JP5841711B2 - 芯金レスの弾性クローラ - Google Patents

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本発明は、各種のクローラ式走行装置に使用可能な芯金レスの弾性クローラに関する。より具体的には、当該弾性クローラの駆動突起の改良に関する。
農業機械や建設機械等の走行部に採用されるクローラ式走行装置は、駆動スプロケット、アイドラ及び複数の転輪にわたって無端帯状の弾性クローラを巻き掛けることによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記弾性クローラとしていわゆる芯金レスのものがあり、この弾性クローラは、クローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ駆動突起を内周面に有する無端帯状のゴム製のクローラ本体と、この内部に埋設されたクローラ周方向に沿って延びる抗張体とを備えている。
かかる芯金レスの弾性クローラでは、動力伝達のために駆動スプロケットが駆動突起に順次係合し、クローラ幅方向の横ずれ防止のために駆動突起がアイドラ及び転輪にガイドされるので、駆動突起にはクローラ周方向及び幅方向の剪断力が常に作用する。
従って、芯金レスの弾性クローラでは、常時作用する剪断力に対して所望の耐久性が得られるように、駆動突起のゴム材料をクローラ本体よりも高硬度のものを採用することがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3483678号公報 特開2007−22304号公報
図6は、上記従来例に係る芯金レスの弾性クローラの一例を示す横断面図である。この図6に示すように、高硬度ゴムよりなる駆動突起2は成形時の加硫反応を通じてクローラ本体3の内周面3Aに接着されている。
しかし、従来の弾性クローラでは、駆動突起2の基端縁2Aがクローラ本体3の内周面3Aに露出しており、その基端縁2Aがクローラ本体3との接着ラインになるので、駆動突起2に作用するクローラ周方向及び幅方向の剪断力により、当該基端縁2Aからクラックが発生し易い断面構造になっている。
特に、クローラ本体3よりもゴム硬度が大きい駆動突起2を採用する場合には、剪断力に伴う局部的な変形が基端縁2Aの付近に生じるため、当該基端縁2Aからのクラックが発生し易い。
このため、いったん発生したクラックが成長すると、ついには駆動突起2がクローラ本体3から脱落して、弾性クローラ1がクローラ式走行装置から外れることがあり、弾性クローラ1としての耐久性に問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、駆動突起の基端縁からのクラックの発生を有効に防止できるようにして、芯金レスの弾性クローラの耐久性を向上することを目的とする。
本発明の弾性クローラは、
無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1のアンカー片部が一体に突設され、前記第1のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されていることを特徴とする。
本発明の弾性クローラによれば、駆動突起の各基端縁がクローラ本体の内部に位置するように、当該駆動突起がクローラ本体に部分的に埋設されているので、駆動突起の各基端縁がクローラ本体の内周面に露出しない。
このため、駆動突起が駆動スプロケット、アイドラ及び転輪からクローラ周方向及び幅方向の剪断力を受けても、駆動突起の各基端縁からクラックが発生し難くなる。また、埋設高さ分だけクローラ本体に対する接着力が増大するので、駆動突起をより強固にクローラ本体に固定することができる。
また、本発明の弾性クローラにおいて、前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1のアンカー片部を一体に突設している。この第1のアンカー片部クローラ幅方向におけるアンカー効果を発揮するとともに、クローラ幅方向の接着面積を増大させるので、クローラ幅方向における駆動突起の基部の固着力が向上する。従って、アイドラや転輪から受けるクローラ幅方向の剪断力に対して高い耐久性を有する弾性クローラを製作することができる。
また、本発明の弾性クローラは、無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ周方向に張り出す第2のアンカー片部が一体に突設され、前記第2のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されていることを特徴としている。
この場合、第2のアンカー片部がクローラ周方向におけるアンカー効果を発揮するとともに、クローラ周方向の接着面積を増大させるので、クローラ周方向における駆動突起の基部の固着力が向上する。従って、駆動スプロケットから受けるクローラ周方向の剪断力に対して高い耐久性を有する弾性クローラを製作することができる。
さらに、本発明は、無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1のアンカー片部と、同クローラ周方向に張り出す第2のアンカー片部とが一体に突設され、前記第1及び第2のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されていることを特徴としている。
また、前記第1のアンカー片部は、当該弾性クローラの内周面を転動する転輪の外周側に前記クローラ本体のゴム層を介して配置されることが好ましい。
本発明方法は、上記弾性クローラの製造方法であって、次の工程(a)〜(c)を含むものである。
(a)未加硫の内側ゴム層にクローラ周方向に所定間隔おきに並べて形成されるとともに、前記駆動突起の未加硫ゴム体の基部を通過させ、かつ前記アンカー片部を通過できない大きさの複数の貫通孔に、前記未加硫ゴム体を、クローラ外面側から内面側に向かって挿通し、前記アンカー片部を前記内側ゴム層に係合させて抜け止めする工程
(b)前記内側ゴム層のクローラ外面側と未加硫の外側ゴム層のクローラ内面側との間に未加硫の抗張体層を挟んだ状態で、この各層を積層する工程
(c)積層後の前記各層を一対のモールドで加硫成形する工程
本発明方法によれば、上記工程(a)において、未加硫の内側ゴム層に形成された各貫通孔に、駆動突起の未加硫ゴム体がクローラ外面側から内面側に向かって挿通して抜け止めされ、上記工程(b)において、内側ゴム層のクローラ外面側と未加硫の外側ゴム層のクローラ内面側との間に未加硫の抗張体層を挟んだ状態で、この各層が積層される。
このため、駆動突起の未加硫ゴム体の底面が、内側ゴム層を介在しないで抗張体層に当接した状態でセットされる。
従って、加硫成形後に高硬度ゴムとなる駆動突起の底面が、クローラ本体内の抗張体に近接して、その抗張体にほぼ直結した状態となるので、クローラ周方向の剪断力に対する駆動突起の基部の剛性が高められ、耐久性に優れた弾性クローラが得られる。
また、加硫成形後にクローラ本体と一体化するアンカー片部が、アンカー効果と接着面積の増大効果を発揮するので、クローラ幅方向やクローラ周方向における駆動突起の基部の固着力を向上させることができる。
以上の通り、本発明によれば、駆動突起の基端縁からのクラックの発生を有効に防止できるので、芯金レスの弾性クローラの耐久性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る芯金レスの弾性クローラの横断面図である。 弾性クローラの素材となる駆動突起の未加硫ゴム体の斜視図である。 弾性クローラが装着されたクローラ式走行装置の側面図である。 (a)は、未加硫の各素材の分解状態を示す側面断面図であり、(b)は、その各素材をモールドに充填する状態を示す側面断面図である。 内側ゴム層に対する未加硫ゴム体の装着方法を示す斜視図である。 従来例に係る芯金レス弾性クローラの一例を示す横断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る弾性クローラ1を示しており、図2は、弾性クローラ1の素材となる駆動突起2の未加硫ゴム体12の斜視図である。また、図3は、本実施形態の弾性クローラ1が装着されたクローラ式走行装置100を示している。
〔クローラ式走行装置〕
図3に示すように、クローラ式走行装置100は、駆動スプロケット101と、アイドラ102と、駆動スプロケット101とアイドラ102の間に配列された複数の転輪103と備えており、これらで構成される車輪群に、本実施形態の弾性クローラ1を巻き掛けることによって構成されている。
クローラ式走行装置100の駆動スプロケット101には、回転駆動される一対の円板が左右方向対向状に配置されているとともに、この円板間の外周側に左右方向の駆動ピン104が円周方向に間隔をおいて設けられている。
弾性クローラ1は、上記駆動ピン104を駆動突起2にそれぞれ係合させた状態で装着されており、この駆動ピン104から受ける力で周方向に沿って駆動される。
クローラ式走行装置100の転輪103やアイドラ102は、左右一対の円形車輪部を有しており(図1の仮想線参照)、駆動突起2を跨いで通過する跨ぎタイプである。このため、クローラ本体3の内周面における駆動突起2の左右両側は、転輪103やアイドラ102の転動面となっている。
駆動突起2は、転輪103やアイドラ102の円形車輪部間でクローラ周方向にガイドされ、これにより、弾性クローラ1がクローラ幅方向の位置ずれを規制されながらクローラ周方向に駆動される。
このため、弾性クローラ1がクローラ周方向に駆動されている場合には、各駆動突起2が転輪103やアイドラ102の円形車輪部の内側側面に衝突し、この際、その円形車輪部からクローラ幅方向の剪断力が駆動突起2に作用する。
〔弾性クローラの基本構成〕
図1に示すように、本実施形態の弾性クローラ1は、いわゆる芯金レスタイプのものであり、クローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起2が内周面から一体に突設された無端帯状のクローラ本体3と、このクローラ本体3の外周面に所定のラグパターンで形成された複数のラグ4と、クローラ本体3の内部でクローラ周方向に沿って埋設された抗張体5とを備えている。なお、駆動突起2は、クローラ本体3の幅方向中央部に配置されている。
クローラ本体3は、ほぼ一定厚さの無端帯状に形成されたゴム製の弾性体よりなり、抗張体5よりクローラ内面側(図1の上側)の上半部分と、クローラ外面側(図1の下側)の下半部分とでゴム硬度(デュロメーター:タイプA)が相違する。
例えば、クローラ内面側の上半部分のゴム硬度は55〜95度に設定され、クローラ外面側の下半部分のゴム硬度は55〜75度に設定される。
クローラ本体3の内周面から突出する各駆動突起2は、クローラ本体3よりも高硬度のゴム製の弾性体よりなり、例えば、ゴム硬度が80〜95度に設定される。なお、駆動突起2には剛性強化のための短繊維が配合されていてもよい。
抗張体5は、クローラ周方向に沿って延びるスチールコード等からなる、多数の抗張力コードをクローラ幅方向に配列することにより構成されており、これらのコードの周囲は、加硫成形前に未加硫ゴムで固められている。
本実施形態の抗張体5としては、有端の1本の抗張力コードをクローラ周方向に1周巻回したものを、クローラ幅方向に並列状として多数本配置することにより構成されたコードラップ方式の構造のものを採用することができる。また、抗張体5は、1本の抗張力コードを螺旋状に巻回することにより構成された継ぎ目のないスパイラル構造のものを採用してもよい。
なお、抗張力コードとしては、例えば、鋼製フィラメントを数本撚ったものを、更に数束撚り合わせたスチールコードやナイロンコード等が採用される。
〔駆動突起の埋設構造〕
図1に示すように、本実施形態の弾性クローラ1では、駆動突起2のクローラ幅方向左右の基端縁2Aと、クローラ周方向前後の基端縁2Bのすべてがクローラ本体3の内部に位置するように、駆動突起2の基部がクローラ本体3に部分的に埋設されており、駆動突起2の基端縁2A,2Bがクローラ本体3の内周面3Aに露出しない断面構造となっている。
従って、駆動突起2が駆動スプロケット101からクローラ周方向の剪断力を受けたり、アイドラ102及び転輪103からクローラ幅方向の剪断力を受けたりしても、駆動突起2の基端縁2A,2Bからクラックが発生しないか或いは極めて発生し難いものとなっている。
また、この場合、クローラ本体3に対する埋設高さhの分だけ、クローラ本体3に対する接着面積が増大するので、図6に示す従来の弾性クローラ1に比べて、駆動突起2をより強固にクローラ本体3に固定できるという効果もある。
駆動突起2の基部には、クローラ本体3の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1アンカー片部7が一体に突設されている。
図2(a)に示すように、第1アンカー片部7は、駆動突起2の左右両側面の基端縁2Aからクローラ幅方向外側に突出する、ほぼ長方形状の板片よりなる。この第1アンカー片部7は、加硫成形後のクローラ本体3の内部において、クローラ幅方向のアンカー効果を発揮し、クローラ幅方向での接着面積を増大させる。
従って、第1アンカー片部7を設けない場合に比べて、クローラ幅方向における駆動突起2の基部の固着力が向上し、アイドラ102や転輪103から受けるクローラ幅方向の剪断力に対して高い耐久性を有する弾性クローラ1が得られる。
また、図2(b)に示すように、駆動突起2の基部に、クローラ本体2の内部においてクローラ周方向に張り出す第2アンカー片部8を一体に突設することにしてもよい。この第2アンカー片部8は、加硫成形後のクローラ本体3の内部において、クローラ周方向におけるアンカー効果を発揮し、クローラ周方向での接着面積を増大させる。
従って、第2アンカー片部8を設けない場合に比べて、クローラ周方向における駆動突起2の基部の固着力がより向上し、駆動スプロケット101から受けるクローラ周方向の剪断力に対して高い耐久性を有する弾性クローラ1が得られる。
〔弾性クローラの製造方法〕
図4及び図5は、本実施形態に係る弾性クローラ1の製造方法を示している。このうち、図4(a)は、未加硫の各素材11〜14の分解状態を示す側面断面図であり、図4(b)は、その各素材11〜14をモールドに充填する状態を示す側面断面図である。また、図5は、内側ゴム層11に対する未加硫ゴム体12の装着方法を示す斜視図である。
なお、図4及び図5において、上側がクローラ外面側(図1の下側:接地側)であり、下側がクローラ内面側(図1の下側:非接地側)となっている。
図4(a)に示すように、加硫成形前の弾性クローラ1の構成要素となる素材には、未加硫の内側ゴム層11と、駆動突起2の未加硫ゴム体12と、抗張体5を未加硫ゴムで固めた抗張体層13と、未加硫の外側ゴム層14とが含まれる。
図5に示すように、内側ゴム層11は、クローラ外面側(図5の上面側)の面の帯幅方向中央部に、クローラ周方向に延びる比較的浅い凹溝部16を有する。また、内側ゴム層11には、クローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ矩形状の貫通孔17が形成されている。
この貫通孔17は、未加硫ゴム体12の本体部分における基部の平面断面とほぼ同じ形状及び寸法である。従って、未加硫ゴム体12の基部は貫通孔17を通過できるが、基部から突出するアンカー片部7,8は貫通孔17を通過することができない。
また、内側ゴム層11の凹溝部16は、アンカー片部7,8の板厚とほぼ同じ溝深さに形成され、かつ、第1アンカー片部7を含む未加硫ゴム体12の最大幅とほぼ同じ寸法の溝幅を有する。
このため、図5に示すように、駆動突起2の未加硫ゴム体12の先端部を貫通孔17に対して上から落とし込むと、駆動突起2の本体部分が貫通孔17を通ってクローラ内面側(図5の下側)から突出し、駆動突起2が下方に落下しないように抜け止めされる。
また、この際、アンカー片部7,8が凹溝部16に嵌合し、未加硫ゴム体12の底面12Cと内側ゴム層11の上面が面一になる。
弾性クローラ1を加硫成形するには、図4(a)に示すように、まず、未加硫の内側ゴム層11の各貫通孔17に、駆動突起2の未加硫ゴム体12を、クローラ外面側から内面側に向かって挿通して内側ゴム層11に装着し、この内側ゴム層11を下モールド18のキャビティに搬入する。
下モールド18には、未加硫ゴム体12の成形凹部20が形成されており、この成形凹部20のクローラ周方向のピッチは貫通孔17の同方向ピッチとほぼ同じである。
このため、未加硫ゴム体12が装着された内側ゴム層11を下モールド18のキャビティに搬入すると、各未加硫ゴム体12の本体部分を対応する成形凹部20にそれぞれ嵌め込むことができる。
なお、貫通孔17を成形凹部20に合致させるようにして、内側ゴム層11を先に下モールド18のキャビティに搬入してから、貫通孔17に未加硫ゴム体12を差し込むことにより、未加硫ゴム体12を内側ゴム層11に装着することもできる。
次に、内側ゴム層11の上面(クローラ外面側の面)に未加硫の抗張体層13を載せるとともに、その抗張体層13の上面に更に外側ゴム層14を載せる。これにより、内側ゴム層11のクローラ外面側(上面側)と外側ゴム層14のクローラ内面側(下面側)との間に抗張体層13が挟まれた状態で、各層11,13,14が三層に積層される。
その後は、下モールド18に対応する上モールド19を接合させて、所定圧で加圧しつつ所定温度で金型を加熱することにより、モールド18,19内の各層11,13,14を加硫成形すればよい。
このように、本実施形態の弾性クローラ1の製造方法によれば、未加硫の内側ゴム層11に形成された各貫通孔17に、駆動突起2の未加硫ゴム体12がクローラ外面側から内面側に向かって挿通されて抜け止めされ、未加硫ゴム体12が装着された内側ゴム層11のクローラ外面側と、未加硫の外側ゴム層14のクローラ内面側との間に未加硫の抗張体層13を挟んだ状態で各層11,13,14が積層される。
このため、駆動突起2の未加硫ゴム体12の底面12C(図4及び図5参照)は、内側ゴム層11を介在せずに抗張体層13に直接当接した状態でセットされる。
従って、加硫成形後において、高硬度ゴムよりなる駆動突起2の底面2C(図1参照)が、クローラ本体内の抗張体5に近接し、当該抗張体5にほぼ直結した状態となる。このため、クローラ周方向の剪断力に対する駆動突起2の基部の剛性が高められ、耐久性に優れた弾性クローラ1が得られる。
また、未加硫ゴム体12は、アンカー片部7,8によって基部が貫通孔17を通過できないようになっているので、未加硫ゴム体12の先端部を貫通孔17に上から落とし込むだけで、未加硫ゴム体12を内側ゴム層11に位置決めすることができ、内側ゴム層11への未加硫ゴム体12の装着を容易に行える。
更に、本実施形態の製造方法では、未加硫ゴム体12が、クローラ幅方向又はクローラ周方向若しくはこれら双方向に張り出す、貫通孔17を通過できない大きさのアンカー片部7,8を一体に有するので、加硫成形後において、アンカー片部7,8によるアンカー効果や接着面積を増大効果が得られ、クローラ幅方向等における駆動突起2の基部の固着力を向上できるという利点もある。
〔その他の変形例〕
なお、今回開示した実施形態は本発明の例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びその構成と均等な範囲でのすべての変更が含まれる。
例えば、駆動突起2は、加硫成形後にクローラ本体3に対する所望の固着力が得られる限りにおいて、アンカー片部7,8を備えていなくてもよい。
1 弾性クローラ
2 駆動突起
2A 基端縁
2B 基端縁
2C 底面
3 クローラ本体
3A 内周面
4 ラグ
5 抗張体
7 第1のアンカー片部
8 第2のアンカー片部
11 内側ゴム層
12 未加硫ゴム体
13 抗張体層
14 外側ゴム層
17 貫通孔
18 下モールド
19 上モールド

Claims (5)

  1. 無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
    前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、
    前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1のアンカー片部が一体に突設され、
    前記第1のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されている弾性クローラ。
  2. 無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
    前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、
    前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ周方向に張り出す第2のアンカー片部が一体に突設され、
    前記第2のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されている弾性クローラ。
  3. 無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面から突設されたクローラ周方向に所定間隔おきに並ぶ、当該クローラ本体よりも高硬度のゴム製の複数の駆動突起と、クローラ周方向に沿って前記クローラ本体の内部に埋設された抗張体とを備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
    前記駆動突起の各基端縁が前記クローラ本体の内部に位置しかつ前記クローラ本体の内周面に露出しないように、当該駆動突起が前記クローラ本体に部分的に埋設され、
    前記駆動突起の基部に、前記クローラ本体の内部においてクローラ幅方向に張り出す第1のアンカー片部と、同クローラ周方向に張り出す第2のアンカー片部とが一体に突設され、
    前記第1及び第2のアンカー片部は、前記クローラ本体の内周面に露出しないように、その全体がクローラ本体内に埋設されている弾性クローラ。
  4. 前記第1のアンカー片部が、当該弾性クローラの内周面を転動する転輪の外周側に前記クローラ本体のゴム層を介して配置される、請求項1または3に記載の弾性クローラ。
  5. 次の工程(a)〜(c)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性クローラの製造方法。
    (a)未加硫の内側ゴム層にクローラ周方向に所定間隔おきに並べて形成されるとともに、前記駆動突起の未加硫ゴム体の基部を通過させ、かつ前記アンカー片部を通過できない大きさの複数の貫通孔に、前記未加硫ゴム体を、クローラ外面側から内面側に向かって挿通し、前記アンカー片部を前記内側ゴム層に係合させて抜け止めする工程
    (b)前記内側ゴム層のクローラ外面側と未加硫の外側ゴム層のクローラ内面側との間に未加硫の抗張体層を挟んだ状態で、この各層を積層する工程
    (c)積層後の前記各層を一対のモールドで加硫成形する工程
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