JP2014162353A - クローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のクローラの一例としてのゴムクローラ10は、無端帯状のゴムベルト12と、ゴムベルト12内に配設され、クローラ周方向に沿って延びるメインコード32をクローラ幅方向に複数本並べて構成され、クローラ周方向の両端32A、32B側をクローラ厚み方向に重ね合わせた重ね合わせ部36が形成されたメインコード層30と、メインコード32の重ね合わせ部36に形成され、メインコード32のその他の部分よりもクローラ周方向に伸縮可能な伸縮部38と、を備え、さらに、クローラ厚み方向から見て、伸縮部38がクローラ幅方向に振幅をもつようにメインコード32を屈曲させた屈曲部40を有している。
【選択図】図5
Description
第1の態様のクローラでは、駆動輪や遊動輪に巻き掛かった部分では、メインコード層が曲げの中心面となって弾性体が曲げられる。
ここで、上記クローラでは、メインコード層の重ね合わせ部が駆動輪や遊動輪に巻き掛かると、メインコードの重ね合わせ部(重ね合わせ部に対応した部位)に形成された伸縮部が弾性体周方向に伸縮する。具体的には、メインコードの伸縮部に弾性体周方向の引張力が作用すると、弾性体幅方向に振幅をもつように屈曲した屈曲部が弾性体周方向に伸ばされ、メインコードの伸縮部に弾性体周方向の圧縮力が作用すると、屈曲部が弾性体周方向に縮められる。このため、上記クローラでは、例えば、メインコードの重ね合わせ部が弾性体周方向に伸縮しないものと比べて、メインコード層の重ね合わせ部とその他の部分の曲げ剛性の差が小さくなる。すなわち、上記クローラによれば、駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときの曲げ剛性を弾性体周方向(クローラ周方向と同義)で均一に近づけることができる。
これにより、メインコード層の重ね合わせ部が駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときに、メインコード層の重ね合わせ部とその他の部分の境界近傍(メインコード層の両端近傍)で弾性体に過剰な曲げが生じるのを抑制することができる。
第2の態様のクローラでは、伸縮部への弾性体周方向の入力(引張力及び圧縮力)に対して伸縮部を弾性体周方向にバランスよく伸縮させることができる。
第3の態様のクローラでは、弾性体厚み方向から見て、隣り合う伸縮部の屈曲部の振幅方向を互いに同じ向きにしていることから、例えば、隣り合う伸縮部の屈曲部を互いに逆向きに屈曲させたものと比べて、各メインコードの伸縮部の弾性体周方向の伸縮量を均一に近づけることができる。
第4の態様のクローラでは、伸縮部の弾性体周方向の伸縮量を増大できる。
第5の態様のクローラでは、メインコードを直線部と伸縮部とで構成していることから、メインコード層の張力が各メインコードの直線部によって維持され、重ね合わせ部の曲げ剛性が各メインコードの伸縮部によって低く維持される。
また、上記クローラでは、重ね合わせ部が駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときにメインコードの直線部を基準(中心)として直線部の一端側(メインコードの一端側)に形成された伸縮部が弾性体周方向に伸びる。これにより、上記クローラでは、重ね合わせ部が曲げられたときにメインコードの直線部に作用する圧縮力(圧縮応力)が低減される。
以下、本発明の第1実施形態に係るクローラについて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るクローラの一例としての無端状のゴムクローラ10は、機体としてのクローラ車の駆動軸に連結された駆動輪の一例としてのスプロケット100と、クローラ車に回転自在に取付けられた遊動輪の一例としてのアイドラー102とに巻き掛けられて用いられる。また、ゴムクローラ10の内周を、スプロケット100とアイドラー102の間に配置され且つクローラ車に回転自在に取り付けられた複数の転輪104(図1参照)が転動するようになっている。
また、本実施形態では、スプロケット100、アイドラー102、及び転輪104に巻き掛けて環状となったゴムクローラ10の内周側(図3、図4の矢印IN方向側)を「クローラ内周側」と記載し、上記ゴムクローラ10の外周側(図3、図4の矢印OUT方向側)を「クローラ外周側」と記載する。なお、図3、図4の矢印IN方向(環状の内側方向)、矢印OUT方向(環状の外側方向)は、巻き掛け状態のゴムクローラ10の内外方向(ゴムクローラ10の厚み方向と同義)を示している。
アイドラー102は、円盤状とされ、クローラ車に回転自在に取付けられている。また、アイドラー102は、クローラ車側が備える図示しない油圧等の加圧機構によってスプロケット100から離間する方向へ押圧されて、ゴムクローラ10のテンション(張力)を一定に保持するものである。
転輪104は、クローラ車の重量を支持するものであり、クローラ車に回転自在に取付けられる軸部104Aと、軸部104Aの両端部から外周側にそれぞれ張り出す鍔部である輪部104Bと、を含んで構成されている(図3、図4参照)。
上記アイドラー102及び転輪104は、スプロケット100及びアイドラー102の間を循環するゴムクローラ10に対して従動回転するようになっている。
一方、メインコード32の他端32Bは、クローラ幅方向から見て、それぞれラグ14またはラグ15のクローラ内周側(図4、図5では、上側)に配設されている。なお、本発明は上記構成に限定されず、メインコード32の他端32Bは、ラグ14とラグ15との間に配設されていてもよい。
ゴムクローラ10では、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かった部分では、メインコード層30が曲げの中心面となってゴムベルト12が曲げられる。このとき、メインコード層30を基準としてクローラ内周側には圧縮力が作用し、クローラ外周側には引張力が作用する。
そして、上記のようにメインコード32の伸縮部38がクローラ周方向に伸びるため、メインコード32の重ね合わせ部36間のゴム(被覆ゴム33)に作用するせん断力を低下させられる。これにより、メインコード32の重ね合わせ部36の剥離(層間剥離)を抑制できる。
また、ゴムクローラ10では、メインコード32の伸縮部38が形成された一端32A側を直線部32Cで構成された他端32B側にクローラ外周側から重ねていることから、重ね合わせ部36がスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときにメインコード層30の他端側を基準としてメインコード32の一端32A側に形成された伸縮部38がクローラ周方向に伸びる。これにより、ゴムクローラ10では、重ね合わせ部36が曲げられたときにメインコード32の他端32B側に作用する圧縮力(圧縮応力)が低減される。
一方、メインコード32の一端32A側及び他端32B側のどちらにも伸縮部38を形成する構成としてもよい。上記構成によれば、メインコード32の重ね合わせ部36がスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときに、一端32A側に形成された伸縮部38がクローラ周方向に伸びると共に、他端32B側に形成された伸縮部38がクローラ周方向に縮む。このため、メインコード32の一端32A側に過剰な引張力が作用するのが抑制され、他端32B側に過剰な圧縮力が作用するのが抑制される。なお、重ね合わせ部36において、メインコード32の一端32A側に形成された伸縮部38と他端32B側に形成された伸縮部38の各々の屈曲部40は、同位相及び同振幅でもよく、振幅及び位相を異ならせてもよい。また、一端32A側の伸縮部38には引張力が作用し、他端32B側の伸縮部38には圧縮力が作用するため、作用する力に応じて一端32A側の伸縮部38の振幅及び波長と他端32B側の伸縮部38の振幅及び波長の構成を異ならせることが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図11〜図13に示すように、本実施形態のゴムクローラ50は、第1実施形態のようなスプロケット100及びアイドラー102を有する機体向けのゴムクローラでなく、左右一対の円盤状のドライブホイール110及びアイドラーホイール(図示省略)を有する機体向けのゴムクローラである。また、本実施形態のゴムクローラ50は、第1実施形態のゴムクローラ10のように芯金20及び係合凹部28を設けず、代わりにゴム突起54を設ける、所謂、芯金レスゴムクローラである。
一方、ゴムクローラ50では、メインコード58の他端58Bをゴム厚みが厚いゴム突起54のクローラ内周側に配設していることから、例えば、ゴム厚みが薄いゴム突起54間に配設した場合と比べて、メインコード58の他端58Bを基点とした過剰な曲げを抑制できる。従って、芯金レスのゴムクローラ50の耐久性が向上する。
36,60・・・重ね合わせ部、 38,62・・・伸縮部、 40・・・屈曲部、 A・・・振幅、 S・・・クローラ周方向(弾性体周方向)、
W・・・クローラ幅方向(弾性体幅方向)、 IN・・・クローラ内周側(弾性体内周側)、 OUT・・・クローラ外周側(弾性体外周側)。
第1の態様のクローラでは、駆動輪や遊動輪に巻き掛かった部分では、メインコード層が曲げの中心面となって弾性体が曲げられる。
ここで、上記クローラでは、メインコード層の重ね合わせ部が駆動輪や遊動輪に巻き掛かると、メインコードの重ね合わせ部(重ね合わせ部に対応した部位)に形成された伸縮部が弾性体周方向に伸縮する。具体的には、メインコードの伸縮部に弾性体周方向の引張力が作用すると、弾性体幅方向に振幅をもつように屈曲した屈曲部が弾性体周方向に伸ばされ、メインコードの伸縮部に弾性体周方向の圧縮力が作用すると、屈曲部が弾性体周方向に縮められる。このため、上記クローラでは、例えば、メインコードの重ね合わせ部が弾性体周方向に伸縮しないものと比べて、メインコード層の重ね合わせ部とその他の部分の曲げ剛性の差が小さくなる。すなわち、上記クローラによれば、駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときの曲げ剛性を弾性体周方向(クローラ周方向と同義)で均一に近づけることができる。
これにより、メインコード層の重ね合わせ部が駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときに、メインコード層の重ね合わせ部とその他の部分の境界近傍(メインコード層の両端近傍)で弾性体に過剰な曲げが生じるのを抑制することができる。
第5の態様のクローラでは、メインコードを直線部と伸縮部とで構成していることから、メインコード層の張力が各メインコードの直線部によって維持され、重ね合わせ部の曲げ剛性が各メインコードの伸縮部によって低く維持される。
Claims (5)
- 無端帯状の弾性体と、
前記弾性体内に配設され、弾性体周方向に沿って延びるメインコードを弾性体幅方向に複数本並べて構成され、弾性体周方向の両端側を弾性体厚み方向に重ね合わせた重ね合わせ部が形成されたメインコード層と、
前記メインコードの前記重ね合わせ部に形成され、前記メインコードのその他の部分よりも前記弾性体周方向に伸縮可能な伸縮部と、を備え、
弾性体厚み方向から見て、前記伸縮部が弾性体幅方向に振幅をもつように前記メインコードを屈曲させた屈曲部を有するクローラ。 - 前記伸縮部は、複数の前記屈曲部を有し、
弾性体厚み方向から見て、弾性体周方向に隣り合う前記屈曲部同士が互いに逆向きに屈曲している、請求項1に記載のクローラ。 - 弾性体厚み方向から見て、弾性体幅方向に隣り合う前記伸縮部の屈曲部が互いに同じ向きに屈曲している、請求項1または請求項2に記載のクローラ。
- 弾性体厚み方向から見て、弾性体周方向に隣り合う前記屈曲部同士が連続している、請求項3に記載のクローラ。
- 前記メインコードは、前記弾性体周方向に沿って直線状に延びる直線部と、前記直線部の一端側に形成された前記伸縮部と、で構成され、
前記伸縮部が前記直線部に弾性体外周側から重なる請求項1〜4のいずれか1項に記載のクローラ。
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