント部1
2及びその近傍部分以外の部分は、従来と同様に、平板
状の成形型によって有端帯状のクローラ形成体11を成
型する。抗張体9は、図5に示すように、押出成形等に
よって、予め未加硫ゴム13によって被覆されて帯板状
に形成されており、平板状の成形型で形成された有端帯
状のクローラ形成体11のクローラ本体6部分の長さ方
向両端から、ゴム被覆された抗張体9の端部側が延出状
となるように、クローラ形成体11が成型されている
(図3参照)。
円弧面14とされた成形台15上で、すなわち、円弧面
14上で抗張体9の端部側同志を重ね合わせると共に、
この重ね合わせ部分(オーバーラップジョイント部1
2)を上方から押圧して、ゴム被覆された抗張体9の端
部側同志を相互に密着させ、オーバーラップジョイント
部12をクローラ外周側に凸となる円弧状に予備成形す
る(オーバーラップジョイント部12を円弧形成す
る)。次に、この予備成形したオーバーラップジョイン
ト部12及びそのクローラ周方向A前後の部分を、図1
に示すように、クローラ外周側に凸となる円弧状のキャ
ビティを有する成形型16で加硫して、弾性クローラ5
の、オーバーラップジョイント部12に対応する部分
を、クローラ外周側に凸となる円弧状に成型する。
の外周側を成型する接地側モールド17と、弾性クロー
ラ5の内周側を成型する内周側モールド18とから構成
され、これらモールド17,18間のキャビティ内に、
前記成形台15で円弧に予備成形したオーバーラップジ
ョイント部12及びその前後の部分、弾性クローラ5の
内周側及び外周側を形成する未加硫ゴム及び芯金入りの
場合は芯金25を入れて、これらを加硫して、弾性クロ
ーラ5のオーバーラップジョイント部12に対応する部
分を成型する。
円弧に予備成形する際において、弾性クローラ5の内外
周を形成する未加硫ゴム及び芯金25も共に円弧状に予
備成形してもよい。この製造方法で成型された弾性クロ
ーラ5にあっては、抗張体9のオーバーラップジョイン
ト部12のクローラ内周側の抗張力コード10の端部側
10a(以下、内周側コード端部ともいう)が、クロー
ラ外周側の抗張力コード10の端部側10b(以下、外
周側コード端部ともいう)に対して短くなることとなる
(オーバーラップジョイント部12の外周側コード端部
10bが内周側コード端部10aに対して長くなること
となる)。
に、駆動輪2、誘導輪3又は転輪4に巻き掛けられる巻
掛け部分20A,20B,20Cで湾曲するが、前述し
たように、オーバーラップジョイント部12が円弧状と
されていて、オーバーラップジョイント部12の内周側
コード端部10aが外周側コード端部10bに対して短
いので、オーバーラップジョイント部12の外周側コー
ド端部10bに作用する引張り応力、オーバーラップジ
ョイント部12の内周側コード端部10aに作用する圧
縮応力を緩和することができる(オーバーラップジョイ
ント部12での、クローラ内外周間の歪みを緩和するこ
とができる)。
に、巻掛け部分20A,20B,20C以外の直線状部
分21A,21B,21Cでは、平坦状(直線状)とな
り、弾性クローラ5を循環回走させると、湾曲状態と直
線状態とが繰り返されるが、前記構成のものでは、オー
バーラップジョイント部12の巻掛け部分20A,20
B,20Cでの、引張り応力・圧縮応力が緩和されるの
で、疲労による早期の破壊を防止することができるので
ある。なお、本発明では、弾性クローラ5のオーバーラ
ップジョイント部12に対応する部分を円弧状に加硫成
型していることから、該部分を直線状とした場合に、該
部分のクローラ内周側に引張り応力が作用し、クローラ
外周側に圧縮応力が作用することとなるが、走行時にお
いて、弾性クローラ5に作用する荷重は、巻掛け部分2
0A,20B,20Cで大きく、直線状部分21A,2
1B,21Cでは小さいため、問題はない。
ジョイント部12に対応する部分を円弧状に成型する場
合、巻掛け部分20A,20B,20Cの円弧と、直線
との中間程度の円弧に成型するのが好ましく、具体的に
は、抗張力コード10のオーバーラップジョイント部1
2の円弧の半径又はクローラ成形体11の重ね合わせ部
分の円弧の半径(例えば、クローラ厚さ方向中央部分で
の半径)が、弾性クローラ5が巻き掛けられる駆動輪2
の半径の、1〜2倍となるように形成されるのが好まし
い。
2等の円弧の半径が、駆動輪2の半径と同等よりも小さ
いと、弾性クローラ5のオーバーラップジョイント部1
2に対応する部分が直線状となった場合の、クローラ内
外周間の歪みが大となり、逆に、オーバーラップジョイ
ント部12等の円弧の半径が、駆動輪2の半径R2の2
倍を超えると、前述した巻掛け部分20A,20B,2
0Cにおける応力の緩和効果を十分に発揮することが困
難となる。なお、前記第1の製造方法において、抗張体
9のオーバーラップジョイント部12を成形台15上で
円弧状に形成した後、弾性クローラ5のオーバーラップ
ジョイント部12に対応する部分を、従来と同様に(図
6参照)平板状の成形型によって、加硫成型するように
してもよい。
イント部12を成形台15上で円弧状に予備成形する際
において、抗張体9の端部側同志を十分に密着させるこ
とで、該部分を平板状の成形型で加硫しても、オーバー
ラップジョイント部12の外周側コード端部10bが、
内周側コード端部10aに対してタルミをもって加硫さ
れるため、前述した円弧形状に加硫して成型したものの
応力緩和効果には及ばないものの、従来のものと比較す
ると、巻掛け部分20A,20B,20Cにおける応力
緩和効果はある。
この第2の製造方法では、弾性クローラ5は、最初、平
板状の成形型で一次加硫して有端帯状のクローラ形成体
11を成型する。この場合、図7に示すように、すなわ
ち従来と同様に、この有端帯状のクローラ形成体11の
長さ方向の一端側は、外周側が、平坦面22に形成さ
れ、他端側は、内周側が、係合突起7が形成されていな
い平坦面23に形成されており、その他の部分には、係
合突起7及びラグ8が形成されている。
1の一端側と他端側の平坦面22,23同志を重ね合わ
せ、この重ね合わせ部分を、図1に示す円弧状のキャビ
ティを有する成形型16内に入れて、加硫成型する。こ
の場合、最初に有端帯状に一次加硫し、成形型16での
加硫時において、円弧状とされた状態で加硫するように
しても、円弧状態で加硫する時において、抗張力コード
10のオーバーラップジョイント部12の外周側コード
端部10bと内周側コード端部10aとに周方向Aの
「ずれ」が生じ(周長差が生じ)、前記第1の製造方法
で記載した効果と同様の効果を奏する。
ローラ成形体11を、成形台15で円弧状に予備成形せ
ずに、直接円弧状のキャビティを有する成形型16で成
型するようにしてもよい。また、本発明は、クローラ本
体6内にオーバーラップジョイントによって接合された
抗張体9を埋設した弾性クローラ5に採用され、その他
の構成については、どのように構成されていてもよい。
また、クローラ本体内にオーバーラップジョイントによ
って接合された抗張体を埋設した弾性クローラを開示し
たものとして、特開平7−223564号公報に記載さ
れたものがある。
ドのオーバーラップジョイント部を波型にすることで、
弾性クローラの、オーバーラップジョイント部に対応す
る部分の剛性低減を図ったものであるが、オーバーラッ
プジョイント部は、波型にしているために、クローラ外
周側に凸となる部分と、クローラ内周側に凸となる部分
とがあり、弾性クローラのオーバーラップジョイント部
に対応する部分が湾曲したときに、前記オーバーラップ
ジョイント部のクローラ内周側に凸となる部分が、本発
明の応力緩和効果と逆の作用を奏するように働く。
ジョイント部12が、クローラ周方向A一端から他端に
亘って、全体的にクローラ外周側に凸となる円弧状とさ
れる。
れた抗張力コードのオーバーラップジョイント部が、ク
ローラ外周側に凸となる円弧状となるように形成されて
いることにより、弾性クローラの、抗張力コードのオー
バーラップジョイント部に対応する部分が駆動輪等に巻
き掛けられて湾曲した場合において、オーバーラップジ
ョイント部のクローラ外周側の抗張力コードの端部側に
作用する引張り応力、クローラ内周側の抗張力コードの
端部側に作用する圧縮応力が緩和され、疲労による早期
の破壊を防止できるという効果を奏する。
ーバーラップジョイント部に対応する部分が駆動輪等に
巻き掛けられた際の抵抗が低くなるため、走行抵抗が低
くなり、これによって、馬力ロスを防止できるという効
果も奏する。また、有端帯状のクローラ形成体を成型し
た後、このクローラ形成体の端部側同志を重ね合わせ、
該重ね合わせ部分を加硫成型することで無端帯状に形成
される弾性クローラの製造方法において、前記クローラ
形成体の重ね合わせ部分を、成形型内で、クローラ外周
側に凸となる円弧状となるように加硫成型する、又は、
前記クローラ形成体を重ね合わせるときに、該重ね合わ
せ部分をクローラ外周側に凸となる円弧状となるように
予備成形する、若しくは、前記クローラ形成体を重ね合
わせるときに、該重ね合わせ部分をクローラ外周側に凸
となる円弧状となるように予備成形した後、この予備成
形した重ね合わせ部分を、成形型内で、クローラ外周側
に凸となる円弧状となるように加硫成型することによ
り、抗張力コードのオーバーラップジョイント部が、ク
ローラ外周側に凸となる円弧状となるように形成でき、
前述した応力緩和効果を有する弾性クローラを提供でき
る。
イント部の円弧の半径又はクローラ成形体の重ね合わせ
部分の円弧の半径を、弾性クローラが巻き掛けられる駆
動輪の半径の、1〜2倍となるように構成することで、
前述した応力緩和効果を良好に発揮させることができ
る。
状態を示した側面図である。
に予備成形する状態を示した側面図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 ゴム様弾性体から無端帯状に形成された
クローラ本体を備え、このクローラ本体内に周方向に沿
って埋設された有端の抗張力コードの端部側同志をオー
バーラップさせることで、抗張力コードが無端状にジョ
イントされてなる弾性クローラにおいて、 抗張力コードのオーバーラップジョイント部が、クロー
ラ外周側に凸となる円弧状となるように形成されている
ことを特徴とする弾性クローラ。 - 【請求項2】 弾性クローラの、抗張力コードのオーバ
ーラップジョイント部に対応する部分を、成形型内で、
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように加硫成型
してなることを特徴とする請求項1に記載の弾性クロー
ラ。 - 【請求項3】 抗張力コードのオーバーラップジョイン
ト部の円弧の半径が、弾性クローラが巻き掛けられる駆
動輪の半径の、1〜2倍となるようにしたことを特徴と
する請求項1又は2に記載の弾性クローラ。 - 【請求項4】 ゴム様弾性体から無端帯状に形成された
クローラ本体を備え、このクローラ本体内に周方向に沿
って埋設された有端の抗張力コードの端部側同志をオー
バーラップさせることで、抗張力コードが無端状にジョ
イントされてなる弾性クローラの製造方法であって、 有端帯状のクローラ形成体を成型した後、このクローラ
形成体の端部側同志を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を
加硫成型することで無端帯状に形成される弾性クローラ
の製造方法において、 前記クローラ形成体の重ね合わせ部分を、成形型内で、
クローラ外周側に凸となる円弧状となるように加硫成型
したことを特徴とする弾性クローラの製造方法。 - 【請求項5】 ゴム様弾性体から無端帯状に形成された
クローラ本体を備え、このクローラ本体内に周方向に沿
って埋設された有端の抗張力コードの端部側同志をオー
バーラップさせることで、抗張力コードが無端状にジョ
イントされてなる弾性クローラの製造方法であって、 有端帯状のクローラ形成体を成型した後、このクローラ
形成体の端部側同志を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を
加硫成型することで無端帯状に形成される弾性クローラ
の製造方法において、 前記クローラ形成体を重ね合わせるときに、該重ね合わ
せ部分をクローラ外周側に凸となる円弧状となるように
予備成形したことを特徴とする弾性クローラの製造方
法。 - 【請求項6】 ゴム様弾性体から無端帯状に形成された
クローラ本体を備え、このクローラ本体内に周方向に沿
って埋設された有端の抗張力コードの端部側同志をオー
バーラップさせることで、抗張力コードが無端状にジョ
イントされてなる弾性クローラの製造方法であって、 有端帯状のクローラ形成体を成型した後、このクローラ
形成体の端部側同志を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を
加硫成型することで無端帯状に形成される弾性クローラ
の製造方法において、 前記クローラ形成体を重ね合わせるときに、該重ね合わ
せ部分をクローラ外周側に凸となる円弧状となるように
予備成形した後、この予備成形した重ね合わせ部分を、
成形型内で、クローラ外周側に凸となる円弧状となるよ
うに加硫成型したことを特徴とする弾性クローラの製造
方法。 - 【請求項7】 クローラ成形体の重ね合わせ部分の円弧
の半径が、弾性クローラが巻き掛けられる駆動輪の半径
の、1〜2倍となるようにしたことを特徴とする請求項
4〜6のいずれかに記載の弾性クローラの製造方法。
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