JP6574116B2 - 芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置に関する。
芯金を有しないゴムクローラ(芯金レスクローラ)は、芯金を有するゴムクローラ(芯金入りクローラ)と比べると剛性が低いため、寸法安定性等を目的に、金属コード(スチールコード)や補強層(繊維ベルト強化材)を埋設している(例えば、特許文献1)。
特開2001−206990号公報
また、芯金レスクローラには、機体装着後の走行時に、芯金レスクローラが機体外側又は内側のどちらか一方に片寄りする、斜行と呼ばれる現象が存在する。斜行の発生要因には、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1の要因として、従来の芯金レスクローラは、剛性が低いことで、実機装着して駆動させるときに駆動輪や転輪等の影響を受けやすいことが挙げられる。次いで、第2の要因として、実機装着して芯金レスクローラに張力がかかったとき、スチールコードの捻れ(トーション)や補強層の変形(例えば、バイアス層ではコード傾斜角の変化に伴う変形)によるモーメント力が発生することが挙げられる。さらに、第3の要因として、製造過程で補強層等を埋設する場合、当該補強層等が均一に埋設されないと、その影響で、芯金レスクローラを実機装着したときに、張力バランスが取れずに、機体の外側又は内側のどちらか一方の側に片寄ってしまうことが挙げられる。
斜行は、例えば、芯金レスクローラのガイド突起(駆動突起)を摩耗させたり、機体の直進性に影響を与える。このため、こうした特性(以下、「斜行特性」ともいう)を極力示さない、幅方向の剛性に優れた芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置が望まれている。
本発明の目的は、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置を提供することである。
本発明に係る芯金レスクローラは、弾性を有する無端帯状の本体と、前記本体に埋設されて当該本体の周方向に延びる金属コードと、前記本体に当該本体の周方向に間隔を置いて埋設される、剛性材料からなる、複数の板状体と、を備え、前記板状体を前記金属コードよりも前記本体の外周側に配置したことを特徴とする。
本発明に係る芯金レスクローラによれば、金属コードを要因とする、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラとなる。
本発明に係る芯金レスクローラでは、前記本体は、当該本体の内周面に、当該本体の周方向に間隔を置いて配置される、複数の突起を有し、前記板状体は、前記本体の厚み方向視で、当該板状体の周方向縁が前記突起の部分と重複する位置にあることが好ましい。
この場合、機体への巻き掛けの際に生じ得る、板状体を起点とした屈曲を防止することができる。
本発明に係る芯金レスクローラでは、前記本体に当該本体の周方向に対して傾斜して埋設される、複数の補強コードを有することが好ましい。
この場合、補強コードを要因とする、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラとなる。
本発明に係る芯金レスクローラ装置は、上記のいずれかの芯金レスクローラと、前記芯金レスクローラが巻き掛けられる、駆動輪、従動輪および転輪と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る芯金レスクローラ装置によれば、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラ装置となる。
本発明によれば、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る芯金レスクローラを内周面側から視た平面図である。 図1のX−X断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る芯金レスクローラの、図1のX−X断面に相当する断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る芯金レスクローラの、図1のX−X断面に相当する断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る芯金レスクローラの、図1のX−X断面に相当する断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る芯金レスクローラの、図1のX−X断面に相当する断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る芯金レスクローラの、図1のX−X断面に相当する断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る芯金レスクローラを内周面側から視た平面図である。 本発明の第8の実施形態に係る芯金レスクローラを内周面側から視た平面図である。 本発明の第9の実施形態に係る芯金レスクローラを内周面側から視た平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置を説明する。なお、以下の説明において、実質的に同一の部分は同一の符号をもって、その説明を省略する。
図1及び図2中、符号1Aは、本発明の第1の実施形態に係る芯金レスクローラである。芯金レスクローラ1Aは、弾性を有する無端帯状のクローラ本体(本体)2を有する。本実施形態では、クローラ本体2は、ゴム材料で構成されている。以下の説明では、符号Wは、クローラ本体2の幅方向(本体の幅方向)(以下、単に「幅方向」ともいう)である。また、符号Lは、クローラ本体2の周方向(本体の周方向)(以下、単に「周方向」ともいう)である。さらに、符号Dは、クローラ本体の厚み方向(本体の厚み方向)(以下、単に「厚み方向」ともいう)である。なお、ここで、厚み方向とは、クローラ本体2を水平に伸ばしたときの垂線の方向とする。
図2に示すように、芯金レスクローラ1Aは、複数のラグ3を有している。ラグ3は、クローラ本体2の外周側に周方向に間隔を置いて配置されている。本実施形態では、ラグ3は、ゴム材料で構成されている。ラグ3は、例えば、クローラ本体2の外周面に加硫接着することができ、また、クローラ本体2と一体に成形することもできる。
符号4は、メインコード層である。メインコード層4は、クローラ本体2に埋設されるとともにクローラ本体2の周方向に延びる、複数の金属コード(スチールコード)4aを有する。本実施形態では、メインコード層4は、複数の金属コード4aを周方向に対して平行に巻き掛けた0°プライである。本実施形態では、メインコード層4は、1層であるが、幅方向に間隔を置いた複数の層とすることもできる。また、本実施形態では、金属コード4aは、複数のスチールフィラメントを撚って構成したものであるが、単一のスチールフィラメントのみで構成することもできる。
符号5は、補強コード層である。補強コード層5は、図1の平面視(本体の厚み方向視)で、クローラ本体2に周方向に対して傾斜して埋設される、複数の補強コード5aを有する。本実施形態では、補強コード層5は、複数の補強コード5aを周方向に対して傾斜させたバイアスプライである。本実施形態では、補強コード層5は、メインコード層4を挟み込むように、クローラ本体2の内周側及び外周側のそれぞれに配置されているが、補強コード層5は、これに限定されるものではなく、例えば、メインコード層4よりもクローラ本体2の内周側にのみ、又は、メインコード層4よりもクローラ本体2の外周側にのみに配置することができる。また、補強コード層5は、少なくとも1層以上であればよい。
本実施形態では、クローラ本体2は、クローラ本体2の内周面2fにガイド突起(突起)7を有している。ガイド突起7は、図1に示すように、クローラ本体2の周方向に間隔を置いて、クローラ本体2の内周面2fの複数の個所に配置されている。本実施形態では、ガイド突起7は、ゴム材料で構成されている。ガイド突起7は、例えば、クローラ本体2の内周面2fに加硫接着することができ、また、クローラ本体2と一体に成形することもできる。また、本実施形態では、ガイド突起7は、図2に示すように、平坦な頂面7aを有した円錐台形状に形作られている。
符号6は、クローラ本体2に埋設された、板状体である。板状体6は、クローラ本体2よりも高い剛性を有する、剛性材料からなる。本実施形態では、板状体6は、金属製のプレートである。剛性材料としての金属には、例えば、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、又は、アルミニウム合金等が挙げられる。また板状体6は、用途に応じて、繊維強化プラスチック、炭素繊維強化炭素複合材料、セラミックス、硬質プラスチック(例えば、高剛性ポリプロピレン(PP))等の剛性材料を使用することができる。
板状体6は、図1に示すように、クローラ本体2の周方向に間隔を置いて配置されている。本実施形態では、板状体6の周方向外縁6eL はそれぞれ、クローラ本体2の幅方向に沿って、互いに平行に延在している。詳細には、板状体6の幅方向外縁6eW はそれぞれ、板状体6の幅方向中心を通って、クローラ本体2の周方向と平行に延在する、板状体6の幅方向中心線O2Lから、クローラ本体2の幅方向外縁2eに向かって幅方向外側(クローラ本体2の幅方向外端2e側)に、互いに等しい長さで延在している。なお、図1では、板状体6の周方向外縁6eL および幅方向外縁eW はそれぞれ、例示的に、1つの板状体1のみに示されている。
また、図2に示すように、板状体6はそれぞれ、メインコード層4よりもクローラ本体2の外周側に配置されている。本実施形態では、補強コード層5がメインコード層4よりも外周側に配置されており、板状体6はさらに、補強コード層5よりも外周側に配置されている。すなわち、板状体6は、クローラ本体2の内部のうち、メインコード層4及び補強コード層5よりも外周側に埋設され、併せて、クローラ本体2に埋設された金属コード層4a及び補強コード5aを外周側から拘束する。
このように、本実施形態に係る芯金レスクローラ1Aによれば、剛性材料からなる、複数の板状体6を、少なくとも、金属コード4aよりもクローラ本体2の外周側に埋設することで、クローラ本体2の幅方向の剛性を高め、併せて、少なくとも、クローラ本体2に埋設された金属コード4aを、クローラ本体2の外周側から拘束することで、金属コード4aの変形(例えば、金属コード4aの捻れ(トーション)に伴う金属コード4aの中心線周りの変形)や乱れ(例えば、製造時に生じる金属コード4aの配列乱れ)等の発生を軽減できることから、少なくとも、金属コード4aを要因とする、斜行現象が抑制され、ひいては、耐久性や機体の直進性等に優れた、芯金レスクローラとなる。
特に、本実施形態に係る芯金レスクローラ1Aのように、周方向に対して傾斜した、複数の補強コード5aを併せて埋設した場合、複数の板状体6がクローラ本体2に埋設された補強コード5aを併せて外周側から拘束することで、補強コード5aの変形(例えば、製造時や駆動時に生じる補強コード5aの傾斜角変化に伴う変形)や乱れ(例えば、製造時に生じる補強コード5aの配列乱れ)等の発生を軽減できることから、補強コード5aを要因とする、斜行現象が抑制され、ひいては、耐久性や機体の直進性等により優れた、芯金レスクローラとなる。
さらに、本実施形態では、板状体6は、図1の平面視(本体の厚み方向視)で、板状体6の周方向外縁6eL がガイド突起7の部分と重複する位置にある。詳細には、板状体6の周方向外縁6eL は、図1の平面視で、板状体6がガイド突起7の頂面7aを含むように、ガイド突起7の周方向外縁7eL と頂面7aの周方向外縁7aL との間に位置している。このように、クローラ本体2の周方向での曲げ剛性が高く、機体への巻き掛け時に曲げを生じ難い、ガイド突起7の部分と厚み方向で重複する位置に板状体6を配置すれば、機体への巻き掛けの際に生じ得る、板状体6を起点とした屈曲を防止することができ、板状体6の耐久性、ひいては芯金レスクローラ1Aの耐久性が向上する。また、この場合、元々曲げ剛性が高く、曲げ難い部分に板状体6を埋設したことから、板状体6の埋設によって生じ得る、クローラ本体2の周方向での曲げ剛性の増大を抑制することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る芯金レスクローラ1Bである。芯金レスクローラは通常、製造時や駆動時において、その幅方向外側、特に、クローラ本体2の幅方向外端2eの付近で、捻れ等の変形を生じ易い。これは、クローラ本体2の剛性がクローラ本体2の幅方向外端2eに向かうに従って低下するため、クローラ本体2の幅方向外縁2eの付近では捻れ等の変形が生じ易くなると考えられる。一方、ガイド突起7の部分は、クローラ本体2の厚み方向の剛性が高く、駆動時において、金属コード4aや補強コード5aの捻れや配列乱れを生じ難い。
そこで、本実施形態に係る芯金レスクローラ1Bでは、図示のように、ガイド突起7の部分と厚み方向で重複する部分には、板状体6を埋設していない。本実施形態では、2つの板状体6(図面では、片側断面のみに表示する)を用い、これらの板状体6をそれぞれ、クローラ本体2の周方向の、ガイド突起7を配置した位置で、ガイド突起7の部分と厚み方向で重複する部分を除くように、幅方向に間隔を置いて配置している。この場合、ガイド突起7と厚み方向で重複する部分に板状体6が存在しない分、軽量化を図ることができるとともに、板状体6の使用材料が削減される分、低コスト化を図ることができる。また、この場合、クローラ本体2の剛性は、ガイド突起7と厚み方向で重複する部分を除いて高められているため、斜行現象の抑制も図れる。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る芯金レスクローラ1Cである。本実施形態は、図3の芯金レスクローラ1Bの変形例であり、2つの板状体6の幅方向間隔をさらに広げたものである。この場合、変形を生じ易いクローラ本体2の幅方向外縁2e側の剛性を重点的に高めつつ、板状体6が存在しない分をさらに拡大することで、より軽量化および低コスト化を図ることができる。
図5は、本発明の第4の実施形態に係る芯金レスクローラ1Dである。本実施形態は、図1の芯金レスクローラ1Aの変形例であり、板状体6の厚み方向距離(板状体6の厚み)を、クローラ本体2の幅方向外端2e側に向かうに従って、厚くなるようにしたものである。この場合、変形を生じ易いクローラ本体2の幅方向外縁2e側の剛性を重点的に高めることができる。なお、本実施形態では、板状体6の断面輪郭形状は、板状体6の内周面及び外周面をそれぞれ、クローラ本体2の幅方向外端2eに向かうに従って、クローラ本体2の厚み方向に延びる水平線に対して等しい距離ずつ遠ざけることで形成されているが、板状体6の内周面及び外周面のいずれか一方の面のみをクローラ本体2の厚み方向に延びる水平線から遠ざけることで形成することもできる。
図6は、本発明の第5の実施形態に係る芯金レスクローラ1Eである。本実施形態は、図1の芯金レスクローラ1Aの変形例であり、板状体6の厚み方向距離(厚み)を、クローラ本体2の幅方向外端2eに向かうに従って、薄くなるようにしたものである。この場合、板状体6の強度が、ガイド突起7の部分と厚み方向で重複する部分、すなわち、最も曲げ応力が発生する部分において、強度が確保され、さらに結果として、板状体6が薄くなることで軽量化を図れるとともに、板状体6の使用材料が削減される分、低コスト化を図れる。本実施形態では、板状体6の断面輪郭形状は、板状体6の内周面を、クローラ本体2の幅方向外端2eに向かうに従って、クローラ本体2の厚み方向に延びる水平線に対して内周側から接近させることで形成されている。
図7は、本発明の第6の実施形態に係る芯金レスクローラ1Fである。芯金レスクローラ1Fは、図6の変形例であり、板状体6の厚さは、幅方向外側に向かうに従って、クローラ本体2の外周側に向かって薄くなっている。本実施形態では、板状体6の断面輪郭形状は、板状体6の外周面を、クローラ本体2の幅方向外端2eに向かうに従って、クローラ本体2の厚み方向に延びる水平線に対して外周側から接近させることで形成されている。
図8は、本発明の第7の実施形態に係る芯金レスクローラ1Gである。本実施形態は、図1の芯金レスクローラ1Aの変形例であり、板状体6は、図8の平面視で、ガイド突起7の部分と重複する位置に配置されている。詳細には、図1の芯金レスクローラ1Aと異なり、板状体6の周方向外縁6eL は、図8の平面視で、ガイド突起7の頂面7aの周方向外縁7aL と等しい位置にある。この場合、板状体6は、クローラ本体2のうちで最も曲げ剛性の高い部分に埋設されるため、板状体6の耐久性、ひいては芯金レスクローラ1Aの耐久性が最も向上する。また、この場合、板状体6の埋設によって生じ得る、クローラ本体2の周方向での曲げ剛性の増大を最も抑制することができる。
図9は、本発明の第8の実施形態に係る芯金レスクローラ1Hである。本実施形態は、図8の芯金レスクローラ1Gの変形例であり、板状体6の周方向幅(周方向長さ)を、クローラ本体2の幅方向外縁2e側に向かうに従って、広く(長く)なるようにしたものである。この場合、板状体6の周方向幅を幅方向外側で広くすることで、変形を生じ易いクローラ本体2の幅方向外端2e側の剛性をより重点的に高めることができる。本実施形態では、板状体6の輪郭形状は、図9の平面視で、ガイド突起7の頂面7aと厚み方向で重複する部分の板状体6の周方向外縁6eL1を除いて、この周方向外縁6eL1の幅方向両側に繋がる、板状体6の周方向外縁6eL2がそれぞれ、クローラ本体2の幅方向外縁2eに向かうに従って、板状体6の幅方向中心線O6w(図9では例示的に1つの板状体6のみに表示する)に対して等しい距離ずつ遠ざかることで形成されている。なお、本実施形態では、板状体6の幅方向中心線O6wは、板状体6の周方向中心を通って、クローラ本体2の幅方向と平行に延在する線である。
図10は、本発明の第9の実施形態に係る芯金レスクローラ1Iである。本実施形態は、図8の芯金レスクローラ1Gの変形例であり、板状体6の周方向幅を、クローラ本体2の幅方向外縁2e側に向かうに従って、狭く(短く)なるようにしたものである。この場合、板状体6の周方向幅を幅方向外側で狭くすることで、変形を生じ易いクローラ本体2の幅方向外縁2e側の剛性を最低限確保しつつ、板状体6の周方向幅が短くなることで軽量化を図れるとともに、板状体6の使用材料が削減される分、低コスト化を図れる。本実施形態では、板状体6の輪郭形状は、図10の平面視で、ガイド突起7の頂面7aと厚み方向で重複する、板状体6の周方向外縁6eL1を除いて、この周方向外縁6eL1の幅方向両側に繋がる、板状体6の周方向外縁6eL2がそれぞれ、板状体6の幅方向中心線O6w(図10では例示的に1つの板状体6のみに表示する)に対して等しい距離ずつ接近することで形成されている。
次に、本発明に係る弾性クローラ装置は、本発明に係る芯金レスクローラを備える。
例えば、本発明の一実施形態に係る弾性クローラ装置は、上記芯金レスクローラ1A〜1Iのいずれかを備えている。具体例としては、図2に示すように、少なくとも、芯金レスクローラ1Aと、回転体10とを有している。例えば、本実施形態では、回転体10を摩擦駆動方式の駆動輪として、回転体10をクローラ本体2の内周面2f上で転動させることで、クローラ本体2に駆動力を伝達する。本実施形態では、回転体10は、2つのローラ11が連結軸12を介して連結されている。本実施形態では、回転体10は、駆動輪、従動輪及び転輪であるが、駆動側の駆動輪及び従動輪がスプロケットの回転軸周りに複数のピン部材(係合部)を配置したスプロケットの場合には、回転体10は転輪である。
本実施形態に係る弾性クローラ装置によれば、剛性材料からなる、複数の板状体6を、少なくとも、金属コード4aよりもクローラ本体2の外周側に埋設することで、クローラ本体2の幅方向の剛性を高め、併せて、少なくとも、クローラ本体2に埋設された金属コード4aをクローラ本体2の外周側から拘束することで、金属コード4a等の変形や乱れ等の発生を軽減できることから、少なくとも、金属コード4aを要因とする、斜行現象が抑制され、ひいては、耐久性や機体の直進性等に優れた、芯金レスクローラ装置となる。
このように、本発明によれば、斜行現象が抑制された、芯金レスクローラ及び芯金レスクローラ装置を提供することができる。
上述したところは、本発明のいくつかの実施形態を開示したにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、メインコード層及び補強コード層の個数及び配置は、芯金レスクローラの用途等に応じて、適宜変更することができる。上述の実施形態それぞれに採用された各構成は、それぞれ適宜組み合わせて使用することができる。
本発明は、弾性を有する無端帯状の本体と、前記本体の周方向に巻き掛けられて当該本体に埋設された金属コードと、を有する、芯金レスクローラ、及び、これを用いた芯金レスクローラ装置に適用することができる。
1A〜1I;芯金レスクローラ(第1〜第9の実施形態), 2;クローラ本体(本体), 2e;クローラ本体の幅方向外端, 2f;クローラ本体の内周面, 3;ラグ, 4;メインコード層, 4a;金属コード, 5;補強コード層, 5a;補強コード, 6;板状体, 7;ガイド突起(突起), 7a:頂面, 10;回転体, 11;ローラ, 12;連結軸, O2L;クローラ本体の周方向中心線, O6w;板状体6の幅方向中心線, D;クローラ本体の厚み方向(本体の厚み方向), L;クローラ本体の周方向(本体の周方向), W;クローラ本体の幅方向(本体の幅方向)

Claims (3)

  1. 弾性を有する無端帯状の本体と、
    前記本体に埋設されて当該本体の周方向に延びる、複数の金属コードを有する、メインコード層と、
    前記本体に当該本体の周方向に間隔を置いて埋設される、剛性材料からなる、複数の板状体と、を備え、
    前記本体に当該本体の周方向に対して傾斜して埋設される、複数の補強コードを有する、補強層と、
    前記板状体を前記メインコード層および前記補強層よりも前記本体の外周側に配置するとともに、
    前記板状体は、当該板状体の内周面を、前記本体の厚み方向に延びる水平線に対して内周側から接近させることによって、当該板状体の厚みを、前記本体の幅方向外端に向かうに従って、薄くさせているとともに、前記メインコード層および前記補強層よりも厚みが薄いことを特徴とする、芯金レスクローラ。
  2. 請求項1において、前記本体は、当該本体の内周面に、当該本体の周方向に間隔を置いて配置される、複数の突起を有し、前記板状体は、前記本体の厚み方向視で、当該板状体の周方向縁が前記突起の部分と重複する位置にある、芯金レスクローラ。
  3. 請求項1または2に記載の芯金レスクローラと、前記芯金レスクローラが巻き掛けられる、駆動輪、従動輪および転輪と、を備えることを特徴とする、芯金レスクローラ装置。

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